JP2020096994A - 精留装置 - Google Patents

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哲央 西山
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一彦 時里
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秀典 南
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Abstract

【課題】粗ガスを精製する精留装置において、装置立ち上げ時間の短縮化、および設置スペースの小型化を実現する。【解決手段】粗ガスを精製する精留装置において、粗ガスが導入されるとともに、粗ガスに対する精留処理が行われる精留部と、精留部の下方に配置された底部空間と、精留部の上方に配置された上部空間と、を内部に有する、処理容器を備え、精留部には、気液接触を補助する充填材が配置され、底部空間内には、液化ガスを底部空間内にて自然循環させながら加熱して気化させるカランドリア型リボイラが配置されている。【選択図】図2

Description

本開示は、不純物を含む粗ガスを精製する精留装置に関する。
半導体用途に使用される液化ガスは、微量不純物(例えば、水分、水素、窒素、酸素、アルゴン、炭化水素など)が製品へ影響を及ぼすことから、これら不純物の少ない高純度な液化ガスが望まれている。このような用途に用いられる液化ガスとしては、例えば、アンモニアがあり、アンモニアの純度としては、99.9999容量%以上、さらに99.99999容量%以上であることが求められている。
このように要求される純度に粗ガスを精製するための精留装置として、いくつかの精留装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の精留装置では、精留塔内の下部空間に供給された液化ガスを加熱して気化させて、精留塔内で充填材を用いて気液接触を行うことで、上部に低沸相、下部に高沸相を濃縮させて、粗ガスの精製を行っている。
特表2008−505830号公報
しかしながら、特許文献1の精留装置では、精留塔の底部空間に供給された液化ガスが配管を通じて精留塔外部へと送り出され、精留塔外部に配置されたリボイラにて加熱して気化させ、気化されたガスを精留塔内に配管を通じて戻すような構成が採用されている。
そのため、精留塔の底部空間および底部空間と連通しているリボイラにおいて、液化ガスを貯留しておくための空間が必要となり、精留装置の立ち上げ時間を短縮することが難しいという問題がある。特に、精留装置のメンテナンスの際などにおいて、精留塔およびリボイラ内から液の抜き出し作業が必要となり、装置内に保有されている液量が多くなる程、装置の立ち上げ時間は長くなる。
また、リボイラが精留塔の外部に設けられているため、精留塔とリボイラとの間の配管およびバルブが必要となり、また、装置を小型化すること(装置の設置スペースの小型化)が難しいという問題もある。
従って、本開示の目的は、上記従来の課題を解決することにあって、粗ガスを精製する精留装置において、装置立ち上げ時間の短縮化、および設置スペースの小型化を実現できる精留装置を提供することにある。
本開示の一の態様の精留装置は、粗ガスを精製する精留装置において、粗ガスが導入されるとともに、粗ガスに対する精留処理が行われる精留部と、精留部の下方に配置された底部空間と、精留部の上方に配置された上部空間と、を内部に有する、処理容器を備え、精留部には、気液接触を補助する充填材が配置され、底部空間内には、液化ガスを底部空間内にて自然循環させながら加熱して気化させるカランドリア型リボイラが配置されている、ものである。
本開示によれば、粗ガスを精製する精留装置において、装置立ち上げ時間の短縮化、および設置スペースの小型化を実現できる。
本開示の一の実施の形態にかかる精留装置の主要な構成を示すフロー図 図1の精留装置が備える第1精留塔の模式図 図1の精留装置の第1精留塔における底部空間に設置されたカランドリア型リボイラの模式斜視図
