JP2020083691A - 粒状尿素、その用途およびその製造方法 - Google Patents

粒状尿素、その用途およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、固結防止材を使用せずに、固結防止効果の高い粒状尿素、およびその製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】下記(a)〜(e)を満たす粒状尿素。(a)粒状尿素の粒子表面における算術平均高さSaが1.0μm〜10.0μmである。(b)粒状尿素の粒子表面における山の頂点密度Spdが100,000個/mm2〜1,000,000個/mm2である。(c)粒状尿素の粒径が0.8mm〜10.0mmである。(d)粒状尿素の平均粒径が2.0mm〜6.0mmである。(e)粒状尿素の円形度が0.7以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、粒状尿素、粒状尿素組成物、配合肥料、および、粒状尿素の製造方法に関する。
尿素は、肥料の原料として粒状に加工され、幅広く用いられている。しかしながら、吸湿性が高く、固結しやすいという問題がある。
これまでに行われてきた固結防止技術として、例えば、特許文献1には、ホルムアルデヒドと脂肪酸との反応生成物、または、ホルムアルデヒドと尿素とを反応させて得られた尿素−ホルムアルデヒド縮合物と脂肪酸との反応生成物を固結性物質に添加する方法が記載されている。特許文献2には、尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物の水溶液での処理により固結傾向を減少させる方法が記載されている。特許文献3には、尿素にポリビニールクロライド微粉末またはポリビニールアルコールを単独または併用して添加混入する方法が記載されている。このほかに、界面活性剤、ステアリン酸の塩類、シリカ微粉末などを混入させる方法も知られている。
特公昭49−5506号公報 特公昭50−34536号公報 特公昭48−1142号公報
これまでの固結防止技術は、その多くが、固結防止作用を有する化合物(以下、固結防止剤と記す)を添加することによって、固結を抑制していた。しかしながら、固結防止剤が高価であること、処理設備が必要であること、さらに、コストに見合う充分な効果が得られないこともあり、満足のいく技術ではなかった。
本発明は、このような現状に鑑み、固結防止材を使用せずに、固結防止効果の高い粒状尿素、およびその製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、例えば下記[1]〜[9]に関する。
[1] 下記(a)〜(e)を満たす粒状尿素。
(a)粒状尿素の粒子表面における算術平均高さSaが1.0μm〜10.0μmである。
(b)粒状尿素の粒子表面における山の頂点密度Spdが100,000個/mm2〜1,000,000個/mm2である。
(c)粒状尿素の粒径が0.8mm〜10.0mmである。
(d)粒状尿素の平均粒径が2.0mm〜6.0mmである。
(e)粒状尿素の円形度が0.7以上である。
[2] 前記算術平均高さSaが2.0μm〜8.0μmであり、かつ、前記山の頂点密度Spdが170,000個/mm2〜600,000個/mm2である[1]に記載の粒状尿素。
[3] 尿素粒子表面を尿素溶融液で被覆した被覆層を有する粒状尿素であって、前記被覆層の厚さが0.01mm〜2.2mmである、[1]または[2]に記載の粒状尿素。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の粒状尿素20質量%以上100質量%未満と、他の粒状尿素0質量%を超えて80質量%以下とを含む、粒状尿素組成物。
[5] 前記粒状尿素を10質量%以上含む、粒状尿素配合肥料。
[6] [1]〜[3]のいずれかに記載の粒状尿素を製造する方法であり、流動中の、尿素粒子を芯材として、前記尿素粒子表面を尿素溶融液で被覆し、厚さ0.01mm〜2.2mmの被覆層を形成する工程を有する、粒状尿素の製造方法。
[7] [1]〜[3]のいずれかに記載の尿素粒子の粒径が0.7mm〜9.1mmであり、かつ、前記尿素粒子の平均粒径が1.0mm〜5.0mmである、[6]に記載の粒状尿素の製造方法。
