JP2020090475A - ユウロピウム錯体 - Google Patents

ユウロピウム錯体 Download PDF

Info

Publication number
JP2020090475A
JP2020090475A JP2019034369A JP2019034369A JP2020090475A JP 2020090475 A JP2020090475 A JP 2020090475A JP 2019034369 A JP2019034369 A JP 2019034369A JP 2019034369 A JP2019034369 A JP 2019034369A JP 2020090475 A JP2020090475 A JP 2020090475A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
europium
carbon atoms
general formula
europium complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019034369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7227789B2 (ja
Inventor
啓介 荒木
Keisuke Araki
啓介 荒木
寛哉 本田
Hiroya Honda
寛哉 本田
尚之 小礒
Naoyuki KOISO
尚之 小礒
良 仲亀
Ryo NAKAGAME
良 仲亀
史晃 吉冨
Fumiaki Yoshitomi
史晃 吉冨
宏平 岩永
Kohei Iwanaga
宏平 岩永
泰志 古川
Yasushi Furukawa
泰志 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Tosoh Corp
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sagami Chemical Research Institute, Tosoh Corp filed Critical Sagami Chemical Research Institute
Publication of JP2020090475A publication Critical patent/JP2020090475A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7227789B2 publication Critical patent/JP7227789B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】高い光安定性を有するユウロピウム錯体の提供。【解決手段】式(1)で示されるユウロピウム錯体。[R1及びR2は各々独立にC3〜10の環状アルキル基;R3は、C3〜10の環状アルキル基又は式(2a)で表されるフェニル基]【選択図】なし

Description

本発明は、高い耐光性を有するユウロピウム錯体に関する。
光学材料は光通信やディスプレイ等のオプトエレクトロニクス分野や太陽電池等のエネルギー分野での基幹材料として技術開発が盛んに行われ、各種の無機ガラス材料やセラミック材料、レーザー材料、有機低分子発光材料、希土類金属錯体等が創出されている。
希土類金属錯体は、特定の波長を吸収し別の波長で発光する特徴があり、優れた波長変換材料となりうることが期待されている。また波長変換材料には強発光性を有することに加えて、高い耐光性が必要である。
近年、強発光性希土類金属錯体として、β−ジケトナト配位子とホスフィンオキシド配位子をもつユウロピウム錯体(例えば、特許文献1及び2参照)が報告されている。また特許文献3、特許文献4、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3の開示するユウロピウム錯体は本願記載のユウロピウム錯体と類するものが開示されているもののこれらの錯体の耐光性に関する記述は一切ない。
RUB1453860 特開2003−81986号公報 特許2005−223276号公報 特許2014−197144号公報
第36回無機高分子研究討論会講演要旨集、公益社団法人 高分子学会、2017年、p.47 日本化学会第98回春季年会(2018)予稿集、公益社団法人 日本化学会、2PA−194 European Journal of Inorganic Chemistry,第3号,639ページ(2017年)
本発明の課題は、高い耐光性を有するユウロピウム錯体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、β−ジケトナトと、リン原子上に特定の置換基を導入したホスフィンオキシドとを配位子とするユウロピウム錯体が著しく高い耐光性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下の通り一般式(1)において、Rのみが環状アルキル基を有するユウロピウム錯体(ユウロピウム錯体A)及びR及びRが環状アルキル基を有するユウロピウム(ユウロピウム錯体B)である。
(i)
一般式(1)
[式中、Rは炭素数3〜10の環状アルキル基であり、R及びRは、一般式(2a)で表されるフェニル基
(式中、X、X、X、X、及びXは、各々独立に、水素原子;フッ素原子;炭素数1〜3のアルキル基;炭素数1〜3のアルキルオキシ基;炭素数6〜10のアリールオキシ基;炭素数1〜3のフルオロアルキル基;炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基;又はフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基、若しくはシアノ基で置換されてもよいフェニル基を表す。)を表す。ただし、Rがシクロヘキシル基、且つ、R、Rがフェニル基である場合を除く。Rは、水素原子、重水素原子、又はフッ素原子を表す。W及びWは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、フェニル基、2−チエニル基又は3−チエニル基を表す。nは1〜3の整数を表す。]で表されるユウロピウム錯体;
(ii)前記一般式(1)中、Rがシクロヘキシル基である前記(i)に記載のユウロピウム錯体;
(iii)前記一般式(1)中、nが2である前記(i)又は(ii)に記載のユウロピウム錯体;
(iv)前記一般式(1)中、W及びWが、各々独立に、炭素数1〜6のフルオロアルキル基である前記(i)〜(iii)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
(v)前記一般式(1)中、Rが水素原子である前記(i)〜(iv)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
(vi)前記一般式(2a)中、X、X及びXが各々独立に、水素原子、メチル基、又は一般式(2b)
[式中、Z、Z及びZが、各々独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニル基である。]で表されるフェニル基であり、X及びXは、各々独立に、水素原子又はメチル基である前記(i)〜(v)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
(vii)
一般式(1)
[式中、R及びRは各々独立に炭素数3〜10の環状アルキル基であり、Rは、炭素数3〜10の環状アルキル基又は一般式(2a)で表されるフェニル基
(式中、X、X、X、X、及びXは、各々独立に、水素原子;フッ素原子;炭素数1〜3のアルキル基;炭素数1〜3のアルキルオキシ基;炭素数6〜10のアリールオキシ基;炭素数1〜3のフルオロアルキル基;炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基;又はフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基、若しくはシアノ基で置換されてもよいフェニル基を表す。)を表す。Rは、水素原子、重水素原子、又はフッ素原子を表す。W及びWは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、フェニル基、2−チエニル基又は3−チエニル基を表す。nは1〜3の整数を表す。]で表されるユウロピウム錯体;
(viii)前記一般式(1)中、Rが炭素数3〜10の環状アルキル基である前記(vii)に記載のユウロピウム錯体;
(ix)前記一般式(1)中、R、R及びRが、シクロヘキシル基である前記(vii)又は(viii)に記載のユウロピウム錯体;
(x)前記一般式(1)中、nが2である前記(vii)〜(ix)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
(xi)前記一般式(1)中、W及びWが、各々独立に、炭素数1〜6のフルオロアルキル基である前記(vii)〜(x)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
(xii)前記一般式(1)中、Rが水素原子である前記(vii)〜(xi)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
(xiii)前記一般式(2a)中、X、X及びXが各々独立に、水素原子、メチル基、又は一般式(2b)
[式中、Z、Z及びZが、各々独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニル基である。]で表されるフェニル基であり、X及びXは、各々独立に、水素原子又はメチル基である前記(vii)〜(xii)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
(xiv)ユウロピウム錯体が、下記式1−1〜1−11、及び1−19〜1−21であることを特徴とする前記(vii)〜(xiii)のいずれかに記載のユウロピウム錯体;
に関するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のユウロピウム錯体A、BにおけるR、R、R、R、X、X、X、X、X、Z、Z、Z、n、W及びWの定義について説明する。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(1)のRで表される炭素数3〜10の環状アルキル基及びユウロピウム錯体Bの一般式(1)のR及びでR表される炭素数3〜10の環状アルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、シクロへキシルメチル基、シクロプロピル基、2,3−ジメチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、3−エチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデカニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、アダマンタン−2−イル基等の環状第二級アルキル基や、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、アダマンタン−1−イル基等を例示することができる。本発明のユウロピウム錯体A、Bの耐光性が良い点で、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基又はシクロデカニル基等が好ましく、特に安価な点でシクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好ましい。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のアルキルオキシ基としては、直鎖状又は分岐状アルキルオキシ基のいずれでも良く、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及び1−メチルエチルオキシ基を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、3−エチルフェニルオキシ基、4−エチルフェニルオキシ基、2,3−ジエチルフェニルオキシ基、2,4−ジエチルフェニルオキシ基、2,5−ジエチルフェニルオキシ基、2,6−ジエチルフェニルオキシ基、3,4−ジエチルフェニルオキシ基、3,5−ジエチルフェニルオキシ基、2−プロピルフェニルオキシ基、3−プロピルフェニルオキシ基、4−プロピルフェニルオキシ基、2−イソプロピルフェニルオキシ基、3−イソプロピルフェニルオキシ基、4−イソプロピルフェニルオキシ基、2−シクロプロピルフェニルオキシ基、3−シクロプロピルフェニルオキシ基、4−シクロプロピルフェニルオキシ基、2−ブチルフェニルオキシ基、3−ブチルフェニルオキシ基、4−ブチルフェニルオキシ基、2−(1−メチルプロピル)フェニルオキシ基、3−(1−メチルプロピル)フェニルオキシ基、4−(1−メチルプロピル)フェニルオキシ基、2−(2−メチルプロピル)フェニルオキシ基、3−(2−メチルプロピル)フェニルオキシ基、4−(2−メチルプロピル)フェニルオキシ基、2−シクロブチルフェニルオキシ基、3−シクロブチルフェニルオキシ基、4−シクロブチルフェニルオキシ基等を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、直鎖状又は分岐状フルオロアルキル基のいずれでも良く、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、1,1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基等を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基としては、直鎖状又は分岐状フルオロアルキルオキシ基のいずれでも良く、トリフルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基、ペルフルオロエチルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエチルオキシ基、1,1−ジフルオロエチルオキシ基、2,2−ジフルオロエチルオキシ基、ペルフルオロプロピルオキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基、1,1−ジフルオロプロピルオキシ基、1,1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルオキシ基等を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2a)のX、X、X、X及びXの一つ以上がフェニル基である場合、該フェニル基は、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよく、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基及びシアノ基からなる群の少なくとも1種以上で置換されたフェニル基(以下、「置換フェニル基」ともいう。)