JP2020083403A - Icタグ付き包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ICタグが取り付けられていることによって外観のデザイン性が損なわれることなく、かつ、該ICタグの動作性が保持されている、ICタグ付き包装体を提供する。【解決手段】プラスチックフィルム2、及び金属フレーク含有層3を有する積層体の、金属フレーク含有層3よりも内層側にICタグ10が設置されており、前記積層体のJIS K7361−1:1997に準拠して測定した全光線透過率が10.0%以下であり、前記金属フレークは、ノンリーフィングタイプであり、平均長さが1〜10μmであり、前記平均長さと該金属フレークの平均厚みとの比(平均長さ/平均厚み)が25〜100である、ICタグ付き包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、ICタグ付き包装体に関する。
ICタグは、RFIDタグや電子タグ、非接触タグ等とも呼ばれ、小売店で販売される商品やその流通過程において、商品に関する様々な情報データを無線電波により非接触で読み書き可能であるという利便性から、トレーサビリティや商品の効率的な管理等の目的で、種々の業種や分野で普及しつつある。
ICタグは、一般に、個々の物品に対して、該物品自体、又は該物品を包装した後の包装体の表面に貼付したり、括り付けたりすることによって、取り付けられる。
しかしながら、包装体にICタグが取り付けられる場合、ICタグが露出した状態であると、該包装体の外観に装飾効果をもらしている種々の絵柄や風合い等のデザイン性を損なうことがある。このようなデザイン性を重視する際には、ICタグは、包装体の外観上、隠蔽し、外側から視認できない状態で取り付けられていることが好ましい。
包装体が紙を基材とする場合、紙は一般的に遮光性が高いため、ICタグを該基材よりも内側に設けることにより、該包装体の外観上、該ICタグを容易に隠蔽することができる。
一方、プラスチックフィルムを基材とする場合、プラスチックフィルムは一般的に紙よりも光透過性が高いため、該基材の内側にICタグを設けても、該包装体の外観上、該ICタグが十分に隠蔽されないことがある。
プラスチックフィルムを基材とした包装材において遮光性を付与する手段としては、例えば、特許文献1に記載されているように、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着膜等の金属層を設けることが知られている。
特開2001−121649号公報
しかしながら、上記のような金属層を有する包装材にICタグを取り付けた場合、その金属が微弱な電磁波等による通信に及ぼす影響により、該ICタグに記録された情報をRFIDリーダーで読み取れないことがある。
このため、ICタグ付き包装体においては、ICタグの記録情報のRFIDリーダーでの読み取り、すなわち、ICタグの動作性を妨げることなく、該ICタグを隠蔽することができる手段が求められる。
また、前記金属層を有する軟包装材において、前記金属層の内層側にICタグを設けた場合、通常、数百μm〜数mm程度の厚みを有するICタグによって、該軟包装材は、ICタグが設けられた部分がその周囲よりも厚くなり、前記金属層の外層側の表面が歪んで見える。光輝性の高い前記金属層によって、その歪みが強調され、段差を生じているようにさえ見えることがある。
このような外観は、ICタグ付き包装体におけるデザイン性を損なうこととなるため好ましくない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ICタグが取り付けられていることによって外観のデザイン性が損なわれることなく、かつ、該ICタグの動作性が保持されている、ICタグ付き包装体を提供することを目的とする。
本発明は、包装体に、所定の金属フレークを含む層を設けることにより、ICタグによる外観のデザイン性が損なわれることなく、該ICタグの記録情報のRFIDリーダーによる読み取りが可能なICタグ付き包装体を見出したことに基づくものである。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルム及び金属フレーク含有層を有する積層体の、前記金属フレーク含有層よりも内層側にICタグが設置されており、前記積層体のJIS K7361−1:1997に準拠して測定した全光線透過率が10.0%以下であり、前記金属フレークは、ノンリーフィングタイプであり、平均長さが1〜10μmであり、前記平均長さと該金属フレークの平均厚みとの比(平均長さ/平均厚み)が25〜100である、ICタグ付き包装体を提供するものである。
本発明によれば、ICタグが取り付けられていることによって外観のデザイン性が損なわれることなく、かつ、該ICタグの動作性が保持されている、ICタグ付き包装体を提供することができる。
すなわち、本発明のICタグ付き包装体は、外観の良好なデザイン性と、隠蔽されているICタグの動作性の保持との両立が図られたものである。
