JP2020084196A - 付加製造装置及び付加製造方法 - Google Patents

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高史 溝口
貴也 長濱
Takaya Nagahama
貴也 長濱
誠 田野
Makoto Tano
誠 田野
星野 広行
Hiroyuki Hoshino
広行 星野
哲弥 三井
Tetsuya Mitsui
哲弥 三井
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Abstract

【課題】簡単な構成により造形に伴って発生するスパッタ粒子を除去することができる付加製造装置及び付加製造方法を提供すること。【解決手段】付加製造装置1は、光ビーム40aの照射によって溶融した金属粉末Pの飛散に伴って形成されて金属粉末Pよりも大きな粒径を有し、且つ、少なくとも造形位置W1に存在するスパッタ粒子Sを除去するように、制御装置70によって作動が制御されるスパッタ掬い部34を備える。制御装置70は、光ビーム照射装置40を作動させて造形位置W1に供給された金属粉末Pに光ビーム40aを照射させてからリコータヘッド30を作動させて光ビーム40aが照射された造形位置W1に金属粉末Pを供給するまでの間に、スパッタ掬い部34を作動させて造形位置W1に存在するスパッタ粒子Sに接触して除去させる。【選択図】図1

Description

本発明は、付加製造装置及び付加製造方法に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示された金属粉末回収供給システム及び金属粉末焼結造形物の製造方法(以下、「金属粉末回収供給システム等」と称呼する。)が知られている。この従来の金属粉末回収供給システム等は、造形ステージに収容された金属粉末を選択的に焼結させて所定の形状に造形する際に、未焼結の金属粉末を回収して造形ステージに供給するようになっている。このため、従来の金属粉末回収供給システム等は、未焼結の金属粉末を吸引する吸引手段と、金属粉末及びスパッタ粒子とヒューム及び気体とを分離する第一の分離手段と、ヒュームを貯留する貯留手段と、金属粉末とスパッタ粒子とを分離する第二の分離手段と、を備えている。更に、従来の金属粉末回収供給システム等は、金属粉末を空気流により搬送する搬送手段と、金属粉末を空気流から分離する第三の分離手段と、金属粉末を造形ステージに供給する供給手段と、を備えている。
特開2016−56417号公報
ところで、スパッタ粒子は造形に際して金属粉末の焼結(溶融)を阻害するため、付加製造物において相対密度が意図せず不均一になる可能性がある。その結果、例えば、付加製造物の機械強度を十分に確保できない虞がある。このため、上記従来の金属粉末回収供給システム等のように、スパッタ粒子を回収することは極めて有効である。
しかしながら、上記従来の金属粉末回収供給システム等は、吸引手段や、第一〜第三の分離手段、貯留手段、搬送手段、供給手段が必要であり、構成が複雑化する。このため、金属粉末回収供給システム等(付加製造装置)が高価になり、その結果、製造される付加製造物の製造コストが増大する可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためのなされたものであり、その目的は、簡単な構成により造形に伴って発生するスパッタ粒子を除去することができる付加製造装置及び付加製造方法を提供することにある。
本発明に係る付加製造装置は、三次元形状を有する付加製造物を造形する造形位置に材料粉末を供給する粉末供給部と、造形位置に供給された材料粉末を溶融する光ビームを照射する光ビーム照射部と、造形位置に材料粉末を供給するように粉末供給部の作動を制御すると共に造形位置に光ビームを照射するように光ビーム照射部の作動を制御する制御部と、を有する付加製造装置であって、光ビームの照射によって溶融した材料粉末の飛散に伴って形成されて材料粉末よりも大きな粒径を有し、且つ、少なくとも造形位置に存在するスパッタ粒子に接触して除去するように、制御部によって作動が制御されるスパッタ除去部を備え、制御部は、光ビーム照射部を作動させて造形位置に供給された材料粉末に光ビームを照射させてから粉末供給部を作動させて光ビームが照射された造形位置に材料粉末を供給するまでの間にスパッタ除去部を作動させて造形位置に存在するスパッタ粒子を除去させる。
又、本発明に係る付加製造方法は、層状に配置された材料粉末に光ビームを照射し、材料粉末を溶融した後に凝固させる又は焼結することによって三次元形状を有する付加製造物を製造する付加製造方法であって、付加製造物を支持可能且つ昇降動作可能な昇降テーブルを予め設定された降下量だけ降下させる昇降テーブル降下工程と、昇降テーブルの降下に伴って降下した付加製造物を造形する造形位置に材料粉末を供給する粉末供給工程と、造形位置に供給された材料粉末を溶融する光ビームを照射する光ビーム照射工程と、光ビーム照射工程において溶融した材料粉末の飛散に伴って形成されて材料粉末よりも大きな粒径を有し、少なくとも造形位置に存在するスパッタ粒子に接触して除去するスパッタ除去工程と、を含んで構成される。
これらによれば、スパッタ除去部は、粉末供給部が造形位置に材料粉末を供給するまでに、光ビーム照射部が照射した光ビームによって形成されて造形位置に存在するスパッタ粒子を除去することができる。これにより、付加製造物の造形に際して材料粉末の溶融や焼結を阻害するスパッタ粒子を除去することができるため、造形された付加製造物において相対密度を均一化することができる。その結果、付加製造物の機械強度を十分に確保することができる。
又、スパッタ除去部は、少なくとも造形位置に存在するスパッタ粒子に接触して、例えば、造形位置の外部に除去することができるため、上記従来の金属粉末回収供給システム等に比べて構成を簡略化することが可能である。これにより、付加製造装置を安価とすることができ、その結果、製造される付加製造物の製造コストを抑えることが可能となる。
