JP2020093301A - レーザー溶接用ワーク押さえ冶具およびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー溶接の溶接部品質を向上させ、レーザー溶接コストを低減する。【解決手段】本発明は、透明板を通してワーク溶接部位にレーザー光を照射してレーザー溶接する透明板を有するレーザー溶接用ワーク押さえ冶具で、溶接部位から透明板までの領域は溶接空間であり、レーザー光は溶接空間を通って溶接部位に照射され、透明板は溶接部位に面する領域で溝部を有し、レーザー光は透明板の溝部を通って溶接部位に照射し、透明板は溶接空間の部分以外にワーク形状に適合したモールド型を有し、ワークはレーザー溶接時にモールド型で抑えられ、モールド材はプラスチックであり、溶接空間の側面に溶接空間側面を保護する防護材料が配置されており、防護材料は耐熱材料または高強度材料であり、溶接部位の一部は閉曲線となり、レーザー光は連続照射により閉曲線の溶接部位全体を溶接可能であり、溶接空間にシールドガスを流す機構が備わることを特徴とする。【選択図】図11

Description

本発明は、レーザー溶接時の被加工物(ワーク)の押さえ冶具およびその作製方法に関する。
レーザー溶接は、発振器で発生したレーザー光を、光路を通じて伝送し集光レンズで適切なサイズへ集光して、レーザー光が製品の接合部位に照射されて製品を溶融接合するものである。レーザー光は絞りも可能なためエネルギー密度が高く、制御しやすく微小な溶接や精密な溶接も可能であるので、レーザー溶接は種々の製品加工(接合)に用いられている。しかし、溶接部位における被溶接加工製品のゆがみが大きいと溶接部位に隙間が生じて溶接品質が悪くなるという問題がある。そこで溶接部位の隙間を生じさせないように種々の溶接用押さえ冶具が提案されている。また、溶接品質を向上させるために種々の工夫がなされている。たとえば、被溶接加工製品(ワーク)の溶接部位を加圧拘束するクランプ冶具にレーザー光を通す穴を設けて、その穴にシールドガス(Ar、He)を導入して溶接品質を向上させるというものが提案されている。(特許文献1)
特開2006−7237
上記提案されている方法は、クランプ冶具に単純に穴をあけたものでその穴が外気へ通じているため、その穴にシールドガスを導入してもシールドガスが穴を通して逃げてしまう。また、シールドガスがHeの場合は、Heは空気より軽いので容易に外気へ拡散してしまい、その穴にHeが滞留しないとい問題がある。シールドガスがArの場合は、1気圧以上の圧力をかけると穴からArガスが逃げてしまい、1気圧以上の圧力をかけられず、レーザー溶接時の溶接品質を余り向上できないという問題もある。さらに、溶接部位が閉曲線となる場所は被溶接加工製品(ワーク)では多数存在するので、穴を連続させながら閉曲線で形成することは困難であるから、所々に穴の不連続部分を作製せざるを得ない。しかし、その穴の不連続部分ではレーザー光を通せないので、その穴を動かすか、または別のクランプ冶具を用いるかして不連続部分にレーザー光を通すしかなく、作業効率が非常に悪くなるとい課題やその不連続部分での合わせ誤差が大きくなるという課題もある。
本発明は、上記課題を解決するために、レーザー光を透過する透明材料を含むワーク押さえ冶具を用いてワークを抑えてワークの溶接部位にレーザー光を照射させるものである。具体的には以下の特徴を有する。
(1)本発明は、透明板を有するレーザー溶接用ワーク押さえ冶具であって、前記透明板を通してワークの溶接部位にレーザー光を照射してレーザー溶接するレーザー溶接用ワーク押さえ冶具であり、前記溶接部位から前記透明板までの領域は空間(以下、溶接空間という)となっており、前記レーザー光は前記溶接空間を通って前記溶接部位に照射され、前記透明板は石英板または石英ガラス板であることを特徴とする。
(2)本発明は、(1)に加えて、前記透明板の一部で前記ワークの一部を押さえ、前記透明板の前記ワークを押さえる部分において、前記透明板にワーク押さえ部材が付着配置されており、前記押さえ部材は柔軟性部材であることを特徴とする。
(3)本発明は、(1)および(2)に加えて、 前記透明板は前記溶接部位に面する領域で溝部を有し、レーザー光は前記透明板の溝部を通って溶接部位を照射することを特徴とし、前記溝部が溶接空間であり、または、前記透明板に板材が付着しており、レーザー光を照射する部分において前記板材が除去されて貫通溝が形成されており、前記貫通溝が溶接空間となり、前記板材は、金属、合金、プラスチック、またはセラミックスであることを特徴とする。
(4)本発明は、(1)〜(3)に加えて、前記透明板は前記溶接空間の部分以外にワーク形状に適合したモールド型を有しており、前記ワークはレーザー溶接時に前記モールド型で抑えられていることを特徴とし、前記モールド材は、プラスチック、金属、またはセラミックスであり、前記モールド型の下面に柔軟性部材または金属部材が配置されていることを特徴とする。
(5)本発明は、(1)〜(4)に加えて、前記溶接空間の側面に前記溶接空間側面を保護する防護材料が配置されており、前記防護材料は、耐熱材料および/または高強度材料であり、前記防護材料は、金属または合金であることを特徴とする。
(6)本発明は、(1)〜(5)に加えて、前記溶接部位の一部は閉曲線となり、前記閉曲線の溶接部位の周辺を溶接空間が取り囲み、レーザー光は連続照射により前記閉曲線の溶接部位全体を溶接可能であり、前記溶接空間にシールドガスを流す機構または前記溶接空間を1気圧未満の低圧にする機構または前記溶接空間を1気圧を越える高圧にする機構が備わることを特徴とする。
(7)本発明は、(1)〜(6)に加えて、レーザー光が照射する側の前記レーザー溶接用ワーク押さえ冶具(上側溶接用ワーク押さえ冶具)の溶接空間(第1の溶接空間)と反対側にも溶接空間(第2の溶接空間)を有するレーザー溶接用ワーク押さえ冶具(下側溶接用ワーク押さえ(拘束)冶具)を有し、上側溶接用ワーク押さえ冶具は上側ワークを押さえる冶具であり、下側溶接用ワーク押さえ冶具は下側ワークを押さえる(拘束する)冶具であり、前記下側溶接用ワーク押さえ冶具において、前記第2の溶接空間を構成するワーク下板と対面する板材はレーザー光が透過しない材料であることを特徴とする。
(8)本発明は、(1)〜(7)に加えて、前記第2の溶接空間を1気圧未満の低圧にする機構または前記第2の溶接空間を1気圧を越える高圧にする機構が備わり、前記レーザー溶接用ワーク押さえ冶具を用いて、レーザー照射時に、レーザー照射側の溶接空間(第1の溶接空間)を低圧にするとともに反対側の溶接空間(第2の溶接空間)を高圧にして、レーザー照射することを特徴とする。
本発明のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具は、透明板とワークの溶接部位周辺の溶接空間を有し、照射されるレーザー光は透明板を通して溶接空間を通ってワークの溶接部位に照射されてワークを溶接するものである。従って、溶接空間内の気密性が保持されるので、シールドガスを入れてもシールドガスの消費が少なくランニングコストを低減できる。また、ワーク形状に適合した型をプラスチック等の種々の材料で簡単に精密に作製できるので、ワークの固定が確実に行われ、ワークの溶接部位の接触度合を改善でき、因って、溶接品質を飛躍的に向上できる。溶接空間を閉曲線(一筆書き曲線)にすることも容易に実現できるので、レーザー光をその閉曲線に沿って連続して照射することができるとともに、レーザー照射の繰り返し接続照射をする必要もないので、レーザー照射効率が飛躍的に向上でき、レーザー溶接費用を低減できる。溶接空間の側面には高耐熱性で高強度の材料を配置できるので、溶接時に発熱する熱や飛散物等による影響を小さくすることもでき、ワーク押さえ冶具の繰り返し使用等の長寿命化を実現できる。
図1は、レーザー溶接用の被加工物(ワーク)の一例を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、透明部材を通してレーザーを照射して溶接する状態を示す図である。 図3は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、凸状部分にワーク押さえ部材を配置した図である。 図4は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、ワークの凸状部分全体を被うワーク押さえ部材を使用した図である。 図5は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、ワークに適合した型を用いた基本形を表す実施形態である。 図6は、図5に示す型の作製方法を示す図である。 図7は、本発明のモールド型の別の作製方法を示す図である。 図8は、本発明の感光性樹脂を使用しない別の実施形態を示す図である。 図9は、本発明の第5の実施形態を示す図であり、透明板そのものに溶接空間(溝)を形成する図である。 図10は、本発明の第6の実施形態を示す図であり、透明部材に付着した板材に溶接空間を形成する方法を示す図である。 図11は、本発明の第7の実施形態を示す図であり、溶接空間に面するモールド型の側面に耐熱性材料を備える図である。 図12は、図11に示すモールド材(型)の側面に防護壁を形成配置する方法を示す図である。 図13は、本発明の第8の実施形態を示す図であり、モールド材において溶接空間の側面だけでなく底面(または上面)にも防護材(防護壁)が形成されている状態を示す図である。 図14は、本発明の第9の実施形態を示す図であり、溶接空間の側面に予め防護壁を作製した後にモールド材を作製する方法を示す図である。 図15は、上述した図14(a)に示す構造でワーク押さえ冶具を作製したときのワークを抑えてレーザー照射をした状態を示す図である。 図16は、シールドガスを溶接空間に流す状態を示す図である。 図17は、溶接空間を設けた透明板材をワーク押さえに用いた本発明の第10の実施形態を示す図である。
