JP2020091145A - 配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置 - Google Patents

配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測定箇所が狭い場所にあっても、配管を減肉させる対向物を除去することなく、簡単に精度良く厚さ測定が可能な配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置を提供する。【解決手段】ボイラ装置内に設置される配管10と対向物12が、当接又は僅少の隙間を有した状態で対向配置され、接触により配管10に生じた減肉部13の厚みを測定する方法において、超音波の送信用探触子52及び受信用探触子53を、深さの異なる複数の擬似減肉部が形成された校正用配管の表面に所定の間隔を有して配置し、擬似減肉部で反射される超音波の伝搬時間と擬似減肉部の実際の厚みとの関係を求める準備工程と、送信用探触子52及び受信用探触子53を、減肉部13が形成された配管10の表面に前記間隔を有して配置し、減肉部13で反射される超音波の伝搬時間を求め、準備工程で求めた関係から、減肉部13の厚みを求める減肉部厚み測定工程を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラ装置内に設置される配管と対向物(例えば、支持金物や他の配管)との接触により生じる配管の減肉部の厚みを測定する配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置に関する。
例えば、火力発電所におけるボイラ装置の内部に設置される過熱器や再熱器等の熱交換器は、多数の伝熱管(配管)が並列して配設されることにより構成されている。このようなボイラ装置のうち、火炉の上部に吊下げられる吊下げ式の熱交換器においては、その外部を流れる燃焼ガスによって運転中に伝熱管がばたつくことがある。このようなばたつきを回避するため、伝熱管にフレキシブルスペーサと呼ばれる金具(支持金物)を溶接し、隣接する伝熱管に設けられたフレキシブルスペーサ(以下、単にスペーサとも記載)同士を互いに係合させることで、隣り合う伝熱管間の相対的な位置を規制することが一般的である。
しかし、上記した構成では、スペーサの係合部分において伝熱管とスペーサとが擦れ合い、伝熱管の外壁に磨耗や減肉が生じることがあるため、生じた減肉部の大きさを定期的に測定し、必要に応じて伝熱管の交換等のメンテナンスを行う必要があった。
このメンテナンスは、目視確認により減肉が疑われる部位を検出し、この検出部位に対向するスペーサを切断して減肉部の厚みを直接測定することで、実施されている。
また、特許文献1には、伝熱管の外壁面における減肉部の表面に超音波探触子(超音波振動子)を直接押し当てて超音波を入射し、底面(内壁面)から反射される複数の底面エコーを受信し、連続して受信した底面エコーの受信時間差データに基づいて、減肉部の厚さを測定する方法が開示されている。
特開2012−21930号公報
上記したように、減肉の検出部位に対向するスペーサを切断するのは、伝熱管とスペーサとが、僅少の隙間(例えば、2mm程度)を有した状態、更には当接した状態で対向配置され、測定箇所が狭い場所にあることによる。
このため、検査終了後は、溶接により伝熱管にスペーサを取付ける必要があり、復旧を含めた工期が長くかかると共に、コストの上昇を招いていた。
また、測定箇所に超音波探触子を装入し配置できる程度の空間があれば、特許文献1のように、減肉部の表面に超音波探触子を直接押し当てることができるが、上記したように、測定箇所は狭い場所にあることから(隙間:2mm程度以下)、たとえ薄型の超音波探触子を製造し使用しても、減肉部の表面に超音波探触子を直接押し当てることができない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、測定箇所が狭い場所にあっても、配管を減肉させる対向物を除去することなく、簡単に精度良く厚さ測定が可能な配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る配管減肉部の厚さ測定方法は、ボイラ装置内に設置される配管と対向物とが、当接又は僅少の隙間を有した状態で対向配置され、前記ボイラ装置の使用に際し、前記配管と前記対向物との接触により前記配管に生じた減肉部の厚みを測定する方法において、
