JP2020098382A - 色変換テーブル修正部および色変換テーブル修正プログラム - Google Patents

色変換テーブル修正部および色変換テーブル修正プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】入力画像に基づいて出力機器で出力する際に、色再現性やコントラストを確保することを可能にする。【解決手段】色変換修正部は、入力画像と、出力機器の色再現域を取得する取得部と、前記入力画像に基づく色空間によって前記入力画像の色分布を取得する制御部と、を有し、前記制御部は、前記色分布が前記出力機器の色再現域である色域の内外に分布しているか判定し、前記色分布と前記色域との位置関係によって、色域境界部の色変換方法を変更して色変換テーブルを修正する。【選択図】図7

Description

この発明は、入力画像の色分布と出力機器の色再現域との関係によって色変換を行う色変換テーブル修正部および色変換テーブル修正プログラムに関するものである。
画像をプリンターや表示部などの出力機器において出力する際に、画像の色分布が出力機器の色域の内側(暗い色や低彩度色)と、色域の外側の色(高彩度色)とが混在する場合がある。このような画像をそのまま出力すると、出力機器において、色域の外側の色が正しく出力されないため、色の再現性が低下してしまう。
このような画像において、色域外の色を色域表面に写像(クリッピング)する色再現を行うと、色域の内側の色と外側の色の明暗差や彩度差がなくなり、コントラストが低くなった画像になってしまう。一方、全体的に色空間を小さくする写像(マッピング)を行うと、コントラストは維持されやすいものの、測色値的には好ましくない画像になってしまう。
これに対し、特許文献1では、は画像の色分布に応じて色域変換方法を切り替える技術が提案されている。具体的には、色分布のヒストグラムが均一ならば、マッピング(色域の圧縮)をし、ピーキーな分布をしていれば、クリッピング(色域表面への写像)を行う。
特開特開2002−27263号公報
しかし、先行技術では、不要な色域圧縮が生じたり、色再現性やコントラストが確保できなかったりする問題がある。
本願発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、入力画像に基づいて出力機器で出力する際に、不要な色域圧縮を防ぐことができ、色再現性の確保と、コントラストの確保を両立することができる色変換テーブル修正部および色変換テーブル修正プログラムを提供することを目的とする。
本発明の色変換テーブル修正部のうち、第1の形態は、入力画像と、出力機器の色再現域を取得する取得部と、前記入力画像に基づく色空間によって前記入力画像の色分布を取得する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記色分布が前記出力機器の色再現域である色域の内外に分布しているか判定し、前記色分布と前記色域との位置関係によって、色域境界部の色変換方法を変更して色変換テーブルを修正することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記入力画像の第1の色空間をデバイスに依存しない第2の色空間へ変換し、前記第2の色空間によって前記色分布を取得することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色分布として前記入力画像の一つのオブジェクトの色分布を取得することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側に分布しているかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側の分布が、一定のコントラストがあるかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側に分布しているかの判定に、色相の分布が一定範囲内に入っているかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側に分布しているかの判定に、一定面積以上の分布を占めているかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色域の外側に分布している色は、前記色域表面に写像し、前記色域の内側の色は前記色域のさらに内側に圧縮することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側の分布位置に応じて、前記色域の内側の色の圧縮レベルを変更することを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記色域の内側の分布位置が、前記色域外の色との色差が所定の値より大きい場合には、前記色域の内側の色の写像レベルを小さくし、前記色差が所定の値より小さい場合には、前記色域の内側の色の写像レベルを大きくすることを特徴とする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、前記入力画像におけるページ内、あるいは、複数ページ内のファイル内に存在するオブジェクトごとに、前記色域境界部の色変換方法を変更する。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、オブジェクトごとの色分布によって前記色域境界部の色変換方法を変えるか否かを、ユーザーによって選択可能にする。
