JP2020091307A - 血管モデル及び臓器シミュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】造影剤使用時に得られるX線画像を実際の生体に似せた血管モデル及び臓器シミュレータを提供する。【解決手段】血管モデルは、血管モデルの延伸方向に伸びる流体流路を形成する流路形成部と、流体流路に面して設けられ、多孔質体により形成されて多孔質体の細孔から流体流路を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、血管モデル及び臓器シミュレータに関する。
循環器系や消化器系等の生体管腔内への低侵襲な治療または検査のために、カテーテル等の医療用デバイスが使用されている。例えば、特許文献1〜4には、医師等の術者が、これらの医療用デバイスを用いた手技を模擬することが可能なシミュレータ(模擬人体や模擬血管)が開示されている。また、特許文献5には、医師等の術者が医療用デバイスを用いた手技を模擬することが可能な血管モデルが、特許文献6には、病的に劣化した血管に代わる代用血管として用いられる人工血管が、それぞれ開示されている。
特開2012−68505号公報 特開2014−228803号公報 特開2017−40812号公報 特表2004−508589号公報 特開2011−8213号公報 特開2006−334278号公報
ここで、カテーテル等を用いた治療または検査においては、血流速度や血液の粘性といった循環動態、あるいは血管の閉塞状態等を把握するために、血管造影が用いられることがある。血管造影では、血管内に挿入されたカテーテルからX線透過度の低い造影剤を注入して、X線撮影を行う。術者は、得られたX線画像(静止画像または動画像、「シネ画像」とも呼ばれる)におけるコントラストの変化から、造影剤の流れの様子を観察することで、循環動態や血管状態を把握することができる。
このため、シミュレータ(模擬人体や模擬血管)において造影剤を用いる場合、造影剤の流れを実際の生体に近づけることが求められる。この点、特許文献1に記載の模擬人体では、模擬左冠動脈及び模擬右冠動脈を心臓モデル内部の貯留空間へ接続することで、貯留空間において造影剤を希釈している。しかし、特許文献1に記載の技術では、造影剤が心臓モデル内部の貯留空間で希釈されるため、実際の人体のX線画像で確認される心筋の濃染の様子を再現することができないという課題があった。また、特許文献1に記載の技術では、高濃度の造影剤が希釈されるまでは時間がかかるという課題があった。さらに、特許文献2に記載のシミュレータでは、静脈を模した形状に形成された流路へと造影剤を誘導している。しかし、特許文献2に記載の技術では、造影剤が希釈されずに高濃度のまま流路へと流れ込むため、観察する角度によっては実際とかけ離れた像が得られるという課題があった。また、特許文献3〜6に記載の技術では、造影剤の使用について何ら考慮されていない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、造影剤使用時に得られるX線画像を実際の生体に似せた血管モデル及び臓器シミュレータを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、血管モデルが提供される。この血管モデルは、前記血管モデルの延伸方向に伸びる流体流路を形成する流路形成部と、前記流体流路に面して設けられ、多孔質体により形成されて前記多孔質体の細孔から前記流体流路を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部と、を備える。
この構成によれば、血管モデルは、血管モデルの延伸方向に伸びる流体流路に面して設けられ、多孔質体により形成されて、多孔質体の細孔から流体流路を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部を備える。換言すれば、多孔質体により形成された拡散部は、流体流路に流れ込んだ造影剤の圧力及び流速を分散させる拡散流路(緩衝流路)として機能する。このため、本構成の血管モデルでは、造影剤使用時に得られるX線画像において、実際の人体のX線画像で確認される濃染の様子(具体的には、造影剤が細動脈に沿って拡がったのち細静脈に拡散して消える様子)を模擬することができる。このため、造影剤使用時に得られるX線画像を実際の生体に似せた血管モデルを提供することができる。
(2)上記形態の血管モデルは、前記拡散部において、前記多孔質体の前記細孔には弾性体が充填されていてもよい。この構成によれば、拡散部において、多孔質体の細孔には弾性体が充填されているため、流体流路内の圧力が低い間は多孔質体の各細孔を封止し、造影剤の流入によって流体流路内の圧力が高まった際には多孔質体の各細孔を開放することができる。このため、造影剤をより細かく拡散及び排出することができ、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子(拡散及び消失像)を、実際の生体により近づけることができる。また、血管モデルを流体(水や生理食塩水等)に浸した湿潤状態で使用する場合において、血管モデルの周囲を満たす流体が、多孔質体の各細孔から流体流路内へと逆流することを抑制できる。
(3)上記形態の血管モデルにおいて、前記流路形成部は、前記血管モデルの延伸方向に伸びる管状体であり、前記拡散部は、前記管状体の先端部に設けられていてもよい。この構成によれば、拡散部は、流路形成部(管状体)の先端部に設けられているため、流体流路の先端部で、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を模擬できる。
(4)上記形態の血管モデルにおいて、前記流路形成部は、前記血管モデルの延伸方向に伸びる管状体であり、前記拡散部は、前記管状体が分岐する分岐部に設けられていてもよい。この構成によれば、拡散部は、流路形成部(管状体)が分岐する分岐部に設けられているため、流体流路の分岐部で、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を模擬できる。
(5)上記形態の血管モデルにおいて、前記流路形成部は、前記血管モデルの延伸方向に伸び、周方向の少なくとも一部分に開口が形成された溝体であり、前記拡散部は、前記溝体の前記開口に面して設けられていてもよい。この構成によれば、拡散部は、流路形成部(溝体)の開口に面して設けられているため、流体流路の全域で、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を模擬できる。
(6)上記形態の血管モデルにおいて、前記流路形成部は、多孔質体により形成され、前記多孔質体の細孔から前記流体流路を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部として機能してもよい。この構成によれば、流路形成部を多孔質体により形成することによって、多孔質体の細孔から流体流路を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部として機能させることができる。
(7)上記形態の血管モデルにおいて、前記流路形成部では、前記流体流路の少なくとも一部分がコーティングされていてもよい。この構成によれば、流路形成部では、血管モデルの延伸方向に伸びる流体流路の少なくとも一部分がコーティングされている。このため、流体流路内の摺動抵抗を実際の生体(血管)により近づけることができ、流体流路内において医療用デバイスを滑かに進めることができる。
(8)本発明の一形態によれば、臓器シミュレータが提供される。この臓器シミュレータは、臓器を模した臓器モデルと、前記臓器モデルの表面に配置された、上記形態の血管モデルと、を備える。この構成によれば、上述した各形態の血管モデルを、臓器モデルの表面を巡る血管として構成した臓器シミュレータを得ることができる。また、上述した各形態の血管モデルは、臓器モデルの表面に配置されるため、例えば、臓器モデルの内腔を造影剤の拡散以外の他の用途に用いる、臓器モデルを中実の構成とする、といった臓器モデルの設計自由度を向上できる。
(9)上記形態の臓器シミュレータにおいて、前記臓器モデルは、多孔質体により形成された表層を備え、前記血管モデルの前記拡散部は、前記臓器モデルの前記表層に隣接して配置されていてもよい。この構成によれば、血管モデルの拡散部は臓器モデルの表層に隣接して配置されているため、拡散部によって外部に排出された造影剤を、臓器モデルの表層へと導くことができる。また、臓器モデルの表層は、多孔質体により形成されているため、表層に流れ込んだ造影剤の圧力及び流速をさらに分散させる拡散流路(緩衝流路)として機能する。このように、本構成の臓器シミュレータでは、血管モデルの拡散部と、臓器モデルの表層との両方で造影剤の拡散及び排出を行うため、造影剤をより細かく拡散及び排出することができ、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を、より実際の生体に似せることができる。
(10)上記形態の臓器シミュレータでは、さらに、前記臓器モデルの表面に対して前記血管モデルを固定する固定部材を備えていてもよい。この構成によれば、固定部材によって、臓器モデルの表面に対して血管モデルを固定することができるため、臓器モデルと血管モデルとの位置関係を所望の位置に維持できる。
