JP2020083449A - 封緘部付きキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 上昇した内圧によって瓶用の中栓が瓶口部から外れてしまうことを確実に防止できる封緘部付きキャップを創出することを課題とする。【解決手段】 瓶口部41を封止する中栓10と、中栓10を瓶口部41上に被覆した状態で固定する筒状の封緘部20と、径方向に変形可能な平面視略C字形状に形成されて封緘部20内に配置され、瓶口部41の外周面に形成された係合部42に対して係合可能に設けられ係合部材30と、係合部材30の拡径方向への変形を防止する規制手段Pと、を有する構成とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、瓶体の瓶口部を封止する封緘部付きキャップに関する。
封緘部付きキャップに関連する先行技術として、以下の特許文献1には瓶口部に装着される内栓と瓶口部を覆う側部とを備える瓶用栓が記載されている。
特許文献1に記載の瓶用栓は、側部20に、下端部から上方に向けて設けられる切込部21と、側部20の外周に沿って周回する周回部23a及びこの周回部23aから上方へ向けて形成される傾斜部23bとが交互に連続的に形成される薄肉部23と、頭部12と側部20の境界に側部20の外周に沿って周回する分離薄肉部15と、側部20の内側面に設けられて瓶Aの環状係合部A2に係止するよう係合部24と、薄肉部23が設けられる位置に対応して係合部24に設けられる間隙部25とを備えてなり、頭部12における縁部14の外形が瓶口部A1の外形より大きく形成されるようにした、と云うものである。
そして、側部20の上方の内側面には内径方向へ突出する係合部24が一体に突設されており、瓶Aに内容物を充填した後に内栓10を瓶口部A2に装着すると、係合部24が瓶口部A2の外周面に設けられた環状係合部A2に係合するため、瓶Aが閉栓されるというものである。
特開2017−197196号公報
内容物を瓶体に充填する工程においては、内容物の種類によって、低温(例えば5℃)状態の内容物を瓶体に充填した後に閉栓し、その後に温水(例えば、60℃)を瓶体全体にかけて殺菌洗浄する工程を伴う場合がある。
このような工程においては、瓶体内の内圧が急激な温度の上昇に合わせて高まることになる。このため、上記従来においては、上昇した内圧によって瓶用栓が外部に向かって押し出され、側部20の内側面に突設された係合部24と瓶口部A2側の環状係合部A2との係合が解除され、瓶用栓が瓶口部A2から外れて抜栓してしまう虞があった。
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、上昇した内圧によって瓶用の中栓が瓶口部から外れてしまうことを確実に防止できる封緘部付きキャップを創出することを課題とする。
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる手段は、
瓶口部を封止する中栓と、中栓を瓶口部上に被覆した状態で固定する筒状の封緘部と、径方向に変形可能な平面視略C字形状に形成されて封緘部内に配置され、瓶口部の外周面に形成された係合部に対して係合可能に設けられ係合部材と、係合部材の拡径方向への変形を防止する規制手段と、を有することを特徴とする、というものである。
本発明の主たる手段では、封緘部と瓶口部との間に配置される係合部材が、瓶口部の外周面に形成された係合部に対して係合すると共に、係合部材自体の変形を規制することにより、内圧上昇に伴う中栓の抜栓を防止し得る。
本発明の他の手段は、上記主たる手段に、規制手段が、係合部材の周方向の両端の一方に設けられた係止穴又は係止凸部と、他方に設けられて係止穴又は係止凸部に係合可能な係止凸部を有して構成される、との手段を加えたものである。
または上記主たる手段に、規制手段が、係合部材の周方向の両端に、上下方向に対向して互いに係止可能に設けられた一対の係止フックを有して構成される、との手段を加えたものである。