本開示の第1態様の精留装置は、粗ガスを精製する精留装置において、粗ガスが導入されるとともに、粗ガスに対する精留処理が行われる精留部と、精留部の下方に配置された底部空間と、精留部の上方に配置された上部空間と、を内部に有する、処理容器を備え、精留部には、気液接触を補助する充填材が配置され、底部空間内には、液化ガスを底部空間内にて自然循環させながら加熱して気化させるカランドリア型リボイラが配置されている、ものである。
本開示の第2態様の精留装置は、第1態様の精留装置において、カランドリア型リボイラは、精留部側の空間に上端が開口され、処理容器の底側の空間に下端が開口された複数の第1直立管と、第1直立管よりも大きな径を有し、精留部側の空間に上端が開口され、処理容器の底側の空間に下端が開口されたダウンステークとなる第2直立管と、それぞれの第1直立管の周囲に熱煤を通過させることで、第1直立管内の液化ガスを加熱する熱煤流路と、を備え、処理容器の中央に第2直立管が配置され、第2直立管の周囲を囲むようにそれぞれの第1直立管が配置されている、ものである。
(実施の形態)
以下に、本開示にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(精留装置の構成)
本開示の一の実施の形態にかかる精留装置1の主要な構成を図1のフロー図に示す。本実施の形態の精留装置1は、粗ガスとして、不純物が含まれる粗アンモニアを精製する装置(システム)である。粗アンモニア中には、メタン、エタン、プロパン等の低次炭化水素、さらに多くの炭素数を有する高次炭化水素、水分、および窒素、酸素、アルゴン等の低沸点ガスが不純物として含まれている。すなわち、粗アンモニアには、アンモニア(沸点−33.44℃)よりも沸点の低い低次炭化水素、低沸点ガスなどの低沸不純物、およびアンモニアよりも沸点の高い高次炭化水素、水分などの高沸点不純物が含まれている。
図1に示すように、精留装置1は、貯留タンク2と、第1精留塔10と、第2精留塔20と、コンデンサ3と、回収タンク4とを備える。また、本実施の形態の精留装置1では、第1精留塔10および第2精留塔20が、粗ガスに対する精留処理を行う処理容器の一例となっている。なお、精留装置1が吸着塔を備え、第1精留塔10および第2精留塔20によるアンモニアの蒸留処理の前に、吸着塔にて粗アンモニアガスの事前精製が行われるような場合であってもよい。
貯留タンク2は、粗アンモニアを貯留するものであり、耐圧性および耐腐食性を有する保温容器である。貯留タンク2は、粗アンモニアを液相状態のアンモニアとして貯留し、温度および圧力が一定条件となるように、図示しない保温・保圧手段により制御されている。貯留タンク2は、第1配管(流路)5により第1精留塔10に接続されており、貯留されているアンモニアが第1配管5を通して第1精留塔10に供給可能とされている。なお、第1配管5の途中には、図示しないバルブが設けられており、バルブを開閉することにより流路の開閉動作を行うことができる。また、以降において説明するそれぞれの配管についても同様に図示しないバルブが設けられており、バルブを開閉することにより流路の開閉動作を行うことが可能となっている。本実施の形態では、貯留タンク2から液相状態のアンモニアが第1精留塔10に供給される場合を例とするが、気相状態のアンモニアが供給されるような場合であってもよい。
第1精留塔10は、貯留タンク2から供給される粗アンモニアに含まれる、アンモニアよりも沸点の低い低沸点不純物を蒸留除去する。第1精留塔10は、精留部11と、底部空間12と、上部空間13との3つのゾーンを内部に有する、大略円筒状の密閉容器である。
精留部11は、第1精留塔10の上部空間13と底部空間12との間に位置し、気相状態のアンモニアと液相状態のアンモニアとの気液接触を補助する充填材14が配置されている。充填材14が配置されている空間に第1配管5が接続されており、貯留タンク2から供給される粗アンモニアは、精留部11の充填材14の中に供給される。なお、図1では、精留部11において2段の充填材14が設けられる場合を例としているが、充填材14は1段あるいは3段以上であってもよい。2段に充填材14を設ける場合には、上段の充填材14と下段の充填材14との間に第1配管5を接続することが精留において効果的である。
