JP2020103188A - 細胞培養観察用容器、細胞観察システムvsおよび遠心分離システム - Google Patents

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一博 長池
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Abstract

【課題】細胞を培養したまま細胞を観察でき、かつ細胞の観察時に焦点距離の調整が容易な細胞培養観察用容器の提供。【解決手段】細胞培養観察用容器Cは、多角柱状に形成されており、前記多角柱状の閉鎖した多角形状の底面と、前記底面に対向する上端部に設けられた開口と、前記筒状の側周を形成する側周壁20とを備え、前記側周壁は、透過性を有するとともに、オートフォーカスの焦点調整に利用可能なマークを備えることを特徴とする。該細胞培養観察用容器では、容器内で培養された細胞を観察システムVSで観察する際に、マークによってオートフォーカス機能が、一律に焦点距離を調整する。これにより、測定のたびに焦点距離が異なり、観察される細胞寸法が変化してしまうということがなく、安定的に細胞を観察することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞を培養し、また、培養された細胞を観察するための容器に関し、詳細には、間葉系細胞や間葉系幹細胞などの付着性細胞を含む各種細胞を培養および観察するための容器に関する。
従来より、生体から単離した様々な種類の細胞を、生体環境を模した人工的な環境下にて培養し、さらに必要に応じて遺伝子導入を行い、それら細胞や、細胞から産生される各種因子を大量に得て、各種の疾患治療に用いることが行われている。そのような細胞として、細胞と足場との間で各種分子による相互作用により、足場となる部位に付着し、増殖する性質を有する繊維芽細胞、間葉系細胞や間葉系幹細胞などの付着性細胞がある。それら付着性細胞は、付着容易な培養面を有する細胞培養用の容器を用いて増殖させることができる。
そのような細胞培養用の容器として、一般的には培養皿や培養用フラスコが用いられるが、一部には、特許文献1に記載のような細胞培養用容器を用いられる。特許文献1に記載の細胞培養用容器は、閉塞した下端部および相対向する上端部に液体用開口を有する8角柱の細胞培養用容器として構成されており、該8角柱の側周を形成する各面が平面状であり、該8角柱を形成する各面のうち相対向する2面が水平である。
特許文献1に記載の細胞培養観察用容器によれば、細胞を培養しながら細胞の状態を確認することが可能となり、初期細胞数が極めて少ない、または、得ることが困難な細胞を用いる場合であっても、大量培養条件を設定できる。また、培養面が平面状であることから、細胞密度の均一性を保ち、疾患治療に用いられる間葉系幹細胞のような未分化状態を維持するなど、特定の細胞性状を維持する必要がある付着性細胞を、均質、大量かつ安価に培養し増殖できるも。さらに、閉塞した下端部が円錐状又は8角錐を呈する構造とすることで、遠心チューブの機能を併せ持つ細胞培養観察用容器となり、更なるコスト低減を図っている。
国際公開第2015/156367号
しかし、上述のような8角柱の細胞培養観察用容器では、該8角柱を形成する各側周面が平面状であり、透過性のある樹脂材料等により製作されていることから、細胞培養観察用容器で細胞を培養し、そのまま、顕微鏡等の観察システムVSにより細胞を観察することができるものの、細胞を観察する際に、観察システムVSの有するオートフォーカス機能により焦点距離を合わせようとすると、観察するたびに焦点が異なってしまうという課題があった。
すなわち、オートフォーカス機能が側周面の外側、内側または細胞そのもので焦点を調整することになり、これにより、焦点距離が異なるため、観察される細胞の寸法が観察のたびに変化してしまうという課題があった。
本発明は、上記のような課題に鑑み、細胞を培養したまま細胞を観察でき、かつ細胞の観察時に焦点距離の調整が容易な細胞培養観察用容器を提供することを目的とする。
(1)細胞培養観察用容器は、多角柱状に形成されており、前記多角柱状の閉鎖した多角形状の底面と、前記底面に対向する上端部に設けられた開口と、前記筒状の側周を形成する側周壁とを備え、前記側周壁は、透過性を有するとともに、オートフォーカスの焦点調整に利用可能なマークを備えることを特徴とする。