または上記主たる手段に、規制手段が、略螺旋状に捩じり成形された係合部材の、一方の端部に突設されたアンダーカット状の係止爪部と、他方の端部に形成された嵌合孔とを有して構成される、との手段を加えたものである。
あるいは、上記主たる手段に、規制手段が、一つの組付け穴内に縮径状態で配置された係合部材の、ギャップを介して周方向に対向する一方の端部及び他方の端部と、一方の端部が当接する組付け穴の一端部と、他方の端部が当接する組付け穴の他端部と、を有して構成される、との手段を加えたものである。
上記本発明の他の手段では、簡単な構成により、係合部材自体の変形を規制することができる。
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、係合部材は、一端に係止爪を、他端に弾性変形可能な弾性係合部を夫々有して縦断面視略S字状に形成され、係止爪が組付け穴に対して係合し、弾性係合部が瓶口部に形成されている係合部を弾圧する、との手段を加えたものである。
上記手段では、封緘部側の側壁部と瓶口部との間に挟まれた状態で介在する係合部材が、瓶口部の外周面に形成された係合部を弾圧することによる強固な係合を達成する。
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、封緘部が、中栓を押さえ込む頂部と、瓶口部を覆う側壁部と、周方向に配置されて側壁部を破断可能に設けられた第1弱化部と、第1弱化部の下部側に周方向に設けられると共に係合部材が組み付けられる組付け穴と、係合部材を周方向に分断すると共に係合部材の上部側に設けられた側壁部と下部側に設けられた側壁部との間を連結する一つ以上の連結壁部と、側壁部の下端部に設けられた摘み部と、摘み部と第1弱化部との間を破断可能な状態で配置した第2弱化部と、を有して一体に形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、封緘部側の側壁部と瓶口部との間に挟まれた状態で介在し、瓶口部の外周面に形成された係合部に係合する係合部材を、第1弱化部及び第2弱化部に破断を生じさせることで封緘部と共に除去することが可能となる。
また本発明の他の手段は、上記手段に、第1弱化部と第2弱化部との間が、開口部を介して連結されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、第1弱化部と第2弱化部との間をショートカット的に破断することができるため、破断作業を短時間且つ容易に行うことが可能となる。
本発明は、上記した構成となっているので、瓶体内の急激な温度の上昇に伴って内圧が上昇しても、係合部材自体の変形を規制することが可能となるため、係合部材と瓶口部側の係合部との係合が解除されてしまうことを阻止し、中栓が瓶口部から抜栓してしまうことを確実に防止することができる。
本発明の封緘部付きキャップを示し、Aは封緘部付きキャップの正面図、Bは封緘部付きキャップを背面側から示す半断面図である。 封緘部付きキャップ内に装着されている係合部材の第1実施例を示し、Aは係合部材の斜視図、BはAのII−II線における矢視方向断面図である。 第1実施例に示す係合部材の平面図であり、Aは装着前の開放状態、Bは装着後の係止状態を示している。 係合部材の第2実施例を示す平面図であり、Aは装着前の開放状態、Bは装着後の係止状態を示している。 係合部材の第3実施例を示す斜視図である。 第3実施例の係合部材を備えた封緘部付きキャップの正面図である。 係合部材の第4実施例を示す平面図である。 図7のVIII−VIII線における矢視方向断面図であり、Aは装着前の開放状態、Bは装着後の係止状態を示している。 第4実施例としての係合部材が装着された封緘部付きキャップを示し、Aは封緘部付きキャップを図7のIXa方向から示す正面図、Bは封緘部付きキャップを図7のIXb方向から示す側方半断面図である。 第5実施例としての係合部材と側壁部との関係を示す平面図である。 第5実施例としての係合部材が装着された封緘部付きキャップを示し、Aは図10のXIa方向から示す封緘部付きキャップの正面図、Bは図10のXIb方向から示す封緘部付きキャップの側面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明の封緘部付きキャップは、例えば日本酒や焼酎などの酒類やその他の液体(例えば醤油、お酢など)を入れる一升瓶(1800ml入り瓶)や四号瓶(720ml入り瓶)などのガラス製の瓶体の瓶口部に装着されて瓶体内を密封封止するためのものである。
