JP2020095068A - パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたパターン均一性を有する被エッチング物を与え得るパターンを形成する、パターン形成方法を提供する。また、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、上記レジスト膜を露光する露光工程と、露光された上記レジスト膜を加熱する露光後加熱工程と、加熱された上記レジスト膜をドライ現像する現像工程と、を含む、パターン形成方法であって、上記化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、酸の作用により分解して極性が増大する基を有する樹脂と、光酸発生剤と、を含有し、上記酸の作用により分解して極性が増大する基は、極性基が、酸の作用により脱離する脱離基で保護された構造を有し、上記脱離基はSi原子を含有し、かつ、上記脱離基の分子量が500以下である、パターン形成方法。【選択図】なし
Description
本発明は、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法に関する。
従来、IC(Integrated Circuit、集積回路)及びLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)等の半導体デバイスの製造プロセスにおいては、化学増幅型レジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。
例えば、特許文献1では、Si原子を含有する酸分解性樹脂を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を開示している。
また、例えば、特許文献2では、マレイミド系樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を開示している。上記マレイミド系樹脂は、Si原子を含む脱離基でアミノ基が保護された構造であり、露光の際に光酸発生剤から発生する酸の作用により上記脱離基が脱離する。
例えば、特許文献1では、Si原子を含有する酸分解性樹脂を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を開示している。
また、例えば、特許文献2では、マレイミド系樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を開示している。上記マレイミド系樹脂は、Si原子を含む脱離基でアミノ基が保護された構造であり、露光の際に光酸発生剤から発生する酸の作用により上記脱離基が脱離する。
本発明者らは、特許文献1及び2に記載された感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法により形成されるパターンをマスクとして用い、被エッチング物(例えば、SOC膜等)のエッチング性について検討したところ、被エッチング物のパターン均一性が必ずしも十分ではなく、更に改善する余地があることを明らかとした。また、本発明者らは、更に検討を進めたところ、被エッチング物がパターン均一性に劣るのは、エッチングの際にマスクとして用いられるパターンに要因があることを明らかとした。
そこで、本発明は、優れたパターン均一性を有する被エッチング物を与え得るパターンを形成する、パターン形成方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定構造を有する樹脂を用いたパターン形成方法によれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
〔1〕化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を加熱する露光後加熱工程と、
加熱された上記レジスト膜をドライ現像する現像工程と、を含む、パターン形成方法であって、
上記化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、
酸の作用により分解して極性が増大する基を有する樹脂と、
光酸発生剤と、を含有し、
上記酸の作用により分解して極性が増大する基は、極性基が、酸の作用により脱離する脱離基で保護された構造を有し、
上記脱離基はSi原子を含有し、上記脱離基の分子量は500以下である、パターン形成方法。
〔2〕 上記酸の作用により分解して極性が増大する基が、後述する一般式(a)で表される構造、又は後述する一般式(b)で表される構造を有する、〔1〕に記載のパターン形成方法。
〔3〕 上記樹脂が、後述する一般式(1A)で表される繰り返し単位、又は、後述する一般式(2A)で表される繰り返し単位を有する、〔1〕又は〔2〕に記載のパターン形成方法。
〔4〕 上記X1が、後述する一般式(1A−2)で表される有機基である、〔3〕に記載のパターン形成方法。
〔5〕 上記X2が、後述する一般式(2A−2)で表される有機基である、〔3〕に記載のパターン形成方法。
〔6〕 上記一般式(1A)で表される繰り返し単位、又は、上記一般式(2A)で表される繰り返し単位中のSi原子の含有量が12.0質量%以上である、〔3〕〜〔5〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔7〕 上記脱離基の分子量が、110以下である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔8〕 上記化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、更に、塩基性化合物、又は、後述する一般式(1B)で表される基を有する化合物を含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔9〕 〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を加熱する露光後加熱工程と、
加熱された上記レジスト膜をドライ現像する現像工程と、を含む、パターン形成方法であって、
上記化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、
酸の作用により分解して極性が増大する基を有する樹脂と、
光酸発生剤と、を含有し、
上記酸の作用により分解して極性が増大する基は、極性基が、酸の作用により脱離する脱離基で保護された構造を有し、
上記脱離基はSi原子を含有し、上記脱離基の分子量は500以下である、パターン形成方法。
〔2〕 上記酸の作用により分解して極性が増大する基が、後述する一般式(a)で表される構造、又は後述する一般式(b)で表される構造を有する、〔1〕に記載のパターン形成方法。
〔3〕 上記樹脂が、後述する一般式(1A)で表される繰り返し単位、又は、後述する一般式(2A)で表される繰り返し単位を有する、〔1〕又は〔2〕に記載のパターン形成方法。
〔4〕 上記X1が、後述する一般式(1A−2)で表される有機基である、〔3〕に記載のパターン形成方法。
〔5〕 上記X2が、後述する一般式(2A−2)で表される有機基である、〔3〕に記載のパターン形成方法。
〔6〕 上記一般式(1A)で表される繰り返し単位、又は、上記一般式(2A)で表される繰り返し単位中のSi原子の含有量が12.0質量%以上である、〔3〕〜〔5〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔7〕 上記脱離基の分子量が、110以下である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔8〕 上記化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、更に、塩基性化合物、又は、後述する一般式(1B)で表される基を有する化合物を含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔9〕 〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、優れたパターン均一性を有する被エッチング物を与え得るパターンを形成する、パターン形成方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光:Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV光等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による描画も含む。
本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光:Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV光等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による描画も含む。
本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを表す。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー製HLC−8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー社製TSK gel Multipore HXL−M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー製HLC−8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー社製TSK gel Multipore HXL−M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
本明細書中における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さない基と共に置換基を有する基をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。また、本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
また、本明細書において、「置換基を有していてもよい」というときの置換基の種類、置換基の位置、及び、置換基の数は特に限定されない。置換基の数は例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上であってもよい。置換基の例としては水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、例えば、以下の置換基群Tから選択することができる。
(置換基T)
置換基Tとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;水酸基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホ基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;モノアルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アリールアミノ基;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
(置換基T)
置換基Tとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;水酸基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホ基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;モノアルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アリールアミノ基;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
〔パターン形成方法〕
本発明のパターン形成方法は、
化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を加熱する露光後加熱工程と、
加熱された上記レジスト膜をドライ現像する現像工程と、を含有する。
本発明のパターン形成方法は、
化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を加熱する露光後加熱工程と、
加熱された上記レジスト膜をドライ現像する現像工程と、を含有する。
また、上記パターン形成方法で用いられる化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、
酸の作用により分解して極性が増大する基を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう。)と、
光酸発生剤と、を含有し、
上記酸の作用により分解して極性が増大する基(以下、「酸分解性基」ともいう。)は、極性基が、酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する。上記脱離基は、Si原子を含有し、分子量が500以下である。
酸の作用により分解して極性が増大する基を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう。)と、
光酸発生剤と、を含有し、
上記酸の作用により分解して極性が増大する基(以下、「酸分解性基」ともいう。)は、極性基が、酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する。上記脱離基は、Si原子を含有し、分子量が500以下である。
なお、本明細書において「化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物」とは、露光により開始される系中の化学反応が触媒的に連鎖する樹脂組成物を意図する。
具体的には、露光により光酸発生剤から発生した酸により、酸分解性基の脱保護反応(つまり、脱離基が酸の作用により脱離する反応)が生じて樹脂の極性基と酸を発生させ、この化学反応が連鎖的に進行するものをいう。
なお、特許文献2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、露光後に形成されるマレイミド系樹脂のアミノ基が酸を失活させるため、いわゆる化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には該当しない。
具体的には、露光により光酸発生剤から発生した酸により、酸分解性基の脱保護反応(つまり、脱離基が酸の作用により脱離する反応)が生じて樹脂の極性基と酸を発生させ、この化学反応が連鎖的に進行するものをいう。
なお、特許文献2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、露光後に形成されるマレイミド系樹脂のアミノ基が酸を失活させるため、いわゆる化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には該当しない。
本発明のパターン形成方法の特徴点としては、まず、現像工程を従来の液現像ではなく、ドライ現像で実施する点が挙げられる。
現像をドライ現像で実施することにより、得られるパターンをマスクとして被エッチング物をエッチングした場合に、被エッチング物のパターン均一性が優れたものとなる。
また、本発明のパターン形成方法の他の特徴点として、酸分解性樹脂において、極性基を保護する脱離基がSi原子を含有し、かつ、分子量が500以下である点、及び露光後加熱工程を実施する点が挙げられる。
露光工程では、活性光線性又は放射線の照射により光酸発生剤から発生する酸により、酸分解性樹脂中の酸分解性基の脱保護反応が生じる。つまり、レジスト膜の露光部において、酸分解性基中の脱離基が酸の作用により脱離する反応が生じる。
ところで、本発明のパターン形成方法では、上述のとおり、現像をドライ現像(例えば、酸素プラズマエッチング)により実施する。このドライ現像は、実施例欄に示すように被エッチング物のエッチングを兼ねていてもよい。つまり、被エッチング物上に形成されたレジスト膜の露光後のドライ現像工程と、被エッチング物のエッチングとを同一工程として実施してもよい。本発明者らは、このエッチングの際に、露光後のレジスト膜中にSi原子を含有する脱離基が残存すると、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差が小さくなり、被エッチング物のパターン均一性に劣ることを知見している。
上記の問題に対し、本発明のパターン形成方法では、酸分解性樹脂において、極性基をSi原子を含有する分子量が500以下の脱離基で保護し、且つ、露光後加熱工程を実施することにより解決している。つまり、上記脱離基は、露光後加熱工程において揮発しやすく、この構成により、ドライ現像の際に、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差を大きくすることができる(未露光部では高エッチング耐性となり、露光部では低エッチング耐性となる)。この結果として、被エッチング物のパターン均一性が優れたものとなる。
現像をドライ現像で実施することにより、得られるパターンをマスクとして被エッチング物をエッチングした場合に、被エッチング物のパターン均一性が優れたものとなる。
また、本発明のパターン形成方法の他の特徴点として、酸分解性樹脂において、極性基を保護する脱離基がSi原子を含有し、かつ、分子量が500以下である点、及び露光後加熱工程を実施する点が挙げられる。
露光工程では、活性光線性又は放射線の照射により光酸発生剤から発生する酸により、酸分解性樹脂中の酸分解性基の脱保護反応が生じる。つまり、レジスト膜の露光部において、酸分解性基中の脱離基が酸の作用により脱離する反応が生じる。
ところで、本発明のパターン形成方法では、上述のとおり、現像をドライ現像(例えば、酸素プラズマエッチング)により実施する。このドライ現像は、実施例欄に示すように被エッチング物のエッチングを兼ねていてもよい。つまり、被エッチング物上に形成されたレジスト膜の露光後のドライ現像工程と、被エッチング物のエッチングとを同一工程として実施してもよい。本発明者らは、このエッチングの際に、露光後のレジスト膜中にSi原子を含有する脱離基が残存すると、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差が小さくなり、被エッチング物のパターン均一性に劣ることを知見している。
上記の問題に対し、本発明のパターン形成方法では、酸分解性樹脂において、極性基をSi原子を含有する分子量が500以下の脱離基で保護し、且つ、露光後加熱工程を実施することにより解決している。つまり、上記脱離基は、露光後加熱工程において揮発しやすく、この構成により、ドライ現像の際に、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差を大きくすることができる(未露光部では高エッチング耐性となり、露光部では低エッチング耐性となる)。この結果として、被エッチング物のパターン均一性が優れたものとなる。
また、後述するように、酸分解性樹脂が、一般式(1A)で表される繰り返し単位を有する場合(好ましくは、一般式(1A)中のX1が一般式(1A−2)で表される基である場合)、又は一般式(2A)で表される繰り返し単位を有する場合(好ましくは、一般式(2A)中のX2が一般式(2A−2)で表される基である場合)、脱離基は露光後加熱工程でより揮発しやすくなり、この結果として、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差がより大きくなり、被エッチング物のパターン均一性により優れる。
以下に、本発明のパターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、
(i)後述する化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜(感活性光線性又は感放射線性膜)を形成する工程(レジスト膜形成工程)、
(ii)上記レジスト膜を露光する(活性光線又は放射線を照射する)工程(露光工程)、
(iii)上記露光されたレジスト膜を加熱する工程(露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)工程)、及び、
(iv)上記加熱されたレジスト膜を、ドライ現像する現像工程(ドライ現像工程)
を有する。
本発明のパターン形成方法は、
(i)後述する化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜(感活性光線性又は感放射線性膜)を形成する工程(レジスト膜形成工程)、
(ii)上記レジスト膜を露光する(活性光線又は放射線を照射する)工程(露光工程)、
(iii)上記露光されたレジスト膜を加熱する工程(露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)工程)、及び、
(iv)上記加熱されたレジスト膜を、ドライ現像する現像工程(ドライ現像工程)
を有する。
