JP4002917B2 - 光共振器測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信、光CT、光周波数標準器など多波長でコヒーレンス性の高い標準光源、又は、各波長間のコヒーレンス性も利用できる光源を必要とする分野に適用される光共振器の物理的性質を測定するための光共振器測定装置及び方法に関する。
光周波数を高精度に測定する場合には、測定する光を他の光と干渉させ、発生する光ビート周波数の電気信号を検出するヘテロダイン検波を行う。このヘテロダイン検波において測定可能な光の帯域は、検波系に使用される受光素子の帯域に制限され、概ね数十GHz程度である。
一方、近年の光エレクトロニクスの発展に伴い、周波数多重通信のための光制御や、広範囲に分布する吸収線の周波数測定を行うため、光の測定可能帯域を更に拡大する必要がある。
かかる測定可能帯域の拡大化の要請に応えるべく、従来において光周波数コム発生器(例えば、特許文献1参照。)を用いた広帯域なヘテロダイン検波系が提案されている。この光周波数コム発生器は、周波数軸上で等間隔に配置された櫛状のサイドバンドを広帯域にわたり発生させるものであり、このサイドバンドの周波数安定度は、入射光の周波数安定度とほぼ同等である。この生成したサイドバンドと被測定光をヘテロダイン検波することにより、数THzに亘る広帯域なヘテロダイン検波系を構築することが可能となる。
図8は、この従来における光周波数コム発生器3の原理的な構造を示している。
この光周波数コム発生器3は、光位相変調器31と、この光位相変調器31を介して互いに対向するように設置された反射鏡32,33を備える光共振器100が使用されている。
この光共振器100は、反射鏡32を介して僅かな透過率で入射した光Linを、反射鏡32,33間で共振させ、その一部の光Loutを反射鏡33を介して出射させる。光位相変調器31は、電界を印加することにより屈折率が変化する光位相変調のための電気光学結晶からなり、この光共振器100を通過する光に対して、電極36に印加される周波数fmの電気信号に応じて位相変調をかける。
この光周波数コム発生器3において、光が光共振器100内を往復する時間に同期した電気信号を電極36から光位相変調器31へ駆動入力することにより、光位相変調器31を1回だけ通過する場合に比べ、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。これにより、高次のサイドバンドを数百本生成することができ、隣接したサイドバンドの周波数間隔fm は全て入力された電気信号の周波数fmと同等になる。
また、従来における光周波数コム発生器は、上述のバルク型に限定されるものではない。例えば図9に示すように、導波路を用いた導波路型光周波数コム発生器20にも適用可能である。
この導波路型光周波数コム発生器20は、導波路型光変調器200から構成される。導波路型光変調器200は、基板201と、導波路202と、電極203と、入射側反射膜204と、出射側反射膜205と、発振器206とを備える。
基板201は、例えば引き上げ法により育成された3〜4インチ径のLiNbOやGaAs等の大型結晶をウェハ状に切り出したものである。この切り出した基板201上には、機械研磨や化学研磨等の処理を施す。
導波路202は、光を伝搬させるために配されたものであり、導波路202を構成する層の屈折率は、基板201等の他層よりも高く設定されている。導波路202に入射した光は、導波路202の境界面で全反射しながら伝搬する。一般に、この導波路202は、基板201中においてTi原子を拡散させることにより、或いは基板201上へのエピタキシャル成長させることにより作製することができる。
なお、この導波路202として、LiNbO結晶光導波路を適用してもよい。このLiNbO結晶光導波路は、LiNbO等からなる基板201表面にTiを拡散させることにより形成することができる。このLiNbO結晶光導波路を実際に作製する場合には、先ずこの基板201の表面にフォトレジストのパターンを作製し、そこにTiを蒸着させ、さらにこのフォトレジストを除去することにより、ミクロンサイズの幅で構成されるTiの細線を作製する。次に、このTiの細線を加熱することにより、これを基板201中に熱拡散させる。
ちなみに、このTiがLiNbOからなる基板201中に熱拡散されると、かかるTiが拡散された領域については他の領域よりも屈折率が高くなるところ、光を閉じ込めることができることになる。即ち、かかるTiが拡散された領域につき光を伝搬させることができる導波路202が形成されることになる。このような方法に基づいて作製したLiNbO結晶型の導波路202は電気光学効果を有するため、これに対して電界を印加することにより屈折率を変化させることができる。
