JP2020094841A - トーショナルダンパの特性変化判定装置 - Google Patents

トーショナルダンパの特性変化判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化の程度を判定することができるトーショナルダンパの特性変化判定装置を提供する。【解決手段】車両走行中におけるトーショナルダンパ18の負荷Linを積算した累積負荷Xが算出され、その累積負荷Xが判定値A(第1閾値)よりも大きい場合において、インプットシャフト20における入力トルク変動量ΔTinが判定値C(第2閾値)よりも大きいとき又はインプットシャフト20における回転速度変動量ΔNinが判定値D(第2閾値)よりも大きいとき、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定されて特性変化フラグが初期値「0」から「1」に設定変更される。【選択図】図6

Description

本発明は、車両用のトーショナルダンパの初期特性からの特性変化を判定する特性変化判定装置に関するものである。
エンジンのクランクシャフトと駆動輪に連結された動力伝達機構である差動機構のインプットシャフトとの間に設けられたトーショナルダンパの制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のトーショナルダンパの制御装置がそれである。特許文献1に記載のトーショナルダンパの制御装置では、トーショナルダンパのヒステリシストルクなどの特性を学習することが開示されている。
特開2018−79849号公報
一般に、車両において減速を得るためにエンジンブレーキ走行が行われるが、そのエンジンブレーキ走行においてエンジンのピストンの往復運動によるトルク変動が発生する。このエンジンによるトルク変動はトーショナルダンパによって減衰され、それにより動力伝達機構内で発生する異音が抑制される。トーショナルダンパにおいては、走行中の累積負荷によって摩擦材の摩耗が大きくなったり回転時の遠心力による部品の摺動によって摩擦が生じる表面積が増えたりすることで、トーショナルダンパのヒステリシストルクが増加するという特性変化(経年変化)が生じる。このため、特に減速を得たい高車速走行時や距離の長い下り坂において、エンジン高回転時にはトーショナルダンパにかかる遠心力が大きくなることで摺動部品の摩擦力が大きくなってトーショナルダンパの減衰性能(振動吸収性能)が大きく低下する。これにより、動力伝達機構内で発生する異音を想定範囲内に抑制できなくなるという問題があった。特許文献1に記載のトーショナルダンパの制御装置においては、こうしたトーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化(経年変化)に着眼するものではない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、トーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化の程度を判定することができるトーショナルダンパの特性変化判定装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、エンジンのクランクシャフトと駆動輪に連結された動力伝達機構のインプットシャフトとの間に設けられたトーショナルダンパの特性変化判定装置において、(a)車両走行中における前記トーショナルダンパの負荷を積算した累積負荷を算出する累積負荷算出部と、(b)前記インプットシャフトにおける入力トルク及び回転速度の少なくとも一方の変動量を取得する変動量取得部と、(c)前記累積負荷算出部により算出された前記累積負荷が第1閾値よりも大きく、且つ、前記変動量取得部により取得された前記変動量が第2閾値よりも大きいときに、前記トーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定する判定部と、を備えることにある。
本発明によれば、(a)車両走行中における前記トーショナルダンパの負荷を積算した累積負荷を算出する累積負荷算出部と、(b)前記インプットシャフトにおける入力トルク及び回転速度の少なくとも一方の変動量を取得する変動量取得部と、(c)前記累積負荷算出部により算出された前記累積負荷が第1閾値よりも大きく、且つ、前記変動量取得部により取得された前記変動量が第2閾値よりも大きいときに、前記トーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定する判定部と、が備えられる。このような構成によりトーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化の程度を判定することができる。
ここで、好適には本発明において、(a)第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を有する差動機構において、電動機が前記第1回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2回転要素に連結され、前記駆動輪が前記第3回転要素に連結され、(b)前記トーショナルダンパが前記エンジンと前記差動機構との間の動力伝達経路上に介挿されており、(c)エンジン回転速度は前記電動機の回転速度により制御可能である。このような差動機構を有するハイブリッド車両においても、エンジン走行でのトーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化の程度を判定することができる。さらに好適には、前記差動機構は、遊星歯車装置で構成されている。
