JP2020090559A - ポリプロピレン系樹脂組成物、包装材および包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、Tダイ法でラミネートしようとすると、押出し機およびダイ内部での不安定流動や、Tダイを出てからの張力不足に起因する蛇行現象、いわゆるドローレゾナンス現象を起こし、フィルム、シート等の成形時、周期的な肉厚が変動するため、均一な膜厚が得られにくい。また、耳ぶれした両端部をトリミングする必要があることから歩留まりが悪いなどの問題点があった。
プロピレン単独重合体、プロピレン系ブロック共重合体、もしくは、プロピレン・エチレンランダム共重合体のいずれかのプロピレン系重合体を85〜90重量%と、低密度ポリエチレンを10〜15重量%と、を混合した混合樹脂組成物からなり、
前記プロピレン系重合体のメルトフローレート(Melt Flow Rate、MFR
)(温度230℃、荷重2.16kg)が2.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲にある、
ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物である。
前記ポリプロピレン系樹脂組成物において、
低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)が0.5g/10分以上8.0g/10分以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物である。
前記ポリプロピレン系樹脂組成物において、
低密度ポリエチレンの溶融張力(Melt Tension、MT)が0.05N以上0.1N以下であり、かつ、引取上限速度が50m/分以上であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物である。
前記ポリプロピレン系樹脂組成物において、
キャピラリーレオメーターを用いて測定した吐出ストランドの径変動が10%以下であり、かつ、溶融張力(MT)が0.02N以上0.1N以下の範囲であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物である。
前記ポリプロピレン系樹脂組成物からなるフィルムに、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1種の基材を積層してなることを特徴とする包装材である。
前記包装材を用いてなることを特徴とする包装体である。
.16kg)が2.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲にある。
さらに、低密度ポリエチレン系樹脂の溶融張力(MT)が0.05N以上0.1N以下であって、かつ、引取上限速度が50m/分以上であることが望ましい。
また、本発明の包装体は、この包装材を用いてなる。
まず、本発明において使用するプロピレン系重合体としては、プロピレン単独共重合体もしくはプロピレンとエチレン、ブテン−1等のα−オレフィンとのプロピレン・エチレン共重合体又はプロピレン系ブロック共重合体のいずれかであり、またこれらの樹脂は併用することも可能である。
また、MFRが10.0g/10分を超えると、熱成形時の溶融張力が低下することで耐ドローレゾナンス性が低下し、フィルム、シート等の成形時、周期的な肉厚の変動が生じ、均一な膜厚を得ることが難しい。
次に、本発明において使用する低密度ポリエチレンに関して説明する。
本発明において使用する低密度ポリエチレン樹脂としては、MFR:ISO1133(温度190℃、荷重2.16kg)が0.5g/10分以上8.0g/10分以下の範囲が望ましい。
MFRが0.5g/10分未満になると、成形加工時の押出機負荷が大きくなり加工速度の低下に繋がり生産性が低下する。また、MFRが8.0g/10分を超えると、低密度ポリエチレンの溶融時の粘弾性が悪化し、周期的な肉厚の変動が生じ、耐ドローレゾナンス性の改善が十分に行えない。
次に、ポリプロピレン系樹脂組成物に関して説明する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上記ポリプロピレン系樹脂85〜90重量%と低密度ポリエチレン10〜15重量%とを混合した混合樹脂である。
ポリプロピレン系樹脂組成物は、キャピラリーレオメーター(細管式樹脂粘度計)を用いて、キャピラリーから押し出された吐出ストランド(溶融樹脂)径の測定変動が10%以下であり、かつ、溶融張力(MT)は0.02N以上0.1N以下の範囲が望ましい。上述の特性が範囲外であると、フィルム成形時に周期的な肉厚変動が生じ、品質不良とな
る。
さらに、回転式レオメーターを用いて、測定したポリプロピレン系樹脂組成物の溶融樹脂の応力緩和時間が20sec以下であることが望ましい。上述の特性が上限を超えると、熱成形時フィルムが破断する膜割れが発生し、製膜が困難となる。
2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、またスクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプが適用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
表面改質処理は、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることにより官能基を発現させる手法や、易接着層のコーティング等のウェットプロセスによる改質を好適に用いることが可能である。
具体的には、本発明のポリプロピレン系フィルムに、二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)、二軸延伸ポリエステル(PET)フィルム、印刷紙、金属箔(AL箔)から選ばれる、少なくとも1層を積層して、積層体を形成することができる。これらの代表的な構成は、PET/AL箔/ポリプロピレン系フィルム、PET/ONy/AL箔/ポリプロピレン系フィルム、PET/AL箔/ONy/ポリプロピレン系フィルム、ONy/ポリプロピレン系フィルムが挙げられる。
じて適宜選択する必要がある。
ポリプロピレン系樹脂として、MFR(230℃、2.16kg)8.5g/10分に調整したプロピレン系ブロック共重合体90重量%に対して、MFR(190℃、2.16kg)1.0g/10分、溶融張力(MT)0.073N、引取上限速度66.0m/分に調整した低密度ポリエチレン10重量%を配合したのち、温度200℃に温調させた2軸押出機に供給し、溶融状態にて混練して、実施例1のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
上記実施例1と同様の作製方法において、実施例1と同様のポリプロピレン系樹脂と低密度ポリエチレンの混合割合をそれぞれ85重量%、15重量%として配合を行った以外は実施例1と同様に混練を行い、実施例2のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
上記実施例1と同様の作製方法において、低密度ポリエチレンをMFR(190℃、2.16kg)7.0g/10分、溶融張力(MT)0.055、引取上限速度71.0m/分に調整した低密度ポリエチレンを用いた以外は、実施例1と同様に混練を行い、実施例3のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