図1は本発明の封緘部付きキャップを示し、Aは封緘部付きキャップの正面図、Bは封緘部付きキャップを背面側から示す半断面図、図2は封緘部付きキャップ内に装着されている係合部材の第1実施例を示し、Aは係合部材の斜視図、BはAのII−II線における矢視方向断面図、図3は第1実施例に示す係合部材の平面図であり、Aは装着前の開放状態、Bは装着後の係止状態を示している。
図1のA及びBに示すように。封緘部付きキャップは、瓶体40側の瓶口部41を封止するための中栓10と、封止状態にある中栓10及び瓶口部41を一緒に被覆固定するための筒状の封緘部20と、封緘部20と瓶口部41との間に介在して中栓10の抜栓を防止する規制手段としての機能を備える係合部材30とを有して構成され、これらは例えば所定の合成樹脂材料を射出成形することにより各部材ごとに別々に形成されている。
中栓10は、瓶口部41の外径と略同寸法からなる短円柱の頭部11の下面に、瓶口部41の内径よりも若干大きな寸法を有して筒状又は円柱状に形成された栓部12が下方に向かって凸状に一体に形成されている。瓶体40は、中栓10の栓部12が瓶口部41内に挿入され、瓶口部41の内周面に栓部12の外周面が密着することにより密封状態に設定される。
封緘部20は、中栓10の頭部11を押さえ込む頂部21と、頂部21の外周縁から垂下設され、頭部11の外周壁及び瓶口部41の上部側面を覆う円筒状の側壁部22とを有して一体に形成されている。側壁部22には、断面略V字状を成す薄肉部がキャップ軸Oに対して水平に周方向に沿って形成されることで破断可能に設けられた第1弱化部24が、頭部11の下端部と対応する高さ位置に周設されている。
第1弱化部24の下部位置には、側壁部22の一部を水平に周方向に沿って切り欠くことにより形成される組付け穴28が設けられている。この組付け穴28の下端には後述する係合部材30の係止爪33が係合する被係止部28aが周方向に沿って形成されている。
図1のAに示すように、封緘部20を構成する側壁部22の正面側の下端部20Aには切欠部26が形成され、側壁部22の正面側の第1弱化部24下方から組付け穴28を上下縦方向に横断する開口部25が形成されている。切欠部26と開口部25とは周方向にずれた位置に夫々形成されており、切欠部26の上端と開口部25と下端との間には、傾斜状に配置された薄肉部によって破断可能に設けられた第2弱化部27を介して連結されている。尚、開口部25の上端は第1弱化部24に連結され、開口部25の下端は第2弱化部27に連結されている。
また図1のBに示されるように、封緘部20を構成する側壁部22の背面側には連結壁部23が設けられており、組付け穴28よりも上部の側壁部22と下部側の側壁部22とが連結されている。連結壁部23の個数は一つに限られるものではなく、周方向に間隔をして複数の連結壁部23が形成される構成であってもよい。
尚、図示していないが、第1弱化部24よりも上方に位置する側壁部22の表面には、滑り止めとして機能するローレットを刻設した構成が好ましい。
図2に示すように、第1実施例として示す係合部材30Aは弾性変形可能な合成樹脂や金属等により平面視略C字形状に形成されている。図2のB又は図3のA,Bに示すように、係合部材30Aの一方の端部31の外周面には段差部31Aが形成され、この段差部31Aには径方向に貫通する係止穴31aが形成されている。また係合部材30Aの他方の端部32の内周面にも段差部32Aが形成され、段差部32Aの先端には径方向内側に向かって突出する係止凸部32aが突設されている。
