JP2020093981A - トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法 - Google Patents

トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020093981A
JP2020093981A JP2018230492A JP2018230492A JP2020093981A JP 2020093981 A JP2020093981 A JP 2020093981A JP 2018230492 A JP2018230492 A JP 2018230492A JP 2018230492 A JP2018230492 A JP 2018230492A JP 2020093981 A JP2020093981 A JP 2020093981A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
tris
organic compound
triorganosiloxy
containing organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018230492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7233905B2 (ja
Inventor
谷口 佳範
Yoshinori Taniguchi
佳範 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dow Toray Co Ltd
Original Assignee
Dow Toray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Toray Co Ltd filed Critical Dow Toray Co Ltd
Priority to JP2018230492A priority Critical patent/JP7233905B2/ja
Publication of JP2020093981A publication Critical patent/JP2020093981A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7233905B2 publication Critical patent/JP7233905B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】pH値が6.0〜8.0の範囲であり、長期間保存後も、pH値が大きく変化しないトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその用途を提供する。【解決手段】分子内に3つのアルコール性水酸基を有する有機化合物とジシラザン化合物を、活性白土等の固体状触媒である酸性触媒を用いて反応させることにより、蒸留精製を経て、製造直後におけるpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲であるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を得、当該有機化合物をシリコーン変性シーラント組成物等の添加剤として利用することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、製造直後のpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ長期間保管しても、pH値の変化量が極めて小さく、保存安定性に優れたトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその用途に関するものである。また、本発明は、生産効率、および目的とする化合物の反応効率、および収率に優れ、かつ簡便かつ安全な製造工程で廃棄物の生成量を抑制することが可能な、トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造方法に関する。
トリス(トリアルキルシロキシ)基等のトリス(トリオルガノシロキシ)基を含有する有機化合物は建築用シーラント組成物の添加剤として有用であり、特に深部硬化性や表面タック性の改良剤としてシリコーン変性シーラント組成物の添加剤に使用されている(特許文献1参照)。このため、工業的生産プロセスを用いて、当該有機化合物を安定的に、かつ大量に供給する方法が求められている。
シリコーン変性シーラント組成物は、主成分であるシリコーン変性有機ポリマーが有するアルコキシシリル基が空気中の水分と反応することでシラノールを生成し、シラノール同士が触媒下に縮重合することにより架橋が進み、シーラント硬化物を形成する。このシリコーン変性有機ポリマーが有するアルコキシシリル基の加水分解反応は酸および塩基に触媒されるため、未硬化シーラント組成物を安定的に保存し、その深部硬化性を維持するためには、組成物中における水分管理のみならず、シーラント組成物の原料に含まれる酸および塩基濃度の管理が重要である。したがって、シリコーン変性シーラント組成物の添加剤として使用されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物に関しても、不純物として含有する酸および塩基濃度の管理が重要であった。これらの酸および塩基濃度は製品のpH値を指標とすることができ、pH値が7.0前後、具体的には6.0〜8.0であるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物が望まれていた。
一方、トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は以下に示すような一般的なシリル化反応により製造することができる。
第一に、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する有機化合物とトリオルガノクロロシランとの反応で目的とするトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を製造することができる。この製造方法においては、副生する塩酸の捕集剤としてアミン化合物が使用されるが、アミン化合物の添加量が不十分であると製品中に塩酸が残存し、目的化合物のpH値が6.0を下回ってしまうし、逆にアミン化合物の添加量が過剰であると残存アミン化合物の除去が不十分になり、pH値を上昇させてしまう場合がある。このため、同反応を経由して得られるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物のpHを中性付近に管理することが極めて困難である。さらに、仮にpHを中性付近に管理してトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を得た場合であっても、その保存中に経時でpHが変動して6.0〜8.0の範囲を外れてしまい、その酸および塩基濃度を制御することが困難であった。さらに、アミン化合物の添加によりバッチ収率が著しく低下するため、当該製造方法は生産効率の点で改善の余地を残している。