本発明のパターン形成方法は、上記(i)〜(iv)の工程を含んでいれば特に限定されず、更に下記の工程を有していてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程における露光方法が、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の前に、(v)前加熱(PB:PreBake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(v)前加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(iii)露光後加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程における露光方法が、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の前に、(v)前加熱(PB:PreBake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(v)前加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(iii)露光後加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法において、上述した(i)レジスト膜形成工程、(ii)露光工程、(iii)露光後加熱工程、及び(iv)ドライ現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
レジスト膜の上層に、保護膜(トップコート)を形成してもよい。保護膜としては、公知の材料を適宜用いることができる。例えば、米国特許出願公開第2007/0178407号明細書、米国特許出願公開第2008/0085466号明細書、米国特許出願公開第2007/0275326号明細書、米国特許出願公開第2016/0299432号明細書、米国特許出願公開第2013/0244438号明細書、及び国際特許出願公開第2016/157988A号明細書等に開示された保護膜形成用組成物を好適に使用することができる。保護膜形成用組成物としては、後述する酸拡散制御剤を含むものが好ましい。また、後述する疎水性樹脂を含有するレジスト膜の上層に保護膜を形成してもよい。
レジスト膜の上層に、保護膜(トップコート)を形成してもよい。保護膜としては、公知の材料を適宜用いることができる。例えば、米国特許出願公開第2007/0178407号明細書、米国特許出願公開第2008/0085466号明細書、米国特許出願公開第2007/0275326号明細書、米国特許出願公開第2016/0299432号明細書、米国特許出願公開第2013/0244438号明細書、及び国際特許出願公開第2016/157988A号明細書等に開示された保護膜形成用組成物を好適に使用することができる。保護膜形成用組成物としては、後述する酸拡散制御剤を含むものが好ましい。また、後述する疎水性樹脂を含有するレジスト膜の上層に保護膜を形成してもよい。
上記レジスト膜形成工程において、レジスト膜は支持体上に形成されることが好ましい。
支持体としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリコン、SiN、SiO2、及びSiN等の無機基板、SOG(Spin on Glass)等の塗布系無機基板を用いることができる。
また、支持体としては、無機基板(例えば、SiO2基板)と上記無機基板上に成膜されたSOC(Spin on Carbon)等の下層膜とを有する基板であってもよい。
また、支持体として、IC等の半導体製造工程、又は液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造工程のほか、その他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板も用いることができる。
支持体としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリコン、SiN、SiO2、及びSiN等の無機基板、SOG(Spin on Glass)等の塗布系無機基板を用いることができる。
また、支持体としては、無機基板(例えば、SiO2基板)と上記無機基板上に成膜されたSOC(Spin on Carbon)等の下層膜とを有する基板であってもよい。
また、支持体として、IC等の半導体製造工程、又は液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造工程のほか、その他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板も用いることができる。
加熱温度は、(v)前加熱工程及び(iii)露光後加熱工程のいずれにおいても、70〜130℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。
加熱時間は、(v)前加熱工程及び(iii)露光後加熱工程のいずれにおいても、30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は、露光装置及び現像装置に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
加熱時間は、(v)前加熱工程及び(iii)露光後加熱工程のいずれにおいても、30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は、露光装置及び現像装置に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
露光工程に用いられる光源波長に制限はないが、例えば、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光(EUV)、X線、及び電子線等が挙げられる。これらの中でも遠紫外光が好ましく、その波長は250nm以下が好ましく、220nm以下がより好ましく、1〜200nmが更に好ましい。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、EUV(13nm)、及び電子線等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV、又は電子線が好ましい。
ドライ現像装置の方式は特に限定されるものではないが、ICP(Inductive Coupled Plasma、誘導結合)型、二周波CCP(Conductive Coupled Plasma 容量結合)型、及びECR(electron cyclotron resonance;電子サイクロトロン共鳴)型等のようなプラズマ密度とバイアス電圧を独立制御可能な方式が好ましい。
ドライ現像は、公知の方法をいずれも用いることができ、各種条件等は、基板の種類及び用途等に応じて、適宜、決定される。例えば、国際光工学会紀要(Proc.ofSPIE)Vol.6924,692420(2008)、及び特開2009−267112号公報等に準じて、エッチングを実施することができる。また、「半導体プロセス教本 第四版 2007年刊行 発行人:SEMIジャパン」の「第4章 エッチング」に記載の方法に準ずることもできる。
ドライ現像は、公知の方法をいずれも用いることができ、各種条件等は、基板の種類及び用途等に応じて、適宜、決定される。例えば、国際光工学会紀要(Proc.ofSPIE)Vol.6924,692420(2008)、及び特開2009−267112号公報等に準じて、エッチングを実施することができる。また、「半導体プロセス教本 第四版 2007年刊行 発行人:SEMIジャパン」の「第4章 エッチング」に記載の方法に準ずることもできる。
ドライ現像は、なかでも、酸素プラズマエッチングであることが好ましい。
ここでいう酸素プラズマエッチングとは、酸素原子を含有するガス(以下、「酸素含有ガス」ともいう。)を使用したプラズマエッチングであることを意味する。酸素含有ガスとしては、具体的には、O2、O3、CO、CO2、NO、NO2、N2O、SO、SO2、及びCOS等が挙げられる。また、上記酸素含有ガスは、希釈ガスとして、Ar、He、Xe、Kr、及びN2等のガスを含有してもよい。また、上記酸素含有ガスは、添加ガスとして、Cl2、HBr、BCl3、CH4、及びNH4等のガスを含有していてもよい。
ここでいう酸素プラズマエッチングとは、酸素原子を含有するガス(以下、「酸素含有ガス」ともいう。)を使用したプラズマエッチングであることを意味する。酸素含有ガスとしては、具体的には、O2、O3、CO、CO2、NO、NO2、N2O、SO、SO2、及びCOS等が挙げられる。また、上記酸素含有ガスは、希釈ガスとして、Ar、He、Xe、Kr、及びN2等のガスを含有してもよい。また、上記酸素含有ガスは、添加ガスとして、Cl2、HBr、BCl3、CH4、及びNH4等のガスを含有していてもよい。
本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、反射防止膜形成用組成物、又はトップコート形成用組成物等)は、金属成分、異性体、及び残存モノマー等の不純物を含まないことが好ましい。上記の各種材料に含まれるこれらの不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、100ppt以下がより好ましく、10ppt以下が更に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が特に好ましい。
上記各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過が挙げられる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又はナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であってもよい。フィルターとしては、日本国特許出願公開第2016−201426号明細書(特開2016−201426)に開示されるような溶出物が低減されたものが好ましい。
フィルター濾過のほか、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル若しくはゼオライト等の無機系吸着材、又は活性炭等の有機系吸着材を使用できる。金属吸着剤としては、例えば、日本国特許出願公開第2016−206500号明細書(特開2016−206500)に開示されるものが挙げられる。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、又は装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法が挙げられる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
フィルター濾過のほか、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル若しくはゼオライト等の無機系吸着材、又は活性炭等の有機系吸着材を使用できる。金属吸着剤としては、例えば、日本国特許出願公開第2016−206500号明細書(特開2016−206500)に開示されるものが挙げられる。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、又は装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法が挙げられる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
上記の各種材料は、不純物の混入を防止するために、米国特許出願公開第2015/0227049号明細書、日本国特許出願公開第2015−123351号明細書(特開2015−123351)等に記載された容器に保存されることが好ましい。
本発明のパターン形成方法により形成されるパターンに、パターンの表面荒れを改善する方法を適用してもよい。パターンの表面荒れを改善する方法としては、例えば、米国特許出願公開第2015/0104957号明細書に開示された、水素を含むガスのプラズマによってパターンを処理する方法が挙げられる。その他にも、日本国特許出願公開第2004−235468号明細書(特開2004−235468)、米国特許出願公開第2010/0020297号明細書、Proc. of SPIE Vol.8328 83280N−1“EUV Resist Curing Technique for LWR Reduction and Etch Selectivity Enhancement”に記載されるような公知の方法を適用してもよい。
また、上記の方法によって形成されたパターンは、例えば日本国特許出願公開第1991−270227号明細書(特開平3−270227)及び米国特許出願公開第2013/0209941号明細書に開示されたスペーサープロセスの芯材(Core)として使用できる。
また、上記の方法によって形成されたパターンは、例えば日本国特許出願公開第1991−270227号明細書(特開平3−270227)及び米国特許出願公開第2013/0209941号明細書に開示されたスペーサープロセスの芯材(Core)として使用できる。
〔化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物〕
以下に、本発明のパターン形成方法で使用し得る化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)について説明する。
以下に、本発明のパターン形成方法で使用し得る化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)について説明する。
<樹脂(A)>
本発明の組成物は、酸の作用により分解して極性が増大する基(以下、「酸分解性基」という。)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」という。)を含有する。樹脂(A)は、極性基が、Si原子を含有し分子量が500以下の、酸の作用により分解して脱離する基(脱離基)で保護された構造を有する樹脂である。
本発明の組成物は、酸の作用により分解して極性が増大する基(以下、「酸分解性基」という。)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」という。)を含有する。樹脂(A)は、極性基が、Si原子を含有し分子量が500以下の、酸の作用により分解して脱離する基(脱離基)で保護された構造を有する樹脂である。
脱離基の分子量は、なかでも、露光後加熱工程での揮発性により優れる点で、400以下が好ましく、300以下がより好ましく、110以下が更に好ましい。脱離基が露光後加熱工程での揮発性に優れることにより、ドライ現像工程の際に、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差を大きくすることができる。なお、脱離基の分子量の下限は、例えば、60以上の場合が多い。
極性基としては、カルボキシ基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びアルコール性水酸基等が挙げられる。
なお、アルコール性水酸基とは、炭化水素基に結合した水酸基であって、芳香環上に直接結合した水酸基(フェノール性水酸基)以外の水酸基をいい、水酸基としてα位がフッ素原子等の電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール基等)は除く。アルコール性水酸基としては、pKa(酸解離定数)が12以上20以下の水酸基であることが好ましい。
好ましい極性基としては、カルボキシ基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、及びスルホン酸基が挙げられる。
極性基が酸の作用により脱離する脱離基で保護された構造としては、これらの基の水素原子が上述の脱離基で置換された構造を意図し、なかでも、(i)酸の作用により分解してカルボキシ基を発生する、下記一般式(a)で表される構造、又は、(ii)酸の作用により分解してフェノール性水酸基を発生する、下記一般式(b)で表される構造であることが好ましい。つまり、酸の作用により分解して極性が増大する基は、一般式(a)で表される構造、又は、一般式(b)で表される構造を有することが好ましい。
上記一般式(a)及び上記一般式(b)中、Ps1及びPs2は、それぞれ独立に、酸の作用により脱離する、Si原子を含有し、分子量が500以下の脱離基を表す。
*は上記樹脂の主鎖又は側鎖に連結する結合位置を表す。
*は上記樹脂の主鎖又は側鎖に連結する結合位置を表す。
上記樹脂(A)は、Si原子を含有し分子量が500以下の脱離基により極性基が保護された構造を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(P)」ともいう。)を有することが好ましく、上記一般式(a)で表される構造を有する繰り返し単位、又は上記一般式(b)で表される構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましく、下記一般式(1A)で表される繰り返し単位、又は下記一般式(2A)で表される繰り返し単位を有することが更に好ましい。
一般式(1A)中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。Ps1は、酸の作用により脱離する、Si原子を含有し分子量が500以下の脱離基であって、下記一般式(1A−1)で表される基である。
*−L1−X1 (1A−1)
一般式(1A−1)中、L1は、2価の連結基を表す。X1は、Si原子を含有する有機基を表す。*は、結合位置を表す。
*−L1−X1 (1A−1)
一般式(1A−1)中、L1は、2価の連結基を表す。X1は、Si原子を含有する有機基を表す。*は、結合位置を表す。
一般式(2A)中、R2は、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。Ps2は、酸の作用により脱離する、Si原子を含有し分子量が500以下の脱離基であって、下記一般式(2A−1)で表される基である。
*−L2−X2 (2A−1)
一般式(2A−1)中、L2は、単結合又は2価の連結基を表す。X2は、Si原子を含有する有機基を表す。*は、結合位置を表す。
*−L2−X2 (2A−1)
一般式(2A−1)中、L2は、単結合又は2価の連結基を表す。X2は、Si原子を含有する有機基を表す。*は、結合位置を表す。
上記一般式(1A)及び一般式(2A)中、R1及びR2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
また、R1及びR2で表される炭素数1〜10のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。また、R1及びR2は、置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。
上記一般式(1A−1)及び一般式(2A−1)中、L1及びL2で表される2価の連結基としては特に限定されないが、例えば、炭素数1〜5のアルキレン基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が更に好ましい。また、L1及びL2は、置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。
また、R1及びR2で表される炭素数1〜10のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。また、R1及びR2は、置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。
上記一般式(1A−1)及び一般式(2A−1)中、L1及びL2で表される2価の連結基としては特に限定されないが、例えば、炭素数1〜5のアルキレン基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が更に好ましい。また、L1及びL2は、置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。
上記一般式(1A−1)及び一般式(2A−1)中、X1及びX2は、Si原子を含有する有機基を表す。Si原子を含有する有機基としては、Si原子を含有する限り特に制限はないが、例えば、下記一般式(S)で表される基を含む基が挙げられる。
上記一般式(S)中、RS1は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*は、結合位置を表す。
上記一般式(S)中、RS1は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、アルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、又は、シリルエーテル基が好ましい。
RS1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
RS1で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
RS1で表されるアルケニル基としては、炭素数2〜5のアルケニル基が好ましく、具体的には、ビニル基、プロペニル基、及びアリル基等が挙げられる。
RS1で表されるアルキニル基としては、炭素数が2〜5のアルキニル基が好ましく、具体的には、エチニル基、プロピニル基、及びブチニル基等が挙げられる。
RS1で表されるシリルエーテル基としては、例えば、−O−Si(RS2)3で表される基(RS2:1価の有機基)が挙げられる。RS2としては、炭素数1〜10アルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、アリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、又は炭素数2〜5のアルキニル基が好ましい。