である場合、置換フェニル基として、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(イソプロピルオキシ)フェニル基、2,6−ジ(イソプロピルオキシ)フェニル基、2−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基、2’−フルオロビフェニル−2−イル基、4’−フルオロビフェニル−2−イル基、4’−フルオロビフェニル−4−イル基、3’,5’−ジフルオロビフェニル−2−イル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基及び4−ヒドロキシフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2b)のZ、Z及びZで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、X、X、X、X及びXの説明にて例示した炭素数1〜3のアルキル基と同様のものを例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2b)のZ、Z及びZで表される炭素数1〜3のアルキルオキシ基としては、X、X、X、X及びXの説明にて例示した炭素数1〜3のアルキルオキシ基と同様のものを例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2b)のZ、Z及びZで表される炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、X、X、X、X及びXの説明にて例示した炭素数6〜10のアリールオキシ基と同様のものを例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2b)のZ、Z及びZで表される炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、X、X、X、X及びXの説明にて例示した炭素数1〜3のフルオロアルキル基と同様のものを例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2b)のZ、Z及びZで表される炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基としては、X、X、X、X及びXにて例示した炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基と同様のものを例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2b)のZ、Z及びZで表されるフッ素原子で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、ペルオロフェニル基等を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2b)のZ、Z及びZで表される置換基として、耐光性が良い点で、水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシ基、イソプロピルオキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基が好ましい。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される置換基として、耐光性が良い点で、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、メトキシ基、イソプロピルオキシ基、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていても良いフェニル基、直鎖状フルオロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状フルオロアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基が好ましく、水素原子、メチル基、イソプロピル基、メトキシ基、イソプロピルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニル基、2,6−ビス(イソプロポキシ)フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルオキシフェニル基又はフェニル基がさらに好ましい。
本発明のユウロピウム錯体Aの一般式(1)のR及びRで表される置換基として、耐光性が良い点で、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基で置換されていてもよいビフェニリル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状フルオロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基が好ましく、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル基、2’,6’−ビス(イソプロポキシ)ビフェニル−2−イル基、2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル基、4’−フルオロビフェニル−2−イル基、4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル基、又は4’−(トリフルオロメチルオキシ)ビフェニル−2−イル基がさらに好ましい。
本発明のユウロピウム錯体Bの一般式(1)のRで表される置換基として、耐光性が良い点で、炭素数3〜10の環状第2級アルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいビフェニリル基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基で置換されていてもよいビフェニリル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状フルオロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基が好ましく、シクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル基、2’,6’−ビス(イソプロポキシ)ビフェニル−2−イル基、2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル基、4’−フルオロビフェニル−2−イル基、4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル基、又は4’−(トリフルオロメチルオキシ)ビフェニル−2−イル基がさらに好ましい。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(1)のRは、水素原子、重水素原子又はフッ素原子を表し、入手が容易な点で、水素原子が好ましい。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(1)のnは、1〜3の整数を表し、本発明のユウロピウム錯体A、Bの耐光性が良い点で、nが2であることが好ましい。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(1)のW及びWで表される炭素数1〜6のアルキル基としては直鎖状分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(1)のW及びWで表される炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状フルオロアルキル基のいずれでもよく、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、1,1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(トリフルオロメチル)プロピル基、1−(トリフルオロメチル)プロピル基、1−メチル−3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)プロピル基、1,2,2,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−1−(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,2,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,2,2,3,4,4,4−オクタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1,1−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−1−(トリフルオロメチル)ペンチル基、1,1,2,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンチル基、1,1,2,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,5,5,5−デカフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,2,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1,3−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,2,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,2,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−3,3−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロペンチルメチル基等を例示することができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bの一般式(1)のW及びWで表される置換基として、耐光性が良い点で、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、及びペルフルオロプロピル基がさらに好ましい。
本発明のユウロピウム錯体A、Bにおいて、安価に製造できる点でユウロピウム錯体Bが好ましい。
本発明のユウロピウム錯体Bとしては、R及びRいずれもシクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好ましく、特に、R、R及びRのいずれもシクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好ましい。
本発明のユウロピウム錯体Bとしては、具体的には次の(1−1)〜(1−21)に示す構造を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1−1)〜(1−21)で示される化合物のうち、本発明のユウロピウム錯体Bとしては耐光性が良い点で(1−1)〜(1−3)、(1−4)〜(1−8)が好ましく、安価な原料である三塩化リンからホスフィンオキシド(4−8)を経由して容易に合成可能、かつ製造コストが安価である点で(1−8)が殊更好ましい。
次に、本発明のユウロピウム錯体A、Bの製造方法(以下、本発明の製造方法と呼ぶ。)について説明する。本発明のユウロピウム錯体A、Bの製造方法として、一般式(4)で表されるホスフィンオキシド(以下、ホスフィンオキシド(4)と呼ぶ。)と、一般式(3)で表されるβ−ジケトン(以下、β−ジケトン(3)と呼ぶ。)と、ユウロピウム塩とを反応させることを特徴とする、工程1を挙げることができる。
(工程1)
(式中、R、R、R、R、n、W及びWは、一般式(1)のR、R、R、R、n、W及びWと同じ意味を表す。)
工程1において、一般式(4)のRで表される炭素数3〜10の環状アルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、シクロヘキシルメチル基、シクロプロピル基、2,3−ジメチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、3−エチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデカニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、アダマンタン−1−イル基、アダマンタン−2−イル基等を例示することができ、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基又はシクロデカニル基等が好ましく、特にシクロペンチル基又は反応収率が良い点でシクロヘキシル基が好ましい。
工程1において、一般式(4)のR及びRが炭素数3〜10の環状アルキル基である場合、該炭素数3〜10の環状アルキル基としては、Rの説明にて例示した炭素数3〜10の環状アルキル基と同様のものを例示することができる。
工程1において、一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基を例示することができる。
工程1において、一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のアルキルオキシ基としては、直鎖状又は分岐状アルキルオキシ基のいずれでも良く、メトキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基及び1−メチルエチルオキシ基を例示することができる。
工程1において、一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、3−エチルフェニルオキシ基、4−エチルフェニルオキシ基、2,3−ジエチルフェニルオキシ基、2,4−ジエチルフェニルオキシ基、2,5−ジエチルフェニルオキシ基、2,6−ジエチルフェニルオキシ基、3,4−ジエチルフェニルオキシ基、3,5−ジエチルフェニルオキシ基、2−プロピルフェニルオキシ基、3−プロピルフェニルオキシ基、4−プロピルフェニルオキシ基、2−イソプロピルフェニルオキシ基、3−イソプロピルフェニルオキシ基、4−イソプロピルフェニルオキシ基、2−シクロプロピルフェニルオキシ基、3−シクロプロピルフェニルオキシ基、4−シクロプロピルフェニルオキシ基、2−ブチルフェニルオキシ基、3−ブチルフェニルオキシ基、4−ブチルフェニルオキシ基、2−(1−メチルプロピル)フェニルオキシ基、3−(1−メチルプロピル)フェニルオキシ基、4−(1−メチルプロピル)フェニルオキシ基、2−(2−メチルプロピル)フェニルオキシ基、3−(2−メチルプロピル)フェニルオキシ基、4−(2−メチルプロピル)フェニルオキシ基、2−シクロブチルフェニルオキシ基、3−シクロブチルフェニルオキシ基、4−シクロブチルフェニルオキシ基等を例示することができる。
一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、直鎖状又は分岐状フルオロアルキル基のいずれでも良く、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、1,1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基等を例示することができる。
工程1において、一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基としては、直鎖状又は分岐状フルオロアルキルオキシ基のいずれでも良く、トリフルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基、ペルフルオロエチルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエチルオキシ基、1,1−ジフルオロエチルオキシ基、2,2−ジフルオロエチルオキシ基、ペルフルオロプロピルオキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基、1,1−ジフルオロプロピルオキシ基、1,1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルオキシ基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルオキシ基等を例示することができる。
