JP2020095542A - 運転支援情報蓄積システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒヤリハットが発生した場合の乗員の生体情報を取得し、運転支援情報として蓄積されるデータの信頼性を向上させる運転支援情報蓄積システムを提供することを目的とする。【解決手段】運転支援情報蓄積システムが、ヒヤリハットが発生したときの人の生体情報を取得するための生体情報取得手段と、ヒヤリハットが発生したときの場面に係るヒヤリハット情報を取得するためのヒヤリハット情報取得手段と、生体情報とヒヤリハット情報とを紐づける紐づけ手段と、紐づけ手段によって紐づけられた生体情報とヒヤリハット情報とを収集し、運転支援情報として蓄積するデータベース7と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、運転支援情報蓄積システムに関する。
従来、例えば特許文献1のように、車両を運転する乗員が遭遇したヒヤリとした出来事及びハッとした出来事(以下、ヒヤリハット)に係る情報をデータベースに蓄積する技術が知られている。そして、データベースに蓄積された情報は、運転支援情報として車両に提供される。
特開2018−097457号公報
ところで、従来は、車両に加速度センサーが設けられ、この加速度センサーによって検出された加速度に基づいてヒヤリハットを特定する場合があった。つまり、急ブレーキや急ハンドルによって車両が急な動きをする場合がヒヤリハットとして特定されていた。
しかしながら、ヒヤリとするのも、ハッとするのも車両に乗っている乗員自身であるため、乗員の生体情報をヒヤリハットの特定に利用し、蓄積するデータの信頼性を高めたいという要望があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ヒヤリハットが発生した場合の乗員の生体情報を取得し、運転支援情報として蓄積されるデータの信頼性を向上させる運転支援情報蓄積システムを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、運転支援情報蓄積システムであって、ヒヤリハットが発生したときの人の生体情報を取得するための生体情報取得手段と、
ヒヤリハットが発生したときの場面に係るヒヤリハット情報を取得するためのヒヤリハット情報取得手段と、
前記生体情報と前記ヒヤリハット情報とを紐づける紐づけ手段と、
前記紐づけ手段によって紐づけられた前記生体情報と前記ヒヤリハット情報とを収集し、運転支援情報として蓄積するデータベースと、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、前記ヒヤリハット情報には、ヒヤリハット発生時における位置情報、時間情報、車両の運転操作情報が含まれていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、前記生体情報取得手段は、車両のシートに設けられた生体センサーを含んで構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、
人の生体情報を取得するための第一測定手段及び第二測定手段と、
前記第一測定手段によって測定された生体情報に係る第一測定値のデータと、前記第二測定手段によって測定された生体情報に係る第二測定値のデータとが受信可能とされ、前記第一測定値を基準として前記第二測定値を補正する補正手段と、
を備えており、
前記第一測定手段は前記車両以外の場所にあり、
前記第二測定手段は前記シートに設けられた前記生体センサーであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、
前記第一測定手段は、前記人の四肢に巻き付け可能なカフを有する血圧計とされ、
前記第二測定手段は、前記シートのうち少なくとも二か所に設けられた前記生体センサーとされていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、前記データベースに蓄積された前記運転支援情報の特徴を学習する学習部を更に備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、前記データベースに蓄積された前記運転支援情報に基づくサービスをユーザに提供するサーバを更に備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、前記サーバは、前記ヒヤリハット情報を地図情報に反映してヒヤリハットマップを作成し、ユーザに提供することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、前記サーバは、ユーザごとの、運転回数及び/又は運転時間に対してヒヤリハットが発生した割合を示すヒヤリハット率をユーザに提供することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の運転支援情報蓄積システムにおいて、前記運転支援情報には、前記人を識別する個人識別情報が含まれていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ヒヤリハットが発生したときの生体情報とヒヤリハット情報とが紐づけられた上でデータベースに蓄積されるので、蓄積された運転支援情報を活用する場合に、この運転支援情報にはヒヤリハットが発生したときの生体情報と場面とが含まれることになる。そのため、例えば、生体情報だけを基にヒヤリハットの発生を特定する場合や、車両の動きだけを基にヒヤリハットの発生を特定する場合に比して、データの信頼性を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ヒヤリハット情報には、ヒヤリハット発生時における位置情報、時間情報、車両の運転操作情報が含まれているので、ヒヤリハットが発生したときの場面を想起しやすくなる。
請求項3に記載の発明によれば、生体情報取得手段は、車両のシートに設けられた生体センサーを含んで構成されているので、シートに着座した人の生体情報を取得しやすく、運転支援情報として活用しやすい。また、乗車中だけでなく運転中にも生体情報を取得することができる。