(11)上記形態の臓器シミュレータにおいて、前記臓器モデルは、内腔を有し、心臓を模した心臓モデルであり、さらに、前記心臓モデルの前記内腔に対する拡張媒体の送出及び吸出により、前記心臓モデルを拍動させる拍動部を備えていてもよい。この構成によれば、臓器モデルを心臓モデルとして構成し、血管モデルを心臓モデルの表面を巡る冠動脈モデルとして構成できる。また、本構成によれば、心臓モデルの内腔に対する拡張媒体の送出及び吸出を行う拍動部によって、心臓モデルを実際の人体と同様に拍動させることができるため、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子(拡散及び消失像)をより一層実際の生体に似せることができると共に、臓器シミュレータの利用者の没入感を向上できる。
(12)上記形態の臓器シミュレータでは、さらに、前記心臓モデルの表面を覆う膜状の心膜部を備え、前記血管モデルは、前記心膜部の内面と前記心臓モデルの表面との間の空間に収容されていてもよい。この構成によれば、心臓モデルの表面を覆う膜状の心膜部によって、実際の生体における側壁心膜及び線維性心膜を模擬すると共に、心膜部の内面と心臓モデルの表面との間の空間によって、実際の生体における心膜腔を模擬できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、心臓血管、肝臓血管、脳血管等を模した血管モデル、心臓、肝臓、脳等の臓器を模した臓器モデル、血管モデルと臓器モデルとを含む臓器シミュレータ、これらの少なくとも一部を含む人体シミュレーション装置、人体シミュレーション装置の制御方法などの形態で実現することができる。
人体シミュレーション装置の概略構成を示す図である。 人体シミュレーション装置の概略構成を示す図である。 大動脈モデルの概略構成を示す図である。 モデルの概略構成を示す図である。 モデルの概略構成を示す図である。 臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 図7のA1−A1線における断面図である。 図7のA2−A2線における断面図である。 造影剤CAの拡散の様子を示す説明図である。 造影剤CAの拡散の様子を示す説明図である。 第2実施形態の拡散部の概略構成を示す図である。 第3実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 図13のB−B線における断面図である。 第4実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 図15のC−C線における断面図である。 第5実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 図17のD−D線における断面図である。 第6実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 図19のE−E線における断面図である。 第7実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 第8実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 第9実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 第10実施形態の臓器シミュレータのA1−A1線(図7)における断面図である。 第11実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。 第12実施形態の臓器シミュレータの概略構成を示す説明図である。
<第1実施形態>
図1及び図2は、人体シミュレーション装置1の概略構成を示す図である。本実施形態の人体シミュレーション装置1は、人体の循環器系、消化器系、呼吸器系等の生体管腔内に対する、医療用デバイスを用いた治療または検査の手技を模擬するために使用される装置である。医療用デバイスとは、カテーテルやガイドワイヤ等の、低侵襲な治療または検査のためのデバイスを意味する。人体シミュレーション装置1は、モデル10と、収容部20と、制御部40と、入力部45と、脈動部50と、拍動部60と、呼吸動作部70とを備えている。
図2に示すように、モデル10は、人体の心臓を模した心臓モデル110と、肺を模した肺モデル120と、横隔膜を模した横隔膜モデル170と、脳を模した脳モデル130と、肝臓を模した肝臓モデル140と、下肢を模した下肢モデル150と、大動脈を模した大動脈モデル160とを備えている。以降、心臓モデル110、肺モデル120、横隔膜モデル170、脳モデル130、肝臓モデル140、及び下肢モデル150を総称して「生体モデル」とも呼ぶ。また、心臓モデル110、脳モデル130、肝臓モデル140、及び下肢モデル150を総称して「臓器モデル」とも呼ぶ。肺モデル120と横隔膜モデル170とを総称して「呼吸器モデル」とも呼ぶ。肺モデル120と横隔膜モデル170とを除く各生体モデル(すなわち、各臓器モデル)は、大動脈モデル160に接続されている。モデル10の詳細は後述する。
収容部20は、水槽21と、被覆部22とを備える。水槽21は、上部が開口した略直方体状の水槽である。図1に示すように、水槽21の内部に流体を満たした状態で、水槽21の底面にモデル10が裁置されることで、モデル10が流体内に没する。本実施形態では流体として水(液体)を使用するため、モデル10を実際の人体と同様に湿潤状態に保つことできる。なお、流体としては他の液体(例えば、生理食塩水、任意の化合物の水溶液等)を採用してもよい。水槽21に充填された流体は、モデル10の大動脈モデル160等の内部に取り込まれ、血液を模擬した「模擬血液」として機能する。
被覆部22は、水槽21の開口を覆う板状の部材である。被覆部22の一方の面を流体に接触させ、他方の面を外気に接触させた状態で被覆部22を裁置することにより、被覆部22は波消し板として機能する。これにより、水槽21の内部の流体が波打つことによる視認性の低下を抑制できる。本実施形態の水槽21及び被覆部22は、X線透過性を有すると共に透明性の高い合成樹脂(例えばアクリル樹脂)で形成されているため、外部からのモデル10の視認性を向上できる。なお、水槽21及び被覆部22は他の合成樹脂を用いて形成されていてもよく、水槽21と被覆部22とが異なる材料で形成されていてもよい。
制御部40は、図示しないCPU、ROM、RAM、及び記憶部を備え、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、脈動部50、拍動部60、及び呼吸動作部70の動作を制御する。入力部45は、利用者が人体シミュレーション装置1に対して情報を入力するために使用される種々のインターフェースである。入力部45としては、例えば、タッチパネル、キーボード、操作ボタン、操作ダイヤル、マイク等を採用できる。以降、入力部45としてタッチパネルを例示する。
脈動部50は、大動脈モデル160に対して脈動させた流体を送出する「流体供給部」である。具体的には、脈動部50は、図1において白抜き矢印で示すように、水槽21内の流体を循環させて、モデル10の大動脈モデル160へと供給する。本実施形態の脈動部50は、フィルタ55と、循環ポンプ56と、脈動ポンプ57とを備えている。フィルタ55は、管状体31を介して水槽21の開口21Oと接続されている。フィルタ55は、フィルタ55を通過する流体を濾過することで、流体中の不純物(例えば、手技で使用された造影剤等)を除去する。循環ポンプ56は、例えば、非容積式の遠心ポンプであり、水槽21から管状体31を介して供給される流体を、一定の流量で循環させる。
脈動ポンプ57は、例えば、容積式の往復ポンプであり、循環ポンプ56から送出された流体に脈動を加える。脈動ポンプ57は、管状体51を介してモデル10の大動脈モデル160と接続されている(図2)。このため、脈動ポンプ57から送出された流体は、大動脈モデル160の内腔へと供給される。なお、脈動ポンプ57としては、往復ポンプに代えて、低速運転させた回転ポンプを利用してもよい。また、フィルタ55及び循環ポンプ56は省略してもよい。管状体31及び管状体51は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。
拍動部60は、心臓モデル110を拍動させる。具体的には、拍動部60は、図1において斜線ハッチングを付した矢印で示すように、心臓モデル110の内腔に流体の送出を行うことで心臓モデル110を拡張させ、心臓モデル110の内腔の流体の吸出を行うことで心臓モデル110を収縮させる。拍動部60は、これら送出及び吸出動作を繰り返すことで、心臓モデル110の拍動動作(拡張及び収縮動作)を実現する。拍動部60において使用される流体(以降、「拡張媒体」とも呼ぶ)としては、模擬血液と同様に、液体が使用されてもよく、例えば空気等の気体が使用されてもよい。拡張媒体は、ベンゼン、エタノール等の有機溶媒や、水等の放射線透過性の液体であることが好ましい。拍動部60は、例えば、容積式の往復ポンプを用いて実現できる。拍動部60は、管状体61を介してモデル10の心臓モデル110と接続されている(図2)。管状体61は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。