第二に、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する有機化合物について、グリニャール反応を用いて製造する方法が開示されている(非特許文献1)。しかしながら、当該製造方法においては、強塩基性であるグリニャール試薬が系中に残存し、得られる化合物がpH8.0を超える塩基性となってしまう問題がある。さらに、グリニャール試薬は反応性が著しく高いことから、その安定化のため、大量の極性溶媒を使用する必要があり、製造時の安全性、環境負荷や生産効率の点で改善の余地を残している。
第三に、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する有機化合物とジシラザン化合物とを反応することで、目的とするトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を製造することができる。当該方法においては、塩酸捕集剤としてのアミン化合物を使用せずとも反応が完結するので反応効率に優れる。しかしながら、既存のプロセスにおいては、有機スルホン酸のような強酸性化合物を反応触媒として使用するので、たとえ反応触媒を除去するような工程を取り入れたとしても微少の触媒成分が系中に残存し、製造直後の化合物のpH値を6.0〜8.0に管理した目的化合物を得ることは困難であった。
一方、特許文献2には、イオン交換樹脂を酸性触媒として使用するトリス(トリアルキルシロキシ)基含有有機化合物の製造方法が開示されている。この製造方法を用いると、均一系酸触媒を使用するよりも効率的な製造が可能であるが、製造中にイオン交換樹脂の一部が分解してしまい、分解した酸性成分の一部が製品中に混入することで製品のpH値が著しく低下するので、目的とする、中性付近のpH値を有するトリス(トリアルキルシロキシ)基含有有機化合物を製造することが困難であるという問題がある。
特開2001−55503号公報 中華人民共和国特許101423527号明細書
Markovic, Dean et al, Chemistry−A European Journal, 22(12),4196−4205;2016
さらに、発明者は、上記の第三の方法である、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する有機化合物とジシラザン化合物の反応により得られたトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物について、触媒である有機スルホン酸を、ナトリウムメトキシドで中和し、副生する塩化ナトリウムをろ過で除去した後に目的化合物を蒸留にて分離し、pH値が6.0〜8.0であるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を得ることを試みた。しかしながら、このような中和操作の上で、理論段数20段の蒸留塔を用いて精密に蒸留したとしても、pH値が4.9〜5.9の範囲である化合物しか得られないことを確認した。さらに、理論段数40段の蒸留塔を用いて精密蒸留を3回繰り返した後のpH値は5.9であったが、当該方法で得たトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、保管中に経時でそのpH値が変化し、40℃において180日保管した後のpH値は3.9まで低下することを確認した。従って、発明者は、第三の製造方法により得られたトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を用いる限り、中和操作や蒸留操作によっても、目的とするpH値が6.0〜8.0の範囲であるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を得ることは困難であることを見出した。
すなわち、公知の製造方法のいずれかによって得られた、合成後のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物から、酸や塩基を十分に除去できるものではなく、かつ、たとえ中和や蒸留などの工程を経ても酸成分を除去することが困難であり、pH値が6.0〜8.0の範囲であり、長期間保存後も、pH値が大きく変化しないトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を得ることができなかった。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、pH値が6.0〜8.0の範囲であり、長期間保存後も、pH値が大きく変化しないトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその用途を提供することを目的とする。また、工業的生産スケールに適合し、安全性に優れ、環境負荷が小さく、かつ、目的とする化合物の反応効率/生産効率に優れる製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、本発明者らは、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する有機化合物とジシラザン化合物を、活性白土等の固体状触媒である酸性触媒を用いて反応させることにより、製造直後におけるpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲であるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を実現できることを見出し、本発明を完成させた。また、上記の工程を含むトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、製造直後におけるpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲である、下記一般式(1):
Figure 2020093981
{式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基であり、Aは下記一般式(2):