[8] 前記尿素粒子が、下記(A)〜(D)を満たす、[6]または[7]に記載の粒状尿素の製造方法。
(A)尿素粒子の粒子表面における算術平均高さSaが0μm〜0.9μmである。
(B)尿素粒子の粒子表面における山の頂点密度Spdが10,000個/mm2〜98,000個/mm2である。
(C)尿素粒子の粒径が0.7mm〜9.1mmである。
(D)尿素粒子の円形度が0.6以上である。
[9] 前記尿素溶融液は、尿素100質量%に対して、ホルムアルデヒドを1.0質量%以下含み、かつ、水を10.0質量%以下含む、[6]〜[8]のいずれかに記載の粒状尿素の製造方法。
本発明は、固結防止材を使用せずに、固結防止効果の高い粒状尿素、およびその製造方法、並びに該粒状尿素を含む、粒状尿素組成物および粒状尿素配合肥料を提供することができる。
図1は、粒状尿素を製造する装置の模式図である。
次に本発明の粒状尿素、その配合肥料、および、その製造方法について具体的に説明する。
<粒状尿素>
本発明の粒状尿素は、下記(a)〜(e)を満たす粒状尿素である。
(a)粒状尿素の粒子表面における算術平均高さSaが1.0μm〜10.0μmである。
(b)粒状尿素の粒子表面における山の頂点密度Spdが100,000個/mm2〜1,000,000個/mm2である。
(c)粒状尿素の粒径が0.8mm〜10.0mmである。
(d)粒状尿素の平均粒径が2.0mm〜6.0mmである。
(e)粒状尿素の円形度が0.7以上である。
〔(a)算術平均高さSa〕
本発明において、粒状尿素の粒子表面の凹凸は、算術平均高さSaで表すことができる。
算術平均高さSaは、国際規格(ISO 25178)に準拠して算出したものであり、以下の式により算出することができる。
算術平均高さSa=1/A∫A∫|Z(X,Y)|dxdy ・・・式(I)
前記式(I)において、Aは測定面積、X、YおよびZは座標(X;横、Y;縦、Z;高さ)を意味する。
本発明の粒状尿素は、粒子表面の算術平均高さSaが1.0μm〜10.0μmである。本発明の粒状尿素は、粒子表面の算術平均高さSaが2.0μm〜8.0μmであることが好ましい。
算術平均高さSaは、公知の測定器を利用すれば容易に算出が可能であり、例えば、市販のレーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK-X250/260)等を用いて測定し、算出することができる。
〔(b)山の頂点密度Spd〕
本発明において、粒状尿素の粒子表面の凹凸は、表面状態のパラメータである山の頂点密度Spdで表すことができる。山の頂点密度Spdは、国際規格(ISO 25178)に準拠して測定される単位面積(1mm2)あたりの山頂点の数である。山頂点の数は、測定画像に画像分割アルゴリズム(ウォーターシェッドアルゴリズムやWolfプルーニング等)で物体を識別して得ることができる。
本発明の粒状尿素は、粒子表面におけるSpdが100,000個/mm2〜1,000,000個/mm2である。本発明の粒状尿素は、粒子表面におけるSpdが170,000,個/mm2〜600,000個/mm2であることが好ましい。
本発明の粒状尿素は、前記Saが2.0μm〜8.0μmであり、かつ、前記Spdが170,000個/mm2〜600,000個/mm2であることが好ましい。
Spdは、公知の測定器を利用すれば容易に算出が可能であり、例えば、市販のレーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK-X250/260)等を用いて測定し、算出することができる。なお、測定値としては、20個のサンプル(粒子)を測定した際の平均値を用いることが好ましい。
〔(c)粒径〕
本発明の粒状尿素の粒径は、0.8mm〜10.0mmである。本発明の粒状尿素の粒径は、1.0mm〜8.0mmであることが好ましく、1.3mm〜7.3mmであることがより好ましい。上記の粒径の粒状尿素を得るには、例えば、篩の目開きを調整してふるいわけすることで、容易に粒径が任意の範囲にある粒状尿素を得ることができる。
粒径は、例えば、定規、ノギス、篩い器を用いて測定することができる。
〔(d)平均粒径〕
本発明の粒状尿素の平均粒径は、2.0mm〜6.0mmである。本発明の粒状尿素の平均粒径は、2.3mm〜5.7mmであることが好ましく、4.3mm〜5.6mmであることがより好ましい。