他の形態の色変換テーブル修正部の発明は、前記形態の発明において、前記制御部は、ユーザーによる選択において、オブジェクトごとに色変換テーブルを指定できるか、オブジェクトタイプごとに色変換テーブルを指定できるか、自動で色域境界部の色変換方法を指定するかを選択可能にする。
本発明の色変換テーブル修正プログラムは、入力画像に基づく色空間によって入力画像の色分布を取得する制御部で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記制御部に、前記色分布が出力機器の色再現域の内外に分布しているか判定し、前記色分布と前記出力機器の色再現域である色域との位置関係によって、前記色域境界部の色変換方法を変更して色変換テーブルを修正する工程を実行させる。
本発明によれば、画像の色分布に応じて、色変換方法を切り替えることができ、不要な色域圧縮を防ぐことができ、色再現性の確保と、コントラストの確保を両立することができる効果がある。
本実施形態における入力画像と色修正後の色分布を示す図である。 従来例における入力画像と色修正後の色分布を示す図である。 本実施形態の変換テーブル修正部を含む画像出力システムを示す概略図である。 本実施形態における制御ブロックを示す図である。 本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 同じく、色域外の色を色域表面に写像し、色域内の色を内側に写像する手順を示すフローチャートである。 本実施形態における入力画像と色修正後の色分布を処理内容と合わせて示す図である。 同じく、処理の設定におけるユーザーインターフェースを示す図である。 同じく、ソースプロファイルとデスティネーションプロファイルの変換例を説明する図である。 同じく、入力されたCMYK値をデバイスリンクプロファイルのLUTを通して、目的のCMYK値に変換する例を説明する図である。
本発明の実施形態の説明に先立って、先ず、従来技術と、その課題について図2に基づいて説明する。
図2の図Aに入力画像の例と、色分布を示す。色分布は、縦軸に明度、横軸に彩度をとり、実線の三角が使用するプリンターの色域である。プリンター印刷時に、色域外の色を色域表面にクリッピングすると、コントラストが低下した画像になってしまう(図B)。
すなわち、ページ内の画像オブジェクトに色域内外の色が分布している場合、色域外をクリッピングするだけでは、コントラストが低下してしまう。
そこで、本実施形態では、そのような色分布が存在する場合、色域内の色を内側に写像することで、コントラストの低下を防ぐことができる(図1の図C)。また、オブジェクトごとに処理を行うため、不要な色域圧縮の処理を行わないで済む。例えば、色域内側の色がコーポレートカラーなど、重要な色と同一だった場合、重要色は写像せずに測色値をキープすることができる。
以下に、本発明の実施形態について添付図面に基づいて具体的に説明する。
図3は、画像出力システム100の概略構成を示すものであり、用紙などの記録媒体に画像を出力するプリンター1、画像データの処理を行うコントローラー2、色変換テーブル作成および修正を行う色変換テーブル作成(修正)装置3、出力指示端末4を有しており、それぞれがLAN、WANなどのネットワークで接続されている。色変換テーブル作成(修正)装置3は、コントローラー2から画像とプロファイル情報を受け取り、画像ごとの色分布と、プリンターの色域情報をもとに、色域境界部の色変換写像計算が行われ、コントローラー2のプリンタープロファイルに修正をかける。オブジェクトの数のぶんだけプリンタープロファイルを登録する。コントローラー2はその修正されたプリンタープロファイルをもとに色変換処理を実施する。なお、色変換テーブル作成(修正)装置3は、本発明の色変換修正部としての構成を有している。
以下、具体的に説明する。
出力指示端末4からは、入力画像をコントローラー2に送信し、コントローラー2ではRIPなどの画像処理をする。処理済みの入力画像は、コントローラー2によって色変換テーブル作成(修正)部3に送られて、色変換テーブルが修正される。また、コントローラー2では、修正された色変換テーブルに基づいて画像の補正が行われ、プリンター1に送られ、プリンター1で記録媒体に画像形成が行われる。
