JP2020101018A - 間仕切り壁用の支柱、間仕切り壁および間仕切り壁の施工方法 - Google Patents

間仕切り壁用の支柱、間仕切り壁および間仕切り壁の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】間仕切り壁用の支柱の設置ないし解体の作業を誰でも簡単に行うことができる新規な技術を提供する。【解決手段】長手方向断面で2分割された主部20とカバー30とからなり、これらを相対的に水平方向に近付ける方向にスライド移動させることにより接合されて支柱10が形成され、該接合状態において、支柱の上端および下端に、それぞれ天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを取り囲んで収容する支持材収容部15が形成される。支柱間のパネル7もスライド移動により設置することができるので、重い支柱やパネルを持ち運ぶ必要がない。主部20および/またはカバー30に挟持片27,33を形成することにより、パネル設置の際の位置決めおよび固定作業を容易に行うことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、間仕切り壁用の支柱、間仕切り壁および間仕切り壁の施工方法に関する。
近年、中古のアパートやマンションなどの中古住宅のリノベーションないしリフォームが注目されており、今後の中古住宅市場の拡大によってリノベーションやリフォームの需要増が見込まれるが、一方では、熟練した大工の不足が深刻化し、大工の技能低下や大工不足による女性作業員の増加などが予測されることから、大工作業に不慣れな女性や初心者でも簡単に施工可能な新規技術の開発が急務とされている。
特許文献1には、間仕切りパネルを接合する柱が支柱本体1と分割支柱2とからなり、これらの長手方向全長に亘って挟持部14,17が形成されたものが記載されている。支柱本体1と分割支柱2とをネジ4で一体化したときに、これらの挟持部14,17の間に間仕切りパネルの端部を挟み込んだ状態で間仕切りパネルが施工される。
実願平1−103089号(実開平3−046611号)のマイクロフィルム
特許文献1には、支柱本体1と分割支柱2とに分割された支柱構造が記載されているが、その目的とするところは、挟持部14,17間に間仕切りパネルの端部を挟持するための構造を与えることであり、支柱を簡易作業で設置する目的やそのための具体的手段については何ら記載も示唆もされていない。特許文献1に記載される支柱本体1は天レールと地レールとの間に垂設されるが、いずれの側面も開口していないので、水平方向にスライドさせて天レールと地レールの接合を行うことができず、重い天レール/地レールを持ち運んで作業しなければならない。したがって、この従来技術を、本発明の前記目的に適う技術としてリノベーションやリフォームに対応させることはできない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、間仕切り壁用の支柱の設置ないし解体の作業を誰でも簡単に行うことができる新規な技術を提供し、中古住宅のリノベーションやリフォームへの需要増に対して有意に応えようとすることである。
この課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、天井に固定される天井側支持材と、床に固定される床側支持材と、天井側支持材と床側支持材との間に立設される支柱と、支柱同士の間に設置されるパネルとを有して構成される間仕切り壁における支柱であって、長手方向断面で2分割された第一部材と第二部材とからなり、これら第一部材と第二部材を相対的に近付ける方向にスライド移動させることにより接合されて支柱が形成され、第一部材と第二部材とが接合されたときに、支柱の上端および下端に、それぞれ前記天井側支持材および前記床側支持材の少なくとも一部を取り囲んで収容する支持材収容部が形成されることを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明は、請求項1記載の間仕切り壁用の支柱において、前記第一部材および/または前記第二部材に、縦枠が固定される枠取付部が形成されることを特徴とする。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の間仕切り壁用の支柱において、前記第一部材および/または前記第二部材の少なくとも一側面に、パネルの端部の一側面に略当接する当接片が一方向に延長形成されることを特徴とする。
本願の請求項4に係る発明は、請求項1または2記載の間仕切り壁用の支柱において、前記第一部材および/または前記第二部材の少なくとも一側面に、パネルの端部を両側から略挟持する挟持片が両方向に延長形成されることを特徴とする。
