JP2020091564A - 定期券処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】路線バスの定期券利用者の利便性を向上し得る定期券処理システムを提供する。【解決手段】実施形態の定期券処理システムでは、バス10に搭載された乗車用カードリーダ30により乗客が乗車するときに定期券であるICカードを識別可能なカードIDを、ICカードから読み出して出力し、運賃収受装置20のICカードR/Wにより乗客が降車するときにカードIDをICカードから読み出して出力する。バス10以外に設けられるサーバ40は、カードIDに関連付けられたICカードの利用可能期間および利用可能区間の情報を含む定期券情報を記憶している。運賃収受装置20の制御ユニットにより乗客の乗車から降車までの間において、乗車用カードリーダ30からのカードIDに基づいて無線通信回線を介してサーバ40から定期券情報を取得するとともに当該定期券情報と運賃収受装置20のICカードR/WからのカードIDとに基づいて可否判定を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、定期券処理システムに関し、例えば、路線バスにおいて乗客が定期券を利用して降車停留所で降車することの可否判定を行う定期券処理システムに関する。
定期券処理システムに関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される「改札システム」がある。この技術では、定期券を利用可能な定期券利用者が所持する乗車券の識別番号を、定期期間の開始日に合わせて駅の自動改札機に記憶させる。これにより、当該自動改札機は、多大なメモリを必要とすることなく、定期券利用者であるか否かの判定を行うことが可能になる。また、定期券利用者は、定期券の更新時に駅の窓口等で更新の手続を行う必要もなくなるため、利用者の利便性が向上する。
特開2007−179448号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術は、鉄道の駅の改札口に設置される改札機を対象にするものである。そのため、路線バスの車内に設けられる運賃収受装置等を含めた定期券処理システムには必ずしも適用が容易ではない。
即ち、改札機は駅の改札口に固定されているのに対して、車内に設けられる運賃収受装置は路線バスの運行に伴って移動する。そのため、駅の改札機は有線回線を利用できるのに対して路線バスの運賃収受装置は無線回線の利用に限られることから、通信環境を比較すると、運賃収受装置の場合には、改札機の場合よりも通信品質が低下する地域や通信不能の地点が存在し得るため、劣悪になり易い。
また、鉄道に比べて、路線バスは停留所の数が桁違いに多く、さらに停留所の増設や廃止も鉄道の駅よりも容易であり路線変更の頻度も格段に多い。また路線バスの場合には、定期券利用者が複数の路線を乗り継いで利用する乗り継ぎのバリエーションも、鉄道に比べて多様であり多い。
このため、例えば、定期券利用者が所持する定期券の識別番号を路線バスの運賃収受装置に記憶させる構成を採用したとしても、運賃収受装置にダウンロードする必要のある識別番号の数が膨大になり得るため、運賃収受装置のメモリ容量の不足や通信帯域の狭小化に起因したシステム動作の不具合を招き得る。したがって、特許文献1の開示技術は、路線バスの定期券処理システムには導入することが難しい。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、路線バスの定期券利用者の利便性を向上し得る定期券処理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載された定期券処理システムは、運賃後払い方式の路線バスにおいて乗客が定期券を利用して降車停留所で降車することの可否判定を行う定期券処理システムであって、前記乗客が前記路線バスに乗車するときに前記定期券を識別可能な識別データを前記定期券から読み出して出力する乗車時読出装置と、前記乗客が前記路線バスを降車するときに前記識別データを前記定期券から読み出して出力する降車時読出装置と、前記路線バス以外に設けられ前記識別データに関連付けられた前記定期券の利用可能期間および利用可能区間の情報を含む定期券情報を記憶している外部サーバと、前記乗客が乗車してから降車するまでの間において、前記乗車時読出装置から出力された前記識別データに基づいて無線通信回線を介して前記外部サーバから前記定期券情報を取得するとともに、前記乗客が前記路線バスを降車するときにおいて、当該取得した前記定期券情報と前記降車時読出装置から出力された前記識別データとに基づいて前記可否判定を行う降車可否判定装置と、を備えることを技術的特徴とする。
なお、「路線バス」とは、予め定められている路線を運行する乗合バスのことである。また「定期券」とは、定期乗車券のことであり、より具体的には、乗客である利用者の申告区間に対応して発券される「区間定期乗車券」や「区間定期券」のことである。さらに「降車停留所」とは、運行路線に設けられている始発地点、停留所および終着地点のうち、乗客の降車意思に応じて路線バスが停車する停車所のことである。また「定期券を識別可能な識別データ」には、定期券が有するICメモリや磁気ストライプ等の情報記憶媒体(電磁的記録媒体)に記憶(記録)されている電子データのほかに、定期券の表面または裏面に表示や印刷されている、英数字や記号等から構成される印字データおよび一次元バーコードや二次元バーコード等も含まれる。また「定期券の利用可能期間」とは、当該定期券を利用(使用)することのできる期間、つまり定期券の有効期間のことである。また「定期券の利用可能区間」とは、当該定期券を利用(使用)して乗降可能な始発地点、停留所および終着地点のうち両端に位置する停車所のことである。また「乗車するとき」は、乗車時および乗車直後を含む概念である。また「降車するとき」は、降車直前および降車時を含む概念である。
請求項1に記載の定期券処理システムの発明では、乗車時読出装置により、乗客が路線バスに乗車するときに定期券を識別可能な識別データを定期券から読み出して出力し、降車時読出装置により、乗客が路線バスを降車するときに識別データを定期券から読み出して出力する。路線バス以外に設けられる外部サーバは、識別データに関連付けられた定期券の利用可能期間および利用可能区間の情報を含む定期券情報を記憶している。そして、降車可否判定装置により、乗客が乗車してから降車するまでの間において、乗車時読出装置から出力された識別データに基づいて無線通信回線を介して外部サーバから定期券情報を取得するとともに、乗客が路線バスを降車するときにおいて、当該取得した定期券情報と降車時読出装置から出力された識別データとに基づいて可否判定を行う。
これにより、乗客の定期券情報は、当該乗客が乗車してから降車するまでの間、つまり路線バスの走行中や降車停留所に到着するまでに、乗車時読出装置から出力された識別データに基づいて無線通信回線を介して外部サーバから取得される。即ち、定期券にはそれを識別可能な識別データを持たせれば、路線バスの走行中等に外部サーバから利用可能期間および利用可能区間の情報を取得することが可能になるため、利用可能期間や利用可能区間の情報を定期券が持たなくても当該乗客が路線バスを降車するときに降車可否判定装置により可否判定を行うことができる。そのため、定期券の更新等に関与する利用可能期間および利用可能区間の情報を定期券に持たせる必要がないので、当該乗客である定期券利用者は、定期券の更新時に路線バス会社の窓口等で更新の手続を行う必要がない。
また、特許請求の範囲の請求項2に記載された定期券処理システムは、請求項1に記載された定期券処理システムにおいては、前記定期券がストアードフェア機能を有するICカードである場合において、前記降車可否判定装置は、前記乗客が前記定期券を利用して前記降車停留所で降車することができないと判定したときには、ストアードフェアデータから、前記乗客が乗車してから降車するまでの間の利用運賃分を減額して降車を許容することを技術的特徴とする。
請求項2に記載の定期券処理システムの発明では、降車可否判定装置は、乗客が定期券を利用して降車停留所で降車することができないと判定したときには、定期券のストアードフェアデータ(または定期券に対応するストアードフェアデータ)から利用運賃分を減額して降車を許容する。これにより、例えば、利用運賃分を現金で精算する必要がない。そのため、このような路線バスの利用場面においても定期券利用者の利便性を向上させることが可能になる。
さらに、特許請求の範囲の請求項3に記載された定期券処理システムは、請求項2に記載された定期券処理システムにおいて、前記降車可否判定装置は、少なくとも前記ストアードフェアデータから前記利用運賃分を減額した場合には、前記利用運賃分の情報を前記外部サーバに送ることを技術的特徴とする。なお、「利用運賃分の情報」には、利用運賃分を算出可能な情報も含まれる。
請求項3に記載の定期券処理システムの発明では、降車可否判定装置は、少なくともストアードフェアデータから利用運賃分を減額した場合には、利用運賃分の情報を外部サーバに送る。これにより、外部サーバでは、定期券の(または定期券に対応する)ストアードフェアデータから利用運賃分を減額したことを把握することが可能になる。そのため、例えば、乗客の定期券情報が外部サーバに記憶されているにもかかわらず、無線通信回線の通信不具合等により、乗客が乗車してから降車するまでの間に外部サーバから乗客の定期券情報を取得できない場合が生じたときには、それをリカバリする処理(例えば、減額した運賃と同等価値の、SFバリューやSFポイントを加算するようにストアードフェアデータを変更する)を外部サーバ等において行うことが可能になる。なお、SFバリューは、ストアードフェアにおいて金銭と同等の交換価値を有する電子データのことである。またSFポイントは、SFバリューの使用額に応じて付与される電子データのことであり、運賃の支払い等に使用することのできるものである。
また、特許請求の範囲の請求項4に記載された定期券処理システムは、請求項3に記載された定期券処理システムにおいて、前記外部サーバは、前記定期券に対応する前記定期券情報を記憶している場合に前記降車可否判定装置から前記利用運賃分の情報を受けたときは、当該利用運賃分の情報を、前記ICカードの前記ストアードフェアデータを変更可能なSFデータ変更装置に提供可能にすることを技術的特徴とする。
請求項4に記載の定期券処理システムの発明では、外部サーバは、定期券に対応する定期券情報を記憶している場合に降車可否判定装置から利用運賃分の情報を受けたときは、当該利用運賃分の情報を、ICカードのストアードフェアデータを変更可能なSFデータ変更装置に提供可能にする。「定期券に対応する定期券情報を記憶している場合に降車可否判定装置から利用運賃分の情報を受けたとき」とは、乗客の定期券情報が外部サーバに記憶されているにもかかわらず、例えば、無線通信回線の通信不具合等により、乗客が乗車してから降車するまでの間に外部サーバから乗客の定期券情報を取得できない場合、乗客が定期券を利用して降車停留所で降車することができないと判定してICカードの(またはICカードに対応する)ストアードフェアデータから利用運賃分を減額したときである。
