JP2020086161A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外添剤の脱離による有機感光体へのフィルミングの発生が抑制されたトナーが得られ、更に、シリカの残存率に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。【解決手段】下記工程(1)及び工程(2)をこの順で含み、結着樹脂が、ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAと、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBとを有し、前記セグメントAと前記セグメントBとが、共有結合により連結している複合樹脂Cを含有する、静電荷像現像用トナーの製造方法。工程(1):少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有するトナー組成物を、疎水化処理シリカの存在下で粉砕する工程工程(2):工程(1)で得られた粉砕物を分級して、トナー粒子を得る工程【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真の分野においては、静電荷像現像用トナーの流動性を向上させるために、一般にシリカ等の外添剤を付着させることが行われている。
例えば、特許文献1には、外添剤の遊離による有機感光体へのフィルミング及び高温高湿環境下でのカブリの発生を低減することを目的として、工程(1):少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を平均一次粒子径が6〜20nmの無機微粒子の存在下で粉砕し、体積中位粒径が3〜8μmのトナー母粒子を得る工程、及び工程(2):前記工程(1)で得られたトナー母粒子に平均一次粒子径が25〜60nmのシリカを外添する工程を含む方法により得られる、BET比表面積が1.5〜3.5m/gのカラートナーが記載されている。
特許文献2には、画像上のカブリや感光体上の傷の発生が抑制され、かつ流動性にも優れる電子写真用トナーの製造方法を提供することを目的として、工程1:ポリエステルとポリ乳酸を140℃以上200℃以下で混合しエステル交換反応に供する工程、工程2:工程1で得られた樹脂組成物を含むトナー用原料混合物を溶融混練する工程、及び工程3:工程2で得られた溶融混練物を無機微粒子の存在下で粉砕し、分級する工程を含む、電子写真用トナーの製造方法が開示されている。
特開2007−328224号公報 特開2015−127764号公報
特許文献1及び2に記載された静電荷像現像用トナーの製造方法では、無機粒子の存在下で粉砕し、無機粒子を粗粉砕粒子の表面に付着させるが、その後の微粉砕や、分級等により付着した無機粒子が脱離するため、無機粒子の残存率が少なく、十分な付着量を得るためには、粉砕時に多量の無機粒子を存在させる必要があり、製造効率が悪いという問題があった。
本発明は、外添剤の脱離による有機感光体へのフィルミングの発生が抑制されたトナーが得られ、更に、シリカの残存率に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明者等は、ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAと、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBとを有し、前記セグメントAと前記セグメントBとが、共有結合により連結している複合樹脂Cを結着樹脂として含有する静電荷像現像用トナーにおいて、特定の方法で疎水化処理シリカを付着させることで、シリカ残存率に優れたトナーの製造方法が提供できることを見出した。
本発明は、下記の〔1〕に関する。
〔1〕 下記工程(1)及び工程(2)をこの順で含み、結着樹脂が、ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAと、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBとを有し、前記セグメントAと前記セグメントBとが、共有結合により連結している複合樹脂Cを含有する、静電荷像現像用トナーの製造方法。
工程(1):少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有するトナー組成物を、疎水化処理シリカの存在下で粉砕する工程
工程(2):工程(1)で得られた粉砕物を分級して、トナー粒子を得る工程
本発明によれば、外添剤の脱離による有機感光体へのフィルミングの発生が抑制されたトナーが得られ、更に、シリカの残存率に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
[静電荷像現像用トナーの製造方法]
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)の製造方法は、下記工程(1)及び工程(2)をこの順で含み、結着樹脂が、ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAと、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBとを有し、前記セグメントAと前記セグメントBとが、共有結合により連結している複合樹脂Cを含有することを特徴とする。
工程(1):少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有するトナー組成物を、疎水化処理シリカの存在下で粉砕する工程
工程(2):工程(1)で得られた粉砕物を分級して、トナー粒子を得る工程
上記の製造方法によれば、外添剤の脱離による有機感光体へのフィルミングの発生が抑制されたトナーが得られ、更に、シリカの残存率に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
本発明のトナーの製造方法により、外添剤の脱離による有機感光体へのフィルミングの発生が抑制されたトナーが得られ、更に、疎水化処理シリカの残存率に優れたトナーの製造方法が達成される理由は定かではないが、以下のように推定される。
工程(1)のように、疎水化処理シリカの存在下で、トナー組成物を粉砕することにより、疎水化処理シリカを粉砕物の表面に、比較的強固に付着させることができると考えられる。更に、本発明では、結着樹脂が、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBを有することにより、疎水化処理シリカが変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBに、より選択的かつ強固に付着すると考えられ、フィルミングの発生が抑制されるとともに、強固な付着により、疎水化処理シリカの脱離が抑制され、疎水化処理シリカの残存率に優れたトナーの製造方法が得られたものと推定される。
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
「カルボン酸化合物」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。
カルボン酸化合物がカルボン酸のアルキルエステルである場合、カルボン酸化合物の炭素数には、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を算入しない。
「結着樹脂」とは、複合樹脂Cを包含するトナー中に含まれる樹脂成分を意味する。
<結着樹脂>
≪複合樹脂C≫