本願の請求項5に係る発明は、請求項1または2記載の間仕切り壁用の支柱において、前記第一部材の一側面に第一の挟持片が一方向に延長形成されると共に、第一部材の前記一側面に対向する前記第二部材の一側面に第二の挟持片が前記第一の挟持片と同方向に延長形成され、これら第一および第二の挟持片の間にパネルの端部を両側から略挟持されることを特徴とする。
本願の請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いてなる間仕切り壁である。
本願の請求項7に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いた間仕切り壁の施工方法であって、天井と床にそれぞれ天井側支持材と床側支持材を取り付け、天井側支持材と床側支持材に対して前記第一の部材および前記第二の部材のいずれか一方の部材をスライド移動させて仮設置し、他方の部材をスライド移動させて前記一方の部材に接合して支柱を形成した後、パネルをスライド移動させて支柱の側面に突き当てることを特徴とする。
本願の請求項8に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いた間仕切り壁の施工方法であって、天井と床にそれぞれ天井側支持材と床側支持材を取り付け、天井側支持材と床側支持材に対して前記第一の部材および前記第二の部材のいずれか一方の部材をスライド移動させて仮設置し、パネルをスライド移動させて前記一方の部材に突き当てた後、他方の部材を前記一方の部材に接合して支柱を形成することを特徴とする、間仕切り壁の施工方法。
本願の請求項9に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いた間仕切り壁の施工方法であって、一のパネルの両端に位置する2つの支柱の設置箇所においてそれぞれ前記第一部材および前記第二部材のいずれか一方を仮設置し、これら2つの支柱の間にパネルをスライド移動させることにより配置して仮設置した後、各支柱の他方の部材をスライド移動させることにより前記一方の部材に接合して各支柱を形成すると共にパネルをこれら2つの支柱の間に固定することを特徴とする。
請求項1に係る本発明によれば、間仕切り壁用の支柱を設置する作業を、女性や初心者でも簡単に行うことができ、しかも、支柱を設置すると同時にパネルを強固に設置することができるので、大工不足や技能低下が懸念される中においても、今後予測される中古住宅市場のリノベーションやリフォームの需要増に対する有効な解決策となり得る。第一および第二の部材を接合して支柱を形成する作業も、支柱間にパネルを設置する作業も、スライド移動させることによって行うことができるので、重い支柱やパネルを持ち上げて所定場所まで運搬する必要がない。
請求項2に係る本発明によれば、支柱に縦枠を取り付ける作業を簡単に行うことができる。
請求項3に係る本発明によれば、パネル端部の一側面を当接片に押し当てるようにしてパネルを設置することができるので、その位置決めおよび設置作業が容易である。
請求項4に係る本発明によれば、パネル端部が両側から挟持片に挟持された状態でパネルを設置することができるので、強固なパネル固定状態が得られる。
請求項5に係る本発明によれば、一方の部材のみを仮設置した状態でパネル端部の一側面を第一の挟持片に押し当てるようにしてパネルを仮設置した後に、他方の部材を接合することにより支柱が形成されると同時に、パネル端部が両側から第一および第二の挟持片の間に挟持された状態でパネルが設置することができるので、その位置決めおよび設置作業が容易であり、且つ、強固なパネル固定状態が得られる。
請求項6に係る本発明によれば、女性や初心者でも簡単に施工することができる間仕切り壁が提供される。第一および第二の部材を接合して支柱を形成する作業も、支柱間にパネルを設置する作業も、水平方向にスライド移動させることによって行うことができるので、重い支柱やパネルを持ち上げて所定場所まで運搬する必要がない。
請求項7〜9に係る本発明によれば、女性や初心者でも簡単に間仕切り壁を施工することができる。第一および第二の部材を接合して支柱を形成する作業も、支柱間にパネルを設置する作業も、水平方向にスライド移動させることによって行うことができるので、重い支柱やパネルを持ち上げて所定場所まで運搬する必要がない。また、間仕切り壁における支柱の設置場所や向きなどの状況に応じて、第一部材、第二部材およびパネルの施工順序を変更して実施することができる。