Figure 2020093981
(式中、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基)で表されるトリオルガノシリル基)}
で表されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物に関する物である。
さらに、本発明は、上記のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の用途に関する物であり、酸性物質/塩基性物質の管理が特に必要とされる、シーラント用添加剤としての使用および、当該トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を含むシリコーン変性シーラントに関する物である。
同様に、本発明は、下記一般式(3):
Figure 2020093981
(式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基である)
で表される、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物と、
下記一般式(4):
Figure 2020093981
(4)
{式中、Aは、下記一般式(2):
Figure 2020093981
(式中、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基)で表されるトリオルガノシリル基}
で表されるジシラザン化合物を酸性触媒の存在下に反応させることを特徴とする、トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造方法に関する物であり、特に、酸性触媒として固体状触媒、好適には、粘土鉱物、活性白土、ゼオライト、メソポーラスシリカから選ばれる1種類以上の酸性触媒を使用する製造方法に関する。
本発明のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、従来公知の製造方法で得られた同種の化合物と異なり、製造直後におけるpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲にあり、保存安定性に優れるため、酸性物質/塩基性物質の制御および管理が求められる、シーラント用添加剤、特に、シリコーン変性シーラント組成物の添加剤として使用すると、表面タックや深部硬化性の改善等の硬化特性、及び保存安定性(貯蔵安定性)に優れたシリコーン変性シーラント組成物を製造することができるという利点を有する。さらに、本発明にかかる製造方法は、好適には、酸性触媒として固体状触媒、好適には、粘土鉱物、活性白土、ゼオライト、メソポーラスシリカから選ばれる1種類以上の酸性触媒を使用することにより、製造直後におけるpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲にあり、トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造を、工業的生産スケールに適合した、反応のコントロールがしやすく、簡便かつ安全な製造工程で実施することが可能である。さらに、当該製造方法は反応効率に優れるため、製造時間(サイクルタイム)を短縮でき、目的とする特定のpHおよびその変化率の小さいトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の生産性および収率に優れるものである。
本発明のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、以下の一般式(1):
Figure 2020093981
{式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基であり、Aは下記一般式(2):
Figure 2020093981
(式中、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基)で表されるトリオルガノシリル基)}
で表され、製造直後におけるpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲であることを特徴とする。
本発明のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、後述する製造方法により得られ、従来公知の製造方法により得られた同化合物に比べて、著しくpH値の安定性に優れるという特性を備える。その製造直後におけるpH値は、6.0〜8.0の範囲にあり、中性付近であるpH値が6.5〜7.5の範囲、6.8〜7.2の範囲であっても良い。
また、本発明のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、後述する製造方法により、酸性物質や塩基性物質を実質的に含まないため、著しくpH値の安定性に優れる。すなわち、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲であり、製造直後におけるpH値が6.5〜7.5の範囲、6.8〜7.2の範囲であっても、そのpH値の変化が、+0.2〜−0.2の範囲にあり、従来公知の同化合物と明らかにpH値の安定性が異なるものである。なお、先に発明の課題において述べた通り、従来公知の同化合物では、中和操作や蒸留操作を行っても、製造直後におけるpH値を中性付近にすることが困難であり、かつ、保存中にそのpH値が大きく変化するものである。
本発明のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、中性付近のpH値を有し、かつ、保管時にpH値が大きく変化しないため、シーラント用添加剤、特に、シリコーン変性シーラント組成物の添加剤としての使用に特に適する。当該トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の使用により、シリコーン変性シーラント組成物の表面タック性や深部硬化性等の硬化性が改善され、かつ、その貯蔵安定性が改善される。
ここで、上式(1)において、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6の1価炭化水素基、さらに好ましくは炭素数1〜3の1価炭化水素基である。炭素数1〜10の1価炭化水素基の例としては、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1−プロピル、イソプロピル基、エチル基、メチル基等が例示されるが、中でも炭素数1及び2のメチル基またはエチル基がより好ましい。なお、上記炭化水素基の水素原子の一部または全部がその他の置換基で置換されていてもよく、このような置換基の具体例としては、エーテル、エステル、カルボニル基等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
