JP7438414B2 - 心臓モデル - Google Patents

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Description

本発明は、心臓モデルに関する。
従来から、医師等の術者が手術や治療の訓練をおこなうために、シリコンゴム等によって心臓を模擬した心臓モデルが知られている。例えば、特許文献1には、心臓モデル内に埋め込まれた管内の圧力を変化させることで心臓モデルを拡張収縮させる心臓手術用のトレーナが開示されている。特許文献2には、心房部と心室部が設けられた心臓モデルの吸排気口に吸排気チューブを取り付け、吸排気チューブを介して心房部と心室部の内部の空気を出し入れすることで心臓モデルを拡張収縮させる模擬心臓装置が開示されている。特許文献3には、胸部を模擬したタンク内の流体と、左心室アセンブリ内の流体とを別々に相互移動させることで医療用撮像に利用可能な拍動する左心室を有する心臓ファントムが開示されている。
特表2004-508589号公報 特開2007-333781号公報 特表2003-536107号公報
上記先行技術のうち、例えば特許文献1では、実際の心臓と同様に、拡張収縮時に心臓モデルにねじれが発生するように構成されている。しかしながら、上記先行技術によっても、心臓モデルにおいて、より簡易な構成によって、拡張収縮時のねじれを発生させる技術については、なお、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、心臓モデルにおいて、より簡易な構成によって、拡張収縮時のねじれを発生させる技術の向上を図ることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、心臓モデルが提供される。この心臓モデルは、模擬心室を形成し、前記模擬心室が拡張収縮するように変形可能な心室形成部と、前記模擬心室の外側に設けられ、螺旋状の外形を有しており、前記模擬心室の拡張時に、前記心室形成部の変形を規制して前記心室形成部にねじれを生じさせるねじれ生成部と、を備える。
この構成によれば、心室形成部によって形成された模擬心室の外側に螺旋状の外形を有するねじれ生成部が配置されるため、模擬心室を拡張させたとき、ねじれ生成部によって、心室形成部の変形が規制され、心室形成部にねじれを生じさせることができる。よって、この構成によれば、簡易な構成によって、拡張収縮時のねじれを発生させることができる。
(2)上記形態の心臓モデルにおいて、前記ねじれ生成部は、前記心室形成部よりも剛性の高い材料によって形成されていてもよい。この構成によれば、模擬心室を拡張させたときに、心室形成部の変形をねじれ生成部によってより規制することができるため、所望のねじれを発生させるために必要なねじれ生成部の大きさを小さくすることができる。よって、この構成によれば、より簡易な構成によって、拡張収縮時のねじれを発生させることができる。
(3)上記形態の心臓モデルにおいて、前記ねじれ生成部は、前記心室形成部と同じ材料で前記心室形成部と一体的に形成されていてもよい。この構成によれば、心室形成部とねじれ生成部とが一体的に形成されたより簡易な構成によって、拡張収縮時にねじれを生じさせることができる。
(4)上記形態の心臓モデルにおいて、前記ねじれ生成部は、前記心臓モデルの心基部と心尖部とを結ぶ軸線方向から見たときに、前記模擬心室の外側を180度以上囲んでいてもよい。この構成によれば、模擬心室を拡張させたときに、ねじれ生成部によって心室形成部の変形を周方向で一様に規制することができる。これにより、心臓モデルのねじれを実際の心臓のねじれにより近づけることができる。
(5)上記形態の心臓モデルにおいて、前記ねじれ生成部は、前記模擬心室の外側において、前記心臓モデルの心基部側から心尖部側に向かって螺旋状に配置されていてもよい。この構成によれば、模擬心室を拡張させたときに、心臓モデルのねじれの方向を、実際の心臓のねじれの方向により近づけることができる。
(6)上記形態の心臓モデルにおいて、前記ねじれ生成部は、前記模擬心室の外側に複数配置されていてもよい。この構成によれば、模擬心室を拡張させたときに、複数のねじれ生成部によって心室形成部の変形を周方向で一様に規制することができる。これにより、心臓モデルのねじれを実際の心臓のねじれにより近づけることができる。
(7)上記形態の心臓モデルにおいて、前記ねじれ生成部は、時計回りの螺旋形状を有していてもよい。この構成によれば、模擬心室を拡張させたときに、心臓モデルのねじれの方向を、実際の心臓のねじれの方向により近づけることができる。
(8)上記形態の心臓モデルにおいて、前記ねじれ生成部は、複数の箇所において、前記心室形成部に固定されていてもよい。この構成によれば、模擬心室を拡張させたときに、ねじれ生成部によって心室形成部をよりねじれやすくすることができる。
(9)上記形態の心臓モデルにおいて、前記心室形成部は、風船状の部材であり、前記ねじれ生成部は、前記心室形成部の外表面に設けられており、前記心臓モデルは、さらに、前記心室形成部と前記ねじれ生成部の両方を覆う模擬心筋を形成する心筋形成部を備えていてもよい。この構成によれば、心室形成部のねじれにともなって、心筋形成部がねじれるため、より簡易な構成によって、拡張収縮時に心筋形成部のねじれを生じさせることができる。
(10)上記形態の心臓モデルにおいて、さらに、前記模擬心室の内部に流体を供給して前記模擬心室を拡張させるとともに、前記模擬心室の内部から流体を取り出すことによって前記模擬心室を収縮させることが可能な拍動部を備えていてもよい。この構成によれば、拍動部によって、心臓モデルを容易に拡張収縮させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、心臓血管等を模した血管モデル、心臓等の臓器を模した臓器モデル、これらの少なくとも一部を含む人体シミュレーション装置、シミュレーション方法などの形態で実現することができる。
人体シミュレーション装置の概略構成を示す第1の図である。 人体シミュレーション装置の概略構成を示す第2の図である。 大動脈モデルの概略構成を示す図である。 モデルの概略構成を示す第1の図である。 モデルの概略構成を示す第2の図である。 心臓モデルの外観構成を例示した説明図である。 心臓モデルの内部構成を例示した説明図である。 心室形成部材と拘束体との固定部を説明するための図である。 拡張収縮時における心室形成部材と拘束体状態を説明するための図である。 第2実施形態の心臓モデルを説明するための図である。 図10の各A-A断面を例示した説明図である。 第3実施形態の心臓モデルを説明するための図である。 図12の各B-B断面を例示した説明図である。 第4実施形態の心臓モデルを説明するための図である。 図14の各C-C断面を説明するための図である。 第5実施形態の心臓モデルを説明するための図である。 第6実施形態の心臓モデルを説明するための図である。 第7実施形態の心臓モデルを説明するための図である。 拘束体の拡張時における心室形成部材の状態を説明するための図である。 第8実施形態の心臓モデルを説明するための図である。 変形例1の心臓モデルを説明するための図である。 変形例2の心臓モデルを説明するための図である。
<第1実施形態>
図1及び図2は、人体シミュレーション装置1の概略構成を示す図である。本実施形態の人体シミュレーション装置1は、人体の循環器系、消化器系、呼吸器系等の生体管腔内に対する、医療用デバイスを用いた治療または検査の手技を模擬するために使用される装置である。医療用デバイスとは、カテーテルやガイドワイヤ等の、低侵襲な治療または検査のためのデバイスを意味する。人体シミュレーション装置1は、モデル10と、収容部20と、制御部40と、入力部45と、脈動部50と、拍動部60と、呼吸動作部70とを備えている。