本発明の一実施形態による間仕切り壁用の支柱を主部とカバーとに分離した状態で示す断面図(a)、および、主部とカバーとを接合一体化してなる支柱を示す断面図(b)である。 図1の支柱を用いて間仕切り壁の一部を施工する際の施工前の各部材の配置状態ないし位置関係を示す斜視図である。 図2の状態から施工して得た間仕切り壁の一部を示す斜視図である。 間仕切り壁における支柱、縦枠およびパネルの配置例を示す平面図である。この図は、各設置場所における支柱の種類および向きと、主部とカバーの位置関係を示すことが主目的であるので、各支柱の具体的形状は図示省略され、カバーが極太線で表されている。 図4の間仕切り壁に用いられる支柱A〜Gの断面形状ないし構成を示す断面図である。この図において、カバーは点線で示されている。 図4の間仕切り壁のP部の施工作業を工程順に断面図で示す説明図(a)〜(c)である。 図6の工程(c)に続いて行われる施工作業を工程順に断面図で示す説明図(d)〜(e)である。 図6に示す工程において、主部を仮設置する前の状態を示す正面図(a)、主部を仮設置した状態を示す正面図(b)、および、パネルを仮設置した状態を示す正面図である。 図7に示す工程(d),(e)に対応する正面図(d),(e)である。 図4の間仕切り壁の特に支柱Gに関連する部分を施工する作業の一例を工程順に平面図で示す説明図(a)〜(c)である。図4と同様に、この図においても各支柱の具体的形状は図示省略され、カバーが極太線で表されている。 図4の間仕切り壁の特に支柱Gに関連する部分を施工する作業の一例を工程順に平面図で示す説明図(a)〜(e)である。図4と同様に、この図においても各支柱の具体的形状は図示省略され、カバーが極太線で表されている。 支柱についての他の形状・構成例を示す断面図(a)〜(n)である。この図において、カバーは点線で示されている。 支柱についての他の形状・構成例を示す分離状態断面図(a)および接合状態断面図(b)である。 間仕切り壁の施工作業の別の例を工程順に断面図で示す説明図(a)〜(d)である。 間仕切り壁の施工作業のさらに別の例を工程順に断面図で示す説明図(a)〜(d)である。
本発明について、添付図面を参照しながら、以下に実施例を挙げて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による間仕切り壁用の支柱10を示す断面図、図2は、この支柱10を用いて間仕切り壁の一部を施工する際の施工前の各部材の配置状態ないし位置関係を示す斜視図、図3は、図2の状態から施工して得た間仕切り壁の一部を示す斜視図である。
支柱10は、図1(a)の上方に示す断面形状が長手方向(設置状態において高さ方向)に連続するアルミ製の長尺棒材である主部20と、図1(a)の下方に示す断面形状が長手方向(設置状態において高さ方向)に連続するアルミ製の長尺板材であるカバー30とからなり、これらを図1(b)に示すように接合することにより、支柱10が形成される。主部20およびカバー30の長さは、間仕切り壁が施工される部屋の高さ(天井2と床4との間の間隔)に略等しい。これらの長さは、天井側支持材3および床側支持材5の形状(天井面や床面と支柱の上下端との間に狭まる部分があるなど)に応じて調整され、少なくとも、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを覆い隠すことができる長さとすることが好ましい。
主部20は、略方形状の断面外形状を有するように形成され、縦枠6に当接する側面21と、側面21に直交する側面22と、側面21に対向し側面22に直交する側面23とを有し、これらの側面21〜23はそれぞれ支柱10の側面11〜13となるが、支柱の側面14となるべき側面は開口していて、中央空間24に通じる通路25を有する。側面21には、縦枠6の裏面から突出する枠固定部材6a(図2)を嵌着するための枠取付部26が長手方向に亘って開口している。また、側面22の側面23側の一端は側面23を超えて突出して挟持片27を形成している。
カバー30は、支柱10の側面14となる側面31を有すると共に、主部20に接合される側に嵌合突条部32が突出形成されている。嵌合突条部32が、通路25から中央空間24に入り込むことにより、カバー30が位置決めされ、主部20とカバー30とが接合一体化されて支柱10が形成される(図1(b))。このとき、主部20の通路25にカバー30の嵌合突条部32が嵌め込まれることによって中央空間24が閉塞され、天井側支持材3および床側支持材5の各断面方形状の突起3a,5aを緊密に収容するための通路ないし支持材収容部15を形成する。また、接合状態において主部20の側面23側となる側面31の一端は側面23を超えて突出して挟持片33を形成し、挟持片27との間にパネル7の端部が嵌め込まれるパネル取付部16を与える。
この支柱10を用いた間仕切り壁1の施工について図2および図3を参照して説明する。まず、主部20を、通路25の開口面を天井側支持材3および床側支持材5に向き合わせた状態にして略垂直に立て、そのままの状態で天井側支持材3および床側支持材5に近付けていって、それらの突起3a,5aを通路25に嵌め込む。これにより、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aの三側面を取り囲むように、主部20が仮設置される。