また、RS1及びRS2は、置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。
RS1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
RS1で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
RS1で表されるアルケニル基としては、炭素数2〜5のアルケニル基が好ましく、具体的には、ビニル基、プロペニル基、及びアリル基等が挙げられる。
RS1で表されるアルキニル基としては、炭素数が2〜5のアルキニル基が好ましく、具体的には、エチニル基、プロピニル基、及びブチニル基等が挙げられる。
RS1で表されるシリルエーテル基としては、例えば、−O−Si(RS2)3で表される基(RS2:1価の有機基)が挙げられる。RS2としては、炭素数1〜10アルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、アリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、又は炭素数2〜5のアルキニル基が好ましい。
また、RS1及びRS2は、置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。
上記一般式(1A−1)中、X1としては、なかでも、露光後加熱工程での揮発性により優れる点で、下記一般式(1A−2)で表される有機基であることが好ましい。
*−O−L3−Si(R3)3 (1A−2)
上記一般式(1A−2)中、L3は、単結合又は2価の連結基を表す。R3は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*は、結合位置を表す。
上記一般式(1A−2)中、L3は、単結合又は2価の連結基を表す。R3は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*は、結合位置を表す。
上記一般式(1A−2)中、L3で表される2価の連結基としては特に限定されないが、炭素数1〜10のアルキレン基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が更に好ましい。また、L3は、置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。
上記一般式(1A−2)中、R3は、上述の一般式(S)中のRS1と同義であり、また好ましい態様も同じである。
上記一般式(2A−1)中、X2は、Si原子を含有する有機基を表し、なかでも、露光後加熱工程での揮発性により優れる点で、下記一般式(2A−2)で表される有機基であることが好ましい。
*−L4−L5−Si(R4)3 (2A−2)
一般式(2A−2)中、L4は、単結合、又は酸素原子を表す。L5は、単結合又は2価の連結基を表す。R4は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*は、結合位置を表す。
一般式(2A−2)中、L4は、単結合、又は酸素原子を表す。L5は、単結合又は2価の連結基を表す。R4は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*は、結合位置を表す。
上記一般式(2A−2)中、L5及びR4は、上記一般式(1A−2)中のL3及びR3とそれぞれ同義であり、好ましい態様についても同じである。
以下に、上記一般式(1A)で表される繰り返し単位、及び上記一般式(2A)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されない。なお、下記具体例中、Raは、水素原子又はアルキル基を表す。
繰り返し単位(P)において、ドライ現像工程の際に未露光部におけるエッチング耐性により優れる点で、Si原子の含有量は、繰り返し単位の全質量に対して5.0質量%以上が好ましく、12.0質量%以上がより好ましく、20.0質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、40.0質量%以下の場合が多い。
樹脂(A)に含まれる繰り返し単位(P)の含有量(繰り返し単位(P)が複数存在する場合はその合計)は、ドライ現像工程の際に未露光部におけるエッチング耐性により優れる点で、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。
樹脂(A)は、更に、繰り返し単位(P)以外の、酸分解性基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(Q)」ともいう。)を有していてもよい。
繰り返し単位(Q)は、例えば、上述した極性基(カルボキシ基等)の水素原子を酸の作用により脱離する基(脱離基)で置換した基である。
酸の作用により脱離する基(脱離基)としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、及び−C(R01)(R02)(OR39)等が挙げられる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸の作用により脱離する基(脱離基)としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、及び−C(R01)(R02)(OR39)等が挙げられる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
R36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、及びオクチル基等が挙げられる。
R36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環でも、多環でもよい。単環のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、及びアンドロスタニル基等が挙げられる。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
R36〜R39、R01及びR02のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等が挙げられる。
R36〜R39、R01及びR02のアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、及びナフチルメチル基等が挙げられる。
R36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、及びシクロへキセニル基等が挙げられる。
R36とR37とが互いに結合して形成される環としては、シクロアルキル基(単環又は多環)であることが好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又はノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
R36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環でも、多環でもよい。単環のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、及びアンドロスタニル基等が挙げられる。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
R36〜R39、R01及びR02のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等が挙げられる。
R36〜R39、R01及びR02のアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、及びナフチルメチル基等が挙げられる。
R36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、及びシクロへキセニル基等が挙げられる。
R36とR37とが互いに結合して形成される環としては、シクロアルキル基(単環又は多環)であることが好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又はノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
酸分解性基として、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、又は第3級のアルキルエステル基が好ましく、アセタール基、又は第3級アルキルエステル基がより好ましい。
樹脂(A)は、繰り返し単位(Q)として、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
一般式(AI)において、
Xa1は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx1〜Rx3のいずれか2つが結合して環構造を形成してもよく、形成しなくてもよい。
Xa1は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx1〜Rx3のいずれか2つが結合して環構造を形成してもよく、形成しなくてもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−COO−Rt−、及び−O−Rt−等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−が好ましい。Rtは、炭素数1〜5の鎖状アルキレン基が好ましく、−CH2−、−(CH2)2−、又は−(CH2)3−がより好ましい。Tは、単結合であることがより好ましい。
Tは、単結合又は−COO−Rt−が好ましい。Rtは、炭素数1〜5の鎖状アルキレン基が好ましく、−CH2−、−(CH2)2−、又は−(CH2)3−がより好ましい。Tは、単結合であることがより好ましい。
Xa1は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
Xa1のアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、水酸基、及びハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)が挙げられる。
Xa1のアルキル基は、炭素数1〜4が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及びトリフルオロメチル基等が挙げられる。Xa1のアルキル基は、メチル基であることが好ましい。
Xa1のアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、水酸基、及びハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)が挙げられる。
Xa1のアルキル基は、炭素数1〜4が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及びトリフルオロメチル基等が挙げられる。Xa1のアルキル基は、メチル基であることが好ましい。
Rx1、Rx2及びRx3のアルキル基としては、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、又はt−ブチル基等が好ましい。アルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。Rx1、Rx2及びRx3のアルキル基は、炭素間結合の一部が二重結合であってもよい。
Rx1、Rx2及びRx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又はノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1、Rx2及びRx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又はノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1、Rx2及びRx3の2つが結合して形成する環構造としては、シクロペンチル環、シクロヘキシル環、シクロヘプチル環、及びシクロオクタン環等の単環のシクロアルカン環、又はノルボルナン環、テトラシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、及びアダマンタン環等の多環のシクロアルキル環が好ましい。なかでも、シクロペンチル環、シクロヘキシル環、又はアダマンタン環がより好ましい。Rx1、Rx2及びRx3の2つが結合して形成する環構造としては、下記に示す構造も好ましい。
以下に一般式(AI)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されない。下記の具体例は、一般式(AI)におけるXa1がメチル基である場合に相当するが、Xa1は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基に任意に置換することができる。
樹脂(A)は、繰り返し単位(Q)として、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0336]〜[0369]に記載の繰り返し単位を有することも好ましい。
また、樹脂(A)は、繰り返し単位(Q)として、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0363]〜[0364]に記載された酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基を含む繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A)は、繰り返し単位(Q)を、1種単独で含んでもよく、2種以上を併用して含んでもよい。
樹脂(A)が、繰り返し単位(Q)を有する場合、露光部と未露光部でのコントラストにより優れ、被エッチング物のパターン均一性により優れる点で、繰り返し単位(Q)は、大西パラメーターの低い酸分解性基を有することが好ましい。
大西パラメーターとは、酸分解性基中の全原子数をN、全炭素数をNC、全酸素数NOとしたとき、N/(NC−NO)で表されるドライエッチング耐性の指標となるパラメーターである。一般的に大西パラメーターが小さいほど、ドライエッチング耐性が良好であることが知られている。
なかでも、酸分解性基の大西パラメーターは6.0以下の場合が多く、上記効果がより優れる点で、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、1.7以上の場合が多い。
大西パラメーターとは、酸分解性基中の全原子数をN、全炭素数をNC、全酸素数NOとしたとき、N/(NC−NO)で表されるドライエッチング耐性の指標となるパラメーターである。一般的に大西パラメーターが小さいほど、ドライエッチング耐性が良好であることが知られている。
なかでも、酸分解性基の大西パラメーターは6.0以下の場合が多く、上記効果がより優れる点で、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、1.7以上の場合が多い。
樹脂(A)が繰り返し単位(Q)を含有する場合、繰り返し単位(Q)の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、例えば、90モル%以下であり、20〜45モル%が好ましく、30〜45モル%がより好ましい。
樹脂(A)は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
ラクトン構造又はスルトン構造としては、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればよく、5〜7員環ラクトン構造又は5〜7員環スルトン構造が好ましい。なかでも、ビシクロ構造若しくはスピロ構造を形成する形で5〜7員環ラクトン構造に他の環構造が縮環しているもの、又は、ビシクロ構造若しくはスピロ構造を形成する形で5〜7員環スルトン構造に他の環構造が縮環しているもの、がより好ましい。
樹脂(A)は、下記一般式(LC1−1)〜(LC1−21)のいずれかで表されるラクトン構造、又は、下記一般式(SL1−1)〜(SL1−3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する繰り返し単位を有することが更に好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては、一般式(LC1−1)、一般式(LC1−4)、一般式(LC1−5)、一般式(LC1−8)、一般式(LC1−16)、若しくは一般式(LC1−21)で表されるラクトン構造、又は、一般式(SL1−1)で表されるスルトン構造が挙げられる。
樹脂(A)は、下記一般式(LC1−1)〜(LC1−21)のいずれかで表されるラクトン構造、又は、下記一般式(SL1−1)〜(SL1−3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する繰り返し単位を有することが更に好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては、一般式(LC1−1)、一般式(LC1−4)、一般式(LC1−5)、一般式(LC1−8)、一般式(LC1−16)、若しくは一般式(LC1−21)で表されるラクトン構造、又は、一般式(SL1−1)で表されるスルトン構造が挙げられる。
ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても、有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び酸分解性基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、又は酸分解性基が好ましい。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(III)で表される繰り返し単位が好ましい。
上記一般式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
nは、−R0−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nが0である場合、−R0−Z−は存在せず、単結合となる。
R0は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。R0が複数個ある場合、R0は、各々独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。Zが複数個ある場合には、Zは、各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。
R8は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
nは、−R0−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nが0である場合、−R0−Z−は存在せず、単結合となる。
R0は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。R0が複数個ある場合、R0は、各々独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。Zが複数個ある場合には、Zは、各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。
R8は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
R0のアルキレン基又はシクロアルキレン基は置換基を有してもよい。
Zとしては、エーテル結合、又はエステル結合が好ましく、エステル結合がより好ましい。
Zとしては、エーテル結合、又はエステル結合が好ましく、エステル結合がより好ましい。
樹脂(A)は、カーボネート構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。カーボネート構造は、環状炭酸エステル構造であることが好ましい。
環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位は、下記一般式(A−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位は、下記一般式(A−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(A−1)中、RA 1は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
nは0以上の整数を表す。
RA 2は、置換基を表す。nが2以上の場合、RA 2は、各々独立して、置換基を表す。
Aは、単結合、又は2価の連結基を表す。
Zは、式中の−O−C(=O)−O−で表される基と共に単環構造又は多環構造を形成する原子団を表す。
nは0以上の整数を表す。
RA 2は、置換基を表す。nが2以上の場合、RA 2は、各々独立して、置換基を表す。
Aは、単結合、又は2価の連結基を表す。
Zは、式中の−O−C(=O)−O−で表される基と共に単環構造又は多環構造を形成する原子団を表す。
樹脂(A)は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位として、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0370]〜[0414]に記載の繰り返し単位を有することも好ましい。