つまり、乗客はその定期券を利用して降車停留所で降車できる場合であったにもかかわらず、定期券を利用できない場合と同様にストアードフェアデータから利用運賃分を減額されたケースである。このようなケースにおいては、外部サーバは、当該利用運賃分の情報をSFデータ変更装置に提供し得る。これにより、SFデータ変更装置によって、例えば、事後的に当該利用運賃分を補填するようにICカードのストアードフェアデータを変更することが可能になる。
さらに、特許請求の範囲の請求項5に記載された定期券処理システムは、請求項3に記載された定期券処理システムにおいて、前記外部サーバは、前記定期券に対応する前記定期券情報を記憶している場合に前記降車可否判定装置から前記利用運賃分の情報を受けたときは、当該利用運賃分の情報を、前記外部サーバに記憶されている前記定期券情報を変更可能な定期券情報変更装置に提供可能にすることを技術的特徴とする。
請求項5に記載の定期券処理システムの発明では、外部サーバは、定期券に対応する定期券情報を記憶している場合に降車可否判定装置から利用運賃分の情報を受けたときは、当該利用運賃分の情報を、外部サーバに記憶されている定期券情報を変更可能な定期券情報変更装置に提供可能にする。「定期券に対応する定期券情報を記憶している場合に降車可否判定装置から利用運賃分の情報を受けたとき」とは、乗客の定期券情報が外部サーバに記憶されているにもかかわらず、例えば、無線通信回線の通信不具合等により、乗客が乗車してから降車するまでの間に外部サーバから乗客の定期券情報を取得できない場合、乗客が定期券を利用して降車停留所で降車することができないと判定してICカードの(またはICカードに対応する)ストアードフェアデータから利用運賃分を減額したときである。
つまり、乗客はその定期券を利用して降車停留所で降車できる場合であったにもかかわらず、定期券を利用できない場合と同様にストアードフェアデータから利用運賃分を減額されたケースである。このようなケースにおいては、外部サーバは、当該利用運賃分の情報を定期券情報変更装置に提供し得る。これにより、定期券情報変更装置によって、例えば、定期券の更新手続等により定期券情報を変更するときに、当該利用運賃分だけ更新料金を割り引いたり、当該運賃額相当分だけ更新期間を延長したりすることが可能になる。
本発明の定期券処理システムでは、定期券の更新等に関与する利用可能期間および利用可能区間の情報を定期券に持たせる必要がないので、定期券の利用者は、定期券の更新時に路線バス会社の窓口等で更新の手続を行う必要がない。したがって、路線バスの定期券利用者の利便性を向上させることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る定期券処理システムの構成例を示すシステム構成図である。 本実施形態の定期券処理システムを構成する運賃収受装置、乗車用カードリーダおよびサーバにより、路線バスの運行時において実行される各処理の流れを示すシーケンス図である。 乗車用カードリーダが路線バスの乗車期間中において実行する乗車期間処理の流れを示すフローチャートである。 運賃収受装置が路線バスの乗車期間中において実行する乗車期間処理の流れを示すフローチャートである。 サーバが路線バスの乗車期間中において実行する乗車期間処理の流れを示すフローチャートである。 サーバが路線バスの走行期間中において実行する走行期間処理の流れを示すフローチャートである。 運賃収受装置が路線バスの走行期間中において実行する走行期間処理の流れを示すフローチャートである。 サーバが路線バスの走行期間中において実行する走行期間処理の流れを示すフローチャートである。 運賃収受装置が路線バスの降車期間中において実行する降車期間処理の流れを示すフローチャートである。 運賃収受装置およびサーバにより、路線バスの運行期間やサーバのバッチ処理期間において実行される各処理の流れを示すシーケンス図である。 運賃収受装置が路線バスの運行期間中において実行する利用明細処理の流れを示すフローチャートである。 サーバが路線バスの運行期間中において実行する利用明細処理の流れを示すフローチャートである。 サーバがバッチ処理期間中において実行するリカバリ処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の定期券処理システムの実施形態について図を参照して説明する。まず、本発明の実施形態に係る定期券処理システムの構成例を図1に基づいて説明する。図1には、定期券処理システムの構成例を示すシステム構成図が図示されている。
本実施形態は、路線バス(以下「バス」という)10の利用者(以下「利用者」という)が後方口14から乗車した後、前方口12から降車する際に運賃を支払う「後乗り前降り後払い方式」のバス10に、本発明の定期券処理システムを適用した例である。なお、利用者は、当該バス10の乗客であり、ICカードタイプの定期券を利用する場合もある。また、バス10はワンマン運行方式である。「後乗り前降り後払い方式」は、運賃後払い方式の一態様であり、典型的には、距離に応じて金額が増加する運賃体系を採る。
図1に示すように、本実施形態の定期券処理システム(以下「本システム」という)は、主に、バス10の前方口12付近に搭載される運賃収受装置20と、バス10の後方口14付近に搭載される乗車用カードリーダ30と、バス10の運行事業者(路線バス会社)等に設けられるサーバ40等と、から構成されている。バス10とサーバ40は、無線通信回線90を介してデータ通信可能であり、またサーバ40は、インターネット100等を介して、バスターミナル等のICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51や、バスターミナル構内60の定期券発行装置61等とデータ通信可能である。
《運賃収受装置20》
運賃収受装置20は、バス10の車内に設けられる、制御ユニット21、ICカードリーダ/ライタ(以下「ICカードR/W」という)26、液晶表示ユニット27、有線通信ユニット28、無線通信ユニット29等を含んで構成されている。なお、図1では、運賃収受装置20を構成する運賃収受機構や金庫等の図示を省略している。
制御ユニット21は、ICカードR/W26、液晶表示ユニット27、有線通信ユニット28、無線通信ユニット29等を制御するコントローラであり、MPU22、メモリ23、入出力インタフェース24等から構成されている。MPU22は、運賃収受装置20を制御する演算処理装置であり、システムバスやデータバス等を介して、メモリ23や入出力インタフェース24等と接続されている。本実施形態では、制御ユニット21は、ICカードR/W26等のほかに運賃収受機構の駆動ユニット等も制御している。
メモリ23は、半導体記憶装置であり、MPU22が使用する主記憶空間を構成するものである。本実施形態では、プログラム領域を担うROMとワーク領域やデータ領域に割り当てられるDRAMとにより構成されている。ROMには、ICカードR/W26等や運賃収受機構の駆動ユニット等を制御するシステムプログラムや、後述する乗車期間処理2100、走行期間処理2200、降車期間処理2300や利用明細処理2400等の各制御プログラムが格納されている。また、DRAMには、サーバ40から送信されてきた定期券情報を格納する定期券情報格納領域や後述の降車期間処理2300により生成される利用明細情報格納領域が確保されている。
入出力インタフェース24は、制御ユニット21の周辺装置に対して、シリアル(USB規格等)またはパラレル(IEEE1284規格等)のデータのやり取りを仲介する入出力インタフェース装置である。本実施形態では、ICカードR/W26、液晶表示ユニット27、有線通信ユニット28、無線通信ユニット29や運賃収受機構の駆動ユニット等と接続可能に構成されている。
ICカードR/W26は、主に、ICカード70のICチップ71に記憶されたデータを読み出すICカードリーダと、同ICチップ71にデータを書き込むICカードライタと、により構成されている降車時読出装置であり、制御ユニット21の入出力インタフェース24に接続されている。本実施形態では、ICチップ71は、半導体メモリを含んで構成されており、当該半導体メモリには、ICカード70のカードID(識別データ)等のデータが記憶されている。
ICカードR/W26は、利用者がICカード70をタッチし易い位置、例えば、運賃収受装置20の上部に運賃収受機構と並んで設けられている。ICカードR/W26が読み出したICカード70のカードID等のデータは、制御ユニット21に出力される。また、制御ユニット21から出力される乗車日時や乗車区間等のデータは、ICカードR/W26を介してICカード70に書き込まれる。
なお、カードIDは、英数字や記号の組み合わせで構成されるICカード70ごとに固有の情報であり、例えば、ICカード70の製造時にICチップ71に書き込まれたり、利用者に渡される前のICカード70の発行時にICチップ71に書き込まれたりする。本実施形態では、ICカード70は、ストアードフェア機能付きのバス10の定期券として使用(利用)される。以下、ストアードフェア(stored fare)を「SF」と略して記載する場合があるので、注意されたい。
液晶表示ユニット27は、利用者に対して運賃や支払い金額に関する情報等を明示する告知装置であり、この装置も制御ユニット21の入出力インタフェース24に接続されている。本実施形態では、ICカード70をICカードR/W26にかざした場合に、その読み出し結果(後述する情報処理の結果)や、定期券の表面に明示されるべき内容(利用可能区間や利用可能期間(有効期間))を表示して、利用者に告知する。なお、液晶表示ユニット27は、液晶に代えてLEDで表示したり、液晶とLEDの併用で表示したりするように構成してもよい。
有線通信ユニット28は、制御ユニット21と乗車用カードリーダ30等とのデータのやり取りを有線通信回線80により行うもので、例えば、RS-422やRS-485等のシリアル伝送によりデータ通信可能な通信規格に準拠したものである。有線通信ユニット28も制御ユニット21の入出力インタフェース24に接続されている。
無線通信ユニット29は、制御ユニット21と外部とのデータのやり取りを無線通信回線90により行うもので、例えば、データ通信可能な業務無線装置や携帯電話装置等が使用される。本実施形態では、データ通信は、無線パケット通信網を介して行われる。無線通信ユニット29も制御ユニット21の入出力インタフェース24に接続されている。
なお、制御ユニット21には、前方口12や後方口14の扉の開閉状態を検出可能な図略のドアセンサが入出力インタフェース24を介して接続されている。これにより、バス10が停留所に停車している期間中であるか否かを扉の開閉状態(開状態は停車中、閉状態は走行中)に関する情報に基づいて検出することができる。後方口14の扉の開閉状態に関する情報は、有線通信回線80を介して乗車用カードリーダ30に送られる。
《乗車用カードリーダ30》