工程1において、一般式(2a)のX、X、X、X及びXの一つ以上がフェニル基である場合、該フェニル基は、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよく、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基、及びシアノ基からなる群の少なくとも1種以上で置換されたフェニル基(以下、「置換フェニル基」ともいう。)である場合、置換フェニル基として、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(イソプロピルオキシ)フェニル基、2,6−ジ(イソプロピルオキシ)フェニル基、2−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基、2’−フルオロビフェニル−2−イル基、4’−フルオロビフェニル−2−イル基、4’−フルオロビフェニル−4−イル基、3’,5’−ジフルオロビフェニル−2−イル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基及び4−ヒドロキシフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等を例示することができる。
工程1において、一般式(2a)のX、X、X、X及びXで表される置換基として、収率が良い点で、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、メトキシ基、イソプロポキシ基、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状フルオロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状フルオロアルキルオキシ基で置換されていてもよいフェニル基が好ましく、水素原子、メチル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、2,6−ビス(イソプロポキシ)フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基又はフェニル基がさらに好ましい。
工程1において、一般式(4)のR及びRで表される置換基として、反応収率が良い点で、炭素数3〜10の環状第2級アルキル基、直鎖状アルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜3のアルキル基、若しくは炭素数1〜3のアルキルオキシ基で置換されていてもよいビフェニリル基が好ましく、シクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル基、2’,6’−ビス(イソプロポキシ)ビフェニル−2−イル基、2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル基がさらに好ましい。
工程1に用いるホスフィンオキシド(4)は、Chemical Reviews,第60巻,243−260ページ,1960年に記載の方法などによって入手することができる。
工程1に用いるホスフィンオキシド(4)としては、具体的には次の(4−1)〜(4−21)に示す構造を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(4−1)〜(4−21)で示される化合物のうち、ホスフィンオキシド(4)としては(4−1)〜(4−3)、(4−8)、(4−15)で示される化合物が、反応収率が良い点で好ましい。
工程1において、一般式(3)のRは、水素原子、重水素原子、又はフッ素原子を表し、入手が容易可能な点で、水素原子が好ましい。
工程1において、一般式(3)のW及びWで表される炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状フルオロアルキル基のいずれでもよく、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、1,1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(トリフルオロメチル)プロピル基、1−(トリフルオロメチル)プロピル基、1−メチル−3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)プロピル基、1,2,2,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−1−(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,2,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,2,2,3,4,4,4−オクタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1,1−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−1−(トリフルオロメチル)ペンチル基、1,1,2,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンチル基、1,1,2,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,5,5,5−デカフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,2,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1,3−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,2,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、1,1,2,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−3,3−ビス(トリフルオロメチル)ブチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロペンチルメチル基等を例示することができる。
工程1において、一般式(3)のW及びWで表される置換基として、反応収率の良い点で、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、及びペルフルオロプロピル基がさらに好ましい。
工程1に用いるβ−ジケトン(3)としては、具体的にはヘキサフルオロアセチルアセトン(Hhfa)、1,1,1,5,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、1,1,5,5−テトラフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,2,2,3,3,7,7,8,8,9,9,9−テトラデカフルオロ−4,6−ノナンジオン(Htdfn)、8H,8H−パーフルオロペンタデカン−7,9−ジオン、トリフルオロアセチルアセトン、2,2−ジメチル−6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−3,5−オクタンジオン、アセチルアセトン、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ブタンジオン、4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン等を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
工程1に用いるβ−ジケトン(3)は、例えば、Journal of the American Chemical Society,第66巻,1220−1222ページ,1944年などに記載の方法によって得ることができる。また、市販品を用いてもよい。β−ジケトン(3)は活性な水素原子を有しており、水素イオンが失われて陰イオン性配位子となる。例えば、hfaはHhfaから水素イオンが失われた陰イオン性配位子を表し、tdfnはHtdfnから水素イオンが失われた陰イオン性配位子を表す。
β−ジケトン(3)は、分子内水素移動を起こしてエノール(3a)又はエノール(3b)を形成しうるが、本発明のβ−ジケトン(3)は、いずれのエノールを含むものである。本明細書においては、β−ジケトン(3)を式(3)として表記する。
工程1で用いられるユウロピウム塩としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ化ユウロピウム(III)、塩化ユウロピウム(III)、臭化ユウロピウム(III)、ヨウ化ユウロピウム(III)等のハロゲン化物塩及びそれらの水和物、シュウ酸ユウロピウム(III)、酢酸ユウロピウム(III)、トリフルオロ酢酸ユウロピウム(III)、メタントリフルオロスルホン酸ユウロピウム(III)等の有機酸塩及びそれらの水和物、トリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]ユウロピウム(III)、ユウロピウム(III)トリメトキシド、ユウロピウム(III)トリエトキシド、ユウロピウム(III)トリ(2−プロポキシド)等の金属アルコキシド、リン酸ユウロピウム(III)、硫酸ユウロピウム(III)、硝酸ユウロピウム(III)等の無機酸塩及びそれらの水和物を挙げることができる。中でも反応収率が良い点で、塩化ユウロピウム(III)、硝酸ユウロピウム(III)又はシュウ酸ユウロピウム(III)、酢酸ユウロピウム(III)、トリフルオロ酢酸ユウロピウム(III)、メタントリフルオロスルホン酸ユウロピウム(III)等の有機酸塩が好ましく、酢酸ユウロピウム(III)、塩化ユウロピウム(III)、硝酸ユウロピウム(III)がさらに好ましい。
工程1において、一般式(1)のnは、1〜3の整数を表し、反応収率の良い点で、nが2であることが好ましい。
工程1において、本発明のユウロピウム錯体A、Bの反応収率が良い点で、溶媒中で実施することが好ましい。使用可能な溶媒の種類には、反応を阻害しない限り特に制限は無い。使用可能な溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、tert−ブチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、及び水を挙げることができる。これら溶媒を単独、または二種類以上を任意の比率で混合して用いることもできる。本発明のユウロピウム錯体A、Bの反応収率が良い点で、溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、メタノール又はエタノールが好ましい。
次に工程1において、ユウロピウム塩およびホスフィンオキシド(4)のモル比に関して説明する。ユウロピウム塩1モルに対して0.5〜5.0モル、更に好ましくは1.0〜3.0モルのホスフィンオキシド(4)を用いることが好ましい。
工程1において、ユウロピウム塩およびβ−ジケトン(3)のモル比に関して説明する。ユウロピウム塩1モルに対して1.0〜10モル、更に好ましくは2.0〜8.0モルのβ−ジケトン(3)を用いることが好ましい。
工程1において、反応温度および反応時間には特に制限はなく、当業者が金属錯体を製造するときの一般的な条件を用いることができる。具体例としては、−80℃〜120℃の温度範囲から適宜選択した反応温度において、1分間〜120時間の範囲から適宜選択した反応時間を選択することによって本発明のユウロピウム錯体A、Bを収率良く製造することができる。
工程1で製造した本発明のユウロピウム錯体A、Bは、当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製することができる。具体的な精製方法としては、ろ過、抽出、遠心分離、デカンテーション、蒸留、昇華、結晶化、カラムクロマトグラフィーなどを挙げることができる。
また本発明の製造方法として、ジケトナト錯体(5)とホスフィンオキシド(4)とを反応させることを特徴とする、工程2も挙げることができる。
(工程2)
(式中、R、R、R、R、n、W及びWは一般式(1)のR、R、R、R、n、W及びWと同じ意味を表す。Qは配位分子を表す。mは0〜3の数を表す。)
工程2において、Qで表される配位分子としては、反応を阻害しない限り制限はなく、具体的には、水、重水、テトラヒドロフラン、ピリジン、イミダゾール、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリルやプロピオニトリルなどのニトリル類、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを例示することができ、ジケトナト錯体(5)の合成が容易な点で水が好ましい。
ジケトナト錯体(5)のmは、合成容易な点で好ましくは2である。
工程2に用いるジケトナト錯体(5)は、本明細書の参考例1に記載の方法やJournal of the American Chemical Society,第87巻,5254−5256ページ,1965年などに記載の方法によって入手することができる。
工程2に用いるジケトナト錯体(5)の具体的な例としては、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)、トリス(1,1,1,5,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ジオキソヘキサン−3−イド)ユウロピウム(III)、トリス(1,1,5,5−テトラフルオロ−2,4−ジオキソペンタン−3−イド)ユウロピウム(III)、トリス(1,1,1,2,2,3,3,7,7,8,8,9,9,9−テトラデカフルオロ−4,6−ジオキソノナン−5−イド)ユウロピウム(III)、トリス(1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15,15−ヘキサコサフルオロ−7,9−ジオキソペンタデカン−8−イド)ユウロピウム(III)、トリス(トリフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)、トリス[4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ジオキソブタン−2−イド]ユウロピウム(III)、トリス(4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ジオキソブタン−2−イド)ユウロピウム(III)、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−ジオキソプロパン−2−イド)ユウロピウム(III)及びそれらの水和物などを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
工程2に用いるホスフィンオキシド(4)は、本明細書の参考例3に記載の方法、Chemical Reviews,第60巻,243−260ページ,1960年及びOrganic Letters,第13巻,3478−3481ページ,2011年などに記載の方法によって入手することができる。
工程2に用いるホスフィンオキシド(4)としては、工程1の説明にて例示したものと同様のものを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。工程2において、反応収率が良い点で、R、R及びRがシクロヘキシル基が好ましい。
