JP2020089629A - バックル、バックルの雌部材の生産方法 - Google Patents

バックル、バックルの雌部材の生産方法 Download PDF

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Hideki Sato
秀樹 佐藤
佐々木 剛
Takeshi Sasaki
剛 佐々木
祥悟 多幡
Shogo Tabata
祥悟 多幡
吉田 誠
Makoto Yoshida
吉田  誠
金子 仁
Hitoshi Kaneko
仁 金子
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Abstract

【課題】雄部材と雌部材とを備えるバックルにおいて、雌部材を金属製よりも軟らかくし、連結・分離したときに雌部材から塗装膜ができる限り剥がれ落ちないようにする。【解決手段】バックルの雌部材の生産方法は,連結および分離可能な雄部材(2,2A,2B)と雌本体とを準備する準備工程と、塗装工程とを備える。前記塗装工程では、準備した雄部材を塗装治具にすると共に前記雌本体を塗装対象にして、前記雌本体を前記雄部材に連結した状態で雌本体のうち収容部(11)の外面に吹付け塗装による塗装膜(P)を形成し、雌本体と塗装膜とを備える雌部材(3)を生産する。【選択図】 図1

Description

本発明は、連結および分離可能な雄部材と雌部材とを備えるバックル、バックルの雌部材の生産方法に関する。
従来のバックルの一例として、外観の異なる雄部材と雌部材とを備えるものが存在する(特許文献1)。このバックルは、雄部材を合成樹脂製とし、雌部材を金属製または金属メッキ処理したものである。
実用新案登録第3068506号公報
しかしながら特許文献1に記載されたバックルの場合、以下の不具合がある。
雌部材は金属製の場合、硬いので、他部材に衝突したときの衝撃が大きい。
また特許文献1では雌部材に対してどのように金属メッキするのかが記載されていないので、雌部材の外面だけにするのか、内面にもするのかは不明である。しかし雌部材の外面だけでなく内面にも金属メッキすると、雄部材を連結および分離するときに内面の金属メッキ被膜が剥がれ落ちる。
ちなみに金属メッキではないが、被膜形成の簡便な方法として塗装が存在する。また塗装の方法としては吹付け塗装する方法がある。本発明の発明者は、吹付け塗装を雌部材の外面に塗装することを職務として行っている。具体的には次の通りである。所定の形状に曲げた針金を冶具として用いる。その冶具を雌部材の内部に挿入して、雌部材を内面から針金で支持しながら雌部材の外面に吹付け塗装する。以上が吹付け塗装による雌部材の生産方法である。
そうすると、雌部材の内面には針金に接触している部分と非接触の部分とが存在するので、雌部材の内面のうち非接触の部分に塗料が回り込んで付着し、望まないにもかかわらず雌部材の内面にも塗装膜が形成される。その結果、雌部材に対して雄部材を連結および分離するときに、雌部材の内面の塗装膜が剥がれ落ちることになった。
本発明は上記実情を考慮して創作されたものであり、その目的は、雄部材と雌部材とを備えるバックルにおいて、雌部材を金属製よりも軟らかいものとし、しかも連結および分離したときに雌部材から塗装膜ができる限り剥がれ落ちないようにすることである。
本発明のバックルは連結および分離可能な雄部材と雌部材とを備える。雄部材は、雌部材以外に取り付ける雄用取付部と、雌部材に挿入すると共に雄用取付部から突出する挿入部と、雌部材を係止すると共に挿入部に対して形成された雄用係止部とを備える。雌部材は、雌部材の外形を形作る合成樹脂製の雌本体と、雌本体に形成された塗装膜と外観形成要素として備える。また雌部材は、雄部材以外に取り付ける雌用取付部と、挿入部を抜差し可能に収容すると共に雌用取付部から突出する収容部と、収容部に対して形成された雌用係止部とを部位として備える。そして収容部の外面は塗装膜で形成された塗装面を備え、収容部の内面は合成樹脂からなる非塗装面である。
また塗装膜は塗料となる材料を問わないが、金属調の外観を得るには次のようにすることが望ましい