また係合部材30Aの上面の周方向の複数(図3では3つ)の位置には切欠き35が形成されており、この切欠き35を除く位置には径方向外側に屈曲する係止爪33が設けられ、下端側には内径方向に折り返されて成る弾性係合部34が形成されており、係合部材30Aは縦断面視略S字形状に形成されている(図1のB参照)。上端側の係止爪33と下端側の弾性係合部34との間は周方向に間欠的に配置された複数の柱部36が形成されている。
図3のAに示すように、組み付け前の開放状態においては、係合部材30Aは一方の端部31が他方の端部32よりも外側となるように成形されている。そして、図3のBに示すように、一方の端部31を径方向内側とし、他方の端部32を径方向外側とした状態で両端部同士を径方向に重ねると共に係止凸部32aを係止穴31a内に嵌合挿入して係止状態とすることにより、一方の端部31と他方の端部32とが連結されている。この係止状態では、係合部材30Aはその形状が固定され、特に周方向及び拡径方向(径方向外側)に変形することが不可能となる。このように係合部材30Aの両端に設けられた係止穴31a及び係止凸部32aは、係合部材30Aの拡径方向への変形を防止し、係止状態から解放状態に至ることを規制する規制手段Pとしての機能を備える。
係合部材30Aの封緘部20内への組み付けは、開放状態にある係合部材30Aを内径方向に若干縮径変形させた状態で行う。この際、高さ方向については係止爪33を組付け穴28に位置合わせし、且つ周方向については両端部(一方の端部31と他方の端部32)間に設けられた切欠き35内に側壁部22側の連結壁部23が夫々位置するように位置合わせして行う。すると、係合部材30Aは、縮径変形した状態から外径方向に拡径変形し、係止爪33が組付け穴28に設けられた被係止部28aに係合し、係合部材30Aを組付け穴28に対して分離不能に装着することができる。同時に、上述したように、係合部材30Aの、一方の端部31と他方の端部32とを径方向に重ねて連結させた状態において、係止凸部32aを係止穴31a内に嵌合挿入して係止状態に設定する
尚、封緘部20内に組み付けられた係合部材30Aは、一方の端部31と他方の端部32との連結部分が、側壁部22に形成された開口部25に対向する状態にある。
係止状態にある係合部材30Aの内径は、中栓10の頭部11の外径よりも若干大きな寸法で形成されており、中栓10はキャップ軸Oに沿って係合部材30Aの内側を上下方向に通り抜けることが可能となっている。また係合部材30Aの外径、すなわち上端側の係止爪33の外径は、封緘部20の側壁部22の内径よりも若干な大きな寸法で形成されている。
次に第1実施例を示す封緘部付きキャップの使用例について説明する。
まず栓部12側を下方に向けた状態の中栓10を、封緘部20の下端部20A側から封緘部20内に挿入し、続いて上記の方法で係合部材30Aを封緘部20内に挿入して係合部材30Aを組付け穴28に組み付けることにより、封緘部付きキャップの組み立てを完成させる。
あるいは、先に係合部材30Aを封緘部20の組付け穴28に組み付けて装着し、その後に中栓10を下端部20Aから封緘部20内に挿入することによっても封緘部付きキャップの組み立てを完成させることも可能である。
尚、封緘部20の側壁部22の内周面で且つ組付け穴28の上部位置には、内径方向に突出する環状凸部29(図1のB参照)が形成されており、この環状凸部29が頭部11の下端に当接する構成となっているため、封緘部20内から中栓10が抜栓することを抑制することが可能となっている。
いずれにしても組み立て完成後の封緘部付きキャップは、封緘部20の下端部20Aを、内容物が充填された状態にある瓶体40側の瓶口部41の上端に被せ、その状態において図示しない打栓機を用いて打栓することにより瓶口部41に装着される。
この際、図1のBに示すように、中栓10の栓部12が瓶口部41内に挿入されて密封状態に設定されることで瓶体40の封止が完了する。