電極203は、例えばAlやCu、Pt、Au等の金属材料からなり、外部から供給された周波数fmの電気信号を導波路202に駆動入力する。また、導波路202における光の伝搬方向と変調電界の進行方向は同一となる。この電極203の幅や厚さを調整することにより、導波路202を伝搬する光の速度と電極203上を伝搬する電気信号の速度を一致させるようにしてもよい。これにより、導波路202を伝搬する光が感じる電気信号の位相を一定に保つことが可能となる。
入射側反射膜204及び出射側反射膜205は、導波路202に入射した光を共振させるため設けられたものであり、導波路202を通過する光を往復反射させることにより共振させる。発振器206は、電極203に接続され、周波数fmの電気信号を供給する。
入射側反射膜204は、導波路型光変調器200の光入射側に配され、図示しない光源から周波数νの光が入射される。また、この入射側反射膜204は、出射側反射膜205により反射されて、かつ導波路202を通過した光を反射する。
出射側反射膜205は、導波路型光変調器200の光出射側に配され、導波路202を通過した光を反射する。またこの出射側反射膜205は、導波路202を通過した光を一定の割合で外部に出射する。
上述の構成からなる導波路型光周波数コム発生器20において、光が導波路202内を往復する時間に同期した電気信号を電極203から導波路型光変調器200へ駆動入力とすることにより、導波路型光変調器200を1回だけ通過する場合に比べ、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。これにより、バルク型の光周波数コム発生器4と同様に、広帯域にわたるサイドバンドを有する光周波数コムを生成することができ、隣接したサイドバンドの周波数間隔は、全て入力された電気信号の周波数fmと同等になる。
この導波路型光周波数コム発生器20の特徴は、光と電気信号の相互作用領域がより小さいことにある。光は周囲より屈折率が高いミクロンオーダの導波路202に閉じ込められて伝搬することになるため、導波路202の極近傍に電極203を取り付けることにより、導波路202中の電界強度を局所的に高めることが可能となる。従って、バルク型の光周波数コム発生器3と比較して導波路202に生じる電気光学効果が大きくなり、少ない電力で大きな変調を得ることが可能となる。
特開2003−202609号公報
ところで、このような構成からなる光周波数コム発生器を所望の変調周波数で動作させるためには、変調する周波数fmを光周波数コム発生器内に形成される光共振器の自由スペクトル域(Free Spectral Range :fFSR)の整数倍と一致させなければならない。一般的に光共振器のfFSRは、例えば結晶の両端面に直接鏡が取り付けられ、それらの鏡が向かい合ってファブリ・ペロー共振器を構成している場合には、下記の式(11)で与えられる。
FSR=c/(2nl)・・・・・・・・・・・・・・(11)
(ここでcは真空中の光速度であり、lは上記光共振器内における光の伝搬方向の結晶長さであり、さらにnは電気光学結晶の群屈折率とする。)
屈折率が波長依存性を持たない場合、上述のfFSRは、媒質の屈折率nを用いることにより下記の式(12)で与えられる。
FSR=c/(2nl)・・・・・・・・・・・・・・(12)
しかしながら、光周波数コム発生器のように、広帯域に亘る光を発生させる場合に、光共振器内の材料の屈折率分散を考慮しなければならない。通常、搬送波に対する屈折率がnであるとしても、隣接するサイドバンドに対する屈折率はnではない。即ち、nの波長依存性を考慮した場合には、式(11)のような群屈折率を用いなければならないことが分かる。
ちなみに、従来の光周波数コム発生器3のように光共振器をバルクの結晶で構成する場合には、屈折率の波長依存性や温度依存性をかなり正確に表現できる近似式(セルマイヤーの式)が結晶毎に報告されているため、ある程度正確に群屈折率を予想することが可能となり、これに応じて光周波数コム発生器を最適に設計することが可能となる。また、光共振器をバルク結晶で構成したバルク型光周波数コム発生器では、少なくとも何れか一方の反射鏡を可動素子の上に搭載した外付けの鏡で構成することにより、光共振器のfFSRを変調周波数fmに合わせて調整することも可能となる。
