JP2020083983A - セルロース分散樹脂組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 - Google Patents
セルロース分散樹脂組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020083983A JP2020083983A JP2018218178A JP2018218178A JP2020083983A JP 2020083983 A JP2020083983 A JP 2020083983A JP 2018218178 A JP2018218178 A JP 2018218178A JP 2018218178 A JP2018218178 A JP 2018218178A JP 2020083983 A JP2020083983 A JP 2020083983A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose
- meth
- polymer
- acrylate
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
Description
[1]熱可塑性樹脂(a)、ポリマー(b)がセルロース(c)にグラフトしたグラフト化セルロース(d)、及び前記熱可塑性樹脂(a)中に前記グラフト化セルロース(d)を分散させる高分子分散剤(e)を含有し、前記熱可塑性樹脂(a)と前記ポリマー(b)は、相互に相溶せず、前記高分子分散剤(e)は、前記熱可塑性樹脂(a)と親和するAブロックと、前記熱可塑性樹脂(a)と親和しないが前記ポリマー(b)と親和するBブロックと、を含むABブロックコポリマーであるセルロース分散樹脂組成物。
[2]前記熱可塑性樹脂(a)が、ポリオレフィンであり、前記ポリマー(b)が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリ(n=2以上)アルキレン(炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数1〜18)ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びその第4級塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及びその第4級塩、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド、並びにN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドからなるモノマー群(f)より選択される少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位を50質量%以上含み、前記Aブロックは、炭素数8以上のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、又はシクロアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系のモノマー(g)に由来する構成単位を含み、前記Bブロックは、下記(i)〜(iii)のいずれかである前記[1]に記載のセルロース分散樹脂組成物。
(i)前記ポリマー(b)と同一のモノマー組成である。
(ii)前記ポリマー(b)を構成するモノマーに由来する構成単位を含む。
(iii)前記モノマー群(f)より選択される少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位を含み、かつ、前記モノマー(g)に由来する構成単位の含有量が10質量%未満である。
[3]前記グラフト化セルロース(d)中の前記セルロース(c)の含有量が、25〜50質量%である前記[1]又は[2]に記載のセルロース分散樹脂組成物。
[4]前記グラフト化セルロース(d)100質量部に対する、前記高分子分散剤(e)の含有量が、50〜200質量部である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のセルロース分散樹脂組成物。
[5]前記セルロース(c)が、その平均繊維幅が4〜200nmのナノセルロースである前記[1]〜[4]のいずれかに記載のセルロース分散樹脂組成物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のセルロース分散樹脂組成物の製造方法であって、パルプを解繊して含水セルロースを得る工程と、得られた前記含水セルロースを含む水系媒体中でグラフト重合してポリマー(b)を形成し、グラフト化セルロース(d)を得る工程と、を有するセルロース分散樹脂組成物の製造方法。
[7]前記含水セルロースを含む水系媒体中で、セリウム塩を用いてラジカル重合して前記ポリマー(b)を形成し、前記グラフト化セルロース(d)を得る前記[6]に記載のセルロース分散樹脂組成物の製造方法。
[8]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のセルロース分散樹脂組成物を用いて得られる、前記セルロース(c)の含有量が0.5〜10質量%であるセルロース樹脂複合材。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。セルロースは、その構造中に多数の水酸基を有するために親水性が高く、しかも水素結合による強い凝集作用を示す。このため、疎水性の熱可塑性樹脂中にセルロースをナノサイズ・マイクロサイズのレベルで分散させることは容易ではない。特に、極性が顕著に低いポリオレフィン等の熱可塑性樹脂中にセルロースを微分散させるのは困難である。
熱可塑性樹脂(a)としては、ポリオレフィン等を用いることができる。一般的なポリオレフィンは不飽和炭化水素系モノマーの重合物であり、低極性の炭化水素系ポリマーである。ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリヘキセン、ポリα−オレフィン、ポリシクロオレフィン等を挙げることができる。さらに、これらのポリオレフィンを構成するモノマーを共重合成分として含むポリマーであってもよく、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、及びスチレン・ブタジエン共重合体等を挙げることができる。
グラフト化セルロース(d)は、ポリマー(b)がセルロース(c)にグラフトしたもの(セルロース繊維)である。