次いで、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを挟んで反対側から、カバー30を、嵌合突条部32を通路25に向き合わせた状態にして主部20に近付けていき、嵌合突条部32を通路25に嵌め込んで、主部20に接合する。通路25の開口端25aは若干外方に拡開されている(図1)ので、嵌合突条部32を通路25に押し込んでいくときのガイドになってスムーズな嵌め込み作業が可能であり、且つ、一旦嵌合突条部32が通路25に嵌め込まれたときには容易には離脱しない緊密な接合状態が得られる。このようにして、天井側支持材3と床側支持材5との間に、突起3a,5aを四周から挟み込むようにして、支柱10が設置される。
図1に示す支柱10は、側面11(主部20の側面21)に縦枠6を当接させ、側面13にパネル7の幅方向一端を当接させる位置に設けられるものであるため、上記のようにして設置された支柱10の側面11に開口する枠取付部26に縦枠6の枠固定部材6aを嵌着すると共に、側面13の両側に突出する挟持片27,33間にパネル7の端部を嵌め込んでパネル7を設置するように用いられる。
本発明による支柱は、その設置位置に応じて異なる形状ないし構成を有し、あらかじめ複数の異なる形状ないし構成を有する複数種の支柱が用意されている。たとえば、広い部屋を図4に示すように間仕切る場合、支柱の対向する二側面に縦枠6とパネル7が設置される箇所には図1に示す形状(構成)の支柱10(図4では「支柱A」)が用いられるが、直交する二側面に縦枠6とパネル7が設置される箇所には支柱Bが用いられ、対向する二側面にそれぞれパネル7が設置される箇所には支柱Cが用いられ、対向する二側面にそれぞれ縦枠6,6が設置されると共に他の一側面にパネル7が設置される箇所には支柱Dが用いられ、直交する二側面にそれぞれパネル7が設置される箇所には支柱Eが用いられ、三側面にそれぞれパネル7が設置される箇所には支柱Fが用いられ、四側面すべてにパネル7が設置される箇所には支柱Gが用いられる。
これら支柱A〜Gの断面形状を図5に示す。各図において、主部20とカバー30の各形状・構成を分かりやすく示すために、前者は実線で表わされ、後者は点線で表わされている。また、図4ではカバー30が太線で表されている。
支柱Aは、図1に示す支柱10と同じ断面形状を有するので、説明を省略する。
支柱Bは、挟持片27を有しない主部20の一側面に枠取付部26を有し、その対向面にカバー30の嵌合突条部32を嵌め込む通路25が開口している。支柱Bのカバー30は支柱Aのカバー30と同一形状である。
支柱Cは、主部20の一側面の両端に挟持片27,27を有し、その対向面にカバー30の嵌合突条部32を嵌め込む通路25が開口している。支柱Cのカバー30は両端に挟持片33,33を有している。なお、図4における支柱Cは、図5に示す支柱Cを180度回転させた状態で使用されている。
支柱Dは、挟持片27を有しない主部20の一対の対向側面にそれぞれ枠取付部26,26を有し、他の一側面にカバー30の嵌合突条部32を嵌め込む通路25が開口している。支柱Dのカバー30は挟持片33を有しない。なお、図4における支柱Dは、図5に示す支柱Dを180度回転させた状態で使用されている。
支柱Eは、主部20の三側面の各一端に挟持片27を有しており、残る一側面にカバー30の嵌合突条部32を嵌め込む通路25が開口している。支柱Eのカバー30は支柱Aのカバー30と同一形状である。なお、図4の左下に示される支柱Eは、図5に示す支柱Eを天地反転させた状態で使用されている。
支柱Fは、主部20の一側面の両端およびこれに直交する2側面の一端にそれぞれ挟持片27を有しており、残る一側面にカバー30の嵌合突条部32を嵌め込む通路25が開口している。支柱Fのカバー30は支柱Cのカバー30と同一形状である。なお、図4の右側に示される支柱Fは、図5に示す支柱Fを反時計方向に90度回転させた状態で使用され、図4の左側に示される支柱Fは、図5に示す支柱Fを時計方向に90度回転させた状態で使用され、図4の上側に示される支柱Fは、図5に示す支柱Fを180度回転させた状態で使用されている。
支柱Gの主部20は支柱Fの主部20と同一形状であり、支柱Gのカバー30も支柱Fのカバー30と略同一形状であるが、カバー30の外面側の両端にも外方向に突出する挟持片33,33を有する点で異なっている。なお、図4における支柱Gは、図5に示す支柱Gを180度回転させた状態で使用されている。
図4のP部には、支柱Aと支柱Eが用いられ、支柱Aの一側面(支柱10の側面11)に開口する枠取付部26に縦枠6の枠固定部材6aが嵌合されることによって縦枠6が取り付けられ、支柱A,E間にパネル7aが設置される。縦枠6が取り付けられない支柱Eは枠取付部26を有しないので、主部20の四側面のうちカバー30との接合面となる面を除く三側面が完全に閉塞されている。また、支柱A,Eが図4に示す向きで使用されることにより、パネル7aの両端部が当接する側面には、その両側に主部20の挟持片27とカバー30の挟持片33が互いに向き合う方向に突出している。