付加製造装置の構成を概略的に示す概略図である。 実施形態に係る粉末供給部及びスパッタ除去部の構成を概略的に示す断面図である。 図1の制御部の構成を示すブロック図である。 スパッタ粒子を説明するための図である。 昇降テーブル降下工程、スパッタ除去工程、及び、粉末供給工程を説明するための図である。 粉末供給部の原位置への戻りを説明するための図である。 光ビーム照射工程を説明するための図である。 実施形態の第一変形例に係る粉末供給部及びスパッタ除去部の構成を概略的に示す断面図である。 第一変形例に係り、昇降テーブル降下工程及び粉末供給工程を説明するための図である。 第一変形例に係り、光ビーム照射工程を説明するための図である。 第一変形例に係り、スパッタ除去工程を説明するための図である。 実施形態の第二変形例に係る粉末供給部及びスパッタ除去部の構成を概略的に示す断面図である。 図12のスパッタ除去部によるスパッタ粒子の除去を説明するための図である。 実施形態の第三変形例に係る粉末供給部及びスパッタ除去部の構成を概略的に示す断面図である。
(1.付加製造装置1の構成)
付加製造装置1の構成について図面を参照しながら説明する。付加製造装置1は、平らに敷き詰められた粉末に対して光ビーム(レーザビーム及び電子ビーム等)を照射することで付加製造を行う粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)方式であってSLM(Selective Laser Melting)方式を採用する。付加製造装置1は、図1に示すように、層状に配置された材料粉末としての金属粉末Pに光ビームを照射することを繰り返すことによって、付加製造物Wを付加製造する装置である。
ここで、光ビームは、例えば、レーザビーム及び電子ビームを含み、その他に金属粉末Pを溶融(又は焼結)することができる種々のビームを含む。又、レーザビームには、例えば、近赤外波長のレーザ、COレーザ(遠赤外レーザ)、半導体レーザ等、種々のレーザを適用でき、対象の金属粉末Pに応じて適宜決定される。
又、金属粉末Pは、例えば、アルミ、ステンレス鋼、チタン、マルエージング鋼からなる。又、金属粉末Pを用いて付加製造された付加製造物Wは、例えば、円柱状や角柱状等の軸状製品である。尚、付加製造物Wとしては、軸状製品に限られるものではなく、種々の形態を有する製品であっても良いことは言うまでもない。
付加製造装置1は、図1に示すように、チャンバ10、造形物支持装置20、粉末供給部としてのリコータヘッド30、光ビーム照射部としての光ビーム照射装置40及び制御装置70を備えている。チャンバ10は、内部の空気を、例えば、He(ヘリウム)や、N(窒素)、Ar(アルゴン)等の不活性ガスに置換可能となるように構成されている。尚、チャンバ10は、内部を不活性ガスに置換することに代えて、内部を減圧可能な構成としても良い。
造形物支持装置20は、チャンバ10の内部に設けられ、付加製造物Wを造形するための支持部材により構成されている。造形物支持装置20は、支持部材として、造形用容器21、昇降テーブル22及びベース23を備えている。
造形用容器21は、上側に開口部を有し、上下方向の軸線に平行な内壁面を有している。昇降テーブル22は、造形用容器21の内部にて内壁面に沿うように上下方向に移動可能に設けられる。ベース23は、昇降テーブル22の上面に着脱可能に取り付けられ、ベース23の上面が付加製造物Wを造形(製造)するための部位となる。即ち、ベース23は、上面に層状に金属粉末Pを配置すると共に、造形時に付加製造物Wを支持するための部材である。
材料粉末供給部としてのリコータヘッド30は、チャンバ10の内部であって、造形物支持装置20に隣接して設けられている。リコータヘッド30は、造形用容器21の上面、即ち、層状に配置された金属粉末Pの表面に沿って往復移動するものであり、図2に示すように、リコータ部としてのブレード31、本体部としての粉末収納容器32、移動機構としてのガイド機構33、及び、スパッタ除去部としてのスパッタ掬い部34を含んで構成される。
リコータ部としてのブレード31は、造形用容器21の開口部に沿って(即ち、後述するガイド機構33のガイドレールに沿って)前進移動及び後進移動することにより、ベース23の上面にて金属粉末Pを、例えば、50μm程度の層厚を有するように、層状に均す。このため、ブレード31は、前進移動及び後進移動する前後方向に対して直交する長手方向に沿って延設されている。
本体部としての粉末収納容器32は、金属粉末Pを収納し、収納した金属粉末Pをベース23の上面に吐出する。このため、粉末収納容器32は、上側に金属粉末Pが供給される供給口32aと、ベース23の上面に移動した際にベース23に対向する下側に金属粉末Pを吐出する吐出口32bと、が設けられている。吐出口32bは、前後方向に対して直交する長手方向に沿って開口しており、前進(又は後進)しながらベース23の上面に金属粉末Pを吐出する。尚、図示を省略するが、吐出口32bには、金属粉末Pを吐出する状態と吐出しない状態とに切り替える開閉可能な蓋が設けられる。
ここで、粉末収納容器32には、リコータヘッド30の上側に移動不能に設けられていて金属粉末Pを供給する図示省略の粉末供給装置から、適時、金属粉末Pが供給口32aから供給されて補充されるようになっている。これにより、粉末収納容器32は、付加製造物Wの製造(造形)中において金属粉末Pが不足しないようになっている。
移動機構としてのガイド機構33は、一対の軸受(図示省略)と、軸受がそれぞれ受ける一対のガイドレール(図示省略)とからなる。尚、リコータヘッド30は、図示を省略するサーボモータに対して、伝達機構(例えば、ボールねじとナット)を介して連結されており、サーボモータが駆動力を発生することによってリコータヘッド30はガイドレールに沿って、即ち、層状に配置された金属粉末Pの表面に沿って前進移動及び後進移動するようになっている。
スパッタ除去部としてのスパッタ掬い部34は、リコータヘッド30の前後方向においてブレード31よりも前方、より詳しくは、粉末収納容器32の吐出口32bよりも前方に設けられている。これにより、スパッタ掬い部34が吐出口32bからの金属粉末Pの吐出を阻害することがない。又、スパッタ掬い部34は、粉末収納容器32に対して、具体的には、吐出口32bが設けられる粉末収納容器32の下面から金属粉末Pの表面に直交する方向に沿った突出量が、ブレード31の突出量よりも小さくなるように設けられている。換言すれば、ブレード31は、金属粉末Pの表面に直交する方向に沿った粉末収納容器32に対する突出量が、スパッタ掬い部34の突出量よりも大きい。これにより、ブレード31は、金属粉末Pを層状に均すことができる。
