JP2018169591A - 光変調素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光伝搬時の損失を抑制した高性能な光変調素子を提供する。【解決手段】基板と、基板の表面に設けられ、内部に光導波路を有する構造体層と、構造体層の表面に設けられた補助部材と、構造体層と補助部材とを接着する接着剤層と、を有する光変調素子であって、構造体層は、電気光学効果を有する樹脂材料を形成材料として含み、樹脂材料の線膨張係数と、接着剤層の形成材料の線膨張係数との差の絶対値をΔCとし、光変調素子の通常の動作環境温度の下限温度である−10℃と、樹脂材料のガラス転移温度との差の絶対値をΔTとしたとき、ΔCとΔTとの積が0以上6.5×10−3以下である光変調素子。【選択図】図1

Description

本発明は、光変調素子に関するものである。
従来、基板上に光導波路が形成された光変調素子が提案されている(例えば、特許文献1)。光導波路には、光ファイバ等から出射された光が入力される。
このような光変調素子において用いられる光導波路の形成材料として、電気光学(Electro Optic、EO)効果を示す高分子材料が知られている。このような高分子材料を、以下「EOポリマー」と称することがある。EOポリマーとしては、EO効果を発現する有機化合物を含む高分子材料が知られている。本願では、EO効果を発現する有機化合物のことを、以下「有機EO分子」と称する。
EOポリマーを用いて光導波路を形成する際には、まずEOポリマーを用いて層を形成し、次いで形成した層のガラス転移温度Tg付近の温度にて高電圧を印加して、EOポリマー中の有機EO分子を配向させる処理(ポーリング)を施す。印加する電圧は、例えば50V/μm以上である。
特表2015−501945号公報
光変調素子の光入出力は、光変調素子における入出力端に光ファイバを接続して行うことがある。
光ファイバは、光信号を伝搬するケーブルであり、光を伝搬するコア部と、コア部を保護する保護被覆とを有する構成が知られている。光ファイバにおいて、コア部のみの直径は10μm程度であり、保護被覆まで含んだ光ファイバ全体の直径は100μmを超えるものが一般的である。
一方、光変調素子の入出力端の厚みは、通常、光ファイバ全体の直径よりも小さい。
そこで、光変調素子と光ファイバの接続を容易にするために、光変調素子の入出力端では、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を接着剤として用い、補助部材を積層する構造が一般に採用されている。光変調素子が補助部材を有することで、光ファイバの入出力端の厚みが増える。これにより、光ファイバを光変調素子の入出力端に接続する際、光ファイバの端面全面を光変調素子の入出力端の端面に接合することが可能となる。
例えば、光ファイバを光変調素子に接着する場合には、光ファイバの接合端面の全面を、光変調素子の入出力端の端面に接合することができる。これにより、光ファイバと光変調素子との接着精度および接着強度を向上させることができる。
一方、光変調素子は、通常の動作環境温度が−10℃〜75℃程度である。光変調素子は、この温度範囲にて動作する補償がなされている。EOポリマーは無機材料と比較して線膨張係数が大きいため、このような温度範囲における材料膨張による光導波路と部材間の応力歪みが、通常構成の無機材料による光変調器よりも大きく、光伝搬量に損失が生じやすい。
また、EOポリマーは、上述したとおり、ポーリング処理によって有機EO分子を配向させる必要がある。しかし、EOポリマーのポーリング処理後に、熱や光などのエネルギーを加えると、有機EO分子の配向が崩れることがある。そのため、ポーリング処理は、補助部材の接着後に行われることがある。
しかし、補助部材の接着後にポーリング処理を行って形成した光導波路において、光伝搬量に損失が生じ、所望の物性が得られないことがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光伝搬時の損失を抑制した高性能な光変調素子を提供することを目的とする。
発明者らが鋭意検討した結果、EOポリマーと補助部材接着用の接着剤との熱変形量が異なるために、光変調素子を構成する各層間で内部応力が発生し、光導波路にひずみが生じ、光伝搬量の損失を生じていると推察した。そこで発明者らは、上記推察に基づいて光伝搬量の損失を抑制する検討を重ね、発明を完成させた。
