JP2020086136A - 光変調器及び光コム発生器 - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】光導波路に閉じ込めた光を共振させる導波路型光共振器を用いて、低電力駆動を可能にし、省エネルギー化、低発熱化、小型・軽量化、信頼性の向上、低コスト化を可能にした光変調器や光コム発生器を提供する。【解決手段】共振手段を構成する入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて形成された光導波路12上に形成されたリッジ構造を有する電極83に、変調信号を供給する。上記基板11と同じ硬さを持つ部材86,87を、少なくともその一の端面が上記光導波路12における光入射端又は光出射端を含む上記基板11の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路13の上部に配設し、上記部材86,87の端面と上記基板11の端面を研磨することにより形成された上記入射側反射膜93並びに出射側反射膜84を被着させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信、光CT、光周波数標準器など多波長でコヒーレンス性の高い標準光源、又は、各波長間のコヒーレンス性も利用できる光源を必要とする分野に適用される光変調器及び光コム発生器に関する。
近年の光エレクトロニクスの発展に伴い、周波数多重通信のためのレーザー光制御や、広範囲に分布する吸収線の周波数測定の要請に応えるべく、光導波路に閉じ込めた光を共振させる導波路型光共振器が多用されるようになっている。
光周波数を高精度に測定する場合には、測定する光を他の光と干渉させ、発生する光ビート周波数の電気信号を検出するヘテロダイン検波を行う。このヘテロダイン検波において測定可能な光の帯域は、検波系に使用される受光素子の帯域に制限され、概ね数十GHz程度である。
一方、周波数多重通信のための光制御や、広範囲に分布する吸収線の周波数測定を行うため、光の測定可能帯域を更に拡大する必要がある。
かかる測定可能帯域の拡大化の要請に応えるべく、従来において光コム発生器を用いた広帯域なヘテロダイン検波系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この光コム発生器は、周波数軸上で等間隔に配置された櫛状のサイドバンドを広帯域にわたり発生させるものであり、このサイドバンドの周波数安定度は、入射光の周波数安定度とほぼ同等である。この生成したサイドバンドと被測定光をヘテロダイン検波することにより、数THzに亘る広帯域なヘテロダイン検波系を構築することが可能となる。
また、光導波路を往路方向へ伝搬する光のみならず、復路方向へ伝搬する光についても位相変調を施すようにした光コム発生器並びに光変調器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、各反射膜につき端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることにより、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させ、デバイスそのものの機能を高めた光共振器、光変調器、光コム発生器、光発振器を提案している。(例えば、特許文献3参照)。
すなわち、光導波路を上面から形成させるための基板と同じ硬さを持つ部材を、少なくともその一の端面が上記光導波路における光入射端又は光出射端を含む上記基板の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路の上部に配設し、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより形成された上記平面上に共振手段を構成する入射側反射膜並びに出射側反射膜を被着させるので、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、各反射膜につき端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることができ、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させ、デバイスそのものの機能を高めることが可能となる。
従来、光導波路に閉じ込めた光を共振させる導波路型光共振器では、直交モードが混在する偏光成分を透過する光導波路が用いられており、光変調器、光コム発生器や光発振器を構築した場合に得られる光出力も、直交モードが混在する偏光成分を含むものであった。
特開2003−202609号公報 特許第3891977号公報 特許第4781648号公報
光導波路に閉じ込めた光を共振させる導波路型光共振器を用い構築した従来の光変調器や光コム発生器では、駆動に必要な変調信号として用いられるマイクロ波の電力が大きく、電力消費に伴う多量の発熱があることから、省エネルギー化、低発熱化、小型・軽量化、信頼性の向上、低コスト化などの観点から、低電力駆動を実現することが求められている。
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実情に鑑み、光導波路を用いた光変調器や光コム発生器において、低電力駆動を可能にし、省エネルギー化、低発熱化、小型・軽量化、信頼性の向上、低コスト化等を図ることにある。
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明は、光変調器であって、少なくとも電気光学効果を有する基板にて形成された光導波路と、上記光導波路上に形成され変調信号を往路方向又は復路方向へ伝搬させるためのリッジ構造を有する電極からなり、上記電極に供給される変調信号に応じて上記光導波路内を伝搬される光の位相を変調する光変調手段と、上記光導波路の基板と同じ硬さを持つ部材から構成され、上記部材における少なくとも一の端面が上記光導波路における光入射端又は光出射端を含む上記基板の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路の上部に配設される端面保護手段とを備え、上記光導波路は、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより平面に形成された光入射端面と光出射端面を有することを特徴とする。
本発明に係る光変調器において、上記光導波路は、例えば、非線形光学結晶からなるものとすることができる。
また、本発明に係る光変調器において、上記光変調手段は、例えば、上記電極の一端側に供給された変調信号を反射する反射手段が上記電極の他端側にのみ設けられており、上記変調信号を共振させることなく、上記往路方向へ伝搬する光の位相を上記往路方向へ伝搬する変調信号によって変調し、また、上記復路方向へ伝搬する光の位相を上記復路方向へ伝搬する変調信号によって変調するものとすることができる。
また、本発明に係る光変調器は、例えば、上記反射手段として、上記電極の一端には、他端から供給された変調信号を反射させるための反射器、並びに当該反射された変調信号の位相を調整するための移相器が配設されてなるものとすることができる。
さらに、本発明に係る光変調器において、上記移相器は、例えば、上記反射された変調信号の位相を上記電極の形状、上記変調信号の周波数、並びに上記光導波路の群屈折率に応じて調整するものとすることができる。
