JP2020084668A - フードロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】右ハンドル用の操作ケーブル、または、左ハンドル用の操作ケーブルが取付けられても、誤組付を抑制することができるフードロック装置を提供する。【解決手段】フードロック装置5のラッチ20には、ケーブル取付部25を有するとともに、第1方向、第2方向のいずれの方向への回転操作によっても、係合したストライカを解放してロックを解除する係合部26を有する。フードロック装置5は、ラッチ20の第1方向及び第2方向に回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放してラッチ20を鉛直状態に復帰させるスプリング21を有している。【選択図】図1
Description
本発明は、フードロック装置に関する。
自動車等の車両においては、エンジンフードを閉じ位置で固定したり、同固定を解除したりするためのフードロック装置が設けられている。同装置は、車両の前端部に位置するラジエータサポートに対し取り付けられるベースプレートと、エンジンフードの上記固定及び同固定の解除を行うロック機構と、そのロック機構を操作するための車両の幅方向に延びる操作ケーブルと、を備えている。
特許文献1では、ロック機構は、前記ベースプレートに対して回転自在に支持されたラッチとポールを備えている。ラッチはエンジンフードに設けられたストライカを係合し、該ラッチをポールが係合することにより、ストライカを拘束して、ロックするようにしている。これにより、エンジンフードが閉じ位置で固定される。ポールは操作ケーブルにより離脱位置へ回動されると、ラッチとの係合が解除されて、ストライカの上昇が許容されるようにされている。
ところで、特許文献1では、ポールには、ポールの回転軸を挟んで上下に右ハンドル用及び左ハンドル用の操作ケーブル取付部がそれぞれ設けられている。このように右ハンドル用及び左ハンドル用の操作ケーブル取付部が設けられている理由は、フードロック装置を右ハンドル車及び左ハンドル車のいずれにも取付けることができるように、部品の共通化を図るためである。しかし、このような構成の場合、右ハンドル用の操作ケーブルを左ハンドル用の操作ケーブル取付部に取付けたり、或いは左ハンドル用の操作ケーブルを右ハンドル用の操作ケーブル取付部に取付けてしまうという誤組付が生ずる虞がある。
本発明の目的は、右ハンドル用の操作ケーブル、または、左ハンドル用の操作ケーブルが取付けられても、誤組付を抑制することができるフードロック装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
上記課題を解決するフードロック装置は、エンジンフードのストライカを、前記エンジンフードの閉じ位置で係合することにより前記エンジンフードの固定を行い、係合解除により前記固定の解除を行うラッチが回転自在に支持されたロック機構を有するフードロック装置であって、前記ラッチの回転方向の一方を第1方向とし、他方を第2方向とし、前記ラッチには、操作ケーブル取付部を有するとともに、第1方向、第2方向のいずれの方向への回転操作によっても、係合したストライカを解放してロックを解除する係合部を有し、前記ラッチの前記第1方向及び第2方向に回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放して前記ラッチを鉛直状態に復帰させる付勢部材を有する。
上記課題を解決するフードロック装置は、エンジンフードのストライカを、前記エンジンフードの閉じ位置で係合することにより前記エンジンフードの固定を行い、係合解除により前記固定の解除を行うラッチが回転自在に支持されたロック機構を有するフードロック装置であって、前記ラッチの回転方向の一方を第1方向とし、他方を第2方向とし、前記ラッチには、操作ケーブル取付部を有するとともに、第1方向、第2方向のいずれの方向への回転操作によっても、係合したストライカを解放してロックを解除する係合部を有し、前記ラッチの前記第1方向及び第2方向に回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放して前記ラッチを鉛直状態に復帰させる付勢部材を有する。
[実施形態]