上部空間13は、第1精留塔10内において、精留部11の上方に配置された空間である。上部空間13にはコンデンサ15が設置されている。コンデンサ15には、外部から配管を通じて冷却液(例えば、−15℃ブライン)などの冷媒が供給され、上部空間13内のアンモニアを含むガスの凝縮を行う。また、第1精留塔10の上端には、廃ガス用配管16が接続されており、上部空間13において、コンデンサ15により凝縮されなかった低沸点不純物が廃ガスとして廃ガス用配管16を通じて第1精留塔10外へと排出される。なお、本実施の形態では、コンデンサ15が第1精留塔10内に配置されている場合を例としているが、第1精留塔10の外部にコンデンサが配置されるような場合であってもよい。
底部空間12は、第1精留塔10内において、精留部11の下方に配置された空間である。底部空間12にはカランドリア型リボイラ30が設置されている。カランドリア型リボイラ30には、外部から配管を通じて加熱液(例えば、30℃ブライン)などの熱煤が供給され、底部空間12内に溜まっている液相状態のアンモニアの気化を行う。このカランドリア型リボイラ30の詳細な構成については後述する。また、第1精留塔10の下端には第2配管6が接続されており、第2配管6は第2精留塔20に接続されている。第1精留塔10の底部空間12内に溜まる液相状態のアンモニア(低沸点不純物が蒸留除去されたもの)が、第2配管6を通して第2精留塔20に供給可能とされている。
第2精製塔20は、第1精留塔10から供給される低沸点不純物が除去されたアンモニアに含まれる、アンモニアよりも沸点の高い高沸点不純物を蒸留除去する。第2精製塔20は、精留部21と、底部空間22と、上部空間23とを内部に有する、大略円筒状の密閉容器である。
精留部21は、第2精留塔20の上部空間23と底部空間22との間に位置し、気相状態のアンモニアと液相状態のアンモニアとの気液接触を補助する充填材24が配置されている。充填材24が配置されている空間に第2配管6が接続されており、第1精留塔10から供給される液相状態のアンモニア(低沸点不純物が蒸留除去されたもの)は、精留部21の充填材24の中に供給される。なお、充填材14は1段または複数段であってもよい。
上部空間23は、第2精留塔20内において、精留部21の上方に配置された空間である。上部空間23にはコンデンサ25が設置されている。コンデンサ25には、外部から配管を通じて冷却液(例えば、−15℃ブライン)などの冷媒が供給され、上部空間23内のアンモニアを含むガスの凝縮を行う。第2精留塔20の上端には第3配管7が接続されており、上部空間23において、コンデンサ25により高沸点不純物が凝縮されて落下し、凝縮されなかった気相状態のアンモニアが精製ガスとして第3配管7を通じて第2精留塔20から送り出される。なお、本実施の形態では、コンデンサ25が第2精留塔20内に配置されている場合を例としているが、第2精留塔20の外部にコンデンサが配置されるような場合であってもよい。
底部空間22は、第2精留塔20内において、精留部21の下方に配置された空間である。底部空間22にはカランドリア型リボイラ40が設置されている。カランドリア型リボイラ40には、外部から配管を通じて加熱液(例えば、30℃ブライン)などの熱煤が供給され、底部空間22内の液相状態のアンモニアの気化を行う。このカランドリア型リボイラ40の詳細な構成については後述する。また、第2精留塔20の下端には廃液用配管26が接続されており、底部空間22内の液相状態の高沸点不純物が濃縮され、廃液として廃液用配管を通じて第2精留塔20外へと排出される。
コンデンサ3は、精製ガス(精製されたアンモニア)を凝縮して、液相状態のアンモニアとして回収するものである。コンデンサ3には、外部からの配管を通じて冷却液などの冷媒が供給され、第3配管7を通じて供給される精製ガスに対する凝縮を行う。コンデンサ3と回収タンク4とは第4配管8により接続されており、凝縮された液相状態のアンモニアが回収タンク4へと送り出されて回収される。
回収タンク4は、低沸点不純物および高沸点不純物が蒸留除去された精製アンモニアを貯留するものであり、耐圧性および耐腐食性を有する保温容器である。回収タンク4は、精製アンモニアを液相状態のアンモニアとして貯留し、温度および圧力が一定条件となるように、図示しない保温・保圧手段により制御されている。