スパッタ掬い部34は、後述するように、光ビーム照射装置40がベース23の上面に層状に配置された金属粉末Pに向けて光ビーム40aを照射した際に溶融金属が粒状に凝固して飛散し、付加製造物Wを造形する造形位置W1(付加製造領域)に存在するスパッタ粒子Sに接触して掬い上げて除去する。ここで、スパッタ粒子Sの大きさは、ベース23の上面に層状に配置される金属粉末Pの層厚よりも大きく、例えば、200μm程度の大きさを有する。
このため、スパッタ掬い部34は、図2に示すように、スパッタ粒子Sを掬い上げるスロープ34aを備えている。又、スパッタ掬い部34は、リコータヘッド30に対する昇降、換言すれば、層状に配置された金属粉末Pの表面(ベース23の上面)に直交する方向に沿った昇降(移動)を可能とする調整機構としての昇降機構34bを備えている。昇降機構34bは、図示を省略するが、粉末収納容器32の側面にて上下方向に延設されたガイド及び駆動源を含んで構成される。
そして、昇降機構34bは、後述する制御装置70(より詳しくは、リコータヘッド作動制御部73)により作動が制御される。これにより、昇降機構34bは、スパッタ掬い部34のスロープ34aの裏面34cと金属粉末Pの表面(ベース23の上面)或いは付加製造物Wの造形位置W1における表面との間の距離を、例えば、金属粉末Pの層厚に応じて適切に調整することができる。
光ビーム照射装置40は、図1に示すように、ベース23の上面に層状に配置された金属粉末Pの表面に、光ビーム40aを照射する。光ビーム40aは、上述したように、レーザビーム及び電子ビーム等である。光ビーム照射装置40は、層状に配置された金属粉末Pに光ビーム40aを照射することにより、金属粉末Pを金属粉末Pの融点以上の温度に加熱する。これにより、金属粉末Pは溶融してその後凝固し(又は焼結し)、一体化された層状の付加製造物Wが製造される。即ち、隣接する金属粉末P同士は、溶融接合によって一体化される。
又、光ビーム照射装置40は、予め設定されたプログラムに従って、光ビーム40aの照射位置を移動すると共に、ビーム強度を変更することができる。光ビーム40aの照射位置を移動することにより、所望の形状を有する付加製造物Wを造形することができる。又、光ビーム40aのビーム強度を変化させることにより、金属粉末Pの被照射部分における投入エネルギー(被照射部分に流入する入熱量)が変化し、金属粉末P同士の接合強度を変化させることができる。ここで、光ビーム40aは、第一加熱装置50及び第二加熱装置60により加熱される範囲よりも狭い範囲に対して照射可能である。
第一加熱装置50は、チャンバ10内において、ベース23の上面に対向する位置に配置されている。第一加熱装置50は、放射により金属粉末Pを加熱するものであり、例えば、赤外線ヒータ等を適用できる。第一加熱装置50は、ベース23の上に層状に配置された金属粉末Pの層表面を放射熱により直接加熱する。金属粉末Pの層表面とは、ベース23の上面(又は、造形位置W1)にて層状に配置された金属粉末Pにおける上側に露出した面である。
第一加熱装置50は、金属粉末Pの層表面を金属粉末Pの融点未満の温度で加熱し続けることができる。即ち、第一加熱装置50は、光ビーム40aのように、金属粉末Pを溶融させることはない。更に、第一加熱装置50は、光ビーム照射装置40と同様に、加熱範囲を前後方向及び前後方向に直交する方向、即ち、水平方向に移動させることができる。
第一加熱装置50による加熱範囲は、光ビーム40aの照射範囲より広い範囲に設定されており、光ビーム40aの照射範囲を一部に含む範囲に設定されている。即ち、第一加熱装置50は、層表面の面方向(水平方向)及び深さ方向(上下方向)において、光ビーム40aが照射されている範囲の周囲を加熱する。第一加熱装置50は、光ビーム40aにより溶融される直前の金属粉末P、金属粉末Pが溶融された後に凝固する前の間の付加製造物Wの部位(造形部位)、及び、光ビーム40aの照射範囲の周囲であって光ビーム40aにより照射されずに金属粉末Pとして残存している部位を加熱する。
本実施形態においては、第一加熱装置50による加熱範囲は、光ビーム40aの照射位置に対応して移動する。但し、第一加熱装置50は、層状に配置された金属粉末Pの層表面の全範囲に対して加熱するようにしても良い。この場合、第一加熱装置50は、光ビーム40aの照射位置に対応して移動する必要はない。
第二加熱装置60は、昇降テーブル22に内蔵される。第二加熱装置60は、金属製の金型を加熱するためのヒータである。例えば、第二加熱装置60は、コイルヒータ、カートリッジヒータ、ノズルヒータ、面状ヒータ等、種々のヒータを適用できる。第二加熱装置60は、昇降テーブル22を加熱し、昇降テーブル22を介してベース23全体を加熱する。
そして、第二加熱装置60は、更にベース23を介した伝熱により、ベース23の上面に層状に配置された金属粉末Pを加熱する。第二加熱装置60は、ベース23の上面に層状に配置された金属粉末Pを、金属粉末Pの融点未満の温度で加熱し続けることができる。即ち、第二加熱装置60は、第一加熱装置50と同様に、光ビーム40aのように金属粉末Pを溶融させることはない。
更に、ベース23の上面に付加製造物Wの一部が造形された状態においては、第二加熱装置60は、ベース23及び付加製造物Wの一部を介して、光ビーム40aが照射される前の状態の金属粉末Pを加熱する。即ち、第二加熱装置60による加熱範囲は、光ビーム40aの照射範囲より広い範囲であり、第一加熱装置50による加熱範囲より広い範囲であって、光ビーム40aの照射範囲及び第一加熱装置50による加熱範囲を一部に含む範囲に設定されている。尚、第二加熱装置60は、昇降テーブル22に設けられることに限られず、ベース23に設けるようにしても良いし、造形用容器21に設けるようにしても良い。
制御装置70は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を主要構成部品とするマイクロコンピュータである。制御装置70は、図3に示すように、造形データ記憶部71、昇降テーブル作動制御部72、リコータヘッド作動制御部73、光ビーム照射制御部74、及び、加熱制御部75を備えている。