図4の間仕切り壁を施工するに当たり、支柱A,Eと縦枠6およびパネル7aからなるP部を施工する作業工程について、図6〜図9を参照して説明する。まず、図8(a)に示すように支柱設置位置においてあらかじめ天井2および床4に固定されている天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aに、支柱Aおよび支柱Eをそれぞれ仮設置する。この作業は、既述したように、主部20を略垂直に立て、その開口面を天井側支持材3および床側支持材5に向けた状態にして水平に(図6(a)の矢印方向に)スライドさせて、主部20の中央空間24の三側面で突起3a,5aの三側面を緊密に取り囲むようにして嵌合させることによって行う(図6(a)〜(b),図8(b))。
次に、図6(b)〜(c)および図8(c)に示すように、パネル7aを支柱A,E間に仮設置する。支柱A,Eの主部20には図示の位置に挟持片27が設けられて互いに向き合う方向に突出しているので、パネル7aを図6(b)の矢印方向にスライド移動させ、その前方となる側端面の両端を支柱A,Eの挟持片27,27に突き当てた状態とすることにより、図6(c)および図8(c)に示すようにパネル7aを支柱A,E間の所定位置に仮設置する。
次に、図6(c)に示すように、天井側支持材3および床側支持材5に対して仮設置した支柱A,Eの主部20,20の開口面にそれぞれカバー30,30を取り付けて一体化することにより支柱A,Eを形成する。この作業は、既述したように、カバー30の嵌合突条部32を主部20の通路25に嵌め込み、側面31が主部20の開口端に突き当たるまで図6(c)の矢印方向に前進させて中央空間24に嵌合収容させることによって行う。
このようにして形成された支柱A,Eは、主部20の三側面21〜23およびカバー30の側面31で天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを緊密に取り囲んだ状態で強固に設置される。また、パネル7aは、その両端部が、支柱A,Eの主部20の挟持片27とカバー30の挟持片33の間に両側から挟み込まれた状態で、支柱A,E間に強固に設置される。
次に、図7(d)および図9(d)に示すように、支柱Aの枠取付部26に縦枠6の枠固定部材6aを嵌合させて縦枠6を取り付けることにより、図7(e)および図9(e)に示すような図4の間仕切り壁のP部が構築される。
他の箇所に支柱A〜F、縦枠6およびパネル7を設置する際の作業も概ね上記と同様にして行うことができるが、支柱の設置順やパネルのスライド方向については設置場所によって異なる。たとえば、図4の間仕切り壁を施工するためには、上記のようにしてP部を構築した後に、既設の支柱Eと次に設置する支柱Fとの間にパネル7bを設置してQ部を構築する必要があるが、支柱Eの支柱Fに対向する面の両側には、主部20の挟持片27,27が支柱F方向に突出しているので、支柱Fの設置箇所にその主部20を仮設置してしまうと、その後に、パネル7bを支柱E,F間で(図4において左方向に)スライド移動させることができなくなる。
この場合は、支柱Fの主部20を仮設置する前に、既設の支柱Eに対してパネル7bを(図4において下方向に)スライド移動させてその一端部を支柱Eの挟持片27,27間に挟み込むようにして仮設置した後に、支柱Fの主部20を(図4において右方向に)スライド移動させて仮設置し、最後に、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを挟んで反対側から蓋をするようにカバー30を嵌め込むことにより、支柱Fを形成すると共に、パネル7bの反対側端部を支柱Fの主部20の挟持片27とカバー30の挟持片33との間に挟持して固定することができる。この場合も、重いパネル7bを持ち上げる必要がなく、養生した床4に沿って水平に一方向にスライド移動させて仮設置することができるので、作業が容易である。
次に、既設の支柱Fに対してパネル7cを(図4において右方向に)スライド移動させてその一端部を支柱Fの挟持片27,27間に挟み込むように仮設置するが、この段階では、パネル7cの反対側の支柱Cは設置せず、パネル7cの反対側端部をフリーの状態にしておく。この理由については後述するところから明らかにされる。
図4に示す間仕切り壁のレイアウトは、四側面のすべてにパネル7が接合される支柱Gが存在するので、各支柱A〜Gの設置順序などについて若干の配慮が必要となる。図10(a)〜(c)と共に図11(a)〜(e)を参照して、設置作業順についての一例を説明すると、上記した要領で図10(a)に示すように各支柱A,B,E,Fおよび縦枠6、パネル7(7a〜7k)を設置する。この状態では、支柱Fの挟持片27,27間に一端が挟持されて仮設置されたパネル7c,7j,7kの他端はフリーの状態である。