また、精留装置1には、図示しない制御装置、各種センサ(例えば、圧力センサ、温度センサ)、および制御手段(流量調整バルブ、開閉バルブ)が備えられている。各種センサからのセンシング情報と予め設定された制御条件とに基づいて、制御装置によって制御手段が制御されることにより、ガスまたは液体の供給量、圧力、温度などの制御が行われる。
(カランドリア型リボイラの構成)
次に、第1精留塔10が備えるカランドリア型リボイラ30の構成について説明する。図2は、第1精留塔10の内部構成を示す模式構成図であり、図3は、カランドリア型リボイラ30の斜視図である。なお、第1精留塔10が備えるカランドリア型リボイラ30と、第2精留塔20が備えるカランドリア型リボイラ40とは、実質的に同様な構成を有しているため、両者を代表して、カランドリア型リボイラ30の構成について説明する。
カランドリア型リボイラ30は、底部空間12内において、熱煤を用いて液相状態のアンモニアを加熱することで、液相状態のアンモニアを底部空間12内にて自然循環させながら、アンモニアを気相状態として精留部11および上部空間13へと供給するものである。
図2および図3に示すように、カランドリア型リボイラ30は、複数の第1直立管31と、第1直立管31よりも大きな径を有する第2直立管32とを備える。それぞれの第1直立管31は、精留部11側の空間S1に上端が開口され、第1精留塔10の底側の空間S2に下端が開口されている。第2直立管32は、精留部11側の空間S1に上端が開口され、第1精留塔10の底側の空間S2に下端が開口されている。本実施の形態では、第1精留塔10の水平方向断面における中央に1本の第2直立管32が配置され、第2直立管32の周囲を囲むように複数の第1直立管31が配置されている。なお、第2直立管32が、複数配置されているような場合であってもよい。
第1直立管31と第2直立管32とは同じ長さを有しており、それぞれの上端における開口周囲を塞ぐように上端板33が設けられており、それぞれの下端における開口周囲を塞ぐように下端板34が設けられている。この上端板33と精留部11との間に空間S1が配置されており、下端板34と第1精留塔10の底部との間に空間S2が配置されている。
カランドリア型リボイラ30において、それぞれの第1直立管31および第2直立管32の外周面と、上端板33および下端板34と、第1精留塔10の内周面とにより囲まれた空間が、熱煤流路35となっている。熱煤流路35には、熱煤の入口および出口が設けられており、熱煤配管が接続されて、熱煤流路35内に熱煤を供給することが可能となっている。なお、カランドリア型リボイラ30自体に円筒状のシェルを設け、第1精留塔10の内周面にシェルが接するように配置してもよい。この場合、シェルの内周面と、上端板33および下端板34と、それぞれの第1直立管31および第2直立管32の外周面ととにより囲まれた空間が、熱煤流路35となる。
カランドリア型リボイラ30において、熱煤流路35内に熱煤が供給されると、それぞれの第1直立管31内および第2直立管32内の液相状態のアンモニアが加熱される。第1直立管31の径は第2直立管32の径よりも小さく設定されている。これにより、直立管内に収容されている単位体積あたりのアンモニアに対する伝熱表面積が、第2直立管32よりも第1直立管31の方が大きくなる。その結果、第2直立管32内のアンモニアに対してよりも第1直立管31内のアンモニアに対する温度上昇が早くなり、アンモニアの気化が促進される。これにより、第1直立管31内にて上昇流が生じ、アンモニアが気化されて、上端板33の上方の空間S1に供給される。一方、第2直立管32では下降流が生じ、ダウンステークとなって液相状態のアンモニアが下端板34の下方の空間S2へと供給される。これにより、第1直立管31および第2直立管32と、空間S1およびS2との間で、アンモニアの自然循環が生じる。アンモニアが自然循環されることにより、熱煤からアンモニアへの伝熱効率が向上し、アンモニアの気化を効率的に行うことができる。
(精留装置における精留方法)
このような構成を有する本実施の形態の精留装置1において、粗アンモニアを精留する方法について説明する。
