JP2020092033A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ分布を均一にすることが可能なプラズマ処理装置を提供する。【解決手段】処理容器1内に対向配置された上部電極5及び下部電極6を備え、これらの電極間の空間SPにプラズマを発生させるプラズマ処理装置において、上部電極5及び下部電極6は、それぞれ互いに対向する面に凹部5d,6dを備え、上部電極5及び下部電極6それぞれの凹部内には、上部誘電体7及び下部誘電体8がそれぞれ設けられ、上部誘電体7と下部誘電体8との間の空間SPの横方向端部には、VHF波導入部9が設けられていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置に関する。
従来のプラズマ処理装置は、特許文献1〜特許文献6に記載されている。プラズマの発生方式には様々なものがあるが、超短波(VHF)帯の周波数をプラズマ発生に用いた容量結合プラズマ(CCP)処理装置が、注目されている。VHF帯とは、30MHz〜300MHz程度の範囲の周波数である。
特開2000−323456号公報 特許4364667号公報 特許5317992号公報 特許5367000号公報 特許5513104号公報 特開2011−44446号公報 特開2004−247401号公報
しかしながら、VHF−CCP装置では、定在波効果により、プラズマ分布を均一にすることが困難とされてきた。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、プラズマ分布を均一にすることが可能なプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、第1のプラズマ処理装置は、処理容器内に対向配置された上部電極及び下部電極を備え、これらの電極間の空間にプラズマを発生させるプラズマ処理装置において、前記上部電極及び前記下部電極は、それぞれ互いに対向する面に凹部を備え、前記上部電極及び前記下部電極それぞれの前記凹部内には、上部誘電体及び下部誘電体がそれぞれ設けられ、前記上部誘電体と前記下部誘電体との間の前記空間の横方向端部には、VHF波の導入部が設けられていることを特徴とする。
上部電極と下部電極との間に、VHF波導入部から、VHF波が導入されると、内部のガスがプラズマ化し、プラズマが発生する。この場合、VHF波の導入部は、横方向端部(水平方向端部)に位置しており、この空間内には、様々な横方向からVHF波が導入されるので、定在波が形成されにくい。また、上部電極と下部電極との間に発生する電界ベクトルは、電極の外周領域では鉛直方向から下向き外側に向けて傾斜する傾向があるが、上部電極及び下部電極には、それぞれ凹部が設けられ、上部誘電体及び下部誘電体が設けられているので、これらの誘電体により、電界ベクトルを面内で均一にすることができる。したがって、横方向のVHF波導入と電界ベクトル方向の均一化により、上部電極と下部電極との間に発生するプラズマ分布を均一にすることができる。
第2のプラズマ処理装置においては、前記上部誘電体及び前記下部誘電体は、それぞれ、中央部の厚みよりも外周部の厚みが薄いことを特徴とする。特に、誘電体が影響を与える電界ベクトルの向きと大きさは、その厚みにも依存するので、外周部において、薄く設定することで、電界ベクトル強度の面内均一性を向上させることができる。なお、上記誘電体において、前記プラズマ発生空間とは反対側の面は、すり鉢状に傾斜することができる。この傾斜により、対応する電界ベクトルをより鉛直方向に向け、面内のプラズマ均一性を高めることができる。
第3のプラズマ処理装置においては、前記上部誘電体及び前記下部誘電体は、前記空間を挟んで同軸配置されていることを特徴とする。すなわち、電極間の軸が一致している方が、プラズマの面内均一性を高めることができる。
第4のプラズマ処理装置においては、前記上部誘電体の下部表面から前記導入部までの鉛直方向の離間距離Δzupと、前記下部誘電体の上部表面から前記導入部までの鉛直方向の離間距離Δzdownとは等しいことを特徴とする。これらの距離が、等しい場合には、VHF波導入位置からのそれぞれの誘電体への距離が等しくなるので、VHF波に起因したプラズマは、鉛直方向において、均一になる傾向がある。
本発明のプラズマ処理装置によれば、プラズマ分布を均一にすることができる。