同時に、係合部材30Aの弾性係合部34は、瓶口部41の外周面と側壁部22の内周面との間に挟まれ、径方向に縮径変形しながら相対的に瓶口部41の下方側に移動し、瓶口部41の外周面に例えば凹状且つ環状に形成された係合部42に嵌り込む。そして、弾性係合部34が係合部42内において内径方向に拡径変形することによって係合部42に係合する。弾性係合部34は、常に係合部42を内径方向に弾圧するため、弾性係合部34と係合部42との間の係合を強固に維持することが可能である。また上述したように、係合部材30Aの一方の端部31に設けられた係止穴31aと他方の端部32に設けられた係止凸部32aとが係合し、係合部材30Aの周方向及び拡径方向への変形を確実に防止する。尚、瓶口部41の外周面に形成された係合部42の形状は、弾性係合部34が係合可能であれば、特に凹状に限られるものではない。
このため、上記のように、低温状態の内容物を充填して封止した後に、温水(例えば、60℃)を瓶体40全体にかける殺菌洗浄する工程を行い、瓶体40内の急激な温度の上昇に合わせて内圧が高まったとしても、係合部材30Aの周方向及び拡径方向への変形が規制され、弾性係合部34は係止状態を保持することができるため、瓶口部41側の係合部42を内径方向に弾圧する状態を維持することができる。よって、中栓10が外部に向かって押し出され、それによって弾性係合部34と係合部42との間の係合が解除されることを阻止することができ、ひいては中栓10が瓶口部41から抜栓してしまうことを確実に防止することが可能である。
尚、瓶体40に打栓された封緘部付きキャップを開栓する場合には、必ず封緘部20を取り外す必要があるため、封緘部20は瓶体40の不正な開封を防止する機能を有する。
封緘部付きキャップを開封するには、例えば切欠部26に爪先等を挿入して摘み部20aを摘み上げ、図1のAに示す矢印方向(図示右方向)、すなわち摘み部20aを傾斜状に形成された第2弱化部27に沿って開口部25に向かって斜め上方に引き上げる。すると、第2弱化部27を切欠部26から開口部25に向かって破断させることができる。
続けて摘み部20aを摘んだ手をキャップ軸O回りに周回させる。すると、開口部25の上端に続く第1弱化部24が周回する方向に沿って破断し、連結壁部23を除いた位置において側壁部22を上下に分離させることができる。
また係合部材30Aの一方の端部31と他方の端部32との連結部分は開口部25内に対向しているため、破断が第2弱化部27から第1弱化部24に達する時に、一方の端部31と他方の端部32との係止状態を容易に解除させることができる。
これらの操作により、中栓10を覆う封緘部20を構成する側壁部22を拡径状に大きく押し広げることが可能となるため、封緘部20及び係合部材30Aを瓶口部41から容易に除去し、瓶口部41及び中栓10を露出させることができる。よって、除去後に中栓10を抜栓することにより、瓶体40内の内容液を注出することができる。
尚、中栓10は、瓶口部41内に挿入することにより、瓶口部41を再び閉栓することが可能である。
図4は係合部材の第2実施例を示す平面図であり、Aは装着前の開放状態、Bは装着後の係止状態を示している。
第2実施例に示す係合部材30Bが上記第1実施例と異なる点は、係合部材30Bを係止状態に設定する規制手段Pの構成にある。すなわち、図4のAに示すように、この係合部材30Bでは、一方の端部31の段差部31Aの先端に径方向外側に突出する係止凸部31bが形成され、他方の端部32の段差部32Aの先端に径方向内側に突出する係止凸部32aが形成されており、図4のBに示すように、係合部材30Bを縮径する方向に変形させ、一方の端部31と他方の端部32を周方向に接近させると、一方の係止凸部31bと他方の係止凸部32aとの係合する構成であり、このような規制手段Pによっても上記第1実施例同様の効果を得ることが可能である。
図5は係合部材の第3実施例を示す斜視図である。図6は第3実施例の係合部材を備えた封緘部付きキャップの正面図である。