なお、図4、図10および図11では、各支柱A〜Gについてカバー30の位置を分かりやすく示すために、カバー30は極太線で表されている。また、これらの図では図示省略されているが、各支柱A〜Gの設置位置には、あらかじめ天井2および床4にそれぞれ天井側支持材3および床側支持材5が固定され、それらの突起3a,5aが下方および上方に向けて突出している。
この状態から、支柱Gを設置し、その三側面にパネル7k,7m,7nの他端を接合固定して図10(c)に示す状態を得るには、次のような作業が必要となる。なお、図4にも示されるように、支柱Gの主部20は支柱Fに向き合う面が開口しており、この面にカバー30が嵌着される。
まず、図10(a)に示すように、支柱Gのカバー30を矢印方向にスライド移動させて、パネル7kの他端に嵌め込んだ後、このカバー30の嵌合突条部32を通路25に挿入するようにして主部20を同方向にスライド移動させることにより、カバー30に主部20を接合させて、突起3a,5aを取り囲むように支柱Gを形成すると共に、パネル7kを支柱F,G間に固定する(図10(b))。
支柱の設置に際して、これまでは天井側支持材3および床側支持材5の枠固定部材3a,5aを主部20の通路25を介して中央空間24に嵌め込むことにより先に主部20を仮設置し、これにカバー30の嵌合突条部32を嵌め込んで一体化するものとして説明してきたが、支柱Gの設置に際しては、カバー30の挟持片33,33の間にパネル7kの先端を嵌め込んだ状態で側面31を該パネル先端に押し付けるように矢印方向にスライド移動させることにより、先にカバー30を仮設置し(図11(a)も参照)、この仮設置されたカバー30の嵌合突条部32を主部20の通路25に嵌め込むように主部20を矢印方向にスライド移動させて主部20と一体化することによって、支柱Gを形成する(図11(b)も参照)。
次いで、このようにして形成した支柱Gの他の三側面にそれぞれパネル7m,7n,7pを仮設置して、図10(c)に示す状態を得る。パネル7mの仮設置について説明すると、既に仮設置されているパネル7cの先端と支柱Gの当該側面との間には、(パネル7mの長さ)+(支柱Cの幅)に略等しい空間が残されており、支柱Cの挟持片27の突出長は幅より十分に小さい寸法を有するものとして設計されているので、支柱F,Gのパネル7c,7mに対する接合面から突出する挟持片27,33に干渉することなく、スライド移動によってスムーズに設置することができる。パネル7jの仮設置も同様にして行うことができる。パネル7pは、その先端を支柱Gの当該側面の両端の挟持片27,27の間に嵌め込みつつ支柱Gに向けてスライドさせる(図11(c)も参照)ことにより、簡単に設置することができる。
これにより図10(c)に示す状態が得られるので、次いで、パネル7c,7m間およびパネル7j,7p間(支柱Cの幅寸法に略等しい隙間が空いている)に支柱C,Cの主部20,20をそれぞれスライドさせ、通路25に天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを嵌め込んで仮設置し、その開口面に蓋をするようにカバー30,30を嵌め込んで接合することにより、支柱C,Cが形成されると共に、パネル7c,7jが支柱F,C間に、パネル7m,7nが支柱G,C間に、それぞれ固定される。この実施例では、支柱C,Cの主部20の図4において上側に示される側面が開口し、この開口面にカバー30が嵌着される構成であるが、これを上下反転させて、図4において下側に主部20の開口面およびカバー30が位置するようにしても良い。
図10(c)の状態から支柱Dを設置する作業は、図10(a)を参照して既述した支柱Gの設置要領と略同様にして行うことができる。すなわち、図11(d)〜(e)に示すように、パネル7pの先端に支柱Dのカバー30を立て、反対側から主部20を矢印方向にスライドさせて、通路25にカバー30の嵌合突条部32を嵌め込むと共に、カバー30の側面および主部20の閉塞三側面で天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを取り囲むようにして、支柱Dを形成する。これにより、パネル7pが支柱G,D間に強固に設置される。そして、支柱Dの残る一対の対向側面にそれぞれ既述したようにして縦枠6,6を取り付けて、図4に示す間仕切り壁が得られる。