図1は、プラズマ処理装置の装置構成を示す説明図である。 図2は、ガス導入構造の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。 図3は、ガス導入構造の別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。 図4は、ガス導入構造の更に別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。 図5は、ガス導入構造の更に別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。 図6は、ガス導入構造の更に別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。
以下、実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。同一要素には、同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、プラズマ処理装置100の装置構成を示す説明図である。なお、説明の便宜上、三次元直交座標系を設定する。プラズマ処理装置の鉛直方向をZ軸方向とし、これに垂直な2方向をそれぞれX軸及びY軸とする。
このプラズマ処理装置100は、処理容器1内に対向配置された上部電極5及び下部電極6を備え、これらの電極間の空間SPにプラズマを発生させるプラズマ処理装置において、上部電極5及び下部電極6は、それぞれ互いに対向する面に凹部5d,6dを備えている。また、上部電極5及び下部電極6それぞれの凹部内には、上部誘電体7及び下部誘電体8がそれぞれ設けられ、上部誘電体7と下部誘電体8との間の空間SPの横方向端部には、VHF波導入部9が設けられている。
処理容器1の上部開口端上には、誘電体板からなるVHF波導波路2が設けられており、VHF波導波路2上には、必要に応じて、蓋部材3が設けられる。蓋部材3の中央は開口しており、開口周囲の側壁が、同軸管の外側導体3aを構成し、軸中心には内側導体3bが配置されている。なお、内側導体3bは、上部電極5に対して一体的に構成され、電気的に接続されている。
上部電極5の下面には、すり鉢状の凹部5dが形成されており、この凹部5d内に上部誘電体7が埋め込まれている。上部誘電体7の下部表面は平坦であり、XY平面に平行である。また、上部誘電体7及び上部電極5の平面形状(Z軸方向から見た形状)は、円形である。上部誘電体7は、中央部では厚みが厚く、外周部では厚みが薄い。上部誘電体7の上部表面の中央領域は平坦でXY平面に平行であり、最外領域も平坦でXY平面に平行であるが、これらの間の領域は、円錐面であり、上部から下部に向けて平面形状の直径が大きくなる傾斜面からなる。
下部電極6の上面には、すり鉢状の凹部6dが形成されており、この凹部6d内に下部誘電体8が埋め込まれている。下部誘電体8の上部表面は平坦であり、XY平面に平行である。また、下部誘電体8及び下部電極6の平面形状(Z軸方向から見た形状)は、円形である。下部誘電体8は、中央部では厚みが厚く、外周部では厚みが薄い。下部誘電体8の下部表面の中央領域は平坦でXY平面に平行であり、最外領域も平坦でXY平面に平行であるが、これらの間の領域は、円錐面であり、下部から上部に向けて平面形状の直径が大きくなる傾斜面からなる。
水平方向のVHF波導波路2の中央部に導入されたVHF波は、水平方向に沿って放射状に周辺部に進行する。その後、このVHF波は、処理容器1の側壁に設けられた凹部(平面形状は円リング状で、深さはZ軸方向)からなる導波路1wを下方に進行し、VHF波導入部9に導入され、外周部から中央部に向けて進行する。VHF波導入部9の平面形状は円リング状であり、水平方向の全方位から処理容器の軸中心に向けて、VHF波が進行する。VHF波導入部9は、プラズマ発生空間SPの横方向に位置している。
VHF波発生器13から発生したVHF波は、導波管を通って、水平方向のVHF波導波路2に導入される。その後、上述のように、上部電極5と下部電極6との間に、VHF波導入部9から、VHF波が導入されると、処理容器の内部のガスがプラズマ化し、プラズマが発生する。この場合、VHF波導入部9は、横方向端部(水平方向端部)に位置しており、この空間内には、様々な横方向からVHF波が導入されるので、定在波が形成されにくいという利点がある。また、上部電極5と下部電極6との間に発生する電界ベクトルは、電極の外周領域では鉛直方向から下向き外側に向けて傾斜する傾向があるが、上部電極5及び下部電極6には、それぞれ凹部が設けられている。これらには、上部誘電体7及び下部誘電体8が設けられているので、これらの誘電体により、電界ベクトルを面内で均一にすることができる。したがって、横方向のVHF波導入と電界ベクトル方向の均一化により、上部電極5と下部電極6との間に発生するプラズマ分布を面内で均一にすることができる。