第3実施例に示す係合部材30Cが第1実施例と異なる点も係合部材30を係止状態に設定する規制手段Pの構成にある。すなわち、図5に示すように、この係合部材30Cでは、一方の端部31に高さ方向の上部に凹状に切り欠かれた段差部31Aが形成され、この段差部31Aの先端に上方位置に向かって突出する係止フック31cが形成され、他方の端部32に高さ方向の下部位置に凹状に切り欠かれた段差部32Aが形成され、この段差部32Aの先端に下方向かって突出する係止フック32cが形成されている。そして、係合部材30Cを縮径する方向に変形させ、一方の端部31と他方の端部32を周方向に接近させると、互いに上下方向において対向する一方の係止フック31cと他方の係止フック32cとが係合する係止状態に設定される構成であり、このような規制手段Pによっても上記第1実施例同様の効果を得ることが可能である。
図6に示すように、第3実施例に示す係合部材30Cを備えた封緘部付きキャップでは、封緘部20の正面側の位置に連結壁部23が形成されており、この連結壁部23に開口部25が形成されている。そして、この開口部25に係合部材30Cの一方の係止フック31cと他方の係止フック32cとの連結部分(係止部分)が位置するように配置される。このため、破断が第2弱化部27から第1弱化部24に達する時に、一方の端部31と他方の端部32との係止状態を容易に解除させることが可能となっている。
図7は係合部材の第4実施例を示す平面図、図8は図7のVIII−VIII線における矢視方向断面図であり、Aは装着前の開放状態、Bは装着後の係止状態を示している。また図9は第4実施例としての係合部材が装着された封緘部付きキャップを示し、Aは封緘部付きキャップを図7のIXa方向から示す正面図、Bは封緘部付きキャップを図7のIXb方向から示す側方半断面図である。
第4実施例に示す係合部材30Dが上記係合部材の第1実施例乃至第3実施例と異なる点も係合部材30を係止状態に設定する規制手段Pの構成にある。すなわち、この係合部材30Dでは、一方の端部31に径方向外側に突出するアンダーカット状の係止爪部31dが形成され、他方の端部32に嵌合孔32dが形成されている。また図8のAに示すように、装着前の開放状態では、係合部材30Dの全体が略螺旋状となるように捩じり成形されており、一方の端部31と他方の端部32とが高さ方向に位置ずれしている。
そして、図8のBに示すように、係合部材30Dを捩じりの無い状態に戻しながら一方の端部31と他方の端部32との高さ位置を合わせると、一方の端部31側の係止爪部31dが他方の端部32側の嵌合孔32dに嵌合挿入して係止状態に設定される構成であり、このような規制手段Pによって上記第1実施例同様の効果を得ることが可能である。
図9のAに示すように、上記第4実施例に示す係合部材30Dを備えた封緘部付きキャップでは、封緘部20の正面側の位置に連結壁部23が形成されており、この連結壁部23に開口部25が形成されている。また図9のBに示すように、封緘部20の側面には組付け穴28が複数の連結壁部23によって分断されており、その一つの連結壁部23に形成された窓部28Aに、係合部材30Dの一方の端部31に設けられた係止爪部31dと他方の端部32に設けられた嵌合孔32dとの連結部分(係止部分)が露出している。
尚、窓部28Aを図8のAに示す開口部25の位置に、開口部25の代わりに設け、この位置で係止爪部31dと嵌合孔32dとの連結部分(係止部分)が露出される構成としても良く、この構成にした場合には、破断が第2弱化部27から第1弱化部24に至る時に、一方の端部31と他方の端部32との係止状態を容易に解除させることが可能となる。
図10は第5実施例としての係合部材と側壁部との関係を示す平面図、図11は第5実施例としての係合部材が装着された封緘部付きキャップを示し、Aは図10のXIa方向から示す封緘部付きキャップの正面図、Bは図10のXIb方向から示す封緘部付きキャップの側面図である。
第5実施例に示す係合部材30Eが上記係合部材の第1実施例乃至第4実施例と異なる点も係合部材30を係止状態に設定する規制手段Pの構成にある。図10に示すように、第5実施例に示す係合部材30Eは平面視略C字形状で形成されている点は第1実施例乃至第4実施例同様であるが、一方の端部31と他方の端部32との間に周方向に距離を隔てるギャップGが設けられている点が大きく異なる。