本発明は、以上に詳細に説明した図示実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において様々に変更・変形して実施可能である。図10および図11を参照して説明した施工作業順は一例であり、これに限定されない。たとえば、この図示実施例では、支柱Dの両側に取り付けられる縦枠6,6を除いた他の縦枠については、図10(a)の時点で既に支柱A,Bに取り付けられているものとして示されているが、縦枠6の取付は任意の時点で行うことができるので、図10(a)の時点では縦枠6が取り付けられておらず、最後に、支柱Dに縦枠6,6を取り付けると共に、他の縦枠6を支柱Aまたは支柱Bに取り付けるようにしても良い。
支柱の形状ないし構成についても、既述した実施例以外に多種多様な形状ないし構成を有するものであって良い。図12に例示されるように、縦枠6を取り付けるための枠取付部26や挟持片27,33を有しないもの(図12(a),(b),(c))、枠取付部26を有するが挟持片27,33を有しないもの(図12(d),(e),(f))、主部の一側面のみに挟持片27を有するもの(図12(g),(h))、主部20の挟持片27とカバー30の挟持片33が支柱としての同一側面に形成されているもの(図12(i))、主部20の挟持片27および/またはカバー30の挟持片33でパネル端部を両側から挟み込むようにしたもの(図12(j),(k),(l),(m),(n))などである。
また、支柱を構成する「主部」と「カバー」の用語は実施例の説明において使用したものにすぎず、必ずしも大きさの大小を意味しない。たとえば、図12(b),(e),(k),(m)に示すように、支柱を断面で略2等分したものを用いても良く、また、これらを接合するための具体的態様も特に限定されない。また、間仕切り壁に用いる場合の支柱は一般に角柱形状を有するものと考えられるが、その用途やデザイン的要求によっては、他の多角形状や円形、楕円形などの断面外形状を有するものであっても良い。
また、既述実施例では、主部20の一側面が完全に開口され、ここにカバー30が接合されることによりカバー30の側面31が支柱10の側面14を形成するものとして示されているが、主部側面23は、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを挿入するに十分な幅が開口されていれば良く、図12(c),(f),(i),(l)に示すように、主部20の当該側面に比較的小幅に開口が形成され、カバー30の嵌合突条部32を主部20の通路25に挿入したときに、主部20の通路25を挟んで両端側に残される側面部分とカバー30の側面31とで支柱10の側面14を形成するようにしても良い。
また、既述実施例では、カバー30に長さ方向に延長する嵌合突条部32が形成され、この嵌合突条部32が主部20の通路25から中央空間24に入り込んで嵌合されることにより、主部20にカバー30が接合一体化されて支柱10を形成するものとして示されているが、主部20にカバー30を接合するための構成は任意である。たとえば、嵌合突条部32に代えて、一または複数の突起を長さ方向に間隔をおいて設け、この突起が通路25から中央空間24に入り込んで嵌合される構成であっても良い。あるいは、図13に示すように、主部20の開口側面の両端から内向きに係止片28,28を形成すると共に、カバー30には先端外面側が突出した形状の係止片34,34を形成し、カバー30の係止片34,34を主部20の係止片28,28に近付けていったときにこれらが弾性変形して嵌合される構成を採用しても良い。
また、支柱10を構成する主部20(第一部材)、カバー30(第二部材)およびパネル7の設置順序については、支柱10の設置場所や向き(特に挟持片27,33の有無および突出方向)などの状況に応じて臨機応変に変更可能である。図6〜図9を参照した実施例の説明においては、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを取り囲むように主部20を仮設置し、その挟持片27に突き当てるようにしてパネル7(7a)をスライド移動させて仮設置した後、反対側からカバー30を被着して支柱10を形成する工程順とされている(請求項9に対応)が、図14に示すように、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを取り囲むように主部20を仮設置し(図14(a))、反対側からカバー30を接合して支柱10を形成し(図14(b))た後に、挟持片27,33の間に側方からパネル7(7a)をスライド移動させて仮設置する(図14(c),(d))工程順としても良い(請求項7に対応)。
また、図6〜図9を参照した実施例の説明においては、パネル7(7a)の両端の支柱設置箇所においてそれぞれ主部20(第一部材)を仮設置し、次いで、パネル7の仮設置およびカバー30(第二部材)の接合の順に施工している(請求項9に対応)が、図15に示すように、パネル7の一端の支柱設置箇所のみにおいて主部20を仮設置し(図15(a))、パネル7の仮設置(図15(b))およびカバー20の接合(図15(c),(d))の順に施工した(請求項8に対応)後に、他端の支柱設置箇所に支柱10を設置するようにしても良い。