この細胞培養観察用容器では、多角柱状の細胞培養観察用容器の側周を形成する側周壁が、透過性を有するとともに、オートフォーカスの焦点調整に利用可能なマークを備えている。したがって、この細胞培養観察用容器よれば、容器内で培養された細胞を観察システムVSで観察する際に、マークによってオートフォーカス機能が、一律に焦点距離を調整する。これにより、測定のたびに焦点距離が異なり、観察される細胞寸法が変化してしまうということがなく、安定的に細胞を観察することができる。
(2)前記した細胞培養観察用容器において、前記マークは、前記側周壁の外側面に設けられていてもよい。そのようにすれば、側周壁の外側面にマークをレーザー加工等により容易に形成できるとともに、側周壁の内側を均一な平坦面とすることができ、細胞を安定的な環境で培養することができる。
(3)前記した細胞培養観察用容器において、前記マークは、前記側周壁に設けられた直線状の線傷であってもよい。そのようにすれば、線傷を目盛りとして機能させることができ、容器内の培養液の量を容易に測定することができる。
(4)前記した(3)の細胞培養観察用容器において、前記線傷は、前記底面に対して45°傾斜して設けられていてもよい。そのようにすれば、細胞培養観察用容器の角部に培養液を集めるように細胞培養観察用容器が45°の角度で傾斜した状態で容器内の培養液量を測定する目盛りとして線傷が機能する。
(5)前記した細胞培養観察用容器において、前記側周壁は、容器の内側において、前記底面から90°の角度で立ち上がっていてもよい。そのようにすれば、多角形状の底面部と側周壁の内側面とが角部を形成する。細胞培養観察用容器を遠心分離する際に、この角部を遠心方向に向けることで、遠心分離後の細胞や培養液回収が容易になる。
(6)前記した細胞培養観察用容器において、複数の側周壁のうちのいずれか1つの前記側周壁は、内側面に前記側周壁を区分けるように前記側周壁の矩形の一端から他端まで線状に伸びる凸状部を有していてもよい。そのようにすれば、区分けされて面積の小さくなった側周壁の内側面の一方にのみ培養液を集めることができ、少量の培養液で初代継代を行うことができる。
(7)前記した(1)の細胞培養観察用容器において、前記複数の側周壁のうちのいずれか1つの前記側周壁は、内側面に前記側周壁を区分けるように前記側周壁の矩形の一端から他端まで伸びる凸状の線を有し、前記凸状部が前記マークとして機能してもよい。
そのようにすれば、区分けされて面積の小さくなった側周壁の内側面の一方にのみ培養液を集めることができ、少量の培養液で初代継代を行うことができるとともに、容器内で培養された細胞を観察システムVSで観察する際に、オートフォーカス機能が凸状部をマークとして一律に焦点距離を調整する。これにより、測定のたびに焦点距離が異なり、観察される細胞寸法が変化してしまうということがなく、安定的に細胞を観察することができる。
(8)前記した細胞培養観察用容器において、前記底面は、多角形状の各辺が120°以下の角度を有していてもよい。そのようにすれば、底面部と側周壁とで形成される角部が鋭くなり、少量の培養液で遠心分離を行うことができる。
(9)前記した細胞観察システムVSは、前記した細胞培養観察用容器の内部を観察するべく、前記細胞培養観察用容器に設けられた前記前記マークにより、焦点距離を調整可能であることを特徴とする。そのようにすれば、多角柱状の細胞培養観察用容器の側周を形成する側周壁が、透過性を有するとともに、オートフォーカスの焦点調整に利用可能なマークを備えている。したがって、この細胞培養観察用容器よれば、容器内で培養された細胞を観察システムVSで観察する際に、マークによってオートフォーカス機能が、一律に焦点距離を調整する。これにより、測定のたびに観察されるスケールが異なるということがなく、安定的に細胞を観察することができる。
(10)前記した(5)に記載の細胞培養観察用容器を用いて遠心分離を行う遠心分離システムであって、前記細胞培養観察用容器は、遠心方向に対して45°傾いた状態で取り付けられることを特徴とする。そのような遠心分離システムでは、細胞培養観察用容器を遠心分離する際に、多角形状の底面部と側周壁の内側面とから形成される角部が遠心方向に向き、遠心分離により培養液と培養細胞との分離が促進し、また遠心分離後の細胞や培養液回収が容易になる。