色変換テーブル作成(修正)装置3は、コントローラー2から画像とプロファイル情報を受け取り、画像ごとの色分布と、プリンターの色域情報をもとに、色域境界部の色変換写像計算が行われ、コントローラーのプリンタープロファイルに修正をかける。オブジェクトの数のぶんだけプリンタープロファイルを登録する。コントローラーはその修正されたプリンタープロファイルをもとに色変換処理を実施する。すなわち、色変換テーブル作成(修正)装置3には、本発明の制御部およびプログラムが格納されている。
次に、画像出力システム100の制御ブロックを図2に基づいて説明する。
出力指示端末4およびプリンター1は、ネットワーク5を介してコントローラー2に接続されている。
出力指示端末4には、操作部などを備え、ユーザによる操作部指示などによって印刷の指示を行うことができる。
プリンター1は、図示しない画像形成部を有し、コントローラー2から送られる処理済みの画像データを受けて用紙などの記録媒体に印刷を行う。
コントローラー2は、出力指示端末4からの入力画像と、プリンター1に処理済みの画像を送って出力指示を行うラスターイメージプロセッサ(RIP)20を有している。ラスターイメージプロセッサ(RIP)20は、ベクターイメージなどをラスターイメージデータに変換するものである。また、コントローラー2には、ソース(ターゲット)プロファイル取得部21を有している。ソース(ターゲット)プロファイルは、ラスター化した画像データの色空間を示すプロファイルおよびターゲットのプロファイルを取得する。
さらに、コントローラー2には、プリンター(デスティネーション)プロファイル取得部22を有している。プリンター(デスティネーション)プロファイル取得部22は、プリンターなどからプリンタープロファイルを取得する。
さらに、コントローラー2には、色変換(プロファイル適用計算)部23を有している。色変換(プロファイル適用計算)部23は、プロファイルを適用して色変換を行う。
コントローラー2は、前記したように、ネットワーク5を介して色変換テーブル作成(修正)装置3に接続されている。
色変換テーブル作成(修正)装置3には、コントローラー2に接続された画像取得部30が接続されている。画像取得部30では、コントローラー2でラスター化された画像を取得する。
また、色変換テーブル作成(修正)装置3には、色変換部(CMYK→Lb)31を有している。色変換部(CMYK→Lb)31は、CMYKの画像データの色空間をLの色空間に変更する。CMYKの画像データの色空間は、第1の色空間に相当し、Lの色空間は第2の色空間に相当する。
さらに、色変換テーブル作成(修正)装置3には、色分布取得部32を有している。色分布取得部32は、色変換された画像データから色分布を取得する。
さらに、色変換テーブル作成(修正)装置3には、プリンター色域取得部33を有している。プリンターの色域は、コントローラー2で取得しているプリンター(デスティネーション)プロファイルから得ることができる。
さらに、色変換テーブル作成(修正)装置3には、色域境界色変換写像計算部34を有している。色域境界色変換写像計算部34は、色域境界にある色を写像するように計算を行う。
さらに、色変換テーブル作成(修正)装置3には、プロファイル修正部35を有している。プロファイル修正部35では、色域境界色変換写像計算部34で計算した結果に基づいて、プロファイルすなわちテーブルを修正する。修正されたプロファイルはコントローラー2に送られ、修正プロファイルを適用して色変換される。色変換された画像データはコントローラー2からプリンターに送られ、印刷が行われる。
色変換テーブル作成(修正)装置3では、色変換部(CMYK→L)31、色分布取得部32、色境界色変換写像計算部34、プロファイル修正部35は、この実施形態では、本発明の制御部として機能する。また、画像取得部30、プリンター色域取得部33は、この実施形態では、本発明の取得部として機能する。これら各部において動作するプログラムには、本発明のプログラムが含まれている。
次に、画像データに対する各処理の手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。 先ず、色変換テーブルを取得し(ステップs1)、入力画像から測色値を取得する(ステップs2)。
色変換テーブルの取得では、ソースプロファイルとデスティネーションプロファイル<Appendix 参照>の両方を読み込む。なお、入力画像がスキャナーの場合はスキャナーのRGB値を測色値(LやXYZ値)に変換するスキャナープロファイルが必要になる。
入力画像は、PDFなどのデータの場合と、スキャナーの入力画像およびPDFの場合がある。前者の場合は、PDFデータをRIP処理し、CMYK値とソースプロファイルを用いて測色値を取得する。後者の場合は、スキャナーの画像からスキャナープロファイルを用いて測色値を取得する。後者の場合にPDFが必要な理由はオブジェクトの特定が容易なためである。
次いで、出力プリンターの色域情報を取得し(ステップs3)、オブジェクトの色分布を取得する(ステップs4)。