しかしながら、導波路を用いた導波路型光周波数コム発生器では、かかる導波路の構造上、外付けの鏡で対応することは困難であることから、バルク型の光周波数コム発生器と同様の対策を施すことができない。また導波路型光周波数コム発生器の場合には、結晶端面に取り付けた反射鏡により光共振器を構成する以外に高フィネス共振器を製作する方法は無い。
このため、導波路型光周波数コム発生器の変調周波数fmを所望の周波数に合わせるためには、導波路の群屈折率を正確に測定し、光共振器のfFSRを変調周波数fmに合わせ込む必要がある。
特に、導波路の群屈折率は、材料の屈折率分散と導波路の構造による影響を受けるため、従来知られているバルク結晶のセルマイヤーの式を使うことができず、バルク型と比較して導波路型光周波数コム発生器の群屈折率を求めることは容易ではない。また構造に基づく屈折率分散は、導波路作成条件に基づいて若干のばらつきを持つため、設計段階においてこれを正確に予測することも難しい。このため、従来では、導波路の両端面を研磨し、高反射膜を取り付けて共振器とし、さらに電極に対してマイクロ波を印加して光周波数コム発生器を動作させるまで、光共振器のfFSRの値を得ることができなかった。
また、光周波数コム発生器を構成する導波路の屈折率nは周囲の温度に大きく影響されるが、かかる屈折率の温度係数は1×10−5程度である。従って、光周波数コム発生器の屈折率の調整範囲を設置環境に応じた温度調整の範囲内に入れるためには、群屈折率を1×10−5のオーダで求めなければならない。
以上の理由により、反射鏡を取り付ける前における導波路の群屈折率を正確に測定し、最適なfFSRを持つ導波路型光周波数コム発生器を製作することは極めて困難であった。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、光共振器のfFSRを精度よく測定する装置及び方法並びに光共振器内にある媒質の群速度(群屈折率)を精度よく測定する装置及び方法を提供することにある。
本発明を適用した光共振器測定装置は、上述した課題を解決するために、光共振器の物理的性質を測定するための光共振器測定装置において、経時的に変化させた周波数fmの変調信号を発振する変調信号発振手段と、上記変調信号発振手段により発振された変調信号の周波数fmに基づき、光源から出射された光の位相を変調することにより、上記光の周波数を中心とし、上記変調信号の周波数fmと同等の周波数間隔のサイドバンドを生成する位相変調手段と、上記位相変調手段により変調された光を上記光共振器へ入射させる光入射手段と、上記光入射手段により上記光共振器へ入射された光のうち、上記光共振器内を透過した光又は反射した光の強度を検出する光強度検出手段と、上記光強度検出手段により検出された光の強度に基づいて上記光共振器の自由スペクトル領域(Free Spectral Range :fFSR)を求める物性測定手段とを備える。
本発明を適用した光共振器測定方法は、上述した課題を解決するために、光共振器の物理的性質を測定するための光共振器測定方法において、経時的に変化させた周波数fmの変調信号を発振し、発振した変調信号の周波数fmに基づいて光源から出射された光の位相を変調し、変調した光を測定対象としての光共振器へ入射させ、光共振器へ入射された光のうち、光共振器内を透過した光又は反射した光の強度を検出し、検出した光の強度に基づいて光共振器の自由スペクトル領域(Free Spectral Range :fFSR)を求める。
本発明では、経時的に変化させた周波数fmの変調信号を発振し、発振した変調信号の周波数fmに基づいて光源から出射された光の位相を変調することにより、上記光の周波数を中心とし、上記変調信号の周波数fmと同等の周波数間隔のサイドバンドを生成し、上記サイドバンドを含む変調した光を測定対象としての光共振器へ入射させ、上記光共振器へ入射された光のうち、光共振器内を透過した光又は反射した光の強度を検出し、検出した光の強度に基づいて光共振器の自由スペクトル領域(Free Spectral Range :fFSR)を求める。
これにより、本発明では、測定対象としての光共振器のfFSR共振器内部の媒質の群屈折率等の光学特性を始めとした物理的性質を評価することができ、特に分光装置等の光学的な信号解析手段を用いずに全て電気的に信号生成や解析を行うことができる点において有効である。一般的に電気的な周波数分析は、光学的な周波数分析手段と比較してはるかに高い分解能を有する。このため、本発明では、光共振器のfFSR共振器内部の媒質の群屈折率や群速度分散を高い精度で計ることも可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した光共振器測定装置1は、例えば図1に示すように、測定対象としての光共振器15の物理的性質を測定するための装置であって、光を発振する光源11と、光源から出射された光の位相を周波数fmの変調信号に基づき変調する位相変調部12と、光共振器15からの光の強度を検出する光強度検出部13と、上記変調信号を生成するとともに、光強度検出部13により検出された光の強度に基づいて光共振器15の物理的性質を測定する制御部14とを備えている。この図1において実線で示される経路は光の伝搬経路であり、点線で示される経路は電気信号の伝搬経路を示している。