工程2において、本発明のユウロピウム錯体A、Bの反応収率が良い点で、溶媒中で実施することが好ましい。使用可能な溶媒の種類には、反応を阻害しない限り特に制限は無い。使用可能な溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル類、tert−ブチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、及び水を挙げることができる。これら溶媒を単独または2種類以上を任意の比率で混合して用いることができる。本発明のユウロピウム錯体A、Bの反応収率が良い点で、溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、メタノール又はエタノールが好ましい。
次に工程2を実施するときのジケトナト錯体(5)およびホスフィンオキシド(4)のモル比に関して説明する。ジケトナト錯体(5)1モルに対して0.5〜5.0モル、更に好ましくは1.0〜3.0モルのホスフィンオキシド(4)を用いることが好ましい。
工程2において、反応温度および反応時間には特に制限はなく、当業者が金属錯体を製造するときの一般的な条件を用いることができる。具体例としては、−80℃〜120℃の温度範囲から適宜選択した反応温度において、1分間〜120時間の範囲から適宜選択した反応時間を選択することによって本発明のユウロピウム錯体A、Bを反応収率良く製造することができる。
工程2で製造した本発明のユウロピウム錯体A、Bは、当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製することができる。具体的な精製方法としては、ろ過、抽出、遠心分離、デカンテーション、蒸留、昇華、結晶化、カラムクロマトグラフィーなどを挙げることができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bは、太陽光や紫外光等を長期間照射しても劣化し難い特長を示すことから、本発明のユウロピウム錯体A、Bを含む光学材料として有用であり、該光学材料としては、太陽電池用フィルム、農業用フィルム、LED蛍光体、有機EL材料、セキュリティインク等に用いられる波長変換材料が特に有用である。
また、本発明のユウロピウム錯体A、Bは、樹脂材料、無機ガラス、有機低分子材料から選ばれる1種以上含む光学材料として用いることができ、分散性が高いことから、樹脂材料を含む光学材料とすることが特に好ましい。該樹脂材料として、例えばポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリsec−ブチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリtert−ブチルメタクリレート、含フッ素ポリメチルメタクリレート、含フッ素ポリエチルメタクリレート、含フッ素ポリプロピルメタクリレート、含フッ素ポリイソプロピルメタクリレート、含フッ素ポリブチルメタクリレート、含フッ素ポリsec−ブチルメタクリレート、含フッ素ポリイソブチルメタクリレート、含フッ素ポリtert−ブチルメタクリレート等のポリメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリイソプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリsec−ブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート、ポリtert−ブチルアクリレート、含フッ素ポリメチルアクリレート、含フッ素ポリエチルアクリレート、含フッ素ポリプロピルアクリレート、含フッ素ポリイソプロピルアクリレート、含フッ素ポリブチルアクリレート、含フッ素ポリsec−ブチルアクリレート、含フッ素ポリイソブチルアクリレート、含フッ素ポリtert−ブチルアクリレート等のポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、含フッ素ポリエチレン、含フッ素ポリプロピレン、含フッ素ポリブテン等のポリオレフィン、ポリビニルエーテル、含フッ素ポリビニルエーテル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、及びそれらの共重合体、セルロース、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネイト、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、ナフィオン、石油樹脂、ロジン、ケイ素樹脂などが例示され、その中でもポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリsec−ブチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリtert−ブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリイソプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリsec−ブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート、ポリtert−ブチルアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びそれらの共重合体等が好ましく、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びそれらの共重合体が特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせたものであってもよい。
これら樹脂材料の中でも特に好ましく用いられるポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びそれらの共重合体は、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、又は酢酸ビニルを樹脂材料を重合開始剤存在下、50〜80℃で、3〜8時間水中で懸濁重合を行うことにより得ることができる。
用いる重合開始剤としては当業者がこれらの樹脂材料を重合するときに通常用いるものでよく、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物が挙げられる。
懸濁重合の際には、得られるポリマー粒子の凝集防止のために、分散安定剤を添加することが好ましく、該分散安定剤としては当業者が通常用いるものでよく、例えば塩基性リン酸カルシウム,水酸化アルミニウム,炭酸マグネシウムなどの水難溶性無機微粒子やポリアクリル酸塩,ポリメタクリル酸塩,ポリアクリルアミド,ポリビニルアルコール,セルロース誘導体等が挙げられる。
懸濁重合の際には、ゲル化物の抑制を防止するために、重合調整剤を添加することが好ましく、該重合調整剤としては当業者が通常用いるものでよく、例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のニトロキシル化合物、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩、ジ−tert−ブチルニトロオキシド等の窒素酸化物等が挙げられる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bと樹脂材料を含む光学材料における該ユウロピウム錯体A,Bの割合は、好ましくは0.001〜99重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%である。
無機ガラスとして、当業者が通常用いるものでよく、例えば、ソーダガラス、クリスタルガラス、硼珪酸ガラスなどが挙げられる。
有機低分子材料して、当業者が通常用いるものでよく、例えば、アミルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラアミルアンモニウムクロリド等のイオン液体、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、パラフィン等の炭化水素類などが挙げられる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bを含む光学材料を得る方法としては、該ユウロピウム錯体A、Bを単独で用い光学材料とする方法、該ユウロピウム錯体A、Bを樹脂材料、無機ガラス、有機低分子材料から選ばれる1種以上を含む光学材料に含有させ光学材料とする方法、上記樹脂材料を重合する際に相当するモノマーと該ユウロピウム錯体A、Bを混合し該モノマーを重合することにより光学材料とする方法、該ユウロピウム錯体A、Bを溶剤に溶解、分散させ光学材料とする方法等が挙げられる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bを溶剤に溶解、分散させ光学材料とする場合、用いることが出来る溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル類、tert−ブチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、及び水を挙げることができる。これら溶媒を単独または2種類以上を任意の比率で混合して用いることができる。
本発明のユウロピウム錯体A、Bは、リン原子上に特定の置換基を導入することで優れた耐光性を有する化合物となり、太陽光や紫外光等を長期間照射しても劣化しにくく、高い耐光性を有するため、長期間使用できる有望な波長変換材料となる。
実施例1で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例2で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例3で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例4で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例5で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例6で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例7で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例8で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例9で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例10で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例11で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例12で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例13で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例14で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 実施例17で得た本発明のユウロピウム錯体の発光スペクトルである。 作製例1で得た本発明のユウロピウム錯体を含有する光学材料の発光スペクトルである。 作製例2で得た本発明のユウロピウム錯体を含有する光学材料の発光スペクトルである。 作製例3で得た本発明のユウロピウム錯体を含有する光学材料の発光スペクトルである。 実施例1で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例2で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例3で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例4で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例5で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例6で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例7で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例8で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例9で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例10で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例11で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例12で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例13で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。 実施例14で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性試験評価結果である。
以下、実施例、比較例及び評価実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。なお、化学式においてシクロヘキシル基をCyと表す。
本発明のユウロピウム錯体の同定には、以下の分析方法を用いた。
H−NMR、19F−NMR及び31P−NMRの測定には、BRUKER社製 ULTRASHIELD PLUS AVANCE III(400MHz、376MHz及び162MHz)とASCEND AVANCE III HD(400MHz、376MHz及び162MHz)を用いた。H−NMRは、重クロロホルム(CDCl)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。19F−NMRは、重クロロホルム(CDCl)及び重アセトン(Acetone−d)を測定溶媒として測定した。31P−NMRは、重クロロホルム(CDCl)を用いて測定した。
質量分析の測定には、waters社製 waters2695−micromassZQ4000を用いて行った。
発光スペクトルの測定には分光光度計(日本分光社製、FP−6500)を用いて測定した。
発光量子収率の測定には絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製、C9920−03)を用いて測定した。
また、試薬類は市販品を用いた。
参考例1
2−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィン(1.50g,4.28mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(15mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(15mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、2−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンオキシドを白色固体として得た(1.58g,収率>99%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):8.11(m,1H),7.53〜7.46(m,2H),7.45〜7.33(m,3H),7.25〜7.19(m,3H),1.88〜1.78(m,2H),1.78〜1.46(m,8H),1.45〜0.96(m,12H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):48.3(s)。
参考例2
