JP2020090504A - 抗体選択装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2013年11月29日付けで出願された米国仮出願第61/910,200号に関し、その優先権の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
例示的な生理化学的特性としては、粘度、クリアランス、安定性、アスパラギン酸の不安定性及びトリプトファンの不安定性が挙げられる。
抗体の構造情報を使用して、構造パラメーターを計算することができる。本方法は、抗体の構造情報から構造パラメーターを計算することを含み得る。
構造パラメーターは、抗体の正味の電荷であってもよい。構造パラメーターは、抗体の電荷非対称であってもよい。構造パラメーターは、抗体の疎水性であってもよい。構造パラメーターは、抗体の構造情報から計算されてもよい。
生理化学的特性のそれぞれは、対応する設計基準を有していてもよい。設計基準は、限定、閾値又はカットオフ値であってもよい。後述するように、生理化学的特性及び対応する目的関数に応じて、生理化学的特徴に対応する指標が、限定未満である、限定を超える、限定を超えない、又は限定以上である場合、設計基準が満たされるとみなすことができる。ある種の特定の実施態様において、生理化学的特徴に対応する指標は、限定未満である。生理化学的特性及び目的関数に応じて、指標はさらに変換されてもよく、例えば、抗体の生理化学的特徴が設計基準を満たすか否かをシグナル化する二進表示に変換されてもよい。
ある特定の態様において、本発明は、抗体が設計基準を満たす生理化学的特徴を有するかどうかを決定するための方法を提供する。本方法は、生理化学的特徴に相当する目的関数からの指標を定量又は計算することを含み得る。目的関数は、本出願全体にわたり説明したような計算された構造パラメーターの値を含み得る。
本方法は、スケーリング因子を選択することを含み得る。スケーリング因子を選択することは、スケーリング因子のセットからスケーリング因子を選択することを含み得る。また「スケーリング因子」は、「係数」と称される場合もある。
生理化学的特性の一又は複数につき、指標は、対応する目的関数からコンピューターで計算されてもよい。指標は、生理化学的特徴に相当し得る。指標は、設計基準と比較されてもよい。
抗体、試験抗体、候補抗体、既存の抗体及び標的抗体の一又は複数は、モノクローナル抗体(mAb)、ポリクローナル抗体、クラススイッチされた抗体又は他のあらゆるタイプの抗体を含み得る。
ある特定の態様において、本発明はさらに、抗体を生産する方法であって、得られた抗体は、一又は複数の設計基準を満たす一又は複数の生理化学的特性を有すると決定される、方法を提供する。本発明は、修飾された抗体、すなわち生産された標的抗体が一又は複数の設計基準を満たす一又は複数の生理化学的特性を有するように、設計基準を満たさない既存の抗体から修飾された標的抗体を生産する方法も提供し得る。生産は、スモールスケールの抗体調製のためであってもよいし、又はラージスケールの抗体製造のためであってもよい。
表1
論理処理デバイス、データ送信デバイス及びデータ受信デバイスの一又は複数は、コンピューティングマシーンとして、又はその一部として実行されてもよい。
上記で説明した本発明のフィーチャ及び原理を例示的な生理化学的特性に適用するための方法をここで説明する。例示的な生理化学的特性としては、粘度、クリアランス、アスパラギン酸の不安定性及びトリプトファンの不安定性が挙げられる。
生理化学的特徴は、抗体の粘度であってもよい。設計基準は、粘度の限定であってもよい。抗体の粘度が粘度の限定に等しい場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。抗体の粘度が粘度の限定未満である場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。粘度の限定は、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5cPであってもよい。治療剤中に含ませるための抗体の適合度を決定する、数種の候補抗体から抗体を選択する、抗体を製造する、既存の抗体を修飾する、及び標的抗体を生産する粘度ベースの方法を、以下で論じる。本方法の1つの一又は複数の工程は、他の方法の一又は複数の工程と組み合わせて行ってもよいことが理解されると予想される。
本方法は、粘度に基づき、治療剤中に含ませるための抗体の適合度を決定することを含み得る。本方法は、(a)(1)正味の電荷;及び(2)電荷非対称を含み得る抗体の構造情報から計算すること;(b)正味の電荷に相当する第1のスケーリング因子(又は正味の電荷のスケーリング因子)、及び電荷非対称に相当する第2のスケーリング因子(又は電荷非対称のスケーリング因子)を抗体に関して選択すること;(c)スケーリング因子を含む目的関数から指標を計算すること、ここで指標は粘度に対応し;(d)指標を設計基準と比較すること;及び(e)抗体が設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定することを含んでいてもよい。
(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、
(電荷非対称×第2のスケーリング因子)と、
(疎水性×第3のスケーリング因子)と
の合計によって決まる可能性がある。目的関数は、指標=10constant10sumの一般的な形態を有していてもよい。
(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、
(電荷非対称×第2のスケーリング因子)と
の合計によって決まる可能性がある。
(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、
(可変ドメインの電荷非対称×第2のスケーリング因子)と、
(疎水性×第3のスケーリング因子)と、
クラス(又はサブクラス)に応じて、(定常領域の電荷非対称×定常領域の電荷非対称のスケーリング因子)と
の合計によって決まる可能性がある。
(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、
(可変ドメインの電荷非対称×第2のスケーリング因子)と、
(定常領域の電荷非対称×定常領域の電荷非対称のスケーリング因子)と
の合計によって決まる可能性がある。
本方法は、2つ以上の候補抗体のなかから粘度に基づき抗体を選択することを含んでいてもよく、さらに、粘度の適合度を決定するための方法の工程を含んでいなくてもよく、その一部又は全部を含んでいてもよい。
製造方法は、製造又は治療用分配容器に基づき、抗体に関する粘度の限定を設定することを含み得る。治療剤の製造方法は、粘度の適合度を決定するための方法の工程を含んでいなくてもよく、その一部又は全部を含んでいてもよい。
設計基準を満たす粘度を有する抗体を生産する方法は、(a)抗体に関する粘度の限定を設定する工程;(b)本出願全体にわたり説明された方法に従って、抗体の構造情報から、抗体の粘度に対応する指標を計算し、抗体が設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定する工程;及び(c)指標が粘度の限定を超えない場合、抗体を生産する工程を含んでいてもよい。
生理化学的特徴は、抗体の薬物動態学的なクリアランス速度であってもよい。設計基準は、薬物動態学的なクリアランス速度の限定であってもよい。抗体のクリアランス速度がクリアランス速度の限定に等しい場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。抗体のクリアランス速度がクリアランス速度の限定未満である場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。クリアランス速度の限定は、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6又は5mL/kg/日であってもよい。クリアランス速度の限定は、Cynoサルにおいて、10mL/kg/日であってもよい。
本方法は、クリアランスに基づき、治療剤中に含ませるための抗体の適合度を決定することを含み得る。本方法は、抗体の構造情報から正味の電荷を計算することを含み得る。正味の電荷の範囲は、水溶液条件によって決まる可能性がある。正味の電荷は、正味の電荷の範囲に合致していてもよい。正味の電荷の範囲は、−4から12であってもよい。正味の電荷の範囲は、−2から6.2であってもよい。正味の電荷の範囲は、0から6.2であってもよい。正味の電荷の範囲は、溶液条件及び抗体のトレーニングセットの試料サイズに応じて変動し得る。
本方法は、2つ以上の候補抗体のなかからクリアランス速度に基づき抗体を選択することを含んでいてもよく、さらに、クリアランスの適合度を決定するための方法の一又は複数の工程を含んでいてもよい。
本方法は、第1の構造情報から第1の正味の電荷を計算し、第1の候補抗体の一又は複数のCDRから第1の疎水性を計算することを含み得る。本方法は、第2の構造情報から第2の正味の電荷を計算し、第2の候補抗体の一又は複数のCDRから第2の疎水性を計算することを含み得る。
製造方法は、維持量に基づき、抗体に関するクリアランス速度の限定を設定することを含み得る。治療剤の製造方法は、クリアランス速度の適合度を決定するための方法の一又は複数の工程を含み得る。
生理化学的特徴は、抗体のアスパラギン酸(Asp)の不安定性であってもよい。Aspの不安定性は、Asp残基の異性化に相当し得る。Asp残基は、抗体のCDR中にあってもよい。設計基準は、Aspの不安定性の限定であってもよい。抗体のAspの不安定性がAspの不安定性の限定に等しい場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。抗体のAspの不安定性がAspの不安定性の限定未満である場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。Aspの不安定性の限定は、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1%又はそれ未満であってもよい。Aspの不安定性の限定は、40℃で2週間にわたり、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1%又はそれ未満であってもよい。Aspの不安定性の限定は、40℃で2週間にわたり、5%又はそれ未満であってもよい。