出力プリンターの色域情報を取得では、プリンターのデスティネーションプロファイルのA2B情報を用いることで、そのプリンターの色域情報を取得することができる。
オブジェクトの色分布の取得では、均等色空間であるL色空間が望ましいが、色の見えモデルなど、各種表色系を用いても構わない。
色分布から、所定色範囲内に、プリンターの色域の内側と色域の外側に色分布が存在しているかを判定する(ステップs5)。
所定の色範囲内において、色域の内側と外側の両方に存在しているかを判定する際には、ある程度のコントラストがあることを判定条件にしても良い。ここで、所定の色範囲は、色相で切るのが簡便で良い、明度も考慮した区分で区切っても良い。色域を区切らないと、別系統の色(例えば色域外の赤と色域内の緑)においても、色域境界を挟むと判断してしまうからである。このような色の場合は色相によるコントラストがついているので、コントラストを維持する処理は不要である。また、両方に存在しているかの判定に、そのオブジェクトの一定面積を占めているかを判定基準にしてもよい。微小エリアにおいては、コントラストの維持を行う必要がなく、不要な写像による誤差を発生させないほうが良い。
上記判定で、色域の内側と色域の外側に色分布が存在していなければ(ステップs5、N)、色域外の色を色域表面に写像し(ステップs7)、ステップs8に移行する。
色域内外の両方に存在していない場合は、色域外の色はプリンター色域表面に写像する。
色域の内側と色域の外側に色分布が存在していれば(ステップs5、Y)、色域外の色を色域表面に写像し、色域内の色を内側に写像し(ステップs7)、ステップs8に移行する。
すなわち、色域の外側と内側両方に存在している場合は、色域外の色はプリンター色域表面に写像し、色域内の色は内側に写像する。
ステップs8では、ステップs6またはs7の計算結果に基づいて色変換テーブルを修正する。
この色変換テーブルはプリンターのデスティネーションプロファイルを指す。
次に、すべての色域において、所定色範囲内の分布確認をしたかを判定する(ステップs9)。この処理では、区切った所定色範囲ごとに処理を行い、色分布の前色領域においてプロファイル修正が完了したかを確認する。
すべての色域において、所定色範囲内の分布確認をしていなければ(ステップs9、N)、ステップs5に戻って、所定の色範囲内で色分布が存在しているかを判定する。
すべての色域において、所定色範囲内の分布確認をしていれば(ステップs9、Y)、すべてのオブジェクトの色変換テーブルを修正したかを判定する(ステップs10)。
すべてのオブジェクトの色変換テーブルを修正していなければ(ステップs10、N)、
ステップs4に戻って、新たなオブジェクトの色分布を取得する。
すべてのオブジェクトの色変換テーブルを修正していれば(ステップs10、Y)、修理を終了する。
上記手順では、オブジェクトごとに処理を行うため、不要な色域圧縮の処理を行わないで済む。例えば、色域内側の色がコーポレートカラーなど、重要な色と同一だった場合、重要色は写像せずに測色値をキープすることができる。
以下に、色域外の色を色域表面に写像し色域内の色を内側に写像する処理のサブルーチンを図6に基づいて説明をする。
先ず写像目標を決める(ステップs20)。
色域内および色域外の色を写像するためには目標となる写像先を決める必要がある。写像先としては色域の中心にしてもよいし、色相や明度ごとに目標を切り替えても良い。
次いで、対象の色が色域外かを判定する(ステップs21)。
色域外の場合(ステップs21、Y)、対象の色と、写像目標を結んだ線分と、色域表面との交点を求める。
次いで、交点を写像先として採用する(ステップs23)。上記処理にて、色域表面を計算する。色域外の色が一色ではない場合、階調性を持たせるために、色域外でも、一番外側の色は表面に写像し、それ以外の色域外の色は少し内側に写像する方法もある。
ステップs21で、対象の色が色域外でない場合(ステップs21、N)、内側の色分布と、外側の分布との距離を測定する(ステップs24)。距離を測定することで、当該色分布におけるコントラストを求めることができる。
次いで、上記距離に応じて、内側の色の写像量を計算する(ステップs25)。
さらに、対象の色を写像目標方向に上記写像量だけ写像したものを写像先として採用する(ステップs26)。色域内の色の写像量は二者の色分布によって変えることが望ましい。二者の色分布によるコントラストが十分に大きい場合には内側の写像量は微小で構わないが、色域外の写像によってコントラストが半分になるような場合には、大きめの写像をする必要がある。
図7の例では2点だけであるが、ある程度広範囲に渡って色が分布している場合は、色域内でも外側の色と内側の色によって、写像量を変えても良い。例えば、内側の色を大きく動かし、外側の色は少しだけ動かす、など。