超音波の送信用探触子及び受信用探触子を、深さの異なる複数の擬似減肉部が形成された校正用配管の表面に所定の間隔を有して配置し、前記送信用探触子から前記校正用配管に進入し前記擬似減肉部を介して前記受信用探触子に届く超音波の伝搬時間を求め、該超音波の伝搬時間と前記擬似減肉部の実際の厚みとの関係を求める準備工程と、
前記送信用探触子及び前記受信用探触子を、前記減肉部が形成された前記配管の表面に前記間隔を有して配置し、前記送信用探触子から前記配管に進入し前記減肉部を介して前記受信用探触子に届く超音波の伝搬時間を求め、前記準備工程で求めた前記関係から、前記減肉部の厚みを求める減肉部厚み測定工程とを有する。
この前記送信用探触子及び前記受信用探触子はそれぞれ斜角探触子であることが好ましい。
ここで、前記対向物は、前記配管に隣り合って平行に配置された他の配管に設けられた第1の支持金物であって、前記配管に設けられた第2の支持金物と前記第1の支持金物との係合により、前記配管と前記他の配管とを自由度を有した状態で連結してもよい。
また、前記対向物は、前記配管に隣り合って交差状態で配置される他の配管であってもよい。
前記目的に沿う第2の発明に係る配管減肉部の厚さ測定装置は、第1の発明に係る配管減肉部の厚さ測定方法に用いる配管減肉部の厚さ測定装置であって、平面視してΠ字状となった支持部材を有し、該支持部材の両側先部に前記送信用探触子と前記受信用探触子がそれぞれ設けられている。
本発明に係る配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置は、超音波の送信用探触子及び受信用探触子を、深さの異なる複数の擬似減肉部が形成された校正用配管の表面に所定の間隔を有して配置し、擬似減肉部で反射される超音波の伝搬時間と擬似減肉部の実際の厚みとの関係を求める準備工程を有するので、配管の仕様(形状や材質)に対応した校正ができる。
更に、送信用探触子及び受信用探触子を、減肉部が形成された配管の表面に前記間隔を有して配置し、減肉部で反射される超音波の伝搬時間を求め、準備工程で求めた関係から、減肉部の厚みを求める減肉部厚み測定工程を有するので、従来のように、探触子を減肉部に直接配置することなく、減肉部の厚みを求めることができる。
従って、配管と対向物とが当接又は僅少の隙間を有した状態で対向配置され、配管が対向物に接触することで発生する減肉部(測定箇所)が狭い場所にあっても、対向物を除去することなく簡単に、精度良く厚さ測定ができる。
(A)は本発明の一実施の形態に係る配管減肉部の厚さ測定方法の説明図、(B)〜(D)は同配管減肉部の厚さ測定方法における超音波の伝搬経路を示す説明図である。 (A)は同配管減肉部の厚さ測定方法を適用するボイラ装置内の配管の側面図、(B)は(A)の平断面図、(C)は同配管減肉部の厚さ測定方法を適用する他のボイラ装置内の配管の説明図、である。 (A)、(B)はそれぞれ同配管減肉部の厚さ測定方法に用いる配管減肉部の厚さ測定装置の正面図、側面図である。 (A)、(B)は同配管減肉部の厚さ測定方法の測定原理の説明図である。 校正用配管を用いて得られた超音波の伝搬時間とエコー高さを示すグラフである。 減肉部が発生した配管を用いて得られた超音波の伝搬時間とエコー高さを示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る配管減肉部の厚さ測定方法は、火力発電所のボイラ装置内に設置される配管(伝熱管)10と、この配管10に隣り合って平行に配置される他の配管(伝熱管)11に設けられた対向物である雌型スペーサ(雌型フレキシブルスペーサ:第1の支持金物の一例)12とが、当接又は僅少の隙間を有した状態で対向配置され、ボイラ装置の使用に際し、配管10と雌型スペーサ12との接触(擦れ合い)により配管10に生じた減肉部13、14の厚みを測定する方法である。以下、詳しく説明する。
配管10、11は、熱交換器を構成するものであり、図2(A)、(B)に示すように、他の配管11に設けられた雌型スペーサ12と、配管10に設けられた雄型スペーサ(雄型フレキシブルスペーサ:第2の支持金物の一例)15との係合により、配管10、11を自由度を有した状態で連結するものである。これにより、ボイラ装置の使用時における配管10と配管11との間隔の維持と、各配管10、11の熱膨張に伴う軸心方向の伸縮に対応させることができる。