本方法は、Aspの不安定性に基づき、治療剤中に含ませるための抗体の適合度を決定することを含み得る。本方法は、(a)抗体の構造情報から、(1)Aspのα炭素の揺らぎ、(2)Asp残基の時間平均SASA及び(3)Asp残基に直接隣接している残基に結合する主鎖窒素原子の時間平均SASAを計算すること、ここで主鎖窒素原子は、配列中でAsp残基に直接隣接している残基に結合していてもよく;(b)(i)揺らぎスケーリング因子、(ii)アスパラギン酸残基表面積スケーリング因子、及び(iii)主鎖窒素原子表面積スケーリング因子を抗体に関して選択すること;(c)スケーリング因子を含む目的関数から、アスパラギン酸の不安定性に対応する指標を計算すること;及び(d)抗体が設計基準を満たすアスパラギン酸の不安定性を有するかどうかを決定することを含み得る。計算は、MDシミュレーションを使用してもよい。MDシミュレーションは、シミュレートされた溶液条件のセットを採用してもよく、明示的水溶媒和を採用してもよい。
(Aspのα炭素の揺らぎ×揺らぎスケーリング因子)と、
(Aspの時間平均SASA×AspのSASAスケーリング因子)と、
(主鎖窒素原子の溶媒接触の時間平均SASA×主鎖窒素原子のSASAスケーリング因子)と
の和に累乗されるオイラー数(底はe)によって決まる可能性がある。目的関数は、指標=econstantesumの一般的な形態を有していてもよい。目的関数は、指標=1/(econstantesum)の一般的な形態を有していてもよい。目的関数は、指標=1/(1+econstantesum)の一般的な形態を有していてもよい。
本方法は、2つ以上の候補抗体のなかからAspの不安定性に基づき抗体を選択することを含んでいてもよく、さらに、Aspの不安定性の適合度を決定するための方法の一又は複数の工程を含んでいてもよい。
製造方法は、例えば抗体の貯蔵寿命に基づき、抗体に関するAspの不安定性の限定を設定することを含み得る。抗体を製造する方法は、Aspの不安定性の適合度を決定するための方法の一又は複数の工程を含み得る。抗体は、治療剤であってもよいし、又は治療剤中に含まれていてもよい。
生理化学的特徴は、抗体のトリプトファン(Trp)の不安定性であってもよい。Trpの不安定性は、Trp残基の酸化に相当し得る。Trp残基は、抗体のCDR中にあってもよい。設計基準は、Trpの不安定性の限定であってもよい。抗体のTrpの不安定性がTrpの不安定性の限定に等しい場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。抗体のTrpの不安定性がTrpの不安定性の限定未満である場合、設計基準が満たされているとみなすことができる。Trpの不安定性の限定は、45、40、35、30、25、20、15又は10%の酸化であってもよい。Trpの不安定性の限定は、規定条件のセット下において抗体に関して規定されてもよい。
本方法は、Trpの不安定性に基づき、治療剤中に含ませるための抗体の適合度を決定することを含み得る。本方法は、抗体の構造情報から、CDR中のTrp残基の時間平均SASAを計算することを含み得る。計算は、MDシミュレーションを使用してもよい。MDシミュレーションは、シミュレートされた溶液条件のセットを採用してもよく、明示的水溶媒和を採用してもよい。
本方法は、2つ以上の候補抗体のなかからTrpの不安定性に基づき抗体を選択することを含んでいてもよく、さらに、Trpの不安定性の適合度を決定するための方法の工程を含んでいなくてもよく、その一部又は全部を含んでいてもよい。
製造方法は、抗体に関するTrpの不安定性の限定を設定することを含み得る。治療剤の製造方法は、Trpの不安定性の適合度を決定するための方法の一又は複数の工程を含み得る。Trpの不安定性の限定は、抗体に関する貯蔵寿命に基づいていてもよい。トリプトファンの不安定性は、トリプトファン酸化に相当し得る。抗体は、治療剤であってもよい。
試験抗体は、以下で論じられる抗体のトレーニングセット中に含まれていてもよいことが理解されると予想される。
使用されたmAbは、チャイニーズハムスター卵巣細胞での発現により得られ、プロテインAクロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによる親和性精製を含む一連のクロマトグラフィー方法によって精製された例示的なIgG1モノクローナル抗体であった。
電荷
公知の側鎖のpKa(例えば、Berg, J.M., Tymoczko, J.L. & Stryer, L. Biochemistry. (W.H. Freeman, Basingstoke)を参照されたい)及びヘンダーソン−ハッセルバルヒの方程式を使用して全ての荷電アミノ酸からの寄与率を加算することによって、所与のpHにおける所与の配列の正味の電荷を計算した。全てのCysがジスルフィド形成に関与すると仮定して、CysのpKaは考慮に入れなかった。
VHドメインとVLドメインとの間の電荷非対称を捉えるために、FvCAPが開発された。VHドメイン及びVLドメインにおける正味の電荷の積を得ることによって、FvCAPを単純に計算した。それゆえに負の積は2つのドメイン間の電荷非対称を表すと予想され、それに対して正の積は、2つのドメインにおける電荷の類似の標識を表すと予想された。
疎水性アミノ酸と親水性アミノ酸との相対比を表すために、HIが開発された。これらの計算において、Eisenberg疎水性スケールを使用して各アミノ酸の相対的な疎水性強度を重み付けした(例えば、Eisenberg, D., Weiss, R.M., Terwilliger, T.C. & Wilcox, W. Hydrophobic moments and protein structure. Faraday Symposia of the Chemical Society 17, 109-120 (1982)を参照されたい)。正のスケール値を有する全てのアミノ酸を疎水性と分類し、それに対して負のスケール値を有するものを親水性と分類した。
粘度
Anton Paar Physica MCR501同心円筒型円錐平板レオメーター(Anton Paar、Graz、Austria)を使用して粘度測定値を行った。抗体溶液を標的濃度に調整し、次いで70μLの各試料タンパク質溶液を試料プレート上に分配し、円錐を下げた。試料を蒸発から保護し、温度を25+/−5℃でコントロールした。試料の粘度を、1000s−1の一定の剪断速度を使用して60秒間毎秒トルクを測定することによって決定した。粘度測定値を、3つの試料の複製を使用した安定化した粘度測定値の平均として報告した。Anton Paar RheoPlusソフトウェアの使用により試料の分析及びデータの報告を行った。
この研究で使用されたCynoサルにおけるクリアランス値を、これまでに公開されたデータから得た(例えばHotzel, I.等. A strategy for risk mitigation of antibodies with fast clearance. mAb 4, 753-760を参照されたい)。
MDの開始時の構造
3D結晶構造(利用可能な場合)又はモデラーの局所的適用を使用して生成した相同性モデルの何れかからFabの構造を得た(例えば、Sali, A. & Blundell, T.L. Comparative Protein Modeling by Satisfaction of Spatial Restraints. J Mol Biol 234, 779-815 (1993)を参照されたい)。Fabドメインを、イオン(必要な場合)及び明示的溶媒分子を付加する前のMDの開始時の構造として使用した。
Gromacs 4.0シミュレーションソフトウェアパッケージを用いてFabのMDシミュレーションを実施した(例えば、Hess, B., Kutzner, C., van der Spoel, D. & Lindahl, E. GROMACS 4: Algorithms for highly efficient, load-balanced, and scalable molecular simulation. Journal of Chemical Theory and Computation 4, 435-447 (2008)を参照されたい)。OPLSAA力場(例えば、Jorgensen, W.L., Maxwell, D.S. & TiradoRives, J. Development and testing of the OPLS all-atom force field on conformational energetics and properties of organic liquids. J Am Chem Soc 118, 11225-11236 (1996);Xu, Z.T., Luo, H.H. & Tieleman, D.P. Modifying the OPLS-AA force field to improve hydration free energies for several amino acid side chains using new atomic charges and an off-plane charge model for aromatic residues. J Comput Chem 28, 689-697 (2007)を参照されたい)を使用して、原子の動きを計算した。実験的方法PROPKAを使用して滴定可能な残基の電荷の状況を評価した(例えばLi, H., Robertson, A.D. & Jensen, J.H. Very fast empirical prediction and rationalization of protein pKa values. Proteins 61, 704-721 (2005); Bas, D.C., Rogers, D.M. & Jensen, J.H. Very fast prediction and rationalization of pKa values for protein-ligand complexes. Proteins 73, 765-783 (2008)を参照されたい)。全ての残基を、それらの正規のプロトン付加状況に設定した。