乗車用カードリーダ30は、ICカードR/W26のICカードリーダとほぼ同様の機能を備えた乗車時読出装置であり、バス10の後方口14の付近に例えば整理券発行機と並んで設けられている。
即ち、乗車用カードリーダ30は、主に、制御ユニット31、ICカードリーダ33、表示ユニット35、通信ユニット37等により構成されており、ICカード70のICチップ71に記憶されたカードID(識別データ)等をICカードリーダ33により読み出した後、カードID等のデータを通信ユニット37を介して運賃収受装置20に出力する機能を持っている。
制御ユニット31は、図略のMPU、メモリ、入出力インタフェースやシステムバス等から構成されている演算処理装置であり、入出力インタフェースを介して接続されているICカードリーダ33、表示ユニット35、通信ユニット37等を制御するコントローラである。制御ユニット31のメモリには、後述する乗車期間処理1100等の制御プログラムが格納されている。なお、通信ユニット37は、運賃収受装置20の有線通信ユニット28と同様に構成されているため、説明を省略する。
ICカードリーダ33は、ICカードR/W26のICカードリーダと同様に構成されており、タッチ面にICカード70を近づけるか、または軽くタッチ(接触)させることで、ICカード70のICチップ71に記憶されたデータが読み出される。ICカードリーダ33のタッチ面は、表示ユニット35の発光部としても機能しており、例えば、正常に読み出された場合には緑色に発光する。また、読み出しに失敗したり読み出したデータが異常であったりした場合には、例えば、タッチ面が赤色に発光する。これらの発光は、例えば、LEDにより行われる。
《サーバ40》
サーバ40は、主に、制御装置41、データベース装置43、無線通信装置45等から構成されているファイルサーバである。制御装置41は、データベース装置43や無線通信装置45に接続されてこれらを制御する情報処理装置であり、例えば、インターネット100に接続されているネットワーク機器やサーバコンピュータにより構成されている。データベース装置43は、大容量の情報記憶媒体であり、例えば、記憶容量が数100TB(テラバイト)のデータストレージ装置である。
サーバコンピュータのメモリやストレージデバイス(以下「メモリ等」という)には、後述する乗車期間処理3100、走行期間処理3200、走行期間処理3300、利用明細処理3400やリカバリ処理3500等の各制御プログラムが格納されている。また、同メモリには、運賃収受装置20から送信されてきたカードIDを格納するカードID格納領域やカードID再送領域が確保されている。また、同メモリには、運賃収受装置20から送信されてきた利用明細情報を格納する利用明細情報格納領域も確保されている。なお、無線通信装置45は、運賃収受装置20の無線通信ユニット29と同様に構成されているため、説明を省略する。
サーバ40は、より具体的には、データベース装置43に蓄積されている、カードIDやカードIDに関連付けられた定期券情報、さらにはSFバリューやSFポイント(ストアードフェアデータ)の情報等、ICカード70に紐付けられた様々な情報に対するアクセス制御やデータ管理等を行う。本実施形態では、データベース装置43に対するアクセスは、例えば、無線通信回線90を介してバス10の運賃収受装置20から行われたり、インターネット100を介してICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51や駅構内60の定期券発行装置61から行われたりする。
<<< バス運行時の処理 >>>
次に、図2〜図9を参照しながら本システムにおける各処理の流れを説明する。まず、図2に基づいて各処理の概要を説明する。図2には、運賃収受装置20、乗車用カードリーダ30およびサーバ40により、運行時において実行される各処理の流れを示すシーケンス図が図示されている。
<乗車期間>
図2に示すように、乗車期間、即ち停留所等にバス10が停車している期間においては、停車中のバス10に利用者が乗車すると、当該利用者は、後方口14付近に設けられている乗車用カードリーダ30(のICカードリーダ33)にICカード70をかざしたりタッチしたりする。すると、乗車用カードリーダ30では、後述する乗車期間処理1100によりICカード70からカードIDを読み取った後、有線通信回線80を介して運賃収受装置20に当該カードIDを送る。
一方、運賃収受装置20では、乗車用カードリーダ30からカードIDを受け取ると、乗車期間処理2100により所定の情報処理を行った後、無線通信回線90を介してサーバ40にカードIDを送信する。また、サーバ40では、乗車期間処理3100により運賃収受装置20からカードIDを受信すると、受信したカードIDをサーバコンピュータのメモリ等に保存する。
このような一連の処理(乗車期間処理1100→乗車期間処理2100→乗車期間処理3100)は、乗車期間中において、乗車用カードリーダ30が利用者のICカード70からカードIDを読み取るたびごとに繰り返し行われる。
[乗車期間処理1100]
図3に示す乗車期間処理1100は、乗車用カードリーダ30の制御ユニット31により実行される処理であり、バス10の後方口14の扉が開いている期間中に繰り返し実行される。後方口14の扉の開閉状態に関する情報は、有線通信回線80を介して運賃収受装置20から制御ユニット31が取得する。図3には、乗車用カードリーダ30が実行する乗車期間処理1100の流れを示すフローチャートが図示されている。
乗車期間処理1100では、まずステップS1101により制御ユニット31のメモリの本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ICカードリーダ33がICカード70(のICチップ71)からカードデータを読み取ったか否かの判定がステップS1103により行われる。
そして、ICカードリーダ33によりICカード70の読み取りが行われていると制御ユニット31が判定した場合には(S1103;Yes)、次のステップS1105により当該読み取られたカードデータの内容を解析する処理が行われる。これに対して、ICカード70の読み取りが行われていないと制御ユニット31が判定した場合には(S1103;No)、利用者がICカード70をタッチ等していないことになるから、本処理1100を終える。
ステップS1105のカードデータ解析処理では、カードデータを構成する情報内容の解析が行われる。本実施形態では、予め定められたデータ形式やデータフォーマットに従って所定のデータ項目(例えば、バス事業者名、定期券発行日、カードID、乗車日時、乗車区間、SFバリューの残額やSFポイントの残数等)がすべてICカード70に記憶されているか否かが調べられその結果(解析結果)が生成される。この解析結果は、次の判定処理(S1107)に用いられる。
即ち、ステップS1107では、当該解析結果から、所定のデータ項目が存在し正常であると判定された場合には(S1107;Yes)、続くステップS1109により表示ユニット35に読取り完了を表示させる処理が行われる。これに対して、当該解析結果から、不足するデータ項目があると判定された場合、つまりカードデータが壊れている(異常である)場合には(S1107;No)、ステップS1111により表示ユニット35に読取りエラーを表示させる処理が行われる。
ステップS1107によりデータ項目が正常であると判定された場合には(S1107;Yes)、ステップS1113によりカードデータからカードIDを抽出して運賃収受装置20に送出した後、一連の本処理1100を終了する。このカードIDの送出は、有線通信回線80を介して行われるため、データの送信エラー等が発生する可能性は極めて低い。ただし、構成によっては送信エラー発生時の送信リトライ処理を追加してもよい。
[乗車期間処理2100]
図4に示す乗車期間処理2100は、運賃収受装置20の制御ユニット21により実行される処理であり、バス10の前方口12の扉が開いている期間中に繰り返し実行される。図4には、運賃収受装置20が実行する乗車期間処理2100の流れを示すフローチャートが図示されている。
乗車期間処理2100では、まずステップS2101により制御ユニット21のメモリ23の本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、有線通信ユニット28からデータの入力(入力データ)が有るか否かの判定がステップS2103により行われる。例えば、入力データが有る場合には(S2103;Yes)、有線通信ユニット28の入力バッファに入力データが保持されているため、そのデータが取得された後、続くステップS2105によりカードID抽出処理が行われる。これに対して、入力データが有ると判定されない場合には(S2103;No)、乗車用カードリーダ30からカードID等のデータが送られていないことになるから、本処理2100を終える。
ステップS2105のカードID抽出処理では、入力データからカードIDを抽出(取得)する処理が行われる。これにより取得されたカードIDは、続くステップS2107により所定の送信データフォーマットに組み込まれて送信データとして生成される。ステップS2107の送信データ生成処理により生成された送信データは、次のステップS2109によりサーバ40に送信される。より具体的には、送信データは、制御ユニット21により制御される無線通信ユニット29によって無線通信回線90を介してサーバ40に無線送信される。
運賃収受装置20からの送信データがサーバ40により正常に受信されると、例えば、サーバ40から肯定応答(ACK)のデータが送信されて運賃収受装置20の無線通信ユニット29に届く。もしサーバ40が送信データを正常に受信することができなかったときには、否定応答(NACK)のデータがサーバ40から送信されて無線通信ユニット29に届いたり、所定時間を経過(タイムアウト)しても何ら応答データが届かなかったりする。そのため、運賃収受装置20は、続くステップS2111により、サーバ40から届くこれらの応答データを無線通信ユニット29を介して受信し(送信結果受信処理)、応答データを取得する。
そして、ステップS2113により送信エラーが有るか否かの判定が行われる。即ち、ステップS2111により取得された応答データが肯定応答(ACK)のデータであるときには、送信エラーが発生していない(送信エラーがない)ことになるので(S2113;No)、そのまま本処理2100を終える。
これに対して応答データが否定応答(NACK)のデータであるときや、応答データを受信できていないときには、送信エラーが発生している(送信エラーが有る)ことになるので(S2113;Yes)、リトライカウンタをインクリメント(+1)して所定のリトライ回数を超えていない場合には(S2115;No)、ステップS2109に戻って再度、送信処理を行う。
リトライカウンタをインクリメント(+1)した結果、所定のリトライ回数を超えている場合には(S2115;Yes)、制御ユニット21は、サーバ40に対するカードIDの送信を止めて本処理2100を終了する。所定のリトライ回数は、例えば、5回に設定される。