呼吸動作部70は、肺モデル120及び横隔膜モデル170に呼吸動作を模擬した動作をさせる。具体的には、呼吸動作部70は、図1においてドットハッチングを付した矢印で示すように、肺モデル120の内腔と横隔膜モデル170とに対する流体の送出を行うことで、肺モデル120を拡張させると共に横隔膜モデル170を収縮させる。また、呼吸動作部70は、肺モデル120の内腔と横隔膜モデル170とから流体の吸出を行うことで、肺モデル120を収縮させると共に横隔膜モデル170を弛緩させる。呼吸動作部70は、これら送出及び吸出動作を繰り返すことで、肺モデル120及び横隔膜モデル170の呼吸動作を実現する。呼吸動作部70において使用される流体としては、模擬血液と同様に、液体が使用されてもよく、例えば空気等の気体が使用されてもよい。呼吸動作部70は、例えば、容積式の往復ポンプを用いて実現できる。呼吸動作部70は、管状体71を介してモデル10の肺モデル120と接続され、管状体72を介して横隔膜モデル170と接続されている(図2)。管状体71,72は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。
図3は、大動脈モデル160の概略構成を示す図である。大動脈モデル160は、人体の大動脈を模した各部、すなわち、上行大動脈を模した上行大動脈部161と、大動脈弓を模した大動脈弓部162と、腹部大動脈を模した腹部大動脈部163と、総腸骨大動脈を模した総腸骨大動脈部164とで構成されている。
大動脈モデル160は、上行大動脈部161の端部において、心臓モデル110を接続するための第2接続部161Jを備えている。同様に、大動脈弓部162の近傍において、脳モデル130を接続するための第1接続部162Jを備え、腹部大動脈部163の近傍において、肝臓モデル140を接続するための第3接続部163Jaを備え、総腸骨大動脈部164の端部において、左右の下肢モデル150を接続するための2つの第4接続部164Jを備えている。なお、第2接続部161Jは上行大動脈部161またはその近傍に配置されていれば足り、第4接続部164Jは総腸骨大動脈部164またはその近傍に配置されていれば足りる。以降、これらの第1〜第4接続部161J〜164Jを総称して「生体モデル接続部」とも呼ぶ。また、大動脈モデル160は、腹部大動脈部163の近傍において、脈動部50を接続するための流体供給部接続部163Jbを備えている。なお、流体供給部接続部163Jbは、腹部大動脈部163の近傍に限らず、上行大動脈部161の近傍や、脳血管モデル131(例えば、総頸動脈)の近傍等の任意の位置に配置されてよい。また、大動脈モデル160は、異なる位置に配置された複数の流体供給部接続部163Jbを備えてもよい。
また、大動脈モデル160の内部には、上述した生体モデル接続部及び流体供給部接続部(第1接続部162J、第2接続部161J、第3接続部163Ja、2つの第4接続部164J、流体供給部接続部163Jb)においてそれぞれ開口した内腔160Lが形成されている。内腔160Lは、脈動部50から供給された模擬血液(流体)を、心臓モデル110、脳モデル130、肝臓モデル140、及び下肢モデル150へと輸送するための流路として機能する。
本実施形態の大動脈モデル160は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、シリコン等)により形成されている。特に、PVAを使用する場合、PVAの親水性によって、液体内に没した大動脈モデル160の触感を、実際の人体の大動脈の触感に似せることができる点で好ましい。
大動脈モデル160は、例えば、次のようにして作製できる。まず、人体の大動脈の形状を模した型を準備する。型は、実際の人体のコンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)画像や、核磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)画像等を解析して生成された人体モデルデータのうち、大動脈に相当する部分のデータを、例えば3Dプリンタに入力して印刷することによって作製できる。型は、石膏であってもよく、金属であってもよく、樹脂であってもよい。次に、準備した型の内側に、液状にした合成樹脂材料を塗布し、合成樹脂材料が冷え固まったのち脱型する。このようにすれば、内腔160Lを有する大動脈モデル160を、簡単に作製できる。
図4及び図5は、モデル10の概略構成を示す図である。図4に示すように、心臓モデル110は、心臓を模した形状であり、内部には内腔110Lが形成されている。本実施形態の心臓モデル110は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、シリコン等)により形成され、大動脈モデル160と同様に、人体モデルデータから作製された型の内側に合成樹脂材料を塗布し脱型することで作製し得る。また、心臓モデル110は、管状体115を備えると共に、心臓血管モデル111に接続されている。心臓血管モデル111は、上行大動脈の一部と冠動脈とを模した管状の血管モデルであり、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、PVA、シリコン等)により形成されている。管状体115は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。管状体115は、先端115Dが心臓モデル110の内腔110Lに連通するよう接続され、基端115Pが拍動部60へと繋がる管状体61に連通するよう接続されている。
肺モデル120は、右肺及び左肺をそれぞれ模した形状であり、内部には、右肺と左肺とが連通した状態の1つの内腔120Lが形成されている。肺モデル120は、心臓モデル110の左右を覆う配置とされている。肺モデル120の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。肺モデル120の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、肺モデル120は、気管の一部を模した管状のモデルである気管モデル121に接続されている。気管モデル121は、心臓モデル110の管状体115と同様の材料で作製できる。気管モデル121の材料と管状体115の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。気管モデル121は、先端121Dが肺モデル120の内腔120Lに連通するよう接続され、基端121Pが呼吸動作部70へと繋がる管状体71に連通するよう接続されている。
横隔膜モデル170は、横隔膜を模した形状であり、内部には内腔170Lが形成されている。横隔膜モデル170は、心臓モデル110の下方(換言すれば、心臓モデル110を挟んで脳モデル130とは逆方向)に配置されている。横隔膜モデル170の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。横隔膜モデル170の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、横隔膜モデル170には、横隔膜モデル170の内腔170Lと管状体72の内腔とを連通させた状態で、呼吸動作部70へと繋がる管状体72が接続されている。
脳モデル130は、脳を模した形状であり、内腔を有さない中実形状である。脳モデル130は、心臓モデル110の上方(換言すれば、心臓モデル110を挟んで横隔膜モデル170とは逆方向)に配置されている。脳モデル130の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。脳モデル130の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、脳モデル130は、左右で一対の総頸動脈から左右で一対の椎骨動脈を含む主要動脈のうち少なくとも一部を模した管状の血管モデルである脳血管モデル131に接続されている。脳血管モデル131は、心臓モデル110の心臓血管モデル111と同様の材料で作製できる。脳血管モデル131の材料と心臓血管モデル111の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、図示していないが、脳血管モデル131は動脈だけでなく、上大脳静脈や直静脈洞を含む主要静脈を模擬していてもよい。
なお、脳モデル130は、ヒトの頭蓋及び頸椎を模した骨モデルをさらに備えた複合体であってもよい。例えば、頭蓋は、頭頂骨、側頭骨、後頭骨、蝶形骨を模擬した硬質樹脂ケースと、前頭骨を模擬した蓋と、を有し、頸椎は、内部に血管モデルが通過可能な貫通孔を有する矩形の樹脂体を複数有していてもよい。骨モデルを備える場合、骨モデルは血管モデル、脳モデル等の臓器モデルとは硬度の異なる樹脂で作製され、例えば、頭蓋をアクリル樹脂、椎骨をPVAで作製することができる。
脳血管モデル131は、先端131Dが脳モデル130に接続され、基端131Pが大動脈モデル160の第1接続部162J(例えば、ヒトにおける腕頭動脈、鎖骨下動脈、またはその近傍)に接続されている。脳血管モデル131の先端131Dは、椎骨を通過する椎骨動脈および脳モデル130の表面及び/または内部へと配設された他の血管(例えば、後大脳動脈、中大脳動脈)を模していてもよく、さらに後交通動脈を模して総頸動脈末梢部と接続してもよい。また、脳血管モデル131の基端131Pは、脳血管モデル131の内腔と、大動脈モデル160の内腔160Lとを連通させた状態で、第1接続部162Jに接続されている。