図1は、レーザー溶接用の被加工物(以下、ワークと言う)の一例を示す図である。図1(a)はワークの平面図、図1(b)はワークの立面図である。ワーク10はワーク上板11とワーク下板12から構成され、ワーク上板11およびワーク下板12は、椀を伏せたような形状で内側が中空になった凸状体または凹状体13を複数並べた板状体で同形状であり、ワーク10はこれらのワーク上板11およびワーク板12のそれぞれの平坦部を合わせ作製したもので、中空状空間15(15−1、2、3、4)の閉空間を複数有するものである。中空状空間15(15−1、2、3、4)を気密にするために、これらの周囲14(14−1、2、3、4)を溶接する。尚、ワーク(ワーク上板、ワーク下板)材料、(特にレーザー溶接でワーク上板11とワーク下板12における溶接部14)の材料は、レーザー溶接可能な材料である。たとえば、ステンレス系材料、鉄系材料、その他各種金属材料であり、セラミック等でも良い。
本発明は、このような凸状または凹状の部分を有するワークにおける溶接部14(14−1、2、3、4)を確実に溶接するための手段を提供する。図2は、本発明の第1の実施形態であり、透明部材を通してレーザーを透過照射して溶接する状態を示す図である。溶接時には上下のワーク板(ワーク上板11、ワーク下板12)が位置ずれすることなく溶接部位(溶接点)14(14−A、B、C)で確実に接触(接面)していること(溶接点でワーク同士の隙間がない状態であること)が必要であるが、ワークの反りや厚みのばらつき等によりワーク上板11とワーク下板12の接触が不十分な場合や位置ずれが生ずる場合がある。あるいは、溶接時の熱等によってワークの反りが発生することもある。
そこで、図2に示す実施形態では、両面が(略)平坦で透明な透明板材21をレーザー照射側からワーク10の上方(ワーク上板11)から押し当てて、ワーク上板11とワーク下板12を溶接部位14(14−A、B、C)で確実に接触させる。ワーク10の下方(ワーク下板12)側も両面が(略)平坦な板材22で同様にワーク10の下方(ワーク下板12)から押し当てる。(尚、どちらかを固定して他方を押し当てていくということでも同様である。)すなわち、ワーク上板11は上に凸状部分13を有しているので、上方から透明板材21を押さえる(または拘束する)ことによって、溶接部位14(14−A、B、C)でワーク上板11も押さえられ、同様にワーク下板12は下方に凸状部分13を有しているので、下方から板材22を押さえることによって、溶接部位14(14−A、B、C)でワーク下板12も押さえられ、両方の結果として、ワーク上板11とワーク下板12が溶接部位14(14−A、B、C)で確実に接触できる。尚、ワーク10の下方(ワーク下板12)側からはレーザーを照射しないので、押さえ板材(または押さえ部材または拘束部材とも言う)22は透明でなくとも良い。あるいは、押さえ板材22の代わりに固定台でも良い。
確実に接触した状態で透明板材21の外側上方からレーザー光17が透明板材21を通して溶接部位14(14−A、B、C)に照射され、ワーク上板11とワーク下板12は溶接部位14(14−A、B、C)で溶接接合される。ここで、透明板材21はレーザー光を透過するとともに、レーザー光によって損傷等しない材料が望ましい。たとえば、YAGレーザーを使用する場合は、透明板材21はたとえば石英、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等の耐熱ガラス、コランダム(以下、石英ガラス等と言う)が良い。炭酸ガス(CO2)レーザーの場合は、透明部材はたとえばジンクセレン(ZnSe)が良い。
図2では平坦な板材22を使用したが、板材でなくても平坦な台であっても良い。あるいは、透明板材21でワーク10を押さえて、溶接部位14(14−A、B、C)におけるワーク上板11とワーク下板12が確実に接触してレーザー溶接が効率よく行うことができれば必ずしも平たんでなくても良い。たとえば、ワーク下板12の凸状部分13だけに当たるような部材でワーク下板12を抑えることができるようなものでも良い。
透明板材21は使用するレーザー光に対して透過率の高い材料であるが、可視光に対しても透明であることが望ましい。肉眼でもワーク(ワーク上板11とワーク下板12)の位置合わせ状態が分かるので、位置ずれしないようにワーク(ワーク上板11とワーク下板12)の位置状態を調整できる。たとえば、石英ガラス等やジンクセレン(ZnSe)は可視光に対しても透過率が高い。ワーク下板12も、肉眼等で下方から見てワーク(ワーク上板11とワーク下板12)の位置合わせ状態が分かるように、可視光に対して透明な材料が望ましい。たとえば、石英ガラス等やガラスである。
ワーク上板11とワーク押さえ用の透明板材21との間の空間(溶接部空間という)26に空気や酸素が存在すると、レーザー溶接時にワーク10の溶接部位14およびその周辺が酸化して、溶接部位が劣化したりして溶接部の寿命が短くなる。そこで、溶接部空間26に窒素(N2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等の不活性ガス等のシールドガス(アシストガスとも言う)を入れて溶接時の酸化等を防止できる。ワーク10の凸状部分13の高さが小さければ、溶接部空間26の容積も少なくなるので、シールドガス量も少なくて済み溶接時のランニングコストの増加も小さい。さらに、ワーク押さえ用の透明板材21の周囲(全体)にシール部材23を配置することによって、シールドガスを透明板材21およびワーク10の領域のみにシールドガスを閉じ込めておけるので、さらにシールドガス量を少なくできる。
シール部材23の高さは、ワーク上板11の平坦部から凸状部分13の最上部までの高さより少し高く形成しておく。また、シール部材の材料を弾力性ある構造または材料で形成する。弾力性ある構造としてはたとえば伸縮可能なピストン構造などであり、弾力性ある材料としてはたとえばゴム状部材である。これらの弾力性あるシール部材23は、透明板材21をワーク10へ近づけたときに、ワーク上板11の周囲に接触し、その後に透明板材21がワーク上板11の凸状部13に接触してワーク上板11を押し付ける。このときシール部材23がさらにワーク上板11の周辺を押し付けるので、透明板21とワーク上板11との間の溶接空間26の気密性が高まる。この後、シール部材23またはワーク上板11または透明板21の一部に形成したシールドガス導入孔より真空ポンプ等を使い溶接空間26の空気または酸素を抜いて、その後でガスボンベ等を使ってシールドガスを入れることによって、シールドガスで溶接空間26を充填させることができる。あるいは、ガスボンベ等だけでシールドガスを入れて、溶接空間26に最初存在した空気等を押し出しても良い。尚、板材22にもその周囲にシール部材24を配置して、同様に板材22とワーク下板12との間の溶接空間27をシールドガスで充満させて、レーザー溶接時における溶接空間27側の溶接部位14やその周辺の酸化等を防止することができる。尚、シールドガスは溶接時に出るスパッター(たとえば、ワーク金属の飛散物)や金属蒸気等から透明板等を守る効果もある。特に溶接空間26や27のシールドガス圧力を高めておけば、酸化防止効果や透明板等保護効果をさらに高めることができる。
特にシールドガス圧が1気圧を越える高圧にしておくことにより、溶接空間26や27において、ワーク上板11や12をシールドガスの圧力で押し付けることができるので、ワーク上板11と12の接触等を確実に行なうことができ、溶接部位14(A、B、C)の溶接品質を向上することができる。尚、このとき、透明板21や板材22も高圧で押されるが、それ以上の力で透明板21を上方からまたは板材22を下方から押したり、あるいは抑えたりすることにより、透明板21や板材22がワーク上板11や12を押し付けることができるから、透明板21側や板材22側ががワーク上板11や12から離れることはない。尚、レーザー照射側の溶接空間26およびそれと反対側の溶接空間27を同時に高圧にして上側と下側からワーク上板11や12を押す以外に、片方だけを高圧にしておいても良いが、このときは、高圧になっていない方を上方または下方から押すか抑えるかして、一方側へ押されないようにする必要もある。さらに、他方側を1気圧未満(1気圧〜真空)の低圧にし、他方側を高圧にしても良い。たとえば、レーザー照射側の溶接空間26を低圧にして他方側の溶接空間27を高圧にしておくことにより、ワーク押さえ冶具(上側)とワーク上板11との密着性を高めるとともに、ワーク下板12とワーク上板11との密着性も高めることができるから、溶接部位の品質が向上する。
