JP2020093253A - 樹脂エマルションの整泡剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】整泡性能に優れ、揮発や臭気が抑制され作業性にも優れた樹脂エマルションの整泡剤、更に樹脂エマルションへの溶解性が良くハンドリング性に優れた樹脂エマルションの整泡剤を提供する。【解決手段】本発明の整泡剤は、樹脂エマルションに使用される整泡剤であって、脂肪酸塩を含有し、脂肪酸塩は、構成脂肪酸中にパルミチン酸とステアリン酸を含み、かつ全構成脂肪酸中におけるパルミチン酸とステアリン酸の合計量が70質量%超であり、脂肪酸塩は、カリウム塩、ナトリウム塩およびエタノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂エマルションの整泡剤に関する。
樹脂エマルションを起泡させる技術は、その一例として、樹脂エマルションを微発泡させたものを材料表面に塗布し、加熱処理してスポンジ状の樹脂を蒸着させる目的に使用されている。
このような目的等の樹脂エマルションを起泡させる技術で重要なことは、はじめに泡立たせた泡が変化しないことである。そこで起泡させる技術に加えて、整泡剤が使用されている。
特許文献1には気泡安定剤としてステアリン酸アンモニウムが例示されているが、樹脂エマルションの整泡剤には、アンモニウム石けんであるステアリン酸アンモニウムが頻繁に使用される。
しかし、アンモニウム石けんは、樹脂エマルションに細かい泡を生成できる一方で、化合物の揮発性が高く、特に上記のような加熱を伴う工程において揮発分が多くなり、作業環境を悪化させる。また化合物の臭気が強く、この点でも作業者への負担が大きい。
このような背景において、アンモニウム石けんに代わる整泡剤が市場から要望されている。すなわち、整泡性能と低揮発性を併せ持つ整泡剤が望まれている。
特許文献2には、起泡させる樹脂エマルションにステアリン酸カリウムを添加することが開示されている。しかし、ある程度の量の水に溶解しても常温において固形であるため、樹脂エマルションへの溶解性が低く、樹脂エマルションに均一に溶解するためには、樹脂エマルションの加熱あるいは希釈が必要でありハンドリング性の面で劣る。また、溶解が不十分の場合には整泡剤に求められる泡の安定性が十分に得られない。
樹脂エマルションに関するものではないが、特許文献4、5には、トナー用樹脂の軟化剤であるコハク酸ジエトキシエチルを希釈溶媒に溶解させた定着液に、起泡剤としてパルミチン酸カリウムとステアリン酸カリウムとミリスチン酸カリウムの混合脂肪酸塩を配合し、泡状定着液を調製したことが実施例に記載されている。しかし、全構成脂肪酸中におけるパルミチン酸とステアリン酸の合計量が少なく、樹脂エマルションの整泡剤として使用した場合、泡の安定性、つまり十分な整泡性能が得られない。
特表2009−541029号公報 特開2015−116510号公報 特開2008−058550号公報 特開2010−260228号公報
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、整泡性能に優れ、揮発や臭気が抑制され作業性にも優れた樹脂エマルションの整泡剤を提供することを課題としている。
また本発明は、上記の課題に加え、樹脂エマルションへの溶解性が良くハンドリング性に優れた樹脂エマルションの整泡剤を提供することを、更に別の課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の整泡剤は、樹脂エマルションに使用される整泡剤であって、
脂肪酸塩を含有し、
脂肪酸塩は、構成脂肪酸中にパルミチン酸とステアリン酸を含み、かつ全構成脂肪酸中におけるパルミチン酸とステアリン酸の合計量が70質量%超であり、
脂肪酸塩は、カリウム塩、ナトリウム塩およびエタノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
本発明の樹脂エマルションの整泡剤は、整泡性能に優れ、揮発性や臭気が抑制され作業性にも優れている。
別の観点において、本発明の樹脂エマルションの整泡剤は、整泡性能に優れ、揮発や臭気が抑制され作業性にも優れ、更に、樹脂エマルションへの溶解性が良くハンドリング性に優れている。