図2に示すように、モデル10は、人体の心臓を模した心臓モデル110と、肺を模した肺モデル120と、横隔膜を模した横隔膜モデル170と、脳を模した脳モデル130と、肝臓を模した肝臓モデル140と、下肢を模した下肢モデル150と、大動脈を模した大動脈モデル160とを備えている。以降、心臓モデル110、肺モデル120、横隔膜モデル170、脳モデル130、肝臓モデル140、及び下肢モデル150を総称して「生体モデル」とも呼ぶ。また、心臓モデル110、脳モデル130、肝臓モデル140、及び下肢モデル150を総称して「臓器モデル」とも呼ぶ。肺モデル120と横隔膜モデル170とを総称して「呼吸器モデル」とも呼ぶ。肺モデル120と横隔膜モデル170とを除く各生体モデル(すなわち、各臓器モデル)は、大動脈モデル160に接続されている。モデル10の詳細は後述する。
収容部20は、水槽21と、被覆部22とを備える。水槽21は、上部が開口した略直方体状の水槽である。図1に示すように、水槽21の内部に流体を満たした状態で、水槽21の底面にモデル10が裁置されることで、モデル10が流体内に没する。本実施形態では流体として水(液体)を使用するため、モデル10を実際の人体と同様に湿潤状態に保つことできる。なお、流体としては他の液体(例えば、生理食塩水、任意の化合物の水溶液等)を採用してもよい。水槽21に充填された流体は、モデル10の大動脈モデル160等の内部に取り込まれ、血液を模擬した「模擬血液」として機能する。
被覆部22は、水槽21の開口を覆う板状の部材である。被覆部22の一方の面を流体に接触させ、他方の面を外気に接触させた状態で被覆部22を裁置することにより、被覆部22は波消し板として機能する。これにより、水槽21の内部の流体が波打つことによる視認性の低下を抑制できる。本実施形態の水槽21及び被覆部22は、X線透過性を有すると共に透明性の高い合成樹脂(例えばアクリル樹脂)で形成されているため、外部からのモデル10の視認性を向上できる。なお、水槽21及び被覆部22は他の合成樹脂を用いて形成されていてもよく、水槽21と被覆部22とが異なる材料で形成されていてもよい。
制御部40は、図示しないCPU、ROM、RAM、及び記憶部を備え、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、脈動部50、拍動部60、及び呼吸動作部70の動作を制御する。入力部45は、利用者が人体シミュレーション装置1に対して情報を入力するために使用される種々のインターフェースである。入力部45としては、例えば、タッチパネル、キーボード、操作ボタン、操作ダイヤル、マイク等を採用できる。以降、入力部45としてタッチパネルを例示する。
脈動部50は、大動脈モデル160に対して脈動させた流体を送出する「流体供給部」である。具体的には、脈動部50は、図1において白抜き矢印で示すように、水槽21内の流体を循環させて、モデル10の大動脈モデル160へと供給する。本実施形態の脈動部50は、フィルタ55と、循環ポンプ56と、脈動ポンプ57とを備えている。フィルタ55は、管状体31を介して水槽21の開口21Oと接続されている。フィルタ55は、フィルタ55を通過する流体を濾過することで、流体中の不純物(例えば、手技で使用された造影剤等)を除去する。循環ポンプ56は、例えば、非容積式の遠心ポンプであり、水槽21から管状体31を介して供給される流体を、一定の流量で循環させる。
脈動ポンプ57は、例えば、容積式の往復ポンプであり、循環ポンプ56から送出された流体に脈動を加える。脈動ポンプ57は、管状体51を介してモデル10の大動脈モデル160と接続されている(図2)。このため、脈動ポンプ57から送出された流体は、大動脈モデル160の内腔へと供給される。なお、脈動ポンプ57としては、往復ポンプに代えて、低速運転させた回転ポンプを利用してもよい。また、フィルタ55及び循環ポンプ56は省略してもよい。管状体31及び管状体51は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。
拍動部60は、心臓モデル110を拍動させる。具体的には、拍動部60は、図1において斜線ハッチングを付した矢印で示すように、心臓モデル110の内腔に流体の送出を行うことで心臓モデル110を拡張させ、心臓モデル110の内腔の流体の吸出を行うことで心臓モデル110を収縮させる。拍動部60は、これら送出及び吸出動作を繰り返すことで、心臓モデル110の拍動動作(拡張及び収縮動作)を実現する。拍動部60において使用される流体(以降、「拡張媒体」とも呼ぶ)としては、模擬血液と同様に、液体が使用されてもよく、例えば空気等の気体が使用されてもよい。拡張媒体は、ベンゼン、エタノール等の有機溶媒や、水等の放射線透過性の液体であることが好ましい。拍動部60は、例えば、容積式の往復ポンプを用いて実現できる。拍動部60は、管状体61を介してモデル10の心臓モデル110と接続されている(図2)。管状体61は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。
呼吸動作部70は、肺モデル120及び横隔膜モデル170に呼吸動作を模擬した動作をさせる。具体的には、呼吸動作部70は、図1においてドットハッチングを付した矢印で示すように、肺モデル120の内腔と横隔膜モデル170とに対する流体の送出を行うことで、肺モデル120を拡張させると共に横隔膜モデル170を収縮させる。また、呼吸動作部70は、肺モデル120の内腔と横隔膜モデル170とから流体の吸出を行うことで、肺モデル120を収縮させると共に横隔膜モデル170を弛緩させる。呼吸動作部70は、これら送出及び吸出動作を繰り返すことで、肺モデル120及び横隔膜モデル170の呼吸動作を実現する。呼吸動作部70において使用される流体としては、模擬血液と同様に、液体が使用されてもよく、例えば空気等の気体が使用されてもよい。呼吸動作部70は、例えば、容積式の往復ポンプを用いて実現できる。呼吸動作部70は、管状体71を介してモデル10の肺モデル120と接続され、管状体72を介して横隔膜モデル170と接続されている(図2)。管状体71,72は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。
図3は、大動脈モデル160の概略構成を示す図である。大動脈モデル160は、人体の大動脈を模した各部、すなわち、上行大動脈を模した上行大動脈部161と、大動脈弓を模した大動脈弓部162と、腹部大動脈を模した腹部大動脈部163と、総腸骨大動脈を模した総腸骨大動脈部164とで構成されている。
大動脈モデル160は、上行大動脈部161の端部において、心臓モデル110を接続するための第2接続部161Jを備えている。同様に、大動脈弓部162の近傍において、脳モデル130を接続するための第1接続部162Jを備え、腹部大動脈部163の近傍において、肝臓モデル140を接続するための第3接続部163Jaを備え、総腸骨大動脈部164の端部において、左右の下肢モデル150を接続するための2つの第4接続部164Jを備えている。なお、第2接続部161Jは上行大動脈部161またはその近傍に配置されていれば足り、第4接続部164Jは総腸骨大動脈部164またはその近傍に配置されていれば足りる。以降、これらの第1~第4接続部161J~164Jを総称して「生体モデル接続部」とも呼ぶ。また、大動脈モデル160は、腹部大動脈部163の近傍において、脈動部50を接続するための流体供給部接続部163Jbを備えている。なお、流体供給部接続部163Jbは、腹部大動脈部163の近傍に限らず、上行大動脈部161の近傍や、脳血管モデル131(例えば、総頸動脈)の近傍等の任意の位置に配置されてよい。また、大動脈モデル160は、異なる位置に配置された複数の流体供給部接続部163Jbを備えてもよい。