これらのシミュレーション全体にわたり、V−rescaleアルゴリズムを使用してシステムを300Kの温度槽に連結させることにより温度を一定に維持した(例えば、Bussi, G., Donadio, D. & Parrinello, M. Canonical sampling through velocity rescaling. J Chem Phys 126, (2007)を参照されたい)。200ピコ秒(ps)の平衡によりシステムの密度が収束する間に、1.0atmの圧力槽にシステムを連結させることによって圧力を一定に維持した(例えば、Berendsen, H.J.C., Postma, J.P.M., Vangunsteren, W.F., Dinola, A. & Haak, J.R. Molecular-Dynamics with Coupling to an External Bath. J Chem Phys 81, 3684-3690 (1984)を参照されたい)。平衡後、シミュレーションを一定体積で維持した。これらのシミュレーションからの軌道を、GROMACSプログラム一式で利用可能な様々なツールを用いて分析した。全てのSASAは、GROMACSのg_sasを使用して計算される(例えば、Eisenhaber, F., Lijnzaad, P., Argos, P., Sander, C. & Scharf, M. The double cube lattice method:efficient approaches to numerical integration of surface area and volume and to dot surface contouring of molecular assemblies. J. Comp. Chem. 16, 273-284 (1995)を参照されたい)。相互情報の計算は、局所的にLange及びGrubmullerと同様にして実行される(例えば、Kortkhonjia, E.等. Solution dynamics of monoclonal antibodies:Experimental and computational approach. mAb In Press (2013);Lange, O.F. & Grubmuller, H. Full correlation analysis of conformational protein dynamics. Proteins-Structure Function and Genetics 70, 1294-1312 (2008)を参照されたい)。φ−ψ分布に関するシャノンのエントロピーを、S=−Σ{φi,ψjbins}p(i,j)log(p(i,j))[式中p(i,j)は、bin{φi,ψj}における発見{φ,ψ}の確率であり、binは、30グリッドにより定義され、φ−ψ分布は、g_rama;g_rsmf、g_hbondによる]として計算し、GROMACSのdsspを採用して、それぞれ二乗平均の揺らぎ、水素結合、及び二次構造の状態を計算した。シャノンのエントロピー及び相互情報に関する分析手法の詳細は、これまでに公開されている(例えばKortkhonjia, E.等. Solution dynamics of monoclonal antibodies:Experimental and computational approach. mAb In Press (2013)を参照されたい)。
AMBER11シミュレーションソフトウェアパッケージを用いてFab断片のMDシミュレーションを実施した(例えば、D.A. Case, T.A.D., T.E. Cheatham, III, C.L. Simmerling, J. Wang, R.E. Duke, R. Luo, R.C. Walker, W. Zhang, K.M. Merz, B. Roberts, B. Wang, S. Hayik, A. Roitberg,, G. Seabra, I.K., K.F. Wong, F. Paesani, J. Vanicek, X. Wu, S.R. Brozell, T. Steinbrecher, H. Gohlke, Q. Cai, X. Ye, J. Wang, M.-J. Hsieh, G. Cui, D.R. Roe, D.H. & Mathews, M.G.S., C. Sagui, V. Babin, T. Luchko, S. Gusarov, A. Kovalenko, and P.A. Kollman University of California, San Francisco;2011)を参照されたい)。FF99SB固定電荷力場を使用した。全ての残基を、それらの熱力学的pKaに基づくそれらの正規のプロトン付加状況に設定した。
mAb溶液とAAPHとをそれぞれ1mg/mL及び1mMの最終濃度で混合することによって、AAPHにより酸化を誘導した(例えば、Ji, J.A., Zhang, B., Cheng, W. & Wang, Y.J. Methionine, tryptophan, and histidine oxidation in a model protein, PTH:Mechanisms and stabilization. Journal of Pharmaceutical Sciences 98, 4485-4500 (2009)を参照されたい)。溶液を40℃で16時間インキュベートした。20mMのMetの添加によって反応をクエンチし、続いてPD−10脱塩カラムを使用してpH5.5で20mMのバッファーにバッファー交換した。次いで、トリプシン消化、続いて部位特異的なTrp酸化に関してLC−MS/MSを使用して溶液を分析した。対応するペプチドの抽出されたイオンクロマトグラムをXcalibur Qualブラウザを使用して手動で統合した。続いて、酸化ペプチドイオンのピーク領域を、酸化ペプチド及び対応する非酸化ペプチドのピーク領域の合計で分割することによって酸化の相対的なパーセンテージを計算した。
mAb溶液を、Centricon限外濾過チューブを使用して、pH5.5における20mMの緩衝化溶液、240mMスクロース中の5mg/mLタンパク質の最終配合でバッファー交換した。試料を40℃に置き、t=0、14日間及び28日間で取り出した。
トリプシンペプチド消化、続いてLC−MS/MSを使用して、熱ストレスを与えた試料を分析した。わずかに変更した公開プロトコールに従ってタンパク質試料を消化した(例えば、Yu, X.C.等. Accurate determination of succinimide degradation products using high fidelity trypsin digestion peptide map analysis. Analytical chemistry 83, 5912-5919 (2011)を参照されたい)。
XLSTAT(登録商標)(Addinsoft、New York、NY)を使用して、主成分回帰及びロジスティック回帰分析を実施した。
粘度
粘度は、高濃度mAb溶液の製造及び送達にとって重要な場合がある(例えば、Shire, S.J., Shahrokh, Z. & Liu, J. Challenges in the development of high protein concentration formulations. Journal of Pharmaceutical Sciences 93, 1390-1402 (2004)を参照されたい)。主として相補性決定領域(CDR)配列においてのみ異なるmAbは、類似の剪断応力条件下において様々な粘度−濃度プロファイルを示す可能性があることを観察した(図7)。類似のアイソタイプIgGの場合、可変ドメインFv(及びその中のCDR)は、粘度に差をもたらす分子間相互作用を定義することにおいて重要な役割を果たす可能性がある(例えば、Kanai, S., Liu, J., Patapoff, T. & Shire, S.J. Reversible self-association of a concentrated monoclonal antibody solution mediated by Fab-Fab interaction that impacts solution viscosity. Journal of Pharmaceutical Sciences (2008);Liu, J., Nguyen, M.D.H., Andya, J.D. & Shire, S.J. Reversible self-association increases the viscosity of a concentrated monoclonal antibody in aqueous solution. Journal of Pharmaceutical Sciences 94, 1928-1940 (2005)を参照されたい)。本発明の目的の1つは、寄与する疎水性及び静電的要素を捉えるためにどのようなパラメーターをCDR及びFvから抽出すればよいかを決定することであった(例えば、Du, W. & Klibanov, A.M. Hydrophobic salts markedly diminish viscosity of concentrated protein solutions. Biotechnology and Bioengineering 108, 632-636;Yadav, S., Liu, J., Shire, S.J. & Kalonia, D.S. Specific interactions in high concentration antibody solutions resulting in high viscosity. Journal of Pharmaceutical Sciences 99, 1152-1168を参照されたい)。配列は最も簡単なデータ生成及び分析手段を提供することから、配列のみに焦点を合わせた。しかし、以下で論じられるような配列から計算されたパラメーターは何れも、同様に構造からも容易に計算できることに留意されたい(図15及び図16)。
η(180mg/mL、25℃)
=10∧(1.19+0.42φ−0.05×q−0.017×qCAP) 方程式1
η(150mg/mL、25℃)
=10∧(0.90+0.34φ−0.036×q−0.012×qCAP) 方程式2
η(180mg/mL、25℃)=10∧(0.15+1.26φ−0.043×q−0.020×qCAP) 方程式1−1
η(150mg/mL、25℃)=10∧(0.06+1.13φ−0.034×q−0.014×qCAP) 方程式2−1
η(150mg/mL、25℃)=10∧(0.81+0.21×q−0.15×qCAP) 方程式3