また、本発明は、光コム発生器であって、所定の周波数の変調信号を発振する発振手段と、互いに平行な入射側反射膜及び出射側反射膜より構成され、入射側反射膜を介して入射された光を共振させる共振手段と、上記入射側反射膜から上記出射側反射膜にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板にて形成された光導波路と、上記光導波路上に形成され上記発振手段から発振された変調信号を往路方向又は復路方向へ伝搬させるためのリッジ構造を有する電極からなり、上記入射側反射膜から上記出射側反射膜にかけて貫通するように形成され、上記発振手段から供給された上記変調信号に応じて上記共振手段により共振された光の位相を変調し、上記入射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光コム発生手段と、上記光導波路の基板と同じ硬さを持つ部材から構成され、上記部材における少なくとも一の端面が上記光導波路における光入射端又は光出射端を含む上記基板の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路の上部に配設される端面保護手段とを備え、上記入射側反射膜並びに上記出射側反射膜は、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより形成される平面にそれぞれ被着されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る光コム発生器において、上記光導波路は、例えば、非線形光学結晶からなるものとすることができる。
また、本発明に係る光コム発生器において、上記光変調手段は、例えば、上記発振手段から上記電極の一端側に供給された変調信号を反射する反射手段が上記電極の他端側にのみ設けられており、上記発振手段から供給された変調信号を共振させることなく、上記往路方向へ伝搬する光の位相を上記往路方向へ伝搬する変調信号によって変調し、また、上記復路方向へ伝搬する光の位相を上記復路方向へ伝搬する変調信号によって変調するものとすることができる。
また、本発明に係る光コム発生器は、例えば、上記反射手段として、上記電極の一端には、他端から供給された変調信号を反射させるための反射器、並びに当該反射された変調信号の位相を調整するための移相器が配設されてなるものとすることができる。
さらに、本発明に係る光コム発生器において、上記移相器は、例えば、上記反射された変調信号の位相を上記電極の形状、上記変調信号の周波数、並びに上記光導波路の群屈折率に応じて調整するものとすることができる。
本発明では、少なくとも電気光学効果を有する基板にて形成された光導波路路上に形成され変調信号を往路方向又は復路方向へ伝搬させるためのリッジ構造を有する電極に供給される変調信号に応じて上記光導波路内を伝搬される光の位相を変調する光変調手段を備えることにより、駆動に必要な変調信号として用いられるマイクロ波の電力を下げることができる。
また、光導波路を上面から形成させるための基板と同じ硬さを持つ部材を、少なくともその一の端面が上記光導波路における光入射端又は光出射端を含む上記基板の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路の上部に配設し、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより平面に形成された光入射端面と光出射端面を有するので、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、光変調器としての機能を高めるとともに信頼性の向上を図ることが可能となる。
例えば、上記光導波路は、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑えて平面に形成された互いに平行な光入射端面と光出射端面を有するので、上記光入射端面と光出射端面に入射側反射膜並びに出射側反射膜を端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることができ、入射側反射膜並びに出射側反射膜を光共振手段として機能させることにより、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させた光コム発生器を構成することができる。
すなわち、本発明によれば、光導波路を形成させるための基板と同じ硬さを持つ部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑えて平面に形成された光入射端面と光出射端面を有するとともに、リッジ構造を有する電極を備える導波路を用いることにより、低電力駆動を実現し、省エネルギー化、低発熱化、小型・軽量化、信頼性の向上、低コスト化を可能にした光変調器や光コム発生器を提供することができる。
本発明を適用した光変調器の構成を示す斜視図である。 上記光変調器の側面図である。 上記光変調器の作製方法につき説明するための各工程における要部縦断図である。 上記光変調器のリッジ構造を有する電極を形成する基板を示す斜視図である。 上記光変調器のリッジ構造を有する電極を示す要部縦断正面図である。 本発明を適用した光コム発生器の構成を示す斜視図である。 上記コム発生器の側面図である。 上記光コム発生器における入射側反射膜が形成される平面を示す正面図である。 本発明を適用した光変調器の損失特性の実験結果につき説明するための図である。 本発明を適用した光変調器について、電極のリッジ構造の有無による25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)の変化を実測した結果につき説明するための図である。 本発明を適用した光変調器について、電極のリッジ構造の有無による直流駆動電圧(DC Vpi)の変化を実測した結果につき説明するための図である。 本発明を適用した往復変調型の光変調器の構成を示す図である。 本発明を光コム発生器に適用した場合における、サイドバンドの各周波数(波長)における強度分布を示す図である。 本発明を適用した光変調器(光コム発生器)の他の構成例を示す斜視図である。 本発明を適用した低電力型光コムモ制御回路ジュールを利用した光コム発生器の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した低電力型光コムモジュールを利用した光コム発生器の他の構成例示すブロック図である。 本発明を適用した低電力型光コムモジュールを用いて構築した光コム光源の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した単一の偏光成分のみ通す光導波路を用いた光コム発生器において、光共振器の共振長を帰還制御する場合に得られる変形のない透過モード波形を示す特性図である。 直交モードが混在する偏光成分を透過する光導波路を用いた従来の光コム発生器において、光共振器の共振長を帰還制御する場合に発生する直交偏光成分による透過モード波形の変形を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば図1、2に示すような構成の導波路型光変調器8に適用される。
この導波路型光変調器8は、基板11と、基板11上に形成されてなり伝搬する光の位相を変調する光導波路12と、この基板11において光導波路12を被覆するように積層されるバッファ層14と、変調電界の方向が光の伝搬方向に対して略垂直になるように光導波路12の上面に設けられたリッジ構造を有する電極83と、光導波路12を介して互いに対向するように設けられた第1の端面84並びに第2の端面85と、第1の端面84と同一の平面を形成するように光導波路12の上部に配設される第1の保護材86と、第2の端面85と同一の平面を形成するように光導波路12の上部に配設される第2の保護材87と、第1の端面84並びに第1の保護材86の端面86aとの間で形成される平面91上に被着される入射側反射防止膜63と、第2の端面85並びに第2の保護材87の端面87aとの間で形成される平面92上に被着される出射側反射防止膜64と、電極83の一端側に配設され周波数f の変調信号を発振する発振器16と、電極83の他端側に配設される終端抵抗18とを備えている。
基板11は、例えば引き上げ法により育成された3〜4インチ径のLiNbO やGaAs等の大型結晶をウェハ状に切り出したものである。この切り出した基板11上には、機械研磨や化学研磨等の処理を施されることにより、リッジ構造を有する電極83を形成するための凸条部20が設けられる。