光源11は、所定の周波数の光を発生するための光源であり、例えば、Nd:YAG等の固体レーザ、GaAs等の半導体レーザ、ArF等のガスレーザ等の各種レーザ、さらには、外部共振させることにより光を発光する半導体レーザ等の光を出射する光源である。ちなみに、この光源11は、制御部14による制御に基づいて光を発光するようにしてもよい。
位相変調部12では、光が当該位相変調部12内を伝搬する時間に同期した周波数fmの変調信号を制御部14から駆動入力させることにより、かかる光につき位相変調をかける。その結果、光の周波数を中心としたサイドバンドを生成することができるが、時間的には強度の変調を受けない。また、隣接したサイドバンド間における周波数間隔は、駆動入力された変調信号の周波数fmと同等となる。周波数間隔に応じて変調信号の周波数をfmとするために、制御部14は、周波数fmの変調信号を生成することになる。この位相変調部12において位相変調された光は、光共振器15へ入射される。
光強度検出部13は、受光した光の強度に応じた電気信号p1を生成するいわゆる光電変換素子であって、位相変調部12において位相変調され、さらに光共振器15へ入射された光のうち、光共振器15内を透過した光又は反射した光の強度を検出する。この光強度検出部13により検出される光の強度は、位相変調部12における位相変調に支配されることはない。この光強度検出部13により生成された電気信号p1はそのまま制御部14へ送られる。
制御部14は、光共振器測定装置1全体を制御することに加えて、上記周波数fmの変調信号を生成し、さらに光強度検出部13により生成された電気信号p1を受信するとともにこれを解析する。この制御部14は、電気信号p1の信号強度に基づき、後述する自由スペクトル域(Free Spectral Range :fFSR)を識別する。即ち、この制御部14は、周波数fmの変調信号を発信する発信装置としての機能を持つとともに、光強度検出部13から送られてくる電気信号p1を解析するネットワークアナライザとしての機能をも持つことになる。制御部14は、周波数fmの変調信号の振幅と位相をユーザに表示するための表示面を備えるようにしてもよい。
また、この光共振器測定装置1による測定対象としての光共振器15は、例えば導波路が形成されてなる導波路型光周波数コム発生器等に用いられる光共振器であるが、これに限定されるものではなく、バルク状の媒質からなる光共振器であってもよい。一般的に光共振器のfFSRは、例えば結晶の両端面に直接鏡が取り付けられ、それらの鏡が向かい合ってファブリ・ペロー共振器を構成している場合には、下記の式(11)で与えられる。
FSR=c/(2nl)・・・・・・・・・・・・・・(11)
(ここでcは真空中の光速度であり、lは上記光共振器15内における光の伝搬方向の結晶長さであり、さらにnは電気光学結晶の群屈折率とする。)
測定対象としての光共振器15は、一定の周波数周期で変化する位相特性を持っており、それがfFSRとして表される。光共振器15では、位相変調の周波数fmが共振器のfFSRに一致するとサイドバンドの相対位相は次数に比例した変化しか受けない。即ち、位相変調部12における位相変調がそのまま出力されることになることから、そこから出力される光の強度変調成分は0のままとなり、また光強度検出部13により光電変換される電気信号p1において周波数fmの成分は現われない。
これに対して周波数fmがfFSRからずれると、変調サイドバンドの相対位相が次数に対して2次以上の関数に基づいた変化を受けることになるため、位相変調部12から出力される光は強度変調を受けた波形となり、光強度検出部13により生成される電気信号p1にfFSRの成分が現われる。
このため、変調信号の周波数fmを順にシフトさせながら制御部14を介して電気信号p1を観測すると、図2(a)に示すように周波数fmがfFSRの整数倍に一致したときに強度変調成分が極小となるため、一定周波数間隔で出力が0となる信号が現われる。このため、かかる周波数間隔を測定することによりfFSRを求めることが可能となる。