雄型スペーサ15は、断面T字状となって、その長手方向を配管10の軸心方向に合わせた状態で、その基部(幅狭部)が配管10の外表面に溶接により取付け固定されている。
また、雌型スペーサ12は、対となる係合部16、17を有し、雄型スペーサ15をその両側から挟み込むように、その基部が他の配管11の外表面に溶接により取付け固定されている。この各係合部16、17には、その延在方向中央部に、雄型スペーサ15の嵌合溝18、19に向けて突出する係止部20、21が設けられ(各係合部20、21は断面ト字状)、雄型スペーサ15と雌型スペーサ12との係合状態が維持される。
雌型スペーサ12の係合部16は、図1(A)、図2(A)に示すように、側面視して凹状(コ字状、Π(ギリシャ文字の大文字のパイ)字状)となっており、その長手方向両側に位置する突出部22、23が、ボイラ装置の使用に際し、配管10の外表面に接触している(係合部17も同様)。
この配管10と雌型スペーサ12の突出部22とは、僅少の隙間(例えば、2mm程度)を有した状態、更には当接した状態(隙間がない状態)で対向配置されている。このため、ボイラ装置の使用時に、突出部22の先端面と配管10の外表面とが擦れ合って生じる減肉部13(測定箇所)は狭い場所にあり、減肉部13を直接測定することが困難であった(減肉部14も同様)。この減肉部13の大きさは、雌型スペーサ12の突出部22の大きさにもよるが、配管10の軸心方向の幅(内幅)Wが、例えば、2cm以下(更には1.5cm以下、1cm以下)程度である(図1(C)、(D)参照)。
また、減肉部を直接測定することが困難な形態としては、図2(C)に示すものがある。
ボイラ装置の節炭器(熱交換器)には吊下管30が設けられ、この吊下管30の両側方にはそれぞれ、上下方向に間隔を有して4本(複数本)の蒸気配管31〜34が吊下管30に隣り合って交差状態(ここでは直交状態)で配置されている。なお、吊下管30に交差状態で配置される蒸気配管は1本でもよい。
この上から1列目と4列目の蒸気配管31、34は、吊下管30とは接触しないように固定配置されているが、2列目と3列目の蒸気配管32、33は、吊下管30とは当接又は僅少の隙間を有した状態で対向配置されている。
このため、吊下管30と蒸気配管32、33との接触(擦れ合い)により、吊下管30に減肉部35、36が発生する(この場合、吊下管30は減肉部35、36が発生する配管となり、蒸気配管32、33が対向物となる)。このとき、蒸気配管32、33にも減肉部37、38が発生することになる(この場合、蒸気配管32、33は減肉部37、38が発生する配管となり、吊下管30が対向物となる)。
なお、減肉部35〜38の大きさは、吊下管30や蒸気配管32、33の外径にもよるが、吊下管30や蒸気配管32、33の軸心方向の幅(内幅)が、例えば、2cm以下(更には1.5cm以下、1cm以下)程度である。
図1(A)に示す配管10に発生した減肉部13、14の厚みを測定するに際しては、図3(A)、(B)に示す配管減肉部の厚さ測定装置(以下、単に厚さ測定装置とも記載)50を用いる。
厚さ測定装置50は、平面視してΠ字状(コ字状、U字状)となった支持部材51と、支持部材51の両側先部(両側の突出部の先端部)に設けられた超音波の送信用探触子52及び受信用探触子53と、超音波探傷器(図示しない)とを有している。この超音波探傷器は、送信用探触子52から配管10に横波を入射させる駆動信号を送信用探触子52に入力し、配管10の厚み方向の表面と裏面で反射する後述する複数回のスキップを行い受信用探触子53に届く超音波が受信された際に受信用探触子53から出力されるエコー信号を取り出して厚みを算出する従来公知のものである。
超音波の送信用探触子52及び受信用探触子53はそれぞれ、従来公知の斜角探触子であり、図1(A)〜(D)、図4(A)、(B)に示すように、それぞれ信号の入出力用の信号ケーブル54、55が接続された超音波振動素子56、57と、この超音波振動素子56、57を収納する探触子ケース58、59とを有している。
この送信用探触子52は、配管10の表面に接触させた際に、配管10に一定の入射角、例えば、接触面60の垂線との角度(屈折角)θが45度以上(好ましくは75度以下)の角度範囲で超音波(横波)が進入するように、探触子ケース58内における超音波振動素子56の角度及び位置が調整されている。また、受信用探触子53は、配管10の表面に接触させた際に、配管10に一定の入射角、例えば、接触面61の垂線との角度(屈折角)θが45度以上(好ましくは75度以下)の角度範囲で超音波(横波)が入射するように、探触子ケース59内における超音波振動素子57の角度及び位置が調整されている(後述する校正用配管に対しても同様)。