同様に、上式(1)において、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基であって、好ましくは炭素数1〜6の1価炭化水素基、さらに好ましくは炭素数1〜3の1価炭化水素基である。炭素数1〜10の2価炭化水素基の例としては、
Figure 2020093981
Figure 2020093981
等が例示されるが、中でも炭素数1もしくは2のメチレン基、エチレン基がより好ましい。なお、上記炭化水素基の水素原子の一部または全部がその他の置換基で置換されていてもよく、このような置換基の具体例としては、エーテル、エステル、カルボニル基等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
一方、一般式(1)において、Aは上記一般式(2)で表されるトリオルガノシリル基であり、式(2)中の、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜2の1価炭化水素基である。炭素数1〜10の1価炭化水素基の例としては、フェニル基、フェニルメチル基、スチリル基、ビニルベンジル基、シクロヘキシル基、ヘキシル基、ペンチル基、シクロペンチル気、n−ブチル基、sec―ブチル基、tert-ブチル基、n-プロピル基、2-プロピル基、1-プロペニル基、エチル基、ビニル基、メチル基等が例示される。
一般式(1)で表されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
が例示される。
上記の一般式(1)で表されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、
下記一般式(3):
Figure 2020093981
(式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基である)
で表される、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物と、
下記一般式(4):
Figure 2020093981
(4)
{式中、Aは、下記一般式(2):
Figure 2020093981
(式中、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基)で表されるトリオルガノシリル基}
で表されるジシラザン化合物を酸性触媒(好適には固体状触媒であり、粘土鉱物、活性白土、ゼオライト、メソポーラスシリカから選ばれる1種類以上である酸性触媒)の存在下に反応させることにより製造することができる。
当該反応は下記反応式:
Figure 2020093981
に従う合成反応である。
上記の式(3)、(4)および反応式において、R、R、R、R、およびAは上記同様の基であり、Aである一般式(2)により表されるトリオルガノシリル基におけるR、R、Rは前記同様の基である。
式(3)で表される、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物の具体例として、
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
Figure 2020093981
等が例示される。
一般式(4)で示されるジシラザン化合物の具体例としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、1,1,1,3,3,3−ヘキサエチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルー1,3−ジフェニルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルー1,3−ジビニルジシラザン、1,3−ジメチルー1,3−ジフェニルー1,3−ジビニルジシラザン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルジシラザン等が例示される。
上記反応は、酸性触媒の存在下で行われる。当該酸性触媒は、得られるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物のpHを前記範囲に保ち、かつ、その経時的なpH変化を抑制する見地から、固体状触媒であることが好ましく、特に、粘土鉱物、活性白土、ゼオライト、メソポーラスシリカから選ばれる1種類以上であることが好ましい。酸性固体状触媒としては、前記以外、例えば、イオン交換樹脂なども公知の選択肢であるが、前記以外の酸性触媒を使用する場合、本発明のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物固有のpH値およびその挙動(すなわち、経時的な安定性)という特性が実現できない場合がある。
本発明において好適な酸性固体状触媒の具体例として、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト等のスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト族粘土鉱物を主成分とする酸性白土、および酸性白土を熱酸処理して得られる活性白土、NaYなどのY型ゼオライト、Sn−β、Ti−β、などのβ形ゼオライト、MCM−41、Al−MCM−41,HMS,Al−HMSなどのメソポーラスシリカ、が例示されるが、入手の容易さ、金属性不純物の少なさ、触媒活性の点から、酸性白土、活性白土、MCM−41であるメソポーラスシリカが好ましく、さらには活性白土またはMCM−41であるメソポーラスシリカがより一層好ましい。
酸性触媒の使用量は特に限定されないが、反応を速やかに進行させ、生産性および反応効率を高めるという見地から、上記の酸性固体状触媒を使用する場合、一般式(3)で表される、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物の質量に対し、0.0001〜20質量パーセントの範囲が好ましく、0.005〜10質量パーセントの範囲がより好ましく、0.01〜5質量パーセントの範囲が特に好ましい。