本発明は、細胞を培養したまま細胞を観察でき、かつ細胞の観察時に焦点距離の調整が容易な細胞培養観察用容器を提供できる。
本発明の実施形態に係る細胞培養観察用容器を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養観察用容器の容器本体を示す図であり、(A)は容器本体の正面図、(B)は容器本体の側面図、(C)は容器本体の平面図、(D)は容器本体の底面図を示す。 本発明の実施形態に係る本体容器の断面図であり、(A)は図2に示すa―aの断面図であり、(B)は図3(A)に示すb−bの断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養観察用容器の一部断面図であり、図1に示すc−cの断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養観察用容器を観察する観察システムVSの概念図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養観察用容器を回転させて細胞継代させる回転式細胞培養システムの概念図である。 図6に示す細胞培養観察用容器の下側の側周壁付近を示す側断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養観察用容器を遠心分離する遠心分離システムの概念図である。 図8に示す細胞培養観察用容器を遠心分離している際に、容器内の培養液が角部に集中することを示す概念図である。
[細胞培養観察用容器]
まず、本発明の実施形態に係る細胞培養観察用容器C、観察システムVS、回転式培養システムRS、遠心分離システムCSについて、図1〜図9を参照して詳細説明する。
図1〜図4に示すように、細胞培養観察用容器Cは、概略、多角柱状に形成されている。細胞培養観察用容器Cは、底面10と側周壁20と開口hとを備える容器本体1と、容器本体1の開口hを蓋する蓋体2とを含む。容器本体1は、多角形状の底面10と、底面10に対向する上端部に設けられた開口hと、筒状の側周を形成する側周壁20とを備える。また、容器本体1は、側周壁20の底面10部と反対側に連続し、開口hを形成する首部30を備える。
ここで、容器本体1の首部30の外側と蓋体2の内側とは、相互に螺合するように雄ねじ31および雌ねじ(図示なし)を形成されている。これにより、蓋体2は容器本体1に収容された培養液Wを外部に漏らさないように容器本体1に蓋をする。また、首部30は、フランジ部32を有し、容器本体1を上向きに保持したり、横向きに保持したり、または、開口hを斜め下向きにし、容器内部に満たした培養液Wをデカンテーション等に排出するように保持することができる。
本実施形態において、容器本体1は、合成樹脂を材料として一体的に吹き込み成形により形成されており、容器本体1の内側面には、表面親水化処理を施されている。また、蓋体2も同様の材料により形成される。さらに、本体容器は、透過性を有し、容器の内部を観察可能となるように形成されている。なお、容器本体1は、首部30とその他の部分とを別々に成形して製作されてもよい。
本実施形態において、細胞培養観察用容器Cの容器本体1は、正六角柱状に形成されており、底面10部は正六角形状を有し、これに対応するように6つの側周壁20を備える。側周壁20は、それぞれ、矩形の平板形状を有する。したがって、容器本体1において、側周壁20の内側面は、各辺が120°の角度を有し、また、並行に対向する側周壁20の対が3つ形成されている(図3(B)を参照)。
また、側周壁20の内側面は、底面10部から略90°の角度で立ち上がるように形成されており(図3(A)を参照)、六角形状の底面10部と側周壁20とは、6つの角部kを形成している。細胞培養観察用容器Cは、顕微鏡のような観察システムVSにより観察されるため、少なくとも側周壁20は細胞培養観察用容器Cの内部を観察可能なように透過性を有する。なお、蓋体2は、透過性を有しなくてもよい。
側周壁20はオートフォーカスの焦点調整に利用可能なマークを備える。本実施形態において、マークは、底面10に対して45°傾斜して側周壁20の外側面に設けられ直線状の線傷21である。マークは、例えば、レーザ加工により形成することができる。レーザ加工によれば形成された線傷21の深さを精度よく調整できる。