上記サブルーチンの説明をしたが、変形例としては、上記方法での写像によるコントラストを確保するのが困難な場合は、色相方向に写像することで、コントラストを維持する方法もある。特に連続階調ではないグラフィックオブジェクトの場合では、色相を写像しても問題ない場合が多い。
また、内側の色の写像レベルを当該色分布におけるコントラストに基づいて処理を決めているが、ユーザーによってカスタマイズできてもよい。その場合はプレビュー表示をもたせて入力をサポートできると、なお良い。
また、上記の処理をユーザーの指定によって、実施の有無を切り替えてもよい。
図8にユーザーインターフェース300の例を示す。
本実施形態の機能を「画像ごと最適化」という設定がされた場合のみ実施する。有効でない場合は、従来のICC プロファイルに準拠した形で色変換処理が実施される。また、オブジェクトタイプ(グラフィック、テキスト、イメージ)ごとに、設定できても良い。
図の例では、グラフィックオブジェクトは従来のICCプロファイルの彩度レンダリングで計算されるが、テキストとイメージオブジェクトでは本実施形態の通り、オブジェクトごとに色分布を見てプロファイルの修正を行う。
図8のユーザーインターフェース300では、オブジェクトタイプである、グラフィック、テキスト、イメージ毎に設定が可能になっており、グラフィックに関するプロファイルを表示するグラフィックプロファイル欄301、テキストに関するプロファイルを表示するテキストプロファイル欄302、イメージに関するプロファイルを表示するイメージプロファイル欄303を有している。各オブジェクトに関し、レンダリングインテント欄が設けられており、グラフィック欄310では、「彩度」、テキスト欄311では、「画像ごと最適化」、イメージでは欄312、「画像ごと最適化」が定められている。設定内容は、OK釦320の押下により設定が確定し、キャンセル釦321の押下により設定がキャンセルされる。
<Appendix>
色変換テーブルの補正について
色変換テーブルはプロファイルとも呼ばれ、プロファイルのなかでも、ICCプロファイル(http://www.color.org/)が印刷業界のみならず、IT業界においても広く使われており、実質、デファクトスタンダードとなっている。
ICC プロファイルによるカラーマネージメントの中でも、大きく分けて下記の、
・ デバイスプロファイル(以下、DP)を用いた方法と、
・ デバイスリンクプロファイル(以下、DLP)を用いた方法、の2通りがある。
・DPの場合
デバイス値(CMYK値やRGB値)は、機種に依存した値なので、機種独立な値(XYZ 値やL*a*b*値)へ対応付けたものがDPである。DPは、デバイス値から機種独立値へのLUTと機種独立値からデバイス値へのLUTから構成され、例えば、CMYKプリンターのDP場合、CMYK からL*a*b*のLUT(A2Bと呼ぶ)と、L*a*b*からCMYKのLUT(B2Aと呼ぶ)から構成される。この機種独立の値は、プロファイルをつなぐ色空間となることから、プロファイルコネクションスペースと呼ばれる。
なお、色再現ポリシーの違いにより、レンダリングインテントを設定することができる。これは、知覚、測色的、彩度から選ぶことができ、LUTは3種類持つことになる。
色変換を行うには、目標とするデバイスのDPが必要となり、それをソースプロファイルと呼ぶ(ターゲットプロファイルと呼ぶこともある)。例えば、オフセット印刷機のプロファイルや、Japan Colorなど標準的なプロファイルが選択されることになる。そして、出力するデバイスのDP をデスティネーションプロファイルと呼ぶ(プリンタープロファイルと呼ぶこともある)。これは、実際に出力しているプリンターのプロファイルが選択されることになる。
そして、入力されたCMYK値はソースプロファイルのA2Bを通して機種独立の値になり、デスティネーションプロファイルのB2Aを通してCMYK値に変換される。(図9参照)。この変換を経ることで、目標とするデバイス(ソース)のCMYK値に対応する、CMYK 値をプリンター(デスティネーション)で出すことができる。
・DLPの場合
DLPは上記の変換の過程、デバイス値−>機種独立値−>デバイス値の変換をひとつのLUTにしたものである。つまり、入力のデバイス値と出力のデバイス値を関連付けたLUTである。変換時の変換が一度ですみ、CMYKの場合、3次元のL*a*b*などに変換しなくて良いので、情報の欠損(墨版の情報などは残したい)が少なくなる。ただし、この情報だけでは、機種独立値を取得することは出来なくなる。
DLPの場合、レンダリングインテントの概念はなく、ひとつのLUTのみ持つ。よって、入力されたCMYK値はデバイスリンクプロファイルのLUTを通して、目的のCMYK値を出力することができる(図10参照)。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲を逸脱しない限りは、本実施形態に対する適宜の変更が可能である。
1 プリンター
2 コントローラー
3 色変換テーブル作成(修正)装置
4 出力指示端末