一般式(3)で表される、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物と一般式(4)で示されるジシラザン化合物の反応モル比は特に限定されないが、一般式(3)で示される分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物1モルに対し、一般式(4)で示されるジシラザン化合物の反応モル比は1.0〜10.0の範囲が好ましい。上記反応を速やかに進行させ、転換効率を向上させる見地から、一般式(4)で示されるジシラザン化合物の反応モル比は1.0〜5.0の範囲がより好ましく、1.5〜2.0の範囲がより特に好ましい。一方、一般式(4)で示されるジシラザン化合物の反応モル比が前記下限未満では、反応が十分に完結せず、前記上限を超えると、ジシラザン化合物が過剰となって反応物の精製に長時間を要する結果となり、好ましくない。
上記の反応時の反応圧力は特に限定されず、真空下、大気圧下、加圧下のいずれにおいても実施可能である。具体的には反応容器内の圧力が、0.13kPa〜304kPaの範囲が好ましく、40kPa〜183kPaの範囲がより好ましい。なお、反応効率および生産の安全性の見地から、反応容器内の圧力が90kPa〜152kPaの範囲であることが特に好ましい。
上記の反応時間は特に制限されず、1〜30時間であってよく、1〜20時間であってよい。なお、サイクルタイムを含む反応・生産効率および生産の安全性の見地から、2〜10時間が特に好ましい。
本反応は、無溶媒下でも、反応溶媒下でも行うことができる。反応溶媒は、上記の一般式(1)で表されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、一般式(3)で表される、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物、および一般式(2)で表されるジシラザン化合物を溶解できる溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、などの芳香族炭化水素化合物、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、n−オクタンなどの飽和炭化水素化合物、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルなどのエーテル化合物が好ましい。特に、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、n−オクタンが反応溶媒としてより好ましく、さらに、入手の容易さや再利用時の利便性からトルエン、キシレン、n−ヘキサンが特に好ましい。なお、これらの溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明にかかる製造方法において、一般式(3)で表される分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物および一般式(2)で表されるジシラザン化合物を反応させる形態は特に限定されるものではなく、例えば、以下の反応形態(I)または(II)が挙げられる。

(I): 一般式(3)で表される分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物、一般式(2)で表されるジシラザン化合物、酸性触媒および任意の反応溶媒を一括で反応容器に投入し反応させる。

(II): 反応容器中、一般式(3)で表される分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物および酸性触媒および任意の反応溶媒の混合物を調製し、一般式(2)で表されるジシラザン化合物を滴下して反応させる。

なお、一般的に、一般式(3)で表される分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物は、室温下で固体状なので、サイクルタイムを含む反応・生産効率および生産の安全性の見地から、反応形態(II)、特に加熱等により溶融せしめた一般式(3)で表される分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物と触媒を反応容器中で予め混合し、ここに、一般式(2)で表されるジシラザン化合物を滴下して反応させる形態が特に好ましい。
上記の反応式に示したように、本発明にかかる製造方法において、アンモニア(NH)が副生する。当該アンモニアは、系中から除去しながら反応を進行させてもよく、系中に蓄積させながら反応を進行させてもよい。しかしながら、得られる化合物中の塩基性物質の低減、サイクルタイムを含む反応・生産効率および生産の安全性の見地から、反応において副生するアンモニアは、反応系外に排出しながら反応させることが特に好ましい。
本発明にかかる製造方法において、得られる一般式(1)で表されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物中の酸性物質または塩基性物質の除去により、pH値を中性付近に維持する見地から、当該有機化合物から、酸性触媒を除去することが好ましい。当該酸性触媒の除去は、ろ過や蒸留により実施することができ、反応終了後にろ過を行い、予め固体状の酸性触媒を除去した後に、当該有機化合物を蒸留精製してもよい。なお、酸性触媒として前記の粘土鉱物、活性白土、ゼオライト、メソポーラスシリカから選ばれる1種類以上を使用した場合、ろ過による酸性触媒の除去を行わず、当該有機化合物を蒸留精製することにより、pH値が6.0〜8.0の範囲で保存安定性に優れた主成分として、一般式(1)で表されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を得ることができる。
[実施例1〜2、比較例1〜7]
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例および比較例の概要を表1に、実施例および比較例により得られた各化合物(トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)の製造直後および保管後のpH値を表2に、各々示した。
実施例および比較例にかかる各化合物は、以下の方法で評価した。以下、これらの化合物を「サンプル」と標記する場合がある。また、収率は、トリメチロールプロパンに対する転換率(%)を基準として計算した。

[pH測定法]
各サンプルのpH値は測定装置(メトラー・トレド製、型番:FiveEasyF20)を用い、JIS K 1557を参照し、次の方法により測定した。pH=7.00±0.05に調製したイソプロピルアルコール溶液(イソプロピルアルコール100ml:純水60ml)とサンプル(10.0g±0.1g)を容器に投入し、pH電極を含浸させ、攪拌しながらpHの測定をおこなった。電極を含浸させてから5分後の数値を読み取った。