造形データ記憶部71は、付加製造物Wを含む空間全体を所定の厚さで分割した分割層毎の形状データを記憶している。尚、形状データは、例えば、図3にて詳細な図示を省略するCAD(Computer Aided Design)端末から供給されるようになっている。
昇降テーブル作動制御部72は、昇降テーブル22を昇降させる駆動装置(図示省略)の作動を制御する。昇降テーブル作動制御部72は、リコータヘッド30の往復移動によって金属粉末Pが供給される際において、所定降下量だけ昇降テーブル22を降下させる。
リコータヘッド作動制御部73は、リコータヘッド30の作動、より具体的には、造形に伴って発生する後述のスパッタ粒子Sの除去作動、及び、金属粉末Pの供給作動を制御する。尚、リコータヘッド作動制御部73によるリコータヘッド30の作動の制御については、後に詳述する。
光ビーム照射制御部74は、光ビーム照射装置40の作動を制御するものである。具体的に、光ビーム照射制御部74は、光ビーム照射装置40が照射する光ビーム40aの照射位置(照射軌跡)及びビーム強度を、造形データ記憶部71に記憶されている形状データに基づいて制御する。
加熱制御部75は、第一加熱装置50及び第二加熱装置60の作動を制御するものである。加熱制御部75は、上述した第一加熱装置50の移動や加熱の制御、及び、第二加熱装置60の加熱の制御を行う。尚、加熱制御部75による第一加熱装置50及び第二加熱装置60の作動制御の詳細については、本発明に直接関係しないため、その説明を省略する。
(2.スパッタ粒子Sの発生)
次に、付加製造物Wを造形する際に発生するスパッタ粒子Sについて、図4を参照して説明する。金属粉末Pが層状に配置された状態において、光ビーム照射制御部74による制御により光ビーム照射装置40が作動して光ビーム40aを照射すると、金属粉末Pは溶融する。このとき、光ビーム40aが照射された部分においては、溶融領域Ar1、半溶融領域Ar2及びスパッタ粒子Sが生じる。
溶融領域Ar1は、所謂、溶融池であり、光ビーム40aの照射面、照射面の僅かに周囲の表面、及び、これらの深さ方向(例えば、上下方向)の範囲を含む。尚、深さ方向の範囲は、図4に示すように、光ビーム40aの照射面の中心が最も深く、中心から遠ざかる程浅くなっている。
半溶融領域Ar2は、図4にて太線により示すように、光ビーム40aの照射面において、溶融領域Ar1(即ち、溶融池)の周囲に存在する。半溶融領域Ar2は、金属粉末Pが完全に溶融することなく、半溶融した状態の金属粉末Pが存在する領域である。
スパッタ粒子Sは、例えば、溶融領域Ar1において金属粉末Pが溶融し、溶融した金属粉末Pが飛散してその後凝固することにより形成される、200μm程度の粒子である。スパッタ粒子Sは、図4に概念的に示すように、飛散することによって層状に配置された金属粉末Pの上面に存在し、付加製造物Wとは異なる異物である。そして、スパッタ粒子Sは、照射される光ビーム40aのビーム強度(出力)が大きくなる程、溶融した金属粉末Pが飛散しやすくなって多く発生する。
スパッタ粒子Sは、光ビーム40aの照射によって一端溶融した金属粉末Pが凝集して形成されるため、再度光ビーム40aが照射された場合には溶融しにくくなる。このため、スパッタ粒子Sが存在する状態で新たに金属粉末Pを層状に配置して光ビーム40aを照射した場合、スパッタ粒子Sの粒径が大きくなる程、照射された光ビーム40aがスパッタ粒子Sの周囲に存在する金属粉末Pを溶融することを阻害する。その結果、スパッタ粒子Sの周囲に存在する金属粉末Pが半溶融した状態になりやすくなり、スパッタ粒子Sの周囲においては、相対密度が低下する傾向を有する。
(3.リコータヘッド30の作動)
次に、リコータヘッド30の作動について図5〜図7を用いて説明する。上述したように、リコータヘッド30は、リコータヘッド作動制御部73によって作動が制御される。リコータヘッド作動制御部73は、図5に示すように、昇降テーブル作動制御部72と協働して、金属粉末Pを層状に配置すると共にスパッタ粒子Sを除去する。
具体的に、昇降テーブル作動制御部72は、昇降テーブル22を予め設定された降下量だけ降下させる(昇降テーブル降下工程)。これにより、昇降テーブル22は、金属粉末Pを配置する層厚に相当する降下量だけ降下する。
リコータヘッド作動制御部73は、昇降テーブル22の降下に伴って降下した金属粉末Pの表面(造形位置W1)と所定距離となるように、具体的には、金属粉末Pが層状に配置された層厚よりも大きい距離だけ離れた状態となるように、昇降機構34bを作動させてスパッタ掬い部34(スロープ34a)を降下させる。そして、リコータヘッド作動制御部73は、リコータヘッド30をガイド機構33に沿って前進移動させる(スパッタ除去工程及び粉末供給工程)。
これにより、前進移動するリコータヘッド30においては、降下したスパッタ掬い部34が先回層状に均された金属粉末Pの上面に飛散したスパッタ粒子Sをスロープ34aにて掬って除去する(スパッタ除去工程)。この場合、スパッタ掬い部34のスロープ34aは、例えば、層厚よりも大きな粒径を有するスパッタ粒子Sを優先的に掬って除去することができる。従って、リコータヘッド30が前進移動することにより、スパッタ掬い部34は、ベース23の上面即ち付加製造領域からスパッタ粒子Sを除去することができる。
尚、本実施形態においては、スロープ34aを、貫通孔を有しない板状部材から形成する。しかし、スロープ34aを、貫通孔を有する網状部材から形成することも可能である。この場合には、スパッタ粒子Sと共に掬い上げた粒径の小さい金属粉末Pは、貫通孔を介してベース23の上面に戻される。
又、前進移動するリコータヘッド30においては、ブレード31が粉末収納容器32の吐出口32bからベース23の上面に吐出された金属粉末Pを層状に均す(粉末供給工程)。ここで、吐出口32bは、前後方向において、スパッタ掬い部34とブレード31との間に設けられている。これにより、先ず、スパッタ掬い部34がスパッタ粒子Sに接触して除去し、次に、吐出口32bから山状に金属粉末Pが吐出され、最後に、ブレード31が山状部分の金属粉末Pを均す。