ジシクロヘキシルフェニルホスフィン(580mg,2.11mmol)をジクロロメタン(8.0mL)に溶解し、30%過酸化水素水(0.80mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水(8mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(8mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、ジシクロヘキシルフェニルホスフィンオキシド(440mg、収率72%)が白色固体として得られた。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.66(brt,J=8.0Hz,2H),7.55〜7.44(m,3H),2.12〜1.97(m,4H),1.88〜1.55(m,8H),1.38〜1.08(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):45.3(s)。
参考例3
ジシクロヘキシル(2−メチルフェニル)ホスフィン(577mg,2.0mmol)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、0℃に冷却した後、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(10mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、ジシクロヘキシル(2−メチルフェニル)ホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量486mg,収率80%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.48〜7.42(m,1H),7.37(t,J=7.6Hz,1H),7.25〜7.21(m,2H),2.66(s,3H),2.13〜2.00(m,4H),1.89〜1.54(m,8H),1.48〜1.09(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):49.3(s)。
参考例4
ジシクロヘキシル(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン(475mg,1.5mmol)をジクロロメタン(3.0mL)に溶解し、0℃に冷却した後、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(10mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、ジシクロヘキシル(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量605mg,収率>99%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):6.85(s,2H),2.55(s,6H),2.27(s,3H),2.08〜1.99(m,4H),1.89〜1.62(m,8H),1.49〜1.11(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):52.8(s)。
参考例5
2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)‐2’,6’−ジメトキシビフェニル(412mg,1.0mmol)をジクロロメタン(5.0mL)に溶解し、30%過酸化水素水(2.4mL)を加え、室温で17時間撹拌した。反応混合物に水(15mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(15mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量386mg,収率90%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.54〜7.46(m,1H),7.34〜7.28(t,J=8.2Hz,1H),7.16〜7.12(m,1H),6.60(d,J=8.5Hz,6H),3.68(s,6H),1.79〜1.39(m,12H),1.38〜1.24(m,2H),1.20〜1.01(m,6H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):46.6(s).
参考例6
ジシクロヘキシル(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(500mg,1.1mmol)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、0℃に冷却した後、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(10mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシドの無色油状物を得た(収量572mg,収率>99%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.92〜7.86(m,1H),7.44〜7.34(m,2H),7.21(t,J=8.4Hz,1H),7.05〜7.00(m,1H),6.59(d,J=8.4Hz,2H),4.38(sept,J=6.0Hz,2H),1.80〜1.00(m,34H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):46.
7(s)。
参考例7
2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’ ,6’−トリイソプロピルビフェニル(716mg,1.5mmol)をジクロロメタン(5.0mL)に溶解し、30%過酸化水素水(3.6mL)を加え、室温で17時間撹拌した。反応混合物に水(15mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(15mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、ジシクロヘキシル(2’ ,4’ ,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量588mg,収率80%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.72〜7.63(m,1H),7.48〜7.36(m,2H),7.20〜7.14(m,1H),7.01〜6.95(m,2H),2.97〜2.80(m,1H),2.45〜2.30(m,2H),1.93〜1.79(m,4H),1.78〜1.67(m,8H),1.44〜1.33(m,4H),1.32〜1.22(m,12H),1.21〜1.08(m,6H),0.96(d,J=6.7Hz,6H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):44.4(s)。
参考例8
トリシクロヘキシルホスフィン(1.66g,5.9mmol)をジクロロメタン(10mLに溶解し、30%過酸化水素水(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(15mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(15mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、トリシクロヘキシルホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量1.24g,収率71%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):1.94〜1.73(m,18H),1.48〜1.25(m,15H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):50.0(s)。
参考例9
トリシクロペンチルホスフィン(1.00g,4.20mmol)を入れ、ジクロロメタン(26mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却した後、30%過酸化水素水(1.3 mL)を加え、0℃にて15分間、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水(13mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(26mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、トリシクロペンチルホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量653mg、収率61%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):2.16〜2.02(m,3H),1.95〜1.51(m,24H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):54.0(s,1P)。
参考例10
アルゴン雰囲気下、クロロジシクロヘキシルホスフィン(2.2mL,10mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、水(5.0mL)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を濃縮で除去した後、反応混合物にクロロホルム(20mL)を入れ、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、ジシクロヘキシルホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量2.04g,収率95%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):6.31(d,JPH=433.5Hz,1H),2.01〜1.65(m,12H),1.57〜1.19(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):49.4(s)。
アルゴン雰囲気下、ジシクロヘキシルホスフィンオキシド(1.5g,7.0mmol)、1−ブロモ−2−ヨードベンゼン(0.88mL,7.0mmol)、ヨウ化銅(I)(267mg,1.4mmol)と2,2’−ビピリジル(219mg,1.4mmol)にトルエン(25mL)を加え、室温で5分間撹拌した。反応混合物に炭酸セシウム(4.56g,14mmol)を加え、100℃で21時間撹拌した。ろ過により不溶物を除去した後に、反応混合物にクロロホルム(30mL)を入れ、1M塩酸(30mL)で3回洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、(2−ブロモフェニル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量6.07g,収率70%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):8.13(ddd,J=10.6,7.6,1.8Hz,1H),7.59(dd,J=7.6,3.4Hz,1H),7.46(t,J=7.6Hz,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),2.51〜2.40(m,2H),2.16〜2.05(m,2H),1.92〜1.81(m,2H),1.78〜1.59(m,6H),1.44〜1.14(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):48.7(s)。
参考例11
アルゴン雰囲気下、参考例10で得た(2−ブロモフェニル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド(369mg,1.0mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(280mg,2.0mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(37mg,0.08mmol)、りん酸三カリウム(637mg,3.0mmol)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(18mg,0.020mmol)にトルエン(4.0mL)を加え、100℃で19時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を入れた。水層にクロロホルム(10mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を3回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、(4’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量339mg,収率88%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.99(m,1H),7.52〜7.46(m,2H),7.24〜7.17(m,3H),7.13〜7.07(m,2H),1.90〜1.01(m,22H).19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−114.3(s).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):47.8(s)。
参考例12
アルゴン雰囲気下、参考例10で得た(2−ブロモフェニル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド(369mg,1.0mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(379mg,2.0mmol)、トリフェニルホスフィン(31mg,0.12mmol)、りん酸三カリウム(637mg,3.0mmol)とビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(17mg,0.030mmol)に1,4−ジオキサン(3.4mL)を加え、100℃で14時間撹拌した。反応混合物に水(20mL)を入れた。水層にクロロホルム(20mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、(4’−トリフルオロメチル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量204mg,収率47%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.84(m,1H),7.65(d,J=8.0Hz,2H),7.53〜7.50(m,2H),7.38(d,J=8.0Hz,2H),7.21(m,1H),1.87〜1.05(m,22H).19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−62.4(s).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):47.3(s)。
参考例13