[保存サンプルの保管方法]
合成した各化合物は、高密度ポリエチレン製瓶に充填し、窒素ガスを封入し、40℃に保温した熱風循環式オーブン内にて保存した。

[純度測定]
合成した各化合物の純度はガスクロマトグラフィー(島津理化製、型番:GC−2010Plus、カラム:DB−5ms、検出器:FID、検出器温度280℃、注入口(スプリット)温度:280℃、温度プログラム:80℃−3分保持−15℃/分−280℃−20分保持)により測定した。
[実施例1]
滴下漏斗、温度計、ジムロート氏冷却管、In−Situ FTIRプローブ(メトラー・トレド製React IR)を備えた2,000mlの4つ口フラスコに、トリメチロールプロパン(東京化成工業製、550.00g、4.10モル)、活性白土(日本活性白土製 製品名K500、13.42g)を投入し、60℃に加熱・攪拌した。その後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(ダウケミカル製 製品名Dowsil PMX−6079、581.00g、3.60モル)を3時間かけて滴下した。滴下中、反応温度は60℃〜70℃で管理し、反応の様子はin-situ FTIRで追跡した。滴下終了後、FTIRで1200cm−1に現れるトリメチロールプロパンの炭素原子―酸素原子単結合に由来する伸縮振動に帰属されるシグナルが検出限界以下となったことを確認してフラスコを冷却し、反応を終了させた。その後、4つ口フラスコに規則充填物(スルザー製LabEX、理論段数20段)を備えた蒸留塔を設置し、減圧蒸留によりトリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパンを単離した(収量:608.56g、トリメチロールプロパン基準収率:96.4%、純度99.9%)
[実施例2]
反応触媒として、酸性白土(和光純薬製、13.42g)を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った(収量:604.00g、トリメチロールプロパン基準収率:95.7%、純度99.9%)
[実施例3]
反応触媒として、メソポーラスシリカであるMCM−41(シグマアルドリッチ製、13.42g)を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った(収量:606.0g、トリメチロールプロパン基準収率:95.9%)
[実施例4]
反応触媒として、Y型ゼオライトであるRM8850(シグマアルドリッチ製、13.42g)を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った(収量:603.90g、トリメチールプロパン基準収率:95.6%)
[比較例1]
反応触媒として、ドデシルベンゼンスルホン酸(東京化成工業製、19.00g、トリメチロールプロパンに対して3.0モル%)を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った(収量:606.00g、トリメチロールプロパン基準収率:96.0%、純度99.4%)
[比較例2]
反応触媒として、サンデットS(三洋化成工業製、アルキルベンゼンスルホン酸(C8−C15)、19.00g、トリメチロールプロパンに対して3.0モル%)を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った(収量:604.00g、トリメチロールプロパン基準収率:95.7%、純度99.5%)。
[比較例3]
反応触媒として、サンデットS(三洋化成工業製、アルキルベンゼンスルホン酸(C8−C15)、19.00g、トリメチロールプロパンに対して3.0モル%)を用い、かつ、反応終了後、ナトリウムメトキシド(東京化成工業製、メタノール28%溶液、40.0g)を投入し、80℃で10時間攪拌して以外は実施例1と同様に実験を行った(収量:588.00g、トリメチロールプロパン基準収率:93.1%、純度99.0%)。
[比較例4]
比較例3において、酸性触媒を中和した後に反応容器を13kPaに減圧し、120℃まで加熱して低沸点成分を留去した以外は同様にして、実験を行った(収量:580.00g、トリメチロールプロパン基準収率:91.9%、純度99.4%)。
[比較例5]
比較例4において、規則充填物(スルザー製LabEX、理論段数20段)を備えた蒸留装置を用いてさらに2回減圧蒸留を繰り返した(すなわち、計3回の減圧蒸留操作を行った)以外は同様にして、実験を行った(収量:220.2g、蒸留収率:73.4%、純度99.7%)。
[比較例6]
滴下漏斗、温度計、ジムロート氏冷却管、In−Situ FTIRプローブ(メトラー・トレド株式会社製React IR)を備えた5,000mlの4つ口フラスコに、トリメチロールプロパン(東京化成工業製、550.00g、4.10モル)、トリエチルアミン(東京化成工業製、1742.50g、17.2モル)、トルエン(東京化成工業株式会社製、1,000ml)を投入し攪拌しながら60℃に加熱した。これに、トリメチルクロロシラン(ダウ・ケミカル製、製品名Dowsil PRX−24、1336.3g、12.3モル)を3時間かけて滴下した。滴下中、反応温度は60℃−70℃に管理した。反応の様子はin-situ FTIRで追跡した。滴下終了後、FTIRで1200cm−1に現れるトリメチロールプロパンの炭素原子―酸素原子単結合に由来する伸縮振動に帰属されるシグナルが検出限界以下となったことを確認してフラスコを冷却し、反応を終了させた。生成したトリエチルアミン塩酸塩をガラスフィルター(ADVANTEC社製、型番:GC90)を用いてろ過した後、規則充填物(スルザー社製LabEX、理論段数20段)を備えた蒸留塔を用いて、減圧蒸留によりトリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパンを単離した(収量:411.10g、トリメチロールプロパン基準収率:65.1%、純度99.8%)
[比較例7]
反応触媒として触媒用イオン交換樹脂(ダウ・ケミカル製、品番:アンバーリスト15DRY、10.0g)を使用した以外は実施例1と同様に実験を行った(収量:599.7g、トリメチロールプロパン基準収率:95.0%、純度99.9%)
実施例および比較例におけるトリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパンの合成反応およびその収率、純度を下表1に示す。
Figure 2020093981