請求項4に記載の発明によれば、車内に設けられていない場合の第一測定手段は、車両からの振動を受けることがない。そのため、車両振動の影響を受けていない第一測定値を基準として車両に乗車中の人の生体情報に係る第二測定値を補正することが可能となり、その結果、正確な生体情報を取得しやすい。
請求項5に記載の発明によれば、第一測定手段は、人の四肢に巻き付け可能なカフを有する血圧計とされているので、安静状態においてカフを極力心臓に近づけて測定することで、正確な血圧を検出しやすくなる。
また、第二測定手段は、シートのうち少なくとも二か所に設けられた生体センサーとされているので、例えば双方の生体センサーを脈波センサーとしたり、一方の生体センサーを心電センサー、他方の生体センサーを脈波センサーとしたりすることで、脈波伝播時間を利用した公知の手法により血圧を推定することができる。
そして、その上で第一測定値を基準として第二測定値を補正するので、より正確な生体情報を取得しやすい。
請求項6に記載の発明によれば、データベースに蓄積された運転支援情報の特徴を学習する学習部を更に備えるので、学習部によって運転支援情報の特徴の学習を積み重ねていくことで、例えば正確に判断しにくかった生体情報の変動がヒヤリハットの発生に起因するものであると判断できるようになるなど、生体情報の検出精度を高めることができる。
また、学習部によって運転支援情報の特徴の学習を積み重ねていくことで、各ユーザの特徴・傾向を踏まえたヒヤリハットの予測が可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、データベースに蓄積された運転支援情報に基づくサービスをユーザに提供するサーバを更に備えるので、サーバによって、データとしての信頼性を向上させた運転支援情報に基づく品質の高いサービスをユーザに提供できる。
請求項8に記載の発明によれば、サーバは、ヒヤリハット情報を地図情報に反映してヒヤリハットマップを作成し、ユーザに提供するので、作成されたヒヤリハットマップを用いる様々な分野への活用を期待できる。また、ヒヤリハットマップが広く活用されることによって、ヒヤリハット発生件数の減少に貢献できる。
請求項9に記載の発明によれば、サーバは、ユーザごとの、運転回数及び/又は運転時間に対してヒヤリハットが発生した割合を示すヒヤリハット率をユーザに提供するので、ユーザに注意喚起を行うことができる。これにより、ユーザごとのヒヤリハット発生件数の減少に貢献できる。
請求項10に記載の発明によれば、運転支援情報には、人を識別する個人識別情報が含まれているので、ユーザ個人の生体情報を取得することができる。また、生体情報とヒヤリハット情報とを紐づけしやすい。
ヒヤリハットの発生と生体情報(血圧)との相関を表すグラフである。 シートの二か所に生体センサーが設けられた状態を示す図である。 運転支援情報蓄積システムの概要を説明する図である。 ヒヤリハットマップの例を示す図である。 脈波伝播時間による血圧推定法の実験データを示すグラフ及び表である。 コンピュータネットワークを利用して生体情報を取得する手法を説明する図である。 コンピュータネットワークを利用して生体情報を取得する手法を説明するフローチャートである。 情報端末を利用して生体情報を取得する手法を説明する図である。 情報端末を利用して生体情報を取得する手法を説明するフローチャートである。 コンピュータネットワークと情報端末を利用して生体情報を取得する手法を説明する図である。 コンピュータネットワークと情報端末を利用して生体情報を取得する手法を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
車両の走行中に、所謂ヒヤリハット(ヒヤリとした出来事及びハッとした出来事)が起きると、図1に示すように、血圧に変動が生じることが従来知られている。
ヒヤリハット時には、血圧の他にも、心音や心拍(心電図で表される心臓の電気的な活動を含む)、発汗、眼球又は瞳孔運動、体動等の生体情報に変動が生じる場合がある。また、このような生体情報の変動は、ヒヤリハットが起きた直後だけでなく、ヒヤリハットが起きてから時間の間隔が空いた後にも生じる場合があり、その場合に新たなヒヤリハットが起きやすくなることも従来知られている。
そこで、本実施形態においては、図2,図3に示すように、車両9のシート1に設けられた生体センサー10,11によって生体情報を測定し、インターネット等のコンピュータネットワークNを経由してサーバ6に送信し、サーバ6が備えるデータベース7に蓄積することが行われる。そして、データベース7に蓄積された生体情報は、運転支援情報としてサーバ6からユーザへと提供されるようになっている。
なお、ユーザは、車両9の所有者・乗員の他、運転支援情報を活用したサービスを行いたい企業など様々である。
図2に示すシート1は、自動車等の車両に設けられるものである。車両は、手動運転のみで走行するものでもよいし、自動運転と手動運転とを切り替えて走行可能なものであってもよい。
そして、このシート1は、人の臀部及び大腿部を支持するシートクッション2と、下端部がシートクッション2に支持されて背もたれとなるシートバック3と、シートバック3に設けられて人の頭部を支持するヘッドレスト4と、を備える。
シートクッション2は、骨格となるシートクッションフレームと、シートクッションフレーム上に設けられたクッションパッドと、シートクッションフレーム及びクッションパッドを被覆する表皮と、から主に構成されている。
シートバック3は、骨格となるシートバックフレームと、シートバックフレーム上に設けられたクッションパッドと、シートバックフレーム及びクッションパッドを被覆する表皮と、から主に構成されている。
シート1には、着座した人(生体:着座者)の健康状態を把握するための手段(生体情報取得手段)として、複数の生体センサー10,11が設けられている。より具体的には、本実施形態における生体センサー10,11は、生体情報として、着座者の皮膚表面に対向する位置の血流から脈波を検出するものである。