アルゴン雰囲気下、3−ブロモビフェニル(513mg,2.2mmol)をジエチルエーテル(5.0mL)に溶解し、−20℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウムの2.67Mヘキサン溶液(0.85mL,2.3mmol)を滴下し、2時間撹拌した後、クロロジシクロヘキシルホスフィン(0.44mL,2.0mmol)を加え、室温に昇温して6時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、3−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンの白色固体を得た(収量645mg,収率92%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.68(d,J=7.6Hz,1H),7.63〜7.54(m,3H),7.49〜7.33(m,5H),2.00〜0.98(m,22H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):3.68(s)。
3−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィン(631mg,1.8mmol)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、0℃に冷却した後、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(10mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、3−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量969mg,収率>99%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.89(d,J=10Hz,1H),7.74(d,J=7.5Hz,1H),7.65〜7.58(m,3H),7.54(td,J=7.5,2.8Hz,1H),7.47(t,J=7.5Hz,2H),7.39(t,J=7.5Hz,1H),2.13〜2.01(m,4H),1.88〜1.61(m,8H),1.40〜1.09(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl3)δ(ppm):45.0(s)。
参考例14
アルゴン雰囲気下、4−ブロモビフェニル(513mg,2.2mmol)をジエチルエーテル(5.0mL)に溶解し、−20℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウムの2.67Mヘキサン溶液(0.85mL,2.3mmol)を滴下し、2時間撹拌した後、クロロジシクロヘキシルホスフィン(0.44mL,2.0mmol)を加え、室温に昇温して6時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、4−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンの白色固体を得た(収量592mg,収率85%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.72(m,1H),7.65〜7.59(m,2H),7.59〜7.49(m,3H),7.48〜7.32(m,3H),2.12〜1.54(m,12H),1.41〜0.96(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):2.19(s)。
4−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィン(592mg,1.7mmol)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、0℃に冷却した後、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(10mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、4−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量612mg,収率>99%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.76〜7.67(m,4H),7.65〜7.61(m,2H),7.50〜7.44(m,2H),7.39(m,1H),2.14〜1.99(m,4H),1.90〜1.61(m,8H),1.41〜1.09(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl3)δ(ppm):45.0(s)。
参考例15
アルゴン雰囲気下、2−ブロモジフェニルエーテル(498mg,2.0mmol)をテトラヒドロフラン(16.0mL)に溶解し、−80℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウムの2.67Mヘキサン溶液(0.77mL,2.1mmol)を滴下し、3時間撹拌した後、クロロジシクロヘキシルホスフィン(0.44mL,2.0mmol)を加え、室温に昇温して18時間撹拌した。反応混合物に水(20mL)を入れた。水層にジクロロメタン(20mL)を加え、ジクロロメタン層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、ジシクロヘキシル(2−フェノキシフェニル)ホスフィンの白色固体を得た(収量678mg,収率93%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):7.50(m,1H),7.36〜7.24(m,3H),7.11〜7.05(m,2H),6.99〜6.93(m,2H),6.82(m,1H),2.11〜2.00(m,2H),1.92〜1.57(m,10H),1.33〜1.01(m,10H).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):―6.60(s)。
ジシクロヘキシル(2−フェノキシフェニル)ホスフィン(678mg,1.9mmol)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、0℃に冷却した後、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(10mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(10mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)により精製することで、ジシクロヘキシル(2−フェノキシフェニル)ホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量533mg,収率75%)。H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):8.04(m,1H),7.44〜7.35(m,3H),7.24〜7.17(m,2H),7.05〜7.00(m,2H),6.74(m,1H),2.26〜2.02(m,4H),1.87〜1.57(m,8H),1.55〜1.37(m,4H),1.31〜1.05(m,6H).31P−NMR(162MHz,CDCl3)δ(ppm):47.9(s)。
参考例16
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(8.0g,2.5水和物として21mmol)に純水(100mL)を加え、室温で10分撹拌した。反応混合物にHhfa(16.7g,80.2mmol)を滴下後、50℃で3時間撹拌した。得られた白色懸濁液をろ別し、得られた白色固体を水(200mL)、トルエン(200mL)で洗浄することで、ジアクアトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)を白色固体として得た(収量11.6g,酢酸ユウロピウム2.5水和物を21mmol使用したとして収率68%)。19F−NMR(376MHz,Acetone−d),δ(ppm):−81.2(brs).ESIMS(m/z):566.8[M−hfa]
参考例17
ジ(1−アダマンチル)−2−ビフェニルホスフィン(256mg,0.56mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶かし、30%過酸化水素水(1.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(15mL)を入れ、有機層を分離後、水層にクロロホルム(15mL)を加え、クロロホルム層を分離した。この操作を2回繰り返した。有機層を併せ、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、ジ(1−アダマンチル)−2−ビフェニルホスフィンオキシドの白色固体を得た(収量172mg,収率66%)。H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):7.60(brd,J=8.2,7.7Hz,1H),7.46(brd,J=7.7,7.7Hz,1H),7.39(brdd,J=7.7,7.5Hz,1H),7.32〜7.17(m,6H),2.12〜1.88(m,18H),1.80〜1.60(m,12H).31P−NMR(162MHz,CDCl)δ(ppm):44.3。
実施例1
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として170mg,0.46mmol)と参考例1で得た(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド(338mg,0.92mmol)にジクロロメタン(8.0mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物にHhfaの0.30Mジクロロメタン溶液(4.7mL,1.4mmol)を滴下後、室温で3時間撹拌した。反応液にヘキサンを入れ、室温にて放置し、析出した固体をろ取することで、ビス[(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド)]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固体を得た(収量483mg,収率35%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.4(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−81.1(brs).ESIMS(m/z):1297.6[M−hfa]
実施例2
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として132mg,0.40mmol)と参考例2で得たジシクロヘキシルフェニルホスフィンオキシド(232mg,0.80mmol)にジクロロメタン(5.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.67mL,1.2mmol)を滴下後、室温で3時間撹拌した。ろ過により不溶物を除去した後、反応液を減圧濃縮し、メタノールで再結晶することで、ビス(ジシクロヘキシルフェニルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固
体を得た(収量381mg,収率70%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.3(s).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−80.6(brs).ESIMS(m/z):1147.7[M−hfa]
実施例3
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)と参考例3で得たジシクロヘキシル(2−メチルフェニル)ホスフィンオキシド(183mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.5mL,0.90mmol)を滴下後、室温で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/アセトニトリルで再結晶することで、ビス[ジシクロヘキシル−(2−メチルフェニル)ホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固体を得た(収量321mg,収率77%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.4(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−76.3(brs).ESIMS(m/z):1175.3[M−hfa]
実施例4
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)と参考例4で得たジシクロヘキシル(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィンオキシド(199mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.5mL,0.90mmol)を滴下後、室温で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/アセトニトリルで再結晶することで、ビス[ジシクロヘキシル−(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固体を得た(収量162mg,収率38%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−79.1(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−71.6(brs).ESIMS(m/z):1231.3[M−hfa]
実施例5
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として100mg,0.30mmol)と参考例5で得たジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシド(257mg,0.60mmol)にジクロロメタン(5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.5mL,0.9mmol)を滴下後、室温で3時間撹拌した。ろ過により不溶物を除去した後、反応液を減圧濃縮し、ヘキサンで洗浄することで、ビス[ジシクロヘキシル−(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固体を得た(収量332mg,収率67%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.5(s).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−84.0(brs).ESIMS(m/z):1419.7[M−hfa]
実施例6
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として58mg,0.16mmol)と参考例6で得たジシクロヘキシル(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシド(153mg,0.32mmol)にジクロロメタン(2.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.0Mジクロロメタン溶液(0.48mL,0.48mmol)を滴下後、室温で8時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/メタノールで再結晶することで、ビス[ジシクロ