光導波路12は、入射側反射防止膜63から出射側反射防止膜64にかけて貫通するように形成され、共振された光を伝搬させるべく形成されている。この光導波路12を構成する層の屈折率は、基板11等の他層よりも高く設定されている。光導波路12に入射した光は、光導波路12の境界面で全反射しながら伝搬する。一般に、この光導波路12は、基板11中においてTi原子を拡散させることにより、或いは基板11上へのエピタキシャル成長させることにより作製することができる。
なお、この光導波路12として、LiNbO 結晶光導波路を適用してもよい。このLiNbO 結晶光導波路は、LiNbO 等からなる基板11表面にTiを拡散させることにより形成することができる。このTiが拡散された領域については他の領域よりも屈折率が高くなるところ、光を閉じ込めることができるため、光を伝搬させることができる光導波路12を形成することができる。このような方法に基づいて作製したLiNbO 結晶型の光導波路12は、屈折率が電界に比例して変化するポッケルス効果や、屈折率が電界の自乗に比例して変化するカー効果等の電気光学効果を有するため、かかる物理現象を利用して光の変調を行うことができる。
バッファ層14は、光導波路12における光の伝搬損失を抑えるべくこれを被覆するものである。ちなみに、このバッファ層14の膜厚をあまりに厚くし過ぎると、電界強度が下がり、変調効率が低下するため、光の伝搬損失が大きくならない範囲においてなるべく薄く設定するようにしてもよい。
リッジ構造を有する電極83は、例えばTiやPt、Au等の金属材料からなり、発振器16から供給された周波数f の変調信号を光導波路12に駆動入力することにより、光導波路12内を伝搬する光に位相変調をかける。
第1の保護材86並びに第2の保護材87は、それぞれ基板11の材質に対応する部材から構成される。第1の保護材86並びに第2の保護材87は、基板11と同一の材質から構成してもよい。また上記平面91を形成する第1の保護材86の端面86aと第1の端面84とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工されていてもよく、同様に上記平面92を形成する第2の保護材87の端面87aと第2の端面85とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工されていてもよい。
反射防止膜63は、第1の端面84並びに第1の保護材86の端面86aとの間で形成される平面91上に被着される。反射防止膜64は、第2の端面85並びに第2の保護材87の端面87aとの間で形成される平面91上に被着される。これらの反射防止膜63,64は、低反射膜により構成されていてもよいし、無コートで構成することにより、低反射膜を被着したのと同等の効果が得られるようにしてもよい。
終端抵抗18は、電極83の終端に取り付けられる抵抗器であり、終端における電気信号の反射を防止することにより、その波形の乱れを防ぐ。
次に、本発明を適用した光変調器8の作製方法につき図3を用いて説明をする。
先ずステップS11において、LiNbO結晶からなる基板11の表面にフォトレジストのパターンを作製し、そこにTiを蒸着させる。次にこのフォトレジストを除去することにより、ミクロンサイズの幅で構成されるTiの細線を作製する。
次にステップS12へ移行し、このTiの細線が形成された基板11を加熱することにより、Ti原子を基板11中に熱拡散させて光導波路12を形成する。
なお、このステップS11、12の光導波路12の作製工程においては、Tiを熱拡散させる場合に限定されるものではなく、LiNbO結晶を安息香酸に浸すことによりLiをHに置換させるプロトン交換法にこれを代替してもよい。
次のステップS13へ移行し、光導波路12が形成された基板11に、機械研磨や化学研磨等の処理により、図4に示すように、リッジ構造を有する電極83を形成するための凸条部20が設けられる。
次にステップS14へ移行し、バッファ層14としてのSiO 薄膜を基板11表面に蒸着させる。このステップS14では、SiO ウェハを基板11表面に貼り付ける方法によりバッファ層14を形成させるようにしてもよい。かかる場合には、後述するステップS15における電極の取り付け領域を考慮して、この蒸着させたバッファ層14を研磨することにより適当な膜厚に制御するようにしてもよい。
次にステップS15へ移行し、図5の要部縦断面に示すように、基板11のバッファ層14上にリッジ構造を有する電極83を形成させる。
次にステップS16へ移行し、光導波路12の上部において保護材86,87を接着する。この保護材86,87の接着方法については、接着剤で貼り付けるようにしてもよいし、他の手法に基づいて直接的に接合するようにしてもよい。この保護材86,87は、基板11をLiNbO 結晶で構成した場合には、同一材質としてのLiNbO により構成してもよい。このステップS16においては、貼り付けた保護材86,87につき、それぞれ端面86a,87aが第1の端面84,第2の端面85との間で、それぞれ平面91,92を形成することができるように、切り揃える。
最後にステップS17へ移行し、この得られた平面91,92を研磨する。そしてこの研磨された平面91,92上に入射側反射防止膜63、出射側反射防止膜64をそれぞれ一面に亘って形成させる。
このように、本発明を適用した光変調器8では、各端部において保護材86,87を貼り付けて構成するため、従来において、端面最上部の角に位置していた光導波路の端面が図5に示すように平面91(92)の略中央部に移動する。その結果、ステップS17における研磨時において平面91(92)の角が欠けた場合においても、光導波路12の端面が欠けることがなくなる。即ち、光導波路12の端面そのものが欠けにくくなる構成とすることが可能となる。これにより、光導波路12の各端面からの光損失を極力抑えることが可能となる。
また、保護材86,87の材質を基板11の材質に対応する最適な材質で構成することにより、ステップS16における研磨速度を基板11における第1の端面84,第2の端面85から端面86a,87aにかけて均一にすることができる。これにより、光導波路12の端面が加工時に丸くなることがなくなり、平坦な研磨面からなる平面91,92を得ることができ、光導波路12端面における反射損失を最小限に抑えることが可能となる。また、各平面91,92を構成する端面の結晶方位を同一にすることにより、反射損失を更に抑え込むことも可能となる。
さらに、この保護材86,87をあえて設けることにより、ステップS17における研磨の精度が向上し、得られる平面91(92)の光導波路12に対する垂直性も向上する。その結果、かかる垂直性の逸脱による光損失も最小限に抑えることが可能となる。
また、入射側反射防止膜63、出射側反射防止膜64は、基板11における第1の端面84,第2の端面85から端面86a,87aにかけて広範囲に亘って形成されているため、非常に安定であり、剥がれにくく、さらに成膜の再現性をも向上させることが可能となる。
実際に、保護材86,87を設けたことによる効果を実験的に検証すべく、保護材86,87を貼り付けた後の平面91(92)の研磨を行ったところ、光導波路12の端面部分における欠けや曲がりは一切発生せず、入射側反射防止膜63,出射反射防止膜64の被着に適した、平坦な光学研磨が施されていることを確認することができる。
特に第1の保護材86並びに第2の保護材87を、基板11と同一の材質から構成し、また平面91,92を形成する保護材86,87の端面86a,87aと第1の端面84,第2の端面85とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工することにより、結晶の硬度が両者間で同一となるため、研磨速度の違いにより平面91,92が傾くこともなくなる。
このように、本発明を適用した光変調器8では、各端部において保護材86,87を貼り付けることにより、光導波路12の端面を平面91(92)の略中央部に移動させることができるため、光導波路12の端面の欠けや丸まり、光導波路12と平面91,92間の垂直性の確保、平面91,92における研磨精度の向上が可能となり、歩留まりを向上させることも可能となる。