上記実施例1と同様の作製方法において、ポリプロピレン系樹脂をMFR(230℃、2.16kg)3.5g/10分に調整したプロピレン単独重合体を用いた以外は、実施例1と同様に混練を行い、実施例4のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
上記実施例1と同様の作製方法において、ポリプロピレン系樹脂をMFR(230℃、2.16kg)2.5g/10分に調整したプロピレン系ブロック重合体を用いた以外は、実施例1と同様に混練を行い、実施例5のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
上記実施例1に記載したMFR(230℃、2.16kg)8.5g/10分に調整したプロピレン系ブロック共重合体のみを用いた。
上記実施例1と同様の作製方法において、実施例1と同様のポリプロピレン系樹脂と低密度ポリエチレンの混合割合をそれぞれ70重量%、30重量%として配合を行った以外は実施例1と同様に混練を行い、比較例2のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
上記実施例1と同様の作製方法において、MFR(230℃、2.16kg)3.0g/10分に調整したプロピレン系単独重合体60重量%のポリプロピレン系樹脂に対し、
実施例1と同様の低密度ポリエチレンを40重量%配合した以外は実施例1と同様に混練を行い、比較例3のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
上記実施例1と同様の作製方法において、実施例1と同様のポリプロピレン系樹脂90重量%に対し、低密度ポリエチレンの代わりに長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂10重量%を配合した以外は実施例1と同様に混練を行い、比較例4のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂は、MFR(230℃、2.16kg)2.5g/10分、溶融張力(MT)0.284N、引取上限速度4.4m/分に調整したものを用いた。
上記実施例1と同様の作製方法において、MFR(230℃、2.16kg)22.0g/10分に調整したプロピレン系単独重合体90重量%に対し、実施例1と同様の低密度ポリエチレンを10重量%配合した以外は実施例1と同様に混練を行い、比較例5のポリプロピレン系樹脂組成物を作製した。
吐出ストランドの径変動評価は、MalvernPanaltical社製キャピラリー式レオメーターを用いてシリンダー温度190℃、せん断速度89s-1、引取速度5m/分、ダイ寸法長さ24mm、径1.5mmの条件で、キャピラリー式レオメーターから吐出されるストランド(押出し機から出るカッテングされていない紐状の樹脂)を引き取った際の吐出1分間あたりのストランドの径変動の測定を行った。
溶融張力(MT)は、MalvernPanaltical社製キャピラリー式レオメーターを用いてシリンダー温度190℃、せん断速度89s-1、ダイ寸法長さ24mm、径1.5mmの条件で、溶融樹脂を押し出し、一定速度で1秒間につき0.4m/分で昇速しながらストランドを引き取り、引取速度が30〜60m/分間でストランドを引き取った際の平均張力について評価した。
溶融樹脂の応力緩和時間評価は、株式会社アントンパール・ジャパン社製回転式レオメーター(型番MCR-102)を用いて測定を行った。上記回転式レオメーターを用いて、実施例1〜5及び比較例1〜5の試料に対し220℃で樹脂を溶融させ、せん断速度10s-1で定常せん断を加えたのち、流動している樹脂の定常せん断を除去後の残留応力消滅までの時間を評価した。
成形性評価は、(実施例1〜5及び比較例1〜5)で記載するポリプロピレン系樹脂組成物を温度250℃に温調された単軸押出機を用いて溶融させたのち、厚さ70μmになるように引取機を用いてフィルムの作製を行い、成形されたフィルムの厚さ変動が5%以内かつ膜割れが無い際には「○」、5%以上または膜割れが生じた際には「×」と判定した。
なお、図1は、実施例1で作製したポリプロピレン系樹脂組成物について応力緩和時間を測定した結果をグラフで示している。
Claims (6)
- プロピレン単独重合体、プロピレン系ブロック共重合体、もしくは、プロピレン・エチレンランダム共重合体のいずれかのプロピレン系重合体を85〜90重量%と、低密度ポリエチレンを10〜15重量%と、を混合した混合樹脂組成物からなり、
前記プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)(温度230℃、荷重2.16kg)が2.0g/10分以上10.0g/10分以下の範囲にある、
ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。 - 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物において、
低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)が0.5g/10分以上8.0g/10分以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物において、
低密度ポリエチレンの溶融張力(MT)が0.05N以上0.1N以下であり、かつ、引取上限速度が50m/分以上であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物において、キャピラリーレオメーターを用いて測定した吐出ストランドの径変動が10%以下であり、かつ、溶融張力(MT)が0.02N以上0.1N以下の範囲であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなるフィルムに、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1種の基材を積層してなることを特徴とする包装材。
- 請求項5に記載の包装材を用いてなることを特徴とする包装体。
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JP2004195955A (ja) * | 2002-03-14 | 2004-07-15 | Mitsui Chemicals Inc | シーラント用樹脂組成物、シーラントフィルムおよびその用途 |
JP2006188562A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-20 | Japan Polypropylene Corp | プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体による樹脂組成物及びそれを用いた積層材料 |
JP2018053180A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | フタムラ化学株式会社 | ポリプロピレン系レトルト用シーラントフィルム及びこれを用いた多層フィルム |
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- 2018-12-03 JP JP2018226436A patent/JP2020090559A/ja active Pending
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