5 ネットワーク
21 ソース(ターゲット)プロファイル取得部
22 プリンター(デスティネーション)プロファイル取得部
23 色変換(プロファイル適用計算)部
30 画像取得部
32 色分布取得部
33 プリンター色域取得部
34 色域境界色変換写像計算部
35 プロファイル修正部
100 画像出力システム
300 ユーザーインターフェース

Claims (14)

  1. 入力画像と、出力機器の色再現域を取得する取得部と、
    前記入力画像に基づく色空間によって前記入力画像の色分布を取得する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記色分布が前記出力機器の色再現域である色域の内外に分布しているか判定し、前記色分布と前記色域との位置関係によって、色域境界部の色変換方法を変更して色変換テーブルを修正することを特徴とする色変換テーブル修正部。
  2. 前記制御部は、前記入力画像の第1の色空間をデバイスに依存しない第2の色空間へ変換し、前記第2の色空間によって前記色分布を取得することを特徴とする請求項1記載の色変換テーブル修正部。
  3. 前記制御部は、前記色分布として前記入力画像の一つのオブジェクトの色分布を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の色変換テーブル修正部。
  4. 前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側に分布しているかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色変換テーブル修正部。
  5. 前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側の分布が、一定のコントラストがあるかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の色変換テーブル修正部。
  6. 前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側に分布しているかの判定に、色相の分布が一定範囲内に入っているかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の色変換テーブル修正部。
  7. 前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側と、前記色域の外側に分布しているかの判定に、一定面積以上の分布を占めているかによって、前記色域境界部の色変換方法を変更することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の色変換テーブル修正部。
  8. 前記制御部は、前記色域の外側に分布している色は、前記色域表面に写像し、前記色域の内側の色は前記色域のさらに内側に圧縮することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の色変換テーブル修正部。
  9. 前記制御部は、前記色分布が、前記色域の内側の分布位置に応じて、前記色域の内側の色の圧縮レベルを変更することを特徴とする請求項8記載の色変換テーブル修正部。
  10. 前記制御部は、前記色域の内側の分布位置が、前記色域外の色との色差が所定の値より大きい場合には、前記色域の内側の色の写像レベルを小さくし、前記色差が所定の値より小さい場合には、前記色域の内側の色の写像レベルを大きくすることを特徴とする請求項8または9に記載の色変換テーブル修正部。
  11. 前記制御部は、前記入力画像におけるページ内、あるいは、複数ページ内のファイル内に存在するオブジェクトごとに、前記色域境界部の色変換方法を変更する請求項1〜10のいずれか1項に記載の色変換テーブル修正部。
  12. 前記制御部は、オブジェクトごとの色分布によって前記色域境界部の色変換方法を変えるか否かを、ユーザーによって選択可能にする請求項1〜11のいずれか1項に記載の色変換テーブル修正部。
  13. 前記制御部は、ユーザーによる選択において、オブジェクトごとに色変換テーブルを指定できるか、オブジェクトタイプごとに色変換テーブルを指定できるか、自動で色域境界部の色変換方法を指定するかを選択可能にする請求項12に記載の色変換テーブル修正部。
  14. 入力画像に基づく色空間によって入力画像の色分布を取得する制御部で実行されるプログラムであって、
    前記プログラムは、前記制御部に、前記色分布が出力機器の色再現域の内外に分布しているか判定し、前記色分布と前記出力機器の色再現域である色域との位置関係によって、前記色域境界部の色変換方法を変更して色変換テーブルを修正する工程を実行させる色変換テーブル修正プログラム。
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