同じアイソタイプの異なる抗体は、ヒト、同様にCynoサルにおいて血漿クリアランスにおいて顕著な差を示す可能性がある。(Cynoサルにおける血漿クリアランス(Cynoクリアランス)は、mAbの薬物動態プロファイルを査定するための確立された前臨床モデルである(例えば、Hotzel, I.等. A strategy for risk mitigation of antibodies with fast clearance. mAb 4, 753-760を参照されたい))。このような差がpI又は配列中の特異的突然変異に相関することを示す研究はわずかしかなかった(例えば、Igawa, T.等. Reduced elimination of IgG antibodies by engineering the variable region. Protein Engineering Design and Selection 23, 385-392;Wu, H.等. Development of Motavizumab, an Ultra-potent Antibody for the Prevention of Respiratory Syncytial Virus Infection in the Upper and Lower Respiratory Tract. Journal of Molecular Biology 368, 652-665 (2007)を参照されたい)。mAbのあらゆる識別可能な特性における差は、好ましくはFv又はCDR(同じフレームワーク内)における差に関するはずであるという仮説に基づいて、配列特性の何れかがCynoクリアランスにおける差を予測するかどうかの決定を調査した。基礎となる仮説は、より迅速なクリアランスが、インビボにおける疎水的及び/又は静電的な性質を有する高いタンパク質−タンパク質相互作用を介した表面/又はタンパク質へのmAbのオフターゲット結合に起因するというものであった。それゆえに、可変ドメインにおけるこのような特性、例えばpI、電荷又は疎水性の何れかの極限値が、より迅速なCynoクリアランスを示す抗体に変換されると予想されるということが推測された。公開されたデータに基づいて、Cynoサルにおける≧10mL/kg/日のクリアランス値を、より迅速なクリアランスと指定し、<10mL/kg/日の値を正常なクリアランスと指定した(例えば、Hotzel, I.等. A strategy for risk mitigation of antibodies with fast clearance. mAb 4, 753-760を参照されたい)。
Trp酸化及びAsp異性化などの化学修飾及びそれに伴う力価損失は、水溶液中のmAb製品の貯蔵寿命を限定する可能性がある。Trp酸化及びAsp異性化の相対的な傾向性のリスクランク作成を可能にする明示的な水と共に全原子のMDシミュレーションを採用した。
Y1=1/(1+exp(−(−22.2+0.13×SASA_ASP+3.3×RMSF+16.0×SASA(n+1,N)))) 方程式4
この方程式の出力を有効数字1桁に四捨五入して0(非反応性)又は1(反応性)の何れかの結果を得て、これを図6に示す。
<さらなる実施態様>
[実施態様1]抗体を含む組成物を製造する方法であって、
(a)流体誘導要素を介して流れる流体の粘度によって決まる製造容器中の流体誘導要素の流体の流れ抵抗に基づき、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(c)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体の粘度の指標を受信すること;及び
(d)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、該組成物を製造するために該要素を介して抗体を送ること
を含む、方法。
[実施態様2]設計基準を満たす粘度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)設計基準を満たす、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(c)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体の粘度に対応する指標を受信すること;
(d)抗体が設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定すること;及び
(e)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様3]抗体を含む組成物を製造する方法であって、
(a)流体誘導要素を介して流れる流体の粘度によって決まる製造容器中の流体誘導要素の流体の流れ抵抗に基づき、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)抗体の構造情報から、抗体の粘度の指標を計算すること;及び
(c)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、該組成物を製造するために該要素を介して抗体を送ること
を含む、方法。
[実施態様4]設計基準を満たす粘度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)設計基準を満たす、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)抗体の構造情報から、抗体の粘度に対応する指標を計算すること;
(c)抗体が設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定すること;及び
(d)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様5]指標が、
(a)抗体の構造情報から、正味の電荷及び電荷非対称を計算する工程;
(b)正味の電荷に相当する第1のスケーリング因子、及び電荷非対称に相当する第2のスケーリング因子を抗体に関して選択する工程;及び
(c)スケーリング因子を含む目的関数から指標を計算する工程であって、指標は粘度に対応する、工程
を含む方法によって計算される、実施態様1から4の何れか一項に記載の方法。
[実施態様6]構造情報から計算することが、一次構造の情報から計算することを含む、実施態様5に記載の方法。
[実施態様7]一次構造が、軽鎖可変ドメイン(VL)アミノ酸配列及び重鎖可変ドメイン(VH)アミノ酸配列を含む、実施態様6に記載の方法。
[実施態様8]正味の電荷が、VLアミノ酸配列の正味の電荷とVHアミノ酸配列の正味の電荷との合計を含む、実施態様7に記載の方法。
[実施態様9]電荷非対称が、VLアミノ酸配列の正味の電荷とVHアミノ酸配列の正味の電荷との算術積を含む、実施態様6又は7に記載の方法。
[実施態様10]少なくとも一の試験抗体の少なくとも一の粘度測定値のデータからスケーリング因子を導き出すことをさらに含み、抗体及び試験抗体は、同じ抗体クラスに属する、実施態様5に記載の方法。
[実施態様11]スケーリング因子を選択することが、第1のスケーリング因子及び第2のスケーリング因子を、一又は複数の水溶液条件のそれぞれに関するスケーリング因子のセットから選択することを含む、実施態様5に記載の方法。
[実施態様12]目的関数において、指標のlog10が、(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、(電荷非対称×第2のスケーリング因子)との合計を含む、実施態様6又は11に記載の方法。
[実施態様13](a’)抗体の一又は複数の相補性決定領域(CDR)の情報からの構造情報から、疎水性を計算する工程;及び
(b’)疎水性に対応する第3のスケーリング因子を選択する工程であって、目的関数は、第3のスケーリング因子をさらに含む、工程
をさらに含む、実施態様6に記載の方法。
[実施態様14]疎水性が、一又は複数のCDRの疎水性の値の加法関数の合計を含む、実施態様13に記載の方法。
[実施態様15]加法関数のそれぞれが、CDRの疎水性残基の値の合計とCDRの親水性残基の値の合計との比率である、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]値が、Eisenberg疎水性スケール値である、実施態様14又は15に記載の方法。
[実施態様17]一又は複数のCDRが、1、2、3、4、5又は6つのCDRを含む、実施態様13又は14に記載の方法。
[実施態様18]一又は複数のCDRが、全6つのCDRを含む、実施態様13又は14に記載の方法。
[実施態様19]スケーリング因子を選択することが、第1のスケーリング因子、第2のスケーリング因子及び第3のスケーリング因子を、一又は複数の水溶液条件のそれぞれに関するスケーリング因子のセットから選択することをさらに含む、実施態様13に記載の方法。
[実施態様20]目的関数において、指標のlog10は、(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、(電荷非対称×第2のスケーリング因子)と、(疎水性×第3のスケーリング因子)との合計を含む、実施態様13又は19に記載の方法。
[実施態様21]指標が粘度の限定を超える場合、抗体の軽鎖及び/又は重鎖可変領域アミノ酸配列の一又は複数のアミノ酸残基を突然変異させて、標的抗体を生成する工程をさらに含む、実施態様5又は20に記載の方法。
[実施態様22]軽鎖及び/又は重鎖可変領域アミノ酸配列を突然変異させる工程が、標的抗体の粘度に対応する指標が粘度の限定を超えないように、疎水性を低下させるか、正味の電荷を増加させるか、及び/又は電荷非対称を減少させる、実施態様21に記載の方法。
[実施態様23]標的抗体の粘度に対応する指標が、標的抗体の構造情報から計算される、実施態様22に記載の方法。
[実施態様24]標的抗体を生産する工程をさらに含む、実施態様22に記載の方法。
[実施態様25]抗体が、治療用抗体であるか、又は薬学的組成物中にある、実施態様5に記載の方法。
[実施態様26]抗体を生産する方法であって、
(a)抗体が、実施態様20から22の何れか一項に記載の方法に従って設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定する工程;及び
(b)抗体が設計基準を満たす粘度を有すると決定される場合、抗体を生産する工程
を含む、方法。
[実施態様27]抗体を得る工程をさらに含む、実施態様26に記載の方法。
[実施態様28]抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、実施態様27に記載の方法。