即ち、ベース23の上面においては、リコータヘッド30が前進することにより、先回までの造形に伴って発生したスパッタ粒子Sがブレード31の進行方向にて前側に配置されたスパッタ掬い部34によって除去されると共に金属粉末Pが層状に均されて配置される。これにより、スパッタ粒子Sの除去と金属粉末Pを層状に均して配置することを短時間で行うことができる。尚、除去されたスパッタ粒子Sは、造形用容器21の周縁部に設けられたスパッタ回収容器に回収される。
そして、リコータヘッド作動制御部73は、リコータヘッド30を前進移動させてスパッタ粒子Sの除去及び金属粉末Pの配置が完了すると、図6に示すように、リコータヘッド30を後退移動させて原位置に戻す。尚、原位置においては、粉末収納容器32に金属粉末Pが補充される。
続いて、光ビーム照射制御部74が光ビーム照射装置40から光ビーム40aを照射させる(光ビーム照射工程)。具体的に、光ビーム照射制御部74は、造形データ記憶部71に記憶された形状データを取得し、取得した形状データ即ち付加製造物Wの形状に基づいて、図7に示すように、光ビーム照射装置40に光ビーム40aを照射させる。尚、この照射時においては、加熱制御部75の制御により、第一加熱装置50及び第二加熱装置60が層状に配置された金属粉末P及び付加製造物Wを加熱している。
光ビーム40aが照射されて金属粉末Pが溶融する際には、図7に示すように、スパッタ粒子が層状に配置された金属粉末Pの上面に発生する。従って、リコータヘッド作動制御部73は、上述したように昇降テーブル作動制御部72と協働して、発生したスパッタ粒子Sを除去すると共に金属粉末Pを層状にして次の層を配置する。そして、上述したように、光ビーム40aが照射され、その後にスパッタ粒子Sの除去及び金属粉末Pの配置が行われることが繰り返し実行される。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態の付加製造装置1は、三次元形状を有する付加製造物としての付加製造物Wを造形する造形位置W1に材料粉末としての金属粉末Pを供給する粉末供給部としてのリコータヘッド30と、造形位置W1に供給された金属粉末Pを溶融する光ビーム40aを照射する光ビーム照射部としての光ビーム照射装置40と、造形位置W1に金属粉末Pを供給するようにリコータヘッド30の作動を制御すると共に造形位置W1に光ビーム40aを照射するように光ビーム照射装置40の作動を制御する制御部としての制御装置70(リコータヘッド作動制御部73及び光ビーム照射制御部74)と、を有する付加製造装置である。
そして、付加製造装置1は、光ビーム40aの照射によって溶融した金属粉末Pの飛散に伴って形成されて金属粉末Pよりも大きな粒径を有し、且つ、少なくとも造形位置W1に存在するスパッタ粒子Sに接触して除去するように、制御装置70(リコータヘッド作動制御部73)によって作動が制御されるスパッタ除去部としてのスパッタ掬い部34を備え、制御装置70は、光ビーム照射制御部74が光ビーム照射装置40を作動させて造形位置W1に供給された金属粉末Pに光ビーム40aを照射させてから、リコータヘッド作動制御部73がリコータヘッド30を作動させて光ビーム40aが照射された造形位置W1に金属粉末Pを供給するまでの間に、リコータヘッド作動制御部73がスパッタ掬い部34を作動させて造形位置W1に存在するスパッタ粒子Sを除去する。
この場合、リコータヘッド30は、本体部を構成する粉末収納容器32と、粉末収納容器32に取り付けられて供給する金属粉末Pを層状に配置して均すリコータ部としてのブレード31と、を有しており、スパッタ掬い部34は、ブレード31が金属粉末Pを層状に配置して均すように粉末収納容器32が進行する進行方向よりも前側、より具体的に、粉末収納容器32に収納された金属粉末Pを吐出する吐出口32bよりも進行方向にて前側になるように、配置されて設けられる。そして、この場合には、スパッタ掬い部34は、金属粉末Pの表面に直交する方向、即ち、上下方向に沿って造形位置W1との距離を層厚よりも大きい距離となるように調整可能にする調整機構としての昇降機構34bを有することができる。
これらによれば、スパッタ掬い部34は、リコータヘッド30が造形位置W1に金属粉末Pを供給するまでに、光ビーム照射装置40が照射した光ビーム40aによって形成されて造形位置W1に存在するスパッタ粒子Sを除去することができる。これにより、付加製造物Wの造形に際して金属粉末Pの溶融(焼結)を阻害するスパッタ粒子Sを除去することができるため、造形された付加製造物Wにおいて相対密度を均一化することができる。その結果、付加製造物Wの機械強度を十分に確保することができる。
又、スパッタ掬い部34は、少なくとも造形位置W1に存在するスパッタ粒子Sに接触して掬い上げて造形位置W1の外部に除去することができる。このため、付加製造装置1の構成を簡略化することができる。これにより、付加製造装置1を安価とすることができ、その結果、製造される付加製造物Wの製造コストを抑えることが可能となる。
(4.第一変形例)
上記実施形態においては、リコータヘッド30が粉末収納容器32の側面にて昇降可能に設けられたスパッタ除去部としてのスパッタ掬い部34を有するようにした。これに代えて、又は、加えて、リコータヘッド30が、図8に示すように、スパッタ除去部として、スパッタ粒子Sを押し出して除去するスパッタ押出部35を有するように構成することも可能である。以下、この第一変形例を具体的に説明する。
この第一変形例においては、リコータヘッド30が後進移動する際にスパッタ粒子Sを除去する。従って、スパッタ押出部35は、ブレード31よりも進行方向にて前側でスパッタ粒子Sを押し出すように、具体的に、図8に示すように、リコータヘッド30が後進移動する場合にはブレード31の前後方向における側面にて後側となるように設けられている。即ち、第一変形例においては、スパッタ押出部35は、前後方向にてブレード31の後方側の側面に一体に設けられる。これにより、スパッタ押出部35は、後に詳述するように、リコータヘッド30の後進移動に伴い、スパッタ粒子Sに接触してベース23の上面(付加製造領域)から押し出して除去する。
