JP2020089869A - 高粘度液体の脱気モジュールを用いた脱気方法およびそれを用いた脱気装置及び塗布装置。 - Google Patents

高粘度液体の脱気モジュールを用いた脱気方法およびそれを用いた脱気装置及び塗布装置。 Download PDF

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和俊 山崎
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Abstract

【課題】高粘度液体の産業用利用として有機ELや太陽電池などのフレキシブルデバイス基材としてポリイミドワニスが近年利用されており、この種の塗布装置において、超高粘度の液体の場合でも、ミクロな泡まで完全に取り除くことが可能な脱気装置及び脱気装置を用いた塗布装置の提供。【解決手段】加圧容器2に被脱気液を充填し、窒素ガスにより加圧して、予め真空ポンプ4により外筒内を真空に維持し、脱気モジュール3の外筒内の中空糸内に被脱気液を導き、真空脱気した後に、ポンプによりコーター等を備えた塗布装置に送液して、ミクロな泡も脱気した塗布液を基板上に塗布する、塗布方法。【選択図】図11

Description

本発明は、高粘度液体中の溶存気体を中空糸膜利用の脱気モジュールを用いて除去する脱気装置及び脱気方法に関する。
従来、高粘度液体の産業用利用として太陽電池などのフレキシブルデバイス基材、タッチパネル基材及びTFT基材としてポリイミドワニスやIT基板への封止材原料などが利用されている。しかし、これらは常温での粘度は7000mPa・sに達するものもあり、これらの液体原料に溶解したガスは加圧して吐出工程を持つ装置、例えば塗布装置ではミクロな気泡として発泡して基材の中に泡が残留したまま硬化されるという問題がある。
また、脱気する場合でも、容器内で真空にて攪拌しても細かい泡は粘度が高いと気液界面に浮上しないため、除去に長時間を必要とし、様々な工夫がされているが、現状では完全にミクロな気泡を除くことは困難である。
特開2016−150310号公報 特開2015−136646号公報
この種の塗布装置では、気泡を除くために様々な工夫がされているが、液体の粘度が低い場合には、液体中に発生した気泡を気液界面まで移動させ、脱気は容易に行われるが、超高粘度の液体ではやはり気泡の移動性を利用している限り、ミクロな泡は完全に取り除くことは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、浮上しないミクロな泡が存在しても全ての泡を中空糸内へ導き、膜内の360度の界面から溶存ガスを高粘度溶液から脱気する方法であり、このような中空糸膜脱気法は低粘度液体の分野では、オンライン脱気法として既に世界的に利用されている。
しかし、この方法では脱気能力は中空糸の内表面積に比例するので、液との接触面積を多くする必要があり、そのため流体の粘性抵抗による圧力上昇により、高粘度液体は流せないと考えられていた。
POLYMER HANDBOOK 3rd EDITION、VI/435、「Permeability and Diffusion」S.Pauly著に記載のPERMEABILITY COEFFICIENTSの酸素ガスのP値×1013を参照にした。それによると、現在低粘度の有機溶媒系溶液の脱気に工業的使用されているポリテトラフルオロエチレン(PTFE、P値×1013=3.2)、ポリフルオロアルコキシ(PFA、P値×1013=3.17)の中空糸膜と比較して、約300倍のガス透過性を有するパーフルオロー2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール及びテトラフルオロエチレンの共重合体(テフロンAF2400、DUPONT社提供のP値×1013=754)を選択した。
また、水溶液系高粘度溶液の脱気にはポリジメチルシロキサン(シリコン樹脂、P値×1013=367)を選択し、有機溶媒系および水系用途の中空糸膜としてはP値×1013は300以上の中空糸膜を使用することが望ましい。
特にテフロンAFは高価であり、特殊な分析器の高速液体クロマトグラフィー分野で主に利用されているが、P値が非常に高いため、高粘度液体の脱気用途に適していると考え、実用化に向けて検討を行った。