図3は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、本実施形態では凸状部分に押さえ部材を配置している。凸状部分13の高さはばらつきがあり、また高さの異なる凸状部分が存在する場合がある。透明板材21は高さ方向に柔軟に変形する材料ではないので、複数の凸状部分13の全部が透明板材12に接触して押されず、隙間が存在する場合がある。そのような透明板材12に押されない凸状部分13の近くに存在する溶接部位14の接触は不十分になるので、確実な溶接が行われないこともある。そこで、図3に示すように凸状部分13に接触する部分に対応する透明板材21の部分に押さえ部材31を配置する。押さえ部材31の材料は、高さ方向に変形(伸縮)可能なゴムや弾性プラスチック等の柔軟性材料または高さ方向に伸縮可能な構造を有する部材(たとえば、ピストン、バネ)である。この押さえ部材31は高さ方向に伸縮可能なので、透明板材21をワーク上板13に押し付けていくと、透明部材に配置した押さえ部材31はワーク上板11の凸状部分13に接触してワーク上板11を押し付ける。ワーク上板11の複数の凸状部分13の高さばらつきがある場合や異なる高さの凸状部分13があっても、押さえ部材31が伸縮するので、殆ど全部のワーク上板11の複数の凸状部分13に当たり押し付けて、溶接部位14における接触を確実にすることができる。ワーク下板12側に関しても押さえ部材32を板材22に配置しておけば、ワーク下板12も下方から押さえることができる。この押し付けた状態で、透明板21の上方からレーザー光17を透明板21を通して溶接部位14に照射して溶接する。これによって、ばらつきが少なく確実な溶接を実現できる。図3に示す実施形態においても、透明板材21にシール部材23を配置してワーク上板11の周囲を押さえて気密空間26を実現できる。同様に板材22にシール部材24を配置してワーク下板12の周囲を押さえて気密空間27を実現できる。
押さえ部材31、32は、たとえばシート(たとえば紙)にワークの凸状部分13に対応する部分に張り付けた押さえ部材31、32の表面に接着剤等を付着させて、そのシートを透明板21または板材22に張り付けた後にシートを取り外すと透明板21または板材22のワークの凸状部分13に対応する部分に押さえ部材31、32が付着して、いわゆる転写によって、形成することができる。シール部材23、24についても同様にして透明板21または板材22に形成することができる。凸状部分の高さが伸縮部材の伸縮限界より小さい場合で、かつ伸縮部材で気密性を確保できるときは、シール部材と押さえ部材を同一材料で同じ高さの部材でシートに一緒に搭載できて、同時に1度に透明板21または板材22に張り付けることができる。あるいは、2次元移動可能なディスペンサー装置を用いて透明板21または板材22に直接形成(直描)することもできる。
図4は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、本実施形態ではワークの凸状部分全体を被う押さえ部材を使用している。図4において、ワーク上板11の凸状部分13のほぼ全体を覆うように押さえ部材35が透明板材21に配置している。また、ワーク下板12の凸状部分13のほぼ全体を覆うように押さえ部材36が透明板材22に配置している。従って、ワーク10の凸状部分13が全体的に抑えられるので、図2および図3に示す場合(図3はワーク10の凸状部分13の一部(特に最も高さが高い部分)に押さえ部材31、32に配置)よりも、ワーク10が確実に抑えられているので、溶接部位14における接触がより確実になる。押さえ部材35、36の部材の伸縮性が高い材料であるか、またはワーク10の凸状部分13の高さが小さい場合に有用である。シール部材23、24については、図2および図3と同様に、ワーク10の周囲に接触して気密(溶接)空間26、27を形成するように透明板材21および板材22の周囲に配置できる。この場合、押さえ部材の高さとシール部材の高さは同一にできるので、同一材料にすることも可能である。尚、周囲の気密(溶接)空間26、27が押さえ部材35、37によって分離する場合は、ワーク10の押さえに余り影響がない部分に周囲の気密(溶接)空間同士を接続する通路を設けて、周囲の気密(溶接)空間26、27からすべての気密(溶接)空間26、27へシールドガスを入れることができるようにする。溶接空間26、27は狭くなるが、溶接空間に入れるシールドガスの量を低減できる。溶接空間の大きさはワークのサイズ、レーザー光の条件等により適宜選択すれば良い。たとえば、小型部品(ワーク)では、たとえば、溶接空間の大きさは深さ(高さ)0.1mm〜10mm、幅1mm〜20mmである。大型部品(ワーク)であれば、それ以上の大きさにすることもできる。透明板材の厚みは、レーザー光の種類や条件、透明板材の種類にもより適宜選択すれば良いが、たとえば0.05mm〜10mmである。透明板材自体に溝(溶接空間)を形成する場合は、これ以上の厚みでも良い。押さえ部材35、36の部材はワーク10の凸状部分13の形状に適合した形状であっても良い。この場合は、押さえ部材35、36の材質は伸縮性が高い材料でなくても良い。たとえば、金属材料でも良い。しかしこの場合でも押さえ部材35、36の表面に伸縮性の高い材料や弾性材料(たとえば、ゴムや弾性プラスチック等)を付着させておけば、凸状部分13の高さバラツキにも対応できる。
図5は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、ワークに適合した型を用いた基本形を表す実施形態である。図5(a)は、ワークに適合した金型を個別に分離して示した図である。型41は、ワーク上板11に適合した型であり、型41(41−3、41−4)はシール部材、型41(41−1、41−2)はワーク上板11の凸状部分13に適合する。型42は、ワーク下板12に適合した型であり、型42(42−3、42−4)はシール部材、型42(41−2、42−2)はワーク下板12の凸状部分13に適合する。これらの上方に透明板材21、これらの下方に板材22を分離して示している。図5(b)は、上記の型を透明板材21および板材22に付着した状態を示している。すなわち、透明板材21に型41(41−1〜4)を付着させる。透明板材21に付着した型41(41−1〜4)は、ワーク上板11に適合し、透明板材21に付着した型41(41−1〜4)をワーク上板11の上方から押さえることができる。また、板材22に型42(42−1〜4)を付着させる。板材22に付着した型42(42−1〜4)は、ワーク下板12に適合し、板材22に付着した型42(42−1〜4)をワーク下板12の下方から押さえることができる。図5(c)は、ワーク10(ワーク上板11およびワーク下板12)を合わせた状態で上下から透明板材21に付着した型41(41−1〜4)および板材22に付着した型42(42−1〜4)によって押さえて、レーザー17を溶接部位14に照射した状態を示す。溶接空間26および27が存在し、溶接部位14の周囲は型41、42によって押さえられているので、ワーク上板11とワーク下板12の溶接部位14における接触は確実に行われている。その結果、レーザー17は透明板材21を通して溶接部位14に照射されて、ワーク上板11とワーク下板12の溶接部位14における接合も確実に行われる。型材は、種々の材料を採用することができる。たとえば、鉄系材料、銅系材料、アルミニウム系材料、スズ系材料、各種ハンダ材料等の金属材料、各種樹脂(天然樹脂、合成樹脂)、各種セラミックスが挙げられる。
図6は、図5に示す型の作製方法を示す図である。図6(a)は型枠を示す図である。型枠(上側)50は、図5に示す(上)型41を作製するための型枠であり、上枠板51、下枠板52、溶接空間枠板53から構成される。上枠板51と下枠板52と溶接空間枠板53との間に型枠空間55が形成されている。上枠板51の型枠空間55側の面は透明板21の下側面に対応してくるので、平坦面である。下枠板52には凸状部分52Cがあり、この凸状部分52Cはワーク上板11の凸状部分13に対応する。溶接空間枠板53は溶接空間26に対応する。上枠板51は透明板材21と同じ形状で良いし(または、そのものでも良い)、また下枠板52はワーク上板11と同じ形状で良い(または、そのものでも良い)。型枠(下側)についても同様に作製できる。
次に図6(b)に示すように、型枠(上側)50の型枠空間55に型材料(モールド材)を注入し、モールド型56を形成する。型枠空間55同士(55−1、2、3,4)を接続する接続孔を設けることができれば、一部の型枠空間55(たとえば、55−3や55−4)の外側からモールド材(液状または溶融状)を注入し、接続孔を通して他の型枠空間55(たとえば、55−1や55−2)へモールド材を流し込む。図1に示すように、型枠空間55(凸状部分13を含む部分)を溶接空間53(溶接部位14)が取り囲んでいるような場合は、接続孔を設けることができないので(モールドを流し込んだときに接続孔にもモールド部材が入るから)、たとえば、上枠板51にモールド材注入孔54を設けて、型枠空間55へモールド材を注入する。尚、下枠板52にモールド材注入孔54を設けても良い。また、型枠空間55内にモールド材を注入したときに気体部分が残留してモールド材のない部分ができないように、気体抜き孔を上枠板51や下枠板52に設けても良い。ただし、作製する型はワーク10を確実に押さえることができて、溶接空間が確実に形成されれば、型自体の完成度は必要ない。型枠空間55にモールド材を注入した後、モールド材の温度を下げたりして液状のモールド材を固化すれば、型枠に対応したモールドができる。モールド材は、一般的にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、その他各種のプラスチック(合成)樹脂を指すが、ここではこれら以外に、石膏やろう、セメント、粘土等の各種セラミックス、銅系材料、鉄系材料、アルミニウム系材料、スズ系材料、鉛系材料等の各種金属材料や各種合金など型を作製できる材料である。型枠50の材料は、液状化したモールド材の温度状態で固体状態で変形しない材料である。たとえば、各種金属、各種セラミックス、各種プラスチックである。