図2(b)は、強度変調成分の極小領域付近を拡大した場合につき示している。変調周波数12.3GHzの位置に強度変調の極小領域が見られる。この極小領域は、0Hzから数えて10番目の極小値である。このことから、fFSRは、1.230GHzであることが分かる。
実際には、ネットワークアナライザとしての制御部14により、電気信号p1の信号強度が最小となる周波数を探索することにより、光共振器15のfFSRを測定する。次に、光共振器15の長さを別の方法に基づいて測定し、求めたパラメータを式(11)に代入することにより、光共振器15を構成する材料の群屈折率nを求めることが可能となる。
さらに、波長を変えることができるレーザ光源を光源11として用いることにより、群屈折率nの波長依存性を求めることが可能となる。光共振器15における分散媒質中の光パルス進行速度を表す群速度vは、光速度cと群屈折率nを用いて以下の式(13)により表される。
=c/n・・・・・・・・・・・・・・・・(13)
即ち、nの波長依存性を求めることにより、光共振器15の媒質を構成する材料の群速度分散を求めることができる。
このように、本発明を適用した光共振器測定装置1では、測定対象としての光共振器15のfFSRや群屈折率等の光学特性を始めとした物理的性質を評価することができる。特に、この光共振器測定装置1では、測定対象の物理的性質を測定する装置であるにもかかわらず、分光装置等の光学的な信号解析手段を用いずに全て電気的に信号生成や解析を行うことができる点において有効である。一般的に電気的な周波数分析は、光学的な周波数分析手段と比較してはるかに高い分解能を有する。このため、本発明を適用した光共振器測定装置1では、光共振器15のfFSRを極めて高い精度で測定することが可能となる。また、光共振器15において用いられる媒質の群屈折率や群速度分散を高い精度で計ることも可能となる。
さらに測定対象としての光共振器15は、複数の反射鏡から構成されているものであってもよいが、特に反射鏡を用いることなく媒質の境界で生じるフレネル反射を用いるものであってもよい。
図3は、図1に示すブロック構成に基づいて実際に光変調器15内の媒質を透過した光を検出する場合につき示している。
光共振器15内に形成された導波路15aに光を伝播させるために、位相変調部12から出力される光につき、光入力部17を介してこれを導波路15aへ入射させる。そしてこの導波路15aを透過した光につき、光出力部18を介して取り出して、これを光検出部13へ伝送する。
なお、この図3において、光源11と位相変調部12の中間、並びに位相変調部12と光入力部17の中間において、PBS等で構成した偏波保存ファイバを配設するようにしてもよい。また、光共振器15における端面の反射による誤差を抑えるべく、位相変調部12と光入力部17の中間、並びに光出力部18と光強度検出部13の中間において図示しないアイソレータを配設するようにしてもよい。さらに、光強度検出部13から出力される電気信号p1のDC成分を検出し、これに基づいて光源11をロックする機構を設けるようにしてもよい。
なお、光共振器測定装置1により、いわゆる光周波数コム発生器のfFSRや群屈折率等の光学特性を始めとした物理的性質を評価するようにしてもよいことは勿論である。
図4は、図1に示すブロック構成に基づいて実際に光変調器15内の媒質を反射した光を検出する場合につき示している。
この図4に示す構成では、位相変調部12において変調された光を光サーキュレータ20を介して光入出力部21へ送るとともに、導波路15aの端面15bを反射した光を光入出力部21を介して取り出して光サーキュレータ20を介して光強度検出部13へ送ることになる。
図5は、上述の如きネットワークアナライザ等で構成される制御部14を、周波数同調可能な発振器24とスペクトラムアナライザ23に分ける場合につき示している。位相変調部12は、この発振器24からの変調信号の周波数fmに基づいて光の位相を変調する。この図5に示す構成においても、光強度検出部13により生成される電気信号p1の周波数fmの成分をスペクトラムアナライザ23により観測することにより、周波数fmがfFSRに一致したときに光強度が極小になることから、スペクトル強度が極小となる周波数を探索することにより、光共振器15自体のfFSRを求めることが可能となり、ひいては群屈折率nを求めることも可能となる。
図6は、図5に示す構成に基づいて実際に光変調器15内の媒質を反射した光を検出する場合につき示している。