すなわち、上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、基板と、前記基板の表面に設けられ、内部に光導波路を有する構造体層と、前記構造体層の表面に設けられた補助部材と、前記構造体層と前記補助部材とを接着する接着剤層と、を有する光変調素子であって、前記構造体層は、電気光学効果を有する樹脂材料を形成材料として含み、前記樹脂材料の線膨張係数と、前記接着剤層の形成材料の線膨張係数との差の絶対値をΔCとし、前記光変調素子の通常の動作環境温度の下限温度である−10℃と、前記樹脂材料のガラス転移温度との差の絶対値をΔTとしたとき、ΔCとΔTとの積が0以上6.5×10−3以下である光変調素子を提供する。
本発明の一態様においては、前記構造体層は、前記樹脂材料を形成材料とするコア層と、前記コア層と前記基板との間に設けられたクラッド層とを有し、前記樹脂材料は、高分子材料と、電気光学効果を発現する有機化合物と、を含み、前記光導波路は、前記コア層に設けられている構成としてもよい。
本発明によれば、光伝搬時の損失を抑制した高性能な光変調素子を提供することができる。
本実施形態の光変調素子を示す概略斜視図である。 本実施形態の光変調素子の概略断面図である。
以下、図1,2を参照しながら、本発明の実施形態に係る光変調素子について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態の光変調素子1を示す概略斜視図である。図2は、図1のII−IIにおける概略矢視断面図である。図に示すように、光変調素子1は、基板11、光導波路120を有する構造体層12、補助部材16、接着剤層17を有している。図に示す光変調素子1は、光ファイバ30および光ファイバ31と接続されている。
基板11は、直方体形状の板状部材である。基板11としては、光導波路を形成するのに十分な平坦性を有しており、かつ機械的に十分な強度を有するものであれば、材質、形状とも特に限定されない。基板11としては、通常、シリコン基板、石英基板、ガラス基板、セラミック基板等を用いることができ、シリコン基板、石英基板が好ましい。基板11の厚みは、例えば、0.3mm〜2mm程度である。基板11の長さは、例えば、5mm以上、100mm以下程度である。
構造体層12は、基板11の一面の表面に設けられている。構造体層12は、内部に光導波路120を有する。光導波路120については後述する。
構造体層12は、下部クラッド層13、コア層14および上部クラッド層15が積層した積層体である。コア層14には、光導波路120が形成されている。コア層14は、少なくとも1種類以上の高分子材料を含有している。
下部クラッド層13および上部クラッド層15は、コア層14よりも屈折率が低い形成材料を用いて形成されている。これにより、上部クラッド層15とコア層14との界面、または下部クラッド層13とコア層14との界面が全反射条件を満たしやすくなり、コア層14に設けられた光導波路120を伝搬する光を、光導波路120に良好に閉じ込めることができる。
下部クラッド層13および上部クラッド層15の形成材料としては、光導波路120を伝搬する光に対して高い透過率を有するものが好適に用いられる。
下部クラッド層13および上部クラッド層15の形成材料としては、例えば高分子材料を用いることができる。下部クラッド層13および上部クラッド層15の形成材料である高分子材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリキノリン系樹脂、ポリキノキサリン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂等が挙げられる。
また、下部クラッド層13の形成材料としては、石英、ガラスなどの無機材料も用いることができる。
コア層14は、電気光学効果を示す樹脂材料を形成材料としている。このような樹脂材料としては、下部クラッド層13および上部クラッド層15の形成材料よりも高屈折率であり、かつ光導波路120を伝搬する光に対して高い透過率を有するものが好適に用いられる。
コア層14の形成材料としては、高分子材料と、電気光学効果を示す有機化合物(有機EO分子)とを有する組成物を好適に用いることが出来る。コア層14の形成材料である高分子材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリキノリン系樹脂、ポリキノキサリン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂などが挙げられる。
コア層の形成材料である有機EO分子としては、公知のものであれば特に限定されず用いることができる。有機EO分子は、1分子中に、電子供与性を有する原子団(以下、「ドナー」と言う。)と、電子吸引性を有する原子団(以下、「アクセプター」と言う。)とを両方有しており、ドナーとアクセプターの間に、π電子共役系の原子団を配している構造を有した分子が望ましい。このような分子としては、具体的には、Disperse Red類、Disperse Orange類、スチルベン化合物などが挙げられる。
コア層14の形成材料である樹脂材料においては、上述の高分子材料に、有機EO分子を単に添加して分散させてもよく、上述の高分子材料の側鎖または主鎖に、有機EO分子を化学結合させることとしてもよい。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コア層14、下部クラッド層13、上部クラッド層15の形成材料として高分子材料を用いる場合、各層は、高分子材料を有機溶媒に溶解した溶液を用い、公知の技術を用いて成膜することで形成することができる。使用可能な技術としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、インプリンティング法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法等を挙げることができる。これらの方法の中では、特にスピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法が好ましい。
上記溶液に用いる有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらの溶媒の中から、用いる高分子材料の溶解性や成膜性などを考慮して適宜選択して用いることができる。溶媒は、1種類のみ用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記溶液を塗布して製膜する場合、適宜得られた塗膜の乾燥を促進させてもよい。乾燥を促進させる方法としては、加熱、送風、減圧が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。
本実施形態におけるコア層14において、電気光学効果を発現させるためには、構造体層12をコア層14のガラス転移温度付近にまで加熱し、次いで、構造体層12、より詳しくはコア層14に対して50V/μm以上、好ましくは80V/μm以上の高電圧を印加する処理(ポーリング処理)を施す。これにより、コア層14内の有機EO分子が、電圧印加により発生する電界に沿った方向(電気力線に沿った方向)に配位する。このようにして有機EO分子が配向したコア層14は、10〜300pm/Vの範囲の電気光学係数(EO係数)を有するものとなる。
コア層14における有機EO分子の配向は、光導波路120に電気信号を入力した際に生じる光の位相変調の程度によって確認することができる。
本実施形態の光変調素子1は、マイクロストリップ線路を組み合わせた電極構成である。コア層14を基準とすると下部クラッド層13の対面側に接地電極21、上部クラッド層15の対面側に信号電極22を形成している。
本発明の光変調素子1において、電極構成は限定されないが、光導波路との組み合わせの容易さ、ならびに、光導波路に効率よく電界を作用させることができるものとして、図1に示したマイクロストリップ線路を用いることが好ましい。
なお、この電極はポーリング処理の電圧印加に用いることもできる。また、光変調素子の高周波電極として用いることも出来る。
図2に示すように、本実施形態の光変調素子1において、下部クラッド層13には、トレンチ13aが設けられ、トレンチ13a内に基板11側に向けて凸型形状を有する逆リッジ型の光導波路120が形成されている。
逆リッジ型の光導波路120は、例えば以下のようにして形成することができる。
まず、下部クラッド層13をドライエッチングなどにより加工し、光導波路120のリッジ部となるトレンチ13aを形成する。次いで、トレンチ13aが形成された下部クラッド層13上に、コア層を積層することで基板面に向けて凸型形状を有する逆リッジ型の光導波路120が形成される。さらに、必要に応じて、コア層14より屈折率が低い材料を上部クラッド層15として積層してもよい。
光導波路120の形状は、これに限らず、スラブ型、チャネル型、リッジ型、リブ型等であってもよい。