樹脂(A)は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位を、1種単独で有していてよく、2種以上を併用して有していてもよい。
以下に一般式(III)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例、及び一般式(A−1)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されない。下記の具体例は、一般式(III)におけるR7及び一般式(A−1)におけるRA 1がメチル基である場合に相当するが、R7及びRA 1は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基に任意に置換することができる。
上記モノマーの他に、下記に示すモノマーも樹脂(A)の原料として好適に用いられる。
樹脂(A)に含まれるラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位の含有量(ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位が複数存在する場合はその合計)は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5〜70モル%が好ましく、10〜65モル%がより好ましく、20〜60モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、極性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、及びフッ素化アルコール基等が挙げられる。
極性基を有する繰り返し単位としては、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位が好ましい。また、極性基を有する繰り返し単位は、酸分解性基を有さないことが好ましい。極性基で置換された脂環炭化水素構造における、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、又はノルボルナン基が好ましい。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、及びフッ素化アルコール基等が挙げられる。
極性基を有する繰り返し単位としては、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位が好ましい。また、極性基を有する繰り返し単位は、酸分解性基を有さないことが好ましい。極性基で置換された脂環炭化水素構造における、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、又はノルボルナン基が好ましい。
以下に極性基を有する繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されない。
この他にも、極性基を有する繰り返し単位の具体例としては、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0415]〜[0433]に開示された繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)は、極性基を有する繰り返し単位を、1種単独で有していてよく、2種以上を併用して有していてもよい。
極性基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、10〜25モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、極性基を有する繰り返し単位を、1種単独で有していてよく、2種以上を併用して有していてもよい。
極性基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、10〜25モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、更に、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位を有していてもよい。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位は、脂環炭化水素構造を有することが好ましい。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位としては、例えば、米国特許出願公開2016/0026083A1号明細書の段落[0236]〜[0237]に記載された繰り返し単位が挙げられる。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位に相当するモノマーの好ましい例を以下に示す。
この他にも、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位の具体例としては、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0433]に開示された繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)は、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位を、1種単独で有していてもよく、2種以上を併用して有していてもよい。
酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位を、1種単独で有していてもよく、2種以上を併用して有していてもよい。
酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性、標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、又は、更にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有していてもよい。
このような繰り返し構造単位としては、所定の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されない。
このような繰り返し構造単位としては、所定の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されない。
所定の単量体としては、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、及びビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等が挙げられる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物を用いてもよい。
樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比は、種々の性能を調節するために適宜設定される。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物を用いてもよい。
樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比は、種々の性能を調節するために適宜設定される。
本発明の組成物がArF露光用であるとき、ArF光の透過性の観点から、樹脂(A)は実質的には芳香族基を有さないことが好ましい。より具体的には、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、芳香族基を有する繰り返し単位が5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましく、理想的には0モル%、すなわち芳香族基を有する繰り返し単位を有さないことが更に好ましい。
樹脂(A)は、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されることが好ましい。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が樹脂(A)の全繰り返し単位に対して50モル%以下であることが好ましい。
本発明の組成物がKrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)は芳香族炭化水素環基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。樹脂(A)がフェノール性水酸基を含む繰り返し単位を有することがより好ましい。フェノール性水酸基を含む繰り返し単位としては、ヒドロキシスチレン繰り返し単位、又は、ヒドロキシスチレン(メタ)アクリレート繰り返し単位が挙げられる。
本発明の組成物がKrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)は、フェノール性水酸基の水素原子が酸の作用により脱離する基(脱離基)で保護された構造を有することが好ましい。
樹脂(A)に含まれる芳香族炭化水素環基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、30〜100モル%が好ましく、40〜100モル%がより好ましく、50〜100モル%が更に好ましい。
本発明の組成物がKrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)は、フェノール性水酸基の水素原子が酸の作用により脱離する基(脱離基)で保護された構造を有することが好ましい。
樹脂(A)に含まれる芳香族炭化水素環基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、30〜100モル%が好ましく、40〜100モル%がより好ましく、50〜100モル%が更に好ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜20,000がより好ましく、3,000〜15,000が更に好ましく、3,000〜11,000が特に好ましい。分散度(Mw/Mn)は、通常1.0〜3.0であり、1.0〜2.6が好ましく、1.0〜2.0がより好ましく、1.1〜2.2が更に好ましい。
樹脂(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物中、樹脂(A)の含有量は、全固形分中に対して、一般的に20質量%以上の場合が多く、40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、99.5質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、97質量%以下が更に好ましい。
本発明の組成物中、樹脂(A)の含有量は、全固形分中に対して、一般的に20質量%以上の場合が多く、40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、99.5質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、97質量%以下が更に好ましい。
<光酸発生剤(C)>
本発明の組成物は、光酸発生剤(以下、「光酸発生剤(C)」ともいう)を含有する。なお、光酸発生剤(C)には、後述する酸拡散制御剤(D)として用いる一般式(1B)で表される基を有する化合物は含まれない。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物が好ましい。例えば、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物、ジアゾジスルホン化合物、ジスルホン化合物、及びo−ニトロベンジルスルホネート化合物が挙げられる。
本発明の組成物は、光酸発生剤(以下、「光酸発生剤(C)」ともいう)を含有する。なお、光酸発生剤(C)には、後述する酸拡散制御剤(D)として用いる一般式(1B)で表される基を有する化合物は含まれない。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物が好ましい。例えば、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物、ジアゾジスルホン化合物、ジスルホン化合物、及びo−ニトロベンジルスルホネート化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物を、単独又はそれらの混合物として適宜選択して使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0125]〜[0319]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0086]〜[0094]、及び、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0323]〜[0402]に開示された公知の化合物を光酸発生剤(C)として好適に使用できる。
光酸発生剤(C)としては、例えば、下記一般式(ZI)、一般式(ZII)又は一般式(ZIII)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(ZI)において、
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30であり、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)及び−CH2−CH2−O−CH2−CH2−が挙げられる。
Z-は、アニオンを表す。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30であり、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)及び−CH2−CH2−O−CH2−CH2−が挙げられる。
Z-は、アニオンを表す。
一般式(ZI)におけるカチオンの好適な態様としては、後述する化合物(ZI−1)、化合物(ZI−2)、化合物(ZI−3)及び化合物(ZI−4)における対応する基が挙げられる。
なお、光酸発生剤(C)は、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つと、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つとが、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
なお、光酸発生剤(C)は、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つと、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つとが、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
まず、化合物(ZI−1)について説明する。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、すなわち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、及びアリールジシクロアルキルスルホニウム化合物が挙げられる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、すなわち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、及びアリールジシクロアルキルスルホニウム化合物が挙げられる。
アリールスルホニウム化合物に含まれるアリール基としては、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール残基、フラン残基、チオフェン残基、インドール残基、ベンゾフラン残基、及びベンゾチオフェン残基等が挙げられる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基、炭素数3〜15の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基、炭素数3〜15の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基は、各々独立に、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、又はフェニルチオ基を置換基として有してもよい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
R201〜R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1〜30であり、炭素数1〜20が好ましい。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基であり、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、又はアルコキシカルボニルメチル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2−オキソアルキル基である。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
R201〜R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1〜30であり、炭素数1〜20が好ましい。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基であり、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、又はアルコキシカルボニルメチル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2−オキソアルキル基である。
R201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基又は炭素数3〜10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、及び、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が挙げられる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、化合物(ZI−3)について説明する。
化合物(ZI−3)は、下記一般式(ZI−3)で表され、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
化合物(ZI−3)は、下記一般式(ZI−3)で表され、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
一般式(ZI−3)中、
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R5cとR6c、R6cとR7c、R5cとRx、及びRxとRyは、各々結合して環構造を形成してもよく、この環構造は、各々独立に酸素原子、硫黄原子、ケトン基、エステル結合、又はアミド結合を含んでいてもよい。
上記環構造としては、芳香族又は非芳香族の炭化水素環、芳香族又は非芳香族の複素環、及びこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環が挙げられる。環構造としては、3〜10員環が挙げられ、4〜8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
上記環構造としては、芳香族又は非芳香族の炭化水素環、芳香族又は非芳香族の複素環、及びこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環が挙げられる。環構造としては、3〜10員環が挙げられ、4〜8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、及びペンチレン基等が挙げられる。
R5cとR6c、及びR5cとRxが結合して形成する基としては、単結合又はアルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、メチレン基、及びエチレン基等が挙げられる。
Zc−は、アニオンを表す。
R5cとR6c、及びR5cとRxが結合して形成する基としては、単結合又はアルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、メチレン基、及びエチレン基等が挙げられる。
Zc−は、アニオンを表す。
次に、化合物(ZI−4)について説明する。
化合物(ZI−4)は、下記一般式(ZI−4)で表される。
化合物(ZI−4)は、下記一般式(ZI−4)で表される。
一般式(ZI−4)中、
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
R13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
R14は、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。R14は、複数存在する場合は各々独立して、水酸基等の上記基を表す。
R15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。一態様において、2つのR15がアルキレン基であり、互いに結合して環構造を形成することが好ましい。
Z−は、アニオンを表す。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