まず、貯留タンク2に貯留されている粗アンモニアが第1配管5を通じて第1精留塔10内へと供給される。第1精留塔10内では、精留部11の充填材14が配置されている空間に液相状態の粗アンモニアが供給される。具体的には、2段に配置されている充填材14の間の空間に第1配管5を通じて粗アンモニアが供給される。供給された粗アンモニアは、底部空間12から上昇してくる気相状態のアンモニアを含むガスと気液接触を繰り返しながら、上部空間13から流下する液相状態のアンモニアとともに底部空間12へ流下し、底部空間12内に溜まる。なお、貯留タンク2から液相状態の粗アンモニアに換えて、気相状態の粗アンモニアが供給される場合であってもよい。
底部空間12において、液相状態のアンモニアは、カランドリア型リボイラ30の第1直立管31および第2直立管32内に存在している。カランドリア型リボイラ30の熱煤流路35内に熱煤が供給されることにより、それぞれの第1直立管31および第2直立管32内のアンモニアが加熱されるが、径の大小差により、第1直立管31内では上昇流が生じ、第2直立管32内では下降流が生じる。これにより、アンモニアが自然循環され、熱煤によるアンモニアの加熱が促進され、第1直立管31の上端からアンモニアガスが上昇する。
上昇したガスは、精留部11の充填材14内を通過して、上部空間13へと至る。上部空間13において、コンデンサ15によりアンモニアを含むガスに対する凝縮が行われ、凝縮された液体が底部空間12へと流下するとともに、濃縮された低沸点不純物が廃ガスとして廃ガス用配管16を通じて第1精留塔10外へと排出される。
このような精留処理が繰り返されることにより、粗アンモニアから低沸点不純物が蒸留除去される。低沸点不純物が蒸留除去された液相状態のアンモニアは、第1精留塔10の底部空間12から、第2配管6を通じて第2精留塔20へと送り出される。
第2精留塔20において、精留部21の充填材24の中に低沸点不純物が精留除去された液相状態のアンモニアが供給される。供給された液相状態のアンモニアは、底部空間122から上昇してくる気相状態のアンモニアと気液接触を繰り返しながら、上部空間23から流下する液相状態のアンモニアを含む液体とともに底部空間22へ流下し、底部空間22内に溜まる。
底部空間22においては、第1精留塔10と同様に、カランドリア型リボイラ40によりアンモニアの自然循環が行われて、熱煤によるアンモニアの加熱が促進され、アンモニアガスが上部空間23へ向かって上昇する。
上部空間23において、上昇したガスに対してコンデンサ25による冷却が行われ、ガスに含まれる高沸点不純物が凝縮されて流下し、凝縮されなかった気相状態のアンモニアが精製ガスとして第3配管7を通じて第2精留塔20から送り出される。
底部空間22では、液相状態の高沸点不純物が濃縮され、廃液として廃液用配管を通じて第2精留塔20外へと排出される。
精製ガスは第3配管7を通じてコンデンサ3に供給され、コンデンサ3において精製ガスに対する凝縮が行われ、凝縮された精製ガスである液相状態のアンモニアが、第4配管8を通じて回収タンク4に回収される。
本実施の形態の精留装置1によれば、液相状態のアンモニアを加熱して気化させるリボイラとして、カランドリア型リボイラ30を採用するとともに、カランドリア型リボイラ30を第1精留塔10の底部空間12内に配置している。また、第2精留塔20においてもカランドリア型リボイラ40を底部空間22内に配置している。
このような構成により、液相状態のアンモニアを貯留するための貯留空間を、アンモニアを加熱して気化させるための空間として利用し、この空間を第1精留塔10内に配置することができる。よって、第1精留塔10外において、リボイラや貯留空間を設ける場合に比して、第1精留塔10における液の保有量を少なくできる。したがって、精留装置1のメンテナンス時などにおいて、液の抜き出し、液の注入、加熱開始から液の気化までに要する時間などの精留装置の立ち上げ時間を短縮することができる。特に、アンモニアのような液化ガスを取り扱う設備では、安全を維持担保するために開放検査等の自主検査が義務づけられている。この開放検査を実施するためには、精留装置内の液およびガスを取り除いて装置を無害化する必要があるが、液の保有量を少なくできるため、液除去処理に要する時間を短縮できる。