次に図6(c)に示すように、上枠板51および溶接空間枠板53を取り外す。型枠を組み立てるときに、溶接空間枠板53を上枠板51にたとえば接着剤等を用いたり、ネジ等による機械的結合で付着しておけば、上枠板51をモールド材から引き離せば溶接空間枠板53も取り外すことができる。モールド材56が分離しなければ、下枠板52も外すこともできる。上枠板51および溶接空間枠板53を取り外すと図6(c)に示すように、下枠板52にモールド材56が付着している状態のものができる。これを透明板21の下面に付着する。モールド材56の上面に接着層58を付着させて透明板21の下面に付着する。接着層58は、接着シートを貼り付けることもできるし、ディスペンサーやディッピングやスキージ法や刷毛塗り等で塗布できる。接着層を熱処理等で固化すれば、モールド材56が透明板21に強固に付着する。尚、図6(b)に示したモールド材注入孔54を配置してモールド材を注入した場合、モールド材注入孔54の入り口の一部を楔状に狭くしておけば、モールド材注入孔54における突起は発生せず、モールド材56側に凹部として形成されるので、モールド材56の上面平坦度が保持される。従って、平坦な透明板材21(の下面)が平坦なモールド材56(の上面)に平坦性を保ちながら接着できる。仮にモールド材56(の上面)にモールド材注入孔54における突起が発生する場合は、研磨機(たとえば、バックグラインダーやCMP(化学的研磨)装置を用いてモールド材56(の上面)を平坦にすれば良い。
次に図6(d)に示すように、下枠板52を取り外せば、透明板21に(モールド)型56が付着したもの(透明板モールド型)が完成する。これは図5(b)に示す上型(透明板21に付着した型41)と同じである。同様にして、図5(b)に示す下型(板材22に付着した型42)も作製できる。また、溶接空間枠板53を取り外したときに確実に孔(溶接空間となる)が形成されていることが重要である。モールド材が下枠板52と溶接空間枠板53との間に入ったときには、下枠板52を取り外した後で、洗浄や除去液等を用いてそのモールド材を除去する。尚、上枠板51として透明板21を用いて、図6(b)の後で、上枠板51(透明板21)は外さずに下枠板52および溶接空間枠板53を取り外すこともできる。この場合は予め溶接空間枠板53を下枠板52に付着させておく。このようにすれば、上枠板51を外してさらに透明板21を付着させる工程をなくすことができる。透明板21にモールド材注入孔54を形成することは問題ないし、そのままモールド材注入孔54を透明板21に残しておいても特に問題はない。
図7は、本発明の実施形態を示す図で、モールド型の別の作製方法を示す図である。図7(a)に示すように、下枠板61上に感光性樹脂膜62を塗布する。感光性樹脂膜62は、たとえば感光性ポリイミドや各種フォトレジストである。塗布は、たとえばスピンコート法、ディップ法、スキージ法等各種のコート法である。下枠板61には凸状部分61Cがあるので、この凸状部分61Cを被ってかつ感光性樹脂膜62の表面(上面)をできるだけ平坦にする。従って、凸状部分61Cの高さにもよるが、少なくとも凸状部分61Cの高さよりも厚い厚塗りとなる。感光性樹脂膜62の液状粘度を高くして厚塗りができる。またコートした後で前熱処理(プリベーク)を行い(たとえば、100℃以下)、その後でコートを繰り返して厚くすることもできる。凸状部分61Cの高さが1〜10mm、またはそれ以上でも感光性樹脂膜62を略平坦にコートして、かつ凸状部分61Cを被うことが可能である。
次に、感光性樹脂膜62がポジ型である場合、図7(b)に示すように、フォトマスクを用いて溶接空間となる部分64に光を当てる。感光性樹脂膜62がネガ型である場合、フォトマスクを用いて溶接空間となる部分64以外の部分に光を当てる。その後現像液に浸漬するか現像液を感光性樹脂膜62にスプレーする(かける)かすれば、図7(c)に示すように、溶接空間となる部分64の感光性樹脂膜が溶解して溶接空間64が形成される。この後、図7(d)に示すように、透明板材21を付着させる。ここで、感光性樹脂膜62が凸状部分61Cによって凹凸があり平坦でない場合には、透明板材21を押し付けて平坦にすることができる。感光性樹脂膜62はまだプリベーク状態であるから、接着剤を用いなくてもその後の熱処理によって透明板材21と密着(付着)する。もちろん、感光性樹脂膜62上に接着層を形成してから透明板材21を付着させても良い。透明板材21を感光性樹脂膜62に押し付けながら適当な熱処理(後熱処理またはポストベーク)をして感光性樹脂膜62を硬化させる。たとえば、感光性ポリイミド膜の場合の熱処理は、150℃〜200℃および300℃〜450℃である。その後、下枠板61を取り外して、図7(e)に示すように透明板21にモールド型62が付着したワーク押え(上側)65を作製することができる。下枠板61は後熱処理前に取り外しても良い。後熱処理中に溶接空間64部分の透明板21に感光性樹脂膜62の熱処理によるアウトガスによる膜ができて曇りを生じた場合は、図7(e)の後で、ウエットエッチングやドライエッチングでその曇りを除去することができる。ワーク押え(下側)についても同様に作製できる。
図8は、本発明の感光性樹脂を使用しない別の実施形態を示す図である。図7(a)の状態は同じであり、図8(a)に示すように下枠板71上に樹脂液を塗布して樹脂層72を形成する。樹脂層72の厚さに応じて、樹脂液の種類やその粘度等を選択して塗布条件を適宜最適化する。上枠板73に溶接空間枠板74が付着している。溶接空間枠板74は溶接空間の形状に適合したものである。樹脂層72が液状で柔らかい状態の間に溶接空間枠板74が付着した上枠板73を、溶接空間枠板74が溶接空間となる部分に合うように樹脂層72を塗布した下枠板71に押し付ける。(図8(b))溶接空間枠板74の下端が下枠板71に接触して、溶接空間枠板74と下枠板71の間に樹脂液が存在しないようにすることが望ましい。また、樹脂層72と枠板71、73、74の間に隙間がない状態にすることと枠板73で樹脂層72を押し付けて樹脂層72の圧力をある程度高めることが重要である。この状態で熱処理により樹脂層72を固化させた後、上枠板73および溶接空間枠板74を引き抜くと、図8(c)に示すように、溶接空間75が形成された樹脂層(の固化層)72を作製できる。この後の工程は図7に示す工程と同様である。また、ワーク押え(下側)についても同様な方法で作製できる。尚、上記方法はインプリント法の一種である。
図9は、本発明の第5の実施形態を示す図であり、透明板そのものに溶接空間(溝と呼んでも良い)を形成するものである。図9(a)は、ワーク上板81とワーク下板82を合わせたワークの上下から透明体材83および板材85で押さえた状態を示す図である。溶接部位86に透明板材83の上方からレーザー光87を照射して溶接部位86でワーク上板81とワーク下板82を溶接する。溶接部位86の上部を透明板材83で直接押さえる(接触する)と、溶接時の熱や発生ガスや発生粒子等が直接透明板材83に伝達し、透明板材83を損傷させたりして透明板材83にダメージを与える。また溶接そのものにも悪影響を与え十分な溶接が行われない。そこで、図9(a)に示すように、溶接部位86の上下に空間(溶接空間84、88)を作り、溶接時に発生する熱等を逃がすようにする。特にこれらの空間にシールドガスを入れることによって、溶接によるワークの酸化等を防止できる。また、この溶接空間84、88にガス流動ラインを接続してガス流を生じさせることによって、発生する熱を効果的に逃がしたり、発生する粒子等を除去することができ、安定した溶接を効率的に行なうことができる。
図9(b)は、透明板材83に溶接空間84を作製する方法を示す図である。透明板材83上にたとえばフォトリソグラフ法でレジストパターン89を形成し、溶接空間84を形成すべき部分の窓開けを行なう。これをドライエッチングやウエットエッチング等を用いて、透明板材83をエッチングして溶接空間(溝と呼んでも良い)84を形成する。透明板材が石英ガラス等(SiO2)である場合は、ウエットエッチングであればフッ酸系エッチング液やKOH等のアルカリエッチングを用いることができる。ドライエッチングであればCF4ガス等の炭化フッ素系ガスを用いてエッチングすることができる。時間エッチングで透明板材83の適当な深さまでエッチングできる。透明板材83は一部がエッチングされず残っているので、たとえば図1に示すように溶接部位が閉曲線であっても透明板材が分離することはなく、閉曲線の溶接空間も作製できる。あるいは、高圧ジェット水を用いて透明部材83の深さ方向の一部切断により透明部材83に溶接空間84を形成でき、このときはフォトリソ法を用いる必要もない。
図10は、本発明の第6の実施形態であり、透明部材に付着した板材に溶接空間を形成する別の実施形態を示す図である。図10(a)に示すように、透明板材91に板材92を付着させる。この付着は接着剤を用いても良いし、たとえば融着法を用いて接着しても良い。この板材92は、たとえばアルミニウム系材料や銅系材料や鉄系材料等の金属や合金、シリコン等の半導体、または各種セラミック、ガラス、プラスチック等である。透明板材91は、たとえば石英ガラス等である。板材92上にフォトリソ法でレジストパターン93を形成し、溶接空間を形成する部分の窓開け94を行なう。次に図10(b)に示すように、フォトレジストパターン93を用いて、板材92をエッチングして板材92をエッチングし、溶接空間95を形成する。板材92が、たとえばアルミニウムや鉄であれば、塩酸や硫酸等の溶液でエッチングできる。しかもこの溶液では石英ガラス等はエッチングされないので、深さ方向のアルミニウムや鉄を完全にエッチングでき、しかも石英ガラス等板91をそのまま残すこともできる。たとえば、厚さ0.1mm〜1mmの石英ガラス等に厚さ5mmのアルミニウム板を貼り付ければ、深さ(高さと言っても良い)5mmの溶接空間94を形成できる。他の材料に関しても石英ガラス等とエッチング選択比が大きいエッチング液やドライエッチングガスが存在するので、板材92の材料に合わせてエッチング液やエッチングガスを適宜選択して溶接空間95(の下(または底)面)に石英ガラス等板91のみを残すことができ、この石英ガラス等板91を通してレーザー光を溶接部位(図9を参照)に照射できる。