また、支柱10の設置に際しては、天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aを取り囲むように主部20を仮設置した後、それに引き続いて(図15の場合)またはパネル仮設置後に(図6〜図9および図14の場合)、カバー30を設置して支柱10を形成するものとして説明したが、主部20とカバー30の設置順は逆であっても良い。すなわち、図10および図11を参照して支柱Gおよび支柱Dの設置について既述したように、先にカバー30を仮設置した後に、主部20を接合するようにしても良い。この場合は、必要に応じて、カバー30を天井側支持材3および床側支持材5の突起3a,5aの側面に両面テープなどを用いて仮設置する。
1 間仕切り壁
2 天井
3 天井側支持材
3a 突起
4 床
5 床側支持材
5a 突起
6 縦枠
6a 枠固定部材
7(7a〜7p) パネル
10 支柱
11〜14 側面
15 支持材収容部
16 パネル取付部
20 主部(第一部材)
21〜23 側面
24 中央空間
25 通路
26 枠取付部
27 挟持片(当接片)
28 係止片
30 カバー(第二部材)
31 側面
32 嵌合突条部
33 挟持片(当接片)
34 係止片
A〜G 支柱

Claims (9)

  1. 天井に固定される天井側支持材と、床に固定される床側支持材と、天井側支持材と床側支持材との間に立設される支柱と、支柱同士の間に設置されるパネルとを有して構成される間仕切り壁における支柱であって、
    長手方向断面で2分割された第一部材と第二部材とからなり、これら第一部材と第二部材を相対的に近付ける方向にスライド移動させることにより接合されて支柱が形成され、
    第一部材と第二部材とが接合されたときに、支柱の上端および下端に、それぞれ前記天井側支持材および前記床側支持材の少なくとも一部を取り囲んで収容する支持材収容部が形成されることを特徴とする間仕切り壁用の支柱。
  2. 前記第一部材および/または前記第二部材に、縦枠が固定される枠取付部が形成されることを特徴とする、請求項1記載の間仕切り壁用の支柱。
  3. 前記第一部材および/または前記第二部材の少なくとも一側面に、パネルの端部の一側面に略当接する当接片が一方向に延長形成されることを特徴とする、請求項1または2記載の間仕切り壁用の支柱。
  4. 前記第一部材および/または前記第二部材の少なくとも一側面に、パネルの端部を両側から略挟持する挟持片が両方向に延長形成されることを特徴とする、請求項1または2記載の間仕切り壁用の支柱。
  5. 前記第一部材の一側面に第一の挟持片が一方向に延長形成されると共に、第一部材の前記一側面に対向する前記第二部材の一側面に第二の挟持片が前記第一の挟持片と同方向に延長形成され、これら第一および第二の挟持片の間にパネルの端部を両側から略挟持されることを特徴とする、請求項1または2記載の間仕切り壁用の支柱。
  6. 請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いてなる間仕切り壁。
  7. 請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いた間仕切り壁の施工方法であって、天井と床にそれぞれ天井側支持材と床側支持材を取り付け、天井側支持材と床側支持材に対して前記第一部材および前記第二部材のいずれか一方の部材をスライド移動させて仮設置し、他方の部材をスライド移動させて前記一方の部材に接合して支柱を形成した後、パネルをスライド移動させて支柱の側面に突き当てることを特徴とする、間仕切り壁の施工方法。
  8. 請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いた間仕切り壁の施工方法であって、天井と床にそれぞれ天井側支持材と床側支持材を取り付け、天井側支持材と床側支持材に対して前記第一部材および前記第二部材のいずれか一方の部材をスライド移動させて仮設置し、パネルをスライド移動させて前記一方の部材に突き当てた後、他方の部材を前記一方の部材に接合して支柱を形成することを特徴とする、間仕切り壁の施工方法。
  9. 請求項1ないし5のいずれか記載の支柱を用いた間仕切り壁の施工方法であって、一のパネルの両端に位置する2つの支柱の設置箇所にそれぞれ前記第一部材および前記第二部材のいずれか一方の部材を仮設置し、これら2つの支柱の間にパネルをスライド移動させて仮設置した後、各支柱の他方の部材をスライド移動させて前記一方の部材に接合して各支柱を形成すると共にパネルをこれら2つの支柱の間に固定することを特徴とする、間仕切り壁の施工方法。
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