肝臓モデル140は、肝臓を模した形状であり、内腔を有さない中実形状である。肝臓モデル140は、横隔膜モデル170の下方に配置されている。肝臓モデル140の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。肝臓モデル140の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、肝臓モデル140は、肝動脈の一部を模した管状の血管モデルである肝臓血管モデル141に接続されている。肝臓血管モデル141は、心臓モデル110の心臓血管モデル111と同様の材料で作製できる。肝臓血管モデル141の材料と心臓血管モデル111の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。
肝臓血管モデル141は、先端141Dが肝臓モデル140に接続され、基端141Pが大動脈モデル160の第3接続部163Jaに接続されている。肝臓血管モデル141の先端141Dは、肝臓モデル140の表面及び/または内部へと配設された他の血管(例えば、肝動脈)を模していてもよい。また、肝臓血管モデル141の基端141Pは、肝臓血管モデル141の内腔と、大動脈モデル160の内腔160Lとを連通させた状態で、第3接続部163Jaに接続されている。
図5に示すように、下肢モデル150は、右足に相当する下肢モデル150Rと、左足に相当する下肢モデル150Lと、を備えている。下肢モデル150R,Lは、左右対称である点を除いて同じ構成を有するため、以降は区別せず「下肢モデル150」として説明する。下肢モデル150は、太腿にある大腿四頭筋や下腿の前脛骨筋、長腓骨筋や長趾伸筋等の主要組織のうち少なくとも一部を模した形状であり、内腔を有さない中実形状である。下肢モデル150の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。下肢モデル150の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、下肢モデル150は、大腿動脈から足背動脈を含む主要動脈のうち少なくとも一部を模した管状の血管モデルである下肢血管モデル151(下肢血管モデル151R,L)に接続されている。下肢血管モデル151は、心臓モデル110の心臓血管モデル111と同様の材料で作製できる。下肢血管モデル151の材料と心臓血管モデル111の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、図示していないが、下肢血管モデル151は動脈だけでなく、総骨腸静脈から大伏在静脈を含む主要静脈を模擬していてもよい。
下肢血管モデル151は、下肢モデル150の内部を、太腿から下腿側に向かって延伸方向に沿って延びる配置とされている。下肢血管モデル151は、先端151Dが下肢モデル150の下端(足根部から足背部に相当する位置)に露出し、基端151Pが大動脈モデル160の第4接続部164Jに接続されている。ここで、基端151Pは、下肢血管モデル151の内腔と、大動脈モデル160の内腔160Lとを連通させた状態で、第4接続部164Jに接続されている。
なお、上述した心臓血管モデル111、脳血管モデル131、肝臓血管モデル141及び下肢血管モデル151を総称して「血管モデル」とも呼ぶ。また、これら血管モデルと、大動脈モデル160とを総称して「全身血管モデル」とも呼ぶ。このような構成とすれば、各生体モデルの表面に配設された血管モデルによって、例えば、脳の後大脳動脈、心臓の左冠動脈及び右冠動脈等を模擬できる。また、各生体モデルの内部に配設された血管モデルによって、例えば、脳の中大脳動脈、肝臓の肝動脈、下肢の大腿動脈等を模擬できる。
本実施形態の人体シミュレーション装置1では、大動脈モデル160に対して、少なくとも1つ以上の生体モデル(心臓モデル110、肺モデル120、横隔膜モデル170、脳モデル130、肝臓モデル140、下肢モデル150)を着脱することで、種々の態様のモデル10を構成することができる。大動脈モデル160に装着される生体モデル(心臓モデル110、肺モデル120、横隔膜モデル170、脳モデル130、肝臓モデル140、下肢モデル150)の組み合わせは、手技に必要な器官に応じて自由に変更できる。例えば、心臓モデル110と下肢モデル150とを装着したモデル10を構成すれば、人体シミュレーション装置1を利用して、PCIの総大腿動脈アプローチ(TFI:Trans-Femoral Intervention)の手技を模擬できる。その他、例えば、下肢モデル150を除く全ての生体モデルを装着してもよく、心臓モデル110と肺モデル120とを装着してもよく、肺モデル120と横隔膜モデル170とを装着してもよく、肝臓モデル140のみを装着してもよく、下肢モデル150のみを装着してもよい。
このように、本実施形態の人体シミュレーション装置1によれば、生体モデル接続部(第1接続部162J、第2接続部161J、第3接続部163Ja、第4接続部164J)に人体内の一部を模した生体モデル(心臓モデル110、脳モデル130、肝臓モデル140、下肢モデル150)を接続することによって、循環器系や消化器系など、接続された生体モデルに応じた各器官の生体管腔に対する、カテーテルやガイドワイヤ等の医療用デバイスを用いた様々な手技を模擬することができる。また、生体モデル接続部161J〜164Jは、生体モデルを着脱可能に接続することができるため、手技に不要な生体モデルを取り外して別途保存することも可能であり、利便性を向上できる。
図6及び図7は、臓器シミュレータ100の概略構成を示す説明図である。臓器シミュレータ100は、上述の血管モデル(心臓血管モデル111、脳血管モデル131、肝臓血管モデル141、下肢血管モデル151)を、臓器モデル(心臓モデル110、脳モデル130、肝臓モデル140、下肢モデル150)の表面を巡る血管として構成し、かつ、血管モデルに対して造影剤を使用した際に得られるX線画像において、実際の人体のX線画像で確認される濃染の様子を模擬することが可能なシミュレータである。以降、血管モデルとして心臓血管モデル111を例示し、臓器モデルとして心臓モデル110を例示した臓器シミュレータ100(心臓シミュレータ)について説明する。
本実施形態の臓器シミュレータ100は、心臓モデル110と、心臓血管モデル111と、固定部材191とを備えている。なお、図6及び図7には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。X軸は心臓モデル110の左右方向(幅方向)に対応し、Y軸は心臓モデル110の高さ方向に対応し、Z軸は心臓モデル110の奥行き方向に対応する。図6及び図7の上側(+Y軸方向)は「近位側」に相当し、下側(−Y軸方向)は「遠位側」に相当する。以降の説明では、近位側(+Y軸方向)を「基端側」とも呼び、近位側の端部を「基端部」または単に「基端」とも呼ぶ。同様に、遠位側(−Y軸方向)を「先端側」とも呼び、遠位側の端部を「先端部」または単に「先端」とも呼ぶ。図6及び図7では、上述した心臓モデル110の内腔110L、管状体115、及び第1接続部162Jの図示を省略している。
図8は、図7のA1−A1線における断面図である。図9は、図7のA2−A2線における断面図である。なお、図8及び図9では、図示の便宜上、略球状の心臓モデル110の一部分の拡大断面を表すと共に、心臓モデル110の表面に配置された心臓血管モデル111の一枝(一部分)のみを表す。
図6及び図8を用いて、心臓モデル110の構成について説明する。図6に示すように、心臓モデル110は、実際の心臓を模擬した外側形状を有している。また、図8に示すように、本実施形態の心臓モデル110は、バルーン116と、模擬心筋117と、表層118との3層構造を有している。バルーン116は、心臓モデル110の最も内側に配置された球状体であり、内部に拡張媒体の送出及び吸出のための内腔110Lを有している。バルーン116は、弾性を有するゴムや、熱可塑性エラストマー(TPE)等により形成できる。模擬心筋117は、バルーン116と表層118との間に配置され、バルーン116の表面を覆っている。模擬心筋117は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、PVA、シリコン等)により形成されている。表層118は、心臓モデル110の最も外側に配置され、模擬心筋117の表面を覆っている。表層118は、例えばナイロン不織布等の不織布や、例えばポリウレタンフォーム、ポリアミドフォーム、ポリエチレンフォーム、シリコンフォーム、ゴムスポンジ等の発泡体により形成された、複数の細孔を有する多孔質体からなる層である。
図6及び図9を用いて、心臓血管モデル111の構成について説明する。図6に示すように、心臓血管モデル111は、心臓モデル110の表面110Sに配置されている。心臓血管モデル111は、基端111Pが上行大動脈の一部を模擬した形状とされ、先端111Dが左右の冠動脈を模擬した形状とされ、先端部には拡散部186が設けられている。以降、心臓血管モデル111のうち、左冠動脈を模擬した部分を左冠動脈モデル180Lとも呼び、右冠動脈を模擬した部分を右冠動脈モデル180Rとも呼ぶ。また、左冠動脈モデル180Lと右冠動脈モデル180Rとを総称して、冠動脈モデル180とも呼ぶ。