すなわち塗装膜はメタリック塗装膜にすることである。
また本発明のバックルの雌部材の生産方法は、連結および分離可能な雄部材と雌本体とを準備する準備工程と、塗装工程とを備える。
雄部材は、雌本体以外に取り付ける雄用取付部と、雌本体に挿入すると共に雄用取付部から突出する挿入部と、雌本体を係止すると共に挿入部に対して形成された雄用係止部とを備えるものである。また雌本体は合成樹脂製であり、雄部材以外に取り付ける雌用取付部と、挿入部を抜差し可能に収容すると共に雌用取付部から突出する収容部と、収容部に対して形成された雌用係止部とを部位として備える。
塗装工程では、準備した雄部材を塗装治具にすると共に雌本体を塗装対象にして、雌本体を雄部材に連結した状態で雌本体のうち収容部の外面に吹付け塗装による塗装膜を形成し、雌本体と塗装膜とを備える雌部材を生産する。
本発明のバックル、および本発明の生産方法によって生産された雌部材によれば、雌本体を合成樹脂製にしてあるので、雌部材が他部材に衝突したときの衝撃を例えば金属製の雌部材よりも小さくでき、しかも雌部材の収容部の内面を合成樹脂からなる非塗装面としてあるので、雌部材の内面を塗装面としてあるものと比べれば、雄部材を抜差しするときに塗装膜が剥がれ落ち難くなる。
また本発明のバックルは、塗装膜をメタリック塗装膜とするものであれば、メタリック塗装膜による金属調の外観を提供できる。
また本発明の生産方法によれば、雄部材を塗装冶具として用い、雄部材を雌本体に連結した状態で塗装しているので、雌部材の収容部の内面を非塗装面にしながら、雌部材の収容部の外面を塗装面にでき、結果として、雄部材を抜差しするときに塗装膜が剥がれ落ち難くなるように簡単に雌本体を塗装できる。
(A)(B)(C)(D)図は本発明の第一実施形態のバックルを示す後面図、上面図、側面図、下面図である。 (A)(B)図は図1のA−A線断面図、B−B線断面図である。 (A)(B)(C)(D)(E)(F)図は第一実施形態のバックルの雌部材を示す上面図、側面図、下面図、後面図、前面図、斜視図である。 (A)(B)(C)(D)(E)図は第一実施形態のバックルの雌部材を示す上面図、側面図、斜視図、後面図、前面図である。 (A)(B)図は第一変形例の雄部材を示す斜視図、上面図である。 (A)(B)図は第二変形例の雄部材を示す斜視図、上面図である。
本発明の第一実施形態のバックル1は図1に示すように連結および分離可能な雄部材2と雌部材3とを備える。以後、雄部材2と雌部材3の構成を説明する前に、バックル1の構成を特定するための座標軸として、互いに直交する前後・左右・上下方向を定める。
前後方向とは、連結および分離するときに雄部材2に対して雌部材3を相対的に移動する方向である。便宜上、連結するときに雄部材2を雌部材3に接近する方向を後方向、分離するときに雄部材2を雌部材3から離す方向を前方向という。後方向は図1(B)での上方向であり、前方向は図1(B)での下方向である。
左右方向とは、本実施形態では雌部材3と雄部材2との連結を解除するために雄部材2を操作するが、その操作方向のことである。左右方向は図1(B)での左右方向に一致する。
上下方向とは、本実施形態では前後方向から見ると、バックル1が細長い矩形状の外形をしているが、その細長い方向に直交する方向である。ちなみに細長い方向は、左右方向である。上方向は図1(B)での紙面に直交する方向のうち手前を向く方向であり、下方向は図1(B)での紙面に直交する方向のうち奥を向く方向である。
雄部材2は、雌部材3以外に取り付ける雄用取付部5と、後方向へ向かって雌部材3に挿入すると共に雄用取付部5から後方向に突出する挿入部6と、雌部材3を係わって止める(係止する)と共に挿入部6に対して形成された雄用係止部7とを備える。また雄部材2は、雄用取付部5・挿入部6・雄用係止部7を一体に接合したもので、合成樹脂の射出成型品である。
雄用取付部5は図4に示すように、雄用取付部5自身に形成された第1の貫通穴5aと、挿入部6と協働して形成された第2の貫通穴5bとを備える。第1・第2の貫通穴5a・5bは何れも上下方向に貫通し、何れも左右方向に延びる長穴である。これら第1・第2の貫通穴5a・5bに例えばベルトのような帯状物を通す。