本発明の実施例に係るトーショナルダンパの特性変化判定装置が搭載されたハイブリッド車両の構成を説明する骨子図であると共に、特性変化判定装置の判定機能の要部を説明する機能ブロック図である。 図1に示すトーショナルダンパの減衰性能の悪化について説明する図である。 図1に示すトーショナルダンパのヒステリシストルクによる振動の周波数と伝達率との関係を示す図である。 図1に示すトーショナルダンパの経年変化後の捩り特性を説明する図であって、ヒステリシスがトーショナルダンパの回転速度によって変化することを説明するものである。 図1に示すトーショナルダンパから伝達されるインプットシャフトにおける入力トルク変動量の経年変化について説明する図である。 図1に示すトーショナルダンパの特性変化判定装置における判定方法を説明するフローチャートの一例である。
本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の実施例に係るトーショナルダンパ18の特性変化判定装置90が搭載されたハイブリッド車両10の構成を説明する骨子図であると共に、特性変化判定装置90の判定機能の要部を説明する機能ブロック図である。
まず、図1に基づいてハイブリッド車両10(以下、「車両10」と記す場合がある。)の構成を説明する。車両10は、例えばFF方式(フロントエンジン・フロントドライブ)の車両である。車両10は、エンジン12、トーショナルダンパ18、インプットシャフト20、差動機構22、カウンタギヤ対30、ファイナルギヤ対32、デフ36、一対のドライブシャフト38、第1電動機MG1、第2電動機MG2、摩擦機構40、リダクションギヤ42、及び一対の駆動輪50を備える。
エンジン12は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関であって走行用の駆動源である。エンジン12のクランクシャフト14は、慣性によって一定のスピードで回らせる働きを有するフライホイール16に連結されている。
トーショナルダンパ18は、フライホイール16とインプットシャフト20との間の動力伝達経路上に介挿されている。トーショナルダンパ18は、エンジン12から伝達される動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)の回転変動を吸収して捩り振動を抑える機能を有し、スプリング18a及び摩擦機構18bを機能的に備える。トーショナルダンパ18は、伝達されるトルク(捩りトルク)に応じて摩擦機構18bが適宜捩られることで、トルク変動を吸収する機能を有している。例えば、トーショナルダンパ18は、フライホイール16におけるクランクシャフト14に連結された一方の回転要素とインプットシャフト20を介して差動機構22に連結された他方の回転要素との間に、スプリング18a及び摩擦機構18bが介在させられることでフライホイール16と一体的に構成されても良い。
差動機構22は、シングルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されている。この遊星歯車装置は、サンギヤS1、ピニオンP1、そのピニオンP1を自転及び公転可能に支持するキャリアCA1、及びピニオンP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を回転要素として備える。差動機構22の遊星歯車装置において、キャリアCA1はインプットシャフト20を介してエンジン12に連結され、サンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、リングギヤR1はカウンタドライブギヤ24を介して駆動輪50に連結されている。このように構成された差動機構22は、その遊星歯車装置の3つの回転要素であるサンギヤS1(第1回転要素)、キャリアCA1(第2回転要素)、及びリングギヤR1(第3回転要素)がそれぞれ相互に相対回転可能とされる。
エンジン12からトーショナルダンパ18を介して差動機構22のキャリアCA1に伝達された動力は、その差動機構22によって第1電動機MG1及びカウンタドライブギヤ24に分配される。第1電動機MG1の回転速度が制御されると、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne[rpm]が無段階に変速されてカウンタドライブギヤ24から出力される。すなわち、差動機構22及び第1電動機MG1は、電気式無段変速機として機能する。変速機として機能する差動機構22は、エンジン12の動力がインプットシャフト20を介して入力され、カウンタドライブギヤ24を介して駆動輪50に動力を伝達する。なお、エンジン12から出力された動力の一部によって第1電動機MG1で発生させられた電気エネルギーにより、不図示の蓄電装置が蓄電されたり第2電動機MG2が回転駆動されたりする。また、差動機構22は、本発明における「動力伝達機構」に相当する。
カウンタドライブギヤ24及びカウンタドリブンギヤ26は、互いに噛み合ってカウンタギヤ対30を構成する。カウンタドリブンギヤ26及びデフリングギヤ28は、互いに噛み合ってファイナルギヤ対32を構成する。デフ36は周知のディファレンシャルギヤである。デフ36には、カウンタギヤ対30及びファイナルギヤ対32を介してエンジン12から出力された動力が伝達される。デフ36は一対の駆動輪50のそれぞれに連結された一対のドライブシャフト38に適宜差回転を与えつつ動力を伝達する。
第2電動機MG2は、摩擦機構40を介してリダクションギヤ42に動力を伝達する。リダクションギヤ42及びカウンタドリブンギヤ26は互いに噛み合っており、リダクションギヤ42に伝達された動力はカウンタドリブンギヤ26、ファイナルギヤ対32、及びデフ36を介して一対の駆動輪50に伝達されるように構成されている。