冠動脈モデル180は、主枝部181と、側枝部182と、接続部183と、分岐部184とを有している。主枝部181は、冠動脈における主要な血管を模擬しており、側枝部182は、主枝部181から伸びる微細な血管を模擬している。図9に示すように、主枝部181及び側枝部182は、内腔181L及び182Lを有する管状体であり、上述の通り、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、PVA、シリコン等)により形成されている。接続部183(図6:一点鎖線)では、一の主枝部181と、他の主枝部181とが、内腔181Lを連通させた状態で接続されている。この接続は種々の手段で実現でき、例えば、各主枝部181をクリップ等の留置具で留めることで実現してもよく、各主枝部181を接着剤で固定することで実現してもよく、各主枝部181を合成樹脂で覆うことで実現してもよい。分岐部184(図6:破線)では、実際の人体と同様に、一の主枝部181が、複数の主枝部181へと分岐している。
図6において矢印で示すように、心臓血管モデル111の内腔111Lから流入した流体(模擬血液や造影剤)は、左冠動脈モデル180Lと右冠動脈モデル180Rとにそれぞれ分岐し、各冠動脈モデル180において、主枝部181の内腔181Lを先端側に向かって進む。流体は、途中、分岐部184による分岐を経て、各主枝部181及び各側枝部182の先端まで流れる。このように、本実施形態では、主枝部181及び側枝部182が、心臓血管モデル111(血管モデル)の延伸方向に伸びる流体流路を形成する「流路形成部」として機能する。
図7及び図8を用いて、拡散部186について説明する。本実施形態の心臓血管モデル111において、流路形成部を構成する各主枝部181の先端部には、拡散部186が設けられている。拡散部186は、主枝部181と略同一の径を有する、中実の略円柱形状である。拡散部186の延伸方向(図7のY軸方向)の長さは、求められる造影剤の拡散性能に応じて任意に決定できる。図7に示すように、拡散部186は、主枝部181の先端部において、主枝部181の内腔181L(流体流路)に面して配置されている。また、図8に示すように、拡散部186は、心臓モデル110の表層118に隣接して配置されている。主枝部181の先端部と、拡散部186の基端部とは、後述する固定部材191によって固定されている。なお、拡散部186は、主枝部181の内腔181Lに対して、少なくとも一部分が嵌め込まれていてもよい。
図8に示すように、本実施形態の拡散部186は、多孔質体187と、弾性体188とを備えている。多孔質体187は、例えばナイロン不織布等の不織布や、例えばポリウレタンフォーム、ポリアミドフォーム、ポリエチレンフォーム、シリコンフォーム、ゴムスポンジ等の発泡体により形成された、複数の細孔を有する多孔質の部材である。本実施形態の多孔質体187において、各細孔の密度は、基端側(図6の+Y軸方向)から先端側(図6の−Y軸方向)にかけて略一定である。弾性体188は、多孔質体187の各細孔に充填された弾性を有する部材である。多孔質体187に対する弾性体188の充填は、例えば、多孔質体187に対して、液状としたPVA、ポリウレタンを含むエラストマー、ゴム等の弾性体材料を流し込むことで実施できる。また、液状とした弾性体材料に対して、多孔質体187を含浸することで、多孔質体187に対する弾性体188の充填を実施してもよい。
固定部材191は、心臓モデル110の表面110S(表層118)に対して、心臓血管モデル111の各部、すなわち、主枝部181、側枝部182、及び拡散部186を固定するための部材である。図7に示すように、本実施形態の臓器シミュレータ100には、複数の固定部材191が設けられている。固定部材191の設置個所、及び、設置個数については任意に決定してよい。しかし、外力及び流体流路内の圧力が他の部位と比べて高い分岐部184と、流体流路の先端に位置する側枝部182と、拡散部186が設けられる主枝部181の先端部と、の各部においては、固定部材191が設けられることが好ましい。また、図8に示すように、本実施形態の固定部材191は、心臓血管モデル111(図示の例では主枝部181)のうち、心臓モデル110の表層118との接触部分を除く表面全体を覆うように設けられている。固定部材191は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、PVA、シリコン、ポリウレタン、カラギーナンなどの多糖類等)により形成されている。
本実施形態の人体シミュレーション装置1において模擬される、カテーテル等を用いた治療または検査では、血流速度や血液の粘性といった循環動態、あるいは血管の閉塞状態等を把握するために、血管造影が用いられることがある。血管造影では、例えば総腸骨大動脈部164(図5)から血管内に挿入され、大動脈モデル160の内腔160Lを伝って心臓血管モデル111へと進められたカテーテルから、X線透過度の低い造影剤を注入してX線撮影を行う。術者は、得られたX線画像(静止画像または動画像、「シネ画像」とも呼ばれる)におけるコントラストの変化から、造影剤の流れの様子を観察することで、循環動態や血管状態を把握することができる。
ここで、本実施形態の臓器シミュレータ100において、心臓血管モデル111(血管モデル)は、心臓血管モデル111の延伸方向に伸びる流体流路(主枝部181の内腔181L)に面して設けられ、多孔質体187により形成されて、多孔質体187の細孔から流体流路を流れる流体(模擬血液や造影剤)を拡散させつつ外部へ排出する拡散部186を備える。換言すれば、多孔質体187により形成された拡散部186は、流体流路に流れ込んだ造影剤の圧力及び流速を分散させる拡散流路(緩衝流路)として機能する。このため、本実施形態の心臓血管モデル111では、造影剤使用時に得られるX線画像において、実際の人体のX線画像で確認される濃染の様子(具体的には、造影剤が細動脈に沿って拡がったのち細静脈に拡散して消える様子)を模擬することができる。
図10は、造影剤CAの拡散の様子を示す説明図である。図10(A)及び(C)は、流体流路内の圧力が低い場合の拡散部186の様子を表し、図10(B)は、流体流路内の圧力が高い場合の拡散部186の様子を表す。本実施形態の拡散部186において、多孔質体187の細孔には弾性体188が充填されている。このため、例えば、大動脈モデル160に模擬血液のみが循環されており、心臓血管モデル111内(主枝部181の内腔181L)の圧力が低い間は、図10(A)に示すように、弾性体188が多孔質体187の各細孔を封止状態としている。
また、心臓血管モデル111内に造影剤CAが注入されることによって、心臓血管モデル111内(主枝部181の内腔181L)の圧力が高まった際には、図10(B)に示すように、弾性体188が図中において矢印を付した方向へと圧縮され、また、多孔質体187が変形することで、多孔質体187の各細孔との間に微細な空隙が生じ、多孔質体187の各細孔を開放することができる。このため、図10(B)に示すように、開放された各細孔から、造影剤CAをより細かく拡散及び排出することができる。この結果、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子(拡散及び消失像)を、実際の生体により近づけることができる。
さらに、造影剤CAの注入終了後は、再び心臓血管モデル111内(主枝部181の内腔181L)の圧力が低くなるため、図10(C)に示すように、弾性体188が多孔質体187の各細孔を封止状態とする。このため、図1で説明したように、臓器シミュレータ100及び心臓血管モデル111(血管モデル)を流体(水や生理食塩水等)に浸した湿潤状態で使用する場合において、血管モデルの周囲を満たす流体や造影剤CAが、多孔質体187の各細孔から流体流路内(主枝部181の内腔181L)へと逆流することを抑制できる。
図11は、造影剤CAの拡散の様子を示す説明図である。本実施形態の拡散部186は、心臓モデル110(臓器モデル)の表層118に隣接して配置されている。このため、拡散部186によって外部に排出された造影剤CAを、図11に示すように、心臓モデル110の表層118へと導くことができる。ここで、心臓モデル110の表層118は、多孔質体により形成されているため、表層118は、流れ込んだ造影剤CAの圧力及び流速をさらに分散させる拡散流路(緩衝流路)として機能する。このように、本実施形態の臓器シミュレータ100では、心臓血管モデル111(血管モデル)の拡散部186と、心臓モデル110の表層118との両方で造影剤CAの拡散及び排出を行うため、造影剤CAをより細かく拡散及び排出することができ、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を、より実際の生体に似せることができる。
さらに、本実施形態の臓器シミュレータ100では、拡散部186は、流路形成部(管状体からなる主枝部181)の先端部に設けられているため、流体流路(主枝部181の内腔181L)の先端部で、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を模擬できる。また、臓器シミュレータ100では、固定部材191によって、心臓モデル110(臓器モデル)の表面110Sに対して心臓血管モデル111(血管モデル)を固定することができるため、心臓モデル110と心臓血管モデル111との位置関係を所望の位置に維持できる。