本実施形態においては、一つの生体センサー10が、着座者の心臓(胸部大動脈)の位置に対応しており、シートバック3におけるクッションパッドの着座者側であって、かつ表皮の裏側に設けられている。もう一つの生体センサー11は、着座者の臀部(左右の坐骨の中央部)又は大腿部の位置に対応しており、シートクッション2におけるクッションパッドの上面であって、かつ表皮の裏側に設けられている。
なお、着座者の心臓の位置に対応する生体センサー10は、着座者の心電(心電図で表される心臓の電気的な活動)を検出する心電センサーでもよい。
脈波を検出する生体センサー10,11としては、例えば、光を利用して着座者の脈波を測定する光電式脈波センサーや、着座者の体表面における圧力波を測定することにより着座者の脈波を測定する圧電式脈波センサー、電磁波を利用して着座者の脈波を測定する電磁波式脈波センサー等が挙げられる。
そして、本実施形態においては、これら複数種類の脈波センサーのいずれを採用してもよいし、これら複数種類の脈波センサーを適宜組み合わせて使用してもよい。
さらに、シート1には、ハーネスなどにより生体センサー10,11のそれぞれとデータ通信可能に接続された制御装置5(生体情報取得手段)が設けられている。本実施形態における制御装置5は、シート1の下部に設けられている。つまり、車内に設けられている。
制御装置5は、所謂ECU(Electronic Control Unit)とも呼称され、生体センサー10,11によって得られた脈波(心電)から着座者の血圧を推定する血圧推定部として機能する。制御装置5における図示しないメモリには、血圧推定プログラムが記憶されており、この血圧推定プログラムに基づいて着座者の血圧の推定値に係るデータ(血圧推定値データ)を演算して導き出すことができるものとする。
より詳細に説明すると、生体センサー10,11が設置された二点間の距離と、生体センサー10,11が設置された二点の、脈波センシングの時間のずれをもとに血圧を推定する、公知の脈波伝播時間による血圧推定法を利用して血圧を推定することができる。上記の血圧推定プログラムは、当該血圧推定法に基づいて作成されたものであり、上記の制御装置5によって実行される。
換言すれば、複数の生体センサー10,11を、図1に示すように、シート1のうち少なくとも二箇所に、互いに離間して配置するように構成すると、着座者の身体の少なくとも二箇所から脈波データを検出することが可能となる。これにより、検出した脈波データから血圧を推定し、着座者の健康状態を算出する場合の精度を、一つの生体センサーのみを用いる場合に比して向上させることができる。
制御装置5は、インターネットを始めとするコンピュータネットワークNに接続可能とするための通信部を更に備えており、コンピュータネットワークNを経由してサーバ6にアクセス可能となっている。取得した生体情報は、この通信部によってサーバ6へと送信される。
生体センサー10,11による生体情報の取得は、車両走行中に連続的又は定期的に行われる。そして、制御装置5には、ヒヤリハットの発生を判断するための閾値が記憶されており、制御装置5は、生体情報の変動が閾値を超えた場合にヒヤリハットが発生したと判断し、ヒヤリハット発生時とその前後の生体情報をサーバ6に送信する。
また、生体情報には、個人を識別するための個人識別情報が含まれている。個人を識別する手段については特に限定されるものではなく、例えば制御装置5に対して着座者ID(識別情報)を送信したり、着座者自身が情報入力したり、体重を測定する着座センサーを利用したり、その他の個人認証手段を用いるなどして個人を識別する。車内には、個人を識別するために必要な機器、機能が適宜具備されているものとする。
さらに、生体情報には、ヒヤリハット発生時の時間情報(ヒヤリハット発生時の時間、運転時間)が含まれているものとする。この時間情報は、制御装置5に組み込まれた時計・計時手段によって取得することができる。
すなわち、データベース7に蓄積される生体情報には、個人識別情報が紐づけされており、ユーザに対するフィードバックが可能となっている。
また、生体情報には、ヒヤリハット発生時の位置情報(経度・緯度)、時間情報(ヒヤリハット発生時の時間、運転時間)、ヒヤリハット発生時の車両の運転操作情報(急ブレーキ、急ハンドル、運転速度等)等のヒヤリハット情報が紐づけられるものとする。ヒヤリハット情報には、ドライブレコーダーによるヒヤリハット発生時の動画データが含まれていてもよい。
位置情報取得手段としては、例えばGPS(Global Positioning System)が採用されており、車両9に対して電波の受信機が設けられている。そして、この受信機は、制御装置5とデータ通信可能に接続されているため、制御装置5は、ヒヤリハット発生時の位置情報を取得できるようになっている。
時間情報は、制御装置5に組み込まれた時計・計時手段によって取得する。
運転操作情報は、車両9に設けられた加速度センサーや速度計によって取得する。そして、加速度センサー及び速度計は、制御装置5とデータ通信可能に接続されているため、制御装置5は、ヒヤリハット発生時の運転操作情報を取得できるようになっている。
なお、生体情報に紐づけられるこれら各種の情報は、車両走行中の全データをサーバ6に送信するとなるとデータが重くなってしまうため、ヒヤリハット発生時とその前後の所定秒数だけの断片的なデータとしてサーバ6に送信されるものとする。
生体情報とヒヤリハット情報との紐づけ処理は、本実施形態においては制御装置5によって行われる。すなわち、制御装置5は、紐づけ手段として機能するものであり、共通する時間情報を基に、生体情報とヒヤリハット情報とを紐づけるためのプログラムがメモリに記憶されている。なお、ヒヤリハット情報が個人識別情報を含んだものであれば、個人識別情報を基にサーバ6で、生体情報とヒヤリハット情報との紐づけ処理を行ってもよい。
そして、サーバ6に送信された生体情報及びヒヤリハット情報は、運転支援情報としてデータベース7に蓄積される。
データベース7に蓄積された運転支援情報は、生体情報や個人識別情報、位置情報、時間情報、ヒヤリハット発生時の運転操作情報が含まれる情報であるため、誰が、どのような場面(シーン)でヒヤリハットが発生するかを示すことになる。