板材92を深さ方向に全部エッチング除去しても、板材92は石英ガラス等板91に付着しているので、この溝部(溶接空間)95が閉曲線になっていても(たとえば、図1では、溶接部位14が閉曲線となっている)、板材92が溶接部位の両側に残っているので、ワーク板の押さえは確実に行われるとともに、レーザー照射が閉曲線となった溶接部位に連続して中断することなく、一筆書きのように)照射可能である。しかも板材92の厚みを適宜選択でき、それによる溶接空間95の深さ(高さ)もコントロールできるので、レーザー光照射により発生する熱やガスや粒子等による影響を石英ガラス等板81に与えないようにすることができる。さらに、板材92の材料を適宜選択すれば、レーザー照射による熱の影響や粒子等がスパッターされて溶接空間95における板材92の側面に与える影響も緩和できる。たとえば、板材92がアルミニウムであれば耐熱温度は約500℃で、銅であれば約800℃まで、鉄なら約1200℃まで耐えられる。(尚、石英ガラス等板81の中でも石英や石英ガラスは少なくとも約1000℃〜1700℃までは耐えることができる。)この結果この石英ガラス等板材81と板材82からなる押さえ冶具は繰り返し使用が可能となり、ランニング費用の低減も可能である。尚、図9の説明で記載した高圧ジェット水を用いて板材92を切断して石英ガラス等板91を切断しない条件で板材92を完全に除去して溶接空間95を形成することもでき、このときはフォトリソ法を用いる必要もない。
図11は、本発明の別の実施形態(第7の実施形態)を示す図であり、溶接空間に面するモールド型の側面に耐熱性材料を備えるものである。すなわち、(ワーク上板11とワーク下板12を合わせた)ワーク10を上方からワーク押さえ冶具107で、下方からワーク押さえ冶具(下側)108で押さえて固定する。ワーク押さえ冶具107はワーク上板11の凸状部分等に適合したモールド型101が付着した透明板材21であり、ワーク10の溶接部位106の領域およびその周辺領域は溶接空間102になっている。同様に、ワーク押さえ冶具108はワーク下板12の凸状部分等に適合したモールド型105が付着した板材22であり、ワーク10の溶接部位106の領域およびその周辺領域は溶接空間103になっている。レーザー109が透明板材21を通して溶接空間102を通過してワーク10の溶接部位に照射される。このとき、熱やガスや飛散物(粒子)が発生する(矢印で示す)。溶接空間にはシールドガスが充填されており、シールドガス流れが存在するので、これらの熱等はシールドガス流れに乘ってワーク押さえ冶具の外側に排出されるが、一部は溶接空間102に面したモールド材(型)101の側面に衝突したり伝達したり漂流したりしてモールド材101の側面が劣化する可能性がある。特にモールド材がプラスチック等である場合には劣化する可能性が大きい。そこで、モールド材101の側面に防護材(防護壁とも言う)104を形成配置する。この防護材104は、耐熱性があり強度がある材料が望ましい。たとえば、銅、鉛、スズ、鉄、ニッケル等、または各種合金等の金属であり、またはシリコン酸化膜等の絶縁膜であり、またはシリコン膜等の半導体膜である。ワーク押さえ冶具108側の溶接空間103はレーザー光は通らないが、溶接時の熱等は発生するので、溶接空間103におけるモールド材105の側面に防護材104を形成配置するのが望ましい。尚、下側のワーク押さえ冶具は、溶接時に特に問題が発生しなければ、溶接空間を設けずに、ワーク下板12のワーク部位106に直接接触して押さえる冶具でも良い。この場合、ワーク下板12のワーク部位106に接触する部分の材料は、溶接時の熱は伝達するので、その伝達した熱に耐えるような上記したような材料が望ましい。
図12は、図11に示すモールド材(型)101、105の側面に防護壁104を形成配置する方法を示す図である。図12(a)は、たとえば図6(b)の次の図を示す。すなわち、上枠板51および溶接空間枠板53を取り外した後に溶接空間102を取り巻くモールド材(型)101の側面に所定厚みの金属膜等111を形成する。ここで、図12は図6と同じ部位は図6の符号も合わせて記している場合がある。金属膜を含む導電体膜または絶縁膜または半導体膜(以下、金属膜等と言う)111はスパッター、蒸着、イオンプレーティング等のPVD(物理的気相成長)法やCVD法(化学的気相成長)等により形成するので、モールド材(型)101の側面だけでなく、溶接空間102の底面(下枠板52が露出した所)およびモールド材(型)101の上面にも積層する。金属膜としては、アルミニウム、銅、ニッケル、金、チタニウム、タングステン、モリブデン、鉄、その他の金属、またはその他各種合金膜等である。導電体膜はたとえばシリサイド(Siと金属との化合物)である。絶縁膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、セラミックス、その他各種絶縁膜である。半導体膜はたとえばシリコンである。
この後、モールド材(型)101の上面に接着剤等114をフォトリソ法、スキージ法、ディップ法、ロール法、あるいはディスペンス法等により形成して透明板材21を付着させて、熱処理等を行ない透明板材21にモールド材(型)101を固定する。尚、その他の接着法、たとえば融着法を用いて固定しても良い。(図12(b))透明板材21に前述した溝が形成されている場合は、この溝部が溶接空間102と合うように位置合わせをする。次に上枠板52をモールド材(型)101から取り外すと、底面側の上枠板52上に積層した金属膜等111もなくなるので、図12(c)に示すように、溶接空間102の側面(モールド型(材)の側面)に金属膜等が積層した状態となる。これらの金属膜等は耐熱性や強度があるので、レーザー照射時に発生する熱等からモールド材側面を防護できる。また、金属膜等111が金属膜や導電体膜である場合は、金属膜等111が露出した溶接空間102の側面(モールド型(材)の側面)だけにメッキや選択CVD等で金属メッキ膜を厚く積層することもできるので、さらに丈夫な防護壁にすることができる。
図12(d)は、図12(a)に示す構造のものから、モールド材101の上面および溶接空間102の底面に積層した金属膜等111を除去して溶接空間102の側面のみに金属膜等111を残した状態を示す図である。たとえば、図12(a)に示す構造のものを上方から異方性ドライエッチング(たとえば、RIE(反応性イオンエッチング))法を用いることにより、溶接空間102の側面のみに金属膜等111を残すことができる。あるいは、高圧ジェット水で溶接空間102の底面に積層した金属膜等111を除去しても良い。次に、図12(e)に示すように、モールド材101の上面に接着層等116を形成して透明板材21を付着させる。この後、上枠板52を取り外すことによって、溶接空間102の側面のみに金属膜等111を形成したワーク押さえ冶具(上側)ができる。金属膜等111が導電体膜であれば、金属メッキ(たとえば、銅、金、亜鉛、スズ、ニッケル、各種はんだ合金)や選択CVD金属膜(たとえば、タングステン)で厚く形成して、さらに頑丈な防護壁にすることもできる。尚、ワーク押さえ冶具(下側)についても同様に作製できる。
図13は、本発明の第8の実施形態を示す図であり、図11に類似する図であるが、モールド材101、105において溶接空間の側面だけでなく底面(または上面)にも防護材(防護壁)122が形成されている。ワーク押さえ冶具(上)125はワーク上板11を抑えて(押さえて)いるが、ワーク上板11とモールド材101との間には防護材(防護壁)122が介在している。また、ワーク押さえ冶具(下)126はワーク下板12を抑えて(押さえて)いるが、ワーク下板11とモールド材105との間には防護材(防護壁)122が介在している。ワーク押さえ冶具は繰り返し使用するものであるから、モールド材にワーク10が直接接触すると少しずつ摩耗していき、長期の使用でワーク押さえ冶具によるワークの押さえが不十分になり、溶接にも影響を及ぼす。特に、モールド材が摩耗しやすい部材(たとえば、プラスチック)であれば、その摩耗が顕著になる。そこで、図13に示すようにモールド材101、105において溶接空間の側面だけでなく底面(または上面)にも防護材(防護壁)122を形成しておけば、モールド材101、105の寿命を延ばすことができる。防護材(防護壁)122は溶接空間側面と同時に形成できるので、耐熱性および強度がある材料が望ましい。たとえば、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、はんだ合金等の金属、あるいはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等やセラミックス等の絶縁膜である。