上記した送信用探触子52及び受信用探触子53を、Π字状となった支持部材51の両側先部に設けることで、送信用探触子52と受信用探触子53の間隔(探触子間隔)Yを一定に保持できると共に、雌型スペーサ12の係合部16、17の突出部22を挟んでその両側に、送信用探触子52と受信用探触子53を容易に配置できる(突出部23も同様)。なお、送信用探触子52と受信用探触子53との所定の間隔Yは、送信用探触子52及び受信用探触子53のいずれか一方又は双方を、支持部材に対して摺動可能に設けることで、調整可能にすることもできる。
この雌型スペーサ12の係合部16、17の対向する突出部22、23間に形成される凹部62の内表面(配管10との対向面)63と、配管10の外表面との間隔Sは、例えば、3.5mm程度であることから、探触子ケース58、59(送信用探触子52と受信用探触子53)の厚みを、上記した間隔Sよりも狭く(例えば、3mm以下、更には2.5mm以下)することが好ましい。
ここで、厚さ測定方法に用いる測定原理について説明する。
図1(A)に示すように、送信用探触子52及び受信用探触子53を、減肉部13が中央部となるようにその両側の配管10の外表面に、配管10の軸心に沿って配置する。なお、送信用探触子52と受信用探触子53との間隔Yは、減肉部13のない健全な状態の配管において、超音波の強度が最も強くなるように設定されている(配管の厚みを基準として、使用する送信用探触子52及び受信用探触子53の屈折角θから設定している)。具体的には、送信用探触子52から配管10の表面に進入し裏面で反射して表面に戻る過程を1スキップと称すると、送信用探触子52から配管10に進入した超音波が2回のスキップを行って受信用探触子53に入射するように設定されている。
超音波は、配管が健全な(減肉部がない)場合、図1(B)に示すように、送信用探触子52から配管の表面に進入し、配管の裏面、表面、裏面でそれぞれ反射して、受信用探触子53に入射する伝搬経路(伝播経路)を通る。一方、配管に減肉部が発生した場合、図1(C)、(D)に示すよう、送信用探触子52から配管の表面に進入し、配管の裏面、減肉部の底面、配管の裏面でそれぞれ反射して、受信用探触子53に入射する伝搬経路(伝播経路)を通る。
このように、配管に減肉部が発生すると、配管に進入した超音波は減肉部の底面で反射されるため、超音波の伝搬距離(伝播距離)は減肉部がない場合と比較して短くなる。なお、減肉部の深さが深くなるに伴い、超音波の伝搬距離は更に短くなる。
これは、図4(A)、(B)から明らかである。
配管が健全な(減肉部がない)場合、超音波は、図4(A)に示すように、送信用探触子52から配管の表面に進入し、配管の裏面、表面、裏面でそれぞれ、角度θ1で反射して、受信用探触子53に入射する。
一方、配管に減肉部が発生した場合、超音波は、図4(B)に示すよう、送信用探触子52から配管の表面に進入し、配管の裏面、減肉部の底面、配管の裏面でそれぞれ、上記した角度θ1よりも小さな角度θ2で反射して、受信用探触子53に入射することになる。なお、図4(B)中の二点鎖線は、配管が健全な場合の超音波の伝搬経路である。
このため、例えば、配管が健全な状態での超音波の伝搬距離、即ち伝搬時間(伝播時間)を基準とし、伝搬の時間の変化(差や比率)を求めることで、配管の減肉部の厚みを求めることができる。
本発明の一実施の形態に係る配管減肉部の厚さ測定方法は、上記した測定原理を用いた方法であり、図1に示すように、配管10と雌型スペーサ12の係合部16の突出部22、23との接触(擦れ合い)により配管10に生じた減肉部13、14の厚みを測定するため、以下に示す準備工程と減肉部厚み測定工程を有している。なお、本実施の形態においては、配管10に生じた減肉部13、14の厚みを、配管減肉部の厚さ測定装置50を用いて測定しているが、所定の間隔Yを有して配置される超音波の送信用探触子52及び受信用探触子53を備えていれば、他の構成の装置を用いて測定することもできる。
(準備工程)
間隔Yを有して配置される超音波の送信用探触子52及び受信用探触子53を、校正用配管の外表面に接触媒質(例えば、水、グリセリン、グリース等の音波を通し易い物質)を介して配置する。