また、大動脈モデル160の内部には、上述した生体モデル接続部及び流体供給部接続部(第1接続部162J、第2接続部161J、第3接続部163Ja、2つの第4接続部164J、流体供給部接続部163Jb)においてそれぞれ開口した内腔160Lが形成されている。内腔160Lは、脈動部50から供給された模擬血液(流体)を、心臓モデル110、脳モデル130、肝臓モデル140、及び下肢モデル150へと輸送するための流路として機能する。
本実施形態の大動脈モデル160は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、シリコン等)により形成されている。特に、PVAを使用する場合、PVAの親水性によって、液体内に没した大動脈モデル160の触感を、実際の人体の大動脈の触感に似せることができる点で好ましい。
大動脈モデル160は、例えば、次のようにして作製できる。まず、人体の大動脈の形状を模した型を準備する。型は、実際の人体のコンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)画像や、核磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)画像等を解析して生成された人体モデルデータのうち、大動脈に相当する部分のデータを、例えば3Dプリンタに入力して印刷することによって作製できる。型は、石膏であってもよく、金属であってもよく、樹脂であってもよい。次に、準備した型の内側に、液状にした合成樹脂材料を塗布し、合成樹脂材料が冷え固まったのち脱型する。このようにすれば、内腔160Lを有する大動脈モデル160を、簡単に作製できる。
図4及び図5は、モデル10の概略構成を示す図である。図4に示すように、心臓モデル110は、心臓を模した形状であり、内部には心室形成部材117が配置されている。本実施形態の心臓モデル110は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、ウレタン、シリコン等)により形成され、大動脈モデル160と同様に、人体モデルデータから作製された型の内側に合成樹脂材料を塗布し脱型することで作製し得る。また、心臓モデル110は、心臓血管モデル111と、管状体115とを備えている。心臓血管モデル111は、上行大動脈の一部と冠動脈とを模した管状の血管モデルであり、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えば、PVA、シリコン等)により形成されている。管状体115は、X線透過性を有する軟性素材の合成樹脂(例えばシリコン等)で形成された可撓性を有するチューブである。管状体115は、先端115Dが心室形成部材117の内側の空間に連通するよう接続され、基端115Pが拍動部60へと繋がる管状体61に連通するよう接続されている。
肺モデル120は、右肺及び左肺をそれぞれ模した形状であり、内部には、右肺と左肺とが連通した状態の1つの内腔120Lが形成されている。肺モデル120は、心臓モデル110の左右を覆う配置とされている。肺モデル120の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。肺モデル120の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、肺モデル120は、気管の一部を模した管状のモデルである気管モデル121を備えている。気管モデル121は、心臓モデル110の管状体115と同様の材料で作製できる。気管モデル121の材料と管状体115の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。気管モデル121は、先端121Dが肺モデル120の内腔120Lに連通するよう接続され、基端121Pが呼吸動作部70へと繋がる管状体71に連通するよう接続されている。
横隔膜モデル170は、横隔膜を模した形状であり、内部には内腔170Lが形成されている。横隔膜モデル170は、心臓モデル110の下方(換言すれば、心臓モデル110を挟んで脳モデル130とは逆方向)に配置されている。横隔膜モデル170の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。横隔膜モデル170の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、横隔膜モデル170には、横隔膜モデル170の内腔170Lと管状体72の内腔とを連通させた状態で、呼吸動作部70へと繋がる管状体72が接続されている。
脳モデル130は、脳を模した形状であり、内腔を有さない中実形状である。脳モデル130は、心臓モデル110の上方(換言すれば、心臓モデル110を挟んで横隔膜モデル170とは逆方向)に配置されている。脳モデル130の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。脳モデル130の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、脳モデル130は、左右で一対の総頸動脈から左右で一対の椎骨動脈を含む主要動脈のうち少なくとも一部を模した管状の血管モデルである脳血管モデル131を備えている。脳血管モデル131は、心臓モデル110の心臓血管モデル111と同様の材料で作製できる。脳血管モデル131の材料と心臓血管モデル111の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、図示していないが、脳血管モデル131は動脈だけでなく、上大脳静脈や直静脈洞を含む主要静脈を模擬していてもよい。
なお、脳モデル130は、ヒトの頭蓋及び頸椎を模した骨モデルをさらに備えた複合体であってもよい。例えば、頭蓋は、頭頂骨、側頭骨、後頭骨、蝶形骨を模擬した硬質樹脂ケースと、前頭骨を模擬した蓋と、を有し、頸椎は、内部に血管モデルが通過可能な貫通孔を有する矩形の樹脂体を複数有していてもよい。骨モデルを備える場合、骨モデルは血管モデル、脳モデル等の臓器モデルとは硬度の異なる樹脂で作製され、例えば、頭蓋をアクリル樹脂、椎骨をPVAで作製することができる。
脳血管モデル131は、先端131Dが脳モデル130に接続され、基端131Pが大動脈モデル160の第1接続部162J(例えば、ヒトにおける腕頭動脈、鎖骨下動脈、またはその近傍)に接続されている。脳血管モデル131の先端131Dは、椎骨を通過する椎骨動脈および脳モデル130の表面及び/または内部へと配設された他の血管(例えば、後大脳動脈、中大脳動脈)を模していてもよく、さらに後交通動脈を模して総頸動脈末梢部と接続してもよい。また、脳血管モデル131の基端131Pは、脳血管モデル131の内腔と、大動脈モデル160の内腔160Lとを連通させた状態で、第1接続部162Jに接続されている。
肝臓モデル140は、肝臓を模した形状であり、内腔を有さない中実形状である。肝臓モデル140は、横隔膜モデル170の下方に配置されている。肝臓モデル140の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。肝臓モデル140の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、肝臓モデル140は、肝動脈の一部を模した管状の血管モデルである肝臓血管モデル141を備えている。肝臓血管モデル141は、心臓モデル110の心臓血管モデル111と同様の材料で作製できる。肝臓血管モデル141の材料と心臓血管モデル111の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。