特性変化判定装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を有する所謂マイクロコンピュータを備えて構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。特性変化判定装置90は、トーショナルダンパ18の経年変化による特性変化を判定する機能を有する。特性変化判定装置90には、例えばクランクシャフト14に設けられた回転速度センサ60及び回転角センサ62によりそれぞれ検出されたエンジン回転速度Ne[rpm]及びクランクシャフト14の回転位置である回転角度θcrk[rad]を表す信号が供給され、インプットシャフト20に設けられた回転速度センサ64及び回転角センサ66によりそれぞれ検出されたインプットシャフト20における入力軸回転速度Nin[rpm]及びインプットシャフト20の回転位置である回転角度θin[rad]を表す信号が供給される。特性変化判定装置90からは、例えばインストルメントパネル70への告知制御を行う告知制御信号Snが出力される。
図2は、図1に示すトーショナルダンパ18の減衰性能の悪化について説明する図である。横軸が時間t[s]、縦軸がエンジントルクTe[Nm]又は入力トルクTin[Nm]を示している。図2の(a)及び(b)は、それぞれトーショナルダンパ18が初期特性(車両10の使用開始時における特性)及び経年変化後の特性の場合である。図2は、エンジン12のエンジントルクTeがトーショナルダンパ18に伝達され、トーショナルダンパ18からインプットシャフト20に入力トルクTinが伝達される場合である。
エンジントルクTeは、トルク中心値Te_c[Nm]を中心(基準)にして変動し、その最大値と最小値とがエンジントルク変動量ΔTe[Nm]だけ変動周期T1[s]で変動している。トルク中心値Te_cは、所謂エンジントルクTeのDCトルクであり、エンジントルク変動量ΔTeは、所謂エンジントルクTeのACトルクである。これは、前述のエンジン12のピストンの往復運動によるトルク変動に起因する。
入力トルクTinは、トルク中心値Tin_c[Nm]を中心(基準)にして変動し、その最大値と最小値とが入力トルク変動量ΔTin[Nm]だけ変動周期T1で変動する。トルク中心値Tin_cは、所謂入力トルクTinのDCトルクであり、入力トルク変動量ΔTinは、所謂入力トルクTinのACトルクである。トルク中心値Tin_cはトルク中心値Te_cと同値であるが、トーショナルダンパ18による減衰効果(振動吸収効果)のため入力トルク変動量ΔTinはエンジントルク変動量ΔTeよりも小さい。ここで、トーショナルダンパ18による減衰比を「ΔTin/ΔTe」とする。図2に示すように、減衰比は、初期特性の場合の方が経年変化後の特性の場合に比較して小さい。すなわち、初期特性の場合に比較して経年変化後の特性の場合には、トーショナルダンパ18はエンジントルク変動量ΔTeをあまり減衰させない入力トルク変動量ΔTinの入力トルクTinをインプットシャフト20に伝達する。そのため、経年変化後は動力伝達機構内での異音の発生が抑制されにくくなる。なお、トルク中心値Tin_cは、本発明における「入力トルク」に相当し、入力トルク変動量ΔTinは、本発明における「インプットシャフトにおける入力トルクの変動量」に相当する。以下、本明細書では特に区別しない場合には、エンジントルクTeはトルク中心値Te_cを意味するものとし、入力トルクTinはトルク中心値Tin_cを意味するものとする。
なお、エンジン回転速度Neは、回転速度中心値Ne_c[rpm]を中心(基準)にして変動し、その最大値と最小値とが回転速度変動量ΔNe[rpm]だけ変動周期T1[s]で変動している。入力軸回転速度Ninは、回転速度中心値Nin_c[rpm]を中心(基準)にして変動し、その最大値と最小値とが回転速度変動量ΔNin[rpm]だけ変動周期T1で変動する。回転速度中心値Nin_cは回転速度中心値Ne_cと同値であるが、トーショナルダンパ18による減衰効果のため回転速度変動量ΔNinは回転速度変動量ΔNeよりも小さい。また、初期特性の場合に比較して経年変化後の特性の場合には、トーショナルダンパ18は回転速度変動量ΔNeをあまり減衰させない回転速度変動量ΔNinの入力軸回転速度Ninをインプットシャフト20に伝達する。そのため、経年変化後は動力伝達機構内での異音の発生が抑制されにくくなる。なお、回転速度中心値Nin_cは、本発明における「回転速度」に相当し、回転速度変動量ΔNinは、本発明における「インプットシャフトにおける回転速度の変動量」に相当する。以下、本明細書では特に区別しない場合には、エンジン回転速度Neは回転速度中心値Ne_cを意味するものとし、入力軸回転速度Ninは回転速度中心値Nin_cを意味するものとする。また、前述の回転速度センサ60、回転角センサ62、回転速度センサ64、及び回転角センサ66のサンプリング周期は、例えば回転速度変動量ΔNe、Δエンジントルク変動量ΔTe、回転速度変動量ΔNin、及び入力トルク変動量ΔTinが取得可能なように変動周期T1のよりも短い周期に設定されている。
図3は、図1に示すトーショナルダンパ18のヒステリシストルク(以下、「ヒステリシス」とも記す。)による振動の周波数f[Hz]と伝達率TR[dB]との関係を示す図である。図3では、トーショナルダンパ18の初期状態(車両10の使用開始時における状態)におけるヒステリシスが小さい特性が実線で表され、経年変化後のヒステリシスが大きい特性が破線で表されている。車両10において減速を得るためにエンジンブレーキ走行が行われる際に、エンジン12のピストンの往復運動によるトルク変動が発生する。そのトルク変動がトーショナルダンパ18によって減衰されることで、例えば変速機のような動力伝達機構内で発生する異音が抑制されている。そのようにトルク変動を減衰させるために、初期状態では、トーショナルダンパ18の捩り剛性が小さくされ、そのヒステリシス(弾性ヒステリシス)が小さくされている。しかし、トーショナルダンパ18は、走行中の負荷によって摩擦材の摩耗が大きくなったり回転時の遠心力による部品の摺動によって摩擦が生じる表面積が増えたりすることで、トーショナルダンパ18のヒステリシスが増加するという特性変化(経年変化)が生じる。