ポリマー(b)は、熱可塑性樹脂(a)と相互に実質的に相溶しないポリマー鎖である。ポリマー(b)は、水系媒体中で解繊して得たセルロースに、水系媒体中でそのままグラフト重合しうるモノマーに由来する構成単位を含むポリマー鎖であることが好ましい。ポリマー(b)に含まれる構成単位を構成するモノマーとしては、極性が高いモノマーや、水に親和するモノマーが好ましい。
セルロース(c)の原料となるパルプ(植物繊維)としては、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、綿、ビート、農産物残廃物、及び布等の天然植物原料から得られる天然セルロース;紙、レーヨン、セロファン等の再生セルロース繊維等を挙げることができる。木材としては、シトカスプルース、スギ、ヒノキ、ユーカリ、アカシア等を挙げることができる。紙としては、脱墨古紙、段ボール古紙、雑誌、コピー用紙等を挙げることができる。パルプの主成分であるリグノセルロースは、主としてセルロース、ヘミセルロース、及びリグニンから構成されるとともに、各々が結合して植物繊維を形成している。リグノセルロースを含む植物繊維を機械処理や化学処理してヘミセルロース及びリグニンを除去し、セルロースの純分を高めることでパルプを得ることができる。また、必要に応じて漂白処理したり、脱リグニン量を調整したりすることで、得られるパルプのリグニン量を制御することができる。
グラフト化セルロース(d)は、セルロース(c)の表面にのみポリマー(b)がグラフトしたものであればよく、セルロース(c)の分子鎖の全てにポリマー(b)がグラフトしていなくてもよい。セルロース(c)の分子鎖の全てにポリマー(b)がグラフトしていると、グラフト化セルロース(d)が分散媒体中に溶解しやすくなることがあり、複合材の強度がやや不足する場合がある。すなわち、セルロース(c)へのポリマー(b)の置換度は1未満である(すなわち、グルコース環1個当たり、ポリマー(b)1鎖未満がグラフトしている)ことが好ましく、0.1未満であることがさらに好ましい。
高分子分散剤(e)は、熱可塑性樹脂(a)中にグラフト化セルロース(d)を分散させる成分であり、熱可塑性樹脂(a)と親和するAブロックと、熱可塑性樹脂(a)と親和しないがポリマー(b)と親和するBブロックと、を含むABブロックコポリマーである。Aブロックが熱可塑性樹脂(a)と親和し、Bブロックが、セルロースにグラフトしているポリマー(b)と親和する。すなわち、これらAブロック及びBブロックを含むABブロックコポリマーを高分子分散剤として用いることで、このABブロックコポリマーが熱可塑性樹脂(a)とポリマー(b)を仲立ちする。これにより、セルロースを熱可塑性樹脂中に好ましくはナノサイズで分散させて、高度な機械的物性を示す複合材とすることができる。
Aブロックは、炭素数8以上のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、又はシクロアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系のモノマー(g)に由来する構成単位を含むポリマー鎖であることが好ましい。これらのモノマー(g)に由来する構成単位を含むAブロックは低極性のポリマー鎖であるため、熱可塑性樹脂と親和及び相溶しやすい。
Bブロックは、下記(i)〜(iii)のいずれかのポリマー鎖であることが好ましい。下記(i)〜(iii)のいずれかのポリマー鎖であるBブロックは極性が高いため、セルロース(c)にグラフトしたポリマー(b)と親和及び相溶しやすい。
(i)ポリマー(b)と同一のモノマー組成である。
(ii)ポリマー(b)を構成するモノマーに由来する構成単位を含む。
(iii)モノマー群(f)より選択される少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位を含み、かつ、モノマー(g)に由来する構成単位の含有量が10質量%未満である。
ABブロックコポリマーを構成するポリマーブロックのそれぞれの分子量は、使用する熱可塑性樹脂(a)やポリマー(b)の種類及び分子量、並びにセルロースに対する相対量等に応じて適宜設計される。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、Aブロック及びBブロックのポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、それぞれ、1,000〜20,000であることが好ましい。Aブロック及びBブロックの数平均分子量をそれぞれ上記の範囲内とすることで、ABブロックコポリマー(高分子分散剤(e))をポリマー(b)や熱可塑性樹脂(a)とより好適に相溶等させることができる。
本発明のセルロース分散樹脂組成物の製造方法は、パルプを解繊して含水セルロースを得る工程(以下、「解繊工程」とも記す)と、得られた含水セルロースを含む水系媒体中でグラフト重合してポリマー(b)を形成し、グラフト化セルロース(d)を得る工程(以下、「グラフト工程」とも記す)とを有する。以下、その詳細について説明する。
パルプを解繊する方法の具体例としては、セルロース含有材料の水懸濁液又はスラリーを、リファイナー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、一軸混錬機、二軸混錬機、多軸混練機、ビーズミル等を使用して機械的に摩砕又は叩解する方法などがある。好ましくは、水系媒体中でパルプを解繊することでナノサイズのセルロースを含有する含水セルロースを得ることができる。
本発明のセルロース樹脂複合材(以下、単に「複合材」とも記す)は、前述のセルロース分散樹脂組成物を用いて得られる、ナノセルロース等のセルロース(c)(グラフト化セルロース(d))が微分散した複合材である。そして、この複合材中のセルロース(c)の含有量は0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜8質量%である。
(製造例1)
針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP、リファイナー処理済み、固形分:25%)900部に水47,100部を添加し、パルプスラリー濃度0.75%の水懸濁液(スラリー)を調製した後、ビーズミルを使用して機械的解繊処理を行った。次いで、フィルタープレスにより脱水して、ナノファイバー化されたセルロース(セルロースナノファイバー、CNF−1)2,350部を得た。得られたCNF−1は含水状態であり、固形分含有量は15.3%であった。
(製造例2:グラフト化CNF−1)