その作製方法は、たとえば、図12と同様の方法で作製できる。図6(b)の工程の後で、上枠板51を取り外さずに、下枠板52を取り外す。その後の工程は図12に示す工程に従えば良く、モールド材101の側面および底面に防護材膜122をスパッター法等で形成し、必要ならメッキ法や選択CVD法で防護材膜を厚く形成する。ここで、メッキ法等で付加する場合、スパッター膜等で形成した膜はシード膜(種膜)となる。この後で、モールド材101の底面側にサポート板材を付着させた後に、上枠板51を取り外す。このとき、溶接空間102の底面に形成した防護材膜は取れる。その後に透明板材21を付着させる。その後でサポート板材を取り外すとワーク押さえ冶具(上側)125が完成する。ここでサポート板材の役割は、図1に示すように、溶接部位14が閉曲線になっている場合は、溶接部位14の周囲が溶接空間となっているので、サポート板材を用いずに上枠板51を取り外すと、溶接空間102に取り囲まれたモールド型が分離してしまう。そこでサポート部材を使用する。同様にして、ワーク押さえ冶具(下側)126についても同じ構造のものを作製できる。
図14は、本発明の別の実施形態(第9の実施形態)を示す図であり、溶接空間の側面に予め防護壁を作製した後にモールド材を作製する方法を示す図である。図14(a)に示すように、透明板材21の下面に防護壁131を付着させる。この付着は、接着剤を用いても良いし、融着法を用いることもできるし、他の手段も採用可能である。予めシート材に防護壁131のパターンを形成しておき、それを透明板材21に転写しても良い。防護壁131を透明板材21に付着させることによって、溶接空間(となるべき部分)134およびモールド材(型)(となるべき部分)135ができる。また、透明板材21にはモールド材(型)(となるべき部分)135に通ずるように、モールド材を注入する入り口であるモールド注入孔132が形成されている。この注入孔132は、レーザーや高圧ジェット水やエッチング等で作製できる。
次に図14(b)に示すように、上枠板133を防護壁131の下面に付着させる。この付着法も接着剤や融着法等を用いて行なうことができる。上枠板133の形状は、完成したモールド材(型)形状がワーク上板の形状に適合するような形状である。この結果、モールド材(型)(となるべき部分)135の部分は、透明板材21、防護壁131および上枠板133によって囲まれた閉空間となる。次にモールド材(型)(となるべき部分)135の部分(空間)内にモールド注入孔132を通してモールド材を注入する。モールド材の注入を容易にすること、モールド材中に欠陥(空洞など)が形成されないように、必要なら透明板材21や上枠板133にガス抜き孔または真空引き孔を設けて、モールド材(型)(となるべき部分)135の部分(空間)内のガス抜き等を行なっても良い。モールド材(型)(となるべき部分)135の部分(空間)内にモールド材が充填したら所定の熱処理等を行なって、モールド材(型)135(これも135と付す)を固化させる。
溶接空間((となるべき部分)134には何も入れないので、空洞の状態である。この後で、上枠板133を取り外すことによって、ワーク押さえ冶具(上)を作製できる。ワーク押さえ冶具(上)は、透明板材21に溶接空間134とモールド材(型)135が形成されたものであり、溶接空間134とモールド材(型)135の側面には防護材(壁)131が付着している。防護材(壁)131は、これまでに示した材料であるが、予め透明板材21に付着させるので、種々の材料を採用でき、しかも比較的厚くて頑丈な部材とすることができる。たとえば、耐熱鋼や耐熱合金や耐熱金属を使用することもできるたとえばモリブデン鋼、ニッケル基合金、チタン合金、タングステン、モリブデンを挙げることができる。モールド材料としては、これまでに示した材料であり、たとえば各種プラスチックや各種セラミックスや各種金属(合金含む)である。プラスチックとして、たとえばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネト樹脂、PET樹脂、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。ワーク押さえ冶具(下)についても同様に作製できる。
図14(d)は、上記図14(b)および図14(c)とは異なる実施形態を示す図である。図14(d)は、図14(a)の後の工程を示している。すなわち、防護壁131を付着した透明板材21に、上枠板136を取り付ける。この上枠板136は、モールド材(型)(となるべき部分)135だけに取り付ける型材である。この上枠板136の下側形状はワーク上板11の形状に適合している。従って、上枠板136は溶接空間(となるべき部分)134には取り付けられない。上枠板136は、モールド材(型)(となるべき部分)135だけに取り付ける型材であるから、図1から分かるように、溶接空間134が閉曲線となっている場合は、各モールド材(型)(となるべき部分)135は分離しているので、個別にアライメントしながら手動または機械(自動)で、防護壁131の下面に接着剤を介しまたは融着法等を用いて付着させる。あるいは、シート等に上枠板136を貼り付けておき、これを転写しても良い。この結果、モールド材(型)(となるべき部分)135の部分は、透明板材21、防護壁131および上枠板136によって囲まれた閉空間となる。次にモールド材(型)(となるべき部分)136の部分(空間)内にモールド注入孔132を通してモールド材を注入する。モールド材の注入を容易にすること、モールド材中に欠陥(空洞など)が形成されないように、必要なら透明板材21や上枠板136にガス抜き孔または真空引き孔を設けて、モールド材(型)(となるべき部分)135の部分(空間)内のガス抜き等を行なっても良い。モールド材(型)(となるべき部分)135の部分(空間)内にモールド材が充填したら所定の熱処理等を行なって、モールド材(型)135(これも135と付す)を固化させる。これで、ワーク押さえ冶具(上)が完成し、ワーク押さえ冶具(上)は、透明板材21に溶接空間133とモールド材(型)135と上枠板136が形成されたものであり、溶接空間133とモールド材(型)135の側面には防護材(壁)131が付着している。また、ワーク上板11とは上枠板136が接触するので、モールド材(型)135には殆ど影響を与えないので、モールド材(型)135の高寿命化を実現できる。上枠板136の材料として、摩耗せず強度が高く、ある程度耐熱性のある材料が望ましい。たとえば、上記した各種金属、各種樹脂、各種絶縁体、各種セラミックス等であり、ワーク材料に合わせて適宜選択すれば良い。ワーク押さえ冶具(下)に関しても同様にして作製できる。尚、上枠板136が摩耗すれば、取り外して交換することもできる。
図14(d)では上枠板を外す必要がないので、工程が簡略する。また、モールド材の耐熱性や強度が不十分でも防護材(壁)131および上枠板136が頑丈(耐熱性があり、変形しない程度の強度がある)であれば、特に問題がないので、材料選定の余裕度が大きいというメリットがある。尚、簡単に分かるように図14(d)に示す場合は、防護材(壁)131および上枠板136が頑丈(耐熱性があり、変形しない程度の強度がある)であれば、特にモールド材を使用する必要がない。従って材料費の低減効果がある。さらには、防護材(壁)131および上枠板136が一体となったものを透明板材21に付着すれば、そのままの状態でも使用でき、ワーク押さえ冶具の作製工程が大幅に低減される。また、図14(a)に示す構造でも、防護材(壁)131の強度が十分であれば、防護壁131の下面をワークにあててワークを抑えることができるので、レーザー光を透明板材21および溶接空間134を通してワークの溶接部位に照射して溶接できる。従って、材料費および工程を大幅に低減できる。防護壁131に囲まれた溶接空間134は閉空間にもすることができるので、シールドガス量も少なくて済みランニングコストも低減できる。すなわち溶接部位周辺の必要な部位のみに防護壁131を形成したワーク押さえ冶具を使えば安価で高品質の溶接が可能となる。尚、ワーク押さえ冶具については、レーザー光が通る冶具(ワーク押さえ冶具(上側))は上述したような冶具が良いが、レーザー光が通らない冶具(ワーク押さえ冶具(下側))は単純にワークの下側を単純に押さえることができるものや、溶接部位の周辺だけに溶接空間を設けたものでも十分である。
図15は、上述した図14(a)に示す構造でワーク押さえ冶具を作製したときのワークを抑えてレーザー照射をした状態を示す図である。ワーク押さえ冶具(上側)139は、透明板材21に防護壁(防護板材と呼んでも良い)131を有し、防護壁131と透明板材21で囲まれた空間は溶接空間134である。ワーク押さえ冶具(上側)139は、ワーク上板11の上面に防護壁131の下面(端面)が当たり、下方に力142を受けてワーク上板11を抑えて固定している。ワーク上板11に凸状部分13があってもその凸状部分13はワーク押さえ冶具(上側)139の(図14では、モールド材があるべき場所の)空間135に入って納まるので、ワーク押さえ冶具(上側)139の押さえには影響を与えない。一方、ワーク押さえ冶具(下側)140は、ワーク下板12の下面に防護壁131の上(下)面が当たり、上方に力142を受けてワーク下板12を抑えて固定している。ワーク下板12に凸状部分13があってもその凸状部分13はワーク押さえ冶具(下側)140の(図14では、モールド材があるべき場所の)空間143に入って納まるので、ワーク押さえ冶具(下側)140の押さえには影響を与えない。全体としてワーク押さえ冶具139および140でワーク10を上下から押さえてワーク10の溶接部位138がワーク上板11とワーク下板12で一致するように、ワーク10を固定している。この結果、ワーク冶具(上側)139の溶接空間134とワーク押さえ冶具(下側)の溶接空間141の位置もほぼ一致する。