なお、所定のリトライ回数を超えている場合において(S2115;Yes)、例えば、カードID再送フラグを設けてそれを「1」にセットし、カードID再送フラグが「1」である場合には、所定時間(例えば、60秒〜120秒)の経過後に、再度、本処理2100をステップS2109から開始するように、例えば、後述する利用明細処理2400のように本処理2100のアルゴリズムを構成してもよい。これにより、例えば、時間経過に伴うバス10の進行によって走行経路周辺の電波伝搬状態が変動し得ることから、サーバ40に対するカードIDの送信完了の可能性が向上する。
[乗車期間処理3100]
図5に示す乗車期間処理3100は、サーバ40の制御装置41のサーバコンピュータにより実行される処理であり、バス10の運行期間中に繰り返し実行される。図5には、サーバ40が実行する乗車期間処理3100の流れを示すフローチャートが図示されている。
乗車期間処理3100では、まずステップS3101により制御装置41のサーバコンピュータのメモリの本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ステップS3103により無線通信装置45の受信データが有るか否かの判定が行われる。例えば、受信データが有る場合には(S3103;Yes)、無線通信装置45の受信バッファに受信データが保持されているため、そのデータが取得された後、続くステップS3105により受信データ解析処理が行われる。これに対して、受信データが有ると判定されない場合には(S3103;No)、運賃収受装置20からカードIDを含む送信データが送信されていないことになるから、本処理3100を終える。
ステップS3105の受信データ解析処理では、受信データを構成する情報内容の解析が行われる。本実施形態では、予め定められたデータ形式やデータフォーマットに従ってカードIDが入っているか否かが調べられその結果(解析結果)が生成される。この解析結果は、次の判定処理(S3107)に用いられる。
続くステップS3107では、この解析結果から、カードIDが存在し正常であると判定された場合には(S3107;Yes)、続くステップS3109により正常受信情報(つまり肯定応答(ACK))が運賃収受装置20に送信される。一方、当該解析結果から、例えば、カードIDのデータが壊れておりカードIDが存在しないと判定された場合(S3107;No)、ステップS3111により受信エラー情報(つまり否定応答(NACK))が運賃収受装置20に送信される。
ステップS3107によりカードIDが存在し正常であると判定された場合(S3107;Yes)、続くステップS3113によりサーバコンピュータのメモリ等のうち予め設けられているカードID格納領域に当該カードIDを保存する処理が行われて、一連の本処理3100を終了する。
<走行期間>
図2に示すように、走行期間、即ちバス10が前の停留所を出発してから次の停留所に到着するまでの期間においては、サーバ40は、乗車期間中に運賃収受装置20から受信して保存したカードIDに対して、それに関連付けられた定期券情報を走行期間処理3200により検索した後、検索された定期券情報を無線通信回線90を介して運賃収受装置20に送信する。サーバ40では、このような走行期間処理3200を保存したすべてのカードIDに対して行う。また、通信環境等に起因して送信エラーが発生した場合には、当該検索された定期券情報等を走行期間処理3300により、再度、運賃収受装置20に送信する。
これに対して運賃収受装置20では、走行期間処理2200によりカードIDに関連付けられた定期券情報がサーバ40から受信されると、受信した定期券情報を制御ユニット21のメモリ23等に保存する。定期券情報には、少なくとも、利用者のICカード70を定期券として機能させ得る、利用可能期間および利用可能区間の情報が含まれる。定期券の利用可能期間とは、当該定期券を利用(使用)することのできる期間、つまり定期券の有効期間のことである。また、定期券の利用可能区間とは、当該定期券を利用(使用)して乗降可能な、始発地点、停留所および終着地点のうち、両端に位置する停車所のことである。
このような一連の処理(走行期間処理3200,3300→走行期間処理2200)は、走行期間中において、サーバ40から運賃収受装置20に定期券情報が送信されるごとに繰り返し行われる。
[走行期間処理3200]
図6に示す走行期間処理3200は、サーバ40のサーバコンピュータにより実行される処理であり、バス10の運行期間中に実行される。図6には、サーバ40が実行する走行期間処理3200の流れを示すフローチャートが図示されている。
走行期間処理3200では、まずステップS3201により制御装置41のサーバコンピュータのメモリの本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ステップS3203によりサーバコンピュータのメモリのうち予め設けられているカードID格納領域に保存されているカードIDを読み出す処理が行われる。このカードIDは、前述した乗車期間処理3100のカードID保存処理(S3113)によりカードID格納領域に保存されたものであり、乗車期間処理2100の送信処理(S2109)により運賃収受装置20から送信されたカードIDの数分、即ち直近に停車した停留所において乗車した利用者の人数分だけ保存されている。
続くステップS3205ではデータベース検索処理が行われる。この処理では、カードIDに関連付けられている定期券情報をデータベース装置43から探し出す。データベース装置43には、定期券を発行している全利用者の定期券情報が蓄積されているため、カードIDが現在も有効である場合には、必ずデータベース装置43から当該カードIDに対応する定期券情報を見つけることが可能である。もし見つけることができない場合は、そのカードIDが過去に発行した定期券であって現在は有効期限が満了しているものに対応しているか、またはカードID自体がバス10の運行事業者以外が発行したものであるか等が想定される。
ステップS3205のデータベース検索処理によって、サーバ40のサーバコンピュータがカードIDに対応する(関連付けられた)定期券情報を見つけることができた場合には、ステップS3207により該当する定期券情報が取得される。また定期券情報を見つけることができない場合には、ステップS3207により検索エラー情報が取得される。なお、本実施形態では、ステップS3205によりデータベース検索処理が終了したカードIDについては、例えば、サーバコンピュータのメモリ等に設けられているカードID格納領域から削除する。
ステップS3207により取得した定期券情報または検索エラー情報(以下「定期券情報等」という)は、続くステップS3209により所定の送信データフォーマットに組み込まれて送信データとして生成される。ステップS3209の送信データ生成処理により生成された送信データは、次のステップS3211により運賃収受装置20に送信される。より具体的には、送信データは、制御ユニット21のサーバコンピュータにより制御される無線通信装置45によって無線通信回線90を介して運賃収受装置20に無線送信される。
サーバ40からの送信データが運賃収受装置20により正常に受信されると、例えば、運賃収受装置20から肯定応答(ACK)のデータが送信されてサーバ40の無線通信装置45に届く。もし運賃収受装置20が送信データを正常に受信することができなかったときには、否定応答(NACK)のデータが運賃収受装置20から送信されて無線通信装置45に届いたり、所定時間を経過(タイムアウト)しても何ら応答データが届かなかったりする。そのため、サーバコンピュータは、続くステップS3213により、運賃収受装置20から届くこれらの応答データを無線通信装置45によって無線通信回線90を介して受信し(送信結果受信処理)、応答データを取得する。
そして、ステップS3215により送信エラーが有るか否かの判定が行われる。即ち、ステップS3213により取得された応答データが肯定応答(ACK)のデータであるときには、送信エラーが発生していない(送信エラーがない)ことになるので(S3215;No)、サーバコンピュータは、ステップS3221に処理を移行して未検索のカードIDが有るか否かを判定する。
即ち、前述のカードID格納領域には、直近で停車した停留所において乗車した利用者の人数分だけカードIDが保存されているので、そのすべてについてデータベース検索処理が完了しているか否かがステップS3221により判定される。例えば、本実施形態では、データベース検索処理(S3205)が終了したカードIDは、カードID格納領域から削除されることから、カードID格納領域に保存されているカードIDの残数をカウンタやポインタ等で確認することによりステップS3221による判定が可能になる。
もし未検索のカードIDがカードID格納領域に残っている場合には(S3221;Yes)、サーバコンピュータは、カードID読出処理(S3203)に戻ってカードID格納領域からカードIDを読み出した後、データベース検索処理(S3205)により定期券情報を検索する。
これに対して応答データが否定応答(NACK)のデータであるときや、応答データを受信できていないときには、送信エラーが発生している(送信エラーが有る)ことになるので(S3215;Yes)、サーバコンピュータは、リトライカウンタをインクリメント(+1)して、所定のリトライ回数を超えていない場合には(S3217;No)、ステップS3211に戻って再度、送信処理を行う。
リトライカウンタをインクリメント(+1)した結果、所定のリトライ回数を超えている場合には(S3217;Yes)、サーバコンピュータは、ステップS3219の送信エラー処理により運賃収受装置20に対する定期券情報等の送信を止めるとともに、定期券情報再送フラグを「1」にセットする。運賃収受装置20に送信することのできなかった送信データに含まれ定期券情報等に関連付けられているカードIDは、サーバコンピュータのメモリ等のうち予め設けられているカードID再送領域に保存される。また、定期券情報再送フラグは、カードID再送領域に保存される当該カードIDに付加される。
続くステップS3221では、前述したように未検索のカードIDが有るか否かの判定処理が行われて、また未検索のカードIDがない場合には(S3221;No)、一連の本処理3200を終了する。
[走行期間処理2200]
図7に示す走行期間処理2200は、運賃収受装置20の制御ユニット21により実行される処理であり、バス10の走行期間中(バス10の前方口12および後方口14の扉がいずれも閉じている期間中)、繰り返し実行される。図7には、運賃収受装置20が実行する走行期間処理2200の流れを示すフローチャートが図示されている。