平均粒径は、公知の粒子測定機器を利用すれば容易に測定可能であり、例えば、ミリトラック(マイクロトラック・ベル社製)、レーザー回折式粒子径分布測定装置 SALD−3100(島津製作所社製)等を用いて測定することができる。なお、1回の測定につき、100gのサンプルを使用して測定値とすることが好ましく、同様の方法で、異なるサンプルを3回測定し、その平均値を平均粒径とすることが好ましい。
〔(e)円形度〕
本発明の粒状尿素の円形度は、0.7以上である。本発明の粒状尿素の円形度は、0.8〜1.0であることが好ましく、0.9〜1.0であることがより好ましい。
円形度は、公知の測定機器を利用すれば容易に測定可能であり、例えば、グレインスキャナー RSQI10A(株式会社サタケ製)を用いて測定することができる。
本発明の粒状尿素は、固結防止剤を使用することなく、固結を抑制することができる。本発明の粒状尿素は、尿素溶融液由来のホルムアルデヒドを残留していてもよい。本発明の粒状尿素は、固結防止剤と共に使用してもよいが、固結防止剤を用いることなく、肥料(例えば、粒状尿素配合肥料)として使用することが好ましい。固結防止剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、ポリビニールクロライド微粉末、ポリビニールアルコール、界面活性剤やステアリン酸の塩類、シリカ微粉末等がある。
本発明者らは、上記のような固結防止剤を使用しなくとも、粒状尿素表面に凹凸を形成することで固結防止効果が高まる粒状尿素を見出した。
本発明において、固結とは、肥料における一般的な固結のことを指す。すなわち、粒子に取り込まれた水分により、表面が融解し飽和状態となったのち、再結晶により粒子間に架橋が生じる現象のことを指す。上述のように生成した、結合が強固な塊状物を固結した部分とし、軽微な力等により容易に崩れる部分、例えば固結率測定中や刷毛等により非固結部位を取り除いている際中に崩れる部分は固結強度が弱いため、擬似固結として本発明の固結には含まない。
本発明の粒状尿素における固結率は、例えば、下記のような固結試験の結果から算出することができる。
(固結試験)
重量を測定したサンプルを小袋に充填し、加重をかけ、一定時間放置する。その後、袋の三辺を切り取り、サンプルの外側から刷毛により非固結サンプルを取り除き、刷毛で取り除けなかった塊状物(固結したサンプル)の重量を測定し、下記式により固結率を算出することができる。
固結率(%)=(固結したサンプルの重量)/(充填したサンプルの重量)×100
〔窒素含有量〕
本発明の粒状尿素は、窒素含有量が理論値の46.65%に近いほど少量で効果が発揮できるため商業的価値がある。製造コストを考慮すると44.0%以上であることが好ましく、45.0〜46.5%であることがより好ましい。なお、窒素含有量は、例えば、農林水産省農業環境技術研究所より提案されている方法(「肥料分析法(1992年版)」P.11〜15、農林水産省農業環境技術研究所著、1992年)等で測定することができる。
〔水分率〕
本発明の粒状尿素は、より高い固結抑制効果を得るために、尿素100質量%に対して水分率が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。水分率は、公知の測定方法を利用すれば容易に測定が可能であり、例えば、カールフィッシャー滴定や加熱減量法を用いることができる。
〔粒硬度〕
本発明の粒状尿素は、粒状尿素に加わる衝撃や圧力による粉化や圧着に起因した固結を抑制するために、粒硬度(圧壊強度)が、1.0kg〜9.0kgであることが好ましく、3.0kg〜9.0kgがより好ましい。
粒硬度は、公知の測定器を利用すれば容易に測定が可能であり、例えば、市販の木屋式硬度計(藤原製作所製/043019−A)を用いて測定することができる。
<尿素粒子>
本発明の粒状尿素は、原料として、尿素粒子表面に後述する尿素溶融液を被覆して被覆層を形成し粒状尿素を製造することが好ましい。また、前記被覆層の厚さは、0.01mm〜2.2mmであることが好ましい。