また、カランドリア型リボイラ30が第1精留塔10の内部に設けられているため、外部に設けられるような場合と比して、配管およびバルブの数を減らすことができるとともに、装置の小型化(装置の設置スペースの小型化)を実現できる。
また、カランドリア型リボイラ30は、ダウンステークとなる第2直立管32と、第2直立管32よりも径が小さな複数の第1直立管31とを備え、中央に配置された第2直立管32の周囲を囲むようにそれぞれの第1直立管31が配置された構成を有している。このような構成によれば、第1精留塔10における水平方向断面において、気相状態のアンモニアに大きな偏流が生じることなく、概ね均一な流れで上昇することができる。よって、充填材14内における気液接触および上部空間13におけるコンデンサ15による凝縮処理を、概ね均一な流れのガスに対して行うことが可能となる。
なお、上述した第1精留塔10における効果は、第2精留塔20においても同様に得ることができる。
上述の実施の形態の説明では、精留装置1が、第1精留塔10と第2精留塔20とを備え、低沸点不純物および高沸点不純物の蒸留除去を行う場合を例としているが、本発明はこのような場合のみに限定されない。例えば、精留装置が第1精留塔および第2精留塔のいずれかのみを備え、低沸点不純物および高沸点不純物のいずれか一方のみの蒸留除去が行われる場合であってもよい。
また、カランドリア型リボイラ30において、中央に1本の第2直立管32が配置され、第2直立管32の周囲を囲むように複数の第1直立管31が配置されている場合を例としているが、このような場合のみに限定されない。例えば、第2直立管が中央以外の場所に配置されるような場合であってもよい。
また、第1直立管31および第2直立管32の径は、気化対象の液体の仕様、伝熱効率、処理量、圧力損失などの各種パラメータに基づいて、適切に設定されることが好ましい。例えば、ダウンステークとなる第2直立管32を流体が通る際の圧力損失が、カランドリア型リボイラ30を通過する際の圧力損失の1/5〜1/10となるように第2直立管32の径を十分に大きくし、それぞれの第1直立管31に液が均一に流れるように配慮することが好ましい。例えば、
シェル: 内径300mm
第1直立管: 内径 17mm、52本、長さ1.3m
第2直立管: 内径120mm、1本
のように直立管の仕様を設定してもよい。
上述の実施の形態では、精留装置1において、粗ガスとして粗アンモニアに対する精留処理を行う場合を例としたが、アンモニアに限られず、その他のガスに対する精留処理が行われる場合であってもよい。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
1 精留装置
2 貯留タンク
3 コンデンサ
4 回収タンク
10 第1精留塔
11 精留部
12 底部空間
13 上部空間
14 充填材
15 コンデンサ
20 第2精留塔
21 精留部
22 底部空間
23 上部空間
24 充填材
25 コンデンサ
30 カランドリア型リボイラ
31 第1直立管
32 第2直立管
33 上端板
34 下端板
35 熱煤流路
40 カランドリア型リボイラ

Claims (2)

  1. 粗ガスを精製する精留装置において、
    粗ガスが導入されるとともに、粗ガスに対する精留処理が行われる精留部と、精留部の下方に配置された底部空間と、精留部の上方に配置された上部空間と、を内部に有する、処理容器を備え、
    精留部には、気液接触を補助する充填材が配置され、
    底部空間内には、液化ガスを底部空間内にて自然循環させながら加熱して気化させるカランドリア型リボイラが配置されている、精留装置。
  2. カランドリア型リボイラは、
    精留部側の空間に上端が開口され、処理容器の底側の空間に下端が開口された複数の第1直立管と、
    第1直立管よりも大きな径を有し、精留部側の空間に上端が開口され、処理容器の底側の空間に下端が開口されたダウンステークとなる第2直立管と、
    それぞれの第1直立管の周囲に熱煤を通過させることで、第1直立管内の液化ガスを加熱する熱煤流路と、を備え、
    処理容器の中央に第2直立管が配置され、第2直立管の周囲を囲むようにそれぞれの第1直立管が配置されている、請求項1に記載の精留装置。
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