特に減速を得たい高車速走行時や距離の長い下り坂においてエンジン回転速度Neが高いときは、トーショナルダンパ18の内部部品にかかる遠心力が大きくなることで、摺動部品の摩擦力が大きくなってヒステリシスが大きくなりトーショナルダンパ18の減衰特性が大きく低下する。ヒステリシスの増加により、振動の周波数fが高い領域において、想定していた減衰性能が得られず、動力伝達機構内でのガタ打ちに起因した許容外の異音が発生するおそれがある。具体的には、図3においてヒステリシスの大きい特性を表す破線がヒステリシスの小さい特性を表す実線よりも伝達率TRが大きい周波数領域(高周波領域)では、経年変化後の方が初期状態に比べて振動が大きく伝達され動力伝達機構内でのガタ打ちに起因した許容外の異音が発生しやすい。なお、ヒステリシスの大きい特性を表す破線がヒステリシスの小さい特性を表す実線よりも伝達率TRが小さい周波数領域(低周波領域)では、経年変化後の方が初期状態に比べて振動が小さく伝達され動力伝達機構内でのガタ打ちに起因した許容外の異音が発生しにくい。
図4は、図1に示すトーショナルダンパ18の経年変化後の捩り特性を説明する図であって、ヒステリシスがトーショナルダンパ18の回転速度によって変化することを説明するものである。なお、図4では、横軸がトーショナルダンパ18の捩れ角θt[rad]を示し、縦軸がトルク[Nm]を示している。
図4に示すように、捩れ角θtが正方向(正側)の捩れ角領域はエンジン12側からインプットシャフト20側にトルク(動力)が伝達される領域であり、捩れ角θtが負方向(負側)の捩れ角領域はインプットシャフト20側からエンジン12側にトルクが伝達される領域である。図4(a)、(b)、(c)、及び(d)は、それぞれトーショナルダンパ18の回転速度が0[rpm]、1000[rpm]、3000[rpm]、及び5000[rpm]における捩り特性である。ここで、ヒステリシスは、捩れ角θtの増加時と減少時とのトルクの偏差である。また、ヒステリシス壁は、捩れ角θtが負から正へ変化するときに捩れ角θtの変化量に対してトルクが急激に増加する特性領域におけるトルクの偏差及び捩れ角θtが正から負へ変化するときに捩れ角θtの変化量に対してトルクが急激に減少する特性領域におけるトルクの偏差である。図4に示すように、回転速度1000[rpm]では、ヒステリシス及びヒステリシス壁が静特性である回転速度0[rpm]の場合とほぼ変わらないが、回転速度が3000[rpm]及び5000[rpm]では、ヒステリシス及びヒステリシス壁が静特性である回転速度0[rpm]の場合に比較して大きい。そして、回転速度5000[rpm]では、ヒステリシス及びヒステリシス壁が回転速度3000[rpm]の場合に比較して大きい。このように、トーショナルダンパ18の回転速度が高くなるに従ってヒステリシス及びヒステリシス壁は大きくなる。したがって、特にトーショナルダンパ18の回転速度と略同じであるエンジン回転速度Neが高回転時において、ヒステリシス壁が形成されている特性領域にてトルクが変化しても捩れ角θtはほとんど変化しなくなる(すなわち、ほとんど捩れなくなる)。ほとんど捩れないことによりエンジン12及びインプットシャフト20が直結されたかのような状態となるため、トーショナルダンパ18での減衰効果が得られず、例えば変速機等の動力伝達機構内で異音が発生するおそれがある。
図5は、図1に示すトーショナルダンパ18から伝達されるインプットシャフト20における入力トルク変動量ΔTinの経年変化について説明する図である。インプットシャフト20における入力トルクTin及び入力軸回転速度Ninの任意の動作点において、図5に示すようにインプットシャフト20における入力トルク変動量ΔTinは経年(時間の経過)とともに増加していく。したがって、入力トルク変動量ΔTinが予め定められた所定の判断基準よりも大きくなったことを判定することで、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きくなったと判定することができる。インプットシャフト20における回転速度変動量ΔNinも、図5と同様の傾向で経年とともに増加していく。したがって、回転速度変動量ΔNinが予め定められた所定の判断基準よりも大きくなったことを判定することで、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きくなったと判定することができる。
図1に戻り、特性変化判定装置90の判定機能の要部について説明する。特性変化判定装置90は、累積負荷算出部90a、エンジン回転速度判定部90b、トルク変動量取得部90c、回転速度変動量取得部90d、特性変化判定部90e、及び告知制御部90fを機能的に備える。なお、後述する累積負荷フラグ、第1カウント値C1、第2カウント値C2、及び特性変化フラグは、いずれも初期値(車両10の使用開始時の値)が「0」である。また、トルク変動量取得部90c及び回転速度変動量取得部90dは、本発明における「変動量取得部」に相当し、特性変化判定部90eは、本発明における「判定部」に相当する。
累積負荷算出部90aは、累積負荷フラグが「1」であるか否かを判定する。累積負荷算出部90aは、累積負荷フラグが「1」ではない(累積負荷フラグが「0」である)と判定すると、トーショナルダンパ18の負荷Linを算出する。例えば、累積負荷算出部90aは、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの関係を表すエンジン性能曲線からエンジン回転速度Neに基づいてエンジントルクTeを算出し、算出したエンジントルクTeにエンジン回転速度Neを乗ずることで負荷Linを算出する。累積負荷算出部90aは、負荷Linを時間の経過とともに車両10の使用開始時から逐次積算して累積負荷Xを算出する。