*)HMDZ=1,1,1−3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、
TMCS=トリメチルクロロシラン
**)比較例4の収率×蒸留収率=91.9%×73.4%
下表2に実施例及び比較例のトリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパンについて、製造直後のpH値と、40℃180日経過後のpH値について測定結果を示した。
Figure 2020093981

[総括]
活性白土、酸性白土、メソポーラスシリカ、ゼオライトを酸性触媒に用いた実施例1、2、3、4においては、中和操作やろ過操作をなんら行うことなく、高収率かつ高純度でトリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパンを得ることができ、当該トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパンは、他の製法で得られた同化合物と異なり、中性付近のpHを有し、かつ、経時でのpH値の変化が著しく小さいという特性を備えていた。
一方、比較例1〜7は公知の製造方法でトリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパンを得たものであるが、そのpH値が低く、中和操作やろ過操作を行ったり、ジシラザンの代わりにトリメチルクロロシランを使用したりしても、経時でのpH値の変化を十分に抑制することはできなかった。この点において、今回提案された化合物は、新たな特性を備えるトリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン等のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物であることが確認された。
本発明にかかるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法により得た有機化合物は、酸性物質および塩基性物質の含有量が少なく、中性付近のpH(6.0〜8.0)であって、かつ、経時でのpH値の変化が著しく小さいものである。当該特性を備えたトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物は、シリコーン変性シーラント組成物に配合した場合、意図しない加水分解反応の進行が抑制され、未硬化の状態で貯蔵安定性に優れ、かつ、表面タック等の硬化性、および深部硬化性に優れるという利点を有する。また、同製造方法は反応のコントロールがしやすく、ろ過や中和操作が不要であって、安全かつ生産効率および収率に優れるので、工業的生産スケールでトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を大規模かつ安全に生産するための方法として特に有用である。本製造方法により、当該トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を用いるシランカップリング剤、表面処理剤、樹脂変性剤、接着付与剤、シーラント用添加剤などが提供されうる。

Claims (7)

  1. 製造直後におけるpH値が6.0〜8.0の範囲にあり、かつ、40℃において180日経過した後のpH値の変化が+0.2〜−0.2の範囲である、下記一般式(1):
    Figure 2020093981
    {式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基であり、Aは下記一般式(2):
    Figure 2020093981
    (式中、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基)で表されるトリオルガノシリル基)}
    で表されるトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物。
  2. 下記一般式(3):
    Figure 2020093981
    (式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基である)
    で表される、分子内に3つのアルコール性水酸基を有する化合物と、
    下記一般式(4):
    Figure 2020093981
    {式中、Aは、下記一般式(2):
    Figure 2020093981
    (式中、R、R、Rは同一でも異なってもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基)で表されるトリオルガノシリル基}
    で表されるジシラザン化合物を酸性触媒の存在下に反応させることを特徴とする、請求項1に記載のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造方法。
  3. 酸性触媒として固体状触媒を使用することを特徴とする、請求項2に記載のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造方法。
  4. 酸性触媒として、粘土鉱物、活性白土、ゼオライト、メソポーラスシリカから選ばれる1種類以上を使用することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造方法。
  5. 酸性触媒として、酸性白土、活性白土、Y型ゼオライト、MCM-41であるメソポーラスシリカから選ばれる1種類以上を使用することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物の製造方法。
  6. 請求項1に記載のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を含む、シーラント用添加剤。
  7. 請求項1に記載のトリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物を含む、シリコーン変性シーラント。
JP2018230492A 2018-12-10 2018-12-10 トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法 Active JP7233905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018230492A JP7233905B2 (ja) 2018-12-10 2018-12-10 トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018230492A JP7233905B2 (ja) 2018-12-10 2018-12-10 トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020093981A true JP2020093981A (ja) 2020-06-18