ヘキシル(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固体を得た(収量172mg,収率64%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.1(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−85.4(brs).ESIMS(m/z):1531.1[M−hfa]
実施例7
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として99mg,0.30mmol)と参考例7で得たジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシド(296mg,0.60mmol)にジクロロメタン(5.0mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物にHhfaのジクロロメタン溶液(1.8M,0.5mL,0.9mmol)を滴下後、室温で3時間撹拌した。ろ過により不溶物を除去した後、反応液を減圧濃縮し、ヘキサンとMeOHで洗浄、MeOHで再結晶することで、ビス[ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固体を得た(収量344mg,収率65%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.5(s).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−86.0(brs).ESIMS(m/z):1552.1[M−hfa]
実施例8
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)と参考例8で得たトリシクロヘキシルホスフィンオキシド(178mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaのジクロロメタン溶液(1.8M,0.5mL,0.9mmol)を滴下後、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/メタノールで再結晶することで、ビス(トリへキシルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量271mg,収率66%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.0(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−71.7(brs).ESIMS(m/z):1159.3[M−hfa]
実施例9
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)と参考例9で得たトリシクロペンチルホスフィンオキシド(153mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.50mL,0.90mmol)を滴下後、室温で7時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/メタノールで再結晶することで、ビス(トリシクロペンチルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量223mg,収率58%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−77.8(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−69.3(brs).ESIMS(m/z):1074.9[M−hfa]
実施例10
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として73mg,0.19mmol)と参考例11で得た(4’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド(150mg,0.38mmol)にジクロロメタン(2.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.32mL,0.58mmol)を滴下後、室温で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶することで、ビス[(4’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量196mg,収率65%)。19F−NMR(376MHz,CDCl)δ(ppm):−78.4(brs,18F),−112.8(brs,2F).31P−NMR(162MHz,CDCl)δ(ppm):−80.5(brs).ESIMS(m/z):1335.2[M−hfa]
実施例11
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として66mg,0.18mmol)と参考例12で得た(4’−トリフルオロメチル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド(155mg,0.36mmol)にジクロロメタン(2.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.0Mジクロロメタン溶液(0.54mL,0.54mmol)を滴下後、室温で8時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、アセトンで再結晶することで、ビス[(4’−トリフルオロメチル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量161mg,収率56%)。19F−NMR(376MHz,CDCl)δ(ppm):−62.5(brs,6F),−78.4(brs,18F).31P−NMR(162MHz,CDCl)δ(ppm):−80.5(brs).ESIMS(m/z):1434.2[M−hfa]
実施例12
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)と参考例13で得た3−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンオキシド(220mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.50mL,0.90mmol)を滴下後、室温で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/メタノールで再結晶することで、ビス[3−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量250mg,収率55%)。19F−NMR(376MHz,CDCl)δ(ppm):−78.2(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl)δ(ppm):−79.3(brs).ESIMS(m/z):1299.4[M−hfa]
実施例13
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)と参考例14で得た4−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンオキシド(220mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.50mL,0.90mmol)を滴下後、室温で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶することで、ビス[(4−ビフェニリル(ジシクロヘキシル)ホスフィンホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量350mg,収率77%)。19F−NMR(376MHz,CDCl)δ(ppm):−78.2(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl)δ(ppm):−80.1(brs).ESIMS(m/z):1299.4[M−hfa]
実施例14
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)と参考例15で得たジシクロヘキシル(2−フェノキシフェニル)ホスフィンオキシド(230mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.50mL,0.90mmol)を滴下後、室温で8時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/メタノールで再結晶することで、ビス[ジシクロヘキシル(2−フェノキシフェニル)ホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量299mg,収率65%)。19F−NMR(376MHz,CDCl)δ(ppm):−78.2(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl)δ(ppm):−78.9(brs).ESIMS(m/z):1331.3[M−hfa]
実施例15
アルゴン雰囲気下、参考例16で得たジアクアトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)(243mg,0.30mmol)と参考例1で得た(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド(220mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で3時間撹拌した。ろ過により不溶物を除去した後、反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/メタノールで再結晶することで、ビス[(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド)]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の紅白色固体を得た(収量336mg,収率74%)。
実施例16
アルゴン雰囲気下参考例16で得たジアクアトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)(2.0g,2.47mmol)と参考例8で得たトリシクロヘキシルホスフィンオキシド(1.47g,4.94mmol)にメタノール(50.0mL)を加え、65℃で3時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、メタノールで再結晶することで、ビス(トリへキシルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量2.4g,収率71%)。
実施例17
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として51.6mg,0.138mmol)と参考例17で得たジ(1−アダマンチル)−2−ビフェニルホスフィンオキシド(130mg,0.276mmol)にジクロロメタン(5.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaのジクロロメタン溶液(1.8M,0.5mL,0.9mmol)を滴下後、室温で3時間撹拌した。ろ過により不溶物を除去した後、反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタンとヘキサンで再結晶することで、[ジ(1−アダマンチル)−2−ビフェニルホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量344mg,収率65%)。19F−NMR(376MHz,CDCl):−79.1(brs,18F).31P−NMR(162MHz,CDCl):−101.8(brs,1P).ESIMS(m/z):1037.4[M−hfa]
作製例1
東ソー製のエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(ウルトラセン720)(915mg)のトルエン溶液(4mL)に、実施例1で得たビス[(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)(1mg)のトルエン溶液(1mL)を加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、得られた粘性液体を平坦な石英ガラス基板表面にドロップキャスト法にて塗布し、温度60℃の条件下、24時間乾燥しビス[(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンオキシド]トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)を
含有する光学材料を作製した。
作製例2
東ソー製のエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(ウルトラセン720)(920mg)のトルエン溶液(4mL)に、実施例8で得たビス(トリへキシルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)(1mg)のトルエン溶液(1mL)を加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、得られた粘性液体を平坦な石英ガラス基板表面にドロップキャスト法にて塗布し、温度60℃の条件下、24時間乾燥しビス(トリへキシルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)を含有する光学材料を作製した。
作製例3
分散安定剤としてポリビニルアルコール(4.2g)と重合調整剤として亜硝酸ナトリウム(0.21g,3.0mmol)に純水(208mL)を加えて溶解させた水溶液に、メタクリル酸メチルモノマー(70.0g,700mmol)と重合開始剤として過酸化ベンゾイル(1.4g,5.8mmol)、実施例8で得たビス(トリへキシルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)(70.4mg,0.051mmol)の混合物を加えた。この混合物を65℃で4時間撹拌し、得られた白色懸濁液をろ過し、純水で洗浄後、減圧加熱乾燥(80℃、2時間)しビス(トリへキシルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)を含有する光学材料(66.1g)を作製した。
比較例1
アルゴン雰囲気下、参考例16で得たジアクアトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)(5.0g,6.18mmol)とトリフェニルホスフィンオキシド(3.4g,12.4mmol)にエタノール(200mL)を加え、65℃で3時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、メタノールで再結晶することで、ビス(トリフェニルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量4.8g,収率58%)。なお、この化合物は、RUB1453869及び特開2003−81986号公報に具体的に記載されている化合物である。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−79.0(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−91.3(brs).ESIMS(m/z):1123.4[M−hfa]