また、本実施形態の光変調素子1において、光導波路120は、平面視した視野における素子の長手方向に直線的に形成されている。すなわち、光変調素子1は、いわゆる直線型素子である。ここで、本実施形態の光変調素子1を「平面視」する視野とは、構造体層12の法線と平行な方向からの視野を意味する。
但し、本発明の光変調素子1は直線型素子に限らず、Y分岐型素子、方向性結合型素子、マッハツェンダー干渉型素子、ファブリペロー共振器型素子、分極反転型素子等、種々の形態・用途に合わせて用いることができる。
光導波路120の一端120aは、光変調素子1の長手方向の一端面1aに設けられている。光導波路120の他端120bは、光変調素子1の長手報告の他端面1bに設けられている。光導波路120は、光ファイバ30及び光ファイバ31と、例えば熱硬化型の光学接着剤を用いて光学的に接続されている。
構造体層12においては、下部クラッド層13、コア層14および上部クラッド層15の厚みは、導波させる光の波長、下部クラッド層13、コア層14および上部クラッド層15の屈折率により異なる。通常、コア層14の厚みは0.1μm〜10.0μm、下部クラッド層13および上部クラッド層15の厚みは0.5μm〜20.0μmの範囲に設計される。この範囲では、光通信に用いられる波長帯に対する光導波路として十分な機能を発揮させることができる。
また、下部クラッド層13、コア層14および上部クラッド層15の形成材料には、発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、無機微粒子や他の成分などを添加してもよい。これにより、下部クラッド層13、コア層14および上部クラッド層15の屈折率や機械特性などを調整することが可能である。
補助部材16は、光変調素子1の表面(構造体層12の表面)に接着剤層17を介して接着された板状の部材である。本実施形態の光変調素子1は、一対の補助部材16A,16Bを有している。
補助部材16Aは、接着剤層17Aを介して構造体層12の表面に設けられている。補助部材16Aは、平面視において光変調素子1の長手方向の一端面1a側であって、光導波路120の一端120aと重なる位置に設けられている。
補助部材16Bは、接着剤層17Bを介して構造体層12の表面に設けられている。補助部材16Bは、平面視において光変調素子1の長手方向の他端面1b側であって、光導波路120の他端120bと重なる位置に設けられている。
接着剤層17A,17Bの厚みは、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、1.0μm以上20μmであることがより好ましい。接着剤層17A,17Bの厚みが0.1μm以上であることで、十分な接着強度が得られる。また、接着剤層17A,17Bの厚みが50μm以下であることで、後述するような、端面を面一にする加工が容易となる。また、硬化不良を抑制することができる。
補助部材16Aの一端面16aは、光変調素子1の一端面1aに含まれている。すなわち、補助部材16Aの一端面16aは、基板11および構造体層12の一端面1a側の面と面一となるように設けられている。「面一」とは、面と面とが、段差なく連続する平坦面を形成した状態である。
端面を面一に形成する方法として、補助部材を設けた後にダイサーなどによる精密切断によって端面形成を行う方法や、端面を研磨し、平坦化する方法などが挙げられる。
補助部材16Bの他端面16bは、光変調素子1の他端面1bに含まれている。すなわち、補助部材16Bの他端面16bは、基板11および構造体層12の他端面1b側の面と面一となるように設けられている。
補助部材16の形成材料は、光導波路を有する構造体層12の形成材料である樹脂材料よりもガラス転移点が高いものであれば限定されない。補助部材16の形成材料は、基板11の形成材料と同一のものとしてもよい。
すなわち、補助部材16は、例えば、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板等で構成されていてもよい。補助部材16と基板11とを同一の材料とすることにより、補助部材16と基板11との強度や硬度を揃えることができる。そのため、端面を面一に加工する場合、加工工具の選択が容易になり好ましい。
補助部材16A及び補助部材16Bは、光ファイバ30および光ファイバ31と光変調素子1との接続を容易にする機能を有している。すなわち、補助部材16Aの一端面16aによって、光変調素子1の一端面1aを拡張することができ、光ファイバ30の接合端面全体を一端面1aに接合することができる。これにより、光ファイバ30と一端面1aとの接着強度を増加することができる。