また雄用取付部5は、左右方向に対向する一対の雄用縦桟5c,5cと、一対の雄用縦桟5c,5cの間に架設する第1・第2の雄用横桟5e,5fとを備える。上下方向から見て、一対の雄用縦桟5c,5cと第1・第2の雄用横桟5e,5fとで枠が形成され、その枠の内側に形成されるのが第1の貫通穴5aである。
第1の雄用横桟5eと第2の雄用横桟5fとは左右方向にそれぞれ延びる。また第1の雄用横桟5eと第2の雄用横桟5fとは前後方向に間隔をあけて配置されている。第1の雄用横桟5eは挿入部6に対し遠い方のもので、一対の雄用縦桟5c,5cの前端部に架設されている。また第2の雄用横桟5fは挿入部6に近い方のもので、一対の雄用縦桟5c,5cの後端よりも前側に架設されている。
一対の雄用縦桟5c,5cは前後方向に延び、第2の雄用横桟5fに対して挿入部6側に突出している。
挿入部6は、雄用取付部5の後端における左右(一対の雄用縦桟5c,5cの後端)から後方向に突出する外挿入部6aと、雄用取付部5の後端における左右(一対の雄用縦桟5c,5c)から突出すると共に外挿入部6aに対して左右方向の内側に配置される内挿入部6bとを備える。
外挿入部6aは、雄用取付部5の後端における左右から後方向に突出すると共に左右方向に対向する一対の外腕部6c,6cと、一対の外腕部6c,6cの先部間に架設する外橋部6dとを備える。
一対の外腕部6c,6cは、雄部材2と雌部材3とを抜差しするときに左右方向に対向する間隔を狭めるように弾性変形可能なもので、左右方向の外側に向かって膨らむ湾曲形状である。また外橋部6dは左右方向に延びるもので、より詳しく言えば左右方向の両端から中間に向かうにつれて雄用取付部5の方(前方)へ凹む湾曲形状である。一対の外腕部6c,6cの先部(後端部)に雄用係止部7が形成される。
雄用係止部7は、左右の外腕部6c,6cの先部から上下方向に突出するものである。より詳しく言えば雄用係止部7は、左右の外腕部6c,6cの先部から上方向に突出する左右の凸部7a,7aと、左右の外腕部6c,6cの先部から下方向に突出する左右の凸部7b,7bとを備えるものである。したがって雄用係止部7は合計4つの凸部7a,7bから構成される。そして図1に示すように雄部材2と雌部材3とが連結した状態では、上側に突出する2つの凸部7a,7aは雌部材3に隠蔽され、下側に突出する2つの凸部7b,7bは露出した状態になる。
内挿入部6bは図4に示すように、雄用取付部5の左右方向の両端部間に架設する内橋部6eと、内橋部6eの後面において左右に間隔をあけて後方に突出する一対の内腕部6f,6fとを備える。
内橋部6eは左右方向に延びると共に、左右方向の両端から中間に向かうにつれて雄用取付部5から離れるように膨らむ湾曲形状である。内橋部6eと第2の雄用横桟5fと一対の雄用縦桟5c,5cとによって枠が形成され、その枠の内側に形成されるのが第2の貫通穴5bである。
内腕部6fは外腕部6cに沿って延びるものである。
雌部材3は図1〜3に示すように、雄部材2以外に取り付ける雌用取付部9と、挿入部6を抜差し可能に収容すると共に雌用取付部9から前方に突出する収容部11と、収容部11に対して形成された雌用係止部12とを部位として備える。
雌用取付部9は図3に示すように、左右方向に対向する一対の雌用縦桟9a,9aと、一対の雌用縦桟9a,9aの間に架設する雌用横桟9bとを備える。
一対の雌用縦桟9a,9aは前後方向に延びるものである。雌用横桟9bは、一対の雌用縦桟9a,9aのうち収容部11から離れる側の端部(後端部)に架設されている。したがって雌用取付部9は上下方向から見て、一対の雌用縦桟9a,9aと雌用横桟9bとで収容部11に向かって開口するコ字状に形成される。また一対の雌用縦桟9a,9aの前端に収容部11が架設されている。したがってコ字状の雌用取付部9と収容部11とで枠が形成され、その枠の内側には貫通穴9hが形成される。この貫通穴9hに例えばベルト等の帯状物を通す。