[実施態様29]設計基準を満たすクリアランス速度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(b)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体の正味の電荷を受信すること;
(c)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致する場合、ネットワークを通じて、抗体の一又は複数の相補性決定領域(CDR)の情報からの構造情報から計算された疎水性を受信し、(i)疎水性が疎水性の限定を超えない場合、抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定すること、又は(ii)疎水性が疎水性の限定を超える場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;
(d)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致しない場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;及び
(e)抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様30]設計基準を満たすクリアランス速度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)抗体の構造情報から、抗体の正味の電荷を計算すること;
(b)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致する場合、抗体の一又は複数の相補性決定領域(CDR)の情報からの構造情報から疎水性を計算して、(i)疎水性が疎水性の限定を超えない場合、抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定すること、又は(ii)疎水性が疎水性の限定を超える場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;
(c)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致しない場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;及び
(d)抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様31]抗体を得る工程をさらに含む、実施態様29又は30に記載の方法。
[実施態様32]抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、実施態様31に記載の方法。
[実施態様33]構造情報から計算することが、一次構造の情報から計算することを含む、実施態様29又は30に記載の方法。
[実施態様34]一次構造が、軽鎖可変ドメイン(VL)アミノ酸配列及び重鎖可変ドメイン(VH)アミノ酸配列を含む、実施態様33に記載の方法。
[実施態様35]正味の電荷が、VLアミノ酸配列の正味の電荷とVHアミノ酸配列の正味の電荷との合計を含む、実施態様34に記載の方法。
[実施態様36]正味の電荷が、約pH5.5におけるVHの正味の電荷とVLの正味の電荷との合計を含む、実施態様35に記載の方法。
[実施態様37]疎水性が、一又は複数のCDRの疎水性の値の加法関数の合計を含む、実施態様33に記載の方法。
[実施態様38]加法関数のそれぞれが、CDRの疎水性残基の値の合計とCDRの親水性残基の値の合計との比率である、実施態様37に記載の方法。
[実施態様39]値が、Eisenberg疎水性スケール値である、実施態様37又は38に記載の方法。
[実施態様40]一又は複数のCDRが、1、2、3、4、5又は全6つのCDRを含む、実施態様29から37の何れか一項に記載の方法。
[実施態様41]一又は複数のCDRが、軽鎖(LC)CDR1、LC CDR3及び重鎖(HC)CDR3である、実施態様40に記載の方法。
[実施態様42]クリアランス速度が、カニクイザルモデルで測定された約10mL/kg/日以下である、実施態様29から41の何れか一項に記載の方法。
[実施態様43]正味の電荷の範囲が、約−2.0から約6.2である、実施態様29から42の何れか一項に記載の方法。
[実施態様44]疎水性の限定が、約4である、実施態様29から43の何れか一項に記載の方法。
[実施態様45]抗体が、設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定される場合、VH及び/又はVLにおける一又は複数のアミノ酸残基を突然変異させて、標的抗体を生成する工程をさらに含む、実施態様29から44の何れか一項に記載の方法。
[実施態様46]VH及び/又はVLアミノ酸配列を突然変異させる工程が、標的抗体の正味の電荷を、正味の電荷の範囲に合致させ、及び/又は標的抗体の疎水性を、疎水性の限定又はそれ未満に設定する、実施態様45に記載の方法。
[実施態様47]標的抗体の正味の電荷及び/又は標的抗体の疎水性が、標的抗体の構造情報から計算される、実施態様46に記載の方法。
[実施態様48]抗体が、モノクローナル抗体である、実施態様29から47の何れか一項に記載の方法。
[実施態様49]抗体が、IgG1抗体である、実施態様48に記載の方法。
[実施態様50]抗体が、治療用抗体であるか、又は薬学的組成物中にある、実施態様49に記載の方法。
[実施態様51]設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有する抗体を生産する方法であって、抗体の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列は、アスパラギン酸残基を含み、該方法は、
(a)設計基準を満たす、抗体に関するアスパラギン酸不安定性の限定を設定すること;
(b)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(c)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体のアスパラギン酸不安定性に対応する指標を受信すること;
(d)抗体が設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有するかどうかを決定すること;及び
(e)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様52]設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有する抗体を生産する方法であって、抗体の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列は、アスパラギン酸残基を含み、該方法は、
(a)設計基準を満たす、抗体に関するアスパラギン酸不安定性の限定を設定すること;
(b)抗体の構造情報から、抗体のアスパラギン酸不安定性に対応する指標を計算すること;
(c)抗体が設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有するかどうかを決定すること;及び
(d)指標がアスパラギン酸不安定性の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様53]指標が、
(a)CDRのアミノ酸配列から、(i)アスパラギン酸残基に結合するアルファ炭素の二乗平均平方根の揺らぎ、(ii)アスパラギン酸残基の時間平均された溶媒接触可能表面積、及び(iii)アスパラギン酸残基に直接隣接しているアミノ酸残基に結合する主鎖窒素原子の時間平均された溶媒接触可能表面積を計算する工程;
(b)(i)揺らぎスケーリング因子、(ii)アスパラギン酸残基表面積スケーリング因子、及び(iii)主鎖窒素原子表面積スケーリング因子を抗体に関して選択する工程;及び
(c)スケーリング因子を含む目的関数から、アスパラギン酸不安定性に対応する指標を計算する工程
を含む方法によって計算される、実施態様51又は52に記載の方法。
[実施態様54]アスパラギン酸残基に直接隣接しているアミノ酸残基が、N位におけるアスパラギン酸残基に対してN+1位にある、実施態様53に記載の方法。
[実施態様55]少なくとも一の試験抗体の少なくとも一のアスパラギン酸不安定性の測定値のデータからスケーリング因子を導き出すことをさらに含む、実施態様53に記載の方法。
[実施態様56]少なくとも一の試験抗体のアスパラギン酸不安定性の測定が、所定温度で少なくとも一の試験抗体をインキュベートすること、続いて質量分析及びHPLCベースの技術に適用することを含む、実施態様55に記載の方法。
[実施態様57]アスパラギン酸不安定性が、アスパラギン酸の異性化に相当する、実施態様51又は52に記載の方法。
[実施態様58]設計基準が、不安定性の限定である、実施態様51又は52に記載の方法。
[実施態様59]不安定性の限定が、貯蔵寿命に基づいている、実施態様58に記載の方法。
[実施態様60]不安定性の限定が、約2.5%/週のアスパラギン酸の異性化である、実施態様58に記載の方法。
[実施態様61]目的関数において、指標が、(揺らぎ×揺らぎスケーリング因子)と、(アスパラギン酸残基の時間平均された溶媒接触可能表面積×アスパラギン酸残基表面積スケーリング因子)と、(主鎖窒素原子の時間平均された溶媒接触可能表面積×主鎖窒素原子表面積スケーリング因子)との和に累乗されるオイラー数を含む、実施態様53に記載の方法。
[実施態様62]指標が第1の指標であり、第1の指標が有効数字1桁に四捨五入されて第2の指標が生成され、第2の指標がゼロであることは、第1の指標が粘度の限定を超えないことに対応し、第2の指標が1であることは、第1の指標が粘度の限定を超えることに対応する、実施態様61に記載の方法。
[実施態様63]アスパラギン酸残基に直接隣接しているアミノ酸残基が、グリシン、スレオニン、アスパラギン酸及びアラニンからなる群より選択される、実施態様54に記載の方法。
[実施態様64]スケーリング因子を選択することが、一又は複数の水溶液条件のそれぞれにつき、(i)揺らぎスケーリング因子、(ii)アスパラギン酸残基表面積スケーリング因子;及び(iii)主鎖窒素原子表面積スケーリング因子を含むスケーリング因子のセットから選択することを含む、実施態様51又は52に記載の方法。
[実施態様65]水溶液条件が、温度、pH、バッファーのタイプ及びイオン強度を含む、実施態様64に記載の方法。