さらに、本実施形態の臓器シミュレータ100では、心臓血管モデル111(血管モデル)を、心臓モデル110(臓器モデル)の表面を巡る血管として構成した臓器シミュレータを得ることができる。心臓血管モデル111は、心臓モデル110の表面110Sに配置されるため、例えば、心臓モデル110の内腔110Lを造影剤の拡散以外の他の用途に用いる(例えば、図1で説明した拍動のために用いる)、心臓モデル110を中実の構成とする、といった心臓モデル110の設計自由度を向上できる。また、本実施形態の臓器シミュレータ100によれば、心臓モデル110の内腔110Lに対する拡張媒体の送出及び吸出を行う拍動部60によって、心臓モデル110を実際の人体と同様に拍動させることができるため、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子をより一層実際の生体に似せることができると共に、臓器シミュレータ100の利用者の没入感を向上できる。
<第2実施形態>
図12は、第2実施形態の拡散部186aの概略構成を示す図である。図7で説明した第1実施形態では、拡散部186は、中実の略円柱形状であるとした。しかし、第2実施形態の拡散部186aは、延伸方向(Y軸方向)において、主枝部181に接する基端側(+Y軸方向)の一部分が中空、かつ、先端側(−Y軸方向)の一部分が中実の略有底円筒形状である。このように、拡散部186aの形状は任意に変更することが可能であり、略円柱形状や略円筒形状以外にも、略多角柱形状等の任意の形状を採用してよい。このような第2実施形態の臓器シミュレータ100aにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図13は、第3実施形態の臓器シミュレータ100bの概略構成を示す説明図である。図13では、説明の便宜上、固定部材191の図示を省略している。図14は、図13のB−B線における断面図である。図7で説明した第1実施形態では、主枝部181は管状体であり、拡散部186は主枝部181の先端部において、主枝部181の内腔181L(流体流路)に面して配置されているとした。しかし、第3実施形態の主枝部181bは、心臓血管モデル111の延伸方向に伸び(図13)、かつ、周方向の約半分に開口SPが形成された、略半円筒形状の溝体である(図14)。また、拡散部186bは、主枝部181bと同様に、心臓血管モデル111の延伸方向に伸び(図13)、かつ、周方向の約半分に開口が形成された、略半円筒形状の溝体である(図14)。
図14に示すように、拡散部186bは、心臓モデル110の表層118に隣接して配置されている。主枝部181bは、拡散部186bを覆い、かつ、溝体である主枝部181bと拡散部186bとの各端面が突き合わされて円筒を形成した状態で配置されている。固定部材191は、主枝部181bと拡散部186bとを固定している。第3実施形態では、主枝部181bと拡散部186bとにより形成された内腔が流体流路として機能する。すなわち、第3実施形態では、主枝部181bに加えてさらに、拡散部186bが流路形成部としても機能する。このような第3実施形態の臓器シミュレータ100bにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第3実施形態の臓器シミュレータ100bでは、拡散部186bは、流路形成部としての主枝部181b(溝体)の開口に面して設けられているため、図13に示すように流体流路の全域で、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を模擬できる。
また、第3実施形態の臓器シミュレータ100bは、さらにコート層189を備えている。図14に示すように、コート層189は、流路形成部としての拡散部186bの底面に施されたコーティングである。コート層189としては、X線透過性を有し、潤滑性(滑り性)の高い合成樹脂(例えば、PVA、シリコン、ウレタン等)を用いることが好ましい。なお、コート層189は、流体流路の少なくとも一部分に設けられていればよく、例えば、拡散部186bの底面以外の一部分や、拡散部186bと主枝部181bとにより形成された内腔(流体流路)の全周に設けられていてもよい。また、コート層189には、拡散部186bから表層118への造影剤の拡散及び排出性能を向上させるための貫通孔(すなわち、非コーティング部分)が設けられていてもよい。貫通孔の形状は、略円形状、略多角形状、スリット状等任意の形状を採用できる。
このようにすれば、流路形成部(拡散部186b、主枝部181b)では、心臓血管モデル111(血管モデル)の延伸方向に伸びる流体流路の少なくとも一部分がコート層189によってコーティングされている。このため、流体流路内の摺動抵抗を実際の生体(血管)により近づけることができ、流体流路内において医療用デバイスを滑かに進めることができる。
<第4実施形態>
図15は、第4実施形態の臓器シミュレータ100cの概略構成を示す説明図である。図15では、説明の便宜上、固定部材191の図示を省略している。図16は、図15のC−C線における断面図である。図13及び図14で説明した第3実施形態では、略半円筒形状の主枝部181bと拡散部186bとを例示した。しかし、第4実施形態の主枝部181cは、心臓血管モデル111の延伸方向に伸び(図15)、かつ、周方向の一部分に開口SPが形成された、略C字状の横断面を有する溝体である(図16)。また、拡散部186cは、心臓血管モデル111の延伸方向に伸び(図15:破線)、かつ、主枝部181cの開口SP近傍の外縁に係合する横断面形状を有する溝体である(図16)。図16に示すように、拡散部186cは、心臓モデル110の表層118に隣接して配置されている。主枝部181cは、開口SPを拡散部186cに向けた状態で、拡散部186cに裁置されている。固定部材191は、主枝部181cと拡散部186cとを固定している。第4実施形態においても、第3実施形態と同様に、主枝部181cと拡散部186cとにより形成された内腔が流体流路として機能する。すなわち、第4実施形態では、主枝部181cに加えてさらに、拡散部186cが流路形成部としても機能する。
また、第4実施形態の臓器シミュレータ100cは、さらにコート層189cを備えている。図16に示すように、コート層189cは、主枝部181cの開口SPから流体流路に向けて露出した拡散部186cを覆うように施されたコーティングである。コート層189cの構成及び材料は、第3実施形態のコート層189と同じであってもよく、異なっていてもよい。このように、主枝部181cの形状、拡散部186cの形状、及びコート層189cの態様は任意に変更することができる。このような第4実施形態の臓器シミュレータ100cにおいても、第1,第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第5実施形態>
図17は、第5実施形態の臓器シミュレータ100dの概略構成を示す説明図である。図17では、説明の便宜上、固定部材191の図示を省略している。図18は、図17のD−D線における断面図である。図13及び図14で説明した第3実施形態では、略半円筒形状の主枝部181bと拡散部186bと組み合わせて流体流路を形成する構成を例示した。しかし、第5実施形態の臓器シミュレータ100dでは、拡散部186bを備えず、心臓モデル110の表層118(多孔質体)によって、拡散部186bにより実現していた造影剤の拡散及び排出機能を実現する。図18に示すように、第5実施形態では、主枝部181bは、開口SPを心臓モデル110の表層118に向けた状態で、表層118に裁置されている。固定部材191は、主枝部181bを固定している。第5実施形態では、主枝部181bと、心臓モデル110の表層118とにより形成された内腔が流体流路として機能する。すなわち、第5実施形態では、主枝部181bに加えてさらに、心臓モデル110の表層118が流路形成部としても機能する。
また、第5実施形態の臓器シミュレータ100dは、さらにコート層189dを備えている。図18に示すように、コート層189dは、主枝部181bの開口SPから流体流路に向けて露出した心臓モデル110の表層118を覆うように施されたコーティングである。コート層189dの構成及び材料は、第3実施形態のコート層189と同じであってもよく、異なっていてもよい。このように、拡散部186bを省略して、心臓モデル110の表層118によって造影剤の拡散及び排出機能を実現してもよい。このような第5実施形態の臓器シミュレータ100dにおいても、第1,第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第6実施形態>
図19は、第6実施形態の臓器シミュレータ100eの概略構成を示す説明図である。図19では、説明の便宜上、固定部材191の図示を省略している。図20は、図19のE−E線における断面図である。図7で説明した第1実施形態では、拡散部186は主枝部181の先端部に配置されているとした。しかし、第6実施形態の臓器シミュレータ100eは、主枝部181の先端部に配置された拡散部186に加えてさらに、拡散部186eを備えている。図19及び図20を用いて、拡散部186eについて説明する。図19に示すように、拡散部186eは、一の主枝部181が、複数の主枝部181へと分岐した分岐部184(図6)に配置されている。図20に示すように、拡散部186eは、主枝部181と略同一の径を有する中空の略円筒形状であり、拡散部186eの内腔186Lは、主枝部181の内腔181Lと同様に流体流路として機能する。すなわち、第6実施形態では、主枝部181に加えてさらに、拡散部186eが流路形成部としても機能する。拡散部186eは、拡散部186と同様に、多孔質体187と、多孔質体187の細孔に充填された弾性体188とを備えている。拡散部186eの延伸方向の長さは、主枝部181と同様に、求められる造影剤の拡散性能に応じて任意に決定できる。また、多孔質体187eの底面には、第3実施形態で説明したコート層189が設けられている。