ここで、このようにして作成される上記光変調器8は、図6、図7に示すように、上記ステップS17において、平面91,92を互いに平行に研磨し、この研磨された平面91,92上に、上記入射側反射防止膜63と出射側反射防止膜64に替えて、入射側反射膜93と出射側反射膜94を、それぞれ一面に亘って形成させることにより、光コム発生器1として機能する。
すなわち、入射側反射膜93及び出射側反射膜94は、光導波路12に入射した光を共振させるために互いに平行となるように設けられたものであり、光導波路12を通過する光を往復反射させることにより共振させる光共振器5を構成する。
入射側反射膜93は、図示しない光源から周波数ν の光が入射される。また、この入射側反射膜93は、出射側反射膜94により反射されて、かつ光導波路12を通過した光を反射する。出射側反射膜94は、光導波路12を通過した光を反射する。またこの出射側反射膜94は、光導波路12を通過した光を一定の割合で外部に出射する。
なお、これら入射側反射膜93及び/又は出射側反射膜94は、それぞれ平面91,92一面に亘って形成されていてもよいが、図8に示すように、光導波路12の端部のみを最低限被覆するように形成されていればよい。
図8は、入射側反射膜93が形成される平面91上を図7中A方向から示している。
光導波路12の光入射端を含む第1の端面84と保護材86の端面86aとにより、同一の平面91が形成されている。この形成される平面91は、傾き0.05°以下である。この傾き0.05°の平面91に対して、1/e ビーム径10μmの光が傾き0.05°の端面で反射される場合における損失を計算すると、4×10−4であり、入射側反射膜93の反射率と比較して無視できるほど小さい。
このように第1の端面84並びに第2の端面85を光導波路12に対して略垂直に形成させることにより、これに被着される入射側反射膜93並びに出射側反射膜94により光を効率よく共振させることができる。
すなわち、上述の如き構成からなる光変調器8において、入射側反射膜93を介して外部から入射された光は光導波路12内を往路方向へ伝搬し出射側反射膜94により反射されるとともに一部外部へ透過する。この出射側反射膜94を反射した光は光導波路12内を復路方向へ伝搬して入射側反射膜93により反射される。これが繰り返されることにより、光は光導波路12内を共振することになる。
また、光が光導波路12内を往復する時間に同期した電気信号を電極83を介して駆動入力とすることにより、光がこの光変調器8内を1回だけ通過する場合と比較して、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。また入射される光の周波数ν を中心として、数百本ものサイドバンドを広帯域にわたり生成することができる。ちなみに、この生成される各サイドバンドの周波数間隔は、全て入力された電気信号の周波数f と同等である。したがって、多数のサイドバンドにより構成される光コム発生器1として機能する。
本発明を適用した光コム発生器1では、各端部において保護材86,87を貼り付けることにより、光導波路12の端面を平面91(92)の略中央部に移動させることができるため、光導波路12の端面の欠けや丸まり、光導波路12と平面91,92間の垂直性の確保、平面91,92における研磨精度の向上、入射側反射膜93及び出射側反射膜94の剥がれや回り込みの抑制、入射側反射膜93及び出射側反射膜94における反射率の向上、設計した反射特性の実現、反射膜の性能再現性向上が可能となる。その結果、入射側反射膜93及び出射側反射膜94より構成される光共振器5のフィネスを向上させることができ、性能のよい光コム発生器を再現性よく作製することが可能となり、歩留まりを向上させることも可能となる。
実際に上述の構成からなる光コム発生器1を、研磨された平面91,92上において、反射率97%からなる反射膜93,94を被着させることにより作製した結果、光導波路12の結晶長LC1を27.4mmとした場合(以下、短共振器という。)において、最高61ものフィネスを得ることができ、また、光導波路12の結晶長LC1を54.7mmとした場合(以下、長共振器という。)において、最高38ものフィネスを得ることができた。従来の光導波路型の光共振器(IEEE Photonics Technology Letters,Vol.8, No. 10,1996)のフィネスは、30が最高であったことから、この端面研磨、コーティングの精度を向上させた光変調器8は、フィネスを大幅に向上させることができることが分かる。特に、作製した光変調器8のサンプル6個全てにつき、30以上のフィネスを得ることができ、作製プロセスの再現性が高いことも示されている。
図9は、光導波路12における往路方向又は復路方向のうち何れか一の伝搬方向あたりの光共振器5の内部損失を示している。この図9では、上述した長共振器で構成される光変調器8の伝搬方向あたりの損失を3個のサンプルに亘り測定してプロットし(図中●印で示す)、また短共振器で構成される光変調器8の伝搬方向あたりの損失を3個のサンプルに亘り測定してプロットし(図中○印で示す)、得られた各プロットを直線で近似している。
この得られた直線より、長さlの光共振器5の光導波路12における伝搬方向あたりの内部損失Lsは、反射膜93,94における反射率をR、光導波路12における単位長さあたりの損失をαとするとき、損失そのものが小さい場合においてLs=αl−lnRで表される。測定されたフィネスをFとしたとき、一伝搬方向あたりの損失Lsは、Ls=π/Fと求められる。測定したフィネスFから内部損失Lsを求め、これをグラフ化すると、図9に示すように光導波路12の結晶長LC1が長くなるにつれ、光導波路12による内部損失が増加することが分かる。
ちなみに、この図9において光共振器5の長さが0である場合における内部損失は、結晶端面において生じた損失に基づくものである。即ち、反射率97%(透過率3%)の反射膜93,94がコーティングされているため、最低3%の損失が生じることになる。しかしこの図9より、平面91,92における反射膜93,94への透過以外に目立った損失がないことが分かる。
同様に、上記光変調器8を光コム発生器1に応用した場合には、保護材86,87を貼り付けた状態で平面91,92の研磨と入射側反射膜93及び出射側反射膜94の被着を行うため、これら反射膜93,94の反射率を向上させることが可能となる。その結果、光共振器5のフィネスを向上させることができ、サイドバンドの発生周波数帯域を拡大させることもできる。
ちなみに、上記光変調器8を光コム発生器1に応用する場合には、入射側反射膜93を、光導波路12内へ入射させる光のみ透過させ、光導波路12内において発生させたサイドバンドを反射する狭帯域フィルタに置換してもよい。このような狭帯域フィルタに置換することにより、入射させる光からサイドバンドへの変換効率を向上させることができる。
同様に、出射側反射膜94は、出力スペクトルフラット化のためのフィルタに置換してもよい。通常の光コム発生器において、得られるサイドバンドの光強度は、その次数の増加とともに指数関数的に減少する。そこで出射側反射膜94を、次数に応じた光強度の減少を相殺するような特性を持つフィルタに代替させることにより、得られる各サイドバンドの光強度を平坦化させることが可能となる。
なお、入射側反射膜93及び出射側反射膜94それぞれにつき、上述した各フィルタに置換してもよいし、何れか一方の反射膜93,94につき上述した各フィルタに置換してもよい。
なお、本発明を適用した光変調器8並びにこれを応用した光コム発生器1は、平面91,92に対して直接的に入射側反射膜93並びに出射側反射膜94を形成させるモノリシック型で構成されている。換言すれば、この光変調器8は、平面91,92と空間的に離間した位置に各反射膜93,94を設ける構成ではないため、光共振器5のFSR(Free Spectral Range)は、ステップS17における研磨後の光導波路12を構成する結晶の平面91から平面92に至るまでの結晶長LC1に支配される。このため、光変調器8は、光共振器5のFSRの整数倍が所望の変調周波数となるようにきわめて精密な結晶長LC1の制御が要求される。