ワーク10をワーク押さえ冶具(上側)139およびワーク押さえ冶具(下側)140で上下から抑えた後に、ワーク押さえ冶具(上側)139の上方から透明板21を通過し、その下の溶接空間134を通って溶接部位138に照射し、ワーク上板11とワーク下板12を溶接部位で溶接する。溶接空間134は周囲を透明板材21、防護壁131、ワーク上板で囲まれているので、溶接空間134、141にシールドガス(Ar、He、N2)を流して充満させて、必要なら圧力をかけて流せば接合の品質も高めることができる。防護壁131とワーク上板11との接触で十分な気密性を保持できない場合には、防護壁131の端面(下面)に柔軟部材(たとえば、耐熱プラスチックや耐熱性ゴムや柔軟性のある金属や合金)を配置しておけば、ワーク上板11に凹凸があっても防護壁131の下面(端面)とワーク上板11との密着性が高まり、溶接空間134の気密性を保持できる。従って、シールドガスが溶接空間134から漏れ出ることはなくなる。溶接空間134の容積は全体でも余り大きくはないので、シールドガスを圧力をかけて流したとしても使用する量は少なくて済み、ランニングコストの低減をはかることができる。尚、全体の溶接空間134はすべて接続可能であるから、溶接空間134のうちの1か所からシールドガスを入れて、別の1か所からシールドガスを外側へ出して、シールドガス流れを生じさせることができる。またそれらの入り口と出口を外側で接続し、間に循環ポンプを入れれば、シールドガスを循環させることもできるので、シールドガスの消費をさらに少なくすることができる。尚、ワーク押さえ冶具(下側)140についても同様に作製し、シールドガスも流すこともできる。また。溶接空間の周囲には耐熱性があり強度の高い防護材131が取り囲んでいるので、発生する熱やスパッタ(飛散物、粒子)等の防護にもなる。
図16は、シールドガスを溶接空間に流す状態を示す図である。図1を利用しているので図1と同じ部分は同じ符号を付している。既述したように、溶接部位14(14−1、2、3、4)は凸状部分13(13−1、2、3、4)の周囲を取り囲んで閉曲線(一筆書き曲線)となっている。溶接空間156(156−1、2、3、4)は溶接部位14を取り囲んでいる。さらに隣接する溶接空間156同士は、接続空間155を通して互いに接続している。溶接空間156は、側面壁(側壁)、すなわち、内側側壁151(151−1、2、3、4)および外側側壁152(152−1、2、3、4)で囲まれている。内側側壁151(151−1、2、3、4)は溶接部位14(14−1、2、3、4)と同じく閉曲線となっているが、外側側壁152(152−1、2、3、4)は接続空間155につながっている。いずれにしても、溶接空間156および接続空間155は閉空間となっている。溶接空間156の一部は入口153および出口154へつながっており、入口153からシールドガスを導入して、溶接空間156および接続空間155を充填し、出口154から外側へ出ていく。入口153はたとえばシールドガスの入ったガスボンベへ接続して、圧力と流量を調整しながら入口からシールドガスを入れる。出口154側はそのまま外側へ排出するようにしても良いが、バルブや流量計で調節しながら排出量(流量)を制御することもできる。あるいは真空ポンプ等を接続して強制的に排気するようにしても良く、場合によっては溶接空間等を低圧(1気圧以下)にするようにしても良い。溶接空間を低圧(1気圧未満〜真空)にすることによって、(大気圧等で)透明板材21が上方から押されるので、内側側壁151および外側側壁152も押されてワーク上板11を押し付ける。下側も同様または類似の構造をしている場合や、台等になっている場合は、下方からもワーク下板12も押し付ける。従って、ワーク150の溶接部位14における接触も確実に行うことができ溶接品質を向上させる。特に溶接部位が溶融して固化するときに皺等の形状不具合が生じる場合があるが、溶接空間の低圧化によりその現象を低減することもできる。溶接空間を低圧にすることによって溶接部位14やその周囲での酸化等を防止することもできる。
あるいは、出口154を入口153へ接続しても良く、間にポンプ等を入れて循環しても良い。さらにその間にフィルター等を入れてシールドガスの飛散物や飛散粒子を除去しても良く、その場合は常に清浄なガスが入口153から溶接空間156へ導入される。シールドガスを循環させることにより、シールドガスの使用量を低減することもでき、ランニングコストを低減することもできる。あるいは、シールドガスを溶接空間156等に閉じ込めておくこともできる。溶接空間156へ入る圧力を高める(1気圧以上にする)と、溶接時に発生する飛散物(粒子、ガス)等が溶接空間156の側壁151および152へ到達する速度を低下し熱の伝達速度も低下できるので、溶接空間156の側壁151および152に及ぼす衝撃や熱を緩和でき側壁151および152を守ることもできる。さらに溶接空間を流れるシールドガス流量の速度を高めると溶接時に発生する飛散物(粒子、ガス)や熱等の移動を流れ方向に変えることができるので、やはり溶接空間156の側壁151および152に及ぼす衝撃や熱を緩和でき側壁151および152を守ることもできる。従って、レーザー溶接時の条件(照射領域、発生熱、照射時間等)によって、シールドガスの温度、圧力、流速、流量等を調節して、側壁に与える影響を最小化することができる。また溶接空間156等の空間をシールドガス導入により高圧にした場合は溶接部位が圧力でワーク板が押し付けられるので、溶接部位の接触も確実になり、溶接部位の溶接品質をさらに向上させることができる。さらに冷却機構を入れてシールドガスを冷却して溶接空間156の温度を低温にすることもでき、溶接空間156の側壁151および152へ伝わる熱を強制的に冷やして溶接空間156の側壁151および152を熱から守ることもできる。図1や図16は溶接部位14が4か所の閉曲線であるが、さらに多い溶接部位がある場合は、適宜入口および出口を増やしても良い。また、図では溶接部位は円形状の閉曲線であるが、当然任意の閉曲線でも良く、あるいは、閉曲線でなくても良いことは当然である。閉曲線でない場合は全体にシールドガスが入ることになるが、その場合は記述したようにワーク周辺を取り囲むようにするか、ワークの入る容器を用いれば良い。あるいは溶接部位を取り囲む閉空間を作製すれば良く、本発明はすべての溶接に適用できる。
図17は、溶接空間を設けた透明板材をワーク押さえに用いた実施形態(第10の実施形態)を示す図である。溶接空間を設けた透明板材については、既に図9、図10等において説明したが、具体的にワーク全体の抑えとして用いた例が図17である。ワーク押さえ冶具(下側)は、図4に示すものを用いているので、同じ符号を付している。透明板材162に板材163がその境界線164で付着しているが、板材163が透明板材162と同じ材料(たとえば、石英ガラス等)であれば、一体物(1枚の透明板材)と考えて良い。異種材料であれば図10で示した場合と同様である。ワーク下板12は図4で示した場合と同様に凸状部13を有しており、これに合わせたワーク押さえ冶具(下側)となっている。ワーク上板161は平坦であるため、図9、図10で示したワーク押さえ冶具を使用できる。すなわち、溶接部位14の周辺に溶接空間165(既述したように溝と言っても良い)を作製し、溶接空間165のレーザー光167が通る部分は透明板材162となる。レーザー光167は、透明板材162を透過して溶接空間165を通って溶接部位14に照射されてワーク上板161とワーク下板12を溶接する。ワーク上板161に凸状部分168が存在する場合は、その凸状部分168にも凸状部分168が収まるように空間165Aを作製しておけば、ワーク押さえ冶具(上側)のワーク押さえには全く影響を及ぼすことはない。空間165Aは溶接空間165を作製するときに同時に作製できるので工程が増加することもない。これらのワーク押さえ冶具の作製方法は図9および図10で説明した方法で作製できる。尚、ワーク押さえ冶具をワークに押さえる方法は適宜選択すれば良く、たとえばワーク押さえ冶具(上側)とワーク押さえ冶具(下側)をレーザー照射しない部分を用いてクランプすれば良い。本実施形態の場合には、材料の種類や作製工程が少ないこと、材料に耐熱材料や強度等の高い材料を適切に選択できること等により、レーザー溶接全体のコストを大幅に低減できる。また、必要なら溶接空間165の側面に耐熱性・高強度等の所望の特性を有する防護壁を作製することもできる。その作製方法は既述した通りであるが、たとえば、溶接空間形成後溶接空間側にスパッター法等の方法で防護膜を形成して、異方性エッチングをすれば溶接空間側面だけに防護壁を作製できる。