走行期間処理2200では、まずステップS2201により制御ユニット21のメモリ23のメモリの本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、無線通信ユニット29の受信データが有るか否かの判定がステップS2203により行われる。例えば、受信データが有る場合には(S2203;Yes)、無線通信ユニット29の受信バッファに受信データが保持されているため、そのデータが取得された後、続くステップS2205により受信データ解析処理が行われる。これに対して、受信データが有ると判定されない場合には(S2203;No)、サーバ40から、定期券情報等を含む送信データが送信されていないことになるから、本処理2200を終える。
ステップS2205の受信データ解析処理では、受信データを構成する情報内容の解析が行われる。本実施形態では、予め定められたデータ形式やデータフォーマットに従って定期券情報等が入っているか否かが調べられその結果(解析結果)が生成される。この解析結果は、次の判定処理(S2207)に用いられる。
続くステップS2207では、この解析結果から、定期券情報等が存在し正常であると判定された場合には(S2207;Yes)、続くステップS2209により正常受信情報(つまり肯定応答(ACK))がサーバ40に送信される。一方、当該解析結果から、例えば、定期券情報等のデータが壊れており定期券情報等が存在しないと判定された場合(S2207;No)、ステップS2211により受信エラー情報(つまり否定応答(NACK))がサーバ40に送信される。
ステップS2207により定期券情報等が存在し正常であると判定された場合(S2207;Yes)、制御ユニット21は、続くステップS2213により制御ユニット21のメモリ23のうち予め設定されている定期券情報格納領域に当該定期券情報等を保存して、一連の本処理2200を終了する。
[走行期間処理3300]
図8に示す走行期間処理3300は、サーバ40のサーバコンピュータにより実行される処理であり、走行期間処理3200が実行された後、バス10が次の停留所に停車して乗車期間処理3100が実行されるまでの間に繰り返し実行される。図8には、サーバ40が実行する走行期間処理3300の流れを示すフローチャートが図示されている。
走行期間処理3300では、まずステップS3301により制御装置41のサーバコンピュータのメモリの本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ステップS3303により、サーバコンピュータのメモリ等に確保されているカードID再送領域にカードIDが存在するか否かを判定する処理が行われる。このカードID再送領域に保存されているカードIDには、前述の走行期間処理3200の送信エラー処理(S3219)によって、定期券情報再送フラグ「1」が付加されている。そのため、この領域にカードIDが保存されている場合には、定期券情報再送フラグ「1」のカードIDが有ることになる。
ステップS3303により定期券情報再送フラグ「1」のカードIDが有ると判定した場合には(S3303;Yes)、当該カードIDは、続くステップS3305により所定の送信データフォーマットに組み込まれて送信データとして生成される。ステップS3305の送信データ生成処理により生成された送信データは、次のステップS3307により運賃収受装置20に送信される。つまり、運賃収受装置20に向けて再送信される。
続くステップS3309では、運賃収受装置20から届く肯定応答(ACK)や否定応答(NACK)のデータを無線通信装置45によって無線通信回線90を介して受信し(送信結果受信処理)、応答データを取得する。
そして、ステップS3311により送信エラーが有るか否かを判定する。即ち、ステップS3311では、ステップS3309により取得された応答データが肯定応答(ACK)のデータであるときには、送信エラーが発生していない(送信エラーがない)ことになるので(S3311;No)、ステップS3313に処理を移行して定期券情報再送フラグに「0」をセット、つまりクリアする。
これに対して応答データが否定応答(NACK)のデータであるときや、応答データを受信できていないときには、送信エラーが発生している(送信エラーが有る)ことになるので(S3311;Yes)、リトライカウンタをインクリメント(+1)して所定のリトライ回数を超えていない場合には(S3315;No)、ステップS3307に戻って再度、送信処理を行う。一方、リトライカウンタをインクリメント(+1)した結果、所定のリトライ回数を超えている場合には(S3315;Yes)、一連の本処理3300を終了する。
<降車期間>
図2に示すように、降車期間、即ち次の停留所等にバス10が停車している期間においては、当該次の停留所で降車したい利用者が運賃収受装置20(のICカードR/W26)にICカード70をかざしたりタッチしたりする。すると、運賃収受装置20では、次に説明する降車期間処理2300によって、ICカード70から読み取ったカードIDに関連付けられた定期券情報を制御ユニット21のメモリ23から検索して、当該利用者がこの停留所(降車停留所)で降車することの可否判定等を行う。可否判定等の結果は、運賃収受装置20の液晶表示ユニット27に表示される。降車期間処理2300は、運賃収受装置20が降車予定の利用者のICカード70を読み取るごとに繰り返し行われる。
[降車期間処理2300]
図9に示す降車期間処理2300は、運賃収受装置20の制御ユニット21により実行される処理であり、バス10の前方口12の扉が開いている期間中に繰り返し実行される。図9には、運賃収受装置20が実行する降車期間処理2300の流れを示すフローチャートが図示されている。
降車期間処理2300では、まずステップS2301により制御ユニット21のメモリ23の本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ICカードR/W26がICカード70(のICチップ71)からカードデータを読み取ったか否かの判定がステップS2303により行われる。
そして、ICカードR/W26によりICカード70の読み取りが行われていると制御ユニット21が判定した場合には(S2303;Yes)、次のステップS2305により当該読み取られたカードデータの内容を解析する処理が行われる。これに対して、ICカード70の読み取りが行われていないと制御ユニット21が判定した場合には(S2303;No)、利用者がICカード70をタッチ等していないことになるから、本処理2300を終える。
ステップS2305のカードデータ解析処理では、カードデータを構成する情報内容の解析が行われる。本実施形態では、予め定められたデータ形式やデータフォーマットに従って所定のデータ項目(例えば、バス事業者名、定期券発行日、カードID、乗車日時、乗車区間、SFバリューの残額やSFポイントの残数等)がすべてICカード70に記憶されているか否かが調べられその結果(解析結果)が生成される。この解析結果は、次の判定処理(S2307)に用いられる。
ステップS2307では、当該解析結果から、不足するデータ項目があると判定した場合、つまりカードデータが壊れている(異常である)場合には(S2307;No)、ステップS2323により液晶表示ユニット27にカードがエラーである旨を表示させる処理が行われる。これに対して所定のデータ項目が存在し正常であると判定した場合には(S2307;Yes)、続くステップS2309により、メモリ23のDRAMに確保されている定期券情報格納領域から、定期券情報を検索する処理が行われる。この定期券情報等は、それぞれのカードIDに関連付けられているサーバ40から送信されてきたものであり、定期券情報や検索エラー情報が含まれている。
即ち、サーバ40が、走行期間処理3200のデータベース検索処理(S3205)によって検索した結果、カードIDに関連付けられた定期券情報が見つかった場合には、その定期券情報が定期券情報格納領域に格納されているのに対して、カードIDに関連付けられた定期券情報が見つからなかった場合には、定期券情報の代わりに検索エラー情報が定期券情報格納領域に格納されている。
このため、ステップS2311の判定処理においては、カードIDに関連付けられて定期券情報格納領域に格納されている情報が定期券情報である場合には、定期券情報が存在する(有る)と判定され(S2311;Yes)、続くステップS2313により当該定期券情報を参照される。そして、ステップS2313の判定情報取得処理により、ICカードR/W26にタッチされた当該ICカード70が有する定期券機能の利用可能期間や利用可能区間等の判定情報が取得される。
これに対して、定期券情報格納領域に格納されている情報が検索エラー情報である場合には、定期券情報がないと判定されて(S2311;No)、SF精算処理(S2315)が行われる。即ち、当該ICカード70が有する定期券機能は有効ではないと判定されるため、当該定期券機能は利用されることなく、利用区間分の運賃はSFバリューやSFポイントで精算されることになる(S2315)。
ステップS2317では、ステップS2313で取得した判定情報(利用可能期間や利用可能区間等)に基づいて、当該ICカード70の定期券機能により当該利用者が降車停留所で降車可能であるか否かの判定が行われる(降車可否判定処理)。即ち、本日の日付が利用可能期間内であり、かつ、降車停留所が利用可能区間内に存在する場合には、降車可であると判定され、本日の日付が利用可能期間外であるか、または降車停留所が利用可能区間外に存在する場合には、降車不可であると判定される。
ステップS2317により降車可であると判定された場合には(S2317;Yes)、次のステップS2319により利用明細情報を生成する。一方、降車不可であると判定された場合には(S2317;No)、利用区間分の運賃をSFバリューやSFポイントで精算するSF精算処理(S2315)に移行する。
ステップS2315のSF精算処理では、利用区間の運賃分(利用運賃分)に相当するSFバリューを算出した後、当該算出されたSFバリューを、データ解析処理(S2305)により参照したSFバリューの残額やSFポイントの残数から減額する処理が行われる。ICカード70には、所定のデータ項目としてSFバリューの残額やSFポイントの残数等が記憶されているため、当該算出されたSFバリュー分だけ減額された後のSFバリューやSFポイントが、新たなSFバリューの残額やSFポイントの残数としてICカード70に書き込まれる(記憶される)。
また、SFバリューの場合には、減額前のSFバリューの残額は「処理前SF残額」として、また減額後のSFバリューの残額は「処理後SF残額」として、それぞれ次のステップS2319により生成される利用明細情報にも記録される。またSFポイントの場合には、減額により使用したSFポイント数が「利用ポイント」として、SFポイントの残数が「残ポイント」として、それぞれ次のステップS2319により生成される利用明細情報にも記録される。
ステップS2319の利用明細情報生成処理では、例えば、次の項目等を含んだ利用明細情報が生成される。これらの項目は、いずれもICカード70のカードIDに関連付けられている。なお、生成された利用明細情報は、メモリ23のDRAMに確保されている利用明細情報格納領域に保存される。
(1) カードID(当該ICカード70の識別データ)
(2) 系統番号(当該バス10が走行した経路を表した番号)