R13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
R14は、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。R14は、複数存在する場合は各々独立して、水酸基等の上記基を表す。
R15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。一態様において、2つのR15がアルキレン基であり、互いに結合して環構造を形成することが好ましい。
Z−は、アニオンを表す。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状である。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、又はt−ブチル基等がより好ましい。
次に、一般式(ZII)、及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)、及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェン等が挙げられる。
R204〜R207のアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基又は炭素数3〜10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、又は、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が好ましい。
一般式(ZII)、及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェン等が挙げられる。
R204〜R207のアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基又は炭素数3〜10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、又は、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が好ましい。
R204〜R207のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基は、各々独立に、置換基を有していてもよい。R204〜R207のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、及びフェニルチオ基等が挙げられる。
Z−は、アニオンを表す。
Z−は、アニオンを表す。
一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI−3)におけるZc−、及び一般式(ZI−4)におけるZ-としては、下記一般式(3)で表されるアニオンが好ましい。
一般式(3)中、
oは、1〜3の整数を表す。pは、0〜10の整数を表す。qは、0〜10の整数を表す。
oは、1〜3の整数を表す。pは、0〜10の整数を表す。qは、0〜10の整数を表す。
Xfは、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子又はCF3であることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが更に好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子又はCF3であることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが更に好ましい。
R4及びR5は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R4及びR5が複数存在する場合、R4及びR5は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
R4及びR5で表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数1〜4が好ましい。R4及びR5は、好ましくは水素原子である。
少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基の具体例及び好適な態様は一般式(3)中のXfの具体例及び好適な態様と同じである。
R4及びR5で表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数1〜4が好ましい。R4及びR5は、好ましくは水素原子である。
少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基の具体例及び好適な態様は一般式(3)中のXfの具体例及び好適な態様と同じである。
Lは、2価の連結基を表す。Lが複数存在する場合、Lは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
2価の連結基としては、例えば、−COO−(−C(=O)−O−)、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6)及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。これらの中でも、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−SO2−、−COO−アルキレン基−、−OCO−アルキレン基−、−CONH−アルキレン基−又は−NHCO−アルキレン基−が好ましく、−COO−、−OCO−、−CONH−、−SO2−、−COO−アルキレン基−又は−OCO−アルキレン基−がより好ましい。
2価の連結基としては、例えば、−COO−(−C(=O)−O−)、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6)及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。これらの中でも、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−SO2−、−COO−アルキレン基−、−OCO−アルキレン基−、−CONH−アルキレン基−又は−NHCO−アルキレン基−が好ましく、−COO−、−OCO−、−CONH−、−SO2−、−COO−アルキレン基−又は−OCO−アルキレン基−がより好ましい。
Wは、環状構造を含む有機基を表す。これらの中でも、環状の有機基であることが好ましい。
環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の炭素数7以上の嵩高い構造を有する脂環基が好ましい。
環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の炭素数7以上の嵩高い構造を有する脂環基が好ましい。
アリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよいし、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。ラクトン環及びスルトン環の例としては、前述の樹脂において例示したラクトン構造及びスルトン構造が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよいし、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。ラクトン環及びスルトン環の例としては、前述の樹脂において例示したラクトン構造及びスルトン構造が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、及び、スピロ環のいずれであってもよく、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、水酸基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
一般式(3)で表されるアニオンとしては、SO3 −−CF2−CH2−OCO−(L)q’−W、SO3 −−CF2−CHF−CH2−OCO−(L)q’−W、SO3 −−CF2−COO−(L)q’−W、SO3 −−CF2−CF2−CH2−CH2−(L)q−W、SO3 −−CF2−CH(CF3)−OCO−(L)q’−Wが好ましい。ここで、L、q及びWは、一般式(3)と同様である。q’は、0〜10の整数を表す。
一態様において、一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI−3)におけるZc−、及び一般式(ZI−4)におけるZ-としては、下記の一般式(4)で表されるアニオンも好ましい。
一般式(4)中、
XB1及びXB2は、各々独立に、水素原子、又はフッ素原子を有さない1価の有機基を表す。XB1及びXB2は、水素原子であることが好ましい。
XB3及びXB4は、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。XB3及びXB4の少なくとも一方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることが好ましく、XB3及びXB4の両方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることがより好ましい。XB3及びXB4の両方が、フッ素原子で置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
L、q及びWは、一般式(3)と同様である。
XB1及びXB2は、各々独立に、水素原子、又はフッ素原子を有さない1価の有機基を表す。XB1及びXB2は、水素原子であることが好ましい。
XB3及びXB4は、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。XB3及びXB4の少なくとも一方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることが好ましく、XB3及びXB4の両方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることがより好ましい。XB3及びXB4の両方が、フッ素原子で置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
L、q及びWは、一般式(3)と同様である。
一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI−3)におけるZc−、及び一般式(ZI−4)におけるZ-は、ベンゼンスルホン酸アニオンであってもよく、分岐鎖状アルキル基又はシクロアルキル基によって置換されたベンゼンスルホン酸アニオンであることが好ましい。
一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI−3)におけるZc−、及び一般式(ZI−4)におけるZ-としては、下記の一般式(SA1)で表される芳香族スルホン酸アニオンも好ましい。
式(SA1)中、
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。更に有してもよい置換基としては、フッ素原子及び水酸基等が挙げられる。
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。更に有してもよい置換基としては、フッ素原子及び水酸基等が挙げられる。
nは、0以上の整数を表す。nとしては、1〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、3が更に好ましい。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基、エステル基、及び、これらの2種以上の組み合わせからなる基等が挙げられる。
Bは、炭化水素基を表す。
好ましくは、Dは単結合であり、Bは脂肪族炭化水素構造である。Bは、イソプロピル基又はシクロヘキシル基がより好ましい。
一般式(ZI)におけるスルホニウムカチオン、及び一般式(ZII)におけるヨードニウムカチオンの好ましい例を以下に示す。
一般式(ZI)、一般式(ZII)におけるアニオンZ-、一般式(ZI−3)におけるZc−、及び一般式(ZI−4)におけるZ-の好ましい例を以下に示す。
上記のカチオン及びアニオンを任意に組みわせて光酸発生剤として使用できる。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,000以下が更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、前述した樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
光酸発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物中、光酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜35質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜22質量%が更に好ましい。
光酸発生剤として、上記一般式(ZI−3)又は(ZI−4)で表される化合物を含有する場合、組成物中に含まれる光酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、1〜35質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,000以下が更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、前述した樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
光酸発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物中、光酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜35質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜22質量%が更に好ましい。
光酸発生剤として、上記一般式(ZI−3)又は(ZI−4)で表される化合物を含有する場合、組成物中に含まれる光酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、1〜35質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
<酸拡散制御剤(D)>
本発明の組成物は、酸拡散制御剤(D)を含むことが好ましい。酸拡散制御剤(D)は、露光時に光酸発生剤等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用する。例えば、塩基性化合物(DA)、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)、光酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)、又はカチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)等を酸拡散制御剤として使用できる。本発明の組成物においては、公知の酸拡散制御剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0627]〜[0664]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0095]〜[0187]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0403]〜[0423]、及び、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0259]〜[0328]に開示された公知の化合物を酸拡散制御剤(D)として好適に使用できる。
本発明の組成物は、酸拡散制御剤(D)を含むことが好ましい。酸拡散制御剤(D)は、露光時に光酸発生剤等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用する。例えば、塩基性化合物(DA)、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)、光酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)、又はカチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)等を酸拡散制御剤として使用できる。本発明の組成物においては、公知の酸拡散制御剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0627]〜[0664]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0095]〜[0187]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0403]〜[0423]、及び、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0259]〜[0328]に開示された公知の化合物を酸拡散制御剤(D)として好適に使用できる。
塩基性化合物(DA)としては、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物が好ましい。
一般式(A)及び(E)中、
R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表す。R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
R203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表す。
R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表す。R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
R203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表す。
一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、置換基を有していても無置換であってもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
塩基性化合物(DA)としては、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、又はピペリジン等が好ましく、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造若しくはピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/若しくはエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、又は、水酸基及び/若しくはエーテル結合を有するアニリン誘導体等がより好ましい。
活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)(以下、「化合物(DB)」ともいう。)は、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解して、プロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化する化合物である。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基又は電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、又は、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル構造、アザクラウンエーテル構造、1〜3級アミン構造、ピリジン構造、イミダゾール構造、及びピラジン構造等が挙げられる。
化合物(DB)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下若しくは消失し、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここでプロトンアクセプター性の低下若しくは消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(DB)とプロトンとからプロトン付加体が生成するとき、その化学平衡における平衡定数が減少することを意味する。
プロトンアクセプター性は、pH測定を行うことによって確認することができる。
プロトンアクセプター性は、pH測定を行うことによって確認することができる。
活性光線又は放射線の照射により化合物(DB)が分解して発生する化合物の酸解離定数pKaは、pKa<−1を満たすことが好ましく、−13<pKa<−1を満たすことがより好ましく、−13<pKa<−3を満たすことが更に好ましい。