例えば、光共振器5のFSRを周波数fFSR に一致させる場合、光導波路12の群屈折率nと、入射側反射膜93及び出射側反射膜94の群遅延時間の平均値τを考慮して、光導波路12の結晶長さ(基板11における第1の端面84から第2の端面85に至るまでの間隔)Lを以下の式(1)
L=c/2nFSR −cτ/n・・・・・・・・・・・(1)
(cは真空中の光速度)
に合わせることにより、光共振器5のFSRをfFSR に一致させることができ、変調効率を大幅に向上させることが可能となる。
しかも、この光変調器8並びにこれを応用した光コム発生器1は、図5、図8の要部縦断面に示すように、基板11のバッファ層14上に形成されたリッジ構造を有する電極83を備えているので、さらに、変調効率を向上させることができる。
ここで、基板11のバッファ層14上に形成されたリッジ構造を有する電極83のリッジ幅RWを10、12、14、16、及び18[μm]、リッジ溝の平均深さAVD(Average depths)を3.3、2.96、4.79、及び4.72[μm]とした光変調器8の試料を作成して、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)と直流駆動電圧(DC Vpi)を実測した結果を図10、図11に示す。Vpiは位相をπラジアン変調するために必要な電圧である。
すなわち、リッジ構造を有さない電極構造の従来の光変調器では、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)が8〜10V程度で、直流駆動電圧(DC Vpi)は、6〜6.5V程度であったのに対し、リッジ構造を有する電極83を備える光変調器8では、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)が3.5〜7.5V程度で、直流駆動電圧(DC Vpi)は、5〜6V程度になっている。
このようにリッジ構造を設けることにより、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)は、リッジ構造の無い場合と比較して平均的な電圧が元の約70%に低下しており、電力ではおよそ50%の低下に相当する。また、直流駆動電圧(DC Vpi)は、リッジ構造の無い場合と比較して平均的な電圧が元の約80%に低下しており、電力ではおよそ50%の低下に相当する。
すなわち、この光変調器8並びにこれを応用した光コム発生器1では、光導波路12の基板11と同じ硬さを持つ部材から構成され、上記部材における少なくとも一の端面が上記光導波路12における光入射端又は光出射端を含む上記基板11の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路12の上部に配設される第1の保護材86並びに第2の保護材87を備え、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより形成される平面に入射側反射膜93及び出射側反射膜94それぞれ被着されているので、光導波路端面に欠けが発生することを防ぐとともに、高反射膜取り付けの安定化を図り、入射側反射膜93及び出射側反射膜94より構成される光共振器5のフィネスを向上させることができ、しかも、リッジ構造を有する電極83を備えることにより駆動電力を低減することができる。
なお本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば図12に示すような往復変調型の光変調器51にも適用することができる。この光変調器51において上述した光変調器8と同一の構成、要素については、図1、2における説明を引用し、ここでの説明を省略する。
光変調器51は、図12(a)に示すように、基板11と、基板11上に形成されてなり伝搬する光の位相を変調する光導波路12と、この基板11において光導波路12を被覆するように積層されるバッファ層14と、変調電界の方向が光の伝搬方向に対して略垂直になるように光導波路12の上面に設けられたリッジ構造を有する電極83と、光導波路12の上部に配設される第1の保護材86並びに第2の保護材87と、平面91上に被着される反射防止膜63と、平面92上に被着される出射側反射膜94とを備えている。
また、この光変調器51を実際に使用する場合には、更に図12(b)に示すように、図示しない光源からの入力光を伝送し或いは光変調器51から出力される出力光を外部へ伝送するための光ファイバ等で構成される光伝送路23と、上記入力光並びに出力光を分離するための光サーキュレータ21と、この光サーキュレータ21に光接続されるフォーカサー22からなる光学系が実装され、電極83の一端側に配設され周波数f の変調信号を発振する発振器16と、電極83の他端側に配設される終端抵抗18とがさらに配設される。
反射防止膜63は、第1の端面84並びに第1の保護材86の端面86aとの間で形成される平面91上に被着される。この反射防止膜63は、低反射膜により構成されていてもよいし、無コートで構成することにより、低反射膜を被着したのと同等の効果が得られるようにしてもよい。
フォーカサー22は、光サーキュレータ21を通過した入力光を光導波路12の端部へ集束させるとともに、光導波路12の端部から反射防止膜63を透過した出力光を集光してこれを光サーキュレータ21へ送る。このフォーカサー22は、光導波路12の径に応じたスポット径となるように入力光を光結合させるためのレンズ等で構成してもよい。
このような構成からなる光変調器51は、光導波路12の一の端部につき高反射膜としての出射側反射膜94を設け、他の端部につき反射防止膜63を設けることにより、いわゆる往復変調型の光変調器として動作する。光導波路12に入射された入力光は、光導波路12を伝搬しながら変調され、端面の出射側反射膜94により反射された後、再び光導波路12を伝搬して反射防止膜63を透過してフォーカサー22側に出射され出力光となる。同時に、発振器16から供給される周波数f の電気信号は、入力光を変調しつつ電極83上を伝搬した後、終端抵抗18により吸収されることになる。
また、この光変調器51は、図12(c)に示すように、発振器25並びに終端抵抗27を電極83の一端側に設け、発振器25から供給される電気信号を電極83上において伝搬させた上で、これを電極83の他端側で反射させるようにしてもよい。このとき、発振器25から供給される電気信号と、電極83の他端側で反射された電気信号を分けるためのアイソレータ26を設けるようにしてもよい。また、この光変調器51では、反射率の高い入射側反射膜93を被着させる。これにより光導波路12内部において光を共振させることができる。また、この入射側反射膜93の代替として、上述した低反射率の反射防止膜63を被着させるようにしてもよい。これにより、光を光導波路12内において一度だけ往復させつつ、位相変調を施すことも可能となる。
この光変調器51では、出射側反射膜94により反射される光の位相に合わせて電気信号の反射位相を調整することにより、電極83を往復する電気信号それぞれにより光の位相を変調させることができるため、変調効率を増大させることができる。特に、保護材86,87を貼り付けることにより、上述の如く膜63,94の剥がれや欠け等を抑え、フィネスをより向上させた光変調器51では、光変調効率をさらに増大させることが可能となる。
また、これら光変調器51を光コム発生器に適用した場合において、電極を往復する電気信号により、光導波路12内で共振する光につき往復変調を施すことが可能となる。かかる場合において、発生させたサイドバンドの各周波数(波長)における強度分布は、図13に示すように、電極83へ印加する電気信号の変調周波数を25GHzとし、そのパワーを0.5Wとした場合において、光導波路12内に加わる変調の大きさとして表される変調指数は、伝搬方向あたりπラジアンである。この結果より、位相を半波長動かすために必要な電圧として定義される半波長電圧Vπは、7.1Vであることが分かる。