(3) 乗車時刻(利用者が当該バス10に乗車した時刻)
(4) 乗車停留所番号(利用者が当該バス10に乗車した停留所を表した番号)
(5) 降車時刻(利用者が当該バス10を降車した時刻)
(6) 降車停留所番号(利用者が当該バス10に降車した停留所を表した番号)
(7) 処理前SF残額(減額前のSFバリューの残額)
(8) 処理後SF残額(減額後のSFバリューの残額)
(9) SF処理金額(減額したSFバリュー)
(10)正規区間運賃(当該利用区間の運賃で割引なし運賃)
(11)割引金額(乗り継ぎの場合等に割り引かれる金額)
(12)残ポイント(SFポイントの残数)
(13)利用ポイント(使用したSFポイント数)
(14)利用明細再送フラグ(運賃収受装置20による再送信の要否を示すフラグ)
ステップS2321のカード処理結果表示処理では、液晶表示ユニット27に、例えば、当該ICカード70がその定期券機能を利用して降車することができた旨や、定期券機能を利用することなく当該利用区間の運賃をSFバリューやSFポイントで精算した旨を表示させる処理が行われる。また、これらのほかに、例えば、定期券機能の利用可能区間および利用可能期間(有効期間)等を表示させる処理が行われる。
<<< 運行期間やバッチ処理期間の処理 >>>
次に、図10〜図13を参照しながら本システムにおける利用明細書に関する各処理の流れを説明する。まず、図10に基づいて利用明細書に関する処理概要を説明する。図10には、運賃収受装置20およびサーバ40により、運行期間やバッチ処理期間において実行される各処理の流れを示すシーケンス図が図示されている。
<運行期間>
図10に示すように、運行期間、即ちバス10が所定路線の始発地点から終着地点までを運行(停留所間を走行したり停留所に停車したり)している期間においては、運賃収受装置20は、利用明細処理2400により未だサーバ40に送信していない利用明細情報を制御ユニット21のメモリ23から見つけると、無線通信回線90を介して当該未送信の利用明細書情報をサーバ40に送信する。これに対してサーバ40では、利用明細処理3400により利用明細書情報を運賃収受装置20から受信すると、受信した利用明細書情報をサーバコンピュータのメモリ等に保存する。
このような一連の処理(利用明細処理2400→利用明細処理3400)は、運行期間中において、未送信の利用明細書情報が運賃収受装置20(制御ユニット21のメモリ23)に存在しなくなるまで繰り返し行われる。
[利用明細処理2400]
図11に示す利用明細処理2400は、運賃収受装置20の制御ユニット21により実行される処理であり、バス10の運行期間中に繰り返し実行される。図11には、運賃収受装置20が実行する利用明細処理2400の流れを示すフローチャートが図示されている。
利用明細処理2400では、まずステップS2401により制御ユニット21のメモリ23の本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ステップS2403により、利用明細情報格納領域に保存された利用明細情報のうち利用明細再送フラグが「1」に設定されているものが有るか否かを判定する処理が行われる。利用明細再送フラグは、利用明細情報に含まれるフラグであり、運賃収受装置20による再送信の要否を示すものである。
例えば、利用明細再送フラグが「0」にセットされている場合には、当該利用明細情報は未だサーバ40に送信されていないことを表し、「1」にセットされている場合には、当該利用明細情報は既に送信を失敗しておりサーバ40に対する再送信が必要であることを表す。本実施形態では、利用明細再送フラグは、デフォルトで「0」、つまり未送信に設定されている。
利用明細情報は、前述した降車期間処理2300の利用明細情報生成処理(S2319)によってメモリ23に保存されているが、後述するステップS2421により、利用明細再送フラグが「1」にセットされる場合がある。そのため、このステップS2403では、このような利用明細再送フラグ「1」の利用明細情報が有るか否かを判定する処理が行われる。
このため、利用明細再送フラグが「1」に設定されているものが存在する場合には(S2403;Yes)、それらの利用明細情報は、過去に、本利用明細処理2400により情報処理が行われている。即ち、利用明細再送フラグが「1」の利用明細情報の送信データは、既に、ステップS2407により生成されてステップS2419によりメモリ23に保存されているので、制御ユニット21では、メモリ23から読み出した当該送信データを、ステップS2409の送信処理によりサーバ40に対して再度送信する。
これに対して、利用明細再送フラグが「1」に設定されているものが存在しない場合には(S2403;No)、次のステップS2405により、利用明細再送フラグが「0」の未送信の利用明細情報が利用明細情報格納領域に存在するか否かを判定する処理が行われる。即ち、利用明細情報の送信データは、送信エラーが生じることなくサーバ40に送信された場合には、その利用明細情報は、後述の利用明細情報削除処理(S2417)によって、利用明細情報格納領域から削除される。そのため、利用明細情報格納領域に存在する利用明細再送フラグ「0」の利用明細情報は、今回、初めてサーバ40に送信されるものである。
したがって、続くステップS2405の判定処理により、未送信の利用明細情報が存在すると判定された場合には(S2405;Yes)、当該利用明細情報は、次のステップS2407により所定の送信データフォーマットに組み込まれて送信データとして生成された後、当該送信データは、ステップS2409によりサーバ40に送信される。より具体的には、送信データは、制御ユニット21により制御される無線通信ユニット29によって無線通信回線90を介してサーバ40に無線送信される。一方、ステップS2405の判定処理により、未送信の利用明細情報が存在しないと判定された場合には(S2405;No)、サーバ40に送信する必要の有る利用明細情報は存在しないため、本処理2400を終える。
運賃収受装置20からの送信データがサーバ40により正常に受信されると、例えば、サーバ40から肯定応答(ACK)のデータが送信されて運賃収受装置20の無線通信ユニット29に届く。もしサーバ40が送信データを正常に受信することができなかったときには、否定応答(NACK)のデータがサーバ40から送信されて無線通信ユニット29に届いたり、所定時間を経過(タイムアウト)しても何ら応答データが届かなかったりする。そのため、運賃収受装置20は、続くステップS2411により、サーバ40から届くこれらの応答データを無線通信ユニット29を介して受信し(送信結果受信処理)、応答データを取得する。
そして、続くステップS2413により送信エラーが有るか否かの判定が行われて、ステップS2411により取得された応答データが肯定応答(ACK)のデータであるときには、送信エラーが発生していない(送信エラーがない)ことになるので(S2413;No)、ステップS2417の利用明細情報削除処理によって、当該送信済み利用明細情報を利用明細情報格納領域から削除した後、本処理2400を終える。
これに対して、応答データが否定応答(NACK)のデータであるときや、応答データを受信できていないときには、送信エラーが発生している(送信エラーが有る)ことになるので(S2413;Yes)、リトライカウンタをインクリメント(+1)して所定のリトライ回数を超えていない場合には(S2415;No)、ステップS2409に戻って再度、送信処理を行う。
リトライカウンタをインクリメント(+1)した結果、所定のリトライ回数を超えている場合には(S2415;Yes)、制御ユニット21は、サーバ40に対する利用明細情報の送信を止めた後、ステップS2419の送信データ保存処理により、送信できなかった送信データをメモリ23に保存する。所定のリトライ回数は、例えば、5回に設定される。そして、ステップS2421により利用明細再送フラグを「1」にセットして本処理2400を終了する。
[利用明細処理3400]
図12に示す利用明細処理3400は、サーバ40のサーバコンピュータにより実行される処理であり、前述の利用明細処理2400と同様に、バス10の運行期間中に繰り返し実行される。図12には、サーバ40が実行する利用明細処理3400の流れを示すフローチャートが図示されている。
利用明細処理3400では、まずステップS3401により制御装置41のサーバコンピュータのメモリの本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ステップS3403により無線通信装置45の受信データが有るか否かの判定が行われる。例えば、受信データが有る場合には(S3403;Yes)、無線通信装置45の受信バッファに受信データが保持されているため、そのデータが取得された後、続くステップS3405により受信データ解析処理が行われる。これに対して、受信データが有ると判定されない場合には(S3403;No)、運賃収受装置20から利用明細情報を含む送信データが送信されていないことになるから、本処理3400を終える。
ステップS3405の受信データ解析処理では、受信データを構成する情報内容の解析が行われる。本実施形態では、予め定められたデータ形式やデータフォーマットに従って利用明細情報が入っているか否かが調べられその結果(解析結果)が生成される。この解析結果は、次の判定処理(S3407)に用いられる。
続くステップS3407では、この解析結果から、利用明細情報が存在し正常であると判定された場合には(S3407;Yes)、続くステップS3409により正常受信情報(つまり肯定応答(ACK))が運賃収受装置20に送信される。一方、当該解析結果から、例えば、利用明細情報のデータが壊れていると判定された場合(S3407;No)、ステップS3411により受信エラー情報(つまり否定応答(NACK))が運賃収受装置20に送信される。
ステップS3407により利用明細情報が正常であると判定された場合には(S3407;Yes)、利用明細情報に含まれる利用明細再送フラグが「1」にセットされているか否かを判定するとともに、当該フラグが「1」である場合にはさらにその利用明細情報と同じ情報であって利用明細再送フラグが「0」である利用明細情報がサーバコンピュータのメモリの利用明細情報格納領域に存在するか否かの判断が行われる(S3413)。
即ち、後述のステップS3417により、既に、サーバ40に送信されて正常に受信された利用明細情報(利用明細再送フラグ「0」)がサーバコンピュータの利用明細情報格納領域に保存されている場合には、今回、正常に受信した利用明細情報は、その利用明細再送フラグが「1」であり、重複して受信した蓋然性が高い。このような重複受信は、例えば、サーバ40が、前回、利用明細情報(利用明細再送フラグ「0」)の送信データを正常に受信した後、運賃収受装置20に向けて送信した正常受信情報(肯定応答(ACK))が通信障害等により運賃収受装置20に届いていない場合において、運賃収受装置20が利用明細情報(利用明細再送フラグ「1」)の送信データを再送信することに起因して発生し得る。