すなわち、例えば、あるユーザが、「経度X・緯度Y(位置情報:例えば交差点)」の地点で、「日本時間の2018年12月10日23時37分(時間情報)」に、「4時間の運転時間で、時速50kmで運転」という場面でヒヤリハットが発生、とされた運転支援情報があった場合には、「夜遅い時間帯の交差点で、かつ運転時間は長く、法定速度範囲内」という場面(シーン)が想起されることになる。特に、このような場面では、夜遅い時間帯であること、運転時間が長いこと、がヒヤリハット発生の原因と考えられ、交差点であるかどうかは二次的な要素となることも考えられるが、昼夜に関係なく同じ交差点でのヒヤリハット発生が多ければ、交差点であること、交差点の構造がヒヤリハット発生の原因として考えられる場合もある。
また、例えば、あるユーザが、「経度X・緯度Y(位置情報:例えば小学校の通学路)」の地点で、「日本時間の2018年12月10日15時13分(時間情報)」に、「0.5時間の運転時間で、時速31kmで運転」という場面でヒヤリハットが発生、とされたヒヤリハット情報があった場合には、「小学生の帰宅時間帯の通学路(スクールゾーン)で、かつ運転時間が短く、速度超過」という場面(シーン)が想起されることになる。特に、このような場面では、速度超過であること、小学生の帰宅時間帯であること、がヒヤリハット発生の原因と考えられ、運転時間の長さは二次的な要素と考えられる可能性が高い。
データベース7は、各情報ごとに分類されて蓄積されてもよいし、このような運転支援情報が場面ごとに分類されて蓄積できるようになっていてもよい。このような場面ごとの運転支援情報は、ヒヤリハットが発生する傾向の解明に貢献できることとなる。
なお、本実施形態においては、生体情報として血圧を測定して取得するものとしたが、上記したその他の生体情報を取得するためのセンサー、各種機器等を用いてもよいものとする。また、複数種類の生体情報を取得してサーバ6に送信してもよいものとする。
図示はしないが、より具体的に説明すると、例えば心音を検出する場合には、心音信号を取得する心音センサーが用いられる。心拍を検出する場合には、心拍数を検出する心拍センサーが用いられる。また、発汗、眼球又は瞳孔運動を検出する場合は、例えば車内に設けられたカメラが用いられる。体動を検出する場合は、例えばカメラやシート1に設けられた体圧センサーが用いられる。
それぞれの生体情報を取得するためのセンサーや機器は、制御装置5と通信可能に接続されており、検出した生体情報(信号)は、制御装置5においてデータ変換される。
サーバ6は、生体情報及びヒヤリハット情報を収集するとともに、収集した生体情報及びヒヤリハット情報を基に構成された運転支援情報を、サービスとしてユーザに提供するものである。
また、このサーバ6は、車両9のシート1に設けられた制御装置5や、その他の、コンピュータネットワークNを介したクライアント装置(例えばパソコンやスマートフォン、タブレット端末等の情報端末)からの要求に基づいて、当該要求に応じた処理を実行する。
さらに、サーバ6は、運転支援情報が蓄積されるデータベース7と、データベース7に蓄積された運転支援情報についての学習を行う学習部8と、を備える。さらに、このサーバ6は、ユーザに提供するサービスに必要な機能(制御部、メモリ、通信部、入力部、出力部等)を備えるものとする。
データベース7には、運転支援情報の他に、例えば、運転回数及び/又は運転時間に対してヒヤリハットが発生した割合を示すヒヤリハット率に係る情報等の、ユーザに提供するサービスに必要な情報が記憶されている。
また、運転支援情報には、ユーザごとに分類して蓄積された「パーソナルデータ」と、すべてのユーザから収集されてユーザごとに分類されずに蓄積された「コモンデータ」の種類がある。
学習部8は、データベース7に蓄積された生体情報・ヒヤリハット情報(すなわち、運転支援情報)についての学習を行うものであり、公知の人工知能または当該公知の人工知能を改良した人工知能を有するプログラムにより実行される。
そして、このような学習部8による学習の結果は、ユーザに提供されるサービスに活用することができる。
より具体的に説明すると、学習部8によって、ヒヤリハット発生時の生体情報・ヒヤリハット情報についての学習を重ねていくことで生体情報の検出精度が高まる。すなわち、例えば、生体センサー10,11によって取得した生体情報に変動があったとしても、それがヒヤリハットの発生に起因するものなのか、そうでないのかが正確に判断できない場合がある。このような場合にも、データの蓄積・学習を重ねていくことで、生体情報に変動があった時の場所がヒヤリハットの発生しやすい場所であることが判明したり、生体情報に変動があった時の時間が夜間であったり、一人のユーザだけでなく複数のユーザに生体情報の変動が見られた場合に、正確に判断できなかった生体情報の変動がヒヤリハットの発生に起因するものであると判断できるようになる。このようなデータの蓄積・学習を学習部8によって行うことができる。
また、正確に判断できなかった生体情報の検出精度を高めることで、例えば、ある地点での生体情報の変動値が閾値を超えればヒヤリハットであると判断するなど、多くのユーザに適用できる閾値の設定を行ってもよいものとする。
なお、これらの例は、パーソナルデータだけでなく、コモンデータを利用することで実現される。
また、学習部8によって、パーソナルデータのみ学習を重ねていくことで、各ユーザに適合する運転支援情報を提供することができる。すなわち、各ユーザには、例えば内輪差を十分に考慮する必要のある左折(右側通行の場合は右折)が苦手だったり、急発進や急ブレーキが多かったり等、車両9を運転する際の特徴や傾向があり、その特徴や傾向がヒヤリハットを発生させる原因となる場合もある。このような場合にも、データの蓄積・学習を重ねていくことで、各ユーザの特徴・傾向を踏まえたヒヤリハットの予測が可能となる。
サーバ6によってユーザに提供されるサービスとして、例えば図4に示すように、ヒヤリハット情報(生体情報が紐づけられた運転支援情報でもよい。)を地図情報Mに反映させることにより、ヒヤリハットマップを作成するサービスが挙げられる。
マップ作成サービスは、ヒヤリハット情報(図4中においてはピンPで位置を示している。)を地図情報Mに反映し、その地図情報データを、コンピュータネットワークNを介してユーザ側に送信するサービスである。