以下、フードロック装置の一実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
図3に示すように、車両1におけるエンジンルーム2の上側には、そのエンジンルーム2を開閉すべく上下動することが可能なエンジンフード3が設けられている。なお、本実施形態では、車両1の後方側から前方を見た場合に、右側を右といい、左側を左という。エンジンフード3の前部において、車両幅方向の中央下面には、ストライカ8が固定されている。
以下、フードロック装置の一実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
図3に示すように、車両1におけるエンジンルーム2の上側には、そのエンジンルーム2を開閉すべく上下動することが可能なエンジンフード3が設けられている。なお、本実施形態では、車両1の後方側から前方を見た場合に、右側を右といい、左側を左という。エンジンフード3の前部において、車両幅方向の中央下面には、ストライカ8が固定されている。
図3で実線で示すようにエンジンフード3は、フードロック装置5の後述するキャッチ9から解放された場合、完全開放である最大限の開放角度で開くことが可能である。また、車両1におけるエンジンルーム2の前側(図3の紙面と直交する方向の手前側)には、四角枠状をなすラジエータサポート4が設けられている。同ラジエータサポート4においては、その上部が合成樹脂材料によって形成されており、上部以外の部分が金属材料によって形成されている。そして、ラジエータサポート4の上部には、エンジンフード3を閉じ位置(図3の二点鎖線)で固定したり同固定を解除したりするためのフードロック装置5が取り付けられている。
図1及び図5はそれぞれ、フードロック装置5を車両1の後方側から見た状態、及び、前方側から見た状態を示している。同装置5は、ラジエータサポート4の上部に対し取り付けられるベースプレート6を備えている。
ベースプレート6は車両の幅方向(左右方向)に延びる平板部6aを有している。図1、図2及び図5に示すように、ベースプレート6の平板部6aにおいて、正面側(車両1の前方側)には、ベースプレート6と平行な板状のキャッチ9が設けられている。キャッチ9は、その基端部がベースプレート6の平板部6aに対しピン10周りに回転可能に支持されている。キャッチ9は、エンジンフード3(図5)のストライカ8に対応して設けられている。すなわち、ストライカ8がエンジンフード3を開いた状態から閉じ位置に移動させたとき、キャッチ9はストライカ8により上方から当接されると回転されてストライカ8の下方への進入を許容する。
キャッチ9は、ストライカ8の下方への進入を許容した後は、復帰回転してストライカ8の抜き出しを禁止し、エンジンフード3の完全開放を阻止するためのものである。完全開放は、エンジンフード3が最大限の開放角度で開いた状態である。キャッチ9は、ピン10を挟んで基端部の左側部から上方へ延出したレバー部11と、基端部の右側部から上方へ延出したアーム部12と、を備えている。
図1、図5に示すように、アーム部12は、ピン10よりも右側に位置するように形成されている。アーム部12の上端部には、レバー部11側に向けて鉤状に曲がった部分であるフック部13が設けられている。このフック部13の上端面は、レバー部11側に向かうほど下方に位置するように傾斜する傾斜面となっている。
キャッチ9は、ピン10を中心とする回転方向において、フック部13が、平板部6aの上部よりも上方の位置であって、ストライカ8の移動軌跡上に位置する位置(干渉位置)に、スプリング14の付勢力によって保持されている。
なお、この干渉位置にキャッチ9が保持されるのは、キャッチ9は、スプリング14により付勢されている状態でベースプレート6に設けられた図示しないストッパに係止されるためである。なお、図2に示すようにスプリング14は一端がレバー部11側の基端部に掛け止められ、他端がベースプレート6の平板部6aの下部に掛け止められている。
そして、開いた状態のエンジンフード3を閉じ位置に向けて下方に移動させると、エンジンフード3のストライカ8がキャッチ9のフック部13の上端面に当接する。更に、ストライカ8が、フック部13を下方へ押すと、スプリング14の付勢力に抗してキャッチ9が回転されて、ストライカ8の下方へ移動が許容される。このようにストライカ8がフック部13よりも下方への移動が許容されると、フック部13(キャッチ9)は、スプリング14の付勢力によって元の位置に戻る。
一方、閉じ位置にあるエンジンフード3を開くときには、同エンジンフード3の閉じ位置での固定を解除した状態のもと、レバー部11を操作してフック部13をストライカ8の移動軌跡上から退避するようにキャッチ9をピン10周りに回転させる。このときのキャッチ9の回転はスプリング14の付勢力に抗して行われる。ストライカ8がフック部13の上方に位置した後、エンジンフード3を持ち上げることによりエンジンフード3が開いた状態とされる。ちなみに、エンジンフード3を開いた後、上述したキャッチ9のレバー部11の操作をやめると、キャッチ9はスプリング14の付勢力によってピン10周りに元の干渉位置まで回転する。
図5に示すように、フードロック装置5には、車両のエンジンフード3を閉じ位置で固定したり同固定の解除を行ったりするロック機構15が設けられている。また、同装置には、上記ロック機構15を操作するための操作ケーブル16が車両の幅方向に延びるように設けられている。
図1に示すように、操作ケーブル16においては、ケーブルアウタ17の内部をワイヤ18が通過しており、且つ、同ワイヤ18におけるケーブルアウタ17から突出している部分の先端部には球状の連結部19が設けられている。この連結部19は、操作ケーブル16のワイヤ18と上記ロック機構15とを繋ぐためのものである。本実施形態では、車両1は右ハンドル車であり、操作ケーブル16は右ハンドル用の操作ケーブルである。
ロック機構15は、ベースプレート6の背面側(車両1の後方側)に位置するラッチ20と、ラッチ20を回転時に付勢する付勢部材としてのスプリング21が含まれている。ラッチ20は、ベースプレート6において、平板部6aと平行となる板状に形成されていて、その上下方向の略中央部が平板部6aの背面(後面)側に対してピン23周りに回転可能に支持されている。図5に示すように、ピン23及びピン10は、正面視した場合、その軸心が上下に延びる鉛直線上に配置されている。本実施形態では、前方からラッチ20を見た場合に、ラッチ20の回転方向において、反時計回り方向を第1方向とし、時計回りへ方向を第2方向としている。
図1、図2及び図4に示すようにラッチ20の上端部は前方へ折り曲げ形成された係合部26を有している。係合部26は、頂部26aと、頂部26aからそれぞれ右方及び左方へ向かうほど下方へ斜状に下がる一対の傾斜壁26b、26cを備えている。すなわち、係合部26は、上端面が頂部26aを有していて断面が山形状に形成されている。係合部26の頂部26aは、ストライカ8の移動軌跡を基準にして左側に寄るように、偏位して配置されている。このように頂部26aが偏位することにより、ストライカ8が、頂部26aよりも上方から下方へ移動してきた場合、ストライカ8は、傾斜壁26bに当接してラッチ20を、頂部26aが偏位された側の方向のみ、すなわち、第2方向へ回転させるようにしている。
傾斜壁26b、26cの各上面は、それぞれ右方及び左方へ向かうほど下方へ斜状に下がる傾斜面を有している。傾斜壁26cの前部からは、当接部26dが折り曲げ形成されている。当接部26dは、ラッチ20が図5に示す鉛直状態となっているときにおいて、ストライカ8の移動軌跡の直前まで延出するように配置される。ラッチ20が鉛直状態において、後述するばね22の付勢によりストライカ8が傾斜壁26bの下面よりも下方から上方へ移動するのを、当接部26dは、傾斜壁26bの下面とともに当接してその移動を阻止する。なお、図5及び図9に示すようにラッチ20の鉛直状態とは、ラッチ20の長手方向の向きが上下方向に沿って配置されて、係合部26がピン23を通過する鉛直線上に位置する状態をいう。
そして、ラッチ20はその回転方向において、第1方向(図5において、反時計回り方向)、または、第2方向(図5において、時計回り方向)に回転することにより、ストライカ8に対する係合部26の係合が解放されてロックを解除する。
図1及び図2に示すようにベースプレート6の前面には、ばね22が取り付けられている。ばね22は、本実施形態では、ねじりコイルバネであって、ベースプレート6に突設したガイド片6bに巻装された巻き部22aを有している。ばね22の巻き部22aから車両1の幅方向に延出されてピン23の上側に位置する一方の延出部22bは、ストライカ8の移動軌跡を横切るように配置されていて、上方から移動してきたストライカ8に当接可能に配置されている。そして、ストライカ8が当接した際に、ストライカ8を上方へ付勢する。
該延出部22bの端部22cは、図5に示すようにストライカ8が係合部26によりロックされた状態では、ベースプレート6のピン23よりも左側部の上部から上方へ延出されたL字状のストッパ6cに対して離間するように形成されている。また、該端部22cは、ストライカ8が係合部26によるロックが解除された場合には、前記ストッパ6cに係止されるまで、自身の付勢力により移動可能に形成されている。ばね22の巻き部22aから下方へ延出された他方の端部は、ベースプレート6に対して掛止められている。
図1に示すように、ピン23よりも下方へ延出したラッチ20の下端部には、操作ケーブル16におけるワイヤ18の先端の連結部19が係止されるケーブル取付部25が設けられている。ケーブル取付部25は、操作ケーブル取付部に相当する。
ケーブル取付部25は、ラッチ20の下端部から後方へ向かって突出された部位に対してC字状を成していて、すなわち、操作ケーブルのワイヤが前方から挿入可能な溝25aを有している。なお、溝25aにおいて、前記ワイヤが挿入可能な開口が向く方向は前方に限定するものではなく、前方以外の他の方向であってもよい。
ベースプレート6の平板部6aにおいて、ラッチ20を挟む右側部及び左側部の下部には、第1アウタ取付部30A、及び第2アウタ取付部30Bがそれぞれ設けられている。第1アウタ取付部30A、及び第2アウタ取付部30Bは、それぞれ上方から切り込み形成された嵌合溝31A、31Bを有している。なお、本実施形態では、車両1が右ハンドル車のため、右ハンドル用の操作ケーブル16がフードロック装置5に取り付けられているが、車両1が左ハンドル車の場合には、フードロック装置5は左ハンドル用の操作ケーブルの取付けも可能となっている。
すなわち、図1、図2に示すように右ハンドル用の操作ケーブル16の球状の連結部19がケーブル取付部25(溝25a)に取り付けられたときには、操作ケーブル16のケーブルアウタ17は、先端外周全体に形成された溝17aが第1アウタ取付部30Aの嵌合溝31Aに対して嵌合することにより取付けられる。また、図1の二点鎖線で示すように左ハンドル用の操作ケーブル16Aの球状の連結部19Aがケーブル取付部25(溝25a)に取り付けられたときには、操作ケーブル16Aのケーブルアウタ17Aは、先端外周全体に形成された溝17Aaが第2アウタ取付部30Bの嵌合溝31Bに対して嵌合することにより取付けられる。操作ケーブル16(16A)は、車両1の運転席まで延びて同運転席に設けられている図示しない操作レバーに繋がっている。
ラッチ20の下端部はスプリング21の一端に掛止められている。スプリング21の他端は、ベースプレート6の右側部に掛け止められている。本実施形態のスプリング21は、圧縮引張りコイルバネである。すなわち、スプリング21は、ラッチ20が鉛直状態のときを基準にして、第2方向(図5において、時計回り方向)に回転する際は、圧縮されて蓄力され、第1方向(図5において、反時計回り方向)へ回転する際は、引張られて蓄力される。
[実施形態の作用]
次に、本実施形態におけるフードロック装置5の作用について説明する。
<1.右ハンドル車の場合>
図5では、図示しない操作レバーの操作を通じて上記ワイヤ18の引っ張りがされていない状態であって、ロック機構15によりストライカ8がロックされた状態となっており、エンジンフード3は閉じ位置での固定がされている。この場合、ラッチ20は、鉛直状態にあり、ストライカ8がばね22により付勢されて係合部26の傾斜壁26bの下面及び当接部26dに当接されている。
次に、本実施形態におけるフードロック装置5の作用について説明する。
<1.右ハンドル車の場合>
図5では、図示しない操作レバーの操作を通じて上記ワイヤ18の引っ張りがされていない状態であって、ロック機構15によりストライカ8がロックされた状態となっており、エンジンフード3は閉じ位置での固定がされている。この場合、ラッチ20は、鉛直状態にあり、ストライカ8がばね22により付勢されて係合部26の傾斜壁26bの下面及び当接部26dに当接されている。
これを解除するときには、運転席の上記操作レバーの操作により、操作ケーブル16のワイヤ18が操作レバー側に引張られる。これにより、ワイヤ18の先端の連結部19と繋がっているラッチ20がスプリング21を圧縮して蓄力しながら、すなわち、スプリング21の付勢力に抗してピン23周りに第2方向(時計回り方向)に回転する。図6及び図9の二点鎖線で示すようにこの回転により、ストライカ8の移動軌跡上にあった係合部26が退避されて、ストライカ8は係合部26との係合が解除(すなわち、ロック機構15のロックが解除)される。また、係合部26との係合が解除されたストライカ8は、ばね22(図6参照)の付勢力により上方に移動されてエンジンフード3の閉じ位置での固定が解除される。
このときには、ばね22は、延出部22bの端部がストッパ6cに係止されるまで、ストライカ8を上方へ移動させる。しかし、キャッチ9のフック部13によりストライカ8の上方への抜き出しは禁止される(図7参照)。また、ラッチ20は、図示しない操作ケーブルのワイヤ18の操作が解除されると、スプリング21の蓄力の解放(すなわち、付勢力)により鉛直状態に復帰する。
この後、レバー部11が操作されてキャッチ9がスプリング14の付勢力に抗してピン10周りに回転されることにより、フック部13がストライカ8の移動軌跡上から退避する。この後、エンジンフード3が持ち上げられることによりエンジンフード3が開いた状態とされる(図8参照)。キャッチ9は、レバー部11の操作が解除されると、スプリング14の付勢力によりピン10周りに回転されて、フック部13がストライカ8の移動軌跡上に位置する干渉位置に復帰する。
開いた状態のエンジンフード3を閉じる場合、エンジンフード3が閉じ位置に向けて下方に移動され、ストライカ8がフック部13の上端面(傾斜面)をスプリング14の付勢力に抗して押圧してキャッチ9を回転させる。これによりストライカ8のフック部13よりも下方への進入を許容する。ストライカ8の進入を許容したキャッチ9は、スプリング14の付勢力により、ピン10周りに回転されて、フック部13がストライカ8の移動軌跡上に位置する干渉位置に復帰する。このとき、ストライカ8は、ばね22を弾性変形させるため、そのばね22の付勢力を上方に向けて受けるようになる。
フック部13よりも下方へ進入したストライカ8が係合部26の傾斜壁26bに当接すると、図11に示すように、ラッチ20はスプリング21を圧縮(蓄力)しながら、ピン23回りで第2方向(時計回り方向)に回転する。これにより、ストライカ8の下方へ移動が許容される。
ストライカ8が係合部26よりも下方へ移動すると、ラッチ20はスプリング21の付勢力によりピン23回りで第1方向へ回転して鉛直状態に復帰する。このとき、ストライカ8はばね22の付勢力により、係合部26の傾斜壁26bの下面及び当接部26dに当接されて拘束される。その結果、ストライカ8は、ロック機構15によりロックされて、エンジンフード3(ストライカ8)が閉じ位置で固定される。
<2.左ハンドル車の場合>
左ハンドル車の場合は、フードロック装置5は、図1の二点鎖線で示すように、操作ケーブル16Aの連結部19Aがケーブル取付部25(溝25a)に取り付けられる。また、操作ケーブル16Aのケーブルアウタ17Aは、第2アウタ取付部30Bの嵌合溝31Bに対して嵌合することにより取付けられている。この場合、右ハンドル車の場合と同様にラッチ20は、ばね22により付勢されて鉛直状態となっていて、ストライカ8は係合部26の傾斜壁26bの下面及び当接部26dに当接されている。
左ハンドル車の場合は、フードロック装置5は、図1の二点鎖線で示すように、操作ケーブル16Aの連結部19Aがケーブル取付部25(溝25a)に取り付けられる。また、操作ケーブル16Aのケーブルアウタ17Aは、第2アウタ取付部30Bの嵌合溝31Bに対して嵌合することにより取付けられている。この場合、右ハンドル車の場合と同様にラッチ20は、ばね22により付勢されて鉛直状態となっていて、ストライカ8は係合部26の傾斜壁26bの下面及び当接部26dに当接されている。
これを解除するときには、運転席の上記操作レバーの操作により、操作ケーブル16Aのワイヤ18Aが操作レバー側に引張られる。これにより、ワイヤ18Aの先端の連結部19Aと繋がっているラッチ20がスプリング21を伸張して蓄力しながら、すなわち、スプリング21の付勢力に抗してピン23周りに第1方向(反時計回り方向)に回転する(図10参照)。この回転により、ストライカ8の移動軌跡上にあった係合部26が退避されて、ストライカ8は係合部26との係合が解除(すなわち、ロック機構15のロックが解除)される。
また、係合部26との係合が解除されたストライカ8は、右ハンドル車の場合と同様にばね22(図6参照)の付勢力により上方に移動されてエンジンフード3の閉じ位置での固定が解除される。以後の、フードロック装置5の各部材の動作は、右ハンドル車の場合と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態のフードロック装置5のラッチ20には、ケーブル取付部25(操作ケーブル取付部)を有するとともに、第1方向、第2方向のいずれの方向への回転操作によっても、係合したストライカ8を解放してロックを解除する係合部26を有する。また、フードロック装置5は、ラッチ20の第1方向及び第2方向に回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放してラッチ20を鉛直状態に復帰させるスプリング21(付勢部材)を有している。
(1)本実施形態のフードロック装置5のラッチ20には、ケーブル取付部25(操作ケーブル取付部)を有するとともに、第1方向、第2方向のいずれの方向への回転操作によっても、係合したストライカ8を解放してロックを解除する係合部26を有する。また、フードロック装置5は、ラッチ20の第1方向及び第2方向に回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放してラッチ20を鉛直状態に復帰させるスプリング21(付勢部材)を有している。
この結果、ラッチに対して右ハンドル用の操作ケーブル及び左ハンドル用の操作ケーブルを取付ればよいため、誤組付を抑制することができる。さらに、右ハンドル専用、及び左ハンドル専用の操作ケーブル取付部を設ける必要がないことから、装置自体の質量の低減ができる。さらには、左ハンドル車用専用のフードロック装置及び右ハンドル車専用のフードロック装置を別々に製造する必要がなくなり、装置の種類を少なくすることができるとともに部品費等のコストを低減することができる。
また、従来は、ストライカに対するラッチによるロック状態の保持は、ポールに係合させることにより行っている。そして、ポールに接続された接続ケーブルを操作してポールとラッチとの係合を解除することにより、ラッチによるロックを解除するようにしている。本実施形態では、上記の構成により、ポールを省略して、ロック機構の構成を簡略化することができる。
(2)本実施形態では、ラッチ20の係合部26は、その上端面に頂部26aを有する山形に形成されている。この結果、ラッチ20の回転方向、すなわち、第1方向と第1方向とは反対方向の第2方向のいずれか一方の方向にラッチを回転させるだけで、係合部26に係合したストライカ8を解放することができる。この結果、ラッチのいずれか一方の回転方向を左ハンドル用の操作ケーブルによって回転させる方向とし、他方の回転方向を右ハンドル用の操作ケーブルによって回転させる方向とすることができる。
(3)本実施形態では、係合部26の頂部26aは、ストライカ8の移動軌跡を基準にして左側に偏位して配置されていて、エンジンフード3の閉鎖時に下方へ移動するストライカ8に押圧されて、第2方向のみに回転される。
この結果、ラッチ20はエンジンフード3の閉鎖時に下方へ移動するストライカ8に押圧されて、第2方向のみに回転できる。このように、エンジンフードの閉鎖時には、ラッチの回転方向を一定の方向にして、ラッチの回転動作を不安定とすることがない。
(4)本実施形態では、スプリング21(付勢部材)は、ラッチ20の回転方向のうち、ラッチ20が第2方向に回転する際は圧縮(蓄力)され、反対方向である第1方向に回転する際は、引っ張られて蓄力される単一の部材としている。この結果、簡単な構成により、ラッチ20を回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放して前記ラッチを鉛直状態に復帰させる回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放して前記ラッチを鉛直状態に復帰させることができる。
(5)本実施形態では、ケーブル取付部25(操作ケーブル取付部)は、左ハンドル用及び右ハンドル用に共通して設けられている。この結果、それぞれ左ハンドル用及び右ハンドル用にそれぞれ個別に設ける場合に比して、より誤組付を抑制することができる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・前記実施形態では、傾斜壁26b、26cの傾斜面は、平面に限定されず、下方にいくほど円弧状に形成されていてもよい。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・前記実施形態では、傾斜壁26b、26cの傾斜面は、平面に限定されず、下方にいくほど円弧状に形成されていてもよい。
・前記実施形態では、当接部26dは折り曲げ形成されているが、別部材で係合部26に固定してもよく、或いは、係合部26の下面を肉厚にして一体形成してもよい。
・前記実施形態では、ばね22は、ねじりコイルバネとしたが、板バネ等の他のバネであってもよい。
・前記実施形態では、ばね22は、ねじりコイルバネとしたが、板バネ等の他のバネであってもよい。
・前記実施形態では、第1アウタ取付部30A、及び第2アウタ取付部30Bをベースプレート6に設けたが、第1アウタ取付部30A、及び第2アウタ取付部30Bをベースプレート6に設けることに限定するものではない。例えば、フードロック装置5を取付固定するラジエータサポート4等の車体側に設けてもよい。
・前記実施形態では、スプリング21を一つとしたが、スプリング21の数は一つに限定するものではなく、複数であってもよい。また、スプリング21が複数、例えば2つの場合は、ラッチ20の左右両側にそれぞれスプリングを配置してもよい。
・スプリング21は、圧縮引張りコイルバネの代わりに、板バネ等の他のバネであってもよい。
・前記実施形態では、操作ケーブル取付部を共通として、右ハンドル用の操作ケーブル及び左ハンドル用の操作ケーブルを取付け可能とした。この代わりに、右ハンドル用の操作ケーブル及び左ハンドル用の操作ケーブルの各ワイヤを連結する操作ケーブル取付部をそれぞれ独立して、すなわち、一対設けてもよい。
・前記実施形態では、操作ケーブル取付部を共通として、右ハンドル用の操作ケーブル及び左ハンドル用の操作ケーブルを取付け可能とした。この代わりに、右ハンドル用の操作ケーブル及び左ハンドル用の操作ケーブルの各ワイヤを連結する操作ケーブル取付部をそれぞれ独立して、すなわち、一対設けてもよい。
・前記実施形態では、付勢部材をスプリング21としたが、スプリング21に代えて、ラッチ20のピン23よりも下部に、付勢部材としての重り部を一体または別対に連結することにより、ラッチを鉛直状態になるようにしてもよい。
・係合部26の頂部26aの偏位の方向をストライカ8の移動軌跡を基準に前記実施形態とは反対方向に偏位させてもよい。
・前記実施形態では、スプリング21を1つとしたが、スプリング21の個数は1つに限定するものではなく、複数としてもよい。例えば、スプリング21を一対とする場合は、ラッチ20を基準として左右のそれぞれに配置してもよい。また、スプリング21を1つにした場合、ラッチ20を挟んで前記実施形態とは反対側に配置してもよい。或いは、ラッチ20の下端に対して下方に位置するようにスプリング21を配置してもよい、この場合、スプリング21は、引っ張りばねで構成するものとする。
・前記実施形態では、スプリング21を1つとしたが、スプリング21の個数は1つに限定するものではなく、複数としてもよい。例えば、スプリング21を一対とする場合は、ラッチ20を基準として左右のそれぞれに配置してもよい。また、スプリング21を1つにした場合、ラッチ20を挟んで前記実施形態とは反対側に配置してもよい。或いは、ラッチ20の下端に対して下方に位置するようにスプリング21を配置してもよい、この場合、スプリング21は、引っ張りばねで構成するものとする。
1…車両、2…エンジンルーム、3…エンジンフード、4…ラジエータサポート、5…フードロック装置、6…ベースプレート、6a…平板部、6b…ガイド片、6c…ストッパ、8…ストライカ、9…キャッチ、10…ピン、11…レバー部、12…アーム部、13…フック部、14…スプリング、15…ロック機構、16、16A…操作ケーブル、17、17A…ケーブルアウタ、17a、17Aa…溝、18、18A…ワイヤ、19…連結部、20…ラッチ、21…スプリング(付勢部材)、22…ばね、22a…巻き部、22b…延出部、22c…端部、23…ピン、25…ケーブル取付部(操作ケーブル取付部)、25a…溝、26…係合部、26a…頂部、26b、26c…傾斜壁、26d…当接部、30A…第1アウタ取付部、30B…第2アウタ取付部。
Claims (5)
- エンジンフードのストライカを、前記エンジンフードの閉じ位置で係合することにより前記エンジンフードの固定を行い、係合解除により前記固定の解除を行うラッチが回転自在に支持されたロック機構を有するフードロック装置であって、
前記ラッチの回転方向の一方を第1方向とし、他方を第2方向とし、前記ラッチには、操作ケーブル取付部を有するとともに、第1方向、第2方向のいずれの方向への回転操作によっても、係合したストライカを解放してロックを解除する係合部を有し、
前記ラッチの前記第1方向及び第2方向に回転時には蓄力され、回転後はその蓄力を解放して前記ラッチを鉛直状態に復帰させる付勢部材を有するフードロック装置。 - 前記ラッチの前記係合部は、その上端面に頂部を有する山形に形成されている請求項1に記載のフードロック装置。
- 前記係合部の頂部は、前記ストライカの移動軌跡に対して左右いずれか一方に偏位して配置されていて、前記エンジンフードの閉鎖時に下方へ移動するストライカに押圧されて、前記いずれか一方の偏位された側の方向のみに回転される請求項2に記載のフードロック装置。
- 前記付勢部材は、前記回転方向のうち、前記ラッチが一方の方向に回転する際は圧縮され、反対方向に回転する際は、引っ張られる単一の部材としている請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のフードロック装置。
- 前記操作ケーブル取付部は、左ハンドル用及び右ハンドル用に共通して設けられている請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のフードロック装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018223291A JP2020084668A (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | フードロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018223291A JP2020084668A (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | フードロック装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020084668A true JP2020084668A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70906943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018223291A Pending JP2020084668A (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | フードロック装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020084668A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112412199A (zh) * | 2020-11-24 | 2021-02-26 | 江苏金鼎汽车锁制造有限公司 | 一种汽车用的面罩锁体 |
-
2018
- 2018-11-29 JP JP2018223291A patent/JP2020084668A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112412199A (zh) * | 2020-11-24 | 2021-02-26 | 江苏金鼎汽车锁制造有限公司 | 一种汽车用的面罩锁体 |
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