JP7233905B2 JP7233905B2 (ja) 2023-03-07

Family

ID=71084533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018230492A Active JP7233905B2 (ja) 2018-12-10 2018-12-10 トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7233905B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001072855A (ja) * 1999-09-02 2001-03-21 Asahi Glass Co Ltd 室温硬化性組成物
JP2003049032A (ja) * 2001-05-31 2003-02-21 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
CN101423527A (zh) * 2007-11-02 2009-05-06 张家港市国泰华荣化工新材料有限公司 三(三烷基硅氧基)甲基烷烃的制造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001072855A (ja) * 1999-09-02 2001-03-21 Asahi Glass Co Ltd 室温硬化性組成物
JP2003049032A (ja) * 2001-05-31 2003-02-21 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
CN101423527A (zh) * 2007-11-02 2009-05-06 张家港市国泰华荣化工新材料有限公司 三(三烷基硅氧基)甲基烷烃的制造方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ARKIVOC (GAINESVILLE, FL, UNITED STATES), vol. 14, JPN6022034016, 2004, pages 83 - 88, ISSN: 0004850541 *
SYNTHETIC COMMUNICATIONS, vol. 28, no. 16, JPN6022034015, 1998, pages 3105 - 3114, ISSN: 0004850540 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP7233905B2 (ja) 2023-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1644387B1 (en) Process for the preparation of thiocarboxylate silane
US9273072B2 (en) Method for producing organosilicon compounds which have amino groups
JP4948813B2 (ja) ケチミン構造含有アルコキシシランの製造方法
CN102532186B (zh) 一种肟基有机硅化合物的制备方法
US9290522B2 (en) Functionalised materials, process for the production and uses thereof
JPWO2006003902A1 (ja) 新規ホスファゼン担持触媒、そのための新規化合物および用途
DE19603241C1 (de) Multifunktionelle, cyclische Organosiloxane, Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung
JP5115729B2 (ja) トリアルキルシリル基で保護されたアセト酢酸エステル基含有有機ケイ素化合物及びその製造方法
US10647822B2 (en) Process for preparing organosilicon compounds containing organyloxy groups
US10336866B2 (en) Method for producing organosilicon compounds having amino groups
JPH03190929A (ja) 非水系によるシリコーンオリゴマー調製法
MX2012010262A (es) Proceso para preparar azodicarbamidas que contienen silicio.
JP7233905B2 (ja) トリス(トリオルガノシロキシ)基含有有機化合物、およびその製造方法
JPS609759B2 (ja) ヒドロアルケニルオキシシラン
US4060537A (en) Preparation of organosiloxanes
JP2013170123A (ja) 無水条件におけるシラノールの製造方法
EP2032588B1 (en) Method for preparation of alkoxysilanes having reduced halide content
CN103342715A (zh) 一种含有胺丙基的有机肟基硅化合物的制备方法
JP2008537731A (ja) Possモノマー構築のためのプロセス
KR20190004344A (ko) 게르밀렌-유래 유기 촉매를 사용하는 히드로실릴화 방법
JP2023542476A (ja) シロキサンの調製方法
JP4147115B2 (ja) シラノール停止オリゴマー材料の製造法
JP2668496B2 (ja) ケイ素系粉末物質の新規な製造方法
KR101064063B1 (ko) 알코올성 수산기를 갖는 규소계 수지 및 그의 제조 방법
JPH0493326A (ja) アルコキシ官能性オルガノポリシロキサンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190329

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7233905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150