撹拌機、還流コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を取り付けた3Lの反応装置に、含水状態のCNF−1 196.1部(CNF(固形分):30.0部)、メタクリル酸メチル(MMA)42.0部、及びイオン交換水2,438部を入れ、窒素導入しながら30℃で1時間撹拌した。硝酸二アンモニウムセリウム0.9部をイオン交換水300部に溶解させて、セリウム塩水溶液を調製した。調製したセリウム塩水溶液を30分かけて反応装置内に滴下した。3時間撹拌した後、反応液を吸引ろ過して脱水した。メタノールで洗浄した後、80℃で乾燥させて、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)がグラフトしたグラフト化CNF−1 63.9部を得た。質量増加分より算出したMMAのグラフト重合率は、80.7%であった。また、グラフト化CNF−1中のグラフト樹脂の質量比率は、53.1%であった。
表1に示す組成となるように、CNF−1の量、並びにモノマーの種類及び量を適宜変更したこと以外は、前述の製造例2と同様にしてグラフト化CNF−2〜6を製造した。表1中の略号の意味を以下に示す。
MMA:メタクリル酸メチル
HEMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
EMA:メタクリル酸エチル
BMA:メタクリル酸n−ブチル
PMMA:ポリメタクリル酸メチル
PHEMA:ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル
PEMA:ポリメタクリル酸エチル
PBMA:ポリメタクリル酸n−ブチル
(製造例8:高分子分散剤−1)
撹拌機、還流コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を取り付けた0.5Lの反応装置に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)178.0部、メタクリル酸ラウリル(LMA)158.0部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)58.0部、ヨウ素1.6部、ジフェニルメタン(DPM)0.3部、及び2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(開始剤、商品名「V−70」、富士フイルム和光純薬社製)7.9部を入れた。窒素ガスを導入しながら撹拌し、45℃に加温しながら5時間重合してAブロックを形成した。反応系中の固形分濃度より算出した重合率は85.0%であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン(THF))により測定したAブロックのポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は6,700であり、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)、PDI)は1.29であった。
表2に示す組成となるように、モノマーの種類及び量を適宜変更したこと以外は、前述の製造例8と同様にして高分子分散剤−2〜7を製造した。表2中の略号の意味を以下に示す。
LMA:メタクリル酸ラウリル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル
HEMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
SMA:メタクリル酸ステアリル
DCPOEMA:メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル
(実施例1:樹脂組成物−1)
グラフト化CNF−1 20.5部、高分子分散剤−1 9.6部、及びポリエチレン(PE、商品名「フロービーズHE3040」、住友精化社製)102.4部を小型混合機に入れて混合し、混練前組成物を得た。二軸押出機を使用して得られた混練前組成物を160℃で混練するとともに、ストランド状に吐出して冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ペレット状の樹脂組成物−1を得た。
表3に示す組成となるように、各成分の量を適宜変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物−2〜10、13〜15を製造した。
ベース樹脂として用いたポリエチレン(商品名「フロービーズHE3040」、住友精化社製)を参考例1とした。
樹脂組成物1〜10及び13〜15、並びにポリエチレンを160℃でそれぞれ射出成型し、ダンベル片(ダンベル厚:2mm)を作製した。そして、引張試験機(島津製作所社製の万能試験機)を使用し、引張速度10mm/minで作製したダンベル片の引張試験を実施し、引張弾性率及び引張強度を測定した。結果を表3に示す。
(実施例11、12、比較例4、5:樹脂組成物−11、12、16、17)
ポリプロピレン(PP、商品名「ノバテックPP MA04A」、日本ポリプロ社製)をベース樹脂として用いるとともに、表4に示す組成となるように各成分の量を適宜変更し、かつ、混練前組成物を190℃で混練したこと以外は、前述の実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物−11、12、16、17を製造した。
ベース樹脂として用いたポリプロピレン(商品名「ノバテックPP MA04A」、日本ポリプロ社製)を参考例2とした。
樹脂組成物11、12、16、及び17、並びにポリプロピレンを190℃でそれぞれ射出成型し、ダンベル片(ダンベル厚:2mm)を作製した。そして、引張試験機(島津製作所社製の万能試験機)を使用し、引張速度10mm/minで作製したダンベル片の引張試験を実施し、引張弾性率及び引張強度を測定した。結果を表4に示す。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂(a)、ポリマー(b)がセルロース(c)にグラフトしたグラフト化セルロース(d)、及び前記熱可塑性樹脂(a)中に前記グラフト化セルロース(d)を分散させる高分子分散剤(e)を含有し、
前記熱可塑性樹脂(a)と前記ポリマー(b)は、相互に相溶せず、
前記高分子分散剤(e)は、前記熱可塑性樹脂(a)と親和するAブロックと、前記熱可塑性樹脂(a)と親和しないが前記ポリマー(b)と親和するBブロックと、を含むABブロックコポリマーであるセルロース分散樹脂組成物。 - 前記熱可塑性樹脂(a)が、ポリオレフィンであり、