本実施形態において、線傷21は、各側周壁20の角部kおよび中央に形成されている。角部kに形成された線傷21は、後述する遠心分離装置に細胞培養観察用容器Cがセットされた際に、角部kに集められた培養液Wの目盛りとしても機能する。また、中央に形成された線傷21は、
また、1つの矩形の側周壁20の内側面には、上下方向(底面10側から開口h側)に一端から他端まで伸びる凸状部を左右方区の略中央に有する。これにより、当該側周壁20の内側面は、2分割に区分けされている。これにより、細胞を回転培養する初代継代において、区分けされた一方に培養液Wを貯めることで、少量の培養液Wで初代継代を行うことができる。
なお、上記細胞培養観察用容器Cは、培養液Wを容器内に収容し、細胞を培養する際に十分な強度を持つ程度の壁圧を発揮する厚みを有したものとなるようにする必要がある。さらに、細胞培養観察用容器Cによって遠心分離により細胞回収する場合は、遠心分離に十分耐えることができる強度をもつように厚さを設計される。
細胞培養観察用容器Cは、多角柱状に成形できるように設計した金型を用いて製造し、前記した合成樹脂を用いる場合には、吹き込み成形により一体成形されたものとすることができる。培養する細胞の種類により、培養途中にて、顕微鏡などを利用して検鏡し培養中の細胞状態を詳細に確認する必要が生じる場合がある。
そこで、良好な状態で検鏡し培養中の細胞状態を詳細に確認することができるようにするため、金型の側周壁を形成する部分に鏡面処理を施すなどして、歪の少ない側周壁20を有する数細胞培養観察用容器Cを製造することができる。
さらに、多角柱の細胞培養観察用容器Cの培養面への細胞の付着性を高めるために培養面を修飾するための成分として、ゼラチン、細胞外基質又はポリカチオン類を、培養面の表面に塗布されたものとしてもよい。ゼラチン、細胞外基質又はポリカチオン類は、細胞培養に用いられているものであればその種類を特に限定しない。細胞外基質としては、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチンなど、ポリカチオン類としては、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリオルチニンなどを用いることができる。
また、上記の各成分は、培養面へのより高い付着性を発揮させることを望む部位に塗布することができ、多角柱の細胞培養観察用容器Cの培養面となる全ての面に塗布しても良く、1面おきに4面塗布しても良く、所望の面のみに塗布しても良く、また、面によって異なる成分を塗布したものとしてもよい。
[観察システムVS]
図5に示すように、観察システムVSは、細胞培養観察用容器Cが長手方向を水平方向に沿わせた状態で観察台(図示なし)に配置され、観察台に配置された細胞培養観察用容器Cの上側に位置する側周壁20面に付着した細胞が観察される。本実施形態において、一方の面が下側の水平面となって観察台に置かれ、対向する他方の面が上側の水平面となって観察される。このとき、マークの設けられた側周壁20を観察される他方の面となるように、細胞培養観察用容器Cが配置される。
これにより、細胞培養観察用容器Cの上側の水平面を観察するとき、マークを基準にして、オートフォーカスの焦点調整が行われる(図5のLc)。従来は、オートフォーカスの焦点調整が側周壁20の外側の面(図5のLa)となったり、内側の面(図5のLb)となったり、または付着した細胞そのもの(図示なし)となってしまっていた。そうすると、焦点調整が観察のたびに異なり、観察される細胞の寸法が異なってしまうという問題があった。
マークを基準にすることで、オートフォーカスの焦点調整が一律に行われるため、再現性の高い観察が可能となる。本実施形態において、マークは、側周壁20の外側面に設けられた線傷21であるため、線傷21の底面10がオートフォーカスの焦点調整の基準となる。なお、基準となる底面10の深さと、側周壁20の厚さを把握しておき、観察された像に補正をかけるようにしてもよい。
[回転式培養システム]
図6に示すように、回転式培養システムRSは、細胞培養観察用容器Cの長手方向を水平方向に沿わせ、側周壁20の1つの面が水平面となる状態で固定する回転式固定部材R1を備える。本実施形態において、回転式固定部材R1は、六角柱状の細胞培養観察用容器Cの側周壁20が向かい合い、かつ、大きな隙間が生じることなく細胞培養観察用容器Cが配置されるように細胞培養観察用容器Cの蓋体2を固定する。これにより、細胞培養観察用容器Cは、概略、空間充填した状態で回転式冶具R1に固定される。