したがって、受信した送信データの利用明細情報に含まれる利用明細再送フラグが「1」である場合には(S3413;Yes)、ステップS3415により、さらにサーバコンピュータの利用明細情報格納領域に重複した利用明細情報が保存されているか否かを判定する。そして、利用明細再送フラグ「0」の利用明細書情報が保存されていない場合には、当該「1」がセットされた利用明細再送フラグをクリア(「0」にセット)して(S3415)、ステップS3417の利用明細情報保存処理により利用明細情報格納領域に保存する。そして、一連の本処理3400を終える。
これに対して、利用明細再送フラグ「0」の利用明細情報が既に利用明細情報格納領域に保存されている場合には、今回受信した利用明細再送フラグ「1」の利用明細情報を破棄するか、当該「1」がセットされた利用明細再送フラグをクリア(「0」にセット)する(S3415)。そして、破棄した場合にはそのまま本処理3400を終え、破棄でない場合には、利用明細再送フラグを「0」にセットした利用明細情報を利用明細情報格納領域に上書き保存した後(S3417)、一連の本処理3400を終える。
一方、受信した送信データの利用明細情報に含まれる利用明細再送フラグが「1」でない場合(利用明細再送フラグが「0」である場合)には(S3413;No)、当該受信した利用明細再送フラグ「0」の利用明細情報をステップS3417の利用明細情報保存処理により利用明細情報格納領域に保存した後、一連の本処理3400を終える。
<バッチ処理期間>
図10に示すように、サーバ40のバッチ処理期間、即ちバス10が運行していない夜間等においては、サーバ40はリカバリ処理3500を行う。リカバリ処理3500は、サーバ40に定期券情報が存在しているにもかかわらず、運賃収受装置20においてSF精算処理を行った場合にそれを救済(補填)するものである。
[リカバリ処理3500]
図13に示すリカバリ処理3500は、サーバ40のサーバコンピュータにより実行される処理であり、例えば、バス10がバスターミナル等で待機していたり車庫に入庫されていたりして運行していない期間(サーバ40のバッチ処理期間)中に繰り返し実行される。図13には、サーバ40がバッチ処理期間中において実行するリカバリ処理3500の流れを示すフローチャートが図示されている。
リカバリ処理3500では、まずステップS3501により制御装置41のサーバコンピュータのメモリの本処理用のワーク領域をクリアする等の所定の初期化処理が行われた後、ステップS3503により利用実績確認処理が行われる。
ステップS3503の利用実績確認処理は、サーバコンピュータのメモリの利用明細情報格納領域に保存されている利用明細情報のうち、未だ利用実績確認処理が行われていないものに対して行われる。本実施形態では、例えば、サーバ40による利用実績確認処理の要否を示す情報として、所定フラグがそれぞれの利用明細情報に付加されていたり、個々の利用明細情報に関連付けされた当該所定フラグがワーク領域に設けらたりしている。例えば、この所定フラグは「0」にセットされている場合には、当該利用明細情報の利用実績は未だ確認されていないことを表し、「1」にセットされている場合には、当該利用明細情報の利用実績は既に確認されていることを表す。本実施形態では、当該フラグはデフォルトで「0」、つまり未確認に設定されている。
このため、本実施形態の利用実績確認処理では、当該所定フラグが「0」であるものについて、さらに当該利用明細情報からカードIDを読み出して、当該カードIDに関連付けられている定期券情報をデータベース装置43から探し出す。また定期券情報からSF処理金額および利用ポイントを読み出す。SF処理金額は、運賃収受装置20において減額されたSFバリューを表す。また、利用ポイントは、運賃収受装置20において減額により使用されたSFポイント数を表す。したがって、SF処理金額が0円でない(0円を超える)場合や利用ポイントが0ポイントでない(0ポイントを超える)場合には、それらは運賃収受装置20においてSF精算されたことを表している。
前述したように、データベース装置43には、定期券を発行している全利用者の定期券情報が蓄積されているため、カードIDが現在も有効である場合には、必ずデータベース装置43から当該カードIDに対応する定期券情報を見つけることができる。したがって、当該カードIDに対応する定期券情報の有無と運賃収受装置20におけるSF精算の有無とに基づいて、ICカード70の有効な定期券情報が存在するにもかかわらず、運賃収受装置20においてSF精算されたか否かを判定することが可能になる(S3505)。
次のステップS3505では、定期券情報が存在しかつSF精算済みであるか否かの判定が行われる。即ち、利用明細情報格納領域に保存されている利用明細情報のなかに、そのカードIDに関連付けられている定期券情報がデータベース装置43に存在し、かつ、当該利用明細情報に0円を超えるSF処理金額や0ポイントを超える利用ポイントが含まれている場合には(S3505;Yes)、続くステップS3507によりSF精算救済処理が行われる。
つまり、この場合(S3505;Yes)、当該ICカード70は有効な定期券機能を有し得るものである。そのため、本来であれば、当該ICカード70の利用者はSF精算をすることなく、降車停留所で降車可能であったにもかかわらず、運賃収受装置20が当該ICカード70の定期券情報をサーバ40から受信できなかったことから、当該利用者はSF精算をして降車している。したがって、この場合には、降車時に運賃収受装置20によって減額されたSFバリューや減額により使用されたSFポイントを、事後的に補填するためにステップS3507によりSF精算救済処理が行われる。
これに対して、カードIDに関連付けられている定期券情報がデータベース装置43に存在しないか、または存在してもその利用明細情報に0円を超えるSF処理金額や0ポイントを超える利用ポイントが含まれていない(SF処理金額が0円や利用ポイントが0ポイントである)場合には(S3505;No)、運賃収受装置20の降車期間処理2300において適切に降車可否判定処理(S2317)が行われており、SF精算救済処理(S3507)を行う必要がない。そのため、ステップS3507をスキップしてステップS3509に処理を移行する。
ステップS3507のSF精算救済処理では、例えば、SFバリューの減額分に相当するポイント数や、減額により使用されたSFポイントと同じポイント数のSFポイントを付与し得る処理が行われる。これらのSFポイントの付与は、例えば、利用者がICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51を利用する場合や、駅構内60の定期券発行装置61を利用する場合において、ICカードR/W端末装置51や定期券発行装置61がインターネット100を介してサーバ40にアクセスするときに当該SFポイントの付与情報をサーバ40から、これらの装置51,61に送る。これにより、ICカードR/W端末装置51や定期券発行装置61は、当該利用者のICカード70に対して、補填すべき当該SFポイントを付与することが可能になる。
また、SF精算救済処理(S3507)では、例えば、ICカード70の定期券機能の更新時において、その更新に要する料金(更新料金)からSFバリューの減額分を控除し得る処理が行われる。SFバリューの減額分の控除は、例えば、利用者がICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51を利用する場合や、駅構内60の定期券発行装置61を利用する場合において、ICカードR/W端末装置51や定期券発行装置61がインターネット100を介してサーバ40にアクセスするときに当該SFバリューの減額分の控除情報をサーバ40から、これらの装置51,61に送る。これにより、ICカードR/W端末装置51や定期券発行装置61は、ICカード70の更新料金から、補填すべき当該SFバリューの減額分を控除することが可能になる。
さらに、SF精算救済処理(S3507)では、例えば、ICカード70の定期券機能の更新時において、新たに設定される定期券機能の利用可能期間(更新期間)に対して、SFバリューの減額分を定期券機能の利用可能区間の往復運賃で除算して得られた日数分だけ延長し得る処理が行われる。当該日数分の延長は、例えば、利用者がICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51を利用する場合や、駅構内60の定期券発行装置61を利用して定期券機能の更新する場合において、ICカードR/W端末装置51や定期券発行装置61がインターネット100を介してサーバ40にアクセスするときに当該日数分の延長情報をサーバ40から、これらの装置51,61に送る。これにより、ICカードR/W端末装置51や定期券発行装置61では、定期券機能の更新期間に補填すべき当該SFバリューの減額分相当の往復日数を延長することが可能になる。
ステップS3509では、実績が未だ確認されていない利用明細書情報が存在するか否かを確認する処理が行われる。サーバコンピュータの利用明細情報格納領域に実績が未だ確認されていない利用明細書情報が存在する場合には(S3509;Yes)、ステップS3503に戻って、再度、利用実績確認処理が行われる。これに対して、利用明細情報格納領域に実績が未だ確認されていない利用明細書情報が存在しない場合には(S3509;No)、一連の本処理3500を終了する。
以上説明したように本実施形態に係る定期券処理システムによると、バス10に搭載された乗車用カードリーダ30(ICカードリーダ33)により、乗客がバス10に乗車するときに定期券として機能し得るICカード70を識別可能なカードIDを、当該ICカード70から読み出して出力し、運賃収受装置20のICカードR/W26により、乗客がバス10を降車するときにカードIDをICカード70から読み出して出力する。バス10以外に設けられるサーバ40は、カードIDに関連付けられたICカード70の利用可能期間および利用可能区間の情報を含む定期券情報を記憶している。そして、運賃収受装置20の制御ユニット21により、乗客が乗車してから降車するまでの間において、乗車用カードリーダ30から出力されたカードIDに基づいて無線通信回線90を介してサーバ40から定期券情報を取得するとともに当該取得した定期券情報と運賃収受装置20のICカードR/W26から出力されたカードIDとに基づいて可否判定を行う。