次に、第一変形例におけるリコータヘッド30の作動を説明する。この第一変形例においても、昇降テーブル作動制御部72は、昇降テーブル22を予め設定された降下量だけ降下させる。これにより、昇降テーブル22は、金属粉末Pを配置する層厚に相当する降下量だけ降下する。
そして、リコータヘッド作動制御部73は、リコータヘッド30をガイド機構33に沿って前進移動させながらベース23の上面に金属粉末Pを運搬させると共に金属粉末Pを層状に均す。ここで、リコータヘッド30の粉末収納容器32には、必要量の金属粉末Pが収容されている。このため、リコータヘッド30が前進移動することにより、粉末収納容器32に収容されている金属粉末Pが吐出口32bからベース23の上面に向けて順次吐出される。
第一変形例においても、吐出口32bから吐出された金属粉末Pは、図9に示すように、山状に吐出される。リコータヘッド30は前後方向(進行方向)にて吐出口32bよりも後側にブレード31を有している。従って、リコータヘッド30が金属粉末Pを吐出しながら前進移動すると、ブレード31は吐出された金属粉末Pを均しながら前進する。これにより、ベース23の上面においては、リコータヘッド30が前進移動することにより、金属粉末Pが層状に均されて配置される。
続いて、第一変形例においては、光ビーム照射制御部74が光ビーム照射装置40から光ビーム40aを照射させる。具体的に、光ビーム照射制御部74は、造形データ記憶部71に記憶された形状データを取得し、取得した形状データ即ち付加製造物Wの形状に基づいて、図10に示すように、光ビーム照射装置40に光ビーム40aを照射させる。尚、この照射時においては、加熱制御部75により、第一加熱装置50及び第二加熱装置60が層状に配置された金属粉末Pを加熱している。
ところで、上述したように、光ビーム40aが照射されて金属粉末Pが溶融する際には、図10に示すように、スパッタ粒子Sが層状に配置された金属粉末Pの上面に発生する。そこで、第一変形例においては、発生した金属粉末Pを除去するために、リコータヘッド作動制御部73は、リコータヘッド30を後進移動させる。
リコータヘッド30は、ブレード31よりも進行方向(この場合は、後進移動)にて前側となるように、ブレード31の側面にて後側にスパッタ除去部としてのスパッタ押出部35を有している。又、スパッタ粒子Sは、層厚よりも粒径が大きい。これにより、図11に示すように、スパッタ押出部35は、リコータヘッド30の後進移動に伴い、金属粉末Pの上面に飛散したスパッタ粒子Sに接触してベース23の上面から押し出して除去する。従って、図11に示すように、光ビーム40aが照射されて付加製造物Wが造形された後においては、ベース23の上面即ち付加製造領域からスパッタ粒子Sが除去される。
リコータヘッド30が後進移動してスパッタ粒子Sが除去されると、リコータヘッド30は図9に示す位置に戻る。これにより、リコータヘッド作動制御部73は、上述したように昇降テーブル作動制御部72と協働して、金属粉末Pを層状にして次の層を配置する。そして、上述したように、光ビーム40aが照射され、その後にスパッタ粒子Sが除去される作動が繰り返し実行される。従って、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(5.第二変形例)
上記実施形態においては、リコータヘッド30がスパッタ除去部としてスパッタ掬い部34を有するように構成した。又、上記第一変形例においては、リコータヘッド30がスパッタ除去部としてスパッタ押出部35を有するように構成した。そして、スパッタ掬い部34及びスパッタ押出部35は、原則、付加製造物Wの造形位置W1から飛散したスパッタ粒子Sに接触して除去するようにした。
ところで、スパッタ粒子Sが飛散する場合、一部のスパッタ粒子Sが凝固する前に造形位置W1に飛散し、その後の凝固に伴って付加製造物Wと結合する可能性がある。このようにスパッタ粒子Sが結合した状態で付加製造物Wを造形した場合、スパッタ粒子Sが含まれる部分においては相対密度が低下して機械強度が低下する虞がある。そこで、この第二変形例においては、リコータヘッド30がスパッタ除去部として回転砥石36を有するように構成することも可能である。以下、この第二変形例を具体的に説明する。
スパッタ除去部としての回転砥石36は、図12に示すように、砥石本体36a、駆動源としてのモータ36b及び昇降機構36cを含んで構成されている。回転砥石36は、リコータヘッド30の前後方向においてブレード31よりも前方、より詳しくは、粉末収納容器32の吐出口32bよりも前方に設けられている。回転砥石36は、砥石本体36aがモータ36bの駆動力が伝達されて回転することにより、金属粉末Pの上面及び付加製造物Wの造形位置W1に存在するスパッタ粒子Sに接触して弾き飛ばしてベース23の上面(付加製造領域)から除去する。
砥石本体36a及びモータ36bは、昇降機構36cを介して粉末収納容器32の側面に連結されている。昇降機構36cは、図示を省略するが、粉末収納容器32の側面にて上下方向に延設されたガイド及び駆動源を含んで構成される。
砥石本体36aは、昇降機構36cによって金属粉末Pの上面及び付加製造物Wの造形位置W1との間の距離が調整される。これにより、砥石本体36aは、原則、金属粉末Pの上面及び付加製造物Wの造形位置W1と間隔を有して、即ち、造形位置W1と接触することなく、金属粉末Pの上面及び付加製造物Wの造形位置W1から外方に突出しているスパッタ粒子Sに接触して除去する。しかし、必要に応じて、砥石本体36aと付加製造物Wの造形位置W1とを接触するように昇降機構36cを作動させて、砥石本体36aが付加製造物Wの造形位置W1を研削することも可能である。
このように、回転砥石36を備えたリコータヘッド30においても、上記実施形態と同様に、リコータヘッド作動制御部73によって作動が制御される。即ち、この第二変形例においても、リコータヘッド作動制御部73は、昇降テーブル作動制御部72と協働して、金属粉末Pを層状に配置すると共にスパッタ粒子Sを除去する。
具体的に、昇降テーブル22が予め設定された降下量だけ降下すると、リコータヘッド作動制御部73は、昇降テーブル22の降下に伴って降下した造形位置W1の表面及び金属粉末Pの表面と所定距離となるように、昇降機構36cを作動させる。そして、リコータヘッド作動制御部73は、モータ36bを駆動させることによって砥石本体36aを回転させながら降下させて、リコータヘッド30をガイド機構33に沿って前進移動させる。