実施例1の整泡剤をアクリル樹脂エマルションに添加し撹拌後、液表面の泡を合成繊維上に塗布した際における、経時での泡の状態を示す写真である。 比較例1の整泡剤をアクリル樹脂エマルションに添加し撹拌後、液表面の泡を合成繊維上に塗布した際における、経時での泡の状態を示す写真である。 比較例5の整泡剤をアクリル樹脂エマルションに添加し撹拌後、液表面の泡を合成繊維上に塗布した際における、経時での泡の状態を示す写真である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の整泡剤は、脂肪酸塩を含有し、この脂肪酸塩は、構成脂肪酸中にパルミチン酸とステアリン酸を含む。パルミチン酸とステアリン酸をいずれも含むことで、泡の安定性が良くなり整泡性能に優れている。またステアリン酸と共にパルミチン酸を含むことで、樹脂エマルションへの溶解性が良くハンドリング性に優れている。すなわち、樹脂エマルションへの溶解性が優れることから、加熱、希釈等の溶解工程を省くことが可能であり、作業の効率化を図ることができる。
本発明の整泡剤は、全構成脂肪酸中におけるパルミチン酸とステアリン酸の合計量が70質量%超である。これにより、泡の安定性が良くなり整泡性能に優れたものとなる。この点を考慮すると、上記合計量は71質量%以上が好ましく、73質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましい。
本発明の整泡剤において、脂肪酸塩は、構成脂肪酸におけるパルミチン酸とステアリン酸の質量比(パルミチン酸:ステアリン酸)は5:95以上95:5以下(5:95〜95:5)が好ましく、10:90以上90:10以下(10:90〜90:10)がより好ましく、15:85以上85:15以下(15:85〜85:15)が更に好ましい。樹脂エマルションへの溶解性が良くハンドリング性に優れる点を考慮すると、構成脂肪酸におけるパルミチン酸とステアリン酸の質量比(パルミチン酸:ステアリン酸)は50:50以上が好ましく、55:45以上がより好ましく、60:40以上が更に好ましい。また泡の安定性が良くなり整泡性能に優れる点を考慮すると、構成脂肪酸におけるパルミチン酸とステアリン酸の質量比(パルミチン酸:ステアリン酸)は98:2以下が好ましく、95:5以下がより好ましく、90:10以下が更に好ましい。ハンドリング性と整泡性能の点から、構成脂肪酸におけるパルミチン酸とステアリン酸の質量比(パルミチン酸:ステアリン酸)として50:50〜95:5は好ましい範囲である。
本発明の整泡剤において、脂肪酸塩は、カリウム塩、ナトリウム塩およびエタノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種である。これらの対塩を用いることで、揮発や臭気が抑制され作業性に優れる。すなわち、従来において整泡剤に使用されているアンモニウム塩に比べて揮発分はほとんどないことから、作業環境を悪化させることがなく、加熱を伴う工程においても作業場の汚染を軽減することができる。また臭気が少なく作業者の負担を軽減できる。
これらの対塩の中でも、揮発や臭気が抑制され作業性に優れる点を考慮すると、カリウム塩、ナトリウム塩が好ましい。また、同じ脂肪酸組成でもナトリウム塩よりカリウム塩の方が融点が下がり、整泡剤の流動性が良好となってハンドリング性に優れる点を考慮すると、カリウム塩がより好ましい。
本発明の整泡剤において、必須であるパルミチン酸とステアリン酸以外の構成脂肪酸は、特に限定されず、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また上記構成脂肪酸は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。本発明の効果を得る観点より、上記構成脂肪酸は、炭素数4以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上が更に好ましく、14以上が特に好ましい。また炭素数24以下が好ましく、22以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、18以下が特に好ましい。
上記構成脂肪酸のうち、飽和脂肪酸としては、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)等が挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数である。