本発明で用いる尿素粒子は、市販の尿素粒子を用いることができ、例えば、urea(PETRONAS Fertilizer(Kedah)Sdn. Bhd社製)を用いることができる。前記urea(PETRONAS Fertilizer(Kedah)Sdn. Bhd社製)は、粒子表面の算術平均高さSaが0.4μm、粒子表面の山の頂点密度Spdが80,253個/mm2であった。
本発明で用いる尿素粒子は、粒径が0.7mm〜9.1mmであり、かつ、前記尿素粒子の平均粒径が1.0mm〜5.0mmであることが好ましい。
本発明で用いる尿素粒子は、粒子表面の算術平均高さSaが0μm〜0.9μmであることが好ましく、0.2μm〜0.8μmであることがより好ましく、0.4μm〜0.8μmであることが最も好ましい。
本発明で用いる尿素粒子は、粒子表面の山の頂点密度Spdが10,000個/mm2〜98,000個/mm2であることが好ましく、70,000個/mm2〜95,000個/mm2であることがより好ましく、75,000個/mm2〜93,000個/mm2であることが最も好ましい。
尿素粒子の、Sa、Spd、粒径、平均粒径は、粒状尿素のSa、Spd、粒径、平均粒径と同様の方法で測定することができる。
<尿素溶融液>
本発明で用いる尿素溶融液は、前述の尿素粒子を被覆し、被覆層を形成する材料として用いることができる。
尿素溶融液としては、例えば、尿素を含む原料を120℃〜150℃で加温しながら液化させた溶液等を用いることができる。このときの温度は、装置内の温度計を用いて一定に調整し、120℃〜150℃であることが好ましく、130℃〜140℃であることがより好ましい。
本発明で用いる尿素溶融液は、尿素のほかに、水、ホルムアルデヒド等のその他の成分を含む混合溶液でもよい。本発明で用いる尿素溶融液は、例えば、尿素100質量%に対して1.0質量%以下のホルムアルデヒドと、10質量%以下の水が含まれていることが好ましく、0.05質量%〜0.8質量%のホルムアルデヒドと、0.05質量%〜9.0質量%の水を含むことがより好ましい。
<被覆層>
本発明の粒状尿素は、尿素粒子表面を尿素溶融液で被覆した被覆層を有することが好ましい。前記被覆層の厚さは、0.01mm〜2.2mmが好ましく、0.01mm〜1.9mmがより好ましく、0.6mm〜1.3mmが最も好ましい。
被覆層の厚さは、原料として用いた尿素粒子の平均粒径と、後述する方法で製造した粒状尿素の平均粒径との差から算出することができる。
<粒状尿素の製造方法>
本発明の粒状尿素の製造方法は、流動中の、前述の尿素粒子を芯材として、前記尿素粒子表面を尿素溶融液で被覆し、厚さ0.01mm〜2.2mmの被覆層を形成する工程を有する。
本発明者らは、粒状尿素表面に特定の凹凸を有する被覆層を形成させることで、固結防止効果が高まる粒状尿素の製造方法を見出した。特定の凹凸を有する被覆層は、公知の造粒または被覆装置、具体的には、流動装置、噴流装置、転動装置で行うことができ、被覆は尿素溶融液の滴下、噴霧等で行えばよい。この中でも、噴流装置が、特定の凹凸の形成を制御しやすいため好ましい。噴流装置としては、例えば、図1のような装置を用いて粒状尿素の製造を行うことができる。
本発明者らは、上述した特定の凹凸を有する被覆層は、以下のように形成されると考えている。まず、尿素粒子表面に噴霧等された尿素溶融液が付着し、凹凸が発生する。次に噴霧等の継続により、前記凹凸が成長し、特定の凹凸を有する被覆層が形成されることで、固結防止効果に優れた粒状尿素が製造できると考えている。なお、従来の市販されている尿素粒子は、その製造過程で、仮に特定の凹凸を有する被覆層が形成されたとしても、さらに噴霧等で粒子表面に尿素溶融液が付着し、凹凸を埋めるように被覆されて被覆層が形成されているため、前述の本発明の粒状尿素とならず、固結防止効果が低いと考えられる。
<粒状尿素組成物>
本発明の粒状尿素組成物は、本発明の粒状尿素20質量%以上100質量%未満と、その他の粒状尿素0質量%を超えて80質量%以下とを含む。
他の粒状尿素としては、前述の本発明の粒状尿素以外の粒状尿素であり、例えば、前述の尿素粒子、市販の粒状尿素等を用いることができる。
本発明の粒状尿素組成物は、前述の本発明の粒状尿素と、その他の粒状尿素とを混合することにより調製することができる。
前述の本発明の粒状尿素とその他の粒状尿素とを混合して使用する場合、混合する全量を100質量%とすると、本発明の粒状尿素(前記(a)〜(e)を満たす粒状尿素)を30質量%以上含むことが好ましい。また、その他の粒状尿素は、通常は70質量%以下であることが好ましい。