特性変化判定部90eは、累積負荷算出部90aにより算出された累積負荷Xが判定値Aよりも大きいか否かを判定する。特性変化判定部90eは、累積負荷Xが判定値Aよりも大きいと判定すると、累積負荷フラグを「0」から「1」に設定変更する。特性変化判定部90eは、累積負荷Xが判定値A以下であると判定すると、累積負荷フラグを「0」のまま維持する。判定値Aは、累積負荷Xがこの判定値Aよりも大きくなるとトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きくなった可能性があるとして、予め実験的に或いは設計的に定められた累積負荷Xの閾値である。なお、判定値Aは、本発明における「第1閾値」に相当する。
累積負荷フラグが「1」である場合に、エンジン回転速度判定部90bは、エンジン回転速度Neが判定値Bよりも大きいか否かを判定する。例えば、判定値Bは、本実施例ではヒステリシス及びヒステリシス壁が静特性に比較して明らかに大きくなるエンジン回転速度Neである3000[rpm]とされる。経年変化後において、特にヒステリシス及びヒステリシス壁が大きくなるエンジン高回転速度時が、エンジン低回転速度時に比較して減衰特性の低下が顕著であるからである。
エンジン回転速度Neが判定値Bよりも大きいとエンジン回転速度判定部90bにより判定されると、トルク変動量取得部90cは、インプットシャフト20における入力トルク変動量ΔTinを取得する。ここで、トーショナルダンパ18の捩れ角θtは、クランクシャフト14の回転位置である回転角度θcrkからインプットシャフト20の回転位置である回転角度θinを減算して算出される(捩れ角θt=θcrk−θin)。なお、トーショナルダンパ18が捩れていない状態では、回転角度θcrk及び回転角度θinは同じである。特性変化判定装置90には、トーショナルダンパ18の回転速度と略同じであるエンジン回転速度Ne毎の前述の図4で例示した経年変化後の捩り特性がマップとして予め記憶されている。トルク変動量取得部90cは、例えばエンジン回転速度Neに応じた前記マップから、所定の第1期間における捩れ角θtの変動量Δθt[rad]に対応して置換されたトルクの変動量を算出し、その変動量を入力トルク変動量ΔTinとすることができる。
入力トルク変動量ΔTinがトルク変動量取得部90cにより取得されると、特性変化判定部90eは、入力トルク変動量ΔTinが判定値Cよりも大きいか否かを判定する。特性変化判定部90eは、入力トルク変動量ΔTinが判定値Cよりも大きいと判定すると、第1カウント値C1に「+1」加算する。以下、入力トルク変動量ΔTinが判定値Cよりも大きいと判定された場合を「トルク変動条件成立」と記すときがある。特性変化判定部90eは、入力トルク変動量ΔTinが判定値C以下であると判定すると、第1カウント値C1を「0」にリセットする。判定値Cは、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいとする判定条件の1つとして予め実験的に或いは設計的に定められた入力トルク変動量ΔTinの閾値である。なお、判定値Cは本発明における「第2閾値」に相当する。
特性変化判定部90eは、第1カウント値C1に「+1」加算すると、加算された第1カウント値C1が連続値αよりも大きいか否かを判定する。特性変化判定部90eは、第1カウント値C1が連続値αよりも大きいと判定すると、特性変化フラグを「0」から「1」に設定変更する。特性変化判定部90eは、第1カウント値C1が連続値α以下であると判定すると、特性変化フラグを設定変更せずに「0」を維持する。なお、特性変化フラグが「0」から「1」に設定変更されることは、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きくなったと判定したことを意味する。特性変化フラグが「0」に維持されることは、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化がまだ大きくはなっていない、すなわちトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が小さいと判定したことを意味する。第1カウント値C1が連続値αよりも大きい場合に特性変化フラグが「0」から「1」に設定変更されるのは、入力トルク変動量ΔTinの測定誤差(算出誤差)を考慮したものである。
入力トルク変動量ΔTinが判定値C以下であると特性変化判定部90eにより判定されるか又は第1カウント値C1が連続値α以下であると特性変化判定部90eにより判定されると、回転速度変動量取得部90dは、インプットシャフト20における回転速度変動量ΔNinを取得する。回転速度変動量ΔNinは、例えば所定の第2期間における入力軸回転速度Ninの変動量から算出される。
回転速度変動量ΔNinが回転速度変動量取得部90dにより取得されると、特性変化判定部90eは、回転速度変動量ΔNinが判定値Dよりも大きいか否かを判定する。特性変化判定部90eは、回転速度変動量ΔNinが判定値Dよりも大きいと判定すると、第2カウント値C2に「+1」加算する。以下、回転速度変動量ΔNinが判定値Dよりも大きいと判定された場合を「回転速度変動条件成立」と記すときがある。特性変化判定部90eは、回転速度変動量ΔNinが判定値D以下であると判定すると、第2カウント値C2を「0」にリセットする。判定値Dは、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいとする判定条件の1つとして予め実験的に或いは設計的に定められた回転速度変動量ΔNinの閾値である。なお、判定値Dは本発明における「第2閾値」に相当する。