なお、上部誘電体7及び下部誘電体8は、それぞれ、中央部の厚みよりも外周部の厚みが薄い。特に、誘電体が影響を与える電界ベクトルの向きと大きさは、その厚みにも依存するので、誘電体の外周部において、薄く設定することで、電界ベクトル強度の面内均一性を向上させることができる。また、上部誘電体7及び下部誘電体8において、プラズマ発生空間SPとは反対側の面は、すり鉢状に傾斜している。この傾斜により、対応する電界ベクトルをより鉛直方向に向け、面内のプラズマ均一性を高めることができる。すなわち、上部誘電体7及び下部誘電体8には、電界ベクトルを曲げるレンズ機能がある。
また、上部誘電体7及び下部誘電体8は、空間SPを挟んで同軸配置されている。すなわち、電極間の軸が一致している方が、プラズマの面内均一性を高めることができるからである。また、上部誘電体7の下部表面からVHF波導入部9までの鉛直方向の離間距離Δzupと、下部誘電体8の上部表面からVHF波導入部9までの鉛直方向の離間距離Δzdownとは等しい。これらの距離が、等しい場合には、VHF波導入位置からのそれぞれの誘電体への距離が等しくなるので、VHF波に起因したプラズマは、鉛直方向において、均一になる傾向がある。なお、上部誘電体7と下部誘電体8との間の距離Δzは、均一なプラズマを発生させる観点からは、例えば、5mm〜80mmであることが好ましい。また、上部誘電体7の半径と、下部誘電体8の半径との差の距離Δxは、0に近い値の方が好ましい。プラズマ発生条件が対称になるため、プラズマの均一性が高まるからである。
下部電極6は、駆動ステージDRVによって上下方向に移動させることができる。これにより、最適な条件でプラズマを発生させることができる。また、下部電極6には、温度調節装置TEMPが設けられている。温度調節装置TEMPは、冷却媒体を流すための媒体通路と、ヒータと、温度センサとを含んでおり、制御装置12によって、下部電極6が目的の温度となるように制御される。例えば、目標温度がT1℃であれば、温度センサの出力がT1℃よりも小さければ、ヒータを加熱し、T1℃よりも高ければ、ヒータを加熱しないで、冷却媒体を媒体通路に流すように、制御すればよい。
制御装置12は、排気装置14も制御している。排気装置14は、処理容器1の外壁内に設けられた円環状の排気通路4内のガスを排気する。排気通路4は、プラズマ発生空間SPの横方向に設けられており、処理容器の内面において周方向に沿って設けられた複数の排気孔に連通している。これにより、プラズマ発生空間SP内のガスを排気することができ、この空間における圧力を適切な値に設定することができる。この圧力は、処理内容に応じて変更すればよいが、例えば、0.1Paから100Paとすることができる。排気装置14としては、ロータリポンプ、イオンポンプ、クライオスタット、ターボ分子ポンプなど真空系の装置で通常用いられるポンプを採用することができる。
制御装置12は、ガス源10から発生したガスの流量を制御する流量コントローラ11を制御している。流量コントローラ11は、単なるバルブであってもよい。これにより、目的のガスを、処理容器1内に導入することができる。また、制御装置12は、VHF波発生器13も制御している。VHF波の周波数は、30MHz〜300MHz程度である。
ガス源10に使用できるガスとしては、Ar等の希ガスの他、CF,Cなどの炭素及びフッ素を含むガス、N,Oなどのガスなどが、一例として挙げられる。
上部電極5及び下部電極6の材料としては、アルミニウムを用いることができる。上部誘電体7及び下部誘電体8の材料としては、窒化アルミニウム(AlN)を用いることができる。水平方向のVHF波導波路2の材料としては、石英を用いることができるが、導波路を形成することができれば、空気でもよい。
下部誘電体8上に配置される基板としては、シリコンなどを用いることができ、この基板に対して、成膜やエッチングなどの処理を行うことができる。また、必要に応じて、静電チャックを設けたり、下部誘電体8に直流バイアス電位を印加したり、場合によっては、高周波電圧を上下の電極間に印加する構成も考えられ、処理容器の周囲に磁石を配置する構成も考えられる。
また、ガスの導入方法は、様々なものが考えられる。
図2は、ガス導入構造の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。
図2では、上部電極5の中央に位置していた内側導体3bにおいて、Z軸方向に沿った貫通孔を形成し、上部誘電体7にもこれに連通する孔を形成したものである。他の構造は、上述の通りである。かかる場合、処理容器の中央部でのガス濃度が周辺に比べて高くなるという不具合がある。
図3は、ガス導入構造の別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。
図3では、図2の装置において、上部誘電体7が複数の貫通孔を有するシャワー構造としたものである。これにより、ガス濃度の面内均一性を高めることができる。
