JP2020101449A - 管継手の水圧試験装置及び水圧試験方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この管路を構築した際、その挿し口を受口に挿し入れた継手部(止水部)は、その健全性を確認するため、継手に水圧を負荷する試験(水圧試験)が実施される。
テストバンドによる水圧試験は、管の内面から半径方向外側に向かってテストバンドを押さえる構造であり(特許文献1図面参照)、直管と異形管との継手部は、接合する管の挿し口内面と受口内面との内径の相違からその間に段差が生じ易いため、テストバンドでその挿し口内面と受口内面とをうまく押さえられない場合が生じている。
また、チューブによる水圧は、テストバンドの水圧試験に比べれば、その構成が簡単であり、装置も小型とし得るが、チューブ内への水注入によって密封するため、その密封が十分に行われない場合が多い。
この発明は、その構造における挿し口先端面と受口の奥端面とを接近させる点に着目し、上記課題を達成するため、前記挿し口先端面と受口の奥端面との間を閉塞する止水リングを挿し口先端面と受口の奥端面との間に介在するとともに、その止水リングを介在して挿し口を受口に挿し入れ、挿し口先端面と受口の奥端面との間に止水リングを密に接しさせて上記円環状空間を密封して、その空間に水を注入して水圧試験を行うようにしたのである。
このようにすれば、挿し口の挿し込み力で密封性が担保されるため、その密封性も確実であり、大がかりな装置も必要はない。
脱落防止用鍔は止水リングの全周に設けることが好ましい。脱落防止用鍔が全周にあれば、止水リングを挿し口先端部に嵌めることができてその取り付け状態が安定する。また、水圧負荷時、止水リングが水圧によって管の内面側に押し出される力が生じても、脱落防止用鍔の一部が挿し口先端面と受口奥端面の間に入り込んでセルフシール効果を発揮する。このため、管軸方向の圧縮力(挿し込み力)を増加しなくても高水圧の試験水を負荷できる。
また、充水加圧・空気抜き孔を挿し口に形成すれば、止水リングに充水加圧・空気抜き孔を形成しないため、構造が簡単となり、止水リングの厚み等を考慮する必要がない等の製作性が向上する。
上記止水リングの円環状空間側に挿し口先端部外周面に接する脱落防止用鍔を設けたり、
その脱落防止用鍔が止水リングの全周に設けられてその鍔によって止水リングが挿し口先端部外周面に嵌っている構成としたり、
上記止水リングの挿し口先端面と受口の奥端面側の少なくも一方全周に突条を設けたり、
することができる。
また、上記止水リングの内側全周に円環状のサポートを設けたりすることもできて、同様に、上記作用効果を得ることができる。
そのゴム輪3の押し込みは、受口1のフランジ5から押輪4にT字ボルト6を挿通し、そのボルト6にナット7をねじ込んで行う。そのねじ込み度合いによって押し込み度合いを調整する。鋳鉄管P(P1、P2)はその内周面にモルタルライニングやエポキシ樹脂等からなる防食層8が形成されている。
止水リング11は、中心に対して対称の最上下位置に貫通孔12、13が形成されて、その上側貫通孔12が空気抜き用(排気管)、下側貫通孔13が充水・加圧用(充水管)である。
密封空間aに水が充満すれば、空気抜き用貫通孔12側のバルブ16を締めて、試験水圧である0.5MPaの水圧を負荷し、継手部(ゴム輪3で止水されている部分:空間a)からの漏水の有無を検査する。漏水があれば、その個所を確認して修理し、一方、漏水がなければ、検査(試験)は修了する。
その状態で、上記と同様にして水圧試験を行う。
この鍔18は、一部でも良いが、全周に設けることが好ましい。その全周の場合、突片を一定間隔で設けたり、全周に連続的に(全周に亘って)設けたりすることができる。一定間隔は等間隔が好ましい。これらの場合、鍔18によって止水リング11が挿し口2の外周面に嵌れば、挿し口2から止水リング11が外れ難いため、止水リング11を挿し口2に嵌めた(取り付けた)状態で挿し口2を受口1に挿入する際、止水リング11が外れることがない。このため、挿入作業が円滑である。
このように突条19を設けると、上記挿し口先端面2aと受口奥端面1aが止水リング11を介して圧接した際、突条19に押圧力が集中するため、止水リング11と挿し口先端面2a及び受口奥端面1aとの面圧が高くなって止水性が向上する。
この場合も、同様に、貫通孔12、13において、充水・加圧するとともに、空気抜きして、水圧試験を行う。
また、この実施形態においても、貫通孔12、13は、止水リング11に形成せずに、挿し口2に形成することができる。
この管継手においても、同図に示すように、挿し口先端面2aと受口奥端面1aの間に止水リング11を介在して、上記と同様にして、水圧試験を行う。