これにより、乗客の定期券情報は、当該乗客が乗車してから降車するまでの間、つまりバス10の走行中や降車停留所に到着するまでにおいて、乗車用カードリーダ30から出力されたカードIDに基づいて無線通信回線90を介してサーバ40から取得される。即ち、ICカード70にはそれを識別可能なカードIDを持たせれば、バス10の走行中等にサーバ40から利用可能期間および利用可能区間の情報を取得することが可能になるため、利用可能期間や利用可能区間の情報をICカード70が持たなくても運賃収受装置20の制御ユニット21により可否判定を行うことができる。そのため、ICカード70の更新等に関与する利用可能期間および利用可能区間の情報をICカード70に持たせる必要がないので、当該乗客であるICカード70の利用者は、ICカード70の定期券機能の更新時にICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51や駅構内60の定期券発行装置61等で更新の手続を行う必要がない。したがって、バス10のICカード70の利用者の利便性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態に係る定期券処理システムによると、運賃収受装置20の制御ユニット21は、降車期間処理2300により、乗客がICカード70を利用して降車停留所で降車することができないと判定したときには(S2317;No)、ICカード70のSFバリューから利用運賃分を減額して降車を許容する。これにより、利用運賃分を現金で精算する必要がないため、このようなバス10の利用場面においてもICカード70の利用者の利便性を向上させることが可能になる。
さらに、本実施形態に係る定期券処理システムによると、運賃収受装置20の制御ユニット21は、降車期間処理2300により、ICカード70のSFバリューから利用運賃分を減額した場合には(S2315)、SF処理金額(利用運賃分の情報)を含んだ利用明細情報をサーバ40に送る。これにより、サーバ40では、ICカード70のSFバリューから利用運賃分を減額したことを把握することが可能になる。そのため、例えば、乗客の定期券情報がサーバ40に記憶されているにもかかわらず、無線通信回線90の通信不具合等により、乗客が乗車してから降車するまでの間にサーバ40から乗客の定期券情報を取得できない場合(S3217;Yes、S3315;Yes)が生じたときには、それをリカバリするリカバリ処理3500をサーバ40において行うことが可能になる。
さらにまた、本実施形態に係る定期券処理システムによると、サーバ40は、ICカード70に対応する定期券情報を記憶している場合に運賃収受装置20の制御ユニット21からSF処理金額を含んだ利用明細情報を受けたときは、当該SF処理金額(利用運賃分の情報)を、ICカード70のSFバリューを変更可能なICカードR/W端末装置51に提供可能に保持する。即ち、乗客はそのICカード70の定期券機能を利用して降車停留所で降車できる場合であったにもかかわらず、ICカード70の定期券機能を利用できない場合と同様にSFバリューから利用運賃分をSF処理金額として減額された場合においては、サーバ40は、当該SF処理金額の情報を、例えば、ICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51に提供し得るように保存する。これにより、ICカード取扱い窓口50のICカードR/W端末装置51によって、例えば、事後的に当該SF処理金額分を補填するようにICカード70のSFバリューを変更することが可能になる。
また、本実施形態に係る定期券処理システムによると、サーバ40は、ICカード70に対応する定期券情報を記憶している場合に運賃収受装置20の制御ユニット21からSF処理金額を含んだ利用明細情報を受けたときは、当該SF処理金額(利用運賃分の情報)を、サーバ40に記憶されている定期券情報を変更可能な定期券発行装置61に提供可能に保持する。即ち、乗客はそのICカード70の定期券機能を利用して降車停留所で降車できる場合であったにもかかわらず、ICカード70の定期券機能を利用できない場合と同様にSFバリューから利用運賃分をSF処理金額として減額された場合においては、サーバ40は、当該SF処理金額の情報を、例えば、駅構内60の定期券発行装置61に提供し得るように保存する。これにより、定期券発行装置61によって、例えば、ICカード70の更新手続等により定期券情報を変更するときに、当該SF処理金額分だけ定期券の更新料金を割り引いたり、当該SF処理金額分だけ定期券の更新期間を延長したりすることが可能になる。
なお、上述した実施形態では、バス10が停車(または走行)しているか否かを、前方口12や後方口14の扉の開閉状態に関する情報に基づいて判定する場合を例示して説明したが、これに限られることはなく、例えば、運賃収受装置20または乗車用カードリーダ30がGPSセンサを備えている場合には、当該GPSセンサにより得られる位置情報の経時変化に基づいてバス10が停車(または走行)しているか否かを判定するように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、定期券の一例として、ICチップ71を有するICカード70を用いる場合を例示して説明したが、これに限られることはなく、カードID(定期券の識別情報)等を記憶したり記録したりすることが可能であれば、例えば、帯状の磁性体部分を表面または裏面に有する磁気ストライプカードや、縞模様状の線の太さにより英数字や記号を表す一次元バーコードまたはQRコード(登録商標)等の二次元バーコードが表面もしくは裏面に印刷されている定期券カードを用いてもよい。
さらに、上述した実施形態では、降車時読出装置の一例としてのICカードR/W26と、降車可否判定装置の一例としての制御ユニット21とを同じ運賃収受装置20に収容するように構成したが、これに限られることはなく、ICカードR/W26と制御ユニット21をそれぞれ別個の装置として構成してもよい。このような構成においても、上述と同様の作用および効果を得ることができる。
また、上述した実施形態では、運賃収受装置20と乗車用カードリーダ30を別個に構成したが、これらを同じ装置に収容するように構成してもよい。また、乗車時読出装置と降車時読出装置の両機能を、1つのICカードR/W26に担わせてもよい。このような構成においても、上述と同様の作用および効果を得ることができ、しかも本システムを構成するハードウェアの数が減るので、省スペース化が可能になる。
また、上述した実施形態では、ICカード70のICチップ71にSFバリューの情報(SFバリュー残額等)やSFポイントの情報(SFポイント残数等)を記憶させるように構成したが、これに限られることはなく、例えば、ICカード70のカードIDに関連付けられたSFバリューの情報やSFポイントの情報をサーバ40のサーバコンピュータのメモリに記憶させるようにサーバコンピュータを構成してもよい。この場合、降車期間処理2300のSF精算処理(S2315)に相当する情報処理は、サーバ40において行われる。そのため、降車期間処理2300の利用明細情報生成処理(S2319)で生成される利用明細情報には、SF処理金額(減額したSFバリュー)や利用ポイント(使用したSFポイント数)を記録する必要があるが、ICカード70自体はSFバリューやSFポイントの情報を持たないため、減額後のSFバリューやSFポイントを書き込む必要はない。
また、上述した実施形態では、本発明の定期券処理システムをバス10(路線バス)の運行に適用する場合を例示して説明したが、本発明の適用はこれに限られることはなく、乗合車両の運行であれば、例えば、路面電車、トロリーバスやワンマン運行方式の鉄道等の乗合車両の運行にも適用することができ、これらの場合においても路線バスに適用したときと同様の作用・効果を得ることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。なお、[符号の説明]の欄における括弧内の記載は、上述した各実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応関係を明示し得るものである。
10…バス(路線バス)
20…運賃収受装置(降車時読出装置、降車可否判定装置)
21…制御ユニット(降車可否判定装置)
22…MPU
23…メモリ
26…ICカードR/W(降車時読出装置)
27…液晶表示ユニット
28…有線通信ユニット
29…無線通信ユニット
30…乗車用カードリーダ(乗車時読出装置)
31…制御ユニット
33…ICカードリーダ(乗車時読出装置)
35…表示ユニット
37…通信ユニット
40…サーバ(外部サーバ)
41…制御装置
43…データベース装置
45…無線通信装置
51…ICカードR/W端末装置(SFデータ変更装置)
61…定期券発行装置(定期券情報変更装置)
70…ICカード(定期券)
71…ICチップ
80…有線通信回線
90…無線通信回線
100…インターネット
1100,2100,3100…乗車期間処理
2200,3200,3300…走行期間処理
2300…降車期間処理
2400,3400…利用明細処理
3500…リカバリ処理

Claims (5)

  1. 運賃後払い方式の路線バスにおいて乗客が定期券を利用して降車停留所で降車することの可否判定を行う定期券処理システムであって、
    前記乗客が前記路線バスに乗車するときに前記定期券を識別可能な識別データを前記定期券から読み出して出力する乗車時読出装置と、
    前記乗客が前記路線バスを降車するときに前記識別データを前記定期券から読み出して出力する降車時読出装置と、
    前記路線バス以外に設けられ前記識別データに関連付けられた前記定期券の利用可能期間および利用可能区間の情報を含む定期券情報を記憶している外部サーバと、
    前記乗客が乗車してから降車するまでの間において、前記乗車時読出装置から出力された前記識別データに基づいて無線通信回線を介して前記外部サーバから前記定期券情報を取得するとともに、前記乗客が前記路線バスを降車するときにおいて、当該取得した前記定期券情報と前記降車時読出装置から出力された前記識別データとに基づいて前記可否判定を行う降車可否判定装置と、
    を備えることを特徴とする定期券処理システム。
  2. 前記定期券がストアードフェア機能を有するICカードである場合において、
    前記降車可否判定装置は、前記乗客が前記定期券を利用して前記降車停留所で降車することができないと判定したときには、ストアードフェアデータから、前記乗客が乗車してから降車するまでの間の利用運賃分を減額して降車を許容することを特徴とする請求項1に記載の定期券処理システム。
  3. 前記降車可否判定装置は、少なくとも前記ストアードフェアデータから前記利用運賃分を減額した場合には、前記利用運賃分の情報を前記外部サーバに送ることを特徴とする請求項2に記載の定期券処理システム。
  4. 前記外部サーバは、前記定期券に対応する前記定期券情報を記憶している場合に前記降車可否判定装置から前記利用運賃分の情報を受けたときは、当該利用運賃分の情報を、前記ICカードの前記ストアードフェアデータを変更可能なSFデータ変更装置に提供可能にすることを特徴とする請求項3に記載の定期券処理システム。
  5. 前記外部サーバは、前記定期券に対応する前記定期券情報を記憶している場合に前記降車可否判定装置から前記利用運賃分の情報を受けたときは、当該利用運賃分の情報を、前記外部サーバに記憶されている前記定期券情報を変更可能な定期券情報変更装置に提供可能にすることを特徴とする請求項3に記載の定期券処理システム。
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