比較例2
アルゴン雰囲気下、酢酸ユウロピウムn水和物(2.5水和物として112mg,0.30mmol)とトリブチルホスフィンオキシド(131mg,0.60mmol)にジクロロメタン(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にHhfaの1.8Mジクロロメタン溶液(0.50mL,0.90mmol)を滴下後、室温で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶することで、ビス(トリブチルホスフィンオキシド)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ユウロピウム(III)の白色固体を得た(収量243mg,収率67%)。19F−NMR(376MHz,CDCl),δ(ppm):−78.0(brs).31P−NMR(162MHz,CDCl),δ(ppm):−63.0(brs).ESIMS(m/z):1003.0[M−hfa]
評価実施例
本発明のユウロピウム錯体及び比較例1〜2で得たユウロピウム錯体の発光スペクトル測定、及び耐光性の評価用サンプルは、実施例1〜17で合成したユウロピウム錯体及び比較例1〜2で得たユウロピウム錯体の粉末を乳鉢で微粉末となるまで破砕し、乾燥空気雰囲気下で粉末セル(日本分光社製、PSH−002)に充填することで作製した。
実施例1〜17で得たユウロピウム錯体の発光スペクトル(励起光380nm)の測定結果を図1〜15に示し、作製例1〜3で得た本発明のユウロピウム錯体を含有する光学材料の発光スペクトル(励起光380nm)の測定結果を図16〜18に示す。測定条件は励起側スリット1nm、蛍光側スリット1nmとした。Eu(III)錯体に特徴的なf−f電子遷移に基づく約593nm、612nm、653nmおよび699nmの発光が観察された。
実施例1〜14で得たユウロピウム錯体の励起光波長380nmでの発光量子収率の評価結果を表1に示す。
耐光性は以下に示す方法で評価した。実施例1〜14、及び比較例1〜2の耐光性評価は615nm付近の最大発光波長における発光強度を分光光度計(日本分光社製、FP−6500)で測定した。測定条件は励起側スリット5nm、蛍光側スリット5nm、励起光波長380nmとした。次いで、室温において、UV光照射器(ウシオ電機社製、SP−9)およびレンズを用い、200mW/cm(365nm)のUV光を所定の時間(0〜24時間)照射した。UV光照射後のサンプルの発光強度を分光光度計によって再度測定し、初期状態からの発光強度残存率を下記式より算出し、UV光照射時間をX軸、発光強度残存率をY軸にとり耐光性を評価した。
発光強度残存率(%)(I/I)=(UV光照射後の最大発光波長における発光強度)/(UV照射前の最大発光波長における発光強度)×100
実施例1〜14で得た本発明のユウロピウム錯体の耐光性の評価結果を比較例1及び2の結果とともに図19〜32に示し、その結果得られたUV光照射24時間後の発光強度残存率の結果を表2に示した。
図19〜32に示したように、本発明のユウロピウム錯体はリン原子上に特定の置換基を導入することによって、UV光照射による発光強度の低下が顕著に抑制され、優れた耐光性を有することがわかった。
一方、RUB1453869及び特開2003−81986号公報に具体的に記載されている化合物(比較例1)や特許2005−223276号公報で開示されるリン原子上に直鎖状アルキル基を有するユウロピウム錯体(比較例2)では、UV光照射による発光強度の低下が著しい。
本発明のユウロピウム錯体は、トリフェニルホスフィンオキシドを有するユウロピウム錯体及びリン原子上に直鎖状アルキル基を有するユウロピウム錯体と比較して、長時間の光照射を行っても発光強度が減衰せず、高い光安定性を有している。また、本発明のユウロピウム錯体は溶解度も高く、有機溶媒やポリマー材料等への溶解が容易であり、均一に分散可能である。そのため、太陽光電池用フィルム、農業用フィルム、LED蛍光体、有機EL材料及び、セキュリティインクなどの発光材料やそれらに用いられる波長変換材料として有用である。

Claims (14)

  1. 一般式(1)
    [式中、Rは炭素数3〜10の環状アルキル基であり、R及びRは、一般式(2a)で表されるフェニル基
    (式中、X、X、X、X、及びXは、各々独立に、水素原子;フッ素原子;炭素数1〜3のアルキル基;炭素数1〜3のアルキルオキシ基;炭素数6〜10のアリールオキシ基;炭素数1〜3のフルオロアルキル基;炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基;又はフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基、若しくはシアノ基で置換されてもよいフェニル基を表す。)を表す。ただし、Rがシクロヘキシル基、且つ、R、Rがフェニル基である場合を除く。Rは、水素原子、重水素原子、又はフッ素原子を表す。W及びWは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、フェニル基、2−チエニル基又は3−チエニル基を表す。nは1〜3の整数を表す。]で表されるユウロピウム錯体。
  2. 前記一般式(1)中、Rがシクロヘキシル基である請求項1に記載のユウロピウム錯体。
  3. 前記一般式(1)中、nが2である請求項1又は2のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  4. 前記一般式(1)中、W及びWが、各々独立に、炭素数1〜6のフルオロアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  5. 前記一般式(1)中、Rが水素原子である請求項1〜4のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  6. 前記一般式(2a)中、X、X及びXが各々独立に、水素原子、メチル基、又は一般式(2b)
    [式中、Z、Z及びZが、各々独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニル基である。]で表されるフェニル基であり、X及びXは、各々独立に、水素原子又はメチル基である請求項1〜5のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  7. 一般式(1)
    [式中、R及びRは各々独立に炭素数3〜10の環状アルキル基であり、Rは、炭素数3〜10の環状アルキル基又は一般式(2a)で表されるフェニル基
    (式中、X、X、X、X、及びXは、各々独立に、水素原子;フッ素原子;炭素数1〜3のアルキル基;炭素数1〜3のアルキルオキシ基;炭素数6〜10のアリールオキシ基;炭素数1〜3のフルオロアルキル基;炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基;又はフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基、フルオロフェニル基、水酸基、若しくはシアノ基で置換されてもよいフェニル基を表す。)を表す。Rは、水素原子、重水素原子、又はフッ素原子を表す。W及びWは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、フェニル基、2−チエニル基又は3−チエニル基を表す。nは1〜3の整数を表す。]で表されるユウロピウム錯体。
  8. 前記一般式(1)中、Rが炭素数3〜10の環状アルキル基である請求項7に記載のユウロピウム錯体。
  9. 前記一般式(1)中、R、R及びRが、シクロヘキシル基である請求項7又は8に記載のユウロピウム錯体。
  10. 前記一般式(1)中、nが2である請求項7〜9のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  11. 前記一般式(1)中、W及びWが、各々独立に、炭素数1〜6のフルオロアルキル基である請求項7〜10のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  12. 前記一般式(1)中、Rが水素原子である請求項7〜11のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  13. 前記一般式(2a)中、X、X及びXが各々独立に、水素原子、メチル基、又は一般式(2b)
    [式中、Z、Z及びZが、各々独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキルオキシ基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニル基である。]で表されるフェニル基であり、X及びXは、各々独立に、水素原子又はメチル基である請求項7〜12のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
  14. ユウロピウム錯体が、下記式1−1〜1−11、1−19〜1−21であることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載のユウロピウム錯体。
JP2019034369A 2018-03-20 2019-02-27 ユウロピウム錯体 Active JP7227789B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018052956 2018-03-20
JP2018052956 2018-03-20
JP2018221218 2018-11-27
JP2018221218 2018-11-27

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020090475A true JP2020090475A (ja) 2020-06-11
JP7227789B2 JP7227789B2 (ja) 2023-02-22

Family

ID=71013591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019034369A Active JP7227789B2 (ja) 2018-03-20 2019-02-27 ユウロピウム錯体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7227789B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005519988A (ja) * 2001-07-05 2005-07-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ホスフィンオキシド、ホスフィンオキシド−スルフィド、ピリジンn−オキシド、およびホスフィンオキシド−ピリジンn−オキシドを有する光活性ランタニド錯体、ならびにそのような錯体で製造されたデバイス
JP2014197144A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用透明トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2016128392A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 国立大学法人北海道大学 希土類金属錯体及びそれを用いる発光装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005519988A (ja) * 2001-07-05 2005-07-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ホスフィンオキシド、ホスフィンオキシド−スルフィド、ピリジンn−オキシド、およびホスフィンオキシド−ピリジンn−オキシドを有する光活性ランタニド錯体、ならびにそのような錯体で製造されたデバイス
JP2014197144A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用透明トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2016128392A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 国立大学法人北海道大学 希土類金属錯体及びそれを用いる発光装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
EUROPEAN JOURNAL OF INORGANIC CHEMISTRY, JPN6022038812, 2017, pages 639 - 645, ISSN: 0004881279 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP7227789B2 (ja) 2023-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111406059B (zh) 铕络合物
CA2089198C (en) Fluorescent compounds
JP3668966B2 (ja) 希土類錯体並びにそれを用いた光機能材料及び発光装置
Zucchi et al. Structural diversity in neodymium bipyrimidine compounds with near infrared luminescence: from mono-and binuclear complexes to metal-organic frameworks
WO2012070420A1 (ja) 希土類金属錯体
JP6643804B2 (ja) 希土類金属錯体及びそれを用いる発光装置
JP7217621B2 (ja) ユウロピウム錯体及びその用途
JP7227789B2 (ja) ユウロピウム錯体
US20130090460A1 (en) Rare earth metal complex
CN110437133B (zh) 一种长寿命室温磷光材料及其制备方法和应用
JP2022146969A (ja) フェナントロリン配位子を有する希土類錯体
WO2020241498A1 (ja) 発光性ユウロピウム錯体
JP4370455B2 (ja) 希土類三元錯体
JP2007291063A (ja) 10配位希土類錯体及び9配位希土類錯体
CN111057078B (zh) 高热稳定性与耐迁移有机发光材料及其制备方法和应用
JP2008195674A (ja) Eva樹脂とグラフト共重合可能な希土類金属錯体及びその製造方法
JP2022147120A (ja) 強発光性希土類錯体
JP7034624B2 (ja) 希土類金属錯体及びそれを用いる発光装置
JP7335377B2 (ja) 希土類金属錯体及びそれを用いる発光装置
JP2022146977A (ja) 耐熱性テルビウム錯体
JP2022070321A (ja) 強発光性ユウロピウム錯体
WO2012073699A1 (ja) 希土類金属錯体
JP6269204B2 (ja) 金錯体、膜及び化合物
JP2021127365A (ja) ポリマー組成物
She et al. Synthesis, Crystal Structure and Optical Properties of Europium Trifluoroacetate Complexes with 1, 10‐Phenanthroline and 2, 2′‐Bipyridine

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7227789

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150