短共振器で構成される光変調器8は、長共振器で構成される光変調器8と比較して、上述の如くフィネスが高い分、サイドバンドの発生の効率は高く、またサイドバンドの発生周波数帯域幅Δfは11THzに達する。また、短共振器で構成される光変調器8の電極83の長さは、僅か20mmであるが、長共振器で構成される光変調器8と比較して遜色のない変調効率が得られる。即ち、往復変調が有効に作用していることが分かる。
なお、この光変調器51は、電気信号を反射させる代わりに、信号源としての発振器16の出力を分割することにより、電極83の両端から電気信号を別々に駆動入力するようにしてもよいし、電極83の両端にそれぞれ別の発振器16を接続することにより、これを実行するようにしてもよい。
ここで、上述のステップS11,12の光導波路12の作製工程において、プロトン交換法などある特定の偏光成分にのみ屈折率の変化をもたらす光導波路形成法を採用することで、単一の偏光成分のみ通す光導波路が形成できる。また、Ti拡散法において光導波路の屈折率分布を工夫することによりモードを単一偏光に限定することも可能である。
上述の如き光変調器8、51は、共振手段を構成する入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成された光導波路12Aを備えることにより、入射側反射膜93を介して入射された光の単一の偏波成分のみが、光導波路12を伝搬されて、出射側反射膜94を介して単一の偏波成分のみの光変調出力として光コムを発生することができる。
すなわち、光変調器8、光変調器51における光導波路12は、単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域を有する単一偏波型光導波路12Aとすることにより、単一の偏波成分のみのレーザー光や光コムを出力することのできるレーザー光源や光コム発生器を構築することができる。
本発明は、例えば図14に示すような構成の導波路型光変調器8A(光コム発生器1A)に適用される。
この導波路型光変調器8A(光コム発生器1A)は、図1、2(図5、6)に示した導波路型光変調器8A(光コム発生器1)における光導波路12として単一偏波型光導波路12Aを用いるようにしたものであって、上述した光変調器8と同一の構成、要素については、図1、2(図5、6)における説明を引用し、ここでの説明を省略する。
光導波路12Aは、入射側反射防止膜63(入射側反射膜93)から出射側反射防止膜64(出射側反射膜94)にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成されている。
入射側反射防止膜63(入射側反射膜93)を介して光導波路12Aに入射した光は、単一の偏波成分のみが光導波路12Aの境界面で全反射しながら伝搬する。
ここで、単一の偏光成分のみ通す光導波路12Aは、特定の偏光成分にのみ屈折率の変化をもたらす光導波路形成法、例えば、 プロトン交換法により、電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成することができる。
この光導波路12Aは、例えば、LiNbO等からなる基板11に、プロトン交換法により単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成することができる。
また、光導波路12Aは、基板11中においてTi原子を拡散させることにより、或いは基板11上へのエピタキシャル成長させることにより作製する際に、屈折率分布を工夫することによりモードを単一偏光に限定した領域として形成することができる。この光導波路12Aには、例えばLiNbO結晶光導波路を用いることができ、LiNbO等からなる基板11表面にTiを拡散させることにより形成することができる。このTiが拡散された領域については他の領域よりも屈折率が高くなり、単一の偏波成分の光を閉じ込めることができるため、単一の偏波成分の光を伝搬させることができる光導波路12Aを形成することができる。
このような方法に基づいて作製したLiNbO結晶型の光導波路12Aは、屈折率が電界に比例して変化するポッケルス効果や、屈折率が電界の自乗に比例して変化するカー効果等の電気光学効果を有するため、かかる物理現象を利用して単一の偏波成分の光の変調を行うことができる。
バッファ層14は、光導波路12Aにおける単一の偏波成分の光の伝搬損失を抑えるべくこれを被覆するものである。ちなみに、このバッファ層14の膜厚をあまりに厚くし過ぎると、電界強度が下がり、変調効率が低下するため、単一の偏波成分の光の伝搬損失が大きくならない範囲においてなるべく薄く設定するようにしてもよい。
電極83は、例えばTiやPt、Au等の金属材料からなり、発振器16から供給された周波数f の変調信号を光導波路12Aに駆動入力することにより、光導波路12A内を伝搬する光に位相変調をかける。
第1の保護材86並びに第2の保護材87は、それぞれ基板11の材質に対応する部材から構成される。第1の保護材86並びに第2の保護材87は、基板11と同一の材質から構成してもよい。また上記平面91を形成する第1の保護材86の端面86aと第1の端面84とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工されていてもよく、同様に上記平面92を形成する第2の保護材87の端面87aと第2の端面85とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工されていてもよい。
この導波路型光変調器8A(光コム発生器1)において、入射側反射膜93と出射側反射膜94は共振手段として機能し、単一偏波型光導波路12Aは、共振された単一の偏波成分の光を伝搬させるべく形成されている。
入射側反射膜93及び出射側反射膜94は、光導波路12Aに入射した光を共振させるために互いに平行となるように設けられたものであり、光導波路12Aを通過する単一の偏波成分の光を往復反射させることにより共振させる光共振器5を構成する。
この導波路型光変調器8A(光コム発生器1A)は、光導波路12Aを上面から形成させるための基板11と同じ硬さを持つ部材86,87を、少なくともその一の端面が上記光導波路12Aにおける光入射端又は光出射端を含む上記基板11の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路12Aの上部に配設し、上記部材86,87の端面と上記基板11の端面を研磨することにより形成された上記平面上に共振手段を構成する入射側反射膜93並びに出射側反射膜94を被着させるので、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、各反射膜につき端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることができ、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させ、デバイスそのものの機能を高めることができ、しかも、共振手段を構成する入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成された光導波路12Aを備えることにより、入射側反射膜93(入射側反射防止膜63)を介して入射された光の単一の偏波成分のみが、光導波路12Aを伝搬されて、出射側反射膜94(出射側反射防止膜64)を介して単一の偏波成分のみの光変調出力として安定した光コムを発生することができる光コム発生器として機能する。