[実施態様66]水溶液条件が、20mMの酢酸ヒスチジンバッファーを含む、実施態様65に記載の方法。
[実施態様67]水溶液条件が、約313Kの温度を含む、実施態様65又は66に記載の方法。
[実施態様68]抗体が、モノクローナル抗体である、実施態様51から67の何れか一項に記載の方法。
[実施態様69]抗体が、IgG1抗体である、実施態様51から68の何れか一項に記載の方法。
[実施態様70]設計基準が、治療剤又は薬学的組成物に関する、実施態様51から69の何れか一項に記載の方法。
[実施態様71]抗体が設計基準を満たす場合、抗体のAsp不安定性を測定する工程をさらに含む、実施態様51から70の何れか一項に記載の方法。
[実施態様72]抗体が設計基準を満たすと決定される場合、抗体を生産する工程をさらに含む、実施態様51から71の何れか一項に記載の方法。
[実施態様73]抗体を得る工程をさらに含む、実施態様72に記載の方法。
[実施態様74]抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、実施態様73に記載の方法。
[実施態様75]抗体を含む薬学的製剤を調製する工程をさらに含む、実施態様74に記載の方法。
[実施態様76]抗体が既存の抗体であり、既存の抗体が設計基準を満たさないアスパラギン酸不安定性を有するときに、指標がアスパラギン酸不安定性の限定を超える場合、既存の抗体の少なくとも一のアミノ酸残基を修飾、除去又は置換して、設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有する標的抗体を生成する工程;及び標的抗体を生産する工程をさらに含む、実施態様51又は52に記載の方法。
[実施態様77]少なくとも一のアミノ酸残基が、アスパラギン酸残基を含む、実施態様76に記載の方法。
[実施態様78]生産された標的抗体を得る工程をさらに含む、実施態様76又は77に記載の方法。
[実施態様79]標的抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、実施態様78に記載の方法。
[実施態様80]設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有する抗体を生産するための方法であって、
(a)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(b)ネットワークを通じて、相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列からの構造情報から計算される、抗体のCDRのトリプトファン残基の時間平均された溶媒接触可能表面積を受信すること;
(c)時間平均された溶媒接触可能表面積をカットオフ値と比較すること;
(d)時間平均された溶媒接触可能表面積がカットオフ値未満である場合、抗体が、設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定すること;及び
(e)抗体が設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様81]設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有する抗体を生産するための方法であって、
(a)抗体の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列から、CDRのトリプトファン残基の時間平均された溶媒接触可能表面積を計算すること;
(b)時間平均された溶媒接触可能表面積をカットオフ値と比較すること;
(c)時間平均された溶媒接触可能表面積がカットオフ値未満である場合、抗体が、設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定すること;及び
(d)抗体が設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。
[実施態様82]トリプトファン不安定性が、トリプトファン酸化に相当する、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様83]水溶媒和の値が、時間平均された溶媒接触可能表面積の計算の基礎である、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様84]水溶媒和が、コンピューターモデリング分子動力学シミュレーションにおけるパラメーターである、実施態様83に記載の方法。
[実施態様85]分子動力学シミュレーションが、AMBERシミュレーションソフトウェアを使用して行われる、実施態様84に記載の方法。
[実施態様86]カットオフ値が、約80Å 2 のトリプトファン側鎖の溶媒接触表面積である、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様87]トリプトファン側鎖の溶媒接触表面積が、AREAIMOLソフトウェアを使用して決定される、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様88]抗体の全6つのCDRのアミノ酸配列が、唯一のトリプトファン残基を含有する、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様89]抗体が、設計基準を満たすTrp不安定性を有すると決定される場合、Trp不安定性を測定する工程をさらに含む、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様90]生産された抗体を得る工程をさらに含む、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様91]抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、実施態様90に記載の方法。
[実施態様92]抗体を含む薬学的組成物を調製する工程をさらに含む、実施態様80から91の何れか一項に記載の方法。
[実施態様93]抗体が、モノクローナル抗体である、実施態様80から92の何れか一項に記載の方法。
[実施態様94]抗体が、IgG1抗体である、実施態様80から93の何れか一項に記載の方法。
[実施態様95]設計基準が、治療剤に関する、実施態様80から94の何れか一項に記載の方法。
[実施態様96]抗体が既存の抗体であり、既存の抗体が設計基準を満たさないトリプトファン不安定性を有する場合、既存の抗体の少なくとも一のアミノ酸残基を修飾、除去又は置換して、設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有する標的抗体を生成する工程;及び標的抗体を生産する工程をさらに含む、実施態様80又は81に記載の方法。
[実施態様97]少なくとも一のアミノ酸残基が、トリプトファン残基を含む、実施態様96に記載の方法。
[実施態様98]生産された標的抗体を得る工程をさらに含む、実施態様96又は97に記載の方法。
[実施態様99]標的抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、実施態様98に記載の方法。
[実施態様100]抗体又は標的抗体が、抗体又は標的抗体を発現するのに好適な条件下で、抗体又は標的抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養する方法に従って生産される、実施態様96から99の何れか一項に記載の方法。
Claims (100)
- 抗体を含む組成物を製造する方法であって、
(a)流体誘導要素を介して流れる流体の粘度によって決まる製造容器中の流体誘導要素の流体の流れ抵抗に基づき、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(c)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体の粘度の指標を受信すること;及び
(d)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、該組成物を製造するために該要素を介して抗体を送ること
を含む、方法。 - 設計基準を満たす粘度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)設計基準を満たす、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(c)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体の粘度に対応する指標を受信すること;
(d)抗体が設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定すること;及び
(e)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - 抗体を含む組成物を製造する方法であって、
(a)流体誘導要素を介して流れる流体の粘度によって決まる製造容器中の流体誘導要素の流体の流れ抵抗に基づき、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)抗体の構造情報から、抗体の粘度の指標を計算すること;及び
(c)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、該組成物を製造するために該要素を介して抗体を送ること
を含む、方法。 - 設計基準を満たす粘度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)設計基準を満たす、抗体に関する粘度の限定を設定すること;
(b)抗体の構造情報から、抗体の粘度に対応する指標を計算すること;
(c)抗体が設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定すること;及び
(d)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - 指標が、
(a)抗体の構造情報から、正味の電荷及び電荷非対称を計算する工程;
(b)正味の電荷に相当する第1のスケーリング因子、及び電荷非対称に相当する第2のスケーリング因子を抗体に関して選択する工程;及び
(c)スケーリング因子を含む目的関数から指標を計算する工程であって、指標は粘度に対応する、工程