上記構成脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)等が挙げられる。なお、上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。
本発明の整泡剤は、脂肪酸塩単独であってもよいが、この脂肪酸塩を含む組成物であってもよい。組成物の態様は特に限定されないが、整泡剤の流動性が良好となってハンドリング性に優れる点を考慮すると、脂肪酸塩を溶媒に溶解または分散した流動状組成物が好ましい。流動状組成物における溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、エチルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル等の水溶性有機溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン等の芳香族炭化水素等の非水溶性有機溶媒等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、水、または水と水溶性有機溶剤との混合物である水性溶媒が好ましい。
流動状組成物における脂肪酸塩の含有量は、溶媒や脂肪酸塩の種類にもより特に限定されないが、脂肪酸塩の濃度や、整泡剤の流動性が良好となってハンドリング性に優れる点を考慮すると、0.1〜15.0質量%が好ましく、0.1〜10.0質量%がより好ましい。
また、長鎖脂肪酸塩は、脂肪酸塩自身が結晶化しやすく、水溶液の濃度を上げるとゲルを形成し取扱いが非常に困難になるが、脂肪酸塩のケン化反応前もしくは脂肪酸塩を希釈する際に上記の様な水性溶媒を添加することで、脂肪酸塩の濃度を上げた際にも良好な流動性が得られる。
流動状組成物は、脂肪酸塩と溶媒以外に、その他の添加成分を含んでもよい。このような添加成分としては、例えば、酸化防止剤、キレート剤、脂肪酸塩以外の界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、流動状組成物の外観が改善し、組成物の安定性が向上する点で、キレート剤を添加することが好ましく、流動性が向上する点で、脂肪酸塩以外の界面活性剤を添加することが好ましい。
キレート剤としては、金属イオンと錯体または塩を形成するものであれば特に限定されないが、例えば、アミノカルボン酸系キレート剤やホスホン酸系キレート剤が挙げられ、これらの中でも、アミノカルボン酸系キレート剤が好ましい。
脂肪酸塩以外の界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
本発明の整泡剤は、樹脂エマルションに使用される。
この樹脂エマルションは、例えば起泡して使用される。樹脂エマルションを発泡させる方法としては、化学発泡、物理発泡が挙げられる。化学発泡では、起泡技術として、起泡剤、発泡樹脂等が使用される。物理発泡では、起泡技術として、ホモミキサー等が使用される。これらの技術で重要なことは、はじめに泡立たせた泡が変化しないことである。そこで起泡技術に加えて、整泡剤が使用される。
本発明において、樹脂エマルションは、樹脂が水、または水と水溶性有機溶剤との混合物である水性溶媒に分散した安定な分散体である。
本発明において、樹脂の用語は、ポリマーやプレポリマー、これらとオリゴマーやモノマーとの混合物、またゴム、エラストマー等を広義に包含する。樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、エーテル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリマレイミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ブタジエン−スチレン系共重合体、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体、スチレン−イソプレン系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−アクリロニトリル系共重合体等の熱可塑性樹脂や、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、エピスルフィド系樹脂、アクリルメラミン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂エマルションへの本発明の整泡剤の添加量は、特に限定されず樹脂エマルションの種類等にもよるが、例えば、樹脂エマルションを基準として、有効分換算で0.01〜10.0質量%である。