したがって、上記光変調器8、51は、光導波路12を上面から形成させるための基板11と同じ硬さを持つ部材86,87を、少なくともその一の端面が上記光導波路12における光入射端又は光出射端を含む上記基板11の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路12の上部に配設し、上記部材86,87の端面と上記基板11の端面を研磨することにより形成された上記平面上に共振手段を構成する入射側反射膜93並びに出射側反射膜94を被着させるので、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、各反射膜につき端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることができ、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させ、デバイスそのものの機能を高めることができ、また、基板11のバッファ層14上に形成されたリッジ構造を有する電極83を備えることにより、変調効率を向上させて駆動電力を低減することができ、さらに、共振手段を構成する入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成された光導波路12を備えることにより、入射側反射膜93を介して入射された光の単一の偏波成分のみが、光導波路12を伝搬されて、出射側反射膜94を介して単一の偏波成分のみの光変調出力として安定した光コムを発生することができる低電力型の光コム発生器1として機能する。
次に、本発明を適用した低電力型光コムモジュールを利用した光コム発生器110の構成を図15のブロック図に示す。
この光コム発生器110は、本発明を適用した低電力型光コムモジュール100Aから出力される光コムの一部を分岐する光カップラ111と、光カップラ111により分岐された光を検出する光検出器112と、この光検出器112により得られる光検出信号が供給される制御回路113などを備える。
光コムモジュール100Aは、図示しないレーザー光源からレーザー光が入射されるとともに、バイアス・ティー114を介してRF変調信号が入力されることにより、入射されたレーザー光の単一の偏波成分に対してRF変調信号により位相変調をかけることにより、光コムを発生して出力する。この光コムモジュール100Aは、温度調節回路119による温度制御によって、光導波路に設けられた入射側反射膜と出射側反射膜による共振手段の共振長が制御されるようになっている。
制御回路113は、光検出信号から制御目標に対する誤差を求め、その誤差がゼロとなるような制御信号を生成してバイアス・ティー114に供給する。
光コムモジュール100AのDCバイアスに加えることにより、光コムモジュール100Aの共振周波数を入力レーザー周波数に追従させることができる。
制御回路113は、プリント基板単体の場合やRFミキサやアイソレータとプリント基板の組み合わせの場合もある。光検出器112の光検出信号と同期信号のミキシングによって制御目標からの誤差量に応じた制御信号を作り出す。
同期信号としてRF変調信号源の出力の一部を使うことができる。その場合、光検出器112の動作帯域はRF駆動周波数以上であることが必要である。
制御回路113では、位相調整器を介してミキサに光検出信号と同期信号を入力して得られる信号の低周波数成分を取って誤差信号とする。または同期信号としてRF駆動信号は別の変調信号(ディザ信号)を使用することが可能である。レーザー周波数または光コムモジュール100Aの共振周波数に、共振モードのFSRと比べて小さい振幅の変調を与えておいて、光検出器112の出力信号と同期信号のミキシングを行う。ディザ信号周波数が低ければ、光検出信号をアナログ・デジタル変換器によりデジタル信号に変換したのちにデジタル信号処理の積和演算で誤差信号を生成することも可能である。
誤差信号の周波数特性を調整したものが制御信号としてバイアス・ティー114経由で光コムモジュール100AのDCバイアスに加えられる。一般的には、誤差信号は比例、積分、微分の各機能を持った回路に入力され、それらの成分の振幅調整により制御ループの周波数特性が決まり、光コムモジュール100Aの共振周波数が入力レーザーの発振周波数に追従するように制御される。
また、本発明を適用した低電力型光コムモジュールを利用した光コム発生器120の構成を図16のブロック図に示す。
この光コム発生器120は、本発明を適用した低電力型光コムモジュール100Aの反射光を利用して共振器制御を行うもので、低電力型光コムモジュール100Aの反射光の一部が光カップラ111により分岐されて光検出器112に入射されるようになっている。
この光コム発生器120における各構成要素は、図15に示した光コム発生器110の構成要素と同じであり、対応する構成要素について、図16中に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
制御回路113は光検出器112により得られる光検出信号から制御目標に対する誤差を求め、その誤差がゼロとなるような制御信号を出力する。その制御信号を光コムモジュールのDCバイアスに加えることにより光コムモジュール100Aの共振周波数を入力レーザー周波数に追従させることができる。
さらに、本発明を適用した低電力型光コムモジュールは、例えば、図17に示すような構成の光コム光源130を構築することができる。
この光コム光源130は、単一周波数発振のレーザー光源131、レーザー光源131から出射された単一周波数のレーザー光を2つのレーザー光に分離する光カップラや光ビームスプリッタ等の分離光学系132、分離光学系132により分離された一方のレーザー光の周波数をシフトする周波数シフタ135、それぞれ低電力型光コムモジュールを用いた2つの光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130B等を備える。
この光コム光源130では、1台の単一周波数発振のレーザー光源131から出射されるレーザー光が分離光学系132により2つのレーザー光に分離されて2台の光コム発生器(OFCG1,OFCG2)130A,130Bに入力されるようになっている。
2台の光コム発生器130A,130Bは、互いに異なる周波数f +Δf と周波数f で発振する発振器133A,133Bにより駆動される。それぞれの発振器133A,133Bは、共通の基準発振器134により位相同期されることにより、f +Δf とf の相対周波数が安定になる。光コム発生器(OFCG1)130Aの前には、音響光学周波数シフタ(AOFS)のような周波数シフタ135を設けて、入力されたレーザー光にこの周波数シフタ135により周波数f の光周波数シフトを与えるようになっている。これにより、キャリア周波数間のビート周波数が直流信号ではなく周波数f の交流信号になる。その結果、キャリア周波数の高周波側サイドバンドのビート信号と低周波側サイドバンドのビート信号がビート信号のキャリア周波数間のビート周波数f を挟んで相対する周波数領域に発生するため位相比較に都合が良い。
2つの光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130Bは、それぞれ本発明を適用した低電力型光コムモジュールにより構成されるもので、入力されるレーザー光の単一の偏波成分のみを位相変調することにより、単一の偏波成分の光コムを出力することができる。
この光コム光源130は、1台の単一周波数発振のレーザー光源131を共通として、2台の光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130Bの中心周波数と周波数間隔の異なる二つの光コムを発生するもので、例えば、本件発明者が先に提案している特許5231883号に係る距離計や光学的三次元形状測定機における第1及び第2の光源、すなわち、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる干渉性のある基準光と測定光を出射する第1及び第2の光源として上記光コム光源130を用いることにより、2つの光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130Bから出射される単一の偏波成分の計測用の光コム出力を測定対象の表面にスキャンしながら照射して、表面からの反射光を照射ポイント一点一点について検出して距離(高さ)計算を行うことにより、安定した測定動作行う距離計や光学的三次元形状測定機の測定系を構築することができる。スキャンの座標と距離(高さ)の分布から対象物の表面形状が得られる。スキャナ光学系には様々な形態がある。テレセントリック光学系を使用すると測定範囲内で対象物に向かってほぼ垂直に光が入射するようにすることができる。