酸解離定数pKaとは、水溶液中での酸解離定数pKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に定義される。酸解離定数pKaの値が低いほど酸強度が大きいことを示す。水溶液中での酸解離定数pKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測できる。あるいは、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示す。
ソフトウェアパッケージ1: Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) Software V8.14 for Solaris (1994−2007 ACD/Labs)。
本発明の組成物では、光酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)を酸拡散制御剤として使用できる。
光酸発生剤と、光酸発生剤から生じた酸に対して相対的に弱酸である酸を発生するオニウム塩とを混合して用いた場合、活性光線性又は放射線の照射により光酸発生剤から生じた酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると、塩交換により弱酸を放出して強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため、見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
光酸発生剤と、光酸発生剤から生じた酸に対して相対的に弱酸である酸を発生するオニウム塩とを混合して用いた場合、活性光線性又は放射線の照射により光酸発生剤から生じた酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると、塩交換により弱酸を放出して強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため、見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
光酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩としては、下記一般式(d1−1)〜(d1−3)で表される化合物が好ましい。
式中、R51は置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Z2cは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(ただし、Sに隣接する炭素にはフッ素原子は置換されていないものとする)であり、R52は有機基であり、Y3は直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基であり、Rfはフッ素原子を含む炭化水素基であり、M+は各々独立に、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンである。
M+として表されるスルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンの好ましい例としては、一般式(ZI)で例示したスルホニウムカチオン及び一般式(ZII)で例示したヨードニウムカチオンが挙げられる。
窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)(以下、「化合物(DD)」ともいう。)は、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体であることが好ましい。
酸の作用により脱離する基としては、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又はヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、又はヘミアミナールエーテル基がより好ましい。
化合物(DD)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が更に好ましい。
化合物(DD)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表される。
酸の作用により脱離する基としては、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又はヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、又はヘミアミナールエーテル基がより好ましい。
化合物(DD)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が更に好ましい。
化合物(DD)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表される。
一般式(d−1)において、
Rbは、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)、アリール基(好ましくは炭素数3〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、又はアルコキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。Rbは相互に連結して環を形成していてもよい。
Rbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立に水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
Rbは、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)、アリール基(好ましくは炭素数3〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、又はアルコキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。Rbは相互に連結して環を形成していてもよい。
Rbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立に水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
Rbとしては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はシクロアルキル基がより好ましい。
2つのRbが相互に連結して形成する環としては、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環式炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造としては、米国特許公報US2012/0135348A1号明細書の段落[0466]に開示された構造が挙げられるが、これに限定されない。
2つのRbが相互に連結して形成する環としては、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環式炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造としては、米国特許公報US2012/0135348A1号明細書の段落[0466]に開示された構造が挙げられるが、これに限定されない。
化合物(DD)は、下記一般式(6)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(6)において、
lは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、l+m=3を満たす。
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。lが2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に連結して式中の窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。この複素環には式中の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。
Rbは、上記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(6)において、Raとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立にRbとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が置換されていてもよい基として前述した基と同様な基で置換されていてもよい。
lは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、l+m=3を満たす。
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。lが2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に連結して式中の窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。この複素環には式中の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。
Rbは、上記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(6)において、Raとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立にRbとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が置換されていてもよい基として前述した基と同様な基で置換されていてもよい。
上記Raのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらの基は、上記基で置換されていてもよい)の具体例としては、Rbについて前述した具体例と同様な基が挙げられる。
本発明における特に好ましい化合物(DD)の具体例としては、米国特許出願公開2012/0135348A1号明細書の段落[0475]に開示された化合物が挙げられるが、これに限定されない。
本発明における特に好ましい化合物(DD)の具体例としては、米国特許出願公開2012/0135348A1号明細書の段落[0475]に開示された化合物が挙げられるが、これに限定されない。
カチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)(以下、「化合物(DE)」ともいう。)は、カチオン部に窒素原子を含む塩基性部位を有する化合物であることが好ましい。塩基性部位は、アミノ基であることが好ましく、脂肪族アミノ基であることがより好ましい。塩基性部位中の窒素原子に隣接する原子の全てが、水素原子又は炭素原子であることが更に好ましい。また、塩基性向上の観点から、窒素原子に対して、電子求引性の官能基(カルボニル基、スルホニル基、シアノ基、及びハロゲン原子等)が直結していないことが好ましい。
化合物(DE)の好ましい具体例としては、米国特許出願公開2015/0309408A1号明細書の段落[0203]に開示された化合物が挙げられるが、これに限定されない。
化合物(DE)の好ましい具体例としては、米国特許出願公開2015/0309408A1号明細書の段落[0203]に開示された化合物が挙げられるが、これに限定されない。
酸拡散制御剤(D)の好ましい例を以下に示す。
また、本発明の組成物は、酸拡散制御剤(D)として、下記一般式(1B)で表される基を有する化合物を含有してもよい。
一般式(1B)中、A−は、−N−−SO2−RD、−COO−、−O−、又は−SO3 −を表す。但し、A−が、−SO3 −の場合、−SO3 −がフッ素原子を有する炭素原子、又は芳香環に直接結合する場合はない。
RDは、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の炭化水素基、又は、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基を表す。但し、これらの炭化水素基は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。X+は、オニウムカチオンを表す。
RDは、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の炭化水素基、又は、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基を表す。但し、これらの炭化水素基は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。X+は、オニウムカチオンを表す。
RDが示す炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等が挙げられる。
RDが示す炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
A−は、炭素原子と結合するのが好ましく、上記炭素原子は電子吸引性基(原子)を有さないことが好ましい。
RDが示す炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
A−は、炭素原子と結合するのが好ましく、上記炭素原子は電子吸引性基(原子)を有さないことが好ましい。
X+が示すオニウムカチオンとしては、例えば
トリフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、下記一般式(2B)で表されるスルホン基含有トリフェニルスルホニウムカチオン等のスルホニウムカチオン;
ジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオン等のヨードニウムカチオン;
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、及び1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等のテトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられる。
これらのうち、スルホニウムカチオンが好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン及び上記式(2B)で表されるスルホン基含有トリフェニルスルホニウムカチオンがより好ましい。
トリフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、下記一般式(2B)で表されるスルホン基含有トリフェニルスルホニウムカチオン等のスルホニウムカチオン;
ジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオン等のヨードニウムカチオン;
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、及び1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等のテトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられる。
これらのうち、スルホニウムカチオンが好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン及び上記式(2B)で表されるスルホン基含有トリフェニルスルホニウムカチオンがより好ましい。
上記一般式(2B)中、R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基である。なお、R6〜R8は、置換基(例えば置換基群T)を有していてもよい。
R6〜R8で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
R6〜R8で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等が挙げられる。
R6〜R8で表される炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基等が挙げられる。
R6〜R8で表される炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びブトキシ基等が挙げられる。
R6〜R8で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等が挙げられる。
R6〜R8で表される炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基等が挙げられる。
R6〜R8で表される炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びブトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(1B)で表される基を有する化合物としては、低分子化合物であっても、重合体であってもよいが、なかでも、下記一般式(3B)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(3B)中、R1は、水素原子又は1価の有機基である。A−及びX+は、上記式(1B)と同義である。
R1で表される1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、及び、炭素数3〜30の複素環式基等が挙げられる。これらの基は水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい。また、R1において、A−と結合する原子は炭素原子であることが好ましく、上記炭素原子は電子吸引性基(原子)を有さないことが好ましい。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び複素環式基が有する置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ラクトン基、及び、アルキルカルボニル基等が挙げられる。
以下に、上記一般式(3B)で表される化合物の具体例を挙げるが、上記一般式(3B)で表される化合物はこれに限定されない。
本発明の組成物において、酸拡散制御剤(D)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
組成物中、酸拡散制御剤(D)の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
組成物中、酸拡散制御剤(D)の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
露光部と未露光部でのコントラストにより優れ、被エッチング物のパターン均一性により優れる点で、本発明の組成物は、酸拡散制御剤(D)として、塩基性化合物、又は、上記一般式(1B)で表される基を有する化合物を含有することが好ましい。
<疎水性樹脂(E)>
本発明の組成物は、疎水性樹脂(E)を含んでいてもよい。なお、疎水性樹脂(E)は、樹脂(A)及び樹脂(B)とは異なる樹脂であることが好ましい。
本発明の組成物が、疎水性樹脂(E)を含むことにより、感活性光線性又は感放射線性膜の表面における静的/動的な接触角を制御できる。これにより、現像特性の改善、アウトガスの抑制、液浸露光における液浸液追随性の向上、及び液浸欠陥の低減等が可能となる。
疎水性樹脂(E)は、レジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
本発明の組成物は、疎水性樹脂(E)を含んでいてもよい。なお、疎水性樹脂(E)は、樹脂(A)及び樹脂(B)とは異なる樹脂であることが好ましい。
本発明の組成物が、疎水性樹脂(E)を含むことにより、感活性光線性又は感放射線性膜の表面における静的/動的な接触角を制御できる。これにより、現像特性の改善、アウトガスの抑制、液浸露光における液浸液追随性の向上、及び液浸欠陥の低減等が可能となる。
疎水性樹脂(E)は、レジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂(E)は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“ケイ素原子”、及び“樹脂の側鎖部分に含有されたCH3部分構造”からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含む場合、疎水性樹脂(E)における上記フッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含む場合、疎水性樹脂(E)における上記フッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(E)がフッ素原子を含む場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又はフッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂(E)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有することが好ましい。
(x)酸基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、極性変換基ともいう)
(z)酸の作用により分解する基
(x)酸基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、極性変換基ともいう)