図4は、ガス導入構造の更に別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。
VHF波導波路2に、貫通孔を形成する。この貫通孔の形状は、平面形状が円環状であり、この貫通孔内にアルミナ(Al)からなる絶縁体のリング状の菅を配置し、ガス導入通路2Aとする。外側導体3aは、VHF波導波路2の中央近傍のみでよいため、蓋部材の残りの部分は、VHF波導波路2上から除く。この場合、ガス導入通路2Aには、適当なガス貯留空間を設け、この空間からガス導入通路2A内にガスを導入する。上部電極5には、内部に、ガス通路が形成されており、このガス通路と、ガス拡散板7Aを介して、シャワー構造の上部誘電体7に至る。ガス拡散板7Aは、ディフューザであり、複数の貫通孔が形成されている。ガス拡散板7Aの材料は、AlN、アルミナ、SiOなどの絶縁体からなるが、メッシュ電極などから構成することも可能である。
図5は、ガス導入構造の更に別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。
なお、図5に示すように、図4に示した構造において、さらに、内側導体3bにガス導入口を形成することも可能である。この場合、中央部と周辺部のガス流量を独立に制御することも可能であり、均一性の高いプラズマを発生させることもできる。
図6は、ガス導入構造の更に別の一例を説明するためのプラズマ処理装置の縦断面図である。
上述のVHF波導波路2は、固体の誘電体であったが、これは空気であってもよい。すなわち、処理容器1の上部構造において、処理容器1の側壁に設けられた凹部からなる導波路1wに連通する水平方向に延びた導波路2wを、固体の誘電体導波路に代えて形成する。そして、外側導体3aと内側導体3bとの間に、リング状の絶縁体からなる絶縁体ブロック2Bを配置する。これにより、絶縁体ブロック2Bの上部から導入されたVHF波は、水平方向の導波路2wを介して、垂直方向の導波路1wに至り、VHF波導入部9を介して、処理容器内部に導入される。なお、絶縁体ブロック2BのZ軸方向の厚みΔZは、VHF波の波長λ(本例では周波数換算で120MHz〜240MHz)に対して、プラズマ負荷インピーダンスを変換するインピーダンス変換器として機能するように設定する。なお、インピーダンス変換部は、同軸管(3a,3b)の特性インピーダンスと、アンテナ部(ブロック2B以降の導波路2、導入部9、上部誘電体7)のインピーダンスとを一致させている。絶縁体ブロック2BにおけるVHF波の実効波長をλとし、自然数Nを用いて、奇数を2N−1で示すと、絶縁体ブロック2BのZ軸方向の厚みΔZは、たとえば、ΔZ=(1/4)×λ×(2N−1)に設定することができる。
DRV…駆動ステージ、SP…プラズマ発生空間、TEMP…温度調節装置、1…処理容器、1w…導波路、2…VHF波導波路、2A…ガス導入通路、2B…絶縁体ブロック、2w…導波路、3…蓋部材、3a…外側導体、3b…内側導体、4…排気通路、5…上部電極、5d…凹部、6d…凹部、6…下部電極、7…上部誘電体、7A…ガス拡散板、8…下部誘電体、9…VHF波導入部、10…ガス源、11…流量コントローラ、12…制御装置、13…VHF波発生器、14…排気装置、100…プラズマ処理装置。

Claims (4)

  1. 処理容器内に対向配置された上部電極及び下部電極を備え、これらの電極間の空間にプラズマを発生させるプラズマ処理装置において、
    前記上部電極及び前記下部電極は、それぞれ互いに対向する面に凹部を備え、
    前記上部電極及び前記下部電極それぞれの前記凹部内には、上部誘電体及び下部誘電体がそれぞれ設けられ、
    前記上部誘電体と前記下部誘電体との間の前記空間の横方向端部には、VHF波の導入部が設けられている、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記上部誘電体及び前記下部誘電体は、それぞれ、中央部の厚みよりも外周部の厚みが薄い、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記上部誘電体及び前記下部誘電体は、前記空間を挟んで同軸配置されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記上部誘電体の下部表面から前記導入部までの鉛直方向の離間距離Δzupと、前記下部誘電体の上部表面から前記導入部までの鉛直方向の離間距離Δzdownと、は等しい、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。

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