本発明において、結着樹脂として複合樹脂Cを含有し、複合樹脂Cは、ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAと、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBとを有し、前記セグメントAと前記セグメントBとが、共有結合により連結している。なお、複合樹脂Cは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されていてもよい。変性された複合樹脂Cとしては、例えば、ポリエステル樹脂A由来のセグメントがウレタン結合で変性されたウレタン変性複合樹脂、ポリエステル樹脂由来のセグメントがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性複合樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAと、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBとは、共有結合により連結している。
共有結合としては、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、及びこれらの結合と連結基とを有する結合が挙げられる。
連結基としては、炭素数1以上6以下の2価以上の炭化水素基が挙げられる。連結基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、フェニレン基等が挙げられる。
中でも、エステル結合により連結していることが好ましく、エステル結合によりセグメントAとセグメントBとが、直接連結していることがより好ましい。
〔セグメントA〕
以下、ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAについて説明する。
「ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントA」とは、ポリエステル樹脂Aの一部が、他の分子団と結合する樹脂のセグメントを意味する。
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物である。
アルコール成分としては、例えば、芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、3価以上の多価アルコールが挙げられる。
芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物としては、好ましくは式(I):

(式中、OR及びROはオキシアルキレン基であり、Rはそれぞれ独立にエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは4以下である)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を含むことが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキシド付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いてもよい。
アルコール成分として、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を使用する場合、その含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、より更に好ましくは95モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、より更に好ましくは100モル%である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールが挙げられる。これらの中でも、第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3又は4の脂肪族ジオールが好ましい。具体的には、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールが挙げられ、トナーの耐久性を向上させる観点から、1,2−プロパンジオール及び2,3−ブタンジオールが好ましく、1,2−プロパンジオールがより好ましい。
脂環式ジオールとしては、例えば、水素添加ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン〕、水素添加ビスフェノールAの炭素数2以上4以下のアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数2以上12以下)が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールが挙げられる。
これらのアルコール成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
アルコール成分として、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を使用しない場合には、直鎖又は分岐の脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、より更に好ましくは95モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、より更に好ましくは100モル%である。
カルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、3価以上のカルボン酸化合物が挙げられる。
これらの中でも、カルボン酸成分は、印刷耐久性をより向上させる観点から、好ましくは、芳香族ジカルボン酸化合物を含む。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。これらの中では、低温定着性の観点から、テレフタル酸及びイソフタル酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、テレフタル酸が更に好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、低温定着性の観点から、好ましくは20モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは60モル%以上、より更に好ましくは80モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、そして、より更に好ましくは100モル%である。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよいコハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されたコハク酸としては、オクチルコハク酸やドデセニルコハク酸(テトラプロペニルコハク酸)等が挙げられる。
これらの中でも、フマル酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸が挙げられる。
アルコール成分は1価のアルコールを、カルボン酸成分は1価のカルボン酸化合物を、適宜含有してもよい。
カルボン酸成分のカルボキシ基とアルコール成分の水酸基との比〔COOH基/OH基〕は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。
〔セグメントB〕