(z)酸の作用により分解する基
酸基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、又はビス(アルキルカルボニル)メチレン基が好ましい。
酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、又はビス(アルキルカルボニル)メチレン基が好ましい。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(y)としては、例えば、ラクトン基、カルボン酸エステル基(−COO−)、酸無水物基(−C(O)OC(O)−)、酸イミド基(−NHCONH−)、カルボン酸チオエステル基(−COS−)、炭酸エステル基(−OC(O)O−)、硫酸エステル基(−OSO2O−)、及びスルホン酸エステル基(−SO2O−)等が挙げられ、ラクトン基又はカルボン酸エステル基(−COO−)が好ましい。
これらの基を含んだ繰り返し単位としては、例えば、樹脂の主鎖にこれらの基が直接結合している繰り返し単位であり、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等が挙げられる。この繰り返し単位は、これらの基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合していてもよい。又は、この繰り返し単位は、これらの基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に樹脂(A)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
これらの基を含んだ繰り返し単位としては、例えば、樹脂の主鎖にこれらの基が直接結合している繰り返し単位であり、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等が挙げられる。この繰り返し単位は、これらの基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合していてもよい。又は、この繰り返し単位は、これらの基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に樹脂(A)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、1〜100モル%が好ましく、3〜98モル%がより好ましく、5〜95モル%が更に好ましい。
疎水性樹脂(E)における、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、樹脂(A)で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、フッ素原子及びケイ素原子の少なくともいずれかを有していてもよい。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、1〜80モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜60モル%が更に好ましい。
疎水性樹脂(E)は、更に、上述した繰り返し単位とは別の繰り返し単位を有していてもよい。
疎水性樹脂(E)は、更に、上述した繰り返し単位とは別の繰り返し単位を有していてもよい。
フッ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、10〜100モル%が好ましく、30〜100モル%がより好ましい。また、ケイ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、10〜100モル%が好ましく、20〜100モル%がより好ましい。
一方、特に疎水性樹脂(E)が側鎖部分にCH3部分構造を含む場合においては、疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及びケイ素原子を実質的に含まない形態も好ましい。また、疎水性樹脂(E)は、炭素原子、酸素原子、水素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子のみによって構成された繰り返し単位のみで実質的に構成されることが好ましい。
疎水性樹脂(E)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましい。
疎水性樹脂(E)に含まれる残存モノマー及び/又はオリゴマー成分の合計含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。また、分散度(Mw/Mn)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3の範囲である。
疎水性樹脂(E)としては、公知の樹脂を、単独又はそれらの混合物として適宜に選択して使用することができる。例えば、米国特許出願公開2015/0168830A1号明細書の段落[0451]〜[0704]、及び、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0340]〜[0356]に開示された公知の樹脂を疎水性樹脂(E)として好適に使用できる。また、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0177]〜[0258]に開示された繰り返し単位も、疎水性樹脂(E)を構成する繰り返し単位として好ましい。
疎水性樹脂(E)を構成する繰り返し単位に相当するモノマーの好ましい例を以下に示す。
疎水性樹脂(E)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
表面エネルギーが異なる2種以上の疎水性樹脂(E)を混合して使用することが、液浸露光における液浸液追随性と現像特性の両立の観点から好ましい。
組成物中、疎水性樹脂(E)の含有量は、組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましい。
表面エネルギーが異なる2種以上の疎水性樹脂(E)を混合して使用することが、液浸露光における液浸液追随性と現像特性の両立の観点から好ましい。
組成物中、疎水性樹脂(E)の含有量は、組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましい。
<溶剤(F)>
本発明の組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
本発明の組成物においては、公知のレジスト溶剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0665]〜[0670]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0210]〜[0235]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0424]〜[0426]、及び、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0357]〜[0366]に開示された公知の溶剤を好適に使用できる。
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキル等の有機溶剤が挙げられる。
本発明の組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
本発明の組成物においては、公知のレジスト溶剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0665]〜[0670]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0210]〜[0235]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0424]〜[0426]、及び、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0357]〜[0366]に開示された公知の溶剤を好適に使用できる。
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキル等の有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤として、構造中に水酸基を有する溶剤と、水酸基を有さない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を有する溶剤、及び水酸基を有さない溶剤としては、前述の例示化合物を適宜選択できるが、水酸基を含む溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、又は乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、又は乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を有さない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を有していてもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、又は酢酸アルキル等が好ましく、これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、エチルエトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は2−ヘプタノンが更に好ましい。水酸基を有さない溶剤としては、プロピレンカーボネートも好ましい。
水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との混合比(質量比)は、1/99〜99/1であり、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜60/40がより好ましい。水酸基を有さない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が、塗布均一性の点で好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶剤でもよいし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤でもよい。
水酸基を有する溶剤、及び水酸基を有さない溶剤としては、前述の例示化合物を適宜選択できるが、水酸基を含む溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、又は乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、又は乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を有さない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を有していてもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、又は酢酸アルキル等が好ましく、これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、エチルエトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は2−ヘプタノンが更に好ましい。水酸基を有さない溶剤としては、プロピレンカーボネートも好ましい。
水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との混合比(質量比)は、1/99〜99/1であり、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜60/40がより好ましい。水酸基を有さない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が、塗布均一性の点で好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶剤でもよいし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤でもよい。
<界面活性剤(H)>
本発明の組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含む場合、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(具体的には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、又はフッ素原子とケイ素原子との両方を有する界面活性剤)が好ましい。
本発明の組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含む場合、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(具体的には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、又はフッ素原子とケイ素原子との両方を有する界面活性剤)が好ましい。
本発明の組成物が界面活性剤を含むことにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないパターンを得ることができる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.0001〜2質量%が好ましく、0.0005〜1質量%がより好ましい。
一方、界面活性剤の含有量が、組成物の全固形分に対して10ppm以上とすることにより、疎水性樹脂(E)の表面偏在性が上がる。それにより、感活性光線性又は感放射線性膜の表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性が向上する。
本発明の組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.0001〜2質量%が好ましく、0.0005〜1質量%がより好ましい。
一方、界面活性剤の含有量が、組成物の全固形分に対して10ppm以上とすることにより、疎水性樹脂(E)の表面偏在性が上がる。それにより、感活性光線性又は感放射線性膜の表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性が向上する。
(その他の添加剤)
本発明の組成物は、更に、酸増殖剤、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤、又は溶解促進剤等を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、更に、酸増殖剤、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤、又は溶解促進剤等を含んでいてもよい。
<調製方法>
本発明の組成物の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であることが好ましく、2.0〜5.7質量%がより好ましく、2.0〜5.3質量%が更に好ましい。固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
本発明の組成物の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であることが好ましく、2.0〜5.7質量%がより好ましく、2.0〜5.3質量%が更に好ましい。固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
なお、パターン形成に際して、レジスト膜の膜厚は、解像力向上の観点から、300nm以下が好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性又は製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは上記混合溶剤に溶解し、これをフィルター濾過した後、所定の支持体(基板)上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.03μm以下が更に好ましい。このフィルターは、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又はナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば日本国特許出願公開第2002−62667号明細書(特開2002−62667)に開示されるように、循環的な濾過を行ってもよく、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ってもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理等を行ってもよい。
〔電子デバイスの製造方法〕
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法にも関する。本発明の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイスは、電気電子機器(例えば、家電、OA(Office Automation)関連機器、メディア関連機器、光学用機器、及び通信機器等)に、好適に搭載される。
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法にも関する。本発明の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイスは、電気電子機器(例えば、家電、OA(Office Automation)関連機器、メディア関連機器、光学用機器、及び通信機器等)に、好適に搭載される。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製〕
以下に、第2表に示す感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれる各種成分を示す。
以下に、第2表に示す感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれる各種成分を示す。
<酸分解性樹脂>
第2表に示される樹脂(P−1〜P−13)は、以下に示す樹脂を用いた。
また、第1表に、樹脂P−1〜P−13における繰り返し単位の組成比(モル比率)、重量平均分子量(Mw)、及び分散度(Mw/Mn)、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位中の脱離基の分子量、及び、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位中のSi原子の含有量(質量%)を示す。
また、樹脂P−6〜P−9は、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位以外の「他の酸分解性基を有する繰り返し単位」を有する樹脂に相当する。第1表に、上記「他の酸分解性基を有する繰り返し単位」の大西パラメーターを併せて示す。
なお、樹脂P−1〜P−13の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)はGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定した(ポリスチレン換算量である)。また、樹脂の組成比(モル%比)は、13C−NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した。
第2表に示される樹脂(P−1〜P−13)は、以下に示す樹脂を用いた。
また、第1表に、樹脂P−1〜P−13における繰り返し単位の組成比(モル比率)、重量平均分子量(Mw)、及び分散度(Mw/Mn)、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位中の脱離基の分子量、及び、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位中のSi原子の含有量(質量%)を示す。
また、樹脂P−6〜P−9は、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位以外の「他の酸分解性基を有する繰り返し単位」を有する樹脂に相当する。第1表に、上記「他の酸分解性基を有する繰り返し単位」の大西パラメーターを併せて示す。
なお、樹脂P−1〜P−13の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)はGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定した(ポリスチレン換算量である)。また、樹脂の組成比(モル%比)は、13C−NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した。
<光酸発生剤>
第2表に示される光酸発生剤の構造を以下に示す。
第2表に示される光酸発生剤の構造を以下に示す。
<酸拡散制御剤>
第2表に示される酸拡散制御剤の構造を以下に示す。
第2表に示される酸拡散制御剤の構造を以下に示す。
<溶剤>
第2表に示される溶剤を以下に示す。
SL−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
SL−3: シクロヘキサノン
SL−4: γ−ブチロラクトン