<粒状尿素配合肥料>
本発明の粒状尿素配合肥料は、前記粒状尿素を10質量%以上含む。本発明の粒状尿素配合肥料は、前記粒状尿素を30質量%以上含むことが好ましい。但し、粒状尿素配合肥料全体を100質量%とする。
本発明において、粒状尿素と配合する肥料成分は特に限定されないが、例えば、肥料成分として窒素、りん酸、加里が挙げられ、具体的には、化成肥料(ジェイカムアグリ社製、くみあい燐加安855、粒径1.0〜4.0mm)を配合することができる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔算術平均高さSaの測定〕
芯材(尿素粒子)および、粒状尿素の算術平均高さSaは、芯材(尿素粒子)および、粒状尿素それぞれについて、20粒を無作為に選び、レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK-X250/260)を用いて、国際規格(ISO 25178)に準拠して算出した。
〔山の頂点密度Spdの測定〕
芯材(尿素粒子)および、粒状尿素の山の頂点密度Spdは、前記算術平均高さSaの測定と同様に、国際規格(ISO 25178)に準拠して算出した。
〔粒径の測定〕
芯材(尿素粒子)および、粒状尿素の粒径は、目開き1.0mm〜10.0mmの各種篩を用いて測定した。なお、本発明において、目開きと同じ粒径の芯材(尿素粒子)は、篩を通過すると考える。
〔平均粒径の測定〕
芯材(尿素粒子)および、粒状尿素の平均粒径は、ミリトラック(マイクロトラック・ベル社製)を用いた。1回に100gのサンプルを使用して粒径を測定し、同様に3回測定した。3回分の測定値から平均値を算出し、平均粒径とした。
<芯材>
尿素粒子(urea:PETRONAS Fertilizer(Kedah)Sdn. Bhd社製、Sa;0.4μm、Spd;80,253個/mm2)を篩にかけ、下記A〜Fの芯材を得た。
芯材Aは、尿素粒子を目開き3.35mmの篩にかけ、落下したものを、さらに目開き1.0mmの篩にかけ、篩の上に残ったものとした。すなわち、芯材Aの粒径は、1.0mmを超えて、3.35mm以下となる。同様の方法で篩分けを行い、芯材B〜Fを得た。
芯材A;粒径1.0mmを超えて、3.35mm以下、平均粒径2.0mm、Sa0.8μm、Spd75,189個/mm2
芯材B;粒径1.4mmを超えて、3.36mm以下、平均粒径2.4mm、Sa0.8μm、Spd87,954個/mm2
芯材C;粒径2.36mmを超えて4.75mm以下、平均粒径3.2mm、Sa0.4μm、Spd92,845個/mm2
芯材D;粒径1.0mmを超えて9.06mm以下、平均粒径3.3mm、Sa0.7μm、Spd90,842個/mm2
芯材E;粒径3.36mmを超えて5.6mm以下、平均粒径4.4mm、Sa0.8μm、Spd71,803個/mm2
芯材F;粒径1.0mmを超えて2.0mm以下、平均粒径1.3mm、Sa0.4μm、Spd77,560個/mm2
〔固結率の算出〕
固結率の算出は、以下の固結試験の結果から算出した。
(固結試験)
粒状尿素をサンプルとして1.0kg量りとり、縦×横×厚み(500mm×500mm×0.08mm)のポリ袋に充填する。充填したポリ袋に60kgの加重をかけ、120時間放置する。その後、ポリ袋の三辺を切り取り、サンプルの外側から刷毛(WING ACE製 ダスター刷毛3インチ)により非固結サンプルを取り除き、刷毛で取り除けなかった塊状物(固結したサンプル)の重量を測定し、下記式により固結率を算出した。
固結率(%)=(固結したサンプルの重量)/(サンプルの重量(1kg))×100
〔実施例1〕
<粒状尿素の製造方法>
図1に示す製造装置を用いて粒状尿素の製造を行った。
20Lの溶解槽1に、尿素粒子(urea:PETRONAS Fertilizer(Kedah)Sdn. Bhd社製)10kgと、水200gを加え、130℃で加熱しながら撹拌、溶解させ、尿素溶融液を調製した。尿素溶融液100質量%中に、ホルムアルデヒド0.1質量%、水分2.0質量%が含まれていた。