また、例えば、本件発明者が先に提案している特許5336921号や特許5363231号に係る振動計測装置における光源、すなわち、所定の周波数間隔のスペクトルであり、互いに変調周波数及び中心周波数が異なり、互いに位相同期され干渉性のある参照光と測定光とを出射する光源部として上記光コム光源130を用いることにより、2つの光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130Bから出射される単一の偏波成分の光コムを波長毎に分派する素子を介して波長によって異なる場所に照射して、安定した多点振動計測動作行う振動計測装置の測定系を構築することができる。
ここで、直交モードが混在する偏光成分を透過する光導波路を用いた光コム発生器により得られる光コムを用いる計測装置では、図19に示すように、直交偏光成分による透過モード波形に変形が生じることがあり、しかも、発生する場所(主モードに対する相対位置)がばらばらであり、極小部が複数になるため制御の不安定要因になるが、単一の偏光成分のみ通す光導波路を用いることにより、図18に示すように、透過モード波形に変形が生じることがなくなり、光コム発生器としての安定化、光コムを含む計測装置の精度向上、誤差の低減などを図ることができる。
すなわち、光コム発生に直交する偏光成分は光コムを計測に利用する場合に、距離、高さの計測誤差の要因になり、また、光コム発生に直交する偏光成分は、光コム発生器の共振周波数をレーザー周波数に一致させるための制御を不安定にすることがあり、制御点のずれ、制御の発振の原因となり、また、光コムを計測に利用する場合に、距離、高さの計測誤差の要因になっていたが、単一の偏光成分のみ通過させる光導波路を用いて光コム発生を行うことにより、光コム発生に寄与しない直交偏光成分の出力が抑制され、光コム出力の偏光消光比を向上させ、単一偏光度を高めることができ、共振器制御を安定化させ、不要な干渉信号を除去して、光コムを用いた距離計測や形状計測における計測誤差を除去して計測精度の向上、システム全体の信頼性向上等を実現することができる。
1,1A,110,120,130A,130B 光コム発生器、8,8A,51 光変調器、11 基板、12,12A 光導波路、14 バッファ層、16 発振器、18 終端抵抗、20 凸条部、21 光サーキュレータ、22 フォーカサー、63,64 反射防止膜、83 電極、84 第1の端面、85 第2の端面、86 第1の保護材、86a,87a 端面、87 第2の保護材、91,92 平面、93 入射側反射膜、94 出射側反射膜、100A 低電力型光コムモジュール、111 光カップラ、112 光検出器、113 制御回路、114 バイアス・ティー、130 光コム光源、131 レーザー光源、132 分離光学系、135 周波数シフタ

Claims (10)

  1. 少なくとも電気光学効果を有する基板にて形成された光導波路と、
    上記光導波路上に形成され変調信号を往路方向又は復路方向へ伝搬させるためのリッジ構造を有する電極からなり、上記電極に供給される変調信号に応じて上記光導波路内を伝搬される光の位相を変調する光変調手段と、
    上記光導波路の基板と同じ硬さを持つ部材から構成され、上記部材における少なくとも一の端面が上記光導波路における光入射端又は光出射端を含む上記基板の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路の上部に配設される端面保護手段とを備え、
    上記光導波路は、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより平面に形成された光入射端面と光出射端面を有すること
    を特徴とする光変調器。
  2. 上記光導波路は、非線形光学結晶からなることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 上記光変調手段は、上記電極の一端側に供給された変調信号を反射する反射手段が上記電極の他端側にのみ設けられており、上記変調信号を共振させることなく、上記往路方向へ伝搬する光の位相を上記往路方向へ伝搬する変調信号によって変調し、また、上記復路方向へ伝搬する光の位相を上記復路方向へ伝搬する変調信号によって変調することを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の光変調器。
  4. 上記反射手段として、上記電極の一端には、他端から供給された変調信号を反射させるための反射器、並びに当該反射された変調信号の位相を調整するための移相器が配設されてなることを特徴とする請求項3に記載の光変調器。
  5. 上記移相器は、上記反射された変調信号の位相を上記電極の形状、上記変調信号の周波数、並びに上記光導波路の群屈折率に応じて調整することを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
  6. 所定の周波数の変調信号を発振する発振手段と、
    互いに平行な入射側反射膜及び出射側反射膜より構成され、入射側反射膜を介して入射された光を共振させる共振手段と、
    上記入射側反射膜から上記出射側反射膜にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板にて形成された光導波路と、上記光導波路上に形成され上記発振手段から発振された変調信号を往路方向又は復路方向へ伝搬させるためのリッジ構造を有する電極からなり、上記入射側反射膜から上記出射側反射膜にかけて貫通するように形成され、上記発振手段から供給された上記変調信号に応じて上記共振手段により共振された光の位相を変調し、上記入射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光コム発生手段と、
    上記光導波路の基板と同じ硬さを持つ部材から構成され、上記部材における少なくとも一の端面が上記光導波路における光入射端又は光出射端を含む上記基板の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路の上部に配設される端面保護手段とを備え、
    上記入射側反射膜並びに上記出射側反射膜は、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより形成される平面にそれぞれ被着されてなること
    を特徴とする光コム発生器。
  7. 上記光導波路は、非線形光学結晶からなることを特徴とする請求項6に記載の光コム発生器。
  8. 上記光変調手段は、上記発振手段から上記電極の一端側に供給された変調信号を反射する反射手段が上記電極の他端側にのみ設けられており、上記発振手段から供給された変調信号を共振させることなく、上記往路方向へ伝搬する光の位相を上記往路方向へ伝搬する変調信号によって変調し、また、上記復路方向へ伝搬する光の位相を上記復路方向へ伝搬する変調信号によって変調することを特徴とする請求項6又は請求項7の何れか1項に記載の光コム発生器。
  9. 上記反射手段として、上記電極の一端には、他端から供給された変調信号を反射させるための反射器、並びに当該反射された変調信号の位相を調整するための移相器が配設されてなることを特徴とする請求項8に記載の光コム発生器。
  10. 上記移相器は、上記反射された変調信号の位相を上記電極の形状、上記変調信号の周波数、並びに上記光導波路の群屈折率に応じて調整することを特徴とする請求項9に記載の光コム発生器。
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