特性変化判定部90eは、第2カウント値C2に「+1」加算すると、加算された第2カウント値C2が連続値βよりも大きいか否かを判定する。特性変化判定部90eは、第2カウント値C2が連続値βよりも大きいと判定すると、特性変化フラグを「0」から「1」に設定変更する。特性変化判定部90eは、第2カウント値C2が連続値β以下であると判定すると、特性変化フラグを設定変更せずに「0」を維持する。なお、前述したように、特性変化フラグが「0」から「1」に設定変更されることは、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きくなったと判定したことを意味する。特性変化フラグが「0」に維持されることは、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化がまだ大きくはなっていない、すなわちトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が小さいと判定したことを意味する。第2カウント値C2が連続値βよりも大きい場合に特性変化フラグが「0」から「1」に設定変更されるのは、回転速度変動量ΔNinの測定誤差(算出誤差)を考慮したものである。
特性変化判定部90eにより特性変化フラグが「0」から「1」に設定変更されると、告知制御部90fは、「トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きい」旨の告知を行うべく、告知制御信号Snをインストルメントパネル70に出力する。インストルメントパネル70は、告知制御信号Snに基づいて「トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きい」旨の告知(例えば、表示や音声による告知)を行う。これにより、車両10の乗員がトーショナルダンパ18の修理、交換が促されることで、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化に基づく不具合の発生が事前に回避される。
図6は、図1に示すトーショナルダンパ18の特性変化判定装置90における判定方法を説明するフローチャートの一例である。図6のフローチャートは、例えばエンジン作動中において所定の時間(例えば、数秒)毎にスタートを繰り返して実行される。前述したように、累積負荷フラグ、第1カウント値C1、第2カウント値C2、及び特性変化フラグは、いずれも初期値が「0」である。
まず、累積負荷算出部90aに対応するステップS10において、累積負荷フラグが「1」であるか否かが判定される。ステップS10の判定が肯定される場合は、ステップS40が実行される。ステップS10の判定が否定される場合は、ステップS20が実行される。
累積負荷算出部90aに対応するステップS20において、トーショナルダンパ18の負荷Linが算出される。そしてステップS22が実行される。
累積負荷算出部90aに対応するステップS22において、トーショナルダンパ18の負荷Linを積算した累積負荷Xが算出される。そしてステップS30が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS30において、累積負荷Xが判定値Aよりも大きいか否かが判定される。ステップS30の判定が肯定される場合は、ステップS32が実行される。ステップS30の判定が否定される場合は、リターンとなる。
特性変化判定部90eに対応するステップS32において、累積負荷フラグが「0」から「1」に設定変更される。そしてステップS40が実行される。
エンジン回転速度判定部90bに対応するステップS40において、エンジン回転速度Neが判定値Bよりも大きいか否かが判定される。ステップS40の判定が肯定される場合は、ステップS50が実行される。ステップS40の判定が否定される場合は、リターンとなる。
トルク変動量取得部90cに対応するステップS50において、入力トルク変動量ΔTinが取得される。そしてステップS60が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS60において、入力トルク変動量ΔTinが判定値Cよりも大きいか否かが判定される。ステップS60の判定が肯定される場合は、ステップS62が実行される。ステップS60の判定が否定される場合は、ステップS64が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS62において、第1カウント値C1が「+1」加算される。そしてステップS66が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS64において、第1カウント値C1が「0」にリセットされる。そしてステップS70が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS66において、第1カウント値C1が連続値αよりも大きいか否かが判定される。ステップS66の判定が肯定される場合は、ステップS90が実行される。ステップS66の判定が否定される場合は、ステップS70が実行される。
回転速度変動量取得部90dに対応するステップS70において、回転速度変動量ΔNinが取得される。そしてステップS80が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS80において、回転速度変動量ΔNinが判定値Dよりも大きいか否かが判定される。ステップS80の判定が肯定される場合は、ステップS82が実行される。ステップS80の判定が否定される場合は、ステップS84が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS82において、第2カウント値C2が「+1」加算される。そしてステップS86が実行される。
特性変化判定部90eに対応するステップS84において、第2カウント値C2が「0」にリセットされる。そしてリターンとなる。
特性変化判定部90eに対応するステップS86において、第2カウント値C2が連続値βよりも大きいか否かが判定される。ステップS86の判定が肯定される場合は、ステップS90が実行される。ステップS86の判定が否定される場合は、リターンとなる。