被覆装置4に、前記芯材Cを3.0kg投入し、下部より導入される熱風および底部の攪拌浴で流動状態にした。この流動状態の芯材Cに、130℃の温度下で、スプレーノズル3から尿素溶融液を吹きつけ、芯材C対して被覆層の厚さが0.2mmとなるように被覆し、粒状尿素を製造した。その後、粒状尿素の粒径が2.76mmを超えて、5.15mm以下となるように篩分けを行った。
得られた粒状尿素の粒子表面における算術平均高さSaは1.3μm、山の頂点密度Spdは154,897個/mm2、粒径は2.76mmを超えて、5.15mm以下、平均粒径は3.6mm、円形度は0.9であった。なお、得られた粒状尿素の水分率は0.3%、粒硬度は4.2kg、固結率は32%であった。
以下、実施例2〜11および比較例1、2は、特にことわりのない限り、実施例1と同様に製造した。
実施例1〜13、および比較例1、2における測定結果は、後述する。また、表1に実施例1〜11、表2に比較例1、2の結果を示す。
〔実施例2〕
芯材C対して被覆層の厚さが0.6mmとなるように被覆すること、および得られた粒状尿素の粒径が3.56mmを超えて、5.95mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例1と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは2.8μm、山の頂点密度Spdは304,892個/mm2、粒径は3.56mmを超えて、5.95mm以下、平均粒径は4.4mm、円形度は0.9であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.2%、粒硬度は5.1kg、固結率は24%であった。
〔実施例3〕
芯材C対して被覆層の厚さが1.2mmとなるように被覆すること、および、得られた粒状尿素の粒径が4.76mmを超えて、7.15mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例1と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは5.3μm、山の頂点密度Spdは391,551個/mm2、粒径は4.76mmを超えて、7.15mm以下、平均粒径は5.6mm、円形度は0.9であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.1%、粒硬度は5.3kg、固結率は25%であった。
〔実施例4〕
芯材C対して被覆層の厚さが1.4mmとなるように被覆すること、および、得られた粒状尿素の粒径が5.96mmを超えて、8.35mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例1と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは7.8μm、山の頂点密度Spdは547,082個/mm2、粒径は5.96mmを超えて、8.35mm以下、平均粒径は6.0mm、円形度は0.9であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.2%、粒硬度は6.8kg、固結率30%であった。
〔実施例5〕
芯材Fに対して被覆層の厚さが2.2mmとなるように被覆すること、および、得られた粒状尿素の粒径が5.4mmを超えて、6.4mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例1と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは3.5μm、山の頂点密度Spdは499,802個/mm2、粒径は5.4mmを超えて、6.4mm以下、平均粒径は5.7mm、円形度は0.9であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.1%、粒硬度は6.2kg、固結率は26%であった。
〔実施例6〕
芯材Cを芯材Aにすること、および、得られた粒状尿素の粒径が2.2mmを超えて、4.55mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例2と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは3.8μm、山の頂点密度Spdは325,408個/mm2、粒径は2.2mmを超えて、4.55mm以下、平均粒径は3.2mm、円形度は0.8であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.4%、粒硬度は3.1kg、固結率は33%であった。