回転式培養システムRSでは、回転式冶具R1が、所定の角度で回転した後、所定の時間停止し、再度所定の角度で回転するように稼動する。これにより、長手方向を水平方向に沿わせた細胞培養観察用容器Cは、各側周壁20が順次、下側の水平面となるように回転する。本実施形態において、回転式冶具R1は、細胞培養観察用容器Cが正六角柱状のため、60°毎に回転する。
細胞培養観察用容器Cでは、培養液Wが下側の水平面となった側周壁20に貯まり、細胞が側周壁20に付着して増殖する。したがって、本実施形態における回転式培養システムRSでは、細胞培養観察用容器Cの各側周壁20が繰り返し水平面となることにより、各側周壁20の内面で細胞培養が繰り返し行われる。
なお、細胞培養の初代継代においては、培養される細胞の数量が少量であることが望ましい。したがって、図7に示すように、凸状部を内側面に設けられた側周壁20を下側の水平面とし、凸状部で2つの区分けされた一方の領域に培養液Wを貯留し、初代継代を行うことができる。これにより、効率よく初代継代を行うことができる。
[遠心分離システム]
図8に示すように、遠心分離システムCSは、複数の細胞培養観察用容器Cを所定の状態で固定して回転するロータC1を備える。本実施形態において、ロータC1は、細胞培養観察用容器Cを鉛直方向に対して45°の角度で傾け、2つの細胞培養観察用容器Cの蓋体2が交差するように固定する。また、ロータC1は、遠心分離機(図示なし)に組み込まれ、固定した細胞培養観察用容器Cの培養液Wに1000G以上の遠心力を付与するべく高速に回転する。
遠心分離システムCSでは、細胞培養観察用容器CがロータC1に固定され、遠心分離機により高速回転される。これにより細胞培養観察用容器Cの培養液Wは、矢印pの方向に遠心力を受け、細胞培養観察用容器Cの角部kに集中して(図9を参照)、遠心力により細胞と液体とに分離する。
[変形例]
本実施形態において、容器本体1は、合成樹脂を材料として形成される形態について説明した。しかし、容器本体1は、所定の強度および透過性を有すれば、他の材料で形成されてもよい。例えば、容器本体1は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を材料として形成されてもよく、ガラスや石英等の無機材料、金属を材料として形成されてもよい。なお、製造の容易性、コスト低減、細胞培養状態の把握の容易性を考慮し、該樹脂材料として、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート樹脂又はポリスチレン樹脂を用いるとよい。また、蓋体2も同様の材料により形成される。
本実施形態において、容器本体1は、正六角柱状に形成される形態について説明した。しかし、容器本体1は、多角柱状に形成されていれば他の形状に形成されていてもよい。例えば、正三角柱状、正四角柱状、正五角柱状等の側周壁20の内側面が相互に形成する角度が等しい、正多角柱状に形成されてもよく、側周壁20が相互に形成する角度が異なる多角柱状に形成されてもよい。特に、側周壁20の内側面が相互に形成する角度が120°以下であれば、底角が、適度に鋭い角度となり、遠心分離の際に、底角に培養液Wを集めやすくなる。
本実施形態において、側周壁20に設けられるマークは、底面10に対して45°傾斜して側周壁20の外側面に設けられ直線状の線傷21である形態について説明した。しかし、マークは、側周壁20の内側面に形成されてもよく、例えば、線傷21に限らず、点や×のような記号等であってもよく、印刷や成形時に形成されてもよい。ただし、製造の容易性、コスト低減、マークの視認性を考慮して線傷21として形成するとよい。また、マークは、レーザ加工に限らず、印刷や、エッジングにより形成されてもよい。また、本実施形態において、側周壁20は、内側面に直線状に設けられた凸状部を形成されている。オートフォーカスの焦点調整では、この凸状部を基準として焦点調整を行ってもよい。