前記ポリマー(b)が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリ(n=2以上)アルキレン(炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数1〜18)ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びその第4級塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及びその第4級塩、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド、並びにN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドからなるモノマー群(f)より選択される少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位を50質量%以上含み、
前記Aブロックは、炭素数8以上のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、又はシクロアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系のモノマー(g)に由来する構成単位を含み、
前記Bブロックは、下記(i)〜(iii)のいずれかである請求項1に記載のセルロース分散樹脂組成物。
(i)前記ポリマー(b)と同一のモノマー組成である。
(ii)前記ポリマー(b)を構成するモノマーに由来する構成単位を含む。
(iii)前記モノマー群(f)より選択される少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位を含み、かつ、前記モノマー(g)に由来する構成単位の含有量が10質量%未満である。 - 前記グラフト化セルロース(d)中の前記セルロース(c)の含有量が、25〜50質量%である請求項1又は2に記載のセルロース分散樹脂組成物。
- 前記グラフト化セルロース(d)100質量部に対する、前記高分子分散剤(e)の含有量が、50〜200質量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロース分散樹脂組成物。
- 前記セルロース(c)が、その平均繊維幅が4〜200nmのナノセルロースである請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロース分散樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロース分散樹脂組成物の製造方法であって、
パルプを解繊して含水セルロースを得る工程と、
得られた前記含水セルロースを含む水系媒体中でグラフト重合してポリマー(b)を形成し、グラフト化セルロース(d)を得る工程と、
を有するセルロース分散樹脂組成物の製造方法。 - 前記含水セルロースを含む水系媒体中で、セリウム塩を用いてラジカル重合して前記ポリマー(b)を形成し、前記グラフト化セルロース(d)を得る請求項6に記載のセルロース分散樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロース分散樹脂組成物を用いて得られる、前記セルロース(c)の含有量が0.5〜10質量%であるセルロース樹脂複合材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018218178A JP6954884B2 (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | セルロース分散樹脂組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018218178A JP6954884B2 (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | セルロース分散樹脂組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020083983A true JP2020083983A (ja) | 2020-06-04 |
JP6954884B2 JP6954884B2 (ja) | 2021-10-27 |
Family
ID=70906484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018218178A Active JP6954884B2 (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | セルロース分散樹脂組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6954884B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020111638A (ja) * | 2019-01-09 | 2020-07-27 | 大日精化工業株式会社 | セルロース分散液組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009067817A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 繊維強化複合材料およびその製造方法 |
JP2013234283A (ja) * | 2012-05-10 | 2013-11-21 | Gunma Univ | グラフトポリマー修飾セルロースファイバーの製造方法 |
JP2014162880A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Kyoto Univ | セルロース及び分散剤を含む組成物 |
WO2015152189A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | 大日精化工業株式会社 | 易分散性セルロース組成物の製造方法、易分散性セルロース組成物、セルロース分散樹脂組成物及びセルロース用の水系の分散処理剤の製造方法 |
JP2016104865A (ja) * | 2014-03-31 | 2016-06-09 | 大日精化工業株式会社 | セルロース分散用分散剤含有の樹脂組成物及びセルロース用高分子分散剤 |