複合樹脂Cは、フィルミングの抑制、及びシリカの残存率を向上させる観点から、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBを有する。
変性ポリオレフィン系重合体Bとしては、例えば、変性ポリエチレン系重合体、変性ポリプロピレン系重合体、変性ポリブチレン系重合体が挙げられる。
これらの中でも、フィルミングの抑制、及びシリカの残存率を向上させる観点から、変性ポリプロピレン系重合体が好ましい。
変性ポリオレフィン系重合体Bは、反応性官能基を有することが好ましく、該反応性官能基としては、例えば、カルボン酸基、無水カルボン酸基、ヒドロキシ基が挙げられる。これらの中でも、カルボン酸基又は無水カルボン酸基が好ましい。すなわち、変性ポリオレフィン系重合体Bは、カルボン酸変性ポリプロピレン系重合体及び無水カルボン酸変性ポリプロピレン系重合体(以下、これらを総称して、「酸変性ポリプロピレン系重合体」ともいう)から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
変性前のポリプロピレン系重合体としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレンとその他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。
ポリプロピレンは、例えば、一般のプロピレンの重合によって得る方法、一般成形用の容器等に使用されるポリプロピレンを熱分解して得る方法、一般成形用の容器等に使用されるポリプロピレンの製造時に副生成する低分子量のポリプロピレンを分離精製する方法により得られるポリプロピレンが挙げられる。
プロピレンとその他のオレフィンとの共重合体は、例えば、プロピレンと、プロピレンと共重合可能な不飽和結合を有するその他のオレフィンとを重合させることにより得られる共重合体が挙げられる。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
その他のオレフィンは、例えば、エチレン、炭素数4以上10以下のオレフィンが挙げられる。その他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、2−エチルヘキセンが挙げられる。
プロピレンとその他のオレフィンとの共重合体としては、例えば、プロピレン/ヘキセン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体が挙げられる。
共重合体である場合、プロピレンの割合は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、そして、100質量%未満である。
これらの変性前のポリプロピレン系重合体の中でも、フィルミングの抑制、及びシリカの残存率を向上させる観点から、ポリプロピレンが好ましい。
酸変性ポリプロピレン系重合体としては、例えば、酸化ポリプロピレン系重合体、不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物により変性したポリプロピレン系重合体が挙げられる。これらの中でも、不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物により変性されたポリプロピレン系重合体であることが好ましい。
酸化ポリプロピレン系重合体は、例えば、空気酸化等の方法によりポリプロピレン系重合体骨格にカルボキシ基を付与した酸化ポリプロピレン系重合体が挙げられる。
不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物により変性したポリプロピレン系重合体としては、例えば、不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物によりランダムグラフト変性されたポリプロピレン系重合体(以下単に、「ランダムグラフト変性ポリプロピレン系重合体」ともいう)、不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物により末端変性されたポリプロピレン系重合体(以下単に、「末端変性ポリプロピレン系重合体」ともいう)が挙げられる。
これらの中でも、フィルミングの抑制、及びシリカの残存率を向上させる観点から、不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物により末端変性されたポリプロピレン系重合体が好ましい。
不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物としては、例えば、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸が挙げられる。これらの中でも反応性の観点から、無水マレイン酸が好ましい。すなわち、酸変性ポリプロピレン系重合体としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系重合体であることが好ましい。ポリプロピレン系重合体に無水マレイン酸部位が導入されることにより、1つ又は2つのポリエステル樹脂Aに由来するセグメントがエステル結合を介して連結することができる。特に無水マレイン酸末端変性ポリプロピレン系重合体を用いることで、ポリプロピレン系重合体の末端の無水マレイン酸部位により、1つ又は2つ、好ましくは2つのポリエステル樹脂A由来のセグメントが連結した構造を有する複合樹脂Cが得られると考えられる。そのため、無水マレイン酸により変性されたポリプロピレン系重合体を用いることで、シリカの残存率がより向上すると考えられる。
末端変性ポリプロピレン系重合体の市販品としては、例えば、片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン「X−10065」(Mn=1,000)、片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン「X−10088」(Mn=2,500)、片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン「X−10082」(Mn=8,000)、片末端無水マレイン酸変性プロピレン/ヘキセン共重合体「X−10087」(Mn=800)、片末端無水マレイン酸変性プロピレン/ヘキセン共重合体「X−10053」(Mn=2,000)、片末端無水マレイン酸変性プロピレン/ヘキセン共重合体「X−10052」(Mn=4,000)(以上、BAKER HUGHES社製)が挙げられる。
ランダムグラフト変性ポリプロピレン系重合体は、好ましくは無水マレイン酸がランダムにグラフト化され変性されたポリプロピレン系重合体(以下、「ランダムグラフト無水マレイン酸変性ポリプロピレン系重合体」ともいう)である。
ランダムグラフト無水マレイン酸変性ポリプロピレン系重合体は、好ましくは1分子中に1個以上の無水マレイン酸がグラフト化され変性されている。無水マレイン酸によって変性されているかは、一般的なスペクトル測定によって規定できる。無水マレイン酸によって変性されると、無水マレイン酸の二重結合が単結合に変化するのでそのスペクトル変化を測定することで規定できる。
ランダムグラフト変性ポリプロピレン系重合体は、例えば、ポリプロピレン系重合体分子内にラジカルを発生させ、不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物と反応させることで得られる。