レーザー照射側の溶接空間を低圧にして、反対側の溶接空間を高圧にすることによっても、ワークの固定が確実に行われ、ワークの溶接部位の接触も確実になり溶接の品質も向上する。図11に基づいて説明する。レーザー照射側の溶接空間102を真空引きして低圧(1気圧未満)にすると、ワーク上板11はワーク押さえ冶具(上側)107と密着する。反対側の溶接空間103にシールドガスを入れて1気圧を越える高圧とすると、溶接空間103に面したワーク下板12の部分を下方から押すので、溶接空間部分でワーク上板11とワーク下板12の密着性が増し、レーザー溶接の品質が向上する。尚、溶接空間103が高圧になったときにワーク押さえ冶具(下側)とワーク下板12が離れないように、ワーク押さえ冶具(下側)を下方から押さえるか押すかする必要がある。あるいは、ワーク押さえ冶具(下側)を台座などに載せて、ワーク押さえ冶具(上側)を上方から押しても良い。ここでのシールドガスの役割は、高圧にすることと溶接時に酸化等しないことであるから、前述したAr、He、窒素(N2)を使用することもできる。尚、酸化しにくい部材や酸化しても問題ない部材の場合には、空気や酸素(O2)を使用することもできる。高圧にする場合は、ガス供給側に1気圧を越えるガス圧を有するもの(たとえば、高圧ガスボンベ、液体ガス)を使用する。あるいは、コンプレッサー等を用いて圧力を高めても良い。圧力調整には調整器(レギュレータ)等を用いることもできる。これまで、レーザー照射は片側(上方)からの照射として記載してきたが、両側(上側、下側)からのレーザー照射を行なう場合でも、本発明を適用できる。この場合、下側の板材をレーザー光が透過する透明部材とすれば良い。
以上詳細に説明した様に、本発明のレーザー溶接用のワーク冶具押さえ冶具は、透明板材を通してレーザー光をワーク溶接部位に照射するものであり、溶接部位周辺の確実な押さえ(固定)と溶接空間内に溶接時の飛散物等を防護する防護材を備えている。従って、繰り返し使用しても劣化が小さいので長期間使用可能でランニングコストの低減をはかることができる。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。また、本出願文書で記載した実施例や実施形態等の内容は、他の実施例や実施形態等の内容と組み合わせて使用できることも当然である。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
本発明のレーザー溶接用のワーク押さえ冶具は、種々のワーク形状にも対応可能なので、半導体等の小型製品から自動車や船舶等の大型製品にも適用できる。
10・・・ワーク、11・・・ワーク上板、12・・・ワーク下板、13・・・凸状部分、
14・・・溶接部位、15・・・中空状空間、21・・・透明板材、22・・・板材、
101・・・モールド型(材)、102・・・溶接空間、103・・・溶接空間、
104・・・防護材(防護壁)、105・・・モールド型(材)、106・・・溶接部位、
107・・・ワーク押さえ冶具(上側)、108・・・ワーク押さえ冶具(下側)、
109・・・レーザー光、21・・・透明板材、22・・・板材、
107・・・ワーク押さえ冶具、108・・・ワーク押さえ冶具、

Claims (26)

  1. 透明板を有するレーザー溶接用ワーク押さえ冶具であって、前記透明板を通してワークの溶接部位にレーザー光を照射してレーザー溶接することを特徴とするレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  2. 前記溶接部位から前記透明板までの領域は空間(以下、溶接空間という)となっており、前記レーザー光は前記溶接空間を通って前記溶接部位に照射されることを特徴とする、請求項1に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  3. 前記透明板は石英板または石英ガラス板であることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  4. 前記透明板の一部で前記ワークの一部を押さえることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  5. 前記透明板の前記ワークを押さえる部分において、前記透明板にワーク押さえ部材が付着配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  6. 前記押さえ部材は柔軟性部材であることを特徴とする、請求項5に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  7. 前記透明板は前記溶接部位に面する領域で溝部を有し、レーザー光は前記透明板の溝部を通って溶接部位を照射することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  8. 前記溝部が溶接空間であることを特徴とする、請求項7に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  9. 前記透明板に板材が付着しており、レーザー光を照射する部分において前記板材が除去されて貫通溝が形成されており、前記貫通溝が溶接空間となることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  10. 前記板材は、金属、合金、プラスチック、またはセラミックスであることを特徴とする、請求項9に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  11. 前記透明板は前記溶接空間の部分以外にワーク形状に適合したモールド型を有しており、前記ワークはレーザー溶接時に前記モールド型で抑えられていることを特徴とする、請求項2〜10のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  12. 前記モールド材は、プラスチック、金属、またはセラミックスであることを特徴とする、請求項2〜10のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  13. 前記モールド型の下面に柔軟性部材または金属部材が配置されていることを特徴とする、請求項11または12に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  14. 前記溶接空間の側面に前記溶接空間側面を保護する防護材料が配置されていることを特徴とする、請求項2〜13のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  15. 前記防護材料は、耐熱材料および/または高強度材料であることを特徴とする、請求項14に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  16. 前記防護材料は、金属または合金であることを特徴とする、請求項14または15に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  17. 前記溶接部位の一部は閉曲線となり、前記閉曲線の溶接部位の周辺を溶接空間が取り囲み、レーザー光は連続照射により前記閉曲線の溶接部位全体を溶接可能であることを特徴とする、請求項2〜16のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  18. 前記溶接空間にシールドガスを流す機構が備わることを特徴とする、請求項2〜17のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  19. 前記溶接空間を1気圧未満の低圧にする機構が備わることを特徴とする、請求項2〜18のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  20. 前記溶接空間を1気圧を越える高圧にする機構が備わることを特徴とする、請求項2〜19のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  21. レーザー光が照射する側の前記レーザー溶接用ワーク押さえ冶具(上側溶接用ワーク押さえ冶具)の溶接空間(第1の溶接空間)と反対側にも溶接空間(第2の溶接空間)を有するレーザー溶接用ワーク押さえ冶具(下側溶接用ワーク押さえ冶具)を有し、上側溶接用ワーク押さえ冶具は上側ワークを押さえる冶具であり、下側溶接用ワーク押さえ冶具は下側ワークを押さえる冶具であることを特徴とする、請求項2〜20のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  22. 前記下側溶接用ワーク押さえ冶具において、前記第2の溶接空間を構成するワーク下板と対面する板材はレーザー光が透過しない材料であることを特徴とする請求項2〜21のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  23. 前記第2の溶接空間にシールドガスを流す機構が備わることを特徴とする、請求項21または22に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  24. 前記第2の溶接空間を1気圧未満の低圧にする機構が備わることを特徴とする、請求項21〜23のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  25. 前記第2の溶接空間を1気圧を越える高圧にする機構が備わることを特徴とする、請求項21〜24のいずれかの項に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具。
  26. 請求項25に記載のレーザー溶接用ワーク押さえ冶具を用いて、レーザー照射時に、レーザー照射側の溶接空間(第1の溶接空間)を低圧にするとともに反対側の溶接空間(第2の溶接空間)を高圧にして、レーザー照射することを特徴とする、レーザー照射方法。
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