〔実施例7〕
芯材Cを芯材Bにすること、被覆層の厚さが0.01mmとなるように被覆すること、および、得られた粒状尿素の粒径が1.42mmを超えて、3.38mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例2と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは5.5μm、山の頂点密度Spdは187,308個/mm2、粒径は1.42mmを超えて、3.38mm以下、平均粒径は2.42mm、円形度は0.9であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.3%、粒硬度は3.6kg、固結率は26%であった。
〔実施例8〕
芯材Cを芯材Eすること、および得られた粒状尿素の粒径が4.56mmを超えて、6.8mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例2と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは7.8μm、山の頂点密度Spdは187,308個/mm2、粒径は4.56mmを超えて、6.8mm以下、平均粒径は5.6mm、円形度は0.8であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.3%、粒硬度は6.4kg、固結率は30%であった。
〔実施例9〕
ホルムアルデヒド0.1%、水分0%の尿素溶融液を用いる以外は、実施例2と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは3.8μm、山の頂点密度Spdは305,482個/mm2、粒径は3.56mmを超えて、5.95mm以下、平均粒径は4.4mm、円形度は0.9であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.2%、粒硬度は3.8kg、固結率は28%であった。
〔実施例10〕
ホルムアルデヒド0.1%、水分10%の尿素溶融液を用いる以外は、実施例2と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは4.1μm、山の頂点密度Spdは438,015個/mm2、粒径は3.56mmを超えて、5.95mm以下、平均粒径は4.4mm、円形度は0.7であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.7%、粒硬度は3.6kg、固結率は31%であった。
〔実施例11〕
芯材Cを芯材Dにすること、被覆層の厚さが0.2mmとなるように被覆すること、および得られた粒状尿素の粒径が1.4mmを超えて、9.46mm以下となるように篩分けすること以外は、実施例2と同様に製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは4.7μm、山の頂点密度Spdは299,430個/mm2、粒径は1.4mmを超えて、9.46mm以下、平均粒径は3.7mm、円形度は0.9であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.3%、粒硬度は4.2kg、固結率は29%であった。
〔実施例12〕
実施例2で得られた粒状尿素、および、芯材Cを3:7(質量比)で配合し、粒状尿素組成物を得た。得られた粒状尿素組成物の平均粒径は3.3mmであり、固結率は33%であった。
〔実施例13〕
実施例2で得られた粒状尿素と、化成肥料(ジェイカムアグリ製、くみあい燐加安855、粒径1.0〜4.0mm)を、実施例2の粒状尿素の割合が配合肥料全体の10質量%となるよう混合し、粒状尿素配合肥料を製造した。
固結試験は、サンプルを上記配合肥料にする以外は、実施例1と同様に行った。固結率は18%であった。
〔比較例1〕