このように、臓器シミュレータ100eは、主枝部181の先端部に設けられた拡散部186に加えてさらに、主枝部181の分岐部184に設けられた拡散部186eを備えていてもよい。また、臓器シミュレータ100eは、主枝部181の先端部でもなく分岐部でもない部分(分岐のない延伸部分)に設けられた拡散部186e1を備えていてもよい。拡散部186e1の構成は、拡散部186eと同様である。さらに、臓器シミュレータ100eは、拡散部186、拡散部186e、及び拡散部186e1のうちの少なくともいずれか1つを備えていなくてもよい。このような第6実施形態の臓器シミュレータ100eにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第6実施形態の臓器シミュレータ100eでは、拡散部186eが、流路形成部(管状体からなる主枝部181)が分岐する分岐部184に設けられているため、流体流路の分岐部で、造影剤使用時に得られるX線画像における濃染の様子を模擬できる。
<第7実施形態>
図21は、第7実施形態の臓器シミュレータ100fの概略構成を示す説明図である。図21では、説明の便宜上、固定部材191の図示を省略している。図7で説明した第1実施形態では、主枝部181及び側枝部182は、軟性素材の合成樹脂により形成された管状体であるとした。しかし、第7実施形態の臓器シミュレータ100fでは、主枝部181f及び側枝部182fは、多孔質体によって構成されている。主枝部181f及び側枝部182fの材料は、拡散部186の多孔質体187と同じであってもよく、異なっていてもよい。また、多孔質体により形成された主枝部181f及び側枝部182fの、各細孔には樹脂が充填されていてもよい。この樹脂は、拡散部186の弾性体188と同じであってもよく、異なっていてもよい。
このような臓器シミュレータ100fでは、F1−F1線における断面図は、図8で説明した第1実施形態と同様となる。一方、F2−F2線における断面図は、図20で説明した第6実施形態と同様となる。この際、拡散部186e(図20)が主枝部181fに対応し、内腔186L(図20)が内腔181Lに対応する。このように、主枝部181f及び側枝部182fの材料は任意に変更することができ、第1実施形態で説明した拡散部186と同様に、多孔質体で構成してもよい。このような第7実施形態の臓器シミュレータ100fにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第7実施形態の臓器シミュレータ100fでは、流路形成部(主枝部181f)を多孔質体により形成することによって、多孔質体の細孔から流体流路(内腔181L)を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部としても機能させることができる。
<第8実施形態>
図22は、第8実施形態の臓器シミュレータ100gの概略構成を示す説明図である。図7で説明した第1実施形態では、異なる固定部材191を用いて、主枝部181の先端部、側枝部182、及び分岐部184をそれぞれ固定していた。しかし、第8実施形態の臓器シミュレータ100gでは、主枝部181、側枝部182、及び分岐部184のそれぞれを同一の固定部材191gを用いて固定している。固定部材191gは、心臓血管モデル111のうち、冠動脈モデル180へ繋がる上行大動脈の一部分と、主枝部181、側枝部182、分岐部184、及び拡散部186を含む冠動脈モデル180と、を固定するための部材である。図示の例では、臓器シミュレータ100gには、左冠動脈モデル180Lを固定するための固定部材191gと、右冠動脈モデル180Rを固定するための固定部材191gとがそれぞれ設けられている。また、固定部材191gは、拡散部186の先端側の一部分について固定しておらず、拡散部186の先端側の一部分は露出している。固定部材191gの材料は、第1実施形態の固定部材191と同じであってもよく、異なっていてもよい。
このように、固定部材191gの形状や固定範囲は任意に変更することができる。例えば、左冠動脈モデル180Lと右冠動脈モデル180Rとは1つの固定部材191gによって固定されていてもよい。また、固定部材191gは、拡散部186の全体を固定していてもよいし、拡散部186の全体を固定せず露出させていてもよい。このような第8実施形態の臓器シミュレータ100gにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第9実施形態>
図23は、第9実施形態の臓器シミュレータ100hの概略構成を示す説明図である。図23の下段の吹き出しには、臓器シミュレータ100hが備える拡散部186hの部分拡大図を示す。図7で説明した第1実施形態では、拡散部186において、多孔質体187の細孔には弾性体188が充填されているとした。しかし、第9実施形態の拡散部186hは、多孔質体187の細孔に充填された弾性体188を備えていない。このように、拡散部186hの構成は任意に変更することができ、多孔質体187のみから構成されていてもよい。このような第9実施形態の臓器シミュレータ100hにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第10実施形態>
図24は、第10実施形態の臓器シミュレータ100jのA1−A1線(図7)における断面図である。図7及び図8で説明した第1実施形態では、心臓モデル110は、バルーン116と、模擬心筋117と、表層118との3層構造を有している場合を例示した。しかし、第10実施形態の心臓モデル110jは、バルーン116と模擬心筋117とを備える2層構造であり、多孔質体からなる表層118を備えていない。
このように、心臓モデル110j(臓器モデル)の構成は任意に変更することができ、各層のうちの少なくとも一部は省略してもよく、説明しない他の構成要素を備えていてもよい。例えば、心臓モデル110は、模擬心筋117を備える1層構造であってもよい。この場合、内腔110Lを省略してもよく、模擬心筋117の内側に内腔110Lを形成してもよい。例えば、心臓モデル110は、模擬心筋117と表層118とを備える2層構造であってもよい。この場合についても、内腔110Lを省略してもよく、模擬心筋117の内側に内腔110Lを形成してもよい。このような第10実施形態の臓器シミュレータ100jにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第11実施形態>
図25は、第11実施形態の臓器シミュレータ100kの概略構成を示す説明図である。図7で説明した第1実施形態では、心臓血管モデル111(具体的には、主枝部181、側枝部182、拡散部186)は固定部材191によって固定されている場合を例示した。しかし、第11実施形態の臓器シミュレータ100kでは、固定部材191を備えておらず、心臓血管モデル111は心臓モデル110に対して固定されていない。このように、固定部材191は省略可能である。このような第11実施形態の臓器シミュレータ100kにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第12実施形態>
図26は、第12実施形態の臓器シミュレータ100mの概略構成を示す説明図である。第12実施形態の臓器シミュレータ100mでは、図7で説明した第1実施形態の各構成に加えてさらに、心膜部119を備えている。心膜部119は、心臓モデル110の表面110Sを覆う膜状の部材である。心膜部119は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)により形成された袋状の部材である。心膜部119の内面と心臓モデル110の表面110Sとの間の空間には、上述した心臓血管モデル111(血管モデル)が収容されている。なお、心膜部119には、拡散部186から排出された造影剤や模擬血液を排出するための排出口が形成されていてもよい。排出口は、心膜部119のうち、心臓モデル110の先端側(心尖部)の近傍や、心臓モデル110が大動脈モデル160に面した側に設けられることが好ましい。
このように、臓器シミュレータ100mは、上述しない種々の他の構成をさらに備えていてもよい。このような第12実施形態の臓器シミュレータ100mにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第12実施形態の臓器シミュレータ100mでは、心臓モデル110の表面110Sを覆う膜状の心膜部119によって、実際の生体における側壁心膜及び線維性心膜を模擬すると共に、心膜部119の内面と心臓モデル110の表面110Sとの間の空間によって、実際の生体における心膜腔を模擬できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記第1〜12実施形態では、人体シミュレーション装置1の構成の一例を示した。しかし、人体シミュレーション装置の構成は種々の変更が可能である。例えば、人体シミュレーション装置は、水槽と、水槽を被覆する被覆部とのうちの少なくとも一方を備えていなくてもよい。例えば、人体シミュレーション装置は、タッチパネル以外の手段(例えば、音声、操作ダイヤル、ボタン等)による入力部を備えていてもよい。