しかし、これらの市販の中空糸膜では高粘度液体は殆ど流れなく、高粘度液体の脱気では粘性抵抗を小さくする必要があるため、接触面積を多くとることはできなく、既に工業用で全溶媒対応の脱気用途にはPTFEやPFAの中空糸膜が使われているが、これらの中空糸膜では高粘度液体の脱気には能力的に利用できない。
そこで、産業的に有用性のある有機溶媒系脱気用途では、既存中空糸膜と比較して、接触面積を約1/300にできる中空糸テフロンAF膜を選定し、さらに内径の最適化と高粘度液体のチキソトロピー特性を検討し、実用的に可能な中空糸膜を利用した高粘度液体の脱気モジュールを完成させた。
先ず、テフロンAF2400膜内径0.8mmφ、外径1.1mmφの中空糸を成型し、それをPFA製の外筒に収納して脱気モジュールを作製し、高粘度液体の流動挙動を検討した。
その結果を実施例1の表−1と図−1に示したが、純水10ml/minの流量時、圧力損失は0MPaで殆ど圧力は掛からず、溶存酸素の脱気性能も60%と良好なモジュールを得た。
次に実施例2にて、当該モジュールがどのくらいの粘度の液体に適用できるかを検討するため、チキソトロピーを持たない高粘度の低分子物質としてグリセリンを選び、温度を変えて各粘度の液を調整して、各温度に於ける粘度をB型粘度計にて測定した結果を表ー2に示した。
続いて、その温度に維持した液をステンレス製の圧力容器に入れ、窒素圧にて圧送し、流量と圧力損失の関係を検討した結果を図ー2a,b,c,dに示したが、各流量と圧力損失値とは直線関係にあり、モジュール外筒などの送液系の耐圧限界を0.4MPaとすると図ー2a,b,c,dにて得られた直線回帰式から、0.4MPaでの圧力限界流量値を求めた結果を表ー3に示した。
この圧力限界流量値とグリセリン粘度の関係を図ー3に示したが、限界流量値は粘度値の対数値と直線関係にあり、当該モジュールでは水での脱気性能としては60%脱気で10ml/minの流量を流すことができ、圧力損失は0MPaであったが、高粘度のグリセリンでは、実用的にモジュール外筒の耐圧限界が0.4MPa程度と考慮すると、グリセリン粘度577mPa・sでは8.3ml/min、1000mPa・sでは6.2ml/minとなり、脱気能力的に10ml/min流せても、グリセリンでは圧力上昇により、当該モジュールでは1000mPa・sを超えると使用モジュールの耐圧限界を大きく超えてくるため、粘度的には1000mPa・s超えると、流量を上げれなくなり、極端に効率が悪くなることが判明した。
一方、本発明の対象となる高粘度溶液はグリセリンのような単純な低分子の高粘度液体ではなく、例えば、ポリイミドワニスなどは常温でも7000mPa・s程度の高粘度を有し、さらに剪断力に依存して粘度が変わるチキソトロピー性を有している。そこで、チキソトロピー性流体では当該モジュールでどのような挙動を示すかを実施例ー3にて検討した。模擬高粘度液体としてチキソトロピー性を示し、入手し易い市販マヨネーズを用いて検討した。
先ず、B型粘度計(回転子L4、回転数4RPM、トルク83.1%、温度23℃)にて粘度を測定したところ、127,700mPa・sであった。この値は単純に粘度だけの考慮とすると、図ー3に示したグリセリンの限界流量図では、7000mPa・sで、ほぼ流量が0ml/minになっており、当該モジュールでは、マヨネーズは全く流れないことが想定された。
そこで、実際に当該モジュールにてマヨネーズを実施例2と同様の方法で評価した結果を図ー4に示したが、流量と圧力の関係は直線回帰し、回帰式により0.4MPaの圧力では実に8.7g/min(チキソトロピー性を有する液体では流動性がないので、流量はg/minで計量した)流れ、低分子のグリセリンとは異なり、チキソトロピー性を有する液体では、中空糸膜内面での粘性抵抗のため、せん断を受けて粘度が下がったものと推定された。
そこで、同条件で0.4MPaの圧力で、粘度7700mPa・sのポリイミドワニスを測定したところ、1.5g/min流れた。マヨネーズとは異なり、計測粘度が低い割には流れなかったが、やはりグリセリンでの粘度7000mPa・sでの流量0ml/minに比較すると、顕著に流れていることが分かった。
このように、チキソトロピー性を有する液体では、粘度から予想される流量はチキソトロピー性の特性の違いや液体の界面張力などの異なりにより差はあるが、大きく流れ易い方向にシフトすることが分かり、一見絶望的な高粘度であったが、膜の内径などの最適化により、中空糸膜により脱気できる可能性が出て来た。
そこで、ポリイミドワニスに絞って中空糸膜の内径の適正化の検討を実施例4にて行った。シリコンチューブ各内径1、1.5、2、3mmφ(膜厚は0.5mm)の長さ50cmの1本の膜を用い、ワニスの流量試験を行った結果を実施例4の図ー5に示したが、内径0.8mmφでは殆ど流れなかったが、内径1mmφあたりから徐々に流れ始め、2mmφから3mmφにかけて大きく変化している。種々の高粘度液体に利用するには、流量的には内径1mmφ以上のものが望ましいサイズがあることが分かった。
また、各内径に於ける水での脱気性能と内径の関係を測定した結果を表ー4と図ー6に示したが、内径が1と1.5mmφは殆ど変わりがないが、2mmφ、3mmφになると徐々に大きく脱気性能が下がる傾向があることが分かった。
さらに、詳細に検討するため、表ー4の流量2ml/minに於ける内径と脱気性能の関係を図ー7に示したが、脱気性能は1mmφ(脱気率66.2%)と1.5mmφ(脱気率66.7%)と変わらず、2mmφ(脱気率61.4%)では1mmφと比べ約5%下がり、3mmφ(脱気率54.3%)では約11%の脱気率の低下が認められた。
これらの結果から、チキソトロピー性を有する高粘度の液体を脱気する場合は、中空糸の内径は流量的には1mmφ以上、脱気性能的には3mmφ以下の範囲が実用的な適正サイズと判断した。
次に実施例5にてテフロンAF2400膜内径1.5mmφ、外径1.8mmφの中空糸を成型し、長さ50cmの1本を用いて、実施例3と同様の試験方法で測定した結果を図ー8にポリイミド(PI)ワニスの流量と圧力損失の関係を示したが、その直線回帰式より0.4MPaの圧力下の流量は0.95g/min(PIワニスの比重は1.1なので容量では約0.86ml/minになる)であった。
そこで、ポリイミドワニスが10ml/min以上流れる多本結束膜として、膜長50cmで15本を結束してPFA製の外筒に収納して、水による脱気性能を測定した結果を図ー9に示した。
その結果、15本結束では約10ml/minの流量で水の脱気率60%であった。また、ポリイミドワニスの流量性能を図ー10に示したが、0.4MPaの圧力下での限界流量値は13.0g/minになり、実施例1にて評価した0.8mmφの19本のモジュールと比較して、脱気性能は同等で、ワニス流量は実用レベルにまで改善されている。
以上のように、これまで不可能と思われていた超高粘度液体でも、チキソトロピー性を有する液体であれば、特定の膜材質と中空糸膜内径を適正なサイズに選定すると、これまで実用的に有用なポリイミドワニスなどのチキソトロピー性を有する液体を大掛かりな装置を必要とせずに、連続的に脱気できることが分かった。
次に、本発明の脱気モジュールを用いたオンライン脱気塗布装置のフロー図を図ー11に示した。加圧容器(2)に被高粘度脱気液を充填し、窒素ガス圧(1)により加圧して、予め真空ポンプにより外筒内を真空に維持し、モジュールの外筒内の中空糸内に脱気液を導き、真空脱気した後に、ポンプによりコーター等を備えた塗布装置に送液して、ミクロな泡も脱気した塗布液を基板上に塗布を行う。
本発明を用いれば、これまで複数の大型の真空攪拌容器を用いて、バッチ法にて脱気しているが、小型でしかも精密に脱気及び脱泡管理を行うことが可能で、連続的にミクロな泡も完全に取り除くことが出来ため、泡の含有の無い基板の作製が可能となり、品質的に安定した基板作製が可能となる。
DUPONT社製テフロンAF2400樹脂を押し出し成型して内径0.8mmφ、外径1.1mmφの中空糸膜を作製し、その後長さ30cmにカットして、AF中空糸膜を19本束ねて溶着させ、それを密閉されたテフロンPFA樹脂製の外筒に収納して脱気モジュールを作製し、それを高速液体クロマトグラフ(日本分光製高速液体クロマトグラフPU−980型)に接続し、検出器としてワイエスアイ・ナノテック株式会社製蛍光式溶存酸素DOメーター型番 Pro ODOにて検出し、真空圧11kPaにて測定し、その脱気性能結果を表ー1と図ー1に示した。
本モジュールは純水10ml/minの流量時に60%の脱気率で、脱気能力としては十分な性能のモジュールあった。また、流量10ml/minでの圧力は検出限界以下で0MPaであり、性能、流量及び圧力共に良好なモジュールを得た。
実施例1のモジュールを用い、当該モジュールがどのくらいの粘度の液体に適用できるかを検討するため、チキソトロピーを持たない高粘度の低分子物質として林純薬工業製1級のグリセリンを用い、温度を段階的に変えて各粘度の液を調整し、ビスコテック株式会社製B型粘度計(VISCOLEAD ONE型)を用いて粘度測定し、各粘度の液を調整した結果を表ー2に示した。
そしてその温度に維持した液をステンレス製の圧力容器に入れ、窒素圧にて圧送し、流量と圧力損失の関係を検討した結果を図ー2a,b,c,dに示した。
その結果、各流量と圧力損失値とは直線関係にあり、モジュール外筒などの送液系の耐圧限界を0.4MPaとすると図ー2a,b,c,dにて得られた直線回帰式から、0.4MPaでの圧力限界流量値を求めた結果を表ー3に示した。
この圧力限界流量値とグリセリン粘度の関係を図ー3に示したが、限界流量値は粘度値の対数と直線関係にあり、当該モジュールでは水での脱気性能としては60%脱気で10ml/minの流量を流すことができ、圧力損失は0MPaであったが、高粘度のグリセリンでは限界圧力値により、実用的にモジュール外筒の耐圧限界が0.4MPa程度と考慮すると、グリセリン粘度577mPa・sでは8.3ml/min、1000mPa・sでは6.2ml/minとなり、脱気能力的に10ml/min流せても、グリセリンでは圧力上昇により、当該モジュールでは1000mPa・sを超えると使用限界圧力に達するため、粘度的には1000mPa・s超えると流量が極端に減少し、効率が悪くなることが判明した。
また、回帰式から約7000mPa・sになると、流量は0になることが分かった。
実施例2で用いたモジュールおよび評価方法を用いて、チキソトロピー性を有する液体として、市販のキューピー株式会社製キューピーマヨネーズを用い、B型粘度計(回転子L4、回転数4RPM、トルク83.1%、温度23℃)にて粘度を測定したところ、127,700mPa・sであった。
そこで、実際に当該モジュールにてマヨネーズを実施例2と同様の方法で評価した結果を図ー4に示したが、流量と圧力の関係は直線回帰し、0.4MPaの圧力では実に8.7g/min流れた。これは、グリセリンにて予想される流量挙動(7000mPa・sで流量は0)とは異なり、チキソトロピーを有する液体では予想に反して、流量は大きく変化することが分かった。
また、宇部興産製ポリイミドワニス U−ワニス−Aの粘度をB型粘度計にて測定したところ、7700mPa・sであった。本ワニスを用いて、圧力と流量の関係を求め、圧力0.4MPaでの限界流量値は1.5g/minであった。マヨネーズの結果とは大きく異なるが、それでもグリセリンの結果と比べると、流量は顕著に多くなっていることが分かった。
ポリイミドワニス U−ワニス−A(7700mPa・s)を用い、実施例2と同様の方法で評価し、最も望ましい中空糸内径の範囲を見出すため、市販のハギテック社製のシリコンチューブ、内径1,1.5,2,3mmφ(膜厚0.5mm)、長さ50cmを1本用いて、広範囲に内径を変えたシリコンチューブを入手し、実施例3と同様の方法にて評価した結果を図ー5に示した。
その結果、1mmφから徐々に流れるようになり、2mmφから3mmφになると大きく流量が変化した。
また、水での脱気性能を実施例1と同様の装置と条件で測定した結果を図ー6に示したが、内径が大きくなると徐々に脱気性能は低下した。
そこで、流量2ml/minに於ける各内径での脱気率を表ー4と図ー7に示したが、1mmφと1.5mmφでは変わらず、2mmφから3mmφになると、徐々に脱気率が大きく低下することが分かった。
このことから3mmφ以上になると、性能低下が顕著になり、性能面から内径の上限は3φと考えられた。
実施例4の結果から、内径を1.5mmφにてテフロンAF中空糸膜を選定して成型し、長さ50cmの1本膜のPIワニスの流量と圧力損失のデータを図ー8に示したが、流量は圧力損失値と直線的な関係があり、0.4MPaの限界流量値は0.95g/minであった。
この結果より、最終的に内径1.5mmφテフロンAF中空糸膜を作製して、それを長さ50cmにカットし、15本束ねて実施例1と同様の方法で脱気性能を評価した結果を図ー9に示したが、水での脱気率60%で10ml/min流れ、図ー1の内径0.8mmφのモジュールとほぼ同等の性能のものが得られた。
実施例5にて得られたモジュールでU−ワニス−A(7700mPa・s)を用いて加圧流量性能を図ー10に示したが、0.4MPaの限界流量値は13g/min(比重換算して11.8ml/min)流れ、脱気性能は実施例1の内径0.8mmの多本数AFAF膜モジュールとほぼ同等の性能が得られた。
本発明の脱気モジュールを用いたオンライン脱気塗布装置のフロー図を図ー11に示した。加圧タンク(2)に被高粘度脱気液(1)を充填し、窒素ガス圧により加圧して、予め真空ポンプにより外筒内を真空に維持し、外筒内の中空糸膜当該脱気モジュール部に脱気液を導き、真空脱気した後に、ポンプによりコーター等を備えた塗布装置に送液して、ミクロな泡も脱気した塗布液を基板上に塗布を行う。
チキソトロピー性を有する代表的な材料はフレキシブル基板として耐熱性、透明性及び機械的強度の高いポリイミドワニスが一般的に使用されている。しかし、当ワニスの粘度は7000mPa・s以上もあり、脱気が難しく、脱気不十分なワニス液を流すと、ワニスに溶解したガスは加圧して吐出工程を持つ装置、例えば塗布装置ではミクロな気泡として発泡して基材の中に泡が残留したまま硬化されるという問題がある。ミクロな泡が発生し、光学特性低下など様々なトラブルが発生する。
そのため、通常はバッチ法の複数の大型のタンクを用いて、脱気されており、従来、高粘度液体の産業用利用として太陽電池などのフレキシブルデバイス基材、タッチパネル基材及びTFT基材としてポリイミドワニスやIT基板への封止材原料などが利用されている。しかし、これらは常温で7000mPa・sに達するものもあり、これらの液体原料に溶解したガスは加圧して吐出工程を持つ装置、例えば塗布装置ではミクロな気泡として発泡して基材の中に泡が残留したまま硬化されるという問題がある。
また、脱気する場合でも、容器内で真空にて攪拌しても細かい泡は気液界面に浮上しないため、除去に長時間を必要とし、様々な工夫がされているが、現状で完全にミクロな気泡を除くことは困難である。
内径0.8mmφAF膜の脱気性能曲線図である。 同上膜での各種粘度のグリセリンの流量と圧力損失の関係である。 同上膜での各グリセリン粘度と圧力限界流量値の関係である。 同上膜でのチキソ性液体としてマヨネーズの圧力と流量の関係である。 ポリイミドワニスの流量と中空糸膜内径との関係である。 各中空糸膜内径における脱気性能曲線である。 流量2ml/minにおける中空糸内径と脱気率の関係である。 内径1.5mmφAF膜のポリイミドワニスの圧力と流量の関係である。 内径1.5mmφ多本数AF膜の脱気性能曲線である。 内径1.5mmφ多本数AF膜の圧力損失と流量の関係である。 本発明を用いたオンライン塗布装置のフロー図である。

Claims (6)

  1. 外筒内に非多孔性中空糸からなるガス透過膜が密閉収納されたモジュールであって、収納された中空糸膜の内径が1から3mmφの範囲である脱気モジュールを用いた、常温で1000mPa・s以上の粘度を有する高粘度液体の脱気装置。
  2. 前記ガス透過膜がパーフルオロー2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール及びテトラフルオロエチレンの共重合体を収納した脱気モジュールを用いた請求項1記載の高粘度液体の脱気装置
  3. 前記1000mPa・s以上の粘度を有する高粘度液体がチキソトロピー性を示す液体である請求項1又は2記載の脱気装置。
  4. 前記1000mPa・s以上の粘度を有する高粘度液体がチキソトロピー性を示すポリイミドワニス樹脂溶液である脱気装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の前記脱気装置を用いた塗布装置
  6. 高粘度液体をガス圧により供給元加圧容器から、外筒内を真空ポンプにより真空に維持した請求項1記載のモジュールに送液し、溶存ガスを除去する脱気工程とその後高粘度液体を塗布する工程を有する脱気方法及び塗布方法。
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