これにより、前進移動するリコータヘッド30においては、図13に示すように、先回層状に均された金属粉末Pの上面、或いは、付加製造物Wの造形位置W1に飛散したスパッタ粒子Sを、回転する砥石本体36aが接触して弾き飛ばして除去する。従って、リコータヘッド30が前進移動することにより、回転砥石36は、ベース23の上面即ち付加製造領域からスパッタ粒子Sを除去することができる。
従って、この第二変形例においても、上記実施形態同様の効果が得られる。更に、この第二変形例においては、回転砥石36が付加製造物Wの造形位置W1の上面を研削することができる。このため、造形位置W1の上面(表面)を平滑化することができ、平滑化された造形位置W1においては積層されて溶融される金属粉末Pと良好に溶融接合することが可能となる。これにより、良好な機械強度を確保することができる。
(6.第三変形例)
上記実施形態及び上記各変形例においては、リコータヘッド30が前進移動することに伴って金属粉末Pを吐出しながら均すようにした。これに代えて、リコータヘッド30が前進移動することに伴ってスパッタ粒子Sを除去し、リコータヘッド30が後進移動することに伴って金属粉末Pを吐出しながら均すようにすることも可能である。以下、上記第一変形例におけるリコータヘッド30を変形した場合を例示して、この第三変形例を具体的に説明する。
第三変形例においては、図14に示すように、リコータヘッド30のブレード31が粉末収納容器32に設けられた吐出口32bよりも前後方向にて前側に配置される。又、この第三変形例においては、スパッタ除去部としてのスパッタ押出部35は、ブレード31の側面にて前側に配置される。
これにより、第三変形例においては、リコータヘッド30前進移動に伴って、スパッタ押出部35が金属粉末Pの上面即ちベース23の上面に飛散したスパッタ粒子Sに接触して押し出すことにより、付加製造領域からスパッタ粒子Sが除去される。一方、リコータヘッド30の後進移動に伴って、吐出口32bから金属粉末Pが吐出され、吐出された金属粉末Pがブレード31によって均されて金属粉末Pがベース23の上面に層状に配置される。従って、この第三変形例においても、上記実施形態及び上記各変形例と同様の効果が得られる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態及び上記各変形例においては、スパッタ除去部としてのスパッタ掬い部34、スパッタ押出部35又は回転砥石36をリコータヘッド30の前側又は後側にのみ設けるようにした。これに代えて、スパッタ掬い部34、スパッタ押出部35又は回転砥石36を、リコータヘッド30の前側及び後側に設けることも可能である。
又、上記実施形態及び上記各変形例においては、リコータヘッド30が粉末収納容器32を有し、粉末収納容器32に予め収納された金属粉末Pを吐出口32bからベース23の上面に向けて吐出するようにした。これに代えて、リコータヘッド30から粉末収納容器32を省略する、即ち、リコータヘッド30が別途供給された金属粉末Pを均すのみの構成とすることも可能である。
この場合、付加製造装置1が、例えば、昇降テーブル22及びベース23に隣接して設けられて金属粉末Pを供給する材料供給装置を有する。そして、リコータヘッド30は、前進移動又は後進移動することにより、ブレード31が材料供給装置から供給された金属粉末Pをベース23の上面に運搬するとともに層状に均して配置する。又、リコータヘッド30の後進移動又は前進移動に伴い、スパッタ除去部としてのスパッタ掬い部34、スパッタ押出部35及び回転砥石36のうちの少なくとも一つが発生したスパッタ粒子Sに接触して除去する。従って、この場合においても、上記実施形態及び上記変形例と同等の効果が得られる。
又、上記第一変形例においては、スパッタ押出部35をブレード31の側面にて一体に設けるようにした。これに代えて、スパッタ押出部35をブレード31とは別体となるように設けることも可能である。この場合、スパッタ押出部35の下面(層状に配置された金属粉末Pの上面に対向する面)がブレード31の下面よりも上方となるように、スパッタ押出部35が設けられる。より具体的に、スパッタ押出部35は、金属粉末Pの表面に直交する方向である上下方向におけるスパッタ押出部35の下面の位置が、金属粉末Pが供給されて層状に配置される際の層厚よりも大きい距離だけ造形位置W1から離れて上方となるように、設けられる。これにより、金属粉末Pの層厚よりも大きな粒径を有していて、光ビーム40aの照射に伴う金属粉末Pの溶融を阻害する可能性の高いスパッタ粒子Sに優先的に接触して除去することができる。その他については、上記実施形態と同等の効果が得られる。
又、上記第一変形例においては、前後方向にてブレード31の側面における前側又は後側にスパッタ押出部35を設けるようにした。又、スパッタ押出部35の下面がブレード31の下面よりも上下方向にて上側になるようにした。即ち、上記第一変形例においては、ブレード31とスパッタ押出部35を一体化し、それぞれが金属粉末Pを均す機能とスパッタ粒子Sを除去する機能を発揮するようにした。
これに代えて、ブレード31及びスパッタ押出部35を一体化した上で、金属粉末Pを均す機能とスパッタ粒子Sを除去する機能をも一体化することも可能である。即ち、この場合には、スパッタ押出部35(ブレード31)が上下方向にて昇降可能に粉末収納容器32に設けられ、スパッタ押出部35(ブレード31)の下面にて金属粉末Pを均すと共にスパッタ粒子Sを除去する。
この場合、具体的に、スパッタ粒子Sを除去する際には、例えば、昇降テーブル22の降下に合わせてスパッタ押出部35(ブレード31)を降下させることによってスパッタ粒子Sに接触して除去する。一方、吐出口32bから金属粉末Pをベース23の上面に供給する際には、層厚に合わせてスパッタ押出部35(ブレード31)を上昇させることによって金属粉末Pを均す。このように、ブレード31とスパッタ押出部35とを一体化すると共に昇降によって金属粉末Pを均す機能とスパッタ粒子Sを除去する機能とを一体化した場合であっても、上記第一変形例と同様の効果が得られる。