また、止水リング11を断面四角状とし、管P内面に飛び出る形状とする場合、サポート31は、挿し口端面2aと受口奥端面1aの間に挟まず、管P内径より小さな外径とする。この場合でも、水圧による力は半径方向のため、サポート31がその水圧に抗して止水リング11の管P内面側への逸脱を防止する。
この管継手においても、図17に示すように、挿し口先端面2aと受口奥端面1aの間に止水リング11を介在して、上記と同様にして、水圧試験を行う。
また、前記実施形態はダクタイル鋳鉄管であったが、他の鋳鉄管等でもこの発明を採用できることは言うまでもない。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a 受口奥端面
2 挿し口
2a 挿し口先端面
3 ゴム輪
4 押輪
11 止水リング
12 空気抜き用孔(貫通孔、排気管)
13 充水・加圧用孔(貫通孔、充水管)
17a 充水・加圧用孔(充水管)及び空気抜き用孔(排気管)のシール部
18 脱落防止用鍔
21 ロックリング
22 ロックリング抜け止め用突起
22a 挿し口溝
31 円環状サポート
36 シール部押圧用油圧ジャッキ
Claims (8)
- 一の鋳鉄管(P1)の受口(1)内に他の鋳鉄管(P2)の挿し口(2)が挿入されているとともに、前記受口(1)の内周面と挿し口(2)の外周面との間の円環状空間(a)にゴム輪(3)が介在されて、前記挿し口先端面(2a)と前記受口(1)の奥端面(1a)とを近接し得る管継手において、
上記挿し口先端面(2a)と上記受口(1)の奥端面(1a)との間の全周に介設される弾性材からなる中実の止水リング(11)と、その止水リング(11)又は前記挿し口(2)にその内側から上記円環状空間(a)に貫通する充水加圧・空気抜き孔(12、13)と、を有し、
上記止水リング(11)は、上記挿し口(2)を受口(1)に挿し込むことによって、前記挿し口先端面(2a)と受口(1)の奥端面(1a)との間に密着しており、その密着した状態で上記充水加圧・空気抜き孔(12、13)から水(w)を注入して、上記円環状空間(a)内に充水して水圧試験を行うことを特徴とする管継手の水圧試験装置。 - 上記止水リング(11)の上記円環状空間(a)側に上記挿し口先端部外周面に接する脱落防止用鍔(18)が設けられ、その脱落防止用鍔(18)によって止水リング(11)が挿し口先端部外周面に嵌っていることを特徴とする請求項1に記載の管継手の水圧試験装置。
- 上記止水リング(11)の上記挿し口先端面(2a)と上記受口(1)の奥端面(1a)側の少なくも一方全周に突条(19)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の管継手の水圧試験装置。
- 上記止水リング(11)の内側全周に円環状のサポート(31)を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の管継手の水圧試験装置。
- 一の鋳鉄管(P1)の受口(1)内に他の鋳鉄管(P2)の挿し口(2)が挿入されているとともに、前記受口(1)の内周面と挿し口(2)の外周面との間の円環状空間(a)にゴム輪(3)が介在されて、前記挿し口先端面(2a)と前記受口(1)の奥端面(1a)とを近接し得る管継手において、
上記挿し口先端面(2a)と上記受口(1)の奥端面(1a)との間の全周に弾性材からなる中実の止水リング(11)を介在して、前記挿し口(2)をさらに差し込んでその挿し口先端面(2a)と受口奥端面(1a)に前記止水リング(11)を密着し、前記止水リング(11)又は前記挿し口(2)の内側から上記円環状空間(a)に貫通する充水加圧・空気抜き孔(12、13)を介し水(w)を注入して、前記円環状空間(a)内に充水して水圧試験を行うことを特徴とする管継手の水圧試験方法。 - 上記止水リング(11)の上記円環状空間(a)側に挿し口先端部外周面に接する脱落防止用鍔(18)を設けて、その鍔(18)によって止水リング(11)を挿し口先端部外周面に嵌めることを特徴とする請求項5に記載の管継手の水圧試験方法。
- 上記止水リング(11)の上記挿し口先端面(2a)と上記受口(1)の奥端面(1a)側の少なくも一方全周に突条(19)を設けたことを特徴とする請求項5又は6に記載の管継手の水圧試験方法。
- 上記止水リング(11)の内側に円環状のサポート(31)を設けたことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一つに記載の管継手の水圧試験方法。
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