WO2017141779A1 (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | スターライト工業株式会社 | ナノファイバー分散体、ナノファイバー分散体の製造方法、この分散体から得られる粉末状ナノファイバー、当該粉末状ナノファイバーを含む樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いた3dプリンタ用造形材料 |
WO2017169494A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 出光ライオンコンポジット株式会社 | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 |
-
2018
- 2018-11-21 JP JP2018218178A patent/JP6954884B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009067817A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 繊維強化複合材料およびその製造方法 |
JP2013234283A (ja) * | 2012-05-10 | 2013-11-21 | Gunma Univ | グラフトポリマー修飾セルロースファイバーの製造方法 |
JP2014162880A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Kyoto Univ | セルロース及び分散剤を含む組成物 |
WO2015152189A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | 大日精化工業株式会社 | 易分散性セルロース組成物の製造方法、易分散性セルロース組成物、セルロース分散樹脂組成物及びセルロース用の水系の分散処理剤の製造方法 |
JP2016104865A (ja) * | 2014-03-31 | 2016-06-09 | 大日精化工業株式会社 | セルロース分散用分散剤含有の樹脂組成物及びセルロース用高分子分散剤 |
WO2017141779A1 (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | スターライト工業株式会社 | ナノファイバー分散体、ナノファイバー分散体の製造方法、この分散体から得られる粉末状ナノファイバー、当該粉末状ナノファイバーを含む樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いた3dプリンタ用造形材料 |
WO2017169494A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 出光ライオンコンポジット株式会社 | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020111638A (ja) * | 2019-01-09 | 2020-07-27 | 大日精化工業株式会社 | セルロース分散液組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 |
JP7055756B2 (ja) | 2019-01-09 | 2022-04-18 | 大日精化工業株式会社 | セルロース分散液組成物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6954884B2 (ja) | 2021-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5825653B1 (ja) | 易分散性セルロース組成物の製造方法、及びセルロース用の水系の分散処理剤の製造方法 | |
JP6234037B2 (ja) | セルロース及び分散剤を含む組成物 | |
JP5904520B2 (ja) | セルロース用高分子分散剤の製造方法、セルロース用高分子分散剤、高分子分散剤含有の水系分散処理剤、易分散性セルロース組成物、セルロース分散樹脂組成物、セルロース分散用分散剤含有の樹脂組成物、及び、水系分散処理剤含有の樹脂組成物 | |
JP6591304B2 (ja) | 易分散性セルロース組成物、易分散性セルロース組成物の製造方法、セルロース分散樹脂組成物及びセルロース分散樹脂組成物の製造方法 | |
JP5188765B2 (ja) | 繊維強化複合材料およびその製造方法 | |
WO2018230600A1 (ja) | 微細セルロース繊維、その製造方法、スラリー及び複合体 | |
JP5834847B2 (ja) | セルロースの微細化方法、セルロースナノファイバー、マスタバッチ組成物及び樹脂組成物 | |
KR20210137113A (ko) | 수지 개질제의 제조 방법, 수지 개질제 및 복합재료 | |
JP2013018851A (ja) | セルロース繊維、セルロース繊維含有重合体、樹脂組成物及び成形体。 | |
JP6954884B2 (ja) | セルロース分散樹脂組成物、その製造方法、及びセルロース樹脂複合材 | |
JP6545758B2 (ja) | セルロース及び分散剤を含む組成物 | |
JP2018080415A (ja) | 変性セルロース及びこれを用いた樹脂組成物 | |
JP7055756B2 (ja) | セルロース分散液組成物の製造方法 | |
JP7290759B2 (ja) | セルロース分散液組成物及びセルロース樹脂複合材 | |
JP2024060659A (ja) | 高分子分散剤、セルロースファイバー樹脂組成物、及びその検査方法 | |
JP7340195B2 (ja) | 微細セルロース繊維、その製造方法、スラリー及び複合体 | |
JP2022088826A (ja) | セルロース-樹脂複合組成物及びその製造方法、セルロース分散樹脂組成物、並びにセルロース分散樹脂成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200716 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210330 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210331 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210930 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6954884 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |