JP2020084195A - 付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物 - Google Patents

付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020084195A
JP2020084195A JP2018214176A JP2018214176A JP2020084195A JP 2020084195 A JP2020084195 A JP 2020084195A JP 2018214176 A JP2018214176 A JP 2018214176A JP 2018214176 A JP2018214176 A JP 2018214176A JP 2020084195 A JP2020084195 A JP 2020084195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
relative density
light beam
material powder
amount
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018214176A
Other languages
English (en)
Inventor
高史 溝口
Takashi Mizoguchi
高史 溝口
貴也 長濱
Takaya Nagahama
貴也 長濱
誠 田野
Makoto Tano
誠 田野
星野 広行
Hiroyuki Hoshino
広行 星野
哲弥 三井
Tetsuya Mitsui
哲弥 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2018214176A priority Critical patent/JP2020084195A/ja
Publication of JP2020084195A publication Critical patent/JP2020084195A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】部位ごとに要求される機械強度を十分に確保しつつ付加製造に要する時間を短縮可能な付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物を提供することを目的とする。【解決手段】付加製造装置1は、昇降動作可能な昇降テーブル22を有する造形物支持装置20と、付加製造物Wを造形する造形位置に金属粉末Pを供給する粉末供給装置30と、造形位置に供給された金属粉末Pを溶融する光ビーム40aを照射する光ビーム照射装置40と、を含んで構成される。そして、付加製造装置1は、付加製造物Wの部位ごとに要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度を表す特性データに基づき、造形位置に供給された金属粉末Pが溶融した後に凝固した状態における特性を付加製造物Wの部位ごとに変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物に関する。
付加製造には、例えば、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)方式、指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition)方式等があることが知られている。粉末床溶融結合方式は、平らに敷き詰められた粉末に対して、光ビーム(レーザビーム及び電子ビーム等)を照射することで付加製造を行う。粉末床溶融結合方式には、SLM(Selective Laser Melting)、EBM(Electron Beam Melting)等が含まれる。指向性エネルギー堆積方式は、光ビームの照射と粉末材料の吐出を行うヘッドの位置を制御することで付加製造を行う。指向性エネルギー堆積方式には、LMD(Laser Metal Deposition)、DMP(Direct Metal Printing)等が含まれる。
そして、従来から、例えば、下記特許文献1に開示された付加製造装置及び付加製造方法が知られている。従来の付加製造装置及び付加製造方法は、粉末床溶融結合方式を採用しており、付加製造物の形状データに基づき予め設定された積層厚さごとに作成されたスライス像データにより薄層を成形する像形成手段と、薄層を積層位置に搬送して転写定着するための転写定着手段と、を備えている。これにより、従来の付加製造装置及び付加製造方法においては、スライス像データに基づいて成形された薄層を積層位置に搬送して転写定着することで、付加製造物を形成するようになっている。
特開2003−71940号公報
ところで、上記従来の付加製造装置及び付加製造方法においては、薄層は予め設定された積層厚さに対応して一定の層厚とされる。従って、付加製造物の積層方向の寸法が大きくなるほど、積層する薄層の数が増加するため付加製造に要する時間が増大する。そして、一定の層厚とされた薄層を積層して成形される付加製造物においては、全体が均一の機械強度を有する。しかしながら、付加製造物は、使用形態(使用環境)によっては、部位ごとに要求される機械強度が異なる場合もある。
本発明は、上記課題を解決するためのなされたものであり、その目的は、部位ごとに要求される機械強度を十分に確保しつつ付加製造に要する時間を短縮可能な付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物を提供することにある。
本発明に係る付加製造装置は、所定の厚さで分割した分割層ごとに造形された三次元形状を有する付加製造物を支持可能な製造物支持部と、付加製造物を造形する造形位置に同種の材料粉末を供給する粉末供給部と、造形位置に供給された材料粉末を溶融する光ビームを照射する光ビーム照射部と、を含んで構成された付加製造装置であって、付加製造物の部位ごとに要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度を表す特性データに基づいて、粉末供給部が造形位置に材料粉末を供給し、且つ、光ビーム照射部が造形位置に供給された材料粉末を溶融させる、ように構成される。
又、本発明に係る付加製造方法は、層状に配置された同種の材料粉末に光ビームを照射し、材料粉末を溶融した後に凝固させることによって三次元形状を有する付加製造物を製造する付加製造方法であって、付加製造物の部位ごとに要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度を表す特性データを記憶するデータ記憶工程と、データ記憶工程にて記憶した特性データに基づいて、付加製造物を造形する造形位置に材料粉末を供給する粉末供給工程と、粉末供給工程にて造形位置に供給された材料粉末を溶融させる光ビーム照射工程と、を含んで構成される。
更に、本発明に係る付加製造物は、層状に配置された材料粉末に光ビームを照射し、材料粉末を要求した後に凝固させて三次元造形された付加製造物であって、部位ごとに要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度となるように部位が造形される。
これらによれば、付加製造物に要求される目標機械強度と相関関係にある目標相対密度、即ち、特性に基づいて、材料粉末を造形位置に供給することができると共に、造形位置に供給された材料粉末を光ビームによって溶融することができる。これにより、付加製造物の部位ごとに特性を変更することができる。
従って、特性データに基づいて目標相対密度が低い部位(換言すれば、要求される機械強度が低い部位)においては、粉末供給部が造形位置に供給する材料粉末の層厚や量を大きくしたり、光ビーム照射部が造形位置に流入する光ビームの入熱量を小さくしたりすることが可能となる。その結果、目標相対密度が低い部位を造形する場合には、造形に要する時間、換言すれば、付加製造物を付加製造する時間を短縮することができる。
一方、目標相対密度が高い部位(換言すれば、要求される機械強度が高い部位)を造形する場合には、例えば、粉末供給部が造形位置に供給する材料粉末の層厚を小さくしたり、光ビーム照射部が造形位置に流入する光ビームの入熱量を大きくしたりすることができる。その結果、目標相対密度が高い部位を造形する場合には、従来と同等の時間により付加製造物を付加製造することができる。従って、目標機械強度と相関関係にある目標相対密度、即ち、特性を付加製造物の部位ごとに変更することにより、付加製造物に要求される機械強度を十分に確保しつつ、付加製造に要する時間を短縮することができる。
付加製造装置の構成を概略的に示す概略図である。 付加製造物を示す斜視図である。 図1の制御装置の構成を示すブロック図である。 相対密度と機械強度(降伏応力)との関係を示すグラフである。 付加製造物における層厚、相対密度(機械強度)及び造形速度の関係を説明するための図である。 材料粉末の層厚が大きい場合において光ビームが照射される部位の周囲の拡大図である。 材料粉末の層厚が小さい場合において光ビームが照射される部位の周囲の拡大図である。 付加製造方法を示すフローチャートである。 第一変形例に係り光ビームが照射される部位の周囲の拡大図である。 第二変形例に係り光ビームが照射される部位の周囲の拡大図である。 第三変形例に係り光ビームが照射される部位の周囲の拡大図である。
(1.付加製造装置1の構成)
付加製造装置1の構成について図面を参照しながら説明する。付加製造装置1は、粉末床溶融結合方式であってSLM方式を採用する。付加製造装置1は、図1に示すように、層状に配置された(積層された)材料粉末としての金属粉末Pに光ビームを照射することを繰り返すことによって、図2に示す付加製造物Wを付加製造する装置である。
ここで、光ビームは、例えば、レーザビーム及び電子ビームを含み、その他に金属粉末Pを溶融することができる種々のビームを含む。又、レーザビームには、例えば、近赤外波長のレーザ、COレーザ(遠赤外レーザ)、半導体レーザ等、種々のレーザを適用でき、対象の金属粉末P(例えば、アルミ、ステンレス鋼、チタン、マルエージング鋼)に応じて適宜決定される。
金属粉末Pを用いて付加製造された付加製造物Wは、図2に示すように、小径部W1及び大径部W2を有する軸状製品であるロータ等である。ここで、本実施形態においては、付加製造物Wにおいて、小径部W1は大径部W2よりも高い機械強度が要求されるものとする(図8を参照)。尚、付加製造物Wとしては、軸状製品に限られるものではなく、種々の形態を有する製品であっても良いことは言うまでもない。
付加製造装置1は、図1に示すように、チャンバ10、製造物支持部としての造形物支持装置20、粉末供給部としての粉末供給装置30、光ビーム照射装置40、第一加熱装置50、第二加熱装置60及び制御装置70を備えている。チャンバ10は、内部の空気を、例えば、He(ヘリウム)や、N(窒素)、Ar(アルゴン)等の不活性ガスに置換可能となるように構成されている。尚、チャンバ10は、内部を不活性ガスに置換することに代えて、内部を減圧可能な構成としても良い。
造形物支持装置20は、チャンバ10の内部に設けられ、付加製造物Wを造形(付加製造)するための支持部材により構成されている。造形物支持装置20は、造形用容器21、昇降テーブル22及びベース23を備えている。造形用容器21は、上側に開口部を有し、上下方向の軸線に平行な内壁面を有している。昇降テーブル22は、造形用容器21の内部にて内壁面に沿うように上下方向に移動可能に設けられる。ベース23は、昇降テーブル22の上面に着脱可能に載置され、ベース23の上面が付加製造物Wを造形するための部位となる。即ち、ベース23は、上面に層状に金属粉末Pを配置すると共に、付加製造時に付加製造物Wを支持する。
粉末供給装置30は、チャンバ10の内部であって、造形物支持装置20に隣接して設けられている。粉末供給装置30は、粉末収納容器31、供給テーブル32及びリコータ33を備えている。粉末収納容器31は上側に開口部を有しており、粉末収納容器31の開口部の高さは造形用容器21の開口部の高さと同一に設けられている。粉末収納容器31は、上下方向の軸線に平行な内壁面を有している。供給テーブル32は、粉末収納容器31の内部にて内壁面に沿うように上下方向に移動可能に設けられている。そして、粉末収納容器31内において、供給テーブル32の上側領域に、金属粉末Pが収納されている。
リコータ33は、造形用容器21の開口部及び粉末収納容器31の開口部の全領域に亘って、両開口部の上面に沿って往復移動可能に設けられている。リコータ33は、左右方向にて、例えば、右側から左側に移動するときに、粉末収納容器31の開口部から盛り出ている金属粉末Pを造形用容器21に運搬する。更に、リコータ33は、後に詳述するように降下した昇降テーブル22と共に降下したベース23の上面にて運搬した金属粉末Pを均し、ベース23の上面にて同種の金属粉末Pを層状に配置する。ここで、「同種」とは、材料粉末である金属粉末Pの材質が同一であり、金属粉末Pの平均粒径等が所定の範囲内に含まれることを意味する。
光ビーム照射装置40は、ベース23の上面に層状に配置された同種の金属粉末Pの表面に、光ビーム40aを照射する。光ビーム40aは、上述したように、レーザビーム及び電子ビーム等である。光ビーム照射装置40は、層状に配置された金属粉末Pに光ビーム40aを照射することにより、金属粉末Pを金属粉末Pの融点以上の温度に加熱する。これにより、金属粉末Pは溶融してその後凝固し、一体化された層からなる付加製造物Wが造形される。即ち、隣接する金属粉末P同士は、溶融接合によって一体化される。
又、光ビーム照射装置40は、予め設定されたプログラムに従って、光ビーム40aの照射位置を移動すると共に、ビーム強度を変更することができる。光ビーム40aの照射位置を移動することにより、所望の形状(例えば、軸状)を有する付加製造物Wを造形することができる。又、光ビーム40aのビーム強度を変化させることにより、金属粉末Pの被照射部分における投入エネルギー(被照射部分に流入する入熱量)が変化し、金属粉末P同士の接合強度を変化させることができる。ここで、光ビーム40aは、第一加熱装置50及び第二加熱装置60により加熱される範囲よりも狭い範囲に対して照射可能である。
第一加熱装置50は、チャンバ10内において、ベース23の上面に対向する位置に配置されている。第一加熱装置50は、放射により金属粉末Pを加熱するものであり、例えば、赤外線ヒータ等を適用できる。第一加熱装置50は、ベース23の上に層状に配置された金属粉末Pの層表面を放射熱により直接加熱する。金属粉末Pの層表面とは、ベース23の上面(又は、付加製造物Wを造形する造形位置)にて層状に配置された金属粉末Pにおける上側に露出した面である。
第一加熱装置50は、金属粉末Pの層表面を金属粉末Pの融点未満の温度で加熱し続けることができる。即ち、第一加熱装置50は、光ビーム40aのように、金属粉末Pを溶融させることはない。又、第一加熱装置50は、光ビーム照射装置40と同様に、加熱範囲を左右方向及び左右方向に直交する方向、即ち、これらの方向を含む水平方向に移動させることができる。
第一加熱装置50による加熱範囲は、光ビーム40aの照射範囲より広い範囲に設定されており、光ビーム40aの照射範囲を一部に含む範囲に設定されている。即ち、第一加熱装置50は、層表面の面方向(水平方向)及び深さ方向(上下方向)において、光ビーム40aが照射されている範囲の周囲を加熱する。第一加熱装置50は、光ビーム40aにより溶融される直前の金属粉末P、金属粉末Pが溶融された後に凝固する前の間の付加製造物Wの部位(造形位置)、及び、光ビーム40aの照射範囲の周囲であって光ビーム40aにより照射されずに金属粉末Pとして残存している部位を加熱する。
本実施形態においては、第一加熱装置50による加熱範囲は、光ビーム40aの照射位置に対応して移動する。但し、第一加熱装置50は、層状に配置された金属粉末Pの層表面の全範囲に対して加熱するようにしても良い。この場合、第一加熱装置50は、光ビーム40aの照射位置に対応して移動する必要はない。
第二加熱装置60は、昇降テーブル22に内蔵される。第二加熱装置60は、金属製の金型を加熱するためのヒータである。例えば、第二加熱装置60は、コイルヒータ、カートリッジヒータ、ノズルヒータ、面状ヒータ等、種々のヒータを適用できる。第二加熱装置60は、昇降テーブル22を加熱し、昇降テーブル22を介してベース23全体を加熱する。
そして、第二加熱装置60は、更にベース23を介した伝熱により、ベース23の上面に層状に配置された金属粉末Pを加熱する。第二加熱装置60は、ベース23の上面に層状に配置された金属粉末Pを、金属粉末Pの融点未満の温度で加熱し続けることができる。即ち、第二加熱装置60は、第一加熱装置50と同様に、光ビーム40aのように金属粉末Pを溶融させることはない。
更に、ベース23の上面に付加製造物Wの一部が造形された状態においては、第二加熱装置60は、ベース23及び付加製造物Wの一部を介して、光ビーム40aが照射される前の状態の金属粉末Pを加熱する。即ち、第二加熱装置60による加熱範囲は、光ビーム40aの照射範囲より広い範囲であり、第一加熱装置50による加熱範囲より広い範囲であって、光ビーム40aの照射範囲及び第一加熱装置50による加熱範囲を一部に含む範囲に設定されている。尚、第二加熱装置60は、昇降テーブル22に設けられることに限られず、ベース23に設けるようにしても良いし、造形用容器21に設けるようにしても良い。
制御装置70は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を主要構成部品とするマイクロコンピュータである。制御装置70は、図3に示すように、データ記憶部71、昇降テーブル作動制御部72、粉末供給制御部73、光ビーム照射制御部74、及び、加熱制御部75を備えている。
データ記憶部71は、付加製造物Wを含む空間全体を所定の厚さで分割した分割層ごとのデータに含まれていて、分割層における形状を表す形状データと、形状データに合わせて付加製造物Wの部位ごとの特性を表す特性データと、を記憶している。特性データは、小径部W1及び大径部W2に要求される特性であって目標機械強度又は後述するように目標機械強度(機械強度)と相関関係にある目標相対密度(相対密度)を表すデータである。ここで、形状データ及び特性データは、例えば、図3にて詳細な図示を省略するCAD(Computer Aided Design)端末から供給されるようになっている。
尚、本実施形態においては、特性データが目標相対密度を表す相対密度データであるとして説明する。しかしながら、特性データが相対密度と相関関係にある機械強度を表す機械強度データとすることも勿論可能である。
昇降テーブル作動制御部72は、昇降テーブル22を昇降させる駆動装置(図示省略)の作動を制御する。昇降テーブル作動制御部72は、粉末供給装置30が金属粉末Pを供給する際において、データ記憶部71に記憶されている相対密度データにより表される目標相対密度ρに応じて、昇降テーブル22を降下させる降下量を決定し、決定した降下量だけ昇降テーブル22を降下させる。
粉末供給制御部73は、粉末供給装置30の作動を制御するものである。具体的に、
粉末供給制御部73は、供給テーブル32を上下方向に移動させて粉末収納容器31に収容された金属粉末Pを粉末収納容器31の開口部から盛り出させると共に、リコータ33を往復移動するように制御する。
光ビーム照射制御部74は、光ビーム照射装置40の作動を制御するものである。具体的に、光ビーム照射制御部74は、光ビーム照射装置40が照射する光ビーム40aの照射位置(照射軌跡)及びビーム強度を、データ記憶部71に記憶されている形状データ及び相対密度データに基づいて制御する。
加熱制御部75は、第一加熱装置50及び第二加熱装置60の作動を制御するものである。加熱制御部75は、上述した第一加熱装置50の移動や加熱の制御、及び、第二加熱装置60の加熱の制御を行う。尚、加熱制御部75による第一加熱装置50及び第二加熱装置60の作動制御の詳細については、本発明に直接関係しないため、その説明を省略する。
(2.付加製造物Wにおける機械強度と相対密度との相関関係)
付加製造物Wにおける機械強度(例えば、降伏応力等)と金属粉末Pが溶融して凝固した状態における相対密度(或いは、比重)との間には相関関係が成立する。即ち、図4に示すように、相対密度が高くなるほど(高相対密度になるほど)機械強度は大きくなり、相対密度が低くなるほど(低相対密度になるほど)機械強度は小さくなる相関関係が成立する。
従って、機械強度と相対密度との相関関係に鑑みれば、付加製造物Wにおいて、高い機械強度が要求される造形位置では相対密度を高め、低い機械強度が要求される造形位置では相対密度を低くすれば良い。このような相対密度の変更を実現するに当たり、本実施形態において、制御装置70は、ベース23の上面にて層状に配置(積層)される金属粉末Pの層厚を、造形位置に対応させて変化させる。尚、高相対密度になるほど付加製造物Wの重量は増加し、低相対密度になるほど付加製造物Wの重量は減少する相関関係も成立する。
(3.昇降テーブル作動制御部72による金属粉末Pの層厚変更)
制御装置70を構成する昇降テーブル作動制御部72は、図5に示すように、相対密度が高い、換言すれば、機械強度が高い造形位置(具体的には小径部W1)においては金属粉末Pの層厚を薄くする。一方、昇降テーブル作動制御部72は、相対密度が低い、換言すれば、機械強度が低い造形位置(具体的には大径部W2)においては金属粉末Pの層厚を厚くする。そして、制御装置70は、積層方向(付加方向)に沿って必要な機械強度を有するように、換言すれば、相対密度が異なるように付加製造物Wを成形する。以下、層厚の変更を具体的に説明する。
(3−1.目標相対密度が基準相対密度(機械強度が基準強度)場合)
昇降テーブル作動制御部72は、データ記憶部71に付加製造物Wの形状を表す形状データ及び形状データに対応して(紐づけされて)記憶されている相対密度データに基づき、付加製造物Wの造形位置における目標相対密度が基準相対密度である場合には昇降テーブル22を予め設定された基準降下量L0だけ降下させる。これにより、昇降テーブル22の上面にて支持された(載置された)ベース23も基準降下量L0だけ降下し、その後、リコータ33によってベース23の上面に層状に配置される金属粉末Pの層厚は基準層厚となる。ここで、基準層厚とされた造形位置における造形速度を基準速度とする。
(3−2.目標相対密度が高相対密度(機械強度が高強度)場合)
又、昇降テーブル作動制御部72は、データ記憶部71に記憶されている形状データ及び相対密度データに基づいて、付加製造物Wの造形位置(例えば、小径部W1)における目標相対密度が基準相対密度よりも大きい高相対密度である場合には昇降テーブル22を基準降下量L0よりも小さい第一降下量L1だけ降下させる。これにより、第一降下量L1だけ降下したベース23の上面にてリコータ33によって層状に配置される金属粉末Pの層厚は基準層厚よりも薄い高相対密度用層厚になる。
又、高相対密度用層厚は、基準層厚よりも薄い。このため、例えば、付加製造物Wの小径部W1を造形する際に、高相対密度用層厚を積層する層数は、基準層厚を積層する場合に比べて多くなる。従って、高相対密度用層厚を積層して小径部W1を造形する際の造形速度は、基準速度よりも遅くなる。
(3−3.目標相対密度が低相対密度(機械強度が低強度)場合)
一方、昇降テーブル作動制御部72は、データ記憶部71に記憶されている形状データ及び相対密度データに基づいて、付加製造物Wの造形位置(例えば、大径部W2)における目標相対密度が基準相対密度よりも小さい低相対密度である場合には昇降テーブル22を基準降下量L0よりも大きい第二降下量L2だけ降下させる。これにより、第二降下量L2だけ降下したベース23の上面にてリコータ33によって層状に配置される金属粉末Pの層厚は基準層厚よりも厚い低相対密度用層厚になる。
又、低相対密度用層厚は、基準層厚よりも厚い。このため、例えば、付加製造物Wの大径部W2を造形する際に、低相対密度用層厚を積層する層数は、基準層厚を積層する場合に比べて少なくなる。従って、低相対密度用層厚を積層して大径部W2を造形する際の造形速度は、基準速度よりも速くなる。
尚、高相対密度用層厚に光ビーム40aが照射されて造形された部位が多い程、付加製造物Wは機械強度が高くなる一方で重量が大きくなる。一方、低相対密度用層厚に光ビーム40aが照射されて造形された部位が多い程、付加製造物Wは機械強度が低くなる一方で重量が小さくなる。
(4.照射部位における積層厚さと成形部位における相対密度との関係)
次に、光ビーム40aが照射される部位の周囲における積層厚さと相対密度との関係について、積層厚さの異なる図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は、金属粉末Pが層状に配置された状態にて、光ビーム40aを紙面手前から紙面奥に向かって移動させる場合を示している。従って、光ビーム40aが照射されて、金属粉末Pが溶融している。金属粉末Pの溶融範囲Ar1は、光ビーム40aの照射面、照射面の僅かに周囲の表面、及び、これらの深さ方向(例えば、上下方向)の範囲を含む。深さ方向の範囲は、図6に示すように、光ビーム40aの照射面の中心が最も深く、中心から遠ざかる程浅くなっている。
図6に示すように、層厚が厚い低相対密度用層厚の場合、光ビーム40aの先端側においてビーム幅が狭まり、その結果、金属粉末Pが溶融することによって形成される溶融範囲Ar1(所謂、溶融池)の幅が狭くなる。この場合、図6にて太線により示すように、照射面において溶融池の周囲に金属粉末Pの半溶融範囲Ar2が存在する。従って、低相対密度用層厚の場合、金属粉末Pが完全に溶融後凝固する溶融範囲Ar1(溶融池が凝固した溶融範囲Ar1)の周囲に粒状の半溶融範囲Ar2が存在することによって相対密度が低くなり、その結果、機械強度が低くなる。
一方で、図7に示すように、積層厚さが薄い高相対密度用層厚の場合、光ビーム40aのビーム幅が広くなり、その結果、溶融範囲Ar1の幅が広くなる。この場合、図7にて太線により示すように、照射面において溶融範囲Ar1の周囲に存在する半溶融範囲Ar2が低相対密度用層厚の場合に比べて少なくなる。従って、高相対密度用層厚の場合、金属粉末Pが完全に溶融後凝固する溶融範囲Ar1の周囲に存在する半溶融範囲Ar2が少なくなることによって相対密度が高くなり、その結果、機械強度が高くなる。
(5.付加製造方法)
次に、付加製造装置1を用いた付加製造方法について、図8に示す付加製造プログラムのフローチャートを参照して説明する。付加製造方法は、付加製造装置1の光ビーム照射装置40から光ビーム40aを照射することによって層状に配置された金属粉末Pの各層において独立した形成断面の一部を溶融させた後、凝固させて積層して付加製造物Wを付加製造する方法である。尚、以下の説明においては、付加製造物Wがn層からなり、第n−m層(n>m)、第n−1層、第n層を順番に造形する場合を例示する。
制御装置70(マイクロコンピュータを構成するCPU)は、ステップS10にて、付加製造プログラムの実行を開始し、続くステップS11にて、データ記憶部71から第n−m層に対応する付加製造物Wの形状データ及び特性データとして相対密度データを読み込む(データ記憶工程)。そして、制御装置70は、相対密度データを読み込む(記憶する)と、ステップS12に進む。尚、データ記憶部71は、特性データとして相対密度データと相関関係にある機械強度データを読み込んだ場合には、図4に示すグラフ(マップ)を参照したり、或いは、計算により算出したりすることにより、機械強度データを相対密度データに変換することが可能である。
ステップS12においては、制御装置70(加熱制御部75)は、第一加熱装置50による加熱を開始すると共に、第二加熱装置60による加熱を開始する。尚、第一加熱装置50は、金属粉末Pが未だベース23に供給されていない状態ではベース23の上面を直接加熱することになり、後述するように金属粉末Pがベース23に供給された状態では層状に配置された金属粉末Pを加熱する。ここで、第一加熱装置50による加熱と第二加熱装置60による加熱は、同じタイミングで開始しても良いし、異なるタイミングで開始しても良い。好ましくは、ベース23の表面全体を加熱するためには、第二加熱装置60による加熱を先に開始すると良い。
ステップS13においては、制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、前記ステップS11にて読み込んだ相対密度データに基づき、第n−m層において造形する付加製造物Wの造形位置(即ち、小径部W1又は大径部W2)に要求される目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも大きいか(高相対密度ρ1であるか)否かを判定する。尚、基準相対密度ρ0は、所定の範囲(上限値及び下限値)を有するように設定されている。
即ち、昇降テーブル作動制御部72は、前記ステップS11にて読み込んだ相対密度データによって表される目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも大きい(より具体的には、基準相対密度ρ0の上限値よりも大きい)高相対密度ρ1であれば、「Yes」と判定してステップS14に進む。一方、昇降テーブル作動制御部72は、目標相対密度ρが基準相対密度ρ0以下(より具体的には、基準相対密度ρ0の上限値以下)であれば、「No」と判定してステップS15に進む。
ステップS14においては、制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、ベース23を支持する昇降テーブル22を、目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも大きい、即ち、高相対密度ρ1に対応する高密度用層厚となるように所定降下量だけ降下させる(昇降テーブル降下工程)。具体的に、昇降テーブル作動制御部72は、ステップS14にて、ベース23の上面に配置される金属粉末Pの層厚が基準層厚よりも小さな層厚である高密度用層厚となるように、図示省略の駆動装置を作動させて昇降テーブル22を基準降下量L0よりも小さな第一降下量L1だけ降下させる。そして、制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、昇降テーブル22を第一降下量L1だけ降下させると、ステップS18に進む。
前記ステップS13の判定処理における「No」判定に従い、制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、ステップS15を実行する。ステップS15においては、昇降テーブル作動制御部72は、前記ステップS11にて読み込んだ相対密度データにより表される第n−m層における目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも小さいか(低相対密度ρ2であるか)否かを判定する。即ち、昇降テーブル作動制御部72は、前記ステップS11にて読み込んだ相対密度データによって表される目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも小さい(より具体的には、基準相対密度ρ0の下限値よりも小さい)低相対密度ρ2であれば、「Yes」と判定してステップS16に進む。一方、昇降テーブル作動制御部72は、目標相対密度ρが基準相対密度ρ0と等しければ(所定の範囲内にあれば)、「No」と判定してステップS18に進む。
ステップS16においては、制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、昇降テーブル22を、目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも小さい、即ち、低相対密度ρ2に対応する低密度用層厚となるように所定降下量だけ降下させる(昇降テーブル降下工程)。具体的に、昇降テーブル作動制御部72は、ステップS16にて、ベース23の上面に配置される金属粉末Pの層厚が基準層厚よりも大きな層厚である低密度用層厚となるように、図示省略の駆動装置を作動させて昇降テーブル22を基準降下量L0よりも大きな第二降下量L2だけ降下させる。そして、制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、昇降テーブル22を第二降下量L2だけ降下させると、ステップS18に進む。
制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、前記ステップS13の判定処理において「No」と判定し、且つ、前記ステップS15の判定処理において「No」と判定した場合、換言すれば、目標相対密度ρが基準相対密度ρ0と等しい(所定の範囲内にある)場合には、ステップS17のステップ処理を実行する。具体的に、昇降テーブル作動制御部72は、ステップS17にて、ベース23の上面に配置される金属粉末Pの層厚が基準層厚となるように、図示省略の駆動装置を作動させて昇降テーブル22を基準降下量L0だけ降下させる(昇降テーブル降下工程)。そして、制御装置70(昇降テーブル作動制御部72)は、昇降テーブル22を基準降下量L0だけ降下させると、ステップS18に進む。
ステップS18においては、制御装置70(粉末供給制御部73)は、リコータ33を作動させる(粉末供給工程)。そして、粉末供給制御部73は、リコータ33の往復移動により、基準降下量L0、第一降下量L1又は第二降下量L2だけ降下した状態の昇降テーブル22上に設けられたベース23の上面に金属粉末Pを運搬すると共に均して、層状の第n−m層を配置する。
具体的に、粉末供給制御部73は、粉末供給装置30における供給テーブル32を上昇させて、所望量の金属粉末Pが粉末収納容器31の開口部から盛り出た状態とする。尚、粉末供給装置30においては、供給テーブル32を下方に位置させた状態で粉末収納容器31内に金属粉末Pが予め収納されている。そして、粉末供給制御部73は、リコータ33を粉末供給装置30側から造形物支持装置20側に向かって移動させる。
ここで、昇降テーブル22及びベース23は、付加製造物Wにおける目標相対密度ρに従うように、基準層厚、高密度用層厚又は低密度用層厚のそれぞれに対応する基準降下量L0、第一降下量L1又は第二降下量L2だけ降下した状態となっている。従って、リコータ33が昇降テーブル22及びベース23の降下量に拘わらず一定の高さによってベース23の上面を往復移動した場合には、粉末供給装置30内の金属粉末Pがベース23に向けて運搬されると共にベース23の上面において均される。これにより、金属粉末Pは、ベース23の上面において基準層厚、高密度用層厚又は低密度用層厚で配置される。このように、粉末供給制御部73は、金属粉末Pを基準層厚、高密度用層厚又は低密度用層厚となるようにベース23の上面に層状に配置すると、ステップS19に進む。
ステップS19においては、制御装置70(光ビーム照射制御部74)は、光ビーム照射装置40を作動させる(光ビーム照射工程)。そして、光ビーム照射制御部74は、前記ステップS11にて読み込んだ付加製造物Wの第n−m層に対応する形状データに基づき、光ビーム40aをベース23の上面にて層状に配置された金属粉末Pに向けて照射する。即ち、光ビーム照射制御部74は、図示省略の所定のプログラムを実行することにより、形状データに基づいて光ビーム40aを走査して金属粉末Pの融点以上の温度で金属粉末Pを加熱する。
これにより、形状データに基づいて走査する光ビーム40aが照射された金属粉末Pは、溶融しその後凝固する。このようにして、光ビーム40aが照射されて溶融、凝固した造形位置は、強固な力によって一体化される。そして、制御装置70(光ビーム照射制御部74)は、光ビーム照射装置40に光ビーム40aを形状データに基づいて走査させると共に照射させると、ステップS20に進む。
ステップS20においては、制御装置70は、全層(例えば、第n層まで)に対する成形(造形)が完了したか否かを判定する。即ち、制御装置70は、全層に対する付加製造が完了していれば、「Yes」と判定してステップS21に進む。一方、制御装置70は、全層に対する造形が未だ完了していなければ、「No」と判定して再び前記ステップS11に戻り、前記ステップS11以降の各ステップ処理を実行する。
具体的に、上述したように、第n−m層の成形が完了した場合、制御装置70はステップS20にて「No」と判定し、第n−m層以降の第n−1層及び第n層について前記ステップS11以降の各ステップ処理を実行する。そして、最終層である第n層に対する造形が完了した場合には、制御装置70はステップS20にて「Yes」と判定してステップS21に進む。
ステップS21においては、制御装置70(加熱制御部75)は、第一加熱装置50による加熱を終了すると共に、第二加熱装置60による加熱を終了する。そして、制御装置70は、ステップS21のステップ処理後、ステップS22に進み、付加製造プログラムの実行を終了する。これにより、ベース23の上面に、付加製造物Wが完成する。その後、完成した付加製造物Wをベース23から取り外す(取り出す)。
(6.付加製造物Wについて)
ところで、付加製造装置1が付加製造プログラムで表される付加製造方法によって付加製造した付加製造物である付加製造物Wは、形状データ及び特性データである相対密度データに基づいて造形されるため、付加製造物Wの部位ごとに層厚、即ち、相対密度及び相対密度と相関関係を有する機械強度が異なる。具体的に、例えば、第n−m層は低密度用層厚とされることにより基準相対密度ρ0よりも小さい低相対密度ρ2となり、第n層は高密度用層厚とされることにより基準相対密度ρ0よりも大きい高相対密度ρ1となり、金属粉末Pが光ビーム40aによって溶融して凝固している。
そして、高相対密度ρ1となる部位は、例えば、図2に示す軸状の付加製造物Wにおいて高い機械強度が必要な小径部W1を形成し、低相対密度ρ2となる部位は、付加製造物Wにおいて高い機械強度が要求されない大径部W2を形成する。尚、付加製造物Wにおいては、図5に示すように、大径部W2の一部に基準相対密度ρ0となる部位を有している。このように、付加製造物Wの積層方向において、高密度用層厚に対応して高相対密度ρ1となる部位、低密度用層厚に対応して低相対密度ρ2となる部位又は基準層厚に対応して基準相対密度ρ0となる部位の何れかを有するように付加製造を行うことにより、必要な機械強度を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
又、低密度用層厚に対応して低相対密度ρ2となる部位は高密度用層厚に対応して高相対密度ρ1となる部位及び基準層厚に対応して基準相対密度ρ0となる部位よりも大きい層厚である。このため、付加製造物Wが低密度用層厚に対応して低相対密度ρ2となる部位を有することにより、例えば、付加製造物Wを全て高密度用層厚に対応して高相対密度ρ1となる部位又は基準層厚に対応して基準相対密度ρ0となる部位で造形する場合に比べて造形に要する造形時間を短縮することができる。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態に係る付加製造装置としての付加製造装置1は、所定の厚さで分割した分割層ごとに造形された三次元形状を有する付加製造物である付加製造物Wを支持可能、且つ、昇降動作可能な昇降テーブル22を有する製造物支持部としての造形物支持装置20と、付加製造物Wを造形する造形位置(例えば、小径部W1及び大径部W2)に材料粉末としての金属粉末Pを供給する粉末供給部としての粉末供給装置30と、造形位置に供給された金属粉末Pを溶融する光ビーム40aを照射する光ビーム照射部としての光ビーム照射装置40と、を含んで構成される。
そして、付加製造装置1は、付加製造物Wの部位ごと、即ち、小径部W1及び大径部W2に要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度ρを表す特性データに基づき、造形位置に供給された金属粉末Pが溶融した後に凝固した状態における特性を付加製造物Wの部位ごとに、具体的に、小径部W1及び大径部W2に合わせて変更することができる。
これによれば、付加製造物Wに要求される目標機械強度と相関関係にある目標相対密度ρ、即ち、特性を、付加製造物Wの小径部W1及び大径部W2とで異なるように変更することができる。
この場合、付加製造装置1は、特性データを記憶するデータ記憶部71と、昇降テーブル22を降下するように作動を制御する昇降テーブル作動制御部72と、昇降テーブル22に載置されたベース23に金属粉末Pを供給すると共に層状に配置するように粉末供給装置30の作動を制御する粉末供給制御部73と、降下した昇降テーブル22と共に降下した造形位置にて層状に配置された金属粉末Pに光ビーム40aを照射するように光ビーム照射装置40の作動を制御する光ビーム照射制御部74と、を有し、昇降テーブル作動制御部72がデータ記憶部71に記憶された特性データに対応して予め設定された所定降下量だけ昇降テーブル22を降下させた状態で粉末供給制御部73が金属粉末Pを供給して層状に配置させることができる。
この場合、昇降テーブル作動制御部72は、特性データに基づいて、目標相対密度ρが基準となる基準相対密度ρ0の場合に予め設定された基準降下量L0だけ昇降テーブル22を降下させ、目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも大きい高相対密度ρ1の場合に基準降下量L0よりも小さい第一降下量L1だけ昇降テーブル22を降下させ、目標相対密度ρが基準相対密度ρ0よりも小さい低相対密度ρ2の場合に基準降下量L0よりも大きい第二降下量L2だけ昇降テーブル22を降下させることができる。
これらによれば、付加製造物Wに要求される目標機械強度と相関関係にある目標相対密度ρ、即ち、特性に基づいて、金属粉末Pを造形位置に供給することができると共に、造形位置に供給された金属粉末Pを光ビーム40aによって溶融することができる。これにより、付加製造物Wの小径部W1及び大径部W2で特性を変更することができる。
従って、特性データに基づいて目標相対密度ρが低相対密度ρ2となる大径部W2(換言すれば、要求される機械強度が低い大径部W2)においては、粉末供給装置30が造形位置に供給する金属粉末Pの層厚や量を大きくすることが可能となる。その結果、目標相対密度ρが低相対密度ρ2となる大径部W2を造形する場合には、造形に要する時間、換言すれば、付加製造物Wを付加製造(具体的には付加製造)する時間を短縮することができる。
一方、目標相対密度ρが高相対密度ρ1となる小径部W1(換言すれば、要求される機械強度が高い小径部W1)を造形する場合には、例えば、粉末供給装置30が造形位置に供給する金属粉末Pの層厚を小さくすることができる。その結果、目標相対密度ρが高相対密度ρ1となる小径部W1を造形する場合には、従来と同等の時間により付加製造物Wを付加製造することができる。従って、目標機械強度と相関関係にある目標相対密度ρ、即ち、特性を付加製造物Wの小径部W1又は大径部W2で変更することにより、付加製造物Wに要求される機械強度を十分に確保しつつ、付加製造に要する時間を短縮することができる。
更に、付加製造物Wは、高相対密度ρ1で形成された小径部W1と、低相対密度ρ2で形成された大径部W2と、を有して構成することができる。これにより、付加製造物Wは、必要十分な機械強度を有すると共に、例えば、高相対密度ρ1のみで小径部W1及び大径部W2を造形する場合に比べて低相対密度ρ2の大径部W2を有する分だけ軽量化を達成することができる。
(7.第一変形例)
上記実施形態においては、制御装置70を構成する昇降テーブル作動制御部72がデータ記憶部71に記憶されている相対密度データ即ち高相対密度ρ1、低相対密度ρ2又は基準相対密度ρ0に応じて昇降テーブル22を第一降下量L1、第二降下量L2又は基準降下量L0だけ降下させるようにした。これにより、ベース23の上面に層状に配置される金属粉末Pの層厚が高密度用層厚、低密度用層厚又は基準層厚となり、光ビーム照射制御部74によって光ビーム40aが照射された場合には、付加製造物Wにおいて高相対密度ρ1となる部位、低相対密度ρ2となる部位又は基準相対密度ρ0となる部位が付加製造されるようにした。
ところで、光ビーム照射制御部74は、光ビーム照射装置40から照射される光ビーム40aのビーム強度、即ち、金属粉末Pの被照射部における投入エネルギー(被照射部に流入する入熱量)を変更することができる。従って、昇降テーブル作動制御部72が相対密度データに基づいて昇降テーブル22を第一降下量L1、第二降下量L2又は基準降下量L0だけ降下させることに代えて、又は、加えて、光ビーム照射制御部74が特性データである相対密度データに基づいて光ビーム40aのビーム強度を変更して付加製造物Wを付加製造することも可能である。
照射された光ビーム40aによって金属粉末Pが溶融して凝固する場合、金属粉末Pにおいては被照射部に流入する入熱量に応じて溶融池の幅即ち溶融範囲Ar1の大きさが変化し、その結果、半溶融範囲Ar2の大小が生じる。具体的に、基準となる基準入熱量I0よりも大きい第一入熱量I1の場合(光ビーム40aのビーム強度が高い場合)には、溶融範囲Ar1が多くなり、照射面において半溶融範囲Ar2が少なくなる。従って、第一入熱量I1の場合(光ビーム40aのビーム強度が強い場合)、溶融範囲Ar1の周囲に存在する粒状の半溶融範囲Ar2が少なくなることによって相対密度が高い高相対密度ρ1となる部分が造形され、その結果、機械強度が高くなる。
一方、基準入熱量I0よりも小さい第二入熱量I2の場合(光ビーム40aのビーム強度が低い場合)には、溶融範囲Ar1が少なくなり、照射面において半溶融範囲Ar2が多くなる。従って、第二入熱量I2の場合(光ビーム40aのビーム強度が低い場合)、溶融範囲Ar1の周囲に存在する粒状の半溶融範囲Ar2が多く存なることによって相対密度が低い低相対密度ρ2となる部分が造形され、その結果、機械強度が低くなる。
これらにより、昇降テーブル作動制御部72は、図9に示すように、例えば、昇降テーブル22を基準降下量L0よりも大きな第二降下量L2だけ降下させることができ、粉末供給制御部73はベース23の上面にて低相対密度用層厚となるように金属粉末Pを配置することができる。そして、光ビーム照射制御部74は、相対密度データに基づいて基準入熱量I0、第一入熱量I1又は第二入熱量I2となるように光ビーム40aのビーム強度を変更することにより、高相対密度ρ1となる部位、低相対密度ρ2となる部位及び基準相対密度ρ0となる部位を有する付加製造物Wを付加製造することができる。
具体的に、この場合には、光ビーム照射制御部74が相対密度データに基づいて基準相対密度ρ0となる部位を造形する場合には、光ビーム40aを基準入熱量I0のビーム強度となるようにして照射する。又、光ビーム照射制御部74が相対密度データに基づいて高相対密度ρ1となる部位を造形する場合には、図9に示すように、光ビーム40aのビーム強度を第一入熱量I1(入熱量を大きく)にして照射する。更に、光ビーム照射制御部74が相対密度データに基づいて低相対密度ρ2となる部位を造形する場合には、光ビーム40aのビーム強度を第二入熱量I2(入熱量が小さく)にして照射する。
これにより、付加製造物Wは基準相対密度ρ0となる部位、高相対密度ρ1となる部位及び低相対密度ρ2となる部位を有して造形される。又、層厚の厚い低相対密度用層厚を配置(積層)することができるため、付加製造物Wを造形する造形時間を短縮することができる。従って、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(8.第二変形例)
上記実施形態においては、昇降テーブル作動制御部72が目標相対密度ρに応じて、昇降テーブル22を基準降下量L0、第一降下量L1又は第二降下量L2だけ降下させた後、金属粉末Pをベース23の上面に層状に配置するようにした。又、上記第一変形例においては、光ビーム照射制御部74が目標相対密度ρに応じて、ベース23の上面に層状に配置(積層)された金属粉末Pに対して入熱量(ビーム強度)を変更して光ビーム40aを照射するようにした。そして、それぞれの場合においては、光ビーム40aが照射位置(造形位置)における金属粉末Pを溶融しその後凝固させることにより、基準相対密度ρ0となる部位、高相対密度ρ1となる部位及び低相対密度ρ2となる部位を有するように付加製造物Wを付加製造するようにした。
ところで、昇降テーブル作動制御部72が昇降テーブル22を、第二降下量L2よりも大きく降下させて、例えば、ベース23の上面に低密度用層厚よりも厚い層厚(具体的には、光ビーム40aの照射によって溶融しない程度の層厚)を配置した場合、図10に示すように、金属粉末Pの層表面のみが溶融されて金属粉末Pが未溶融のまま封止された層を有する付加製造物Wを付加製造することができる。具体的には、金属粉末Pの層を厚くし、且つ、光ビーム40aのビーム強度を第二入熱量I2より小さく金属粉末Pの層表面のみ溶融可能な第三入熱量I3とすることにより、内部に粒状の金属粉末Pが存在する極低相対密度の部位を有する付加製造物Wを付加製造することが可能となる。
このように、付加製造物Wが極低相対密度の部位を有して付加製造された場合、粒状の金属粉末Pは極低相対密度の部位の内部(空間)にて自在に移動することが可能となる。その結果、例えば、付加製造物Wに入力された振動に伴って粒状の金属粉末Pが動く(振動する)ことにより、付加製造物Wの入力された振動に伴うエネルギー(振動エネルギー)を消費して付加製造物Wを制振することができる。その他の効果については、上記実施形態及び上記第一変形例と同様である。
(9.第三変形例)
上記実施形態においては、昇降テーブル作動制御部72が目標相対密度ρに応じて、昇降テーブル22を基準降下量L0、第一降下量L1又は第二降下量L2だけ降下させた後、金属粉末Pをベース23の上面に層状に配置するようにした。又、上記第一変形例においては、例えば、昇降テーブル22を第二降下量L2だけ降下させてベース23の上面に低相対密度用層厚となるように金属粉末Pを配置(積層)しておき、光ビーム40aのビーム強度を目標相対密度ρに応じて変更するようにした。
これらに代えて、この第三変形例の付加製造装置1においては、例えば、昇降テーブル作動制御部72が降下させる昇降テーブル22(ベース23)の降下量を、例えば、第一降下量L1に固定すると共に、光ビーム照射制御部74が照射させる光ビーム40aのビーム強度を一定とするようにする。そして、付加製造装置1においては、昇降テーブル作動制御部72が昇降テーブル22(ベース23)を第一降下量L1だけ降下させた状態で、光ビーム照射制御部74が目標相対密度ρに応じて機械強度の高い部位にのみに光ビーム40aを照射する一方で機械強度の低い部位には光ビーム40aを照射しない。これにより、機械強度の高い部位(造形位置)においては金属粉末Pが溶融した後に凝固し成形され、機械強度の低い部位(造形位置)においては金属粉末Pが溶融凝固することなくそのままの状態とされる。
続いて、昇降テーブル作動制御部72が昇降テーブル22(ベース23)を第一降下量L1だけ更に複数回降下させた状態で、光ビーム照射制御部74が目標相対密度ρに応じて機械強度の高い部位及び機械強度の低い部位に光ビーム40aを照射する。これにより、機械強度の高い部位及び機械強度の低い部位における金属粉末Pが溶融しその後凝固して成形される。ところで、機械強度の低い部位は、上述したように、先回まで光ビーム40aが照射されていないため、層厚が、図11に示すように、例えば、高相対密度用層厚よりも大きな低相対密度用層厚(第二降下量L2)になる。従って、機械強度の低い部位においては、上述した実施形態における低相対密度ρ2を造形することができる。
これにより、この第三変形例においては、上記実施形態及び上記各変形例と同様に、付加製造物Wにおける金属粉末Pの配置方向(積層方向)に沿って基準相対密度ρ0の部位、高相対密度ρ1の部位又は低相対密度ρ2の部位を配置することが可能である。更に、この第三変形例においては、ベース23の上面に平行な金属粉末Pの配置面方向(積層面方向)に沿って基準相対密度ρ0、高相対密度ρ1又は低相対密度ρ2を配置することも可能である。
即ち、この第三変形例では、複数回降下させて光ビーム40aを照射する金属粉末Pの層を一層以上飛ばすことにより、付加製造物Wにおいて積層方向及び積層面方向にて低相対密度ρ2即ち機械強度の低い部位を造形することができる。この場合、光ビーム照射制御部74は、光ビーム照射装置40に主に機械強度の高い部位に光ビーム40aを照射させるため、光ビーム40aを照射する時間を短くすることができ、その結果、造形時間を短縮することができる。その他については、上記実施形態及び上記各変形例と同様の効果が得られる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態及び上記各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態及び上記各変形例においては、粉末供給装置30が粉末収納容器31内を昇降テーブル22が上下方向に移動することによって盛り出た金属粉末Pをリコータ33がベース23の上面に運搬すると共に層状に均すようにした。これに代えて、付加製造装置1が、中空箱状に形成されていて金属粉末Pを収容し、図1にてベース23の上面を左右方向にて左右に移動することに伴って収容した金属粉末Pを底部から供給するリコータを備えるように構成することも可能である。この場合、リコータは、収容した金属粉末Pをベース23の上面に吐出しながら層状に均す。従って、この場合においても、上記実施形態及び上記各変形例と同様に、昇降テーブル22(ベース23)の降下量を変更することより、上記実施形態及び上記各変形例と同様の効果が得られる。
又、上記実施形態においては、付加製造装置1がベース23の上面に対向する位置に配置された第一加熱装置50を備えるように構成した。しかしながら、必要に応じて、第一加熱装置50を省略して、付加製造装置1を構成することも可能である。
更に、上記実施形態及び各変形例においては、付加製造装置が、層状に配置(積層)された金属粉末Pに光ビーム40aを照射して付加製造物Wを成形する粉末床溶融結合方式のSLM方式を採用した付加製造装置1であるとした。これに代えて、付加製造装置が、指向性エネルギー堆積方式を採用、より具体的に、例えば、LMD(Laser Metal Deposition)方式を採用した装置とすることも可能である。
LMD方式を採用した付加製造装置においては、付加製造物の成形位置における相対密度データに基づき、相対密度が高相対密度の場合には金属粉末の量(吐出量)を少なく(上述した実施形態における高相対密度用層厚に対応)し、相対密度が低相対密度の場合には金属粉末の量(吐出量)を多く(上述した実施形態における低相対密度用層厚に対応)する。これにより、吐出された金属粉末が、例えば、同一時間だけ照射された光ビームによって溶融しその後凝固することにより、造形位置(部位)に応じて適切な機械強度を有する付加製造物を短時間に造形することができる。従って、LMD方式を採用した付加製造装置及び付加製造方法、並びに、これら装置及び方法によって付加製造された付加製造物においても、上記実施形態及び上記各変形例を同様の効果が期待できる。
1…付加製造装置、10…チャンバ、20…造形物支持装置(製造物支持部)、21…造形用容器、22…昇降テーブル、23…ベース、30…粉末供給装置(粉末供給部)、31…粉末収納容器、32…供給テーブル、33…リコータ、40…光ビーム照射装置(光ビーム照射部)、40a…光ビーム、50…第一加熱装置、60…第二加熱装置、70…制御装置、71…データ記憶部、72…昇降テーブル作動制御部、73…粉末供給制御部、74…光ビーム照射制御部、75…加熱制御部、Ar1…溶融範囲、Ar2…半溶融範囲、I0…基準入熱量、I1…第一入熱量、I2…第二入熱量、I3…第三入熱量、L0…基準降下量、L1…第一降下量、L2…第二降下量、P…金属粉末(材料粉末)、W…付加製造物、W1…小径部(造形位置)、W2…大径部(造形位置)、ρ…目標相対密度、ρ0…基準相対密度、ρ1…高相対密度、ρ2…低相対密度

Claims (14)

  1. 所定の厚さで分割した分割層ごとに造形された三次元形状を有する付加製造物を支持可能な製造物支持部と、
    前記付加製造物を造形する造形位置に同種の材料粉末を供給する粉末供給部と、
    前記造形位置に供給された前記材料粉末を溶融する光ビームを照射する光ビーム照射部と、を含んで構成された付加製造装置であって、
    前記付加製造物の部位ごとに要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度を表す特性データに基づいて、
    前記粉末供給部が前記造形位置に前記材料粉末を供給し、且つ、前記光ビーム照射部が前記造形位置に供給された前記材料粉末を溶融させる、ように構成された、付加製造装置。
  2. 前記粉末供給部は、
    前記特性データに基づいて、前記造形位置に前記材料粉末を層状に配置する層厚を変更する、又は、前記造形位置に前記材料粉末を供給する量を変更する、ように構成された、請求項1に記載の付加製造装置。
  3. 前記光ビーム照射部は、
    前記特性データに基づいて、前記造形位置に供給された前記材料粉末の前記光ビームを照射する被照射部分に流入する入熱量を変更する、ように構成された請求項1又は請求項2に記載の付加製造装置。
  4. 前記特性データを記憶するデータ記憶部と、
    前記製造物支持部に設けられて前記付加製造物を支持して昇降する昇降テーブルを降下するように作動を制御する昇降テーブル作動制御部と、
    前記昇降テーブルに載置されたベースに前記材料粉末を供給すると共に層状に配置するように前記粉末供給部の作動を制御する粉末供給制御部と、
    降下した前記昇降テーブルと共に降下した前記造形位置にて層状に配置された前記材料粉末に前記光ビームを照射するように前記光ビーム照射部の作動を制御する光ビーム照射制御部と、を有し、
    前記昇降テーブル作動制御部が前記データ記憶部に記憶された前記特性データに対応して予め設定された所定降下量だけ前記昇降テーブルを降下させた状態で前記粉末供給制御部が前記材料粉末を供給して層状に配置させる、又は/及び、前記光ビーム照射制御部が前記材料粉末の前記光ビームを照射する被照射部分に流入する入熱量であって前記データ記憶部に記憶された前記特性データに対応して予め設定された前記入熱量により層状に配置された前記材料粉末に前記光ビームを照射させる、ように構成された、請求項1に記載の付加製造装置。
  5. 前記昇降テーブル作動制御部は、前記特性データに基づいて、
    前記目標相対密度が基準となる基準相対密度の場合に予め設定された基準降下量だけ前記昇降テーブルを降下させ、
    前記目標相対密度が前記基準相対密度よりも大きい高相対密度の場合に前記基準降下量よりも小さい第一降下量だけ前記昇降テーブルを降下させ、
    前記目標相対密度が前記基準相対密度よりも小さい低相対密度の場合に前記基準降下量よりも大きい第二降下量だけ前記昇降テーブルを降下させる、請求項4に記載の付加製造装置。
  6. 前記昇降テーブル作動制御部は、
    前記昇降テーブルを前記第一降下量により前記昇降テーブルを降下させており、
    前記光ビーム照射制御部は、前記特性データに基づき、
    前記高相対密度となる前記造形位置に対しては、前記第一降下量により降下するごとに層状に配置された前記材料粉末に前記光ビームを照射し、
    前記低相対密度となる前記造形位置に対しては、前記第一降下量により複数回降下した場合に層状に配置された前記材料粉末に前記光ビームを照射する、請求項5に記載の付加製造装置。
  7. 前記光ビーム照射制御部は、前記特性データに基づいて、
    前記目標相対密度が基準となる基準相対密度の場合に、前記入熱量が予め設定された基準入熱量により前記光ビームを前記材料粉末に照射して層状に配置された前記材料粉末を溶融し、
    前記目標相対密度が前記基準相対密度よりも大きい高相対密度の場合に、前記基準入熱量よりも大きい第一入熱量により層状に配置された前記材料粉末に照射して前記材料粉末を溶融し、
    前記目標相対密度が前記基準相対密度よりも小さい低相対密度の場合に、前記基準入熱量よりも小さい第二入熱量により層状に配置された前記材料粉末に照射して前記材料粉末を溶融する、請求項4に記載の付加製造装置。
  8. 前記光ビーム照射制御部は、
    前記第二入熱量よりも小さく、且つ、層状に配置された前記材料粉末のうち層表面のみを溶融可能な第三入熱量により前記光ビームを照射する、請求項7に記載の付加製造装置。
  9. 層状に配置された同種の材料粉末に光ビームを照射し、前記材料粉末を溶融した後に凝固させることによって三次元形状を有する付加製造物を製造する付加製造方法であって、
    前記付加製造物の部位ごとに要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度を表す特性データを記憶するデータ記憶工程と、
    前記データ記憶工程にて記憶した前記特性データに基づいて、前記付加製造物を造形する造形位置に前記材料粉末を供給する粉末供給工程と、
    前記粉末供給工程にて前記造形位置に供給された前記材料粉末を溶融させる光ビーム照射工程と、を含んで構成された、付加製造方法。
  10. 前記粉末供給工程において、
    前記特性データに基づいて、前記造形位置に前記材料粉末を層状に配置する層厚を変更する、又は、前記造形位置に前記材料粉末を供給する量を変更する、ように構成された、請求項9に記載の付加製造方法。
  11. 前記光ビーム照射工程において、
    前記特性データに基づいて、前記造形位置に供給された前記材料粉末の前記光ビームを照射する被照射部分に流入する入熱量を変更する、ように構成された請求項9又は請求項10に記載の付加製造方法。
  12. 前記データ記憶工程にて記憶した前記特性データに基づいて、前記付加製造物を支持可能且つ昇降動作可能な昇降テーブルを、前記目標相対密度が基準となる基準相対密度の場合に予め設定された基準降下量だけ降下させる、前記目標相対密度が前記基準相対密度よりも大きい高相対密度の場合に前記基準降下量よりも小さい第一降下量だけ降下させる、又は、前記目標相対密度が前記基準相対密度よりも小さい低相対密度の場合に前記基準降下量よりも大きい第二降下量だけ降下させる、昇降テーブル降下工程、を含み、
    前記粉末供給工程において、
    前記昇降テーブルの降下に伴って降下した前記付加製造物を造形する造形位置に前記材料粉末を供給する、ように構成された、請求項9に記載の付加製造方法。
  13. 層状に配置された材料粉末に光ビームを照射し、前記材料粉末を溶融した後に凝固させて三次元造形された付加製造物であって、
    部位ごとに要求される特性であって少なくとも目標機械強度と相関関係にある目標相対密度となるように前記部位が造形された付加製造物。
  14. 前記部位のうち、層状に配置された前記材料粉末のうち層表面のみが溶融された前記部位を有する、請求項13に記載の付加製造物。
JP2018214176A 2018-11-14 2018-11-14 付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物 Pending JP2020084195A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018214176A JP2020084195A (ja) 2018-11-14 2018-11-14 付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018214176A JP2020084195A (ja) 2018-11-14 2018-11-14 付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020084195A true JP2020084195A (ja) 2020-06-04

Family

ID=70906640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018214176A Pending JP2020084195A (ja) 2018-11-14 2018-11-14 付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020084195A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115485096A (zh) * 2020-11-17 2022-12-16 三菱电机株式会社 附加制造装置及附加制造方法
WO2023042341A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 株式会社ニコン 造形システム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010098479A1 (ja) * 2009-02-24 2010-09-02 パナソニック電工株式会社 三次元形状造形物の製造方法およびそれから得られる三次元形状造形物
JP2016002725A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社放電精密加工研究所 三次元造形装置
JP2018138382A (ja) * 2016-12-30 2018-09-06 コニカ ミノルタ ラボラトリー ユー.エス.エー.,インコーポレイテッド 3d印刷用パターン

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010098479A1 (ja) * 2009-02-24 2010-09-02 パナソニック電工株式会社 三次元形状造形物の製造方法およびそれから得られる三次元形状造形物
JP2016002725A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社放電精密加工研究所 三次元造形装置
JP2018138382A (ja) * 2016-12-30 2018-09-06 コニカ ミノルタ ラボラトリー ユー.エス.エー.,インコーポレイテッド 3d印刷用パターン

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115485096A (zh) * 2020-11-17 2022-12-16 三菱电机株式会社 附加制造装置及附加制造方法
CN115485096B (zh) * 2020-11-17 2023-08-22 三菱电机株式会社 附加制造装置及附加制造方法
WO2023042341A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 株式会社ニコン 造形システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109622954B (zh) 层叠造型装置和层叠造型物的制造方法
JP6483551B2 (ja) 粉末床溶融結合装置
JP6882508B2 (ja) 3次元ワークピースを製造する装置及び方法
US10500640B2 (en) Systems and methods of volumetric 3D printing
US11192295B2 (en) Device and method for producing a three-dimensional object
US10967575B2 (en) Method and device for the generative manufacturing of a three-dimensional object
JP2017536476A (ja) 積層造形装置および方法
RU2674588C2 (ru) Способ аддитивного сварочно-плавильного изготовления трёхмерных изделий и установка для его осуществления
US10919114B2 (en) Methods and support structures leveraging grown build envelope
JP6600278B2 (ja) 選択型ビーム積層造形装置及び選択型ビーム積層造形方法
US11787107B2 (en) Lifting system for device and a method for generatively manufacturing a three-dimensional object
US11396175B2 (en) Method and device for producing a three-dimensional object
JP2016074132A (ja) 積層造形装置
JPWO2019087845A1 (ja) 三次元造形装置及び三次元造形方法
JP2020084195A (ja) 付加製造装置、付加製造方法及び付加製造物
US11370030B2 (en) Manufacturing method for three-dimensional molded object, lamination molding apparatus, and three-dimensional molded object
JPWO2019049832A1 (ja) 三次元造形装置及び三次元造形方法
JP2003321704A (ja) 積層造形法およびそれに用いる積層造形装置
KR102476579B1 (ko) 3차원 프린터
JP2019196523A (ja) 積層造形装置および積層造形方法
US10814395B2 (en) Heated gas circulation system for an additive manufacturing machine
JP6870579B2 (ja) 三次元積層造形装置
JP2020055235A (ja) 積層造形装置、及び積層造形物の製造方法
RU154761U1 (ru) Устройство для получения изделий из порошкообразных материалов
JP2020084196A (ja) 付加製造装置及び付加製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210301

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220920

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230314