同様に、補助部材16Bの他端面16bによって、光変調素子1の他端面1bを拡張することができ、光ファイバ31の接合端面全体を他端面1bに接合することができる。これにより、光ファイバ31と他端面1bとの接着強度を増加することができる。
光ファイバ30は、光信号を伝送するためのケーブルである。光ファイバ30は、光を伝搬するコアと、コアの外側に同心状に設けられたクラッドとを備える。光ファイバ30は、コアが光導波路120の一端120aと光学的に接続されている。
光ファイバ30の直径は、例えば、125μm程度である。光ファイバ30のコアの直径は、例えば、10μm程度である。
光ファイバ31は、光ファイバ30と同様のケーブルである。光ファイバ31は、他端面1bに、光ファイバ30と同様にして接続されている。
このような光変調素子1において、上述した構造体層12の形成材料である樹脂材料と、接着剤層17の形成材料である接着剤とは、次のような関係を示す。
まず、コア層14の形成材料である電気光学効果を有する樹脂材料の線膨張係数と、接着剤層17の形成材料である接着剤の線膨張係数との差の絶対値を「ΔC」(単位:/℃)とする。
また、光変調素子1の通常の動作環境温度の下限温度である「−10℃」と、コア層14の形成材料である電気光学効果を有する樹脂材料のガラス転移温度との差の絶対値を「ΔT」(単位:℃)とする。
ΔCとΔTとを上記のように定義したとき、本実施形態の光変調素子1では、ΔCとΔTとの積が0以上6.5×10−3以下である。ΔCとΔTとの積が0以上3.0×10−3以下であることが好ましい。
ΔCとΔTとの積が上記範囲であれば、光変調素子1を加熱したとしても、コア層14と、接着剤層17との熱変形量差が小さくなるため、光導波路120に生じるひずみを抑制することができる。したがって、ポーリング処理により光変調素子1を加熱したとしても、光伝搬量の損失が生じにくい。
したがって、以上のような構成の光変調素子1によれば、光伝搬時の損失を抑制した高性能な光変調素子を提供することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<水準1>
(光変調素子の作製)
(ステップS1)
厚さ0.5mmのシリコンウエハを基板として用い、基板上に、接地電極を形成後、ポリメチルメタクリレートのメチルエチルケトン溶液をスピンコートして成膜した。次いで、80℃の減圧乾燥機にて1時間乾燥させ、下部クラッド層を形成した。下部クラッド層の厚みは5μmであった。
次いで、フォトリソグラフィにてマスクを形成し、ドライエッチングにてトレンチを形成した。トレンチの深さは0.5μmであった。
(ステップS2)
次いで、Disperse Red1(DR−1、有機EO分子)およびポリメチルメタクリレート(Tg:110℃、線膨張係数:7.0×10−5)のメチルエチルケトン溶液をスピンコートして成膜した。次いで、80℃の減圧乾燥機にて1時間乾燥させ、トレンチを有する下部クラッド層の表面に、コア層を形成した。形成されたコア層の厚みは3μmであった。
(ステップS3)
次いで、コア層の表面に、下部クラッド層と同様の方法で上部クラッド層を形成した。上部クラッド層の厚みは5μmであった。
その後、上部クラッド層の表面に、信号電極を形成した。
(ステップS4)
次いで、得られた積層体から、ダイサーを用いて5mm×30mmの短冊状のチップを切り出した。
(ステップS5)
次いで、チップの長手方向の両末端に、接着剤を塗布し、5mm×5mm×0.5mmの補助部材を仮固定した後、チップおよび補助部材と共に接着剤を加熱して硬化させ、チップと補助部材とを接着した。
(ステップS6)
次いで、補助部材を設けたチップを110℃に加熱した状態で、コア層14に対して50V/μmの電圧強度になるようにチップに電圧印加を行い、電圧印加したままチップを25℃まで冷却してポーリング処理を実施した。工程において110℃で加熱していた時間は30分間だった。加熱温度である「110℃」は、コア層の形成材料であるPMMAのガラス転移温度に相当する。
(ステップS7)
次いで、補助部材を設けたチップを、チップの長手方向両末端からそれぞれ4mmの位置にてダイサーで精密切断し、長手方向の端面が面一となるように加工した。これにより、5mm×26mmの短冊状の光変調素子を得た。
本実施例では、上記方法で作製した光変調素子について、波長1.55μmの光挿入損失を測定した。
本実施例においては、接着剤として下記表1に記載のものを用いた。
Figure 2018169591