を含む方法によって計算される、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。 - 構造情報から計算することが、一次構造の情報から計算することを含む、請求項5に記載の方法。
- 一次構造が、軽鎖可変ドメイン(VL)アミノ酸配列及び重鎖可変ドメイン(VH)アミノ酸配列を含む、請求項6に記載の方法。
- 正味の電荷が、VLアミノ酸配列の正味の電荷とVHアミノ酸配列の正味の電荷との合計を含む、請求項7に記載の方法。
- 電荷非対称が、VLアミノ酸配列の正味の電荷とVHアミノ酸配列の正味の電荷との算術積を含む、請求項6又は7に記載の方法。
- 少なくとも一の試験抗体の少なくとも一の粘度測定値のデータからスケーリング因子を導き出すことをさらに含み、抗体及び試験抗体は、同じ抗体クラスに属する、請求項5に記載の方法。
- スケーリング因子を選択することが、第1のスケーリング因子及び第2のスケーリング因子を、一又は複数の水溶液条件のそれぞれに関するスケーリング因子のセットから選択することを含む、請求項5に記載の方法。
- 目的関数において、指標のlog10が、(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、(電荷非対称×第2のスケーリング因子)との合計を含む、請求項6又は11に記載の方法。
- (a’)抗体の一又は複数の相補性決定領域(CDR)の情報からの構造情報から、疎水性を計算する工程;及び
(b’)疎水性に対応する第3のスケーリング因子を選択する工程であって、目的関数は、第3のスケーリング因子をさらに含む、工程
をさらに含む、請求項6に記載の方法。 - 疎水性が、一又は複数のCDRの疎水性の値の加法関数の合計を含む、請求項13に記載の方法。
- 加法関数のそれぞれが、CDRの疎水性残基の値の合計とCDRの親水性残基の値の合計との比率である、請求項14に記載の方法。
- 値が、Eisenberg疎水性スケール値である、請求項14又は15に記載の方法。
- 一又は複数のCDRが、1、2、3、4、5又は6つのCDRを含む、請求項13又は14に記載の方法。
- 一又は複数のCDRが、全6つのCDRを含む、請求項13又は14に記載の方法。
- スケーリング因子を選択することが、第1のスケーリング因子、第2のスケーリング因子及び第3のスケーリング因子を、一又は複数の水溶液条件のそれぞれに関するスケーリング因子のセットから選択することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 目的関数において、指標のlog10は、(正味の電荷×第1のスケーリング因子)と、(電荷非対称×第2のスケーリング因子)と、(疎水性×第3のスケーリング因子)との合計を含む、請求項13又は19に記載の方法。
- 指標が粘度の限定を超える場合、抗体の軽鎖及び/又は重鎖可変領域アミノ酸配列の一又は複数のアミノ酸残基を突然変異させて、標的抗体を生成する工程をさらに含む、請求項5又は20に記載の方法。
- 軽鎖及び/又は重鎖可変領域アミノ酸配列を突然変異させる工程が、標的抗体の粘度に対応する指標が粘度の限定を超えないように、疎水性を低下させるか、正味の電荷を増加させるか、及び/又は電荷非対称を減少させる、請求項21に記載の方法。
- 標的抗体の粘度に対応する指標が、標的抗体の構造情報から計算される、請求項22に記載の方法。
- 標的抗体を生産する工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
- 抗体が、治療用抗体であるか、又は薬学的組成物中にある、請求項5に記載の方法。
- 抗体を生産する方法であって、
(a)抗体が、請求項20から22の何れか一項に記載の方法に従って設計基準を満たす粘度を有するかどうかを決定する工程;及び
(b)抗体が設計基準を満たす粘度を有すると決定される場合、抗体を生産する工程
を含む、方法。 - 抗体を得る工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
- 抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、請求項27に記載の方法。
- 設計基準を満たすクリアランス速度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(b)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体の正味の電荷を受信すること;
(c)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致する場合、ネットワークを通じて、抗体の一又は複数の相補性決定領域(CDR)の情報からの構造情報から計算された疎水性を受信し、(i)疎水性が疎水性の限定を超えない場合、抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定すること、又は(ii)疎水性が疎水性の限定を超える場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;
(d)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致しない場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;及び
(e)抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - 設計基準を満たすクリアランス速度を有する抗体を生産する方法であって、
(a)抗体の構造情報から、抗体の正味の電荷を計算すること;
(b)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致する場合、抗体の一又は複数の相補性決定領域(CDR)の情報からの構造情報から疎水性を計算して、(i)疎水性が疎水性の限定を超えない場合、抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定すること、又は(ii)疎水性が疎水性の限定を超える場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;
(c)正味の電荷が正味の電荷の範囲に合致しない場合、抗体が設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定すること;及び
(d)抗体が設計基準を満たすクリアランス速度を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - 抗体を得る工程をさらに含む、請求項29又は30に記載の方法。
- 抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、請求項31に記載の方法。
- 構造情報から計算することが、一次構造の情報から計算することを含む、請求項29又は30に記載の方法。
- 一次構造が、軽鎖可変ドメイン(VL)アミノ酸配列及び重鎖可変ドメイン(VH)アミノ酸配列を含む、請求項33に記載の方法。
- 正味の電荷が、VLアミノ酸配列の正味の電荷とVHアミノ酸配列の正味の電荷との合計を含む、請求項34に記載の方法。
- 正味の電荷が、約pH5.5におけるVHの正味の電荷とVLの正味の電荷との合計を含む、請求項35に記載の方法。
- 疎水性が、一又は複数のCDRの疎水性の値の加法関数の合計を含む、請求項33に記載の方法。
- 加法関数のそれぞれが、CDRの疎水性残基の値の合計とCDRの親水性残基の値の合計との比率である、請求項37に記載の方法。
- 値が、Eisenberg疎水性スケール値である、請求項37又は38に記載の方法。
- 一又は複数のCDRが、1、2、3、4、5又は全6つのCDRを含む、請求項29から37の何れか一項に記載の方法。
- 一又は複数のCDRが、軽鎖(LC)CDR1、LC CDR3及び重鎖(HC)CDR3である、請求項40に記載の方法。
- クリアランス速度が、カニクイザルモデルで測定された約10mL/kg/日以下である、請求項29から41の何れか一項に記載の方法。
- 正味の電荷の範囲が、約−2.0から約6.2である、請求項29から42の何れか一項に記載の方法。
- 疎水性の限定が、約4である、請求項29から43の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が、設計基準を満たさないクリアランス速度を有すると決定される場合、VH及び/又はVLにおける一又は複数のアミノ酸残基を突然変異させて、標的抗体を生成する工程をさらに含む、請求項29から44の何れか一項に記載の方法。
- VH及び/又はVLアミノ酸配列を突然変異させる工程が、標的抗体の正味の電荷を、正味の電荷の範囲に合致させ、及び/又は標的抗体の疎水性を、疎水性の限定又はそれ未満に設定する、請求項45に記載の方法。
- 標的抗体の正味の電荷及び/又は標的抗体の疎水性が、標的抗体の構造情報から計算される、請求項46に記載の方法。
- 抗体が、モノクローナル抗体である、請求項29から47の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が、IgG1抗体である、請求項48に記載の方法。
- 抗体が、治療用抗体であるか、又は薬学的組成物中にある、請求項49に記載の方法。
- 設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有する抗体を生産する方法であって、抗体の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列は、アスパラギン酸残基を含み、該方法は、
(a)設計基準を満たす、抗体に関するアスパラギン酸不安定性の限定を設定すること;
(b)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(c)ネットワークを通じて、構造情報から計算された抗体のアスパラギン酸不安定性に対応する指標を受信すること;
(d)抗体が設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有するかどうかを決定すること;及び
(e)指標が粘度の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - 設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有する抗体を生産する方法であって、抗体の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列は、アスパラギン酸残基を含み、該方法は、