尿素溶融液で被覆していない、芯材C単体の粒子表面における、算術平均高さSaは0.4μm、山の頂点密度Spdは92,845個/mm2、粒径は2.36mmを超えて、4.75mm以下、平均粒径は3.2mm、円形度は0.6であった。また、芯材C単体の水分率は1.3%、粒硬度は3.3kg、固結率は49%であった。
〔比較例2〕
芯材Fに対して被覆層の厚さが2.5mmとなるように被覆すること、および得られた粒状尿素を目開き6.0mm、および7.27mmで篩分けすること以外は、実施例1と同様に粒状尿素を製造した。
得られた粒状尿素の粒子表面における、算術平均高さSaは0.9μm、山の頂点密度Spdは82,680個/mm2、粒径は6.0mmを超えて、7.27mm以下、平均粒径は6.3mm、円形度は0.8であった。また、得られた粒状尿素の水分率は0.2%、粒硬度は2.8kg、固結率は42%であった。
実施例1〜11の粒状尿素は、比較例1〜2の粒状尿素よりも低い固結率を示した。よって、本発明の粒状尿素は、固結防止効果の高い粒状尿素であることが示された。
実施例12の結果から、上記(a)〜(e)を満たす粒状尿素を含む粒状尿素組成物は、固結防止効果の高いことが示された。
実施例13の結果から、上記(a)〜(e)を満たす粒状尿素を、配合肥料全体の10質量%以上配合することで、固結防止効果の高い粒状尿素配合肥料が得られることが示された。
Figure 2020083691
Figure 2020083691
1.溶解槽
2.ポンプ
3.スプレーノズル
4.被覆装置

Claims (9)

  1. 下記(a)〜(e)を満たす粒状尿素。
    (a)粒状尿素の粒子表面における算術平均高さSaが1.0μm〜10.0μmである。
    (b)粒状尿素の粒子表面における山の頂点密度Spdが100,000個/mm2〜1,000,000個/mm2である。
    (c)粒状尿素の粒径が0.8mm〜10.0mmである。
    (d)粒状尿素の平均粒径が2.0mm〜6.0mmである。
    (e)粒状尿素の円形度が0.7以上である。
  2. 前記算術平均高さSaが2.0μm〜8.0μmであり、かつ、
    前記山の頂点密度Spdが170,000個/mm2〜600,000個/mm2である請求項1に記載の粒状尿素。
  3. 尿素粒子表面を尿素溶融液で被覆した被覆層を有する粒状尿素であって、
    前記被覆層の厚さが0.01mm〜2.2mmである、請求項1または2に記載の粒状尿素。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状尿素20質量%以上100質量%未満と、他の粒状尿素0質量%を超えて80質量%以下とを含む、粒状尿素組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状尿素を10質量%以上含む、粒状尿素配合肥料。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状尿素を製造する方法であり、
    流動中の、尿素粒子を芯材として、前記尿素粒子表面を尿素溶融液で被覆し、厚さ0.01mm〜2.2mmの被覆層を形成する工程
    を有する、粒状尿素の製造方法。
  7. 前記尿素粒子の粒径が0.7mm〜9.1mmであり、かつ、
    前記尿素粒子の平均粒径が1.0mm〜5.0mmである、請求項6に記載の粒状尿素の製造方法。
  8. 前記尿素粒子が、下記(A)〜(D)を満たす、請求項6または7に記載の粒状尿素の製造方法。
    (A)尿素粒子の粒子表面における算術平均高さSaが0μm〜0.9μmである。
    (B)尿素粒子の粒子表面における山の頂点密度Spdが10,000個/mm2〜98,000個/mm2である。
    (C)尿素粒子の粒径が0.7mm〜9.1mmである。
    (D)尿素粒子の円形度が0.6以上である。
  9. 前記尿素溶融液は、尿素100質量%に対して、ホルムアルデヒドを1.0質量%以下含み、かつ、
    水を10.0質量%以下含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の粒状尿素の製造方法。
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