当該サービスは、車両9の制御装置5に送信された上で車内のカーナビゲーションシステムにおける表示部や音声出力部(発光手段等、他の報知手段でもよい。)を利用する形態としてもよいし、カーナビゲーションシステムが通信部を備えていれば、カーナビゲーションシステムに地図情報データを直接送信してもよい。
又は、地図情報データをプログラム化し、カーナビゲーションシステムやその他の各種情報端末(パソコン、スマートフォン、タブレット端末等)に搭載する形態としてもよい。その場合は、定期的なデータの更新(バージョンアップ)が必要となる。
なお、マップ作成サービスにおいては、基本的にはコモンデータを多く活用して汎用性の高い地図情報データをユーザに提供するが、パーソナルデータを活用して各ユーザに適した地図情報データを提供できるようにしてもよい。
そして、このようなマップ作成サービスにおいては、ヒヤリハット地点(又はその直前の地点)に差し掛かった際にユーザに対して、ヒヤリハット地点である旨(ヒヤリハット地点に近い旨)をアナウンス・注意喚起する機能が具備されているものとする。
また、パーソナルデータを活用した地図情報データに基づくマップ作成サービスの場合は、各ユーザに適したアナウンス・注意喚起する機能が具備されているものとする。
以上のようなマップ作成サービスに付随するサービスとして、インフラ整備への活用サービスが挙げられる。ヒヤリハットの発生が多い地点では、例えば道路構造の改良が求められる場合や、最高速度の変更に係る法改正が求められる場合がある。そのため、このようなインフラ整備への活用サービスは、主に、各行政機関(例えば国土交通省、厚生労働省、文部科学省、警視庁、警察庁等)に提供されるものとするが、一般個人向け、企業・団体向けに提供されるものとしてもよい。
また、サーバ6によってユーザに提供されるその他のサービスとして、各ユーザのヒヤリハット率の提供サービスが挙げられる。ヒヤリハット率とは、上記のように、運転回数及び/又は運転時間に対してヒヤリハットが発生した割合を示すものである。ただし、ユーザの運転の特徴や傾向に起因するヒヤリハットなのか、それ以外の外部要素に起因するヒヤリハットなのか、を明確に分類することが望ましい。
また、ユーザに対してヒヤリハット率に係る情報を提供する場合は、ヒヤリハット率が一定(閾値)以上の高さになった場合に提供するものとする。すなわち、ヒヤリハット率についての情報がユーザに提供されること自体が、ヒヤリハット率が高いユーザに対する注意喚起となる。この場合の閾値設定を学習部8によって学習させてもよい。
このようなヒヤリハット率情報提供サービスは、基本的にはユーザ個人向けであるものとするが、これに限られるものではなく、各ユーザに提供される他のサービスに組み込まれるか、活用されるものとしてもよい。
なお、サーバ6によって提供されるサービスとして以上のものを挙げたが、これに限定されるものでないことは言うまでもない。
本実施の形態によれば、ヒヤリハットが発生したときの生体情報とヒヤリハット情報とが紐づけられた上でデータベース7に蓄積されるので、蓄積された運転支援情報を活用する場合に、この運転支援情報にはヒヤリハットが発生したときの生体情報と場面とが含まれることになる。そのため、例えば、生体情報だけを基にヒヤリハットの発生を特定する場合や、車両9の動きだけを基にヒヤリハットの発生を特定する場合に比して、データの信頼性を高めることができる。
また、ヒヤリハット情報には、ヒヤリハット発生時における位置情報、時間情報、車両の運転操作情報が含まれているので、ヒヤリハットが発生したときの場面を想起しやすくなる。
また、生体情報取得手段は、車両9のシート1に設けられた生体センサー10,11を含んで構成されているので、シート1に着座した人の生体情報を取得しやすく、運転支援情報として活用しやすい。さらに、乗車中だけでなく運転中にも生体情報を取得することができる。
また、データベース7に蓄積された運転支援情報の特徴を学習する学習部8を更に備えるので、学習部8によって運転支援情報の特徴の学習を積み重ねていくことで、例えば正確に判断しにくかった生体情報の変動がヒヤリハットの発生に起因するものであると判断できるようになるなど、生体情報の検出精度を高めることができる。
また、学習部8によって運転支援情報の特徴の学習を積み重ねていくことで、各ユーザの特徴・傾向を踏まえたヒヤリハットの予測が可能となる。
また、データベース7に蓄積された運転支援情報に基づくサービスをユーザに提供するサーバ6を更に備えるので、サーバ6によって、データとしての信頼性を向上させた運転支援情報に基づく品質の高いサービスをユーザに提供できる。
また、サーバ6は、ヒヤリハット情報を地図情報Mに反映してヒヤリハットマップを作成し、ユーザに提供するので、作成されたヒヤリハットマップを用いる様々な分野への活用を期待できる。さらに、ヒヤリハットマップが広く活用されることによって、ヒヤリハット発生件数の減少に貢献できる。
また、サーバ6は、ユーザごとの、運転回数及び/又は運転時間に対してヒヤリハットが発生した割合を示すヒヤリハット率をユーザに提供するので、ユーザに注意喚起を行うことができる。これにより、ユーザごとのヒヤリハット発生件数の減少に貢献できる。
また、運転支援情報には、人を識別する個人識別情報が含まれているので、ユーザ個人の生体情報を取得することができる。さらに、生体情報とヒヤリハット情報とを紐づけしやすい。
〔構成例〕
上記の実施形態に係る生体情報取得手段の構成例について図面を参照して説明する。
また、以下の構成例において、上記の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
〔構成例1〕
本構成例においては、まず、上記の複数の生体センサー10,11及び制御装置5に係る構成が採用されている。これらは、本構成例において第二測定手段とされ、第二測定手段によって導き出される血圧推定値データは第二測定値とされている。
複数の生体センサー10,11を用いて血圧を推定する、上記の実施形態における脈波伝播時間による血圧推定法は、図5の実験データが示すように、個人差が大きく出やすく、個人ごとで見た場合にバラツキも出やすい。また、車両からの振動の影響を受けやすい。