※AT3083(NTT−AT社製、アクリル系接着剤)
353ND(エポテック社製、エポキシ系接着剤)
3915P(NTT−AT社製、アクリル系接着剤)
14SI−3(NTT−AT社製、エポキシ系接着剤)
接着剤として上記表1に記載のものを使用し、表2に示す実施例1−1〜1−3および比較例1−1の光変調素子を作製した。
光変調素子の光挿入損失は、光源には1.55μm波長レーザ光源、受光器には光パワーメータを使用し、光源と光変調素子、受光器間の光伝搬は光ファイバを用いて行った。
まず、光源と光変調素子の入力部とを繋ぐ第1の光ファイバと、光変調素子の出力部と受光器とを繋ぐ第2の光ファイバとを、間に光変調素子を介することなく直接接続した。この状態で光源から第1の光ファイバ内に光を入射し、第2の光ファイバを介して受光器にて測定される光パワーの値をP1とした。
また、第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間に光変調素子を挿入して接続し、同様に光源から第1の光ファイバ内に光を入射して受光器にて測定される光パワーの値をP2とした。
P1とP2に基づいて、下記式(I)から光挿入損失IL(dB)を求めた。
IL(dB)=10Log10(P2/P1) …(I)
表2において記載した光挿入損失は、補助部材を接着することなく(ステップS5を行うことなく)作製した光変調素子の光挿入損失を「1」として規格化した値である。後述する水準2,3についてまとめた表3,4おいても同様である。
また、表2の判定欄においては、光挿入損失が1.5以下のものを良品として「○」とし、光挿入損失が1.5を超えるものを不良品として「×」と記載している。後述する水準2,3についてまとめた表3,4においても同様である。
Figure 2018169591
<水準2>
コア層の形成材料としてポリカーボネート(Tg:145℃、線膨張係数:6.65×10−5/℃)を用いたこと、ステップS6における加熱温度をポリカーボネートのガラス転移温度に相当する145℃としたこと以外は水準1と同様にして、光変調素子を作製した。
接着剤として上記表1に記載のものを使用し、表3に示す実施例2−1,2−2および比較例2−1〜2−2の光変調素子を作製した。推奨使用温度は25℃とした。
Figure 2018169591
<水準3>
コア層の形成材料としてポリイミド(Tg:274℃、線膨張係数:3.00×10−5/℃)を用いたこと、ステップS6における加熱温度をポリイミドのガラス転移温度に相当する274℃としたこと以外は水準1と同様にして、光変調素子を作製した。
接着剤として上記表1に記載のものを使用し、表4に示す実施例3−1〜3−3および比較例3−1の光変調素子を作製した。推奨使用温度は25℃とした。
Figure 2018169591
評価の結果、ΔC×ΔTが0以上6.5×10−3以下のものは、光挿入損失が抑制され、高性能な光変調素子となっていることが分かった。
なお、比較例3−1については、光挿入損失の測定自体ができなかった。
以上の結果より、本発明が有用であることが分かった。
1…光変調素子、11…基板、12…構造体層、13…下部クラッド層、14…コア層、15…上部クラッド層、16,16A,16B…補助部材、17,17A,17B…接着剤層、120…光導波路

Claims (2)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に設けられ、内部に光導波路を有する構造体層と、
    前記構造体層の表面に設けられた補助部材と、
    前記構造体層と前記補助部材とを接着する接着剤層と、を有する光変調素子であって、
    前記構造体層は、電気光学効果を有する樹脂材料を形成材料として含み、
    前記樹脂材料の線膨張係数と、前記接着剤層の形成材料の線膨張係数との差の絶対値をΔCとし、
    前記光変調素子の通常の動作環境温度の下限温度である−10℃と、前記樹脂材料のガラス転移温度との差の絶対値をΔTとしたとき、
    ΔCとΔTとの積が0以上6.5×10−3以下である光変調素子。
  2. 前記構造体層は、前記樹脂材料を形成材料とするコア層と、
    前記コア層と前記基板との間に設けられたクラッド層とを有し、
    前記樹脂材料は、高分子材料と、
    電気光学効果を発現する有機化合物と、を含み、
    前記光導波路は、前記コア層に設けられている請求項1に記載の光変調素子。
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