また雌用横桟9bは一対の雌用縦桟9a,9aに対して上下方向の中間部に架設されている。したがって雌用取付部9は前後方向から見て、一対の雌用縦桟9a,9aと雌用横桟9bとでH字状に形成される。
収容部11は、前後方向に貫通するもので、前後方向から見て角筒状である。この角筒状の内側は挿入部6を抜差しするときの空間部11aとなる。この空間部11aは、挿入部6のうち雄用係止部7を通過させる係止部通過空間部11bと、挿入部6のうち雄用係止部7部以外の部分を収容する挿入部収容空間部11cとを備える。
係止部通過空間部11bは、4つの凸部7a,7bに対応させて、挿入部収容空間部11cに対して上側に通じる状態で左右に間隔をあけて且つ下側にも通じる状態で左右に間隔をあけて、合計で4つの凸部通過空間部11d,11d,…を備える。左右の凸部通過空間部11d,11dの間隔は、雄部材2(一対の外腕部6c,6c)に外力が加わっていないときの左右の凸部7a,7aまたは7b,7bの間隔よりも狭い。そうすることによって、一対の外腕部6c,6cを左右方向に接近する状態に弾性変形させたときに凸部通過空間部11dに凸部7a,7bを通過させ、一対の外腕部6c,6cを左右方向に離れる状態に復元させたときに凸部通過空間部11dに凸部7a,7bを通過不能とする。
また収容部11はその左右側面には左右方向に貫通する一対の開口部11f,11fを備える。
一対の開口部11f,11fは雄部材2の一対の外腕部6c,6cをその前後方向の中間部において突出させるもので、前後方向に延びる長穴である。
また収容部11のうち後面側には雌用係止部12が形成される。
雌用係止部12は、雄用係止部7の上側の2つの凸部7a,7aに対し嵌合によって係止する2つの凹部12a,12aと、雄用係止部7の下側の2つの凸部7b,7bに引っ掛かって係止する収容部11の後面とを備える。
そして雌用係止部12と収容部11とは、左右方向に対向する一対の側板14,14と、一対の側板14,14の上端部間に架設する上板15と、一対の側板14,14の下端部間に架設する下板16とを備える。
一対の側板14,14は収容部11の側面を形成し、左右方向から見ると、重なり合う同一形状である。また一対の側板14,14は、上下方向から見て前後方向の両端部に対して中間部を左右方向に接近する状態に凹ませてあり、より詳しく言えば当該中間部を湾曲する状態に凹ませてある。
上板15と下板16とは収容部11の上面・下面と凹部12aとを形成し、上下方向から見ると、重なり合う同一形状の部分と重なり合わない部分とを備える。重なり合わない部分は上板15の後部と下板16の後方とで形成され、凹部12aを形成する。重なり合う部分は上板15の後部以外の部分と下板16とで形成され、収容部11の上面・下面を形成する。
上下方向から見て上板15の左辺15aと下板16の左辺16aは重なり合い、また上板15の右辺15bと下板16の右辺16bは重なり合う。そして上板15の左辺15aと右辺15b、ならびに下板16の左辺16aと右辺16bは、側板14の形状に対応させて、前後方向の両端部に対して中間部を左右方向に接近する状態に凹ませてある。
また上下方向から見て上板15の前辺15cと下板16の前辺16cは重なり合い、左右方向の両端部に対して中間部を前後方向に接近する状態に凹ませてある。
いっぽう上下方向から見て上板15の後辺15dと下板16の後辺16dは重なり合う部分と重なり合わない部分とを備える。より詳しく言えば、上辺の後辺15dも下板16の後辺16dも、左右方向の両端部に対して中間部を前後方向に接近する状態に凹ませてある点では同一であるが、その凹ませ具合が相違する。上板15の後辺15dは、左右方向の両端部に対してその中間部を一直線に凹ませてあるが、下板16の後辺16dは、上板15の後辺15dにおける左右方向の両端部と左右方向の中間部とが交差する角部15fを切り欠いたように凹ませた切欠部16fを備えるものである。つまり下板16の後辺16dは、上板15の後辺15dにおける左右方向の両端部よりも短い左右両端部と、左右両端部から前側に凹んだ一対の切欠部16f,16fと、一対の切欠部16f,16fの間において前側に凹んだ中間部とを備える