樹脂エマルションには、本発明の整泡剤の他に、その効果を損なわない範囲内において、その他の添加成分を含んでもよい。このような添加成分としては、特に限定されないが、例えば、起泡剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、無機微粒子、キレート剤等が挙げられる。起泡剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の整泡剤の使用目的は特に限定されないが、例えば、樹脂エマルションを微発泡させたものを材料表面に塗布し、加熱処理してスポンジ状の樹脂を蒸着させる技術に使用できる。このような技術の用途としては、例えば、ダッシュボード、衝撃吸収材、遮音シート、吸音シート等が挙げられる。 本発明の整泡剤は、揮発や臭気が抑制され作業性に優れることから、作業環境を悪化させることがなく、上記のような加熱を伴う工程においても作業場の汚染を軽減することができる。また臭気が少なく作業者の負担を軽減できる。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.整泡剤(流動状組成物)の調製
表1に示す実施例および比較例の脂肪酸石けんを水に溶解し、有効分10質量%の整泡剤を調製した。水への溶解に際しては、常温での溶解が困難な場合には必要に応じて加熱し、その後冷却して整泡剤とした。
得られた整泡剤は、常温で樹脂エマルションに有効分換算で1000ppm添加した。
2.評価
(1)整泡性能
樹脂エマルションに整泡剤を有効分換算で1000ppm添加した後、ミキサーで1分間撹拌した。液表面の泡を合成繊維上に塗布し、泡の持続性(整泡性能)を外観から目視で以下の基準により評価した。
評価基準
◎+:泡の消失時間が15分以上
◎:泡の消失時間が10分以上
○:泡の消失時間が5分以上10分未満
△:泡の消失時間が3分以上5分未満
×:泡の消失時間が3分未満
(2)揮発性
パネル20名により(対象:上記整泡剤、整泡剤を添加した上記樹脂エマルションなど)の臭気を(条件:常温、加熱時など)以下の基準により評価した。
評価基準
◎:パネル20名中、18人以上が臭気を感じないと評価した。
○:パネル20名中、15人以上18人未満が臭気を感じないと評価した。
×:パネル20名中、臭気を感じないと評価したのは15人未満であった。
(3)ハンドリング性(整泡剤の流動性と樹脂エマルションへの溶解性)
上記において有効分10質量%に希釈後の整泡剤の常温での流動性と樹脂エマルションへの溶解性から以下の基準により評価した。
評価基準
◎:整泡剤に流動性があり、樹脂エマルションに対する溶解性も優れる。
○:整泡剤に流動性があるが粘性であり、樹脂エマルションに対する溶解性は優れる。
×:整泡剤に流動性がなく、樹脂エマルションに対する溶解性も劣る。
実施例および比較例の整泡剤における脂肪酸塩の組成を表1に示し、これらの評価結果を表2に示す。なお、表2の各評価項目において、◎+、◎と〇の評価は発明の課題を解決していると判断し、△と×の評価は発明の課題を解決していないと判断した。各評価項目において、〇の評価に対して◎+、◎の評価は発明の効果がより顕著である。
表1および表2において、実施例1〜8では、脂肪酸塩は、構成脂肪酸中にパルミチン酸とステアリン酸を含み、かつ全構成脂肪酸中におけるパルミチン酸とステアリン酸の合計量が70質量%超であり、脂肪酸塩は、カリウム塩、ナトリウム塩およびエタノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種である整泡剤を用いた。樹脂エマルションの種類は、実施例1〜6、8がアクリル樹脂エマルションを用い、実施例7がウレタン樹脂エマルションを用いた。実施例1〜8に用いた整泡剤は整泡性、揮発性、ハンドリング性のいずれも◎+、◎もしくは〇の評価であった。図1には、上記整泡性能の評価において、実施例1の整泡剤をアクリル樹脂エマルションに添加し撹拌後、液表面の泡を合成繊維上に塗布した際における、経時での泡の状態を示している。