係合部材30Eが装着される封緘部20側の側壁部22の組付け穴28には、組付け穴28を周方向に分断する複数の連結壁部23が設けられており、組付け穴28を挟んで上下に対峙する上側の側壁部22と下側の側壁部22とが複数の連結壁部23を介して連結されている。
係合部材30Eは、全体として縮径変形させられた状態で組付け穴28内に装着されており、このため係合部材30EはギャップGを広げる方向及び径方向外側に向かって拡径する方向に弾性変形可能な状態にある。図10及び図11のBに示すように、ギャップGを介して周方向に対向する一方の端部31及び他方の端部32は、分断された一つの組付け穴28B内に一緒に収容されており、この状態で一方の端部31には時計回り方向に、且つ他方の端部32には反時計回り方向に、すなわち係合部材30EにはギャップGを広ける方向に付勢する力が働いている。しかし、一方の端部31は組付け穴28Bの一端部28b(図示左側の端部)に、他方の端部32は組付け穴28Bの他端部28c(図示右側の端部)に夫々当接することによってこれ以上周方向に広がらないように係止されおり、係合部材30Eはこれ以上拡径変形することが防止されている。
このため、上記のように瓶体40内の急激な温度の上昇に合わせて内圧が高まったとしても、弾性係合部34が瓶口部41側の係合部42を内径方向に弾圧する状態が維持され、弾性係合部34と係合部42との間の係合が解除されることを阻止することができる。よって、第5実施例においても、上記同様に、瓶体40内の急激な温度の上昇によって中栓10が瓶口部41から抜栓してしまうことを確実に防止することができる。
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、上記実施例では、封緘部付きキャップを構成する中栓10と封緘部20とが別部材からなる構成を示して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、中栓10と封緘部20とを一体化した構成であってもよい。
すなわち、封緘部を、瓶口部内に挿入されて密封する中栓と、中栓の頭部下端に一体に連設されて瓶口部を覆う円筒状の側壁部とを有する構成とし、この側壁部に上記同様の第1弱化部、第2弱化部、開口部、連結壁部及び摘み部を設け、第2弱化部から開口部を介して第1弱化部に破断を生じさせると、封緘部と中栓とが分離して開封可能となる構成であってもよい。なお、瓶口部内に挿入される中栓構造については、瓶口部内とのシール部以外の部分を下端開口させて空洞化させてもよい。
また上記第1実施例では、規制手段Pを構成する係合部材30Aの一方の端部31側に係止穴31aを形成し、他方の端部32側に係止凸部32aを形成した構成を示して説明したが、一方の端部31側に係止凸部を形成し、他方の端部32側に係止穴を形成する構成であってもよい。
また上記各実施例では、第1弱化部24が側壁部22に対して一周に渡って設けた構成を示して説明したが、周方向のいずれかの箇所に連結壁部23を設けて第1弱化部24を周方向において分断させ、この連結壁部23を介して第1弱化部24よりも下部側に設けられた側壁部22と上部側に設けられた側壁部22とが連結される構成としても良い。この構成では、第1弱化部24よりも下部側の側壁部22と上部側の側壁部22とが開封後も分離することがなく一体化された状態を維持することが可能となるので、封緘部付きキャップの破棄を容易とすることができる。尚、連結壁部23を設ける位置は、第1弱化部24を周方向に沿って破断させたときに、周方向終端の位置(図1のAでは開口部25の左側近傍の位置)とする構成が好ましい。
本発明の封緘部付きキャップは、内圧が急激に高まる虞のある瓶体を封止するキャップの分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
10 : 中栓
11 : 頭部
12 : 栓部
20 : 封緘部
20A : 封緘部の下端部
20a : 摘み部
21 : 頂部
22 : 側壁部
23 : 連結壁部
24 : 第1弱化部
25 : 開口部
26 : 切欠部
27 : 第2弱化部
28、28B : 組付け穴
28A : 窓部