この送信用探触子52と受信用探触子53との間隔Yは、送信用探触子52から校正用配管に進入した超音波が2回のスキップを行って受信用探触子53に入射するように設定されている(支持部材51への取付け位置が設定されている)。
また、校正用配管は、減肉部13、14が発生した配管10と同じ仕様(形状や材質)のものであり、この校正用配管には、人為的に、深さの異なる複数の擬似減肉部が形成されている(例えば、0.5mm程度から3.0mm程度まで0.5mmごと:合計6個)。
ここで、各擬似減肉部の実際の厚みは、例えば、擬似減肉部の表面に垂直探触子を配置し、得られる超音波の伝搬時間から求められる。
送信用探触子52と受信用探触子53による擬似減肉部の厚みの測定は、送信用探触子52と受信用探触子53を、擬似減肉部が中央部となるようにその両側の校正用配管の外表面に、校正用配管の軸心に沿うように配置する操作を、各擬似減肉部に対して行うことで実施する。これにより、送信用探触子52から校正用配管に進入し擬似減肉部を介して受信用探触子53に届く超音波の伝搬時間が、各擬似減肉部から得られるため、超音波探触器によって各擬似減肉部の厚みが算出される。
そして、送信用探触子と受信用探触子によって得られた擬似減肉部の厚みを、垂直探触子によって得られた擬似減肉部の実際の厚みで校正し、擬似減肉部の実際の厚みと超音波の伝搬時間との関係を求める。
(減肉部厚み測定工程)
間隔Yを有する送信用探触子52及び受信用探触子53を、減肉部13が中央部となるようにその両側の配管10の外表面に、配管10の軸心に沿うように、接触媒質を介して配置する。このとき、受信用探触子53を、雌型スペーサ12の係合部16の凹部62内に配置しているが、送信用探触子52を配置してもよい。
そして、送信用探触子52から配管10に進入し減肉部13を介して受信用探触子53に届く超音波の伝搬時間を求め、準備工程で求めた関係から減肉部13の厚みを求める。
上記した方法で、一方の減肉部13の厚みを求めた後は、送信用探触子52及び受信用探触子53を、他方の減肉部14が中央部となるようにその両側の配管10の外表面に、配管10の軸心に沿うように、接触媒質を介して配置して減肉部14の厚みを求める。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、発電所のボイラ装置内に設置された熱交換器を構成する配管を用い、この配管と雌型スペーサの係合部の突出部との接触により、配管に生じた減肉部の厚みを測定した結果について説明する。
配管は、外径約50mm、公称肉厚8.0mmの鋼管であり、発生した4箇所の減肉部(後述する表2の(a)〜(d))について厚み測定を行った。
超音波探傷器には、EPOCH650(オリンパス(株)製)を使用した。
超音波探触子には、コンポジット斜角探触子 5K5×5A45(ジャパンプローブ(株)製)を使用した。なお、送信用探触子と受信用探触子との間隔Yは、31mmに調整した。
接触媒質には、ソニコート BS400(太陽日酸ガス&ウェルディング(株)製)を使用した。
まず、校正用配管を用いて、超音波探傷器の校正を行う(擬似減肉部の実際の厚みと、送信用探触子と受信用探触子による超音波の伝搬時間との関係を求める)。
この校正用配管は、上記した減肉部が形成された配管と同じ仕様のものであり、減肉量が、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、である擬似減肉部(合計6箇所:後述する表1の(1)〜(6))を、人為的に形成する加工がなされている。
この各擬似減肉部の厚みを、従来法と実施例により測定した結果(厚み測定値)を表1に示す。なお、表1に示す従来法で得られた厚み測定値は、擬似減肉部の表面に垂直探触子を直接配置し測定して得られた結果である。また、表1に示す実施例で得られた厚み測定値は、送信用探触子と受信用探触子によって得られた擬似減肉部の厚みを、従来法の測定部位(1)と(6)の結果で校正して得られた結果である。
表1から明らかなように、実施例で得られた校正された各測定部位((2)〜(5))の厚み測定値は、従来例と略同様の結果となった。なお、従来例と実施例の各測定部位における測定図形(超音波の伝搬時間とエコー高さ)を図5に示す。
続いて、配管の減肉部の厚みを、従来法と実施例により測定した結果(厚み測定値)を表2に示す。なお、表2に示す従来法で得られた厚み測定値は、上記した方法と同様の方法により測定して得られた結果である。また、表2に示す実施例で得られた厚み測定値は、上記した校正用配管で校正された超音波探傷器を用い、送信用探触子と受信用探触子により、配管の減肉部の厚み測定を行って得られた結果である。