そこで、本構成例においては、車両9に乗車中であっても、脈波伝播時間による血圧推定法を用いて正確な血圧を導き出しやすくするため、図6に示すように、人の四肢に装着可能なカフ21を有する血圧計20(以下、カフ式血圧計20)によって予め血圧測定を複数回行っておき、制御装置5が、当該血圧計で測定された血圧測定値データを基準として利用し、脈波伝播時間による血圧推定法で推定された血圧推定値データを補正(キャリブレーション)することが行われる。
すなわち、本構成例においては、カフ式血圧計20が第一測定手段とされ、カフ式血圧計20によって取得できる血圧測定値データは第一測定値とされている。
また、制御装置5は、血圧測定値データ(第一測定値)を基準として血圧推定値データ(第二測定値)を補正する補正手段としても機能する。
より詳細に説明すると、制御装置5には、当該補正手段としての機能を実現するための補正プログラムがメモリに記憶されており、制御装置5は、この補正プログラムに基づいて、血圧測定値データを基準として血圧推定値データの補正を行う。
このような補正プログラムは、コンピュータである制御装置5を、人の生体情報を取得するための第一測定手段によって測定された生体情報に係る第一測定値のデータを基準として、人の生体情報を取得するための第二測定手段によって測定された生体情報に係る第二測定値のデータを補正する補正手段として機能させる。
なお、血圧推定値データには、脈波伝播時間[PWTT(Pulse Wave Transit Time)]が含まれている。また、血圧推定値データには、上記のように、個人を識別するための個人識別情報が含まれている。
カフ式血圧計20は、間接的に測定する方式(間接法、非侵襲式又は非観血式ともいう。)を採用したものであり、本実施形態においては、機械測定が可能な自動血圧計とされている。その本体は、血圧を表示する表示部20aと、カフ21に対して空気を送り込むポンプ(図示省略)と、外部に向かってデータの送信を行うための通信部(図示省略)と、を少なくとも備える。
通信部は、インターネットを始めとするコンピュータネットワークNを利用し、外部に対して血圧測定値データを送信できるようになっている。
本実施形態における通信部は、インターネットを経由してサーバ6に、血圧測定値データを送信するように設定されている。なお、血圧測定値データが送信されるサーバ6は、上記の実施形態におけるサーバ6以外のサーバ装置でもよい。
なお、カフ式血圧計20によって測定される血圧測定値データには、個人を識別するための個人識別情報が含まれている。個人を識別する手段については特に限定されるものではなく、例えばカフ式血圧計20に対してID(識別情報)を送信したり、バーコード等で構成されたIDを読み取ったり、自身で情報入力したり、その他の個人認証手段を用いるなどして個人を識別する。カフ式血圧計20又はその周辺機器には、個人を識別するために必要な機能が適宜具備されているものとする。
カフ21は、人の四肢に巻き付けることが可能な圧迫帯であり、血圧計本体のポンプから空気が送り込まれることにより膨らみ、内蔵されたマイクなどの音響センサーによって血圧を感知する。
また、血圧計本体とカフ21は、音響センサーによるセンシング情報を血圧計本体に送信するための接続線と、血圧計本体におけるポンプからカフ21に空気を送り込む送気管21aによって繋がっている。
カフ式血圧計20は、本構成例においては車両以外の場所にあり、具体的には、シート1に着座する人の自宅にある状態となっている。
ただし、これに限られるものではなく、例えば病院などの医療機関でもよいし、その他の場所でもよい。すなわち、車両以外の場所であって、カフ式血圧計20を置いておくことが可能であり、コンピュータネットワークNを利用できる環境にあり、個人を識別し得る環境が整っていればよいものとする。
また、カフ式血圧計20は車内に設けられていてもよい。車内のカフ式血圧計20によって着座者の血圧を測定する場合は、基本的には停車中に行うものとするが、車両が自動運転と手動運転とを切り替えて走行可能なものであれば、自動運転中に行ってもよいものとする。
ここで、以上のようなカフ式血圧計20及び複数の生体センサー10,11を用いて、着座者の血圧(すなわち、生体情報)を取得する方法について説明する。
図7に示すように、まず、人(着座者)が、車両以外の場所、本実施形態においては自宅にてカフ式血圧計20によって血圧を測定する(ステップS1)。これにより、第一測定値である血圧測定値データを導き出すことができる。
続いて、カフ式血圧計20における通信部によって、血圧測定値データを、インターネットを経由してサーバ6に送信する(ステップS2)。
続いて、車両に設けられた制御装置5が、上記のサーバ6からインターネットを経由して血圧測定値データをダウンロードする(ステップS3)。
制御装置5が、血圧測定値データをダウンロードするタイミングは、カフ式血圧計20における通信部によって血圧測定値データをサーバに送信した直後でもよいし、人がシート1に着座したタイミングでもよいし、人が着座した後に、複数の生体センサー10,11によって血圧を推定するタイミングでもよい。
続いて、シート1に設けられた複数の生体センサー10,11を用い、公知の脈波伝播時間による血圧推定法によって着座者の血圧を推定する(ステップS4)。これにより、第二測定値である血圧推定値データ(脈波伝播時間)を導き出すことができる。
そして、制御装置5は、血圧推定値データが導き出されたら、ダウンロードした血圧測定値データを基準として血圧推定値データを補正し、血圧測定結果を算出する(ステップS5)。すなわち、シート1に着座している人の「今」の血圧を、血圧測定値データを基準とした比較的正確な状態で導き出すことができる。
本実施形態において、制御装置5が、カフ式血圧計20で測定された血圧測定値データを利用し、脈波伝播時間による血圧推定法で推定された血圧推定値データを補正(キャリブレーション)する場合の算出式は、以下のとおりである。
式)BP=α×PWTT+β
ここで、BPは導き出すべき血圧であり、単位は[mmHg]である。また、PWTTは脈波伝播時間であり、単位[sec]すなわち「秒」である。