実施例1〜3は、脂肪酸塩としてカリウム塩を用いた。これらは整泡性、揮発性、ハンドリング性のいずれも◎の評価であり、バランスのとれた良好な結果であることを示している。
実施例8は、ステアリン酸比率が多い脂肪酸塩でありカリウム塩を用いた。これは最も高い整泡性を示した。
実施例4は、脂肪酸塩の組成は実施例1と同一であるが、脂肪酸塩としてトリエタノールアミン塩を用いた。この場合、揮発性の評価は〇となり、カリウム塩を用いた実施例1はそれに比べてより揮発性に優れていた。
実施例5は、脂肪酸塩としてナトリウム塩を用いた。パルミチン酸とステアリン酸以外の脂肪酸は融点の低いオレイン酸であるが、ハンドリング性の評価は〇となり、カリウム塩を用いた実施例1〜3はそれに比べてよりハンドリング性に優れていた。
実施例6は、構成脂肪酸におけるパルミチン酸とステアリン酸の質量比を40:60としたが、ハンドリング性の評価は〇となり、パルミチン酸がステアリン酸に対してより多い実施例2はそれに比べてよりハンドリング性に優れていた。
実施例7は、実施例1のアクリル樹脂エマルションをウレタン樹脂エマルションに変更したものであるが、いずれの性能も◎の評価であった。
比較例1〜6はいずれもアクリル樹脂エマルションを用いて試験している。比較例1は、実施例1〜3と同じくカリウム塩を用いたが、構成脂肪酸はパルミチン酸のみである。この場合、整泡性に劣るものであった。図2には、上記整泡性能の評価において、比較例1の整泡剤をアクリル樹脂エマルションに添加し撹拌後、液表面の泡を合成繊維上に塗布した際における、経時での泡の状態を示している。
比較例2は、実施例1〜3と同じくカリウム塩を用いたが、構成脂肪酸はステアリン酸のみである。この場合、整泡性とハンドリング性に劣るものであった。
比較例3は、従来の整泡剤であるステアリン酸アンモニウムを用いたが、揮発性に劣るものであった。
比較例4〜6は、全構成脂肪酸中におけるパルミチン酸とステアリン酸の合計量が70質量%以下である整泡剤を用いた。この場合、いずれも整泡性に劣るものであり、比較例5はハンドリング性に劣るものであった。図3には、上記整泡性能の評価において、比較例5の整泡剤をアクリル樹脂エマルションに添加し撹拌後、液表面の泡を合成繊維上に塗布した際における、経時での泡の状態を示している。
表1、表2に記載した脂肪酸塩はいずれも脂肪酸塩濃度10%水溶液の評価であるが、これより高濃度の脂肪酸塩水溶液を表3に示す助剤成分を併用することで調製し、得られた脂肪酸塩のハンドリング性、経時安定性と耐熱性を評価した。
表3の脂肪酸塩はいずれも実施例7の高濃度脂肪酸塩水溶液であり、脂肪酸とアルカリのケン化反応前に助剤成分を添加して調製した。なお、固形の脂肪酸塩を希釈調製する際に助剤成分を添加しても良い。
経時安定性および耐熱性については、以下の基準で評価した。
(4)経時安定性
調製した脂肪酸塩を25℃の環境下で1ヵ月保管し、外観の状態変化から評価した。
評価基準
◎:変化なし
○:分離するが加温すると均一な状態に戻る。
×:分離又は析出があり、加温しても状態が戻らない。
(5)耐熱性
調製した脂肪酸塩を105℃/2時間で脱水乾燥した後、残留物を170℃/1時間で加熱。脱水乾燥した残留物の170℃加熱処理前後の重量変化が5%以下であるものを耐熱性良好(○)とした。
結果を表4、表5に示す。
表4に示したように、実施例9〜31は、ハンドリング性および経時安定性のいずれも良好(評価◎または〇)であることが確認された、また、表5に示したように、実施例10、14、17、30は、耐熱性も良好であることが確認された。

Claims (2)

  1. 樹脂エマルションに使用される整泡剤であって、
    脂肪酸塩を含有し、
    前記脂肪酸塩は、構成脂肪酸中にパルミチン酸とステアリン酸を含み、かつ全構成脂肪酸中におけるパルミチン酸とステアリン酸の合計量が70質量%超であり、
    前記脂肪酸塩は、カリウム塩、ナトリウム塩およびエタノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種である、整泡剤。
  2. 前記脂肪酸塩は、構成脂肪酸におけるパルミチン酸とステアリン酸の質量比が5:95〜95:5である、請求項1に記載の整泡剤。
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