更に、上記実施形態及び上記各変形例においては、スパッタ除去部としてのスパッタ掬い部34、スパッタ押出部35及び回転砥石36をリコータヘッド30に一体的に設けるようにした。これに代えて、スパッタ掬い部34、スパッタ押出部35及び回転砥石36を、リコータヘッド30とは別体として設けることも可能である。
1…付加製造装置、10…チャンバ、20…造形物支持装置、21…造形用容器、22…昇降テーブル、23…ベース、30…リコータヘッド(粉末供給部)、31…ブレード(リコータ部)、32…粉末収納容器(本体部)、32a…供給口、32b…吐出口(本体部)、33…ガイド機構(移動機構)、34…スパッタ掬い部(スパッタ除去部)、34a…スロープ、34b…昇降機構(調整機構)、34c…裏面、35…スパッタ押出部(スパッタ除去部)、36…回転砥石(スパッタ除去部)、36a…砥石本体、36b…モータ(駆動源)、36c…昇降機構(調整機構)、40…光ビーム照射装置(光ビーム照射部)、40a…光ビーム、50…第一加熱装置、60…第二加熱装置、70…制御装置(制御部)、71…造形データ記憶部、72…昇降テーブル作動制御部、73…リコータヘッド作動制御部、74…光ビーム照射制御部、75…加熱制御部、Ar1…溶融領域、Ar2…半溶融領域、P…金属粉末(粉末材料)、S…スパッタ粒子、W…付加製造物、W1…造形位置

Claims (11)

  1. 三次元形状を有する付加製造物を造形する造形位置に材料粉末を供給する粉末供給部と、
    前記造形位置に供給された前記材料粉末を溶融する光ビームを照射する光ビーム照射部と、
    前記造形位置に前記材料粉末を供給するように前記粉末供給部の作動を制御すると共に前記造形位置に前記光ビームを照射するように前記光ビーム照射部の作動を制御する制御部と、を有する付加製造装置であって、
    前記光ビームの照射によって溶融した前記材料粉末の飛散に伴って形成されて前記材料粉末よりも大きな粒径を有し、且つ、少なくとも前記造形位置に存在するスパッタ粒子に接触して除去するように、前記制御部によって作動が制御されるスパッタ除去部を備え、
    前記制御部は、前記光ビーム照射部を作動させて前記造形位置に供給された前記材料粉末に前記光ビームを照射させてから前記粉末供給部を作動させて前記光ビームが照射された前記造形位置に前記材料粉末を供給するまでの間に前記スパッタ除去部を作動させて前記造形位置に存在する前記スパッタ粒子を除去させる、付加製造装置。
  2. 前記スパッタ除去部は、
    層状に配置された前記材料粉末の表面に沿った移動を可能とする移動機構に取り付けられており、
    前記造形位置から前記表面に直交する方向における位置が前記材料粉末が供給されて層状に配置される際の層厚よりも大きい距離だけ離れた状態で、前記移動機構によって移動可能に構成された、請求項1に記載の付加製造装置。
  3. 前記粉末供給部は、
    本体部と、
    前記本体部に取り付けられて供給する前記材料粉末を層状に配置して均すリコータ部と、を有しており、
    前記スパッタ除去部は、
    前記リコータ部が前記材料粉末を層状に配置して均すように前記本体部が進行する進行方向にて、前記リコータ部よりも前側に配置される、請求項1又は請求項2に記載の付加製造装置。
  4. 前記本体部は、
    前記材料粉末を収容する粉末収納容器と、
    前記進行方向にて前記リコータ部よりも前側に配置されて前記粉末収納容器に収納された前記材料粉末を吐出する吐出口と、を有するように構成されており、
    前記スパッタ除去部は、
    前記進行方向にて前記吐出口よりも前側になるように、前記本体部に設けられる、請求項3に記載の付加製造装置。
  5. 前記スパッタ除去部は、
    層状に配置された前記材料粉末の表面に直交する方向に沿って前記造形位置との距離を調整可能にする調整機構を有する、請求項3又は請求項4に記載の付加製造装置。
  6. 前記スパッタ除去部は、
    前記リコータ部と一体に設けられており、
    前記調整機構は、
    前記スパッタ粒子を除去するときと、前記材料粉末を層状に配置して均すときと、によって、前記スパッタ除去部の前記造形位置との距離を調整する、請求項5に記載の付加製造装置。
  7. 前記リコータ部は、
    層状に配置された前記材料粉末の表面に直交する方向に沿った前記本体部に対する突出量が、前記スパッタ除去部の前記材料粉末の前記表面に直交する方向に沿った前記本体部に対する突出量よりも大きい、請求項3又は請求項4に記載の付加製造装置。
  8. 前記スパッタ除去部は、
    前記スパッタ粒子を掬い上げて、又は、前記スパッタ粒子を押し出して除去する、請求項1乃至請求項7のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。
  9. 前記スパッタ除去部は、
    前記粉末供給部に取り付けられる砥石であり、前記砥石を回転駆動する駆動源を有する、請求項1乃至請求項7のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。
  10. 層状に配置された材料粉末に光ビームを照射し、前記材料粉末を溶融した後に凝固させる又は焼結することによって三次元形状を有する付加製造物を製造する付加製造方法であって、
    前記付加製造物を支持可能且つ昇降動作可能な昇降テーブルを予め設定された降下量だけ降下させる昇降テーブル降下工程と、
    前記昇降テーブルの降下に伴って降下した前記付加製造物を造形する造形位置に前記材料粉末を供給する粉末供給工程と、
    前記造形位置に供給された前記材料粉末を溶融する前記光ビームを照射する光ビーム照射工程と、
    前記光ビーム照射工程において溶融した前記材料粉末の飛散に伴って形成されて前記材料粉末よりも大きな粒径を有し、少なくとも前記造形位置に存在するスパッタ粒子に接触して除去するスパッタ除去工程と、を含んで構成された付加製造方法。
  11. 前記スパッタ除去工程は、
    前記昇降テーブル降下工程の後において、前記粉末供給工程の直前に実行される、請求項10に記載の付加製造方法。
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