(a)設計基準を満たす、抗体に関するアスパラギン酸不安定性の限定を設定すること;
(b)抗体の構造情報から、抗体のアスパラギン酸不安定性に対応する指標を計算すること;
(c)抗体が設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有するかどうかを決定すること;及び
(d)指標がアスパラギン酸不安定性の限定を超えない場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - 指標が、
(a)CDRのアミノ酸配列から、(i)アスパラギン酸残基に結合するアルファ炭素の二乗平均平方根の揺らぎ、(ii)アスパラギン酸残基の時間平均された溶媒接触可能表面積、及び(iii)アスパラギン酸残基に直接隣接しているアミノ酸残基に結合する主鎖窒素原子の時間平均された溶媒接触可能表面積を計算する工程;
(b)(i)揺らぎスケーリング因子、(ii)アスパラギン酸残基表面積スケーリング因子、及び(iii)主鎖窒素原子表面積スケーリング因子を抗体に関して選択する工程;及び
(c)スケーリング因子を含む目的関数から、アスパラギン酸不安定性に対応する指標を計算する工程
を含む方法によって計算される、請求項51又は52に記載の方法。 - アスパラギン酸残基に直接隣接しているアミノ酸残基が、N位におけるアスパラギン酸残基に対してN+1位にある、請求項53に記載の方法。
- 少なくとも一の試験抗体の少なくとも一のアスパラギン酸不安定性の測定値のデータからスケーリング因子を導き出すことをさらに含む、請求項53に記載の方法。
- 少なくとも一の試験抗体のアスパラギン酸不安定性の測定が、所定温度で少なくとも一の試験抗体をインキュベートすること、続いて質量分析及びHPLCベースの技術に適用することを含む、請求項55に記載の方法。
- アスパラギン酸不安定性が、アスパラギン酸の異性化に相当する、請求項51又は52に記載の方法。
- 設計基準が、不安定性の限定である、請求項51又は52に記載の方法。
- 不安定性の限定が、貯蔵寿命に基づいている、請求項58に記載の方法。
- 不安定性の限定が、約2.5%/週のアスパラギン酸の異性化である、請求項58に記載の方法。
- 目的関数において、指標が、(揺らぎ×揺らぎスケーリング因子)と、(アスパラギン酸残基の時間平均された溶媒接触可能表面積×アスパラギン酸残基表面積スケーリング因子)と、(主鎖窒素原子の時間平均された溶媒接触可能表面積×主鎖窒素原子表面積スケーリング因子)との和に累乗されるオイラー数を含む、請求項53に記載の方法。
- 指標が第1の指標であり、第1の指標が有効数字1桁に四捨五入されて第2の指標が生成され、第2の指標がゼロであることは、第1の指標が粘度の限定を超えないことに対応し、第2の指標が1であることは、第1の指標が粘度の限定を超えることに対応する、請求項61に記載の方法。
- アスパラギン酸残基に直接隣接しているアミノ酸残基が、グリシン、スレオニン、アスパラギン酸及びアラニンからなる群より選択される、請求項54に記載の方法。
- スケーリング因子を選択することが、一又は複数の水溶液条件のそれぞれにつき、(i)揺らぎスケーリング因子、(ii)アスパラギン酸残基表面積スケーリング因子;及び(iii)主鎖窒素原子表面積スケーリング因子を含むスケーリング因子のセットから選択することを含む、請求項51又は52に記載の方法。
- 水溶液条件が、温度、pH、バッファーのタイプ及びイオン強度を含む、請求項64に記載の方法。
- 水溶液条件が、20mMの酢酸ヒスチジンバッファーを含む、請求項65に記載の方法。
- 水溶液条件が、約313Kの温度を含む、請求項65又は66に記載の方法。
- 抗体が、モノクローナル抗体である、請求項51から67の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が、IgG1抗体である、請求項51から68の何れか一項に記載の方法。
- 設計基準が、治療剤又は薬学的組成物に関する、請求項51から69の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が設計基準を満たす場合、抗体のAsp不安定性を測定する工程をさらに含む、請求項51から70の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が設計基準を満たすと決定される場合、抗体を生産する工程をさらに含む、請求項51から71の何れか一項に記載の方法。
- 抗体を得る工程をさらに含む、請求項72に記載の方法。
- 抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、請求項73に記載の方法。
- 抗体を含む薬学的製剤を調製する工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
- 抗体が既存の抗体であり、既存の抗体が設計基準を満たさないアスパラギン酸不安定性を有するときに、指標がアスパラギン酸不安定性の限定を超える場合、既存の抗体の少なくとも一のアミノ酸残基を修飾、除去又は置換して、設計基準を満たすアスパラギン酸不安定性を有する標的抗体を生成する工程;及び標的抗体を生産する工程をさらに含む、請求項51又は52に記載の方法。
- 少なくとも一のアミノ酸残基が、アスパラギン酸残基を含む、請求項76に記載の方法。
- 生産された標的抗体を得る工程をさらに含む、請求項76又は77に記載の方法。
- 標的抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、請求項78に記載の方法。
- 設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有する抗体を生産するための方法であって、
(a)ネットワークを通じて、抗体の構造情報を送信すること;
(b)ネットワークを通じて、相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列からの構造情報から計算される、抗体のCDRのトリプトファン残基の時間平均された溶媒接触可能表面積を受信すること;
(c)時間平均された溶媒接触可能表面積をカットオフ値と比較すること;
(d)時間平均された溶媒接触可能表面積がカットオフ値未満である場合、抗体が、設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定すること;及び
(e)抗体が設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - 設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有する抗体を生産するための方法であって、
(a)抗体の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列から、CDRのトリプトファン残基の時間平均された溶媒接触可能表面積を計算すること;
(b)時間平均された溶媒接触可能表面積をカットオフ値と比較すること;
(c)時間平均された溶媒接触可能表面積がカットオフ値未満である場合、抗体が、設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定すること;及び
(d)抗体が設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有すると決定される場合のみ、抗体を生産すること
を含む、方法。 - トリプトファン不安定性が、トリプトファン酸化に相当する、請求項80又は81に記載の方法。
- 水溶媒和の値が、時間平均された溶媒接触可能表面積の計算の基礎である、請求項80又は81に記載の方法。
- 水溶媒和が、コンピューターモデリング分子動力学シミュレーションにおけるパラメーターである、請求項83に記載の方法。
- 分子動力学シミュレーションが、AMBERシミュレーションソフトウェアを使用して行われる、請求項84に記載の方法。
- カットオフ値が、約80Å2のトリプトファン側鎖の溶媒接触表面積である、請求項80又は81に記載の方法。
- トリプトファン側鎖の溶媒接触表面積が、AREAIMOLソフトウェアを使用して決定される、請求項80又は81に記載の方法。
- 抗体の全6つのCDRのアミノ酸配列が、唯一のトリプトファン残基を含有する、請求項80又は81に記載の方法。
- 抗体が、設計基準を満たすTrp不安定性を有すると決定される場合、Trp不安定性を測定する工程をさらに含む、請求項80又は81に記載の方法。
- 生産された抗体を得る工程をさらに含む、請求項80又は81に記載の方法。
- 抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、請求項90に記載の方法。
- 抗体を含む薬学的組成物を調製する工程をさらに含む、請求項80から91の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が、モノクローナル抗体である、請求項80から92の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が、IgG1抗体である、請求項80から93の何れか一項に記載の方法。
- 設計基準が、治療剤に関する、請求項80から94の何れか一項に記載の方法。
- 抗体が既存の抗体であり、既存の抗体が設計基準を満たさないトリプトファン不安定性を有する場合、既存の抗体の少なくとも一のアミノ酸残基を修飾、除去又は置換して、設計基準を満たすトリプトファン不安定性を有する標的抗体を生成する工程;及び標的抗体を生産する工程をさらに含む、請求項80又は81に記載の方法。
- 少なくとも一のアミノ酸残基が、トリプトファン残基を含む、請求項96に記載の方法。
- 生産された標的抗体を得る工程をさらに含む、請求項96又は97に記載の方法。
- 標的抗体が、少なくとも一の精製工程により得られる、請求項98に記載の方法。
- 抗体又は標的抗体が、抗体又は標的抗体を発現するのに好適な条件下で、抗体又は標的抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養する方法に従って生産される、請求項96から99の何れか一項に記載の方法。
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