特性変化判定部90eに対応するステップS90において、特性変化フラグが「0」から「1」に変更される。そしてステップS100が実行される。
告知制御部90fに対応するステップS100において、「トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きい」旨の告知を行うべく、告知制御信号Snがインストルメントパネル70に出力される。そしてリターンとなる。
本実施例によれば、(a)車両走行中におけるトーショナルダンパ18の負荷Linを積算した累積負荷Xを算出する累積負荷算出部90aと、(b)インプットシャフト20における入力トルク変動量ΔTinを取得するトルク変動量取得部90c及びインプットシャフト20における回転速度変動量ΔNinを取得する回転速度変動量取得部90dと、(c)累積負荷算出部90aにより算出された累積負荷Xが判定値Aよりも大きく、且つ、トルク変動量取得部90cにより取得された入力トルク変動量ΔTinが判定値Cよりも大きい場合にカウントされる第1カウント値C1が連続値αより大きくなったか又は回転速度変動量取得部90dにより取得された回転速度変動量ΔNinが判定値Dよりも大きい場合にカウントされる第2カウント値C2が連続値βより大きくなったときに、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定する特性変化判定部90eと、が備えられる。トーショナルダンパ18の累積負荷Xが判定値Aよりも大きい場合には、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きくなっている可能性がある。このトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きくなっている可能性がある場合において、入力トルク変動量ΔTinが判定値Cよりも大きい場合にカウントされる第1カウント値C1が連続値αより大きくなったか又は回転速度変動量取得部90dにより取得された回転速度変動量ΔNinが判定値Dよりも大きい場合にカウントされる第2カウント値C2が連続値βより大きくなったときに、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定される。トーショナルダンパ18の累積負荷Xが判定値A以下である場合には、入力トルク変動量ΔTinや回転速度変動量ΔNinによることなく、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化は大きいとは判定されないので、入力トルク変動量ΔTinや回転速度変動量ΔNinの測定誤差による誤判定の影響が防止される。このように、トーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化の程度が判定される。
本実施例によれば、第1回転要素であるサンギヤS1、第2回転要素であるキャリアCA1、及び第3回転要素であるリングギヤR1を有する遊星歯車装置を主体として構成される差動機構22において、第1電動機MG1がサンギヤS1に連結され、エンジン12がキャリアCA1に連結され、駆動輪50がリングギヤR1に連結されている。トーショナルダンパ18がエンジン12と変速機である差動機構22との間の動力伝達経路上に介挿されており、エンジン回転速度Neは第1電動機MG1の回転速度により制御可能とされる。このような差動機構22を有するハイブリッド車両10においても、エンジン走行でのトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化の程度が判定される。
本実施例によれば、トーショナルダンパ18の負荷Linは、エンジントルクTeとエンジン回転速度Neとを乗じた値に基づいて算出される。エンジン回転速度Neが高いと、トーショナルダンパ18内部の部品にかかる遠心力が大きくなって摺動部品の摩耗が多くなり、減衰特性の経年変化による低下が起きやすい。エンジントルクTeが大きいと、トーショナルダンパ18が伝達するトルクも大きくなるため、トーショナルダンパ18内部の摺動部品に加わる力が大きくなって摩耗が多くなり、減衰特性の経年変化による低下が起きやすいと考えられる。そのため、エンジントルクTeとエンジン回転速度Neとを乗じた値をトーショナルダンパ18の負荷Linとして算出することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、エンジン回転速度Neが判定値Bよりも大きいときであったが、これに限らない。例えば、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、入力軸回転速度Ninが判定値Bよりも大きいときでも良い。エンジン回転速度Ne及び入力軸回転速度Ninのいずれかが判定値Bよりも大きいときには、トーショナルダンパ18の回転速度が大きいことを意味し、トーショナルダンパ18のヒステリシスやヒステリシス壁が大きくなる可能性が高いからである。
前述の実施例では、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するにあたって、エンジン回転速度Ne(入力軸回転速度Ninでも可)が判定値Bよりも大きいことが条件とされていたが、これは必須の条件ではない。エンジン回転速度Neや入力軸回転速度Ninが低回転時である場合に比較して、高回転時である場合の方がトーショナルダンパ18のヒステリシスやヒステリシス壁が大きく減衰特性の低下が顕著であるが、前記低回転時である場合においても経年変化によるトーショナルダンパ18の減衰特性の低下は存在するからである。