表2から明らかなように、減肉部の厚み測定値は、従来例と略同様の結果となった。なお、従来例と実施例の各測定部位における測定図形(超音波の伝搬時間とエコー高さ)を図6に示す。
以上のことから、本発明の配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置を用いることで、配管と対向物とが当接又は僅少の隙間を有した状態で対向配置され、配管が対向物に接触することで発生する減肉部(測定箇所)が狭い場所にあっても、対向物を除去することなく簡単に、精度良く厚さ測定ができることが分かった。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、本発明の配管減肉部の厚さ測定方法及びこれに用いる厚さ測定装置を、火力発電所のボイラ装置内に配置される配管の減肉部に適用した場合について説明したが、狭隘な領域に生じた減肉部における配管の厚み測定であれば、火力発電所に限定されるものではなく、例えば、化学プラントや製鉄所、自動車工場、食品工場等に配置されたボイラ装置に配置される配管の減肉部に適用することもできる。
また、前記実施の形態においては、超音波探触子に横波を用いた超音波斜角探触子を使用した場合について説明したが、縦波を用いた超音波斜角探触子を使用することもでき、また、配管に生じた減肉部の厚みに対応した超音波の伝搬時間の変化が得られれば、他の超音波探触子を使用することもできる。
10、11:配管、12:雌型スペーサ(第1の支持金物)、13、14:減肉部、15:雄型スペーサ(第2の支持金物)、16、17:係合部、18、19:嵌合溝、20、21:係止部、22、23:突出部、30:吊下管、31〜34:蒸気配管、35〜38:減肉部、50:配管減肉部の厚さ測定装置、51:支持部材、52:送信用探触子、53:受信用探触子、54、55:信号ケーブル、56、57:超音波振動素子、58、59:探触子ケース、60、61:接触面、62:凹部、63:内表面

Claims (5)

  1. ボイラ装置内に設置される配管と対向物とが、当接又は僅少の隙間を有した状態で対向配置され、前記ボイラ装置の使用に際し、前記配管と前記対向物との接触により前記配管に生じた減肉部の厚みを測定する方法において、
    超音波の送信用探触子及び受信用探触子を、深さの異なる複数の擬似減肉部が形成された校正用配管の表面に所定の間隔を有して配置し、前記送信用探触子から前記校正用配管に進入し前記擬似減肉部を介して前記受信用探触子に届く超音波の伝搬時間を求め、該超音波の伝搬時間と前記擬似減肉部の実際の厚みとの関係を求める準備工程と、
    前記送信用探触子及び前記受信用探触子を、前記減肉部が形成された前記配管の表面に前記間隔を有して配置し、前記送信用探触子から前記配管に進入し前記減肉部を介して前記受信用探触子に届く超音波の伝搬時間を求め、前記準備工程で求めた前記関係から、前記減肉部の厚みを求める減肉部厚み測定工程とを有することを特徴とする配管減肉部の厚さ測定方法。
  2. 請求項1記載の配管減肉部の厚さ測定方法において、前記送信用探触子及び前記受信用探触子はそれぞれ斜角探触子であることを特徴とする配管減肉部の厚さ測定方法。
  3. 請求項1又は2記載の配管減肉部の厚さ測定方法において、前記対向物は、前記配管に隣り合って平行に配置された他の配管に設けられた第1の支持金物であって、前記配管に設けられた第2の支持金物と前記第1の支持金物との係合により、前記配管と前記他の配管とが自由度を有した状態で連結されていることを特徴とする配管減肉部の厚さ測定方法。
  4. 請求項1又は2記載の配管減肉部の厚さ測定方法において、前記対向物は、前記配管に隣り合って交差状態で配置される他の配管であることを特徴とする配管減肉部の厚さ測定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の配管減肉部の厚さ測定方法に用いる配管減肉部の厚さ測定装置であって、平面視してΠ字状となった支持部材を有し、該支持部材の両側先部に前記送信用探触子と前記受信用探触子がそれぞれ設けられていることを特徴とする配管減肉部の厚さ測定装置。
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