28a : 被係止部
28b : 組付け穴の一端部
28c : 組付け穴の他端部
29 : 環状凸部
30、30A、30B、30C、30D、30E : 係合部材
31 : 係合部材の一方の端部
31A : 段差部
31a : 係止穴
31b : 係止凸部
31c : 係止フック
31d : 係止爪部
32 : 係合部材の他方の端部
32A : 段差部
32a : 係止凸部
32c : 係止フック
32d : 嵌合孔
33 : 係止爪
34 : 弾性係合部
35 : 切欠き
36 : 柱部
40 : 瓶体
41 : 瓶口部
42 : 係合部
G : ギャップ
O : キャップ軸
P : 規制手段

Claims (8)

  1. 瓶口部(41)を封止する中栓(10)と、該中栓(10)を瓶口部(41)上に被覆した状態で固定する筒状の封緘部(20)と、径方向に変形可能な平面視略C字形状に形成されて前記封緘部(20)内に配置され、前記瓶口部(41)の外周面に形成された係合部(42)に対して係合可能に設けられ係合部材(30)と、該係合部材(30)の拡径方向への変形を防止する規制手段(P)と、を有することを特徴とする封緘部付きキャップ。
  2. 規制手段(P)が、係合部材(30A,30B)の周方向の両端の一方に設けられた係止穴(31a)又は係止凸部(31b)と、他方に設けられて前記係止穴(31a)又は前記係止凸部(31b)に係合可能な係止凸部(32a)を有して構成される請求項1記載の封緘部付きキャップ。
  3. 規制手段(P)が、係合部材(30C)の周方向の両端に、上下方向に対向して互いに係止可能に設けられた一対の係止フック(31c、32c)を有して構成される請求項1記載の封緘部付きキャップ。
  4. 規制手段(P)が、略螺旋状に捩じり成形された係合部材(30D)の、一方の端部(31)に突設されたアンダーカット状の係止爪部(31d)と、他方の端部(32)に形成された嵌合孔(32d)とを有して構成される請求項1記載の封緘部付きキャップ。
  5. 規制手段(P)が、一つの組付け穴(28B)内に縮径状態で配置された係合部材(30E)の、ギャップ(G)を介して周方向に対向する一方の端部(31)及び他方の端部(32)と、前記一方の端部(31)が当接する前記組付け穴(28B)の一端部(28b)と、前記他方の端部(32)が当接する前記組付け穴(28B)の他端部(28c)と、を有して構成される請求項1記載の封緘部付きキャップ。
  6. 係合部材(30)は、一端に係止爪(33)を、他端に弾性変形可能な弾性係合部(34)を夫々有して縦断面視略S字状に形成され、前記係止爪(33)が組付け穴(28)に対して係合し、前記弾性係合部(34)が瓶口部(41)に形成されている係合部(42)を弾圧する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の封緘部付きキャップ。
  7. 封緘部(20)が、中栓(10)を押さえ込む頂部(21)と、瓶口部(41)を覆う側壁部(22)と、周方向に配置されて前記側壁部(22)を破断可能に設けられた第1弱化部(24)と、該第1弱化部(24)の下部側に周方向に設けられると共に係合部材(30)が組み付けられる組付け穴(28)と、前記係合部材(30)を周方向に分断すると共に前記係合部材(30)の上部側に設けられた前記側壁部(22)と下部側に設けられた前記側壁部(22)との間を連結する一つ以上の連結壁部(23)と、前記側壁部(22)の下端部(20A)に設けられた摘み部(20a)と、該摘み部(20a)と第1弱化部(24)との間を破断可能な状態で配置した第2弱化部(27)と、を有して一体に形成されている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の封緘部付きキャップ。
  8. 第1弱化部(24)と第2弱化部(27)との間が、開口部(25)を介して連結されている請求項7記載の封緘部付きキャップ。

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