前述の実施例では、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、トルク変動条件成立が連続値αより多く発生したとき又は回転速度変動条件成立が連続値βより多く発生したときであったが、これに限らない。例えば、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、トルク変動条件成立が連続値αより多く発生し且つ回転速度変動条件成立が連続値βより多く発生したときであっても良い。したがって、入力トルク変動量ΔTin及び回転速度変動量ΔNinの少なくとも一方が取得され、取得された入力トルク変動量ΔTinが判定値Cより大きい場合が連続値αよりも多くなった場合及び取得された回転速度変動量ΔNinが判定値Dより大きい場合が連続値βよりも多くなった場合の少なくとも一方が成立したときに、特性変化判定部90eはトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定しても良い。
前述の実施例では、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、トルク変動条件成立が連続値αよりも多く発生したとき又は回転速度変動条件成立が連続値βよりも多く発生したときであったが、これに限らない。例えば、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、トルク変動条件成立又は回転速度変動条件成立が1回だけ発生したときでも構わない。例えば、測定誤差による誤判定の影響がないように判定値Cや判定値Dが緩い判定値として大きくされて特性変化の検出能力(検出感度)が下げられれば、連続値による判定でなくても良い。また、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、エンジン始動からエンジン停止までの間において、トルク変動条件成立が連続値ではなく所定回数よりも多く発生したとき又は回転速度変動条件成立が連続値ではなく所定回数よりも多く発生した場合でも良い。また、特性変化判定部90eがトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定するのは、複数回のエンジン始動からエンジン停止までの間にわたって、トルク変動条件成立又は回転速度変動条件成立が発生した場合でも良い。これらの場合も、入力トルク変動量ΔTinや回転速度変動量ΔNinの測定誤差による誤判定の影響が抑制された状態でトーショナルダンパ18におけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定される。
前述の実施例では、トーショナルダンパ18の負荷Linは、エンジントルクTeにエンジン回転速度Neを乗じたものとされたが、これに限らない。例えば、インプットシャフト20における入力トルクTinにエンジン回転速度Neを乗じたもの、エンジントルクTeに入力軸回転速度Ninを乗じたもの、又はインプットシャフト20における入力トルクTinに入力軸回転速度Ninを乗じたものがトーショナルダンパ18の負荷Linとされても良い。すなわち、エンジントルクTe及び入力トルクTinのいずれか一方にエンジン回転速度Ne及び入力軸回転速度Ninのいずれか一方を乗じたものがトーショナルダンパ18の負荷Linとされても良い。エンジン12からトーショナルダンパ18を介して動力がインプットシャフト20に伝達されるため、エンジントルクTeは入力トルクTinと同値であり、エンジン回転速度Neは入力軸回転速度Ninと同値であるからである。また、エンジン回転速度Neは、クランクシャフト14に設けられた回転速度センサ60で検出されたものに限らず、例えば車速V及び第1電動機MG1の回転速度に基づいて差動機構22を構成する遊星歯車装置のギヤ比から算出されたものであっても良い。
前述の実施例では、内燃機関であるエンジン12の出力を第1電動機MG1及び駆動輪50側へ分配するハイブリッド車両10に本発明が適用されたが、これに限らない。例えば、エンジン12を有するが第1電動機MG1及び第2電動機MG2を有さない車両であっても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン
14:クランクシャフト
18:トーショナルダンパ
20:インプットシャフト
22:差動機構(動力伝達機構)
50:駆動輪
90:特性変化判定装置
90a:累積負荷算出部
90c:トルク変動量取得部(変動量取得部)
90d:回転速度変動量取得部(変動量取得部)
90e:特性変化判定部(判定部)
A:判定値(第1閾値)
C:判定値(第2閾値)
D:判定値(第2閾値)
Lin:負荷
Nin_c:回転速度中心値(回転速度)
Tin_c:トルク中心値(入力トルク)
X:累積負荷
ΔNin:回転速度変動量(インプットシャフトにおける回転速度の変動量)
ΔTin:入力トルク変動量(インプットシャフトにおける入力トルクの変動量)

Claims (1)

  1. エンジンのクランクシャフトと駆動輪に連結された動力伝達機構のインプットシャフトとの間に設けられたトーショナルダンパの特性変化判定装置において、
    車両走行中における前記トーショナルダンパの負荷を積算した累積負荷を算出する累積負荷算出部と、
    前記インプットシャフトにおける入力トルク及び回転速度の少なくとも一方の変動量を取得する変動量取得部と、
    前記累積負荷算出部により算出された前記累積負荷が第1閾値よりも大きく、且つ、前記変動量取得部により取得された前記変動量が第2閾値よりも大きいときに、前記トーショナルダンパにおけるヒステリシストルクの初期特性からの特性変化が大きいと判定する判定部と、を備える
    ことを特徴とするトーショナルダンパの特性変化判定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115307899A (zh) * 2022-06-28 2022-11-08 东风汽车集团股份有限公司 限扭减振器打滑检测及处理方法、装置

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