本実施形態において、観察システムVSは上側の水平面を観察する形態について説明した。しかし、観察システムVSは、他の面を観察するようにしてもよい。例えば、水平面に限らず、斜めの面を観察してもよいし、下側の面を観察してもよい。どのような面を観察する場合であっても、観察される面にオートフォーカスの焦点調整に利用するマークが設けられていれば、測定のたびに一律の焦点距離にて細胞を観察することができる。
本実施形態において、回転式培養システムRSは、4つの細胞培養観察用容器Cを同時に培養する形態について説明した。しかし、細胞培養システムは、1つ、または複数の細胞培養観察用容器Cを同時に培養してもよい。複数の細胞培養観察用容器Cを同時に培養する場合に、細胞培養観察用容器が三角柱状、四角柱状、六角柱状等であれば、空間充填した状態で回転培養することにより、回転培養システムを省スペースで設計できる。
本発明の実施形態において、遠心分離システムCSは、細胞培養観察用容器Cをはめ込んで固定する形態について説明した。しかし、遠心分離システムCSは、細胞培養観察用容器の角部kが遠心方向に向くように細胞培養観察用容器Cを固定できればよく、例えば、蓋体2を取り付ける冶具を用いて細胞培養観察用容器Cを取り付けてもよい。
また、本実施形態において、遠心分離システムCSは、2つの細胞培養観察用容器Cを遠心分離する形態について説明した。しかし、遠心分離システムCSは、1つ、または3以上の細胞培養観察用容器Cを同時に遠心分離してもよい。その際に、細胞培養観察用容器の角部kが遠心方向に向くように、回転する中心を中心点として点対象に配置してもよい。
以上、本発明の具体的な態様の例を、上記の実施形態、実施例により説明したが、本発明は、当該実施形態および変形例に限定されるものではない。
C 細胞培養観察用容器
VS 観察システムVS
RS 回転式培養システム
CS 遠心分離システム
h 開口
k 角部
1 容器本体
2 蓋体
10 底面
20 側周壁
21 線傷
30 首部

Claims (10)

  1. 多角柱状の細胞培養観察用容器であって、
    前記多角柱状の閉鎖した多角形状の底面と、
    前記底面に対向する上端部に設けられた開口と、
    前記筒状の側周を形成する側周壁とを備え、
    前記側周壁は、透過性を有するとともに、オートフォーカスの焦点調整に利用可能なマークを備えることを特徴とする、細胞培養観察用容器。
  2. 前記マークは、前記側周壁の外側面に設けられている、請求項1に記載の細胞培養観察用容器。
  3. 前記マークは、前記側周壁に設けられた直線状の線傷である、請求項1または請求項2に記載の細胞培養観察用容器。
  4. 前記線傷は、前記底面に対して45°傾斜して設けられている、請求項3に記載の細胞培養観察用容器。
  5. 前記側周壁は、容器の内側において、前記底面から90°の角度で立ち上がる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞培養観察用容器。
  6. 複数の側周壁のうちのいずれか1つの前記側周壁は、内側面に前記側周壁を区分けるように前記側周壁の矩形の一端から他端まで線状に伸びる凸状部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞培養観察用容器。
  7. 前記複数の側周壁のうちのいずれか1つの前記側周壁は、内側面に前記側周壁を区分けるように前記側周壁の矩形の一端から他端まで伸びる凸状部を有し、前記凸状部が前記マークとして機能する、請求項1に記載の細胞培養観察用容器。
  8. 前記底面は、多角形状の各辺が120°以下の角度を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の細胞培養観察用容器。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の細胞培養観察用容器の内部を観察する、顕微鏡システムであって、
    前記細胞培養観察用容器に設けられた前記前記マークにより、焦点距離を調整可能であることを特徴とする、細胞観察システムVS

  10. 請求項5に記載の細胞培養観察用容器を用いて遠心分離を行う遠心分離システムであって、
    前記細胞培養観察用容器は、遠心方向に対して45°傾いた状態で取り付けられることを特徴とする、遠心分離システム。


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