また上板15のうち角部15f(切欠部16fに対して対向する部分)の下面は、上板15のうち収容部11に対応する部分の下面よりも上側に凹んでいる。また上板15の角部15fの後端部には下方に向かって突出片15hが突出している。この角部15fと収容部11の後面と突出片15hとで上向きに凹む凹部12aが形成される。また凹部12aは雌部材3の左右方向の中間に向かって開口しており、上側の凸部7aを左右方向に抜差し可能としてある。
また上板15と下板16とは図2(B)に示すように、雄部材2の外橋部6dと内橋部6eとを左右方向の中間部において上下から押さえるものである。ちなみに内橋部6eは外橋部6dよりも上下方向に長い形状となっている。そして上板15と下板16との上下方向の間隔は内橋部6eと外橋部6dの形状に対応する設定、つまり外橋部6dに対応する部分の上下方向の間隔を内橋部6eに対応する部分の間隔よりも狭く設定してある。
また雌部材3は図3に示すように、雌部材3の外形を形作る合成樹脂製の雌本体(符号省略)と、雌本体に形成された塗装膜Pとを外観形成要素として備える。雌本体は雌部材3の部位(雌用取付部9と収容部11と雌用係止部12)の外形を実質的に形成しており、塗装膜Pは雌部材3の部位の表面の一部を形成する。塗装膜Pは図1では散在する点が付された面に形成されている。また図3(F)では塗装膜は省略してある。
塗装膜Pとは本実施形態ではメタリック塗装膜である。メタリック塗装膜とは、硬化した塗膜形成性樹脂及びアルミニウム粉を含有するベース塗装膜、又はこのベース塗装膜の上にクリヤー塗装膜を重ね合わせた複層膜のことである。
また本実施形態では塗装膜Pは、雄部材2と雌部材3とを連結した状態において、雌部材3の外面のうち露出している部分(露出面)に形成されたものとする。露出面とは、雌用取付部9の外面(上下面・左右面・前後面)全部と、収容部11の外面のうち露出している部分と、雌用係止部12のうち表面(外面および内面)のうち露出している部分(雄用係止部7に隠蔽されない面)である。これら露出面は塗装面となる。
いっぽう収容部11の内面全部は、塗装膜Pが形成されない面、つまり合成樹脂からなる非塗装面Nである。また収容部11の外面であっても挿入部6が収容された状態で雌部材3に隠蔽される面、より詳しく言えば収容部11の後面であって雄用係止部7が位置する面や、収容部11の前面であって雄用取付部5によって隠蔽される面は、非塗装面Nとなる。また雌用係止部12の上側の凸部7aに隠蔽される面も非塗装面Nとなる。
上記した第一実施形態のバックル1を連結するときは、雄部材2の挿入部6を雌部材3の収容部11に対して挿入すると、一対の外腕部6c,6cが左右方向に接近するように弾性変形し、雄用係止部7の4つの凸部7a,7bが凸部通過空間部11dを通過する。その後、一対の外腕部6c,6cが復元力によって元の形状に戻ろうとして左右方向に離れる。そうすると、一対の外腕部6c,6cが部分的に挿入部6の一対の開口部11f,11fから左右方向に突出し、上側の2つの凸部7a,7aが対応する凹部12aに嵌合して係止し、下側の2つの凸部7b,7bが収容部11の後面に引っ掛かって係止する。
またバックル1を分離するときは、一対の外腕部6c,6cのうち開口部11fから突出している部分を左右方向に接近するように押し込む操作をしてから、4つの凸部7a,7bを凸部通過空間部11dの後方に移動させる。そしてそのまま雌部材3を前方に移動させることによって、収容部11から挿入部6が抜き出され、雄部材2と雌部材3とが分離する。
そして雄部材2と雌部材3とを連結した状態では、雌部材3の収容部11の内面だけでなく、雌部材3のうち雄部材2によって隠蔽された面を、合成樹脂からなる非塗装面Nとしてあるので、雌部材3の内面を塗装面としてあるものと比べれば、雄部材2の挿入部6を抜差しするときに塗装膜Pが剥がれ落ち難くなる。
なお第一実施形態のバックル1は、雌部材3(雌本体)を合成樹脂製にしてあるので、雌部材3が他部材に衝突したときの衝撃を例えば金属製の雌部材よりも小さくできる。
上記した第一実施形態のバックル1の雌部材3を生産する方法は、雄部材2と雌本体とを準備する準備工程と、塗装工程とを備える。