[変形例2]
上記第1〜12実施形態では、モデル10の構成の一例を示した。しかし、モデルの構成は種々の変更が可能である。例えば、大動脈モデルは、上述の第1〜第4接続部のうちの少なくとも一部を備えていなくてもよい。例えば、大動脈モデルにおける上述の第1〜第4接続部の配置は、任意に変更してよく、第1接続部は、大動脈弓またはその近傍に配置されていなくてもよい。同様に、第2接続部は、上行大動脈またはその近傍に配置されていなくてもよく、第3接続部は、腹部大動脈またはその近傍に配置されていなくてもよく、第4接続部は、総腸骨大動脈またはその近傍に配置されていなくてもよい。例えば、大動脈モデルが有する生体モデル接続部の数は任意に変更することが可能であり、上述しない生体モデル(例えば、胃モデル、膵臓モデル、腎臓モデル等)を接続するための新たな生体モデル接続部を備えてもよい。
例えば、モデルは、心臓モデル、肺モデル、脳モデル、肝臓モデル、下肢モデル、横隔膜モデルのうちの少なくとも一部を備えていなくてもよい。肺モデルと横隔膜モデルとを省略する場合、呼吸動作部についても併せて省略できる。例えば、モデルは、肋骨、胸骨、胸椎、腰椎、大腿骨、頚骨等、ヒトの骨格の少なくとも一部分を模した骨モデルをさらに備えた複合体として構成されてもよい。例えば、上述した心臓モデル、肺モデル、脳モデル、肝臓モデル、下肢モデル、横隔膜モデルの構成は、任意に変更してよい。例えば、心臓モデルの内腔と、心臓モデルの内腔へ流体を送出する拍動部とは省略されてもよい(図4)。肺モデルには、左右の肺にそれぞれ個別の内腔が設けられていてもよい(図4)。下肢モデルにはさらに、大腿筋を覆う皮膚モデルが備えられていてもよい(図5)。
[変形例3]
上記第1〜12実施形態では、臓器シミュレータ100,100a〜mの構成の一例を示した。しかし、臓器シミュレータの構成は種々の変更が可能である。例えば、臓器モデル(心臓モデル、脳モデル、肝臓モデル、下肢モデル)と、血管モデル(心臓血管モデル、脳血管モデル、肝臓血管モデル、下肢血管モデル)との少なくとも一方は、健康状態の臓器や血管を模したモデルと、病変部を有する臓器や血管を模したモデルとを有し、これらを相互に付け替え可能であってもよい。
例えば、血管モデル(心臓血管モデル、脳血管モデル、肝臓血管モデル、下肢血管モデル)は、動脈に加えて、静脈を模擬したモデルを含んでいてもよい。例えば、血管モデルは、主枝部と、側枝部と、接続部と、分岐部とを備えるとしたが、主枝部以外の各構成は省略してもよい。例えば、側枝部を省略して流路形成部を主枝部のみから構成してもよい。例えば、接続部を省略して、主枝部を一体成型し、主枝部の付け替えを実現しない構成としてもよい。例えば、分岐部を省略して、分岐のない主枝部によって冠動脈モデルを構成してもよい。
[変形例4]
上記第1〜12実施形態では、拡散部186,186a,b,c,e,hの構成の一例を示した。しかし、拡散部の構成は種々の変更が可能である。例えば、拡散部が備える多孔質体における各細孔の密度は、基端側(図6の+Y軸方向)よりも先端側(図6の−Y軸方向)を高密度とする等、変化させてもよい。例えば、拡散部において、基端側の細孔に充填されている弾性体と、先端側の細孔に充填されている弾性体とは、それぞれ異なる材料が用いられ、異なる特性を有していてもよい。例えば、拡散部は、心臓モデルの表層と隣接せず、両者の間には空隙が設けられていてもよい。例えば、拡散部は、コート層を備えていなくてもよい。
[変形例5]
第1〜12実施形態の人体シミュレーション装置及び臓器シミュレータの構成、及び上記変形例1〜4の人体シミュレーション装置及び臓器シミュレータの構成は、適宜組み合わせてもよい。例えば、臓器シミュレータは、第1実施形態で説明した主枝部の先端部に設けられた拡散部と、第3,4,5実施形態で説明した開口に面して設けられた拡散部と、の両方を備えていてもよい。例えば、臓器シミュレータは、第2実施形態で説明した主枝部の分岐部に設けられた拡散部と、第3,4,5実施形態で説明した開口に面して設けられた拡散部と、の両方を備えていてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…人体シミュレーション装置
10…モデル
20…収容部
21…水槽
22…被覆部
31…管状体
40…制御部
45…入力部
50…脈動部
51…管状体
55…フィルタ
56…循環ポンプ
57…脈動ポンプ
60…拍動部
61…管状体
70…呼吸動作部
71,72…管状体
100,100a〜m…臓器シミュレータ
110,110j…心臓モデル
111…心臓血管モデル
115…管状体
116…バルーン
117…模擬心筋
118…表層
119…心膜部
120…肺モデル
121…気管モデル
130…脳モデル
131…脳血管モデル
140…肝臓モデル
141…肝臓血管モデル
150,150L,R…下肢モデル
151,151L,R…下肢血管モデル
160…大動脈モデル
161…上行大動脈部
161J…第2接続部
162…大動脈弓部
162J…第1接続部
163…腹部大動脈部
163Ja…第3接続部
163Jb…流体供給部接続部
164…総腸骨大動脈部
164J…第4接続部
170…横隔膜モデル
180…冠動脈モデル
180L…左冠動脈モデル
180R…右冠動脈モデル
181,181b,c,f…主枝部
182,182f…側枝部
183…接続部
184…分岐部
186,186a,b,c,e,h…拡散部
187,187e…多孔質体
188…弾性体
189,189c,d…コート層
190…流路形成部
191,191g…固定部材

Claims (12)

  1. 血管モデルであって、
    前記血管モデルの延伸方向に伸びる流体流路を形成する流路形成部と、
    前記流体流路に面して設けられ、多孔質体により形成されて前記多孔質体の細孔から前記流体流路を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部と、
    を備える、血管モデル。
  2. 請求項1に記載の血管モデルであって、
    前記拡散部において、前記多孔質体の前記細孔には弾性体が充填されている、血管モデル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の血管モデルであって、
    前記流路形成部は、前記血管モデルの延伸方向に伸びる管状体であり、
    前記拡散部は、前記管状体の先端部に設けられている、血管モデル。
  4. 請求項1または請求項2に記載の血管モデルであって、
    前記流路形成部は、前記血管モデルの延伸方向に伸びる管状体であり、
    前記拡散部は、前記管状体が分岐する分岐部に設けられている、血管モデル。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の血管モデルであって、
    前記流路形成部は、前記血管モデルの延伸方向に伸び、周方向の少なくとも一部分に開口が形成された溝体であり、
    前記拡散部は、前記溝体の前記開口に面して設けられている、血管モデル。
  6. 請求項1または請求項2に記載の血管モデルであって、
    前記流路形成部は、多孔質体により形成され、前記多孔質体の細孔から前記流体流路を流れる流体を拡散させつつ外部へ排出する拡散部として機能する、血管モデル。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の血管モデルであって、
    前記流路形成部では、前記流体流路の少なくとも一部分がコーティングされている、血管モデル。
  8. 臓器シミュレータであって、
    臓器を模した臓器モデルと、
    前記臓器モデルの表面に配置された、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の血管モデルと、
    を備える、臓器シミュレータ。
  9. 請求項8に記載の臓器シミュレータであって、
    前記臓器モデルは、多孔質体により形成された表層を備え、
    前記血管モデルの前記拡散部は、前記臓器モデルの前記表層に隣接して配置されている、臓器シミュレータ。
  10. 請求項8または請求項9に記載の臓器シミュレータであって、さらに、
    前記臓器モデルの表面に対して前記血管モデルを固定する固定部材を備える、臓器シミュレータ。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の臓器シミュレータであって、
    前記臓器モデルは、内腔を有し、心臓を模した心臓モデルであり、
    さらに、前記心臓モデルの前記内腔に対する拡張媒体の送出及び吸出により、前記心臓モデルを拍動させる拍動部を備える、臓器シミュレータ。
  12. 請求項11に記載の臓器シミュレータであって、さらに、
    前記心臓モデルの表面を覆う膜状の心膜部を備え、
    前記血管モデルは、前記心膜部の内面と前記心臓モデルの表面との間の空間に収容されている、臓器シミュレータ。
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