肝臓血管モデル141は、先端141Dが肝臓モデル140に接続され、基端141Pが大動脈モデル160の第3接続部163Jaに接続されている。肝臓血管モデル141の先端141Dは、肝臓モデル140の表面及び/または内部へと配設された他の血管(例えば、肝動脈)を模していてもよい。また、肝臓血管モデル141の基端141Pは、肝臓血管モデル141の内腔と、大動脈モデル160の内腔160Lとを連通させた状態で、第3接続部163Jaに接続されている。
図5に示すように、下肢モデル150は、右足に相当する下肢モデル150Rと、左足に相当する下肢モデル150Lと、を備えている。下肢モデル150R,Lは、左右対称である点を除いて同じ構成を有するため、以降は区別せず「下肢モデル150」として説明する。下肢モデル150は、太腿にある大腿四頭筋や下腿の前脛骨筋、長腓骨筋や長趾伸筋等の主要組織のうち少なくとも一部を模した形状であり、内腔を有さない中実形状である。下肢モデル150の作製に採用し得る材料及び製法は、心臓モデル110と同様である。下肢モデル150の材料と心臓モデル110の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、下肢モデル150は、大腿動脈から足背動脈を含む主要動脈のうち少なくとも一部を模した管状の血管モデルである下肢血管モデル151(下肢血管モデル151R,L)を備えている。下肢血管モデル151は、心臓モデル110の心臓血管モデル111と同様の材料で作製できる。下肢血管モデル151の材料と心臓血管モデル111の材料は同じであってもよく、相違していてもよい。また、図示していないが、下肢血管モデル151は動脈だけでなく、総骨腸静脈から大伏在静脈を含む主要静脈を模擬していてもよい。
下肢血管モデル151は、下肢モデル150の内部を、太腿から下腿側に向かって延伸方向に沿って延びる配置とされている。下肢血管モデル151は、先端151Dが下肢モデル150の下端(足根部から足背部に相当する位置)に露出し、基端151Pが大動脈モデル160の第4接続部164Jに接続されている。ここで、基端151Pは、下肢血管モデル151の内腔と、大動脈モデル160の内腔160Lとを連通させた状態で、第4接続部164Jに接続されている。
なお、上述した心臓血管モデル111、脳血管モデル131、肝臓血管モデル141及び下肢血管モデル151を総称して「血管モデル」とも呼ぶ。また、これら血管モデルと、大動脈モデル160とを総称して「全身血管モデル」とも呼ぶ。このような構成とすれば、各生体モデルの表面に配設された血管モデルによって、例えば、脳の後大脳動脈、心臓の左冠動脈及び右冠動脈等を模擬できる。また、各生体モデルの内部に配設された血管モデルによって、例えば、脳の中大脳動脈、肝臓の肝動脈、下肢の大腿動脈等を模擬できる。
本実施形態の人体シミュレーション装置1では、大動脈モデル160に対して、少なくとも1つ以上の生体モデル(心臓モデル110、肺モデル120、横隔膜モデル170、脳モデル130、肝臓モデル140、下肢モデル150)を着脱することで、種々の態様のモデル10を構成することができる。大動脈モデル160に装着される生体モデル(心臓モデル110、肺モデル120、横隔膜モデル170、脳モデル130、肝臓モデル140、下肢モデル150)の組み合わせは、手技に必要な器官に応じて自由に変更できる。例えば、心臓モデル110と下肢モデル150とを装着したモデル10を構成すれば、人体シミュレーション装置1を利用して、PCIの総大腿動脈アプローチ(TFI:Trans-Femoral Intervention)の手技を模擬できる。その他、例えば、下肢モデル150を除く全ての生体モデルを装着してもよく、心臓モデル110と肺モデル120とを装着してもよく、肺モデル120と横隔膜モデル170とを装着してもよく、肝臓モデル140のみを装着してもよく、下肢モデル150のみを装着してもよい。
このように、本実施形態の人体シミュレーション装置1によれば、生体モデル接続部(第1接続部162J、第2接続部161J、第3接続部163Ja、第4接続部164J)に人体内の一部を模した生体モデル(心臓モデル110、脳モデル130、肝臓モデル140、下肢モデル150)を接続することによって、循環器系や消化器系など、接続された生体モデルに応じた各器官の生体管腔に対する、カテーテルやガイドワイヤ等の医療用デバイスを用いた様々な手技を模擬することができる。また、生体モデル接続部161J~164Jは、生体モデルを着脱可能に接続することができるため、手技に不要な生体モデルを取り外して別途保存することも可能であり、利便性を向上できる。
図6及び図7を用いて、心臓モデル110の概略構成について説明する。図6は、心臓モデル110の外観構成を例示した説明図である。図7は、心臓モデル110の内部構成を例示した説明図である。心臓モデル110は、上述した、心臓血管モデル111と、心室形成部材117と、のほか、心筋形成部材113と、拘束体118と、を備えている。
心筋形成部材113は、心臓モデル110の模擬心筋を形成する部材であり、例えば、ウレタンによって構成されている。心筋形成部材113によって、心基部116と心尖部114を有する心臓モデル110の外側が形成される。心筋形成部材113によって形成される心臓モデル110の外表面113sufには、心臓血管モデル111が配置されている。心臓血管モデル111は、左右の冠動脈を模擬した冠動脈モデル112を含んでいる。冠動脈モデル112は、心臓モデル110の外表面113sufにおいて、主枝部から複数の側枝部が伸びた形状を有している。心臓モデル110は、この心臓血管モデル111に対して造影剤を使用した際に得られるX線画像において、実際の人体のX線画像で確認される濃染の様子を模擬することが可能なシミュレータとして機能する。図7に示すように、心筋形成部材113によって形成される模擬心筋の内側には心室形成部材117および拘束体118が配置されている。
心室形成部材117は、例えば、厚さ0.1~1mm程度の天然ゴムによって形成された風船状の部材であり、内側に内腔部としての模擬心室117lumを形成する。この模擬心室117lumは、管状体115と連通しており、管状体115による、模擬心室117lumへの流体の供給、および、模擬心室117lumからの流体の吸出によって、模擬心室117lumが拡張収縮する。心室形成部材117は、模擬心室117lumの拡張収縮に応じて外形が拡張収縮する。この心室形成部材117の拡張収縮によって、心室形成部材117を覆う心筋形成部材113が拡張収縮し、これにより、実際の心臓と同様の拍動が心臓モデル110によって模擬される。
拘束体118は、心室形成部材117よりも剛性の高い素線によって形成された時計回りの螺旋状の部材(螺旋コイル)であり、心室形成部材117の外表面に配置される。拘束体118は、心室形成部材117の拡張変形時に、心室形成部材117の変形を規制して、心室形成部材117にねじれを生じさせる「ねじれ生成部」として機能する。拘束体118は、例えば、円形断面の金属や樹脂の素線によって形成することができる。本実施形態の拘束体118は、心臓モデル110の心基部116と心尖部114とを結ぶ軸線N方向から見たときに、心室形成部材117の外側を180度以上囲んでいる。また、螺旋の走向方向が軸線Nに沿った方向となっている。「螺旋の走向方向が軸線Nに沿っている」とは、拘束体118を軸線N方向から見たときに、心基部116から心尖部114に向かって時計回りに螺旋状となるように配置されていることを意味する。本実施形態の拘束体118は、心室形成部材117の外側を螺旋状に5周程度巻き回った構成となっている。拘束体118が心室形成部材117の外側を巻き回る回数(巻き数)は、0.5~10回転の範囲が好ましく、1~5回転の範囲がより好ましい。3~4回転の範囲がさらに好ましい。