塗装工程は、準備した雄部材2を塗装治具にすると共に雌本体を塗装対象にして、雌本体を雄部材2に連結した状態で雌本体の外面を上下方向・左右方向・前後方向からスプレーガンによって吹付け塗装する。
雄部材2と雌部材3とを連結した状態は図2に示すように、雄部材2の挿入部6が雌部材3の収容部11に収容され、雄部材2の雄用係止部7と雌部材3の雌用係止部12とが係止した状態である。そして雌部材3の開口部11fから雄部材2の一対の外腕部6c,6cが部分的に露出し、開口部11fを左右右方向から隠蔽する。また収容部11の空間部の後端部に外橋部6dが位置することになって、収容部11の空間部を後方から外橋部6dが隠蔽する。また収容部11の空間部11aの前端部に内橋部6eが位置することになって、収容部11の空間部11aを前方から内橋部6eが隠蔽する。したがって収容部11の内側の空間部11aに塗料が入らないように、収容部11の空間部11aに対し外部から通じる部分を前後・左右・上下からマスキングした(隠蔽した)ことになる。また雄用係止部7と雌用係止部12とが係止するので、雌用係止部12のうち雄用係止部7に係止する面は雄用係止部7によってマスキングされる。
そうすると、吹付け塗装によって形成される塗装膜Pは図1に示すように、雄部材2と雌本体とを連結した状態において、雌本体の外面のうち露出している部分(露出面)に形成される。いっぽうマスキングされた部分は雌部材3の非塗装面Nとなり、塗料が付着しなくなる。
このようにして雌本体と塗装膜Pとを備える雌部材3を生産する。ちなみに塗装工程後に塗装冶具としての雄部材2を分離し、別の雄部材2を雌部材3に連結することによって、第一実施形態のバックル1を生産する。
そして本実施形態の生産方法によれば、雄部材2を塗装冶具として用い、雄部材2を雌本体に連結した状態で塗装しているので、雌部材3の収容部11の内面であって挿入部6が収容された状態で隠蔽される面を非塗装面Nにしながら、雌部材3の収容部11の外面を塗装面にでき、結果として、雄部材2を抜差しするときに塗装膜Pが剥がれ落ち難くなるように簡単にマスキングでき、雌本体を簡単に塗装できる。以上で第一実施形態のバックル1の説明を終わる。
第一実施形態のバックル1で用いた雌部材3に対して、第一実施形態のバックル1で用いた雄部材2とは異なる変形例の雄部材を用いることによって、バックルを形成することも可能である。
図5に示すように第1の変形例の雄部材2Aは挿入部21に関して第一実施形態の雄部材2の挿入部6と相違し、それ以外に関して第一実施形態の雄部材2と同じである。
第一変形例の雄部材2Aにおける挿入部21も外挿入部22と内挿入部23とを備える。そして外挿入部22は一対の外腕部6c,6cと外橋部6dだけでなく、一対の外腕部6c,6cのそれぞれの左右方向の内面に補強部21aを備える。
補強部21aは外腕部6cの左右方向の内面であって前後に離れた部分に架設するもので、前後方向に延びると共に雄部材2Aの左右方向の中間に向かって接近するように湾曲するものである。
また第一変形例の内挿入部23は内橋部6eのみを備えるものであり、第一実施形態の内挿入部6bにおける一対の内腕部6f,6fを備えないものである。
また第一変形例の雄部材2Aと第一実施形態の雌部材3とを連結した状態では、第一実施形態のバックル1と同様に、雄用係止部7と雌用係止部12が係止されると共に、収容部11の空間部11aに対し外部から通じる部分を前後・左右・上下からマスキングした(隠蔽した)状態になる。したがって雌部材3に吹付け塗装すると、第一実施形態と同様に塗装膜Pが形成される。
図6に示すように第二変形例の雄部材2Bは雄用取付部25に関して第一実施形態の雄部材2の雄用取付部5と相違し、それ以外に関して第一実施形態の雄部材2と同じである。
第二変形例の雄部材2Bにおける雄用取付部25は上下方向を厚み方向とする一枚の平板で、上下方向から見て矩形で、前後方向からみて左右方向に細長い形状である。