ランダムグラフト変性ポリプロピレン系重合体の市販品としては、例えば、ランダムグラフト無水マレイン酸変性ポリプロピレン系重合体として、「トーヨータック」シリーズの「M−100」,「M−300」,「M−310」,「PMA H1000A」,「PMA H1100A」,「PMA H3000A」,「PMA−T」,「PMA−F2」,「PMA−L」(以上、東洋紡株式会社製);「ユーメックス」シリーズの「1001」,「1010」,「100TS」,「110TS」(以上、三洋化成工業株式会社製);「カヤブリット」シリーズの「003」,「006」(以上、アクゾノーベル株式会社製)が挙げられる。
末端変性ポリプロピレン系重合体は、好ましくは片末端のみが無水マレイン酸で変性されたポリプロピレン系重合体(以下、「片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン系重合体」ともいう)である。
片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン系重合体は、好ましくは1分子中に1個の無水マレイン酸によって変性される。無水マレイン酸によって変性されているかは、一般的なスペクトル測定によって規定できる。無水マレイン酸によって変性されると、無水マレイン酸の二重結合が単結合に変化するのでそのスペクトル変化を測定することで規定できる。またポリプロピレン側の被連結部分も結合前後でスペクトル変化を起こすのでこれを測定することで規定できる。
片末端変性ポリプロピレン系重合体は、例えば、片末端に不飽和結合を有するポリプロピレン系重合体に、不飽和結合を有するカルボン酸化合物又はその無水物をEne反応させることで得られる。片末端に不飽和結合を有するポリプロピレン系重合体は、公知の方法により得られるが、例えば、バナジウム系触媒、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒等を用いて製造することができる。
変性ポリプロピレン系重合体としては、例えば、無水マレイン酸がランダムにグラフト化され変性されたポリプロピレン、無水マレイン酸がランダムにグラフト化され変性されたプロピレンとその他オレフィンとの共重合体、片末端のみが無水マレイン酸で変性されたポリプロピレン(以下、「片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン」ともいう)、片末端のみが無水マレイン酸で変性されたプロピレンとその他オレフィンとの共重合体(以下、「片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン系共重合体」ともいう)が挙げられる。
これらの中でも、片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン、片末端無水マレイン酸変性ポリプロピレン系共重合体が好ましい。
変性ポリオレフィン系重合体Bの融点は、フィルミングの発生を抑制し、また、シリカ残存率をより向上させる観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは40℃以上、より更に好ましくは60℃以上、より更に好ましくは70℃以上、より更に好ましくは80℃以上であり、そして、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは150℃以下、より更に好ましくは140℃以下である。
変性ポリオレフィン系重合体Bの酸価は、フィルミングの発生を抑制し、また、シリカ残存率をより向上させる観点から、好ましくは200mgKOH/g以下、より好ましくは150mgKOH/g以下、更に好ましくは100mgKOH/g以下、より更に好ましくは80mgKOH/g以下であり、そして、好ましくは0.1mgKOH/g以上、より好ましくは1mgKOH/g以上、更に好ましくは5mgKOH/g以上、より更に好ましくは10mgKOH/g以上である。
変性ポリオレフィン系重合体Bの数平均分子量は、フィルミングの発生を抑制し、また、シリカ残存率をより向上させる観点から、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは700以上であり、そして、好ましくは50,000以下、より好ましくは30,000以下、更に好ましくは15,000以下、より更に好ましくは10,000以下、より更に好ましくは8,000以下である。
数平均分子量は、標準試料としてポリスチレンを用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定する。
複合樹脂C中、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBの量は、ポリエステル樹脂A由来のセグメントAを形成するアルコール成分及びカルボン酸成分の合計100質量部に対して、フィルミングの発生を抑制し、また、シリカ残存率をより向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、より更に好ましくは7質量部以上、より更に好ましくは8質量部以上であり、そして、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下、より更に好ましくは30質量部以下である。
なお、上記量に関して、アルコール成分及びカルボン酸成分の脱水量は考慮しないものとする。
〔複合樹脂Cの製造方法〕
本発明において、結着樹脂は、複合樹脂Cを含有する。
複合樹脂Cは、例えば、
(a)変性ポリオレフィン系重合体Bの存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られる、又は
(b)ポリエステル樹脂Aに、変性ポリオレフィン系重合体Bを反応させて得られる。
上記反応は、例えば、脱水縮合、エステル交換反応が挙げられる。
反応条件は、変性ポリオレフィン系樹脂Bのカルボン酸基又は無水カルボン酸基と、アルコール成分、カルボン酸成分等が脱水縮合又はエステル交換する条件が好ましい。
複合樹脂Cを得る方法としては、より詳細には、例えば、
(i)反応初期から変性ポリオレフィン系重合体Bを存在させ、アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合する、
(ii)反応の途中から変性ポリオレフィン系重合体Bを存在させ、アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合する、
(iii)アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合した後に、変性ポリオレフィン系重合体Bを存在させる、
(iv)ポリエステル樹脂Aを加熱溶解させ、温度180℃以上250℃以下の条件でポリオレフィン系重合体Bを存在させる、
方法が挙げられる。
これらの中でも、製造容易性の観点から、(ii)の方法が好ましい。
アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、150℃以上250℃以下程度の温度で行うことができる。
エステル化触媒としては、例えば、酸化ジブチル錫、2−エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物が挙げられる。エステル化触媒とともに用い得るエステル化助触媒としては、例えば、没食子酸が挙げられる。
エステル化触媒の使用量は、ポリエステル樹脂Aの原料であるアルコール成分、及びカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下である。
エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分、及びカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
無水マレイン酸末端変性ポリオレフィン系重合体を用いた場合、1つ又は2つ、好ましくは2つのポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAがエステル結合を介して連結することができる。そのため、フィルミングの発生を抑制し、また、シリカ残存率をより向上させることができる。
複合樹脂Cの軟化点は、保存性をより向上させる観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは170℃以下、より好ましくは150℃以下である。
複合樹脂Cのガラス転移温度は、保存性をより向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
複合樹脂Cの上記物性は、複合樹脂Cが2種以上の複合樹脂Cを含む場合は、それらの加重平均値が上記範囲内となることが好ましい。
≪その他の結着樹脂≫
本発明において、結着樹脂として、上述した複合樹脂Cに加え、他の樹脂を含有していてもよい。
他の樹脂としては、上述したセグメントBを有しない、ポリエステル樹脂が例示される。他のポリエステル樹脂と併用することによって、結着樹脂全体としての変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBの含有量を制御したり、軟化点を所望の範囲とすることができる。
複合樹脂Cの含有量は、フィルミングの発生を抑制し、また、シリカ残存率をより向上させる観点から、結着樹脂中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
本発明において、トナー組成物は、少なくとも結着樹脂に加え、離型剤及び着色剤を含有し、上記成分に加えて、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を含有してもよく、少なくとも着色剤、離型剤及び荷電制御剤を含有することが好ましい。
<着色剤>
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等の全てを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等を用いることができ、トナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性をより向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは40質量部以下、より好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
<離型剤>
離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス;マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス又はそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス又はそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、フィルミングの発生を抑制する観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは120℃以下、より更に好ましくは110℃以下である。
離型剤の含有量は、トナーの低温定着性及びフィルミングの発生を抑制する観点並びに結着樹脂中への分散性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは7質量部以下である。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては、正帯電性荷電制御剤、負帯電性荷電制御剤のいずれであってもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN−01」、「ボントロンN−04」、「ボントロンN−07」、「ボントロンN−09」、「ボントロンN−11」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリヱント化学工業株式会社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリヱント化学工業株式会社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ−2001」、「PLZ−8001」(以上、四国化成工業株式会社製)等;スチレン−アクリル系樹脂、例えば「FCA−701PT」(藤倉化成株式会社製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS−31」、「ボントロンS−32」、「ボントロンS−34」、「ボントロンS−36」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T−77」(以上、保土谷化学工業株式会社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR−147」、「LR−297」(以上、日本カーリット株式会社製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE−81」、「ボントロンE−84」、「ボントロンE−88」、「ボントロンE−304」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)、「TN−105」(保土谷化学工業株式会社製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下である。
<疎水化処理シリカ>
工程(1)において使用する疎水化処理シリカ(以下、「疎水性シリカ」ともいう)は、疎水化処理剤により処理されたシリカである。
疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)等のシランカップリング剤;ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤等が挙げられ、これらの中では、トナー流動性向上の観点から、シランカップリング剤が好ましい。疎水化処理剤による処理量は、シリカ粒子の表面積あたり、1〜7mg/mが好ましい。疎水化処理の方法は特に限定されない。
工程(1)において使用する疎水化処理シリカの平均一次粒径は、トナー流動性向上、及びトナー表面からの疎水化処理シリカの脱離を抑制する観点から、好ましくは3nm以上、より好ましくは6nm以上、更に好ましくは10nm以上、より更に好ましくは12nm以上、より更に好ましくは15nm以上であり、そして、好ましくは50nm以下、より好ましくは25nm未満、更に好ましくは20nm以下である。
工程(1)における疎水化処理シリカの量は、トナーの流動性向上、及びトナー表面からの疎水化処理シリカの脱離を抑制する観点から、トナー組成物100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
<工程(1)>
工程(1)は、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有するトナー組成物を、疎水化処理シリカの存在下で粉砕する工程である。
≪トナー組成物の製造方法≫
本発明のトナーの製造方法は、上述した工程(1)の前に、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を混練して得られた混練物を粗粉砕して、トナー組成物を得る工程を有することが好ましい。
結着樹脂、離型剤、着色剤、及び必要に応じて荷電制御剤等のその他の添加剤を含むトナー原料を溶融混練して、混練物を得ることが好ましい。溶融混練する際には、ヘンシェルミキサー等によりトナー原料を予備混合して、溶融混練に供することが好ましい。
溶融混練は、密閉式ニーダー、一軸若しくは二軸の混練機、連続式オープンロール型混練機等の混練機を用いて行うことができるが、これらの中では、複合樹脂C及び離型剤を溶融混合する観点から、高温条件に設定することのできる二軸押出機が好ましい。二軸混練機とは、二本の混練軸をバレルが覆い隠す閉鎖型の混練機である。市販品としては、生産性を向上させる観点から高速での二軸の噛み合わせが良好な、株式会社池貝製の二軸押出機PCMシリーズが好ましい。
二軸押出機は、混練部が密閉されており、混練の際に発生する混練熱により各材料を容易に溶融することができる。
二軸押出機の設定温度は、押出機の構造上、材料の溶融特性に影響されず、意図した温度にて溶融混合することが容易である。二軸押出機の設定温度(バレル設定温度)は、適宜設定されるが、例えば、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上であり、そして、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下である。
回転周速度は、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の添加剤のトナー中での分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点から、二軸押出機の場合、好ましくは0.15m/sec以上、より好ましくは0.20m/sec以上であり、そして、好ましくは1.00m/sec以下、より好ましくは0.70m/sec以下、更に好ましくは0.50m/sec以下である。
上記のようにして得られた溶融混練物を、粉砕が可能な程度に冷却した後、粗粉砕を行うことで、トナー組成物を得ることが好ましい。
粗粉砕に用いられる粉砕機としては、例えば、ハンマーミル、アトマイザー、ロートプレックスが挙げられる。
トナー組成物を得るための粗粉砕は、最大径が1〜5mm程度、好ましくは1〜3mm、より好ましくは1〜2mmに粗粉砕することが好ましく、所望の目開きを有する篩を通すことで、最大径を制御することができる。
≪トナー組成物の粉砕≫
本発明において、工程(1)では、上述のようにして得られたトナー組成物を、疎水化処理シリカの存在下で粉砕(微粉砕)することが好ましい。一方、本発明は、上述の溶融混練物をトナー組成物として使用し、疎水化処理シリカの存在下に粗粉砕を行う態様をも含むものである。
工程(1)において、トナー組成物の微粉砕に使用される粉砕機としては、例えば、流動層式ジェットミル、衝突板式ジェットミル、回転型機械式ミルが挙げられる。これらの中でも、粉砕効率の観点から、流動層式ジェットミル、衝突板式ジェットミルが好ましく、衝突板式ジェットミルがより好ましい。
本発明において好適に用いられる衝突板式ジェットミルとしては、日本ニューマチック工業株式会社製のIDS−2型ジェットミルが例示される。
なお、疎水化処理シリカの存在下でトナー組成物を粉砕する方法としては、粉砕前に予めトナー組成物を疎水化処理シリカと混合する方法、粉砕機への供給時に両者を合わせ同時に両者を粉砕機に供給する方法、それぞれ別の供給口から粉砕機に供給する方法等、特に限定されないが、本発明では、疎水化処理シリカの付着性の観点から、予め粗粉砕物と疎水化処理シリカとを混合する方法が好ましい。粗粉砕物と疎水化処理シリカとの混合は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速撹拌可能な混合機によって行うことが好ましく、分散性の観点から、ヘンシェルミキサーが好ましい。
<工程(2)>
本発明において、工程(2)として、上記工程(1)で得られた粉砕物を分級してトナー粒子を得る工程を含む。工程(2)では、工程(1)で得られた粉砕物を更に分級し、所望の粒径に調整する。なお、工程(2)において、微粉を除去することが好ましい。
分級に好適に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられ、分級効率に優れる観点から、気流式分級機が好ましい。分級の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕と分級を繰り返してもよい。
本発明において好適に使用される気流式分級機としては、日本ニューマチック工業株式会社製のDSX−2型分級機が例示される。
上記の工程(2)により得られたトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、流動性と解像度との両立の観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上、更に好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは8μm以下である。
トナー粒子の体積中位粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
更に、トナー粒子の粒径の変動係数(CV値(%))は、解像度の観点から、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下、より更に好ましくは30%以下である。なお、CV値は小さいことが好ましいが、製造容易性の観点から、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上、更に好ましくは5%以上である。
<工程(3)>
本発明において、上記工程(2)の後に、下記工程(3)を更に有することが好ましい。
工程(3):前記トナー粒子に、疎水化処理シリカを外添する工程
工程(3)で外添する疎水化処理シリカの平均一次粒径は、好ましくは6nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは150nm以下、更に好ましくは100nm以下である。
工程(3)で使用される疎水化処理シリカの平均一次粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
疎水化処理シリカとしては、工程(1)で述べたものが同様に挙げられる。
工程(3)におけるシリカの使用量は、トナー粒子100質量部に対して、トナーの流動性を向上させる観点から、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上であり、そして、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。
疎水化処理シリカをトナー粒子に外添する方法は、特に限定されず、ヘンシェルミキサー等の混合機により、トナー粒子表面に外添すればよい。
<トナー>
本発明の製造方法により得られたトナーは、現像方法に限定されず使用することができ、一成分現像用トナー及び二成分現像用トナーのいずれにも用いることができるが、本発明のトナーは、外添剤の脱離による有機感光体へのフィルミングの発生が抑制されることから、ストレスの強い一成分現像方式において好適に使用できる。
各性状等については次の方法により測定した。
[測定方法]
〔変性ポリオレフィン系重合体Bの融点〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコーインスツル株式会社製)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温した。融解熱の最大ピーク温度を融点とした。
〔複合樹脂C、ポリエステル樹脂A、及び変性ポリオレフィン系重合体Bの酸価〕
JIS K 0070:1992の方法に基づき測定した。但し、測定溶媒のみJIS K 0070:1992の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、クロロホルムとDMFの混合溶媒(クロロホルム:DMF=7:3(容量比))に変更した。
〔複合樹脂C及びポリエステル樹脂Aの軟化点、最高ピーク温度及びガラス転移温度〕
(1)軟化点
フローテスター「CFT−500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)ガラス転移温度
示差走査熱量計「Q−100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に昇温速度10℃/分で150℃まで昇温しながら測定した。
吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
〔トナー粒子の体積中位粒径(D50)、粒径3μm以下の粒子数、及びCV値の測定〕
トナー粒子の体積中位粒径(D50)は、次のとおり測定した。
・測定機:「コールターマルチサイザー(登録商標)III」(ベックマン・コールター株式会社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:「マルチサイザー(登録商標)IIIバージョン3.51」(ベックマン・コールター株式会社製)
・電解液:「アイソトン(登録商標)II」(ベックマン・コールター株式会社製)
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル「エマルゲン(登録商標)109P」(花王株式会社製、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)=13.6)を前記電解液に溶解させ、濃度5質量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLに乾燥後のトナー粒子の測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒径分布から体積中位粒径(D50)及び体積平均粒径を求めた。
また、CV値(%)は次の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
〔疎水化処理シリカの平均一次粒径〕
走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均一次粒径とした。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「Q−100」(ティーエイインスツルメントジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温した後、200℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで、試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定し、吸熱の最大ピーク温度を融点とした。
[樹脂の製造]
製造例1(樹脂C1の製造)
表1に示す、ポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒、助触媒を温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管を備えた流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下にて180℃に加熱し、その後1時間ごとに5℃ずつ230℃まで昇温し、固体モノマーが全て溶融反応したことを確認した後、8.0kPaまで減圧し1時間脱水縮合させた。その後、常圧160℃まで冷却し変性ポリオレフィン系重合体Bを添加した後、更に1時間220℃を保持して反応を行った後、220℃、8.0kPaの条件で縮合反応を行い、軟化点が表1に示す軟化点に達するまで反応させて、複合樹脂Cである樹脂C1を得た。
製造例2〜4(樹脂C2、C3、C4の製造)
表1に示す種類及び量の原料に変更した以外は、製造例1と同様の方法で、樹脂C2、C3、C4を得た。
[トナーの製造]
実施例1
表2に示す結着樹脂を合計100質量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリヱント化学工業株式会社製)1質量部、着色剤「ECB−301」(大日精化工業株式会社製、Pigment blue 15:3)5質量部、及び離型剤「HNP−9」(日本精蝋株式会社製、パラフィンワックス、融点:80℃)2質量部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で十分混合した後、同方向回転二軸押出機「PCM−30」(株式会社池貝製、軸の直径:2.9cm、軸の断面積:7.06cm)を使用して溶融混練した。なお、同方向回転二軸押出機の運転条件は、バレル設定温度100℃、軸回転数200r/min(軸の回転の周速:0.30m/sec)、混合物供給速度10kg/h(軸の単位断面積あたりの混合物供給量:1.42kg/h・cm)とした。
得られた混練物を25℃程度まで冷却したのち、粉砕機「ロートプレックス」(ホソカワミクロン株式会社製)にて粗粉砕し、目開き2mmの篩いに通し、最大径2mm以下の粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物100質量部と、表2に示す量の疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル株式会社製、疎水化処理剤:DMDS、平均一次粒径:16nm)とをヘンシェルミキサーで2分間混合して疎水性シリカと混合して粗粉砕物Aを得た。この粗粉砕物Aを、粉砕時の風圧を0.45MPaに調整したジェットミル粉砕機IDS−2型(日本ニューマチック工業株式会社製)にて微粉砕し、更にその微粉砕物をDSX−2型気流式分級機(日本ニューマチック工業株式会社製)にて分級することで微粉を除去してトナー粒子を得た。なお、粉砕・分級条件は、分級後、得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)が7.0μm、CV値が30%以下となるよう調整した。
ここで得られたトナー粒子の一部を採取し、このトナー粒子と上記の疎水性シリカと混合した粗粉砕物Aをそれぞれ試料としてICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によりSi元素量を定量し、シリカ残存率及びトナー組成物に対するシリカ残存量を求めた。結果を表2に示す。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ「RX−50」(日本アエロジル株式会社製、疎水化処理剤:HMDS、平均一次粒径:約40nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで3分間混合することにより、トナーaを得た。
実施例2〜9及び比較例3〜5
表2に示す種類及び量の原料に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、トナーb〜i及びトナーl〜nを得た。
比較例1,2
表2に示す結着樹脂を合計100質量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリヱント化学工業株式会社製)1質量部、着色剤「Pigment blue 15:3」(大日精化工業株式会社製)5質量部、及び離型剤「HNP−9」(日本精蝋株式会社製、パラフィンワックス、融点:80℃)2質量部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で十分混合した後、同方向回転二軸押出機「PCM−30」(株式会社池貝製、軸の直径:2.9cm、軸の断面積:7.06cm)を使用して溶融混練した。なお、同方向回転二軸押出機の運転条件は、バレル設定温度100℃、軸回転数200r/min(軸の回転の周速:0.30m/sec)、混合物供給速度10kg/h(軸の単位断面積あたりの混合物供給量:1.42kg/h・cm)とした。
得られた混練物を25℃程度まで冷却したのち、粉砕機「ロートプレックス」(ホソカワミクロン株式会社製)にて粗粉砕し、目開き2mmの篩いに通し、最大径2mm以下の粗粉砕物を得た。この粗粉砕物を、粉砕時の風圧を0.45MPaに調整したジェットミル粉砕機IDS−2型(日本ニューマチック工業株式会社製)にて微粉砕し、更にその微粉砕物をDSX−2型気流式分級機(日本ニューマチック工業株式会社製)にて分級することで微粉を除去してトナー粒子を得た。なお、粉砕・分級条件は、分級後、得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)が7.0μm、粒径3μm以下の粒子数が5.0%未満、個数変動係数が30.0%以下となるよう調整した。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル株式会社製、疎水化処理剤:DMDS、平均一次粒径:16nm)2.0質量部と、疎水性シリカ「RX−50」(日本アエロジル株式会社製、疎水化処理剤:HMDS、平均一次粒径:約40nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで3分間混合することにより、トナーj及びkを得た。
[試験方法]
試験例1
〔シリカ残存率〕
誘導結合プラズマ発光分光分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック製、iCAP 6500Duo)を用いて、疎水性シリカと混合した粗粉砕物及びトナー粒子のSi元素量を定量した。このとき、[トナー粒子中のSi元素量]/[疎水性シリカと混合した粗粉砕物A中のSi元素量]×100(%)よりシリカ残存率を算出した。
〔トナー組成物に対するシリカ残存量(質量%)〕
試験例1と同様に、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック製、iCAP 6500Duo)を用いて、粗粉砕物A及びトナー粒子のSi元素量を定量した。このとき、[トナー粒子中のSi元素量]/[疎水性シリカが付着した粗粉砕物A中のSi元素量]×[粉砕時に混合する疎水性シリカ量(%)](質量%対粗粉砕物(トナー組成物))よりトナー組成物に対するシリカ残存量を算出した。
試験例2〔OPCフィルミング;耐久性〕
有機感光体(OPC)を備えた非磁性一成分現像装置「C711dn」(株式会社沖データ製)に各実施例及び各比較例で製造したトナーを実装し、32℃/80%RH環境下にて5%の印字率で耐久試験を行った。耐久性は1,000枚印字毎にベタ画像を印字し、OPCフィルミングに起因する白点を目視で観察して評価した。試験は、白点の発生が確認された時点で中止し、最高10,000枚まで行った。評価は、白点が発生した場合、その印字枚数を記録し、10,000枚まで白点が発生してない場合は、「>10,000」と記録した。結果を表2に示す。
以上、実施例のトナーは、比較例のトナーに比べて、シリカの残存率が高く、疎水化処理シリカの添加量が少なくても、十分な量のシリカが残存し、フィルミングの発生が抑制されることが示された。
一方、疎水化処理シリカの存在下でトナー組成物を粉砕する工程を有しない比較例1及び比較例2では、フィルミングが発生し、3000枚以下で白点が発生した。また、比較例3〜5のように、結着樹脂が、変性ポリオレフィン系重合体に由来するセグメントを有していない場合には、シリカの残存率が低く、同程度の残存量を得るためには、多量の疎水化処理シリカの存在下に粉砕する必要があり、生産性に劣ることが示された。

Claims (9)

  1. 下記工程(1)及び工程(2)をこの順で含み、
    結着樹脂が、ポリエステル樹脂Aに由来するセグメントAと、変性ポリオレフィン系重合体Bに由来するセグメントBとを有し、前記セグメントAと前記セグメントBとが、共有結合により連結している複合樹脂Cを含有する、
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
    工程(1):少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有するトナー組成物を、疎水化処理シリカの存在下で粉砕する工程
    工程(2):工程(1)で得られた粉砕物を分級して、トナー粒子を得る工程
  2. 前記変性ポリオレフィン系重合体Bが、カルボン酸変性ポリプロピレン系重合体及び無水カルボン酸変性ポリプロピレン系重合体から選択される少なくとも1つの変性ポリオレフィン系重合体Bである、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記複合樹脂Cの前記セグメントAと前記セグメントBとが、エステル結合により連結している、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記工程(1)の前に、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を混練して得られた混練物を粗粉砕して、トナー組成物を得る工程を更に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記工程(1)で使用する前記疎水化処理シリカの平均一次粒径が、6nm以上25nm未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 前記工程(1)において、前記トナー組成物100質量部に対する前記疎水化処理シリカの量が、0.3質量部以上5質量部以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 前記トナー粒子の体積中位粒径が、3μm以上8μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 前記複合樹脂Cが、
    (a)変性ポリオレフィン系重合体Bの存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られる、又は
    (b)ポリエステル樹脂Aに、変性ポリオレフィン系重合体Bを反応させて得られる、
    請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. 前記変性ポリオレフィン系重合体Bが、無水マレイン酸で変性されたポリプロピレン系重合体である、請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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