また、α及びβは個人パラメータであり、第一測定手段であるカフ式血圧計20で測定された血圧測定値データに基づく数値が適用される。図5を参照して説明すると、αは、カフ式血圧計20によって人の血圧を複数回測定し、その血圧測定値データから導き出される近似直線(すなわち、傾き)であり、βは、血圧の測定値(すなわち、切片)である。したがって、図5において、「Aさん」はαが「−705」で、βが「+235」であり、「Bさん」はαが「−670」で、βが「+245」であり、「Cさん」はαが「−472」で、βが「+188」である。
ここで、例えば「Aさん」が着座者であり、車両のシート1に着座してから複数の生体センサー10,11によって脈波伝播時間[PWTT]を導き出し、上記式に当てはめれば、補正された血圧の数値を算出できるようになっている。例えば、複数の生体センサー10,11によって導き出された脈波伝播時間[PWTT]が0.160「sec」の場合、血圧は122.2[mmHg]と算出されることになる。
以上のようにして着座者の血圧を取得することができる。
本構成例によれば、車内に設けられていないカフ式血圧計20は、車両からの振動を受けることがない。そのため、車両振動の影響を受けていない血圧測定値データを基準として車両に乗車中の人の生体情報に係る血圧推定値データを補正することが可能となり、その結果、正確な生体情報を取得しやすい。
また、カフ式血圧計20と生体センサー10,11の双方が車両に設けられていても、血圧測定値データを基準として血圧推定値データを補正するので、例えばカフ式血圧計20又は生体センサー10,11のうちいずれかを単独で用いて人の血圧を取得するよりも正確な生体情報を取得しやすい。
そして、このように正確な生体情報を取得できれば、上記の実施形態において用いられる生体情報・ヒヤリハット情報の正確性を向上させることができる。
〔構成例2〕
本構成例においては、図8に示すように、補正手段が、第一測定手段であるカフ式血圧計20及び第二測定手段である複数の生体センサー10,11(制御装置5を含む)との間で短距離無線通信が可能な情報端末Sに設けられている。
情報端末Sは、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯可能な情報処理装置が採用されており、Bluetooth(登録商標)等の短距離無線通信部を有する。なお、本実施形態においてはスマートフォンSが採用されている。
情報端末Sを補正手段として機能させるための補正プログラムは、情報端末Sが備える記憶部に記憶され、情報端末Sが備える制御部によって実行される。
また、この情報端末Sは、カフ式血圧計20及び複数の生体センサー10,11による測定対象者が使用するものである。
カフ式血圧計20は、第一測定値である血圧測定値データを情報端末Sに伝達するために、短距離無線通信部を備える。
本構成例における第二測定手段は、複数の生体センサー10,11と制御装置5とによって構成されているものとする。すなわち、制御装置5は、複数の生体センサー10,11と通信可能に接続されており、かつ短距離無線通信部を備える。
ここで、以上のようなカフ式血圧計20及び複数の生体センサー10,11を用いて、着座者の血圧(すなわち、生体情報)を取得する方法について説明する。
図9に示すように、まず、人(着座者)が、車両以外の場所、本構成例においては自宅にてカフ式血圧計20によって血圧を測定する(ステップS11)。これにより、第一測定値である血圧測定値データを導き出すことができる。
続いて、カフ式血圧計20から短距離無線通信を利用して情報端末Sへと血圧測定値データを伝達する。換言すれば、情報端末Sが、カフ式血圧計20からの血圧測定値データを受信する(ステップS12)。
続いて、シート1に設けられた複数の生体センサー10,11を用い、公知の脈波伝播時間による血圧推定法によって着座者の血圧を推定する(ステップS13)。これにより、第二測定値である血圧推定値データ(脈波伝播時間)を導き出すことができる。
続いて、シート1に設けられた制御装置5から短距離無線通信を利用して情報端末Sへと血圧推定値データを伝達する。換言すれば、情報端末Sが、制御装置5からの血圧推定値データを受信する(ステップS14)。
そして、情報端末Sは、血圧測定値データを基準として血圧推定値データを補正し、血圧測定結果を算出する(ステップS15)。すなわち、シート1に着座している人の「今」の血圧を、血圧測定値データを基準とした比較的正確な状態で導き出すことができる。
情報端末Sが、血圧推定値データを補正するタイミングは、制御装置5からの血圧推定値データを受信した直後でもよいし、測定対象者である人(着座者)が情報端末Sのタッチパネル上で操作する任意のタイミングでもよい。
以上のようにして着座者の血圧を取得することができる。
本構成例によれば、補正手段が、第一測定手段であるカフ式血圧計20及び第二測定手段である複数の生体センサー10,11(制御装置5を含む)との間で短距離無線通信が可能な情報端末Sに設けられているので、予め第一測定値データである血圧測定値データを短距離無線通信によって情報端末Sに伝達しておけば、車両走行中であっても、例えばカフ式血圧計20から遠く離れた場所であっても、血圧測定値データを基準として血圧推定値データを補正することができ、正確な生体情報を取得することができる。
〔構成例3〕
本構成例においては、図10に示すように、補正手段が、第二測定手段である複数の生体センサー10,11(制御装置5を含む)との間で短距離無線通信が可能な情報端末Sに設けられている。
また、第一測定手段であるカフ式血圧計20によって取得した血圧測定値データは、インターネット等のコンピュータネットワークNを通じて情報端末Sに伝達される。そして、複数の生体センサー10,11によって取得した血圧推定値データは、短距離無線通信によって情報端末Sに伝達される。
情報端末Sは、インターネットを始めとするコンピュータネットワークNに接続可能とするための通信部を備えており、インターネットを経由してサーバ6にアクセス可能となっている。また、情報端末Sは、Bluetooth(登録商標)等の短距離無線通信部を備える。
カフ式血圧計20は、インターネットを始めとするコンピュータネットワークNを利用し、外部に対して血圧測定値データの送信を行うための通信部(図示省略)を備え、インターネットを経由してサーバ6にアクセス可能となっている。
また、複数の生体センサー10,11と通信可能に接続された制御装置5は、短距離無線通信部を備える。
ここで、以上のようなカフ式血圧計20及び複数の生体センサー10,11を用いて、着座者の血圧(すなわち、生体情報)を取得する方法について説明する。
図11に示すように、まず、人(着座者)が、車両以外の場所、本構成例においては自宅にてカフ式血圧計20によって血圧を測定する(ステップS21)。これにより、第一測定値である血圧測定値データを導き出すことができる。
続いて、カフ式血圧計20における通信部によって、血圧測定値データを、インターネットを経由してサーバ6に送信する(ステップS22)。
続いて、情報端末Sが、上記のサーバからインターネットを経由して血圧測定値データをダウンロードする(ステップS23)。
情報端末Sが、血圧測定値データをダウンロードするタイミングは、カフ式血圧計20における通信部によって血圧測定値データをサーバに送信した直後でもよいし、人がシート1に着座したタイミングでもよいし、人が着座した後に、複数の生体センサー10,11によって血圧を推定するタイミングでもよい。
続いて、シート1に設けられた複数の生体センサー10,11を用い、公知の脈波伝播時間による血圧推定法によって着座者の血圧を推定する(ステップS24)。これにより、第二測定値である血圧推定値データ(脈波伝播時間)を導き出すことができる。
続いて、シート1に設けられた制御装置5から短距離無線通信を利用して情報端末Sへと血圧推定値データを伝達する。換言すれば、情報端末Sが、制御装置5からの血圧推定値データを受信する(ステップS25)。
そして、情報端末Sは、血圧測定値データを基準として血圧推定値データを補正し、血圧測定結果を算出する(ステップS26)。すなわち、シート1に着座している人の「今」の血圧を、血圧測定値データを基準とした比較的正確な状態で導き出すことができる。
情報端末Sが、血圧推定値データを補正するタイミングは、制御装置5からの血圧推定値データを受信した直後でもよいし、測定対象者である人(着座者)が情報端末Sのタッチパネル上で操作する任意のタイミングでもよい。
以上のようにして着座者の血圧を取得することができる。
本構成例によれば、補正手段が、第二測定手段である複数の生体センサー10,11(制御装置5を含む)との間で短距離無線通信が可能な情報端末Sに設けられ、第一測定手段であるカフ式血圧計20によって取得した第一測定値データである血圧測定値データは、コンピュータネットワークNを通じて、情報端末Sに設けられた補正手段に伝達されているので、車両走行中であっても、例えばカフ式血圧計20から遠く離れた場所であっても、血圧測定値データを基準として血圧推定値データを補正することができ、正確な生体情報を取得することができる。
1 シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 ヘッドレスト
5 制御装置
6 サーバ
7 データベース
8 学習部(人工知能)
9 車両
10 生体センサー
11 生体センサー
20 血圧計
20a 表示部
21 カフ
21a 送気管

Claims (10)

  1. ヒヤリハットが発生したときの人の生体情報を取得するための生体情報取得手段と、
    ヒヤリハットが発生したときの場面に係るヒヤリハット情報を取得するためのヒヤリハット情報取得手段と、
    前記生体情報と前記ヒヤリハット情報とを紐づける紐づけ手段と、
    前記紐づけ手段によって紐づけられた前記生体情報と前記ヒヤリハット情報とを収集し、運転支援情報として蓄積するデータベースと、を備えることを特徴とする運転支援情報蓄積システム。
  2. 前記ヒヤリハット情報には、ヒヤリハット発生時における位置情報、時間情報、車両の運転操作情報が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の運転支援情報蓄積システム。
  3. 前記生体情報取得手段は、車両のシートに設けられた生体センサーを含んで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援情報蓄積システム。
  4. 人の生体情報を取得するための第一測定手段及び第二測定手段と、
    前記第一測定手段によって測定された生体情報に係る第一測定値のデータと、前記第二測定手段によって測定された生体情報に係る第二測定値のデータとが受信可能とされ、前記第一測定値を基準として前記第二測定値を補正する補正手段と、
    を備えており、
    前記第一測定手段は前記車両以外の場所にあり、
    前記第二測定手段は前記シートに設けられた前記生体センサーであることを特徴とする請求項3に記載の運転支援情報蓄積システム。
  5. 前記第一測定手段は、前記人の四肢に巻き付け可能なカフを有する血圧計とされ、
    前記第二測定手段は、前記シートのうち少なくとも二か所に設けられた前記生体センサーとされていることを特徴とする請求項4に記載の運転支援情報蓄積システム。
  6. 前記データベースに蓄積された前記運転支援情報の特徴を学習する学習部を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の運転支援情報蓄積システム。
  7. 前記データベースに蓄積された前記運転支援情報に基づくサービスをユーザに提供するサーバを更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の運転支援情報蓄積システム。
  8. 前記サーバは、前記ヒヤリハット情報を地図情報に反映してヒヤリハットマップを作成し、ユーザに提供することを特徴とする請求項7に記載の運転支援情報蓄積システム。
  9. 前記サーバは、ユーザごとの、運転回数及び/又は運転時間に対してヒヤリハットが発生した割合を示すヒヤリハット率をユーザに提供することを特徴とする請求項7に記載の運転支援情報蓄積システム。
  10. 前記運転支援情報には、前記人を識別する個人識別情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の運転支援情報蓄積システム。
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