図8は、心室形成部材117と、拘束体118との固定部FPを説明するための図である。拘束体118は、心室形成部材117と複数の固定部FPにおいて固定されており、その他の部分では固定されていない。固定部FPは、拘束体118において所定の間隔で設けられている。固定部FPでは拘束体118と心室形成部材117は接着剤によって固定されていてもよいし、溶着されていてもよい。このように、心室形成部材117と拘束体118とは、固定部FPによって、部分的に固定されている。これにより、全体が固定される場合に比べて、心室形成部材117の拘束体118に対する自由度が増加し、心室形成部材117を拡張させたときに、拘束体118によって心室形成部117をよりねじれやすくすることができる。
図9(A)は、心室形成部材117の収縮時における心室形成部材117と拘束体118の状態を説明するための図である。図9(B)は、心室形成部材117の拡張時における心室形成部材117と拘束体118の状態を説明するための図である。図9(A)の収縮状態から心室形成部材117の内腔(模擬心室)を加圧すると、心室形成部材117が一様に拡張しようとして拘束体118を内側から押し広げる。拘束体118は、内側から一様に押し広げられると、図9(B)の矢印に示すように、拘束体118の各コイル間において相対的な位置がずれる。心室形成部材117は、この拘束体118の各コイル間の相対的な位置ずれに追従してねじれが生じる。このねじれによって心臓モデル110に捻転が生じる。拘束体118の螺旋の心室形成部材117に対する走向方向、回転数(巻き数)によって、心臓モデル110の捻転の方向および捻転角度を調整することができる。
拘束体118は、心室形成部材117の外側に1周以上巻き回ること、すなわち、心室形成部材117を180度以上囲むことが好ましい。180度以上囲むことによって、心室形成部材117を拡張させたときに、拘束体118によって、心室形成部材117の変形を周方向で一様に規制することができる。これにより、心室形成部材117の周方向でほぼ均等にねじれを生じさせることができる。また、本実施形態の拘束体118は、螺旋が時計回りとなっているため、ねじれの方向を実際の心臓のねじれの方向に近づけることができる。
以上説明した、本実施形態の心臓モデル110によれば、図7に示すように、心室形成部材117によって形成された模擬心室117lumの外側に螺旋状の外形を有する拘束体118が配置されているため、模擬心室117lumを拡張させたとき、拘束体118によって、心室形成部材117の変形が規制されて心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。よって、この構成によれば、心臓モデル110において、簡易な構成によって、拡張収縮時のねじれを発生させることができる。
また、本実施形態の心臓モデル110によれば、拘束体118は、心室形成部材117よりも剛性の高い材料によって形成されているため、模擬心室117lumを拡張させたときに、心室形成部材117の変形を拘束体118によってより規制することができる。これにより、例えば、所望のねじれを発生させるために必要な拘束体118の大きさを小さくすることができる。よって、より簡易な構成によって、拡張収縮時のねじれを発生させることができる。
また、本実施形態の心臓モデル110によれば、拘束体118は、心臓モデル110の心基部116と心尖部114とを結ぶ軸線N方向から見たときに、心室形成部材117の外側を180度以上囲んでいる。そのため、心室形成部材117を拡張させたときに、拘束体118によって心室形成部材117の拡張を周方向に一様に規制することができる。これにより、心臓モデル110のねじれを実際の心臓のねじれにより近づけることができる。
また、本実施形態の心臓モデル110によれば、拘束体118は、模擬心室117lumの外側において、心臓モデル110の心基部116側から心尖部114側に向かって螺旋状に配置されている。そのため、心臓モデル110のねじれの方向を、実際の心臓のねじれの方向により近づけることができる。また、本実施形態の心臓モデル110によれば、拘束体118は、複数の固定部FPにおいて、心室形成部材117に固定されているため、拘束体118によって心室形成部材117をよりねじれやすくすることができる。
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態の心臓モデル110Aを説明するための図である。図10では、心臓モデル110Aのうちの心室形成部材117および拘束体118Aのみを示しており、心筋形成部材113や冠動脈モデル112の図示を省略している。第2実施形態の心臓モデル110Aは、第1実施形態の心臓モデル110(図7)と比較すると、拘束体の螺旋の巻き数(回転数)が異なる。第2実施形態の拘束体118Aは、心室形成部材117の外側を螺旋状に1回程度巻き回った構成となっている。それ以外の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図11は、図10の各A-A断面を例示した説明図である。図11(A)は、図10のA1-A1断面を例示している。図11(B)は、図10のA2-A2断面を例示している。図11(C)は、図10のA3-A3断面を例示している。図11(D)は、図10のA4-A4断面を例示している。図11(E)は、図10のA5-A5断面を例示している。ここでは、図11(A)のA1-A1断面における拘束体118の位置(心室形成部材117の右側)から軸線Nに伸びる直線と、図11(B)~(E)の各A-A断面における拘束体118の位置から軸線Nに伸びる直線と、のなす角をθ1(>0)とする。図11(B)では、θ1≒90度であり、図11(C)では、θ1≒180度であり、図11(D)では、θ1≒270度であり、図11(E)では、θ1≒360度となっている。このように、第2実施形態の拘束体118Aは、軸線N方向から見たときに、心室形成部材117の外側を180度以上囲んでいる。また、拘束体118Aは、心室形成部材117の外周において、心基部116から心尖部114に向かって時計回りに螺旋状に配置されている。
以上説明した、第2実施形態の心臓モデル110Aによれば、拘束体の螺旋の巻き数(回転数)は、第1実施形態の5回転よりも少なくてよい。第2実施形態の拘束体118Aのように螺旋の巻き数(回転数)が1回転あれば、拘束体118Aが心室形成部材117の外側を180度以上囲むことになるため、模擬心室を拡張させたときに、拘束体118Aによって心室形成部材117の拡張を周方向で一様に規制することができる。これにより、心臓モデル110Aのねじれを実際の心臓のねじれにより近づけることができる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態の心臓モデル110Bを説明するための図である。図12では、心臓モデル110Bのうちの心室形成部材117および拘束体118Bのみを示しており、心筋形成部材113や冠動脈モデル112の図示を省略している。第3実施形態の心臓モデル110Bは、第1実施形態の心臓モデル110(図7)と比較すると、拘束体の螺旋の巻き数(回転数)がさらに少ない。第3実施形態の拘束体118Bは、心室形成部材117の外側を螺旋状に半周程度巻き回った構成となっている。それ以外の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図13は、図12の各B-B断面を例示した説明図である。図13(A)は、図12のB1-B1断面を例示している。図13(B)は、図12のB2-B2断面を例示している。図13(C)は、図12のB3-B3断面を例示している。図13(D)は、図12のB4-B4断面を例示している。図13(E)は、図12のB5-B5断面を例示している。ここでは、図13(A)のB1-B1断面における拘束体118の位置(心室形成部材117の右側)から軸線Nに伸びる直線と、図13(B)~(E)の各B-B断面における拘束体118の位置から軸線Nに伸びる直線と、のなす角をθ2(>0)とする。図13(B)では、θ2≒45度であり、図13(C)では、θ2≒90度であり、図13(D)では、θ2≒135度であり、図13(E)では、θ2≒180度となっている。このように、第3実施形態の拘束体118Bは、軸線N方向から見たときに、心室形成部材117の外側を180度以上囲んでいる。また、拘束体118Bは、心室形成部材117の外周において、心基部116から心尖部114に向かって時計回りに螺旋状に配置されている。
以上説明した、第3実施形態の心臓モデル110Bによれば、拘束体の螺旋の巻き数(回転数)は、1回転未満であってもよい。第3実施形態の拘束体118Bのように螺旋の巻き数(回転数)が0.5回転以上あれば、拘束体118Bが心室形成部材117の外側を180度以上囲むため、模擬心室を拡張させたときに、拘束体118Bによって心室形成部材117の拡張を周方向で一様に規制することができる。
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態の心臓モデル110Cを説明するための図である。図14では、心臓モデル110Cのうちの心室形成部材117および拘束体118a、118b、118c、118dのみを示しており、心筋形成部材113や冠動脈モデル112の図示を省略している。第4実施形態の心臓モデル110Cは、第1実施形態の心臓モデル110(図7)と比較すると、拘束体の数および巻き数が異なる。第4実施形態の心臓モデル110Cは、心室形成部材117の外側に4つの拘束体118a、118b、118c、118dが配置されている。各拘束体118a、118b、118c、118dは、心室形成部材117の外側を螺旋状に半周程度巻き回った構成となっている。4つの拘束体118a、118b、118c、118dは、心室形成部材117の周方向にほぼ等間隔に並んで配置されている。それ以外の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図15は、図14の各C-C断面を説明するための図である。図15(A)は、図14のC1-C1断面を例示している。図15(B)は、図14のC2-C2断面を例示している。図15(C)は、図14のC3-C3断面を例示している。図15(D)は、図14のC4-C4断面を例示している。図15(E)は、図14のC5-C5断面を例示している。ここでは、図15(A)のC1-C1断面における拘束体118aの位置(心室形成部材117の右側)から軸線Nに伸びる直線と、図15(B)~(E)の各C-C断面における拘束体118aの位置から軸線Nに伸びる直線と、のなす角をθ3(>0)とする。図15(B)では、θ3≒45度であり、図15(C)では、θ3≒90度であり、図15(D)では、θ3≒135度であり、図15(E)では、θ3≒180度となっている。このように、4つの拘束体118a、118b、118c、118dは、心基部116から心尖部114にかけて、心室形成部材117の周方向にほぼ等間隔に並んで配置されており、軸線N方向から見たときに、それぞれ、心室形成部材117の外側を180度以上囲んでいる。また、拘束体118a、118b、118c、118dは、心室形成部材117の外周において、心基部116から心尖部114に向かってそれぞれ時計回りに螺旋状に配置されている。
以上説明した、第4実施形態の心臓モデル110Cによれば、心室形成部材117の外側に配置される拘束体の本数は、1本に限定されず複数とすることができる。第4実施形態の心臓モデル110Cのように、心基部116から心尖部114にかけて、複数の拘束体118a、118b、118c、118dが、心室形成部材117の周方向にほぼ等間隔に並んで配置されていれば、模擬心室を拡張させたときに、拘束体118a、118b、118c、118dによって心室形成部材117の拡張を周方向で一様に規制することができる。また、第4実施形態の心臓モデル110Cのように、各拘束体118a、118b、118c、118dの螺旋の巻き数(回転数)が0.5回転以上あれば、各拘束体118a、118b、118c、118dが心室形成部材117の外側を180度以上囲むため、模擬心室を拡張させたときに、各拘束体118a、118b、118c、118dによって心室形成部材117の拡張を周方向でさらに一様に規制することができる。心室形成部材117の外側に配置される拘束体の本数は、1~8本の範囲が好ましい。
<第5実施形態>
図16は、第5実施形態の心臓モデル110Dを説明するための図である。図16では、心臓モデル110Dのうちの心室形成部材117および拘束体118Dのみを示しており、心筋形成部材113や冠動脈モデル112の図示を省略している。第5実施形態の心臓モデル110Dは、第1実施形態の心臓モデル110(図7)と比較すると、拘束体の形状および巻き数が異なる。第5実施形態の拘束体118Dは、螺旋階段状の外形を有している。すなわち、拘束体118Dは、複数の屈曲部を備えており、心室形成部材117の周方向に沿った部分と、これに直交する部分とが屈曲部を介して交互に繰り返される形状を有している。拘束体118Dは、この螺旋階段状の外形で心室形成部材117の外側を1周程度巻き回っている。それ以外の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
以上説明した、第5実施形態の心臓モデル110Dによれば、拘束体の形状は、完全な螺旋形状に限定されない。拘束体118は、心室形成部材117の表面において、軸線N方向の位置が互いに異なる部分を有しており、かつ、心室形成部材117の周方向の位置が互いに異なる部分を有していればよい。このように構成されていれば、模擬心室を拡張させたとき、拘束体118によって、心室形成部材117の変形が規制されて心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。第5実施形態の拘束体118Dは、一方の端部の軸線N方向の位置と、他方の端部の軸線N方向の位置とが、異なっており、巻き数(回転数)が1回転以上あるため、心室形成部材117の周方向の位置が互いに異なる部分を有している。そのため、第5実施形態の拘束体118Dによっても、心室形成部材117の変形が規制されて心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。
<第6実施形態>
図17は、第6実施形態の心臓モデル110Eを説明するための図である。図17では、心臓モデル110Eのうちの心室形成部材117および拘束体118Eのみを示しており、心筋形成部材113や冠動脈モデル112の図示を省略している。第6実施形態の心臓モデル110Eは、第1実施形態の心臓モデル110(図7)と比較すると、拘束体の形状、数、および、巻き数が異なる。第6実施形態の心臓モデル110Eは、心室形成部材117の外側に4つの拘束体118e、118f、118g、118hが配置されている。各拘束体118e、118f、118g、118hは、螺旋形状を有しておらず、心室形成部材117の外側を周方向に半周程度巻き回ったU字形状を有している。4つの拘束体118e、118f、118g、118hは、それぞれ、軸線N方向における位置が互いに異なっており、心基部116側から心尖部114側に向かって、拘束体118e、拘束体118f、拘束体118g、拘束体118hの順に並んで配置されている。また、4つの拘束体118e、118f、118g、118hは、心室形成部材117の周方向における位置が、拘束体118eと拘束体118gが等しく、これらと対向する位置に、拘束体118fと拘束体118hが配置されている。これにより、軸線N方向から見たときに、拘束体118eと拘束体118fによって、および、拘束体118gおよび拘束体118hによって、心室形成部材117の外側を1周程度巻き回った構成となっている。それ以外の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
以上説明した、第6実施形態の心臓モデル110Eによれば、拘束体の形状は、螺旋形状に限定されない。また、拘束体118が複数ある場合、複数の拘束体118が全体として、心室形成部材117の表面において、軸線N方向の位置が互いに異なる部分を有しており、かつ、心室形成部材117の周方向の位置が互いに異なる部分を有していればよい。このように構成されていれば、模擬心室を拡張させたとき、拘束体118によって、心室形成部材117の変形が規制されて心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。第6実施形態の4つの拘束体118e、118f、118g、118hは、4つの拘束体118e、118f、118g、118hが全体として、軸線N方向の異なる位置に存在しており、巻き数(回転数)が1回転以上あるため、心室形成部材117の周方向の位置が互いに異なる部分を有している。そのため、第6実施形態の拘束体118e、118f、118g、118hによっても、心室形成部材117の変形が規制されて心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。
<第7実施形態>
図18は、第7実施形態の心臓モデル110Fを説明するための図である。図18では、心臓モデル110Fのうちの心室形成部材117および拘束体119a、119b、119c、119dのみを示しており、心筋形成部材113や冠動脈モデル112の図示を省略している。第7実施形態の心臓モデル110Fは、第1実施形態の心臓モデル110(図7)と比較すると、拘束体の構成、数、および、巻き数が異なる。第7実施形態の心臓モデル110Fは、心室形成部材117の外側に4つの拘束体119(119a、119b、119c、119dが配置されている。各拘束体119は、心室形成部材117の外側を螺旋状に半周程度巻き回った構成となっている。4つの拘束体119は、心室形成部材117の周方向にほぼ等間隔に並んで配置されている。4つの拘束体119は、それぞれ、内腔を有する長尺の風船状の部材であり、天然ゴムや樹脂によって形成されている。拘束体119は、内腔と連通する開口部が管状体115の基端115pに接続されている。4つの拘束体119は、管状体115からの流体の供給・吸出によって、拡張収縮可能となっている。
図19は、拘束体119の拡張時における心室形成部材117と拘束体119の状態を説明するための図である。拘束体119の内腔を加圧すると、拘束体119の外形は、螺旋形状から直線形状に近づく。このとき、心室形成部材117は、拘束体119の変形に追従して、心基部116側と心尖部114側との間で相対的な位置がずれ、ねじれが生じる。拘束体119を収縮させると、拘束体119の外形は、直線形状から螺旋形状に再度近づく。このとき、心室形成部材117は、拘束体119が螺旋形状に戻ることに追従して、ねじれが解消する。
以上説明した、第7実施形態の心臓モデル110Fによれば、拘束体は心室形成部材117の変形を規制する部材に限定されない。例えば、第7実施形態の心臓モデル110Fのように、拘束体119は内腔を備え、内腔を加圧することによって、心室形成部材117にねじれを生じさせてもよい。この構成によっても、心臓モデル110Fのような簡易な構成によって、拡張収縮時のねじれを発生させることができる。
<第8実施形態>
図20は、第8実施形態の心臓モデル110Gを説明するための図である。第8実施形態の心臓モデル110Gは、第1実施形態の心臓モデル110(図7)と比較すると、心室形成部材117を備えていない点が異なる。第8実施形態の心臓モデル110Gは、心筋形成部材113の内側に中空の模擬心室113lumが形成されている。すなわち、第8実施形態では、心筋形成部材113が心室形成部材としても機能する。模擬心室113lumは管状体115と連通しており、管状体115からの流体の供給・吸出によって、拡張収縮可能となっている。模擬心室113lumの内側には、拘束体118が配置されている。拘束体118は、第1実施形態と同様の構成であり、時計回りの螺旋状の素線によって形成されている。拘束体118は、全体が、模擬心室113lumの内側表面と接触し、全体が固定されている。この構成によれば、模擬心室113lumを拡張させたときに、模擬心室113lumの一様な拡張を拘束体118によってより規制することができる。これにより、心臓モデル110Gは、拡張収縮時にねじれを発生させることができる。
以上説明した、第8実施形態の心臓モデル110Gによれば、心臓モデルは心室形成部材117を備えていなくてもよい。例えば、第8実施形態の心臓モデル110Gのように、心筋形成部材113によって形成された模擬心室113lumに拘束体118を配置することによっても、模擬心室113lumの拡張時に、模擬心室113lumの一様な拡張を拘束体118によってよって規制することができる。このように、心臓モデル110Gのような簡易な構成によっても、拡張収縮時にねじれを発生させることができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
図21は、変形例1の心臓モデルを説明するための図である。図21(A)は、第1実施形態の心臓モデル110(図7)の心筋形成部材113、心室形成部材117、および、拘束体118の一部分を示した断面図である。図21(A)の左側は、心室形成部材117の内側の模擬心室117lumを示している。第1実施形態の拘束体118(図7)は、全体が心室形成部材117と接触しているものとした。しかし、図21(B)に示す心臓モデル110Hのように、拘束体118の少なくとも一部は、心室形成部材117と接触していなくてもよい。この場合であっても、心室形成部材117の拡張時に拘束体118によって心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。
また、第1実施形態の拘束体118は、円形断面の素線によって形成されているものとした。しかし、拘束体118の断面は、円形に限定されず、任意の形状とすることができる。例えば、図21(C)に示す心臓モデル110Jのように、拘束体118Jの断面は、半円形状であってもよい。また、図21(D)に示す心臓モデル110Kのように、拘束体118Kは中空であってもよいし、矩形断面であってもよい。
また、第1実施形態の拘束体118は、心室形成部材117とは異なる材料で形成されているものとした。しかし、拘束体118は、心室形成部材117と同じ材料によって形成されていてもよいし、心室形成部材117と一体的に形成されていてもよい。例えば、図21(E)に示す心臓モデル110Lのように、心室形成部材117Lの表面に螺旋状の突起部117proが形成されていてもよい。この場合であっても、心室形成部材117Lの拡張時に、突起部117proを有する部分と、有していない部分とで変形量(拡張変形の程度)に差異が生じるため、心室形成部材117Lにねじれを生じさせることができる。また、図21(F)に示す心臓モデル110Mのように、拘束体の代わりに、心室形成部材117Mの表面に螺旋状の凹部117reが形成されていてもよい。この場合であっても、心室形成部材117Mの拡張時に、凹部117reが形成されている部分と、有していない部分とで変形量に差異が生じるため、心室形成部材117Mにねじれを生じさせることができる。
[変形例2]
図22は、変形例2の心臓モデルを説明するための図である。図22(A)は、第8実施形態の心臓モデル110G(図20)の心筋形成部材113、模擬心室113lum、および、拘束体118の一部分を示した断面図である。図22(A)の左側は、心室形成部材117の内側の模擬心室113lumを示している。第8実施形態の拘束体118(図20)は、その全体が模擬心室113lumの内側表面と接触しているものとした。しかし、図22(B)に示す心臓モデル110Nのように、拘束体118は、全体ではなく、一部が模擬心室113lumの内側表面と接触・固定されていてもよい。この場合であっても、模擬心室113lumの拡張時に拘束体118によって心筋形成部材113にねじれを生じさせることができる。
また、第8実施形態の拘束体118は、円形断面の素線によって形成されているものとした。しかし、拘束体118の断面は、円形に限定されず、任意の形状とすることができる。例えば、図22(C)に示す心臓モデル110Pのように、拘束体118Pの断面は、半円形状であってもよい。また、図22(D)に示す心臓モデル110Qのように、拘束体118Qは中空であってもよいし、矩形断面であってもよい。
また、第8実施形態の拘束体118は、心筋形成部材113とは異なる部材で形成されているものとした。しかし、拘束体118は、心筋形成部材113と同じ部材によって形成されていてもよいし、心筋形成部材113と一体的に形成されていてもよい。例えば、図22(E)に示す心臓モデル110Rのように、心筋形成部材113Rの内側表面に螺旋状の突起部113proが形成されていてもよい。この場合であっても、心筋形成部材113Rの拡張時に、突起部113proを有する部分と、有していない部分とで変形量(拡張変形の程度)に差異が生じるため、心筋形成部材113Rにねじれを生じさせることができる。また、図22(F)に示す心臓モデル110Sのように、拘束体の代わりに、心筋形成部材113Sの表面に螺旋状の凹部113reが形成されていてもよい。この場合であっても、心筋形成部材113Sの拡張時に、凹部113reが形成されている部分と、有していない部分とで変形量に差異が生じるため、心筋形成部材113Sにねじれを生じさせることができる。
[変形例3]
第1実施形態では、拘束体118は、固定部FPにおいて部分的に心室形成部材117に固定されているものとした。しかし、拘束体118は、全体が心室形成部材117に固定されていてもよいし、全体が心室形成部材117に固定されていなくてもよい。これらの場合であっても、心室形成部材117の拡張時に拘束体118によって心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。
[変形例4]
第1~5、7、8実施形態では、拘束体118は、時計回りの螺旋形状を有しているものとした。しかし、拘束体118は、逆時計回りの螺旋形状であってもよい。この場合であっても、心室形成部材117の拡張時に拘束体118によって心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。なお、拘束体118は、時計回りの螺旋形状とする方がより実際の心臓のねじれに近づけることができるため好ましい。また、拘束体118は、心室形成部材117の外側において、心基部116から心尖部114に向かって螺旋状に配置されているものとした。しかし、拘束体118は、それ以外の方向に向かって螺旋状に配置されていてもよい。この場合であっても、心室形成部材117の拡張時に拘束体118によって心室形成部材117にねじれを生じさせることができる。なお、拘束体118は、心室形成部材117の外側において、心基部116から心尖部114に向かって螺旋状に配置されている方がより実際の心臓のねじれに近づけることができるため好ましい。
[変形例5]
第1~7実施形態で例示した拘束体118は、その一例であり、拘束体118の形状はこれらに限定されない。拘束体118は、心室形成部材117の表面において、軸線N方向の位置が異なる部分を有しており、かつ、心室形成部材117の周方向の位置が異なる部分を有していれば、第1~7実施形態で例示した形状以外の形状であってもよい。なお、拘束体118は、心基部116から心尖部114を見たときに、心室形成部材117の周りを90度以上回っていれば、心臓に似せたひずみを発生させることができる。なお、180度以上回っていることが好ましい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…人体シミュレーション装置
10…モデル
20…収容部
21…水槽
22…被覆部
31…管状体
40…制御部
45…入力部
50…脈動部
51…管状体
55…フィルタ
56…循環ポンプ
57…脈動ポンプ
60…拍動部
61…管状体
70…呼吸動作部
71、72…管状体
110、110A~K…心臓モデル
111…心臓血管モデル
112…冠動脈モデル
113…心筋形成部材
114…心尖部
115…管状体
116…心基部
117…心室形成部材
118、119…拘束体
120…肺モデル
130…脳モデル
131…脳血管モデル
140…肝臓モデル
141…肝臓血管モデル
150…下肢モデル
151…下肢血管モデル
160…大動脈モデル
161…上行大動脈部
162…大動脈弓部
163…腹部大動脈部
164…総腸骨大動脈部
170…横隔膜モデル

Claims (8)

  1. 心臓モデルであって、
    模擬心室を形成し、前記模擬心室が拡張収縮するように変形可能な心室形成部と、
    前記模擬心室の外側に設けられ、螺旋状の外形を有しており、前記模擬心室の拡張時に、前記心室形成部の変形を規制して前記心室形成部にねじれを生じさせるねじれ生成部と、を備え、
    前記ねじれ生成部は、前記心室形成部よりも剛性の高い材料によって形成されており
    前記ねじれ生成部は、前記模擬心室の外側に巻き回された素線である、
    心臓モデル。
  2. 請求項1に記載の心臓モデルであって、
    前記ねじれ生成部は、前記心臓モデルの心基部と心尖部とを結ぶ軸線方向から見たときに、前記模擬心室の外側を180度以上囲んでいる、
    心臓モデル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の心臓モデルであって、
    前記ねじれ生成部は、前記模擬心室の外側において、前記心臓モデルの心基部側から心尖部側に向かって螺旋状に配置されている、
    心臓モデル。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の心臓モデルであって、
    前記ねじれ生成部は、前記模擬心室の外側に複数配置されている、
    心臓モデル。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の心臓モデルであって、
    前記ねじれ生成部は、時計回りの螺旋形状を有している、
    心臓モデル。
  6. 請求項1に記載の心臓モデルであって、
    前記ねじれ生成部は、複数の箇所において、前記心室形成部に固定されている、
    心臓モデル。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の心臓モデルであって、
    前記心室形成部は、風船状の部材であり、
    前記ねじれ生成部は、前記心室形成部の外表面に設けられており、
    前記心臓モデルは、さらに、
    前記心室形成部と前記ねじれ生成部の両方を覆う模擬心筋を形成する心筋形成部を備えている、
    心臓モデル。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の心臓モデルは、さらに、
    前記模擬心室の内部に流体を供給して前記模擬心室を拡張させるとともに、前記模擬心室の内部から流体を取り出すことによって前記模擬心室を収縮させることが可能な拍動部を備えている、
    心臓モデル。
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