この図6に示す構成においても同様に、位相変調部12において変調された光を光サーキュレータ20を介して光入出力部21へ送るとともに、導波路15aの端面15bを反射した光を光入出力部21を介して取り出して光サーキュレータ20を介して光強度検出部13へ送ることになる。
図7は、光源11から発振する光の周波数に変調を加えながら測定を行う例を示している。
光源11に接続されてなる発振部28により周波数fsの電気的な信号を生成し、これを光源11に送信する。光源11は、かかる周波数fsの電気的な信号に基づいて変調した光を発振することになる。
一般に位相変調の周波数fmがfFSRに一致しない場合であっても、光源11から発振する光の周波数が光共振器15の共振周波数に一致している場合には、強度変調として現われない場合がある。しかしながら、この図7に示す構成においては、変調周波数fmをスキャンする時間に比べて速い周波数fsで予め光を変調しておくことにより、変調周波数fmによる測定時に光の周波数がファブリ・ペロー共振周波数付近にとどまらないようにすることができる。従って、光の中心周波数がファブリ・ペロー共振器の共振周波数に一致している場合においても、強度変調成分を観測することができ、fFSRを高精度に測定することが可能となる。
本発明を適用した光共振器測定装置の構成図である。 変調信号の周波数fmを順にシフトさせながら電気信号p1を観測した結果を示す図である。 図1に示すブロック構成に基づいて実際に光変調器内の媒質を透過した光を検出する例につき説明するための図である。 図1に示すブロック構成に基づいて実際に光変調器内の媒質を反射した光を検出する例につき説明するための図である。 制御部を、発振器とスペクトラムアナライザに分ける構成につき示す図である。 光変調器内の媒質を反射した光を検出する場合につき説明するための図である。 光源から発振する光の周波数に変調を加えながら測定を行う例を示す図である。 従来の光周波数コム発生器の構成につき示す図である。 従来の導波路型光周波数コム発生器の構成につき示す図である。
符号の説明
1 光共振器測定装置、11 光源、12 位相変調部、13 光強度検出部、14 制御部、15 光共振器

Claims (4)

  1. 光共振器の物理的性質を測定するための光共振器測定装置において、
    経時的に変化させた周波数fmの変調信号を発振する変調信号発振手段と、
    上記変調信号発振手段により発振された変調信号の周波数fmに基づき、光源から出射された光の位相を変調することにより、上記光の周波数を中心とし、上記変調信号の周波数fmと同等の周波数間隔のサイドバンドを生成する位相変調手段と、
    上記位相変調手段により変調された光を上記光共振器へ入射させる光入射手段と、
    上記光入射手段により上記光共振器へ入射された光のうち、上記光共振器内を透過した光又は反射した光の強度を検出する光強度検出手段と、
    上記光強度検出手段により検出された光の強度に基づいて上記光共振器の自由スペクトル領域(Free Spectral Range :fFSR)を求める物性測定手段とを備えること
    を特徴とする光共振器測定装置。
  2. 上記物性測定手段により求められたfFSRに基づき、以下の式に基づいて上記共振器内部の媒質の群屈折率nを求めること
    =c/(2fFSRl)
    (ここでcは真空中の光速度とし、lは上記光共振器内における光の伝搬方向の結晶長さとする)
    を特徴とする請求項1記載の光共振器測定装置。
  3. 光共振器の物理的性質を測定するための光共振器測定方法において、
    経時的に変化させた周波数fmの変調信号を発振し、
    発振した変調信号の周波数fmに基づいて光源から出射された光の位相を変調することにより、上記光の周波数を中心とし、上記変調信号の周波数fmと同等の周波数間隔のサイドバンドを生成し、
    上記サイドバンドを含む変調した光を測定対象としての光共振器へ入射させ、
    上記光共振器へ入射された光のうち、光共振器内を透過した光又は反射した光の強度を検出し、
    検出した光の強度に基づいて上記光共振器の自由スペクトル領域(Free Spectral Range :fFSR)を求めること
    を特徴とする光共振器測定方法。
  4. 上記求めたfFSRに基づき、以下の式に基づいて上記共振器内部の媒質の群屈折率nを求めること
    =c/(2fFSRl)
    (ここでcは真空中の光速度とし、lは上記光共振器内における光の伝搬方向の結晶長さとする)
    を特徴とする請求項3記載の光共振器測定方法。
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