SL−5: プロピオンカーボネート
第2表に示される溶剤を以下に示す。
SL−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
SL−3: シクロヘキサノン
SL−4: γ−ブチロラクトン
SL−5: プロピオンカーボネート
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製>
第2表に示した各成分を固形分濃度が4質量%となるように混合した。次いで、得られた混合液を、0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルター濾過することにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−1)〜(Ar−13)を調製した。なお、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物において、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。得られた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、実施例及び比較例で使用した。なお、後述する実施例1〜11、及び、比較例1で用いられる組成物は、化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に該当する。後述する比較例2で用いられる組成物は、特許文献2に記載されたレジスト組成物に相当し、化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には該当しない。
第2表に示した各成分を固形分濃度が4質量%となるように混合した。次いで、得られた混合液を、0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルター濾過することにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−1)〜(Ar−13)を調製した。なお、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物において、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。得られた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、実施例及び比較例で使用した。なお、後述する実施例1〜11、及び、比較例1で用いられる組成物は、化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に該当する。後述する比較例2で用いられる組成物は、特許文献2に記載されたレジスト組成物に相当し、化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には該当しない。
〔パターン形成及び各種評価〕
1.実施例1〜11、比較例1〜2
<パターン形成:EUV露光、ドライ現像>
(レジスト膜の形成)
シリコンウエハ上に、塗布により、スピンオンカーボン材料(Brewer製)を含有する塗膜を形成した後、240℃で60秒間ベークし、被エッチング物である膜厚200nmのSOC膜(下層膜)を形成した。得られたSOC膜上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−1)〜(Ar−13)を塗布して塗膜を形成した後、100℃で60秒間ベークを行うことにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
1.実施例1〜11、比較例1〜2
<パターン形成:EUV露光、ドライ現像>
(レジスト膜の形成)
シリコンウエハ上に、塗布により、スピンオンカーボン材料(Brewer製)を含有する塗膜を形成した後、240℃で60秒間ベークし、被エッチング物である膜厚200nmのSOC膜(下層膜)を形成した。得られたSOC膜上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−1)〜(Ar−13)を塗布して塗膜を形成した後、100℃で60秒間ベークを行うことにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
(露光工程(EUV露光))
このレジスト膜に対して、EUV露光機(ASML社製;NXE3350、NA0.33、Dipole 90°、アウターシグマ0.87、インナーシグマ0.35)を用い、ピッチが44nm且つ線幅が22nmの反射型マスクを介して、パターン露光を行った。
このレジスト膜に対して、EUV露光機(ASML社製;NXE3350、NA0.33、Dipole 90°、アウターシグマ0.87、インナーシグマ0.35)を用い、ピッチが44nm且つ線幅が22nmの反射型マスクを介して、パターン露光を行った。
(露光後加熱(PEB)工程)
露光後、第3表に記載の条件で露光後加熱工程を実施した。
露光後、第3表に記載の条件で露光後加熱工程を実施した。
(ドライ現像工程)
露光したレジスト膜をTactras Vigas(東京エレクトロン製)を用い、下記エッチング条件にてエッチングを実施した。エッチングにより、レジスト膜の露光部、及び上記露光部の除去により形成される開口部に位置するSOC膜(下層膜)が除去される。つまり、上記エッチング工程は、ドライ現像工程を兼ねている。なお、エッチング時間は60秒間とした。この結果、ライン幅約22nm、及びスペース幅22nmのLS(ラインスペース)パターンが得られた。
≪エッチング条件≫
・エッチングガス:O2
・圧力:20mTorr
・印加パワー:100mW/cm2
露光したレジスト膜をTactras Vigas(東京エレクトロン製)を用い、下記エッチング条件にてエッチングを実施した。エッチングにより、レジスト膜の露光部、及び上記露光部の除去により形成される開口部に位置するSOC膜(下層膜)が除去される。つまり、上記エッチング工程は、ドライ現像工程を兼ねている。なお、エッチング時間は60秒間とした。この結果、ライン幅約22nm、及びスペース幅22nmのLS(ラインスペース)パターンが得られた。
≪エッチング条件≫
・エッチングガス:O2
・圧力:20mTorr
・印加パワー:100mW/cm2
<SOC膜(下層膜)のパターン均一性評価>
次いで、上記エッチングを実施後のSOC膜(下層膜)を、断面SEM(Scanning Electron Microscope、日立社製S4800)によって観察し、エッチング後の被エッチング物であるSOC膜(下層膜)のパターン均一性を下記基準にて評価した。なお、下記評価基準において、「底部」とは、SOC膜とシリコンウエハとの界面を意図する。結果を第3表に示す。
「A」:観察されたパターンのうち100%が底部までエッチングされている。
「B」:観察されたパターンのうち50〜99%が底部までエッチングされている。
「C」:観察されたパターンのうち1〜49%が底部までエッチングされている。
「D」:パターンが形成されていない。
次いで、上記エッチングを実施後のSOC膜(下層膜)を、断面SEM(Scanning Electron Microscope、日立社製S4800)によって観察し、エッチング後の被エッチング物であるSOC膜(下層膜)のパターン均一性を下記基準にて評価した。なお、下記評価基準において、「底部」とは、SOC膜とシリコンウエハとの界面を意図する。結果を第3表に示す。
「A」:観察されたパターンのうち100%が底部までエッチングされている。
「B」:観察されたパターンのうち50〜99%が底部までエッチングされている。
「C」:観察されたパターンのうち1〜49%が底部までエッチングされている。
「D」:パターンが形成されていない。
2.比較例3
<パターン形成:EUV露光、溶剤現像>
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物Ar−1を用いて、下記パターン形成方法によりパターンを形成し、得られたパターンに基づいてSOC膜(下層膜)のエッチングを実施した。
<パターン形成:EUV露光、溶剤現像>
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物Ar−1を用いて、下記パターン形成方法によりパターンを形成し、得られたパターンに基づいてSOC膜(下層膜)のエッチングを実施した。
(レジスト膜の形成)
シリコンウエハ上に、塗布により、スピンオンカーボン材料(Brewer製)を含有する塗膜を形成した後、240℃で60秒間ベークし、被エッチング物である膜厚200nmのSOC膜(下層膜)を形成した。得られたSOC膜上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−1)を塗布して塗膜を形成した後、100℃で60秒間ベークを行うことにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
シリコンウエハ上に、塗布により、スピンオンカーボン材料(Brewer製)を含有する塗膜を形成した後、240℃で60秒間ベークし、被エッチング物である膜厚200nmのSOC膜(下層膜)を形成した。得られたSOC膜上に、調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−1)を塗布して塗膜を形成した後、100℃で60秒間ベークを行うことにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
(露光工程(EUV露光))
このレジスト膜に対して、EUV露光機(ASML社製;NXE3350、NA0.33、Dipole 90°、アウターシグマ0.87、インナーシグマ0.35)を用い、ピッチが44nm且つ線幅が22nmの反射型マスクを介して、パターン露光を行った。
このレジスト膜に対して、EUV露光機(ASML社製;NXE3350、NA0.33、Dipole 90°、アウターシグマ0.87、インナーシグマ0.35)を用い、ピッチが44nm且つ線幅が22nmの反射型マスクを介して、パターン露光を行った。
(露光後加熱(PEB)工程)
露光後、第3表に記載の条件で露光後加熱工程を実施した。
露光後、第3表に記載の条件で露光後加熱工程を実施した。
(溶剤現像工程)
次に、露光後加熱(PEB)工程を経たレジスト膜を、酢酸ブチルで30秒間現像し、その後、これをスピン乾燥した。
次に、露光後加熱(PEB)工程を経たレジスト膜を、酢酸ブチルで30秒間現像し、その後、これをスピン乾燥した。
(エッチング工程)
上記と同様の方法により、被エッチング物のエッチングを実施した。エッチングにより、レジスト膜の露光部をマスクとして、開口部(未露光部)に位置するSOC膜(下層膜)が除去される。なお、エッチング時間は60秒間とした。この結果、ライン幅約22nm、及びスペース幅22nmのLS(ラインスペース)パターンが得られた。
上記と同様の方法により、被エッチング物のエッチングを実施した。エッチングにより、レジスト膜の露光部をマスクとして、開口部(未露光部)に位置するSOC膜(下層膜)が除去される。なお、エッチング時間は60秒間とした。この結果、ライン幅約22nm、及びスペース幅22nmのLS(ラインスペース)パターンが得られた。
<SOC膜(下層膜)のパターン均一性評価>
上記と同様の方法により、被エッチング物であるSOC膜(下層膜)のパターン均一性評価を実施した。結果を第3表に示す。
上記と同様の方法により、被エッチング物であるSOC膜(下層膜)のパターン均一性評価を実施した。結果を第3表に示す。
実施例1〜11の結果から、本発明のパターン形成方法によれば、優れたパターン均一性を有する被エッチング物を形成できることが確認された。
一方、比較例1の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−12)を用いた場合には、脱離基の揮発性に劣り、この結果、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差が小さくなり、所望の効果が発現しないことが確認された。また、比較例2の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−13)を用いた場合には、化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物ではないため、所望の効果が発現しないことが確認された。また、比較例3では現像工程としてドライ現像ではなく溶剤現像を実施したことにより、所望の効果が発現しなかったものと推測された。
一方、比較例1の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−12)を用いた場合には、脱離基の揮発性に劣り、この結果、露光部と未露光部とのSi原子の含有量の差が小さくなり、所望の効果が発現しないことが確認された。また、比較例2の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(Ar−13)を用いた場合には、化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物ではないため、所望の効果が発現しないことが確認された。また、比較例3では現像工程としてドライ現像ではなく溶剤現像を実施したことにより、所望の効果が発現しなかったものと推測された。
また、実施例1〜9の対比、及び実施例10と11の対比から、脱離基の分子量が110以下の場合(好ましくは、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位中のSi原子の含有量が12.0質量%以上であり、且つ、上記脱離基の分子量が110以下の場合)、被エッチング物のパターン均一性がより優れることが確認された。
また、酸分解性樹脂が、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位以外の、他の酸分解性基を有する繰り返し単位を有する場合には、実施例6及び実施例7の対比から、他の酸分解性基を有する繰り返し単位中の酸分解性基の大西パラメーターが4.0以下(好ましくは3.0以下)である場合、被エッチング物のパターン均一性がより優れることが確認された。
また、実施例5、7、8、9の対比から、酸分解性樹脂が、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位以外の、他の酸分解性基を有する繰り返し単位を有する場合、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位の含有量が全繰り返し単位に対して50質量%以上である場合、被エッチング物のパターン均一性がより優れることが確認された。
また、実施例5、7、8、9の対比から、酸分解性樹脂が、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位以外の、他の酸分解性基を有する繰り返し単位を有する場合、Si原子を含有する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位の含有量が全繰り返し単位に対して50質量%以上である場合、被エッチング物のパターン均一性がより優れることが確認された。
3.実施例1’〜11’
<パターン形成:ArF露光、ドライ現像>
実施例1〜11のパターン形成において露光工程を下記条件のArF露光とした以外は同様の方法により、実施例1’〜11’のパターン形成をそれぞれ実施した。
<パターン形成:ArF露光、ドライ現像>
実施例1〜11のパターン形成において露光工程を下記条件のArF露光とした以外は同様の方法により、実施例1’〜11’のパターン形成をそれぞれ実施した。
(ArF露光)
レジスト膜厚を500nmとし、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole、アウターシグマ0.980、インナーシグマ0.89、Y偏向)を用い、ピッチが100nm且つ線幅が50nmのクロムのハーフトーンマスクを介して、パターン露光を行った以外は同様の操作を行い、ライン幅約50nm、スペース幅50nmのLSパターンが得られた。
レジスト膜厚を500nmとし、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole、アウターシグマ0.980、インナーシグマ0.89、Y偏向)を用い、ピッチが100nm且つ線幅が50nmのクロムのハーフトーンマスクを介して、パターン露光を行った以外は同様の操作を行い、ライン幅約50nm、スペース幅50nmのLSパターンが得られた。
<SOC膜(下層膜)のパターン均一性評価>
上記と同様の方法により、SOC膜(下層膜)のパターン均一性評価を実施した。
この結果、露光工程をArF露光とした実施例1’〜11’についても、実施例1〜11と同様の結果が得られた。
上記と同様の方法により、SOC膜(下層膜)のパターン均一性評価を実施した。
この結果、露光工程をArF露光とした実施例1’〜11’についても、実施例1〜11と同様の結果が得られた。
Claims (9)
- 化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された前記レジスト膜を加熱する露光後加熱工程と、
加熱された前記レジスト膜をドライ現像する現像工程と、を含む、パターン形成方法であって、
前記化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、
酸の作用により分解して極性が増大する基を有する樹脂と、
光酸発生剤と、を含有し、
前記酸の作用により分解して極性が増大する基は、極性基が、酸の作用により脱離する脱離基で保護された構造を有し、
前記脱離基はSi原子を含有し、前記脱離基の分子量は500以下である、パターン形成方法。 - 前記酸の作用により分解して極性が増大する基が、下記一般式(a)で表される構造、又は下記一般式(b)で表される構造を有する、請求項1に記載のパターン形成方法。
一般式(a)及び一般式(b)中、Ps1及びPs2は、それぞれ独立に、酸の作用により脱離する、Si原子を含有し分子量が500以下の脱離基を表す。*は結合位置を表す。 - 前記樹脂が、下記一般式(1A)で表される繰り返し単位、又は、下記一般式(2A)で表される繰り返し単位を有する、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
一般式(1A)中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。Ps1は、酸の作用により脱離する、Si原子を含有し分子量が500以下の脱離基であって、下記一般式(1A−1)で表される基である。
*−L1−X1 (1A−1)
一般式(1A−1)中、L1は、2価の連結基を表す。X1は、Si原子を含有する有機基を表す。*は、結合位置を表す。
一般式(2A)中、R2は、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。Ps2は、酸の作用により脱離する、Si原子を含有し分子量が500以下の脱離基であって、下記一般式(2A−1)で表される基である。
*−L2−X2 (2A−1)
一般式(2A−1)中、L2は、単結合又は2価の連結基を表す。X2は、Si原子を含有する有機基を表す。*は、結合位置を表す。 - 前記X1が、下記一般式(1A−2)で表される有機基である、請求項3に記載のパターン形成方法。
*−O−L3−Si(R3)3 (1A−2)
一般式(1A−2)中、L3は、単結合又は2価の連結基を表す。R3は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*は、結合位置を表す。 - 前記X2が、下記一般式(2A−2)で表される有機基である、請求項3に記載のパターン形成方法。
*−L4−L5−Si(R4)3 (2A−2)
一般式(2A−2)中、L4は、単結合又は酸素原子を表す。L5は、単結合又は2価の連結基を表す。R4は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*は、結合位置を表す。 - 前記一般式(1A)で表される繰り返し単位、又は、前記一般式(2A)で表される繰り返し単位中のSi原子の含有量が12.0質量%以上である、請求項3〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記脱離基の分子量が、110以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記化学増幅型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、更に、塩基性化合物、又は、下記一般式(1B)で表される基を有する化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
一般式(1B)中、A−は、−N−−SO2−RD、−COO−、−O−、又は−SO3 −を表す。但し、A−が、−SO3 −の場合、−SO3 −がフッ素原子を有する炭素原子、又は芳香環に直接結合する場合はない。
RDは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基を表す。但し、これらの炭化水素基は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。X+は、オニウムカチオンを表す。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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