第二変形例の雄部材2Bと第一実施形態の雌部材3とを連結した状態では、第一実施形態のバックルと同様に、雄用係止部7と雌用係止部12が係止されると共に、収容部11の空間部11aに対し外部から通じる部分を前後・左右・上下からマスキングした(隠蔽した)状態になる。したがって雌部材3に吹付け塗装すると、第一実施形態と同様に塗装膜Pが形成される。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。たとえば雄用係止部7は本実施形態では挿入部6の先部から上下方向に突出するものであったが、本発明ではこれに限らず挿入部の左右の側面から突出するものであっても良い。この場合、雌部材の内側の空間部から左右の開口部に対し一対の雄用係止部が左右方向に出入りし、雄部材と雌部材とが連結した状態では、一対の雄用係止部が雌部材の収容部に対し開口部の左右外側において係止することになる。
1 バックル
2,2A,2B 雄部材
3 雌部材
5,25 雄用取付部
5a 第1の貫通穴
5b 第2の貫通穴
5c 雄用縦桟
5e 第1の雄用横桟
5f 第2の雄用横桟
6,21 挿入部
6a,22 外挿入部
6b,23 内挿入部
6c 外腕部
6d 外橋部
6e 内橋部
6f 内腕部
7 雄用係止部
7a,7b 凸部
9 雌用取付部
9a 雌用縦桟
9b 雌用横桟
11 収容部
11a 空間部
11b 係止部通過空間部
11c 挿入部収容空間部
11d 凸部通過空間部
11f 開口部
12 雌用係止部
12a 凹部
14 側板
15 上板
15a 左辺
15b 右辺
15c 前辺
15d 後辺
15f 角部
15h 突出片
16 下板
16a 左辺
16b 右辺
16c 前辺
16d 後辺
16f 切欠部
21a 補強部
P 塗装膜
N 非塗装面

Claims (3)

  1. 連結および分離可能な雄部材(2,2A,2B)と雌部材(3)とを備え、
    前記雄部材(2,2A,2B)は、前記雌部材(3)以外に取り付ける雄用取付部(5,25)と、前記雌部材(3)に挿入すると共に前記雄用取付部(5,25)から突出する挿入部(6,21)と、前記雌部材(3)を係止すると共に前記挿入部(6,21)に対して形成された雄用係止部(7)とを備え、
    前記雌部材(3)は、前記雌部材(3)の外形を形作る合成樹脂製の雌本体と、前記雌本体に形成された塗装膜(P)とを外観形成要素として備え、前記雄部材(2,2A,2B)以外に取り付ける雌用取付部(9)と、前記挿入部(6,21)を抜差し可能に収容すると共に前記雌用取付部(9)から突出する収容部(11)と、前記収容部(11)に対して形成された雌用係止部(12)とを部位として備え、
    前記収容部(11)の外面は塗装膜(P)で形成された塗装面を備え、
    前記収容部(11)の内面は合成樹脂からなる非塗装面(N)であることを特徴とするバックル。
  2. 前記塗装膜(P)はメタリック塗装膜であることを特徴とする請求項1に記載のバックル。
  3. 連結および分離可能な雄部材(2,2A,2B)と雌本体とを準備する準備工程と、塗装工程とを備え、
    前記雄部材(2,2A,2B)は、前記雌本体以外に取り付ける雄用取付部(5,25)と、前記雌本体に挿入すると共に前記雄用取付部(5,25)から突出する挿入部(6,21)と、前記雌本体を係止すると共に前記挿入部(6,21)に対して形成された雄用係止部(7,25)とを備え、
    前記雌本体は合成樹脂製であり、前記雄部材(2,2A,2B)以外に取り付ける雌用取付部(9)と、前記挿入部(6,21)を抜差し可能に収容すると共に前記雌用取付部(9)から突出する収容部(11)と、前記収容部(11)に対して形成された雌用係止部(12)とを部位として備え、
    前記塗装工程では、準備した前記雄部材(2,2A,2B)を塗装治具にすると共に前記雌本体を塗装対象にして、前記雌本体を前記雄部材(2,2A,2B)に連結した状態で前記雌本体のうち前記収容部(11)の外面に吹付け塗装による塗装膜(P)を形成し、前記雌本体と前記塗装膜(P)とを備える雌部材(3)を生産することを特徴とするバックルの雌部材の生産方法。

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