本発明のICタグ付き包装体の一態様の概略断面図である。 本発明のICタグ付き包装体の他の態様の概略断面図である。 本発明のICタグ付き包装体の他の態様の概略断面図である。 本発明のICタグ付き包装体の他の態様の概略断面図である。
以下、本発明のICタグ付き金属調包装体について、詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA〜BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
本発明のICタグ付き包装体は、プラスチックフィルム及び金属フレーク含有層を有する積層体の、前記金属フレーク含有層よりも内層側にICタグが設置されているものである。前記積層体は、JIS K7361−1:1997に準拠して測定した全光線透過率が10.0%以下である。また、前記金属フレークは、ノンリーフィングタイプであり、平均長さが1〜10μmであり、前記平均長さと該金属フレークの平均厚みとの比(平均長さ/平均厚み)が25〜100である。
このような金属フレーク含有層を有することにより、ICタグの動作性を保持しつつ、該ICタグによって外観のデザイン性が損なわれないようにすることができる。
[金属フレーク含有層]
本発明のICタグ付き包装体(以下、単に、包装体と言う場合もある。)は、金属フレーク含有層によって、ICタグが外層側から隠蔽される。このような隠蔽された状態は、前記ICタグが不正に付け替えられることによる記録情報の改ざん行為を抑制する上でも有効である。
前記金属フレーク含有層は、該包装体の外側から見える領域の全面に形成されていてもよく、また、一部のみに形成されていてもよい。前記金属フレーク含有層によって、絵や文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、記号、模様、パターン等の絵柄が形成されていてもよい。ただし、前記金属フレーク含有層は、ICタグを隠蔽する目的で形成されることから、少なくとも、ICタグが設けられている領域を含む、より広い領域に形成される。
また、前記金属フレーク含有層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。
前記金属フレークの材質としては、例えば、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属や合金が挙げられる。前記材質としては、これらのうち、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、例えば、前記金属フレーク含有層の外層側に、後述するように、白色顔料含有層が設けられる場合は、白に近い色調が得られやすいことから、アルミニウム、銀が好ましい。
前記金属フレークとしては、ノンリーフィングタイプのものを用いる。
ノンリーフィングタイプの金属フレークは、金属フレーク含有層を塗布形成する過程で、塗膜表面付近に浮かび上がりにくく、該金属フレーク含有層内において、低い配向性で、厚み方向に金属フレークが積層されやすい。その結果、各金属フレークの間で多重反射を生じさせることができ、拡散光の割合が増える。これにより、上記のような蒸着膜や箔による金属層に比べて、該金属フレーク含有層よりも内層側に設置されているICタグの厚みによる該包装体の外層側表面の歪みや段差が目立ちにくくなる。また、拡散光の割合が増えることにより、該金属フレーク含有層を白に近い色調とすることができ、該金属フレーク含有層よりも外層側に絵柄層を形成する場合に、絵柄の色味が損なわれにくくなるという利点も有している。
また、前記金属フレーク含有層内の厚み方向で前記金属フレークが積層されることは、前記積層体の全光線透過率の低下にもつながる。
ノンリーフィングタイプの金属フレークは、例えば、前記材質の金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得ることができる。このようにして製造された金属フレークは、表面にうねり状の凹凸を有しており、拡散光の割合が多くなるため好ましい。
媒体ボールやビーズ等の大きさ、展延及び/又は粉砕の時間や荷重、負荷等によって、金属フレークの長さ、厚み及びアスペクト比を調整することができる。例えば、展延及び粉砕の時間を長くし、荷重及び負荷を大きくすることにより、得られる金属フレークの長さは短くなり、厚みが薄くなる。
ノンリーフィングタイプの金属フレークは、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等の長鎖飽和脂肪酸による表面処理がなされていないものである。例えば、リノール酸等の不飽和脂肪酸で表面処理されたもの、あるいはまた、表面処理されていないもの等が用いられる。
前記金属フレークは、耐薬品性等の観点から、樹脂コートされたものであることが好ましい。樹脂コートされた金属フレークは、例えば、特開昭62−253668号公報、特開昭64−40566号公報、特開2003−213157号公報、特開2012−241039号公報等に記載の方法により製造できる。
一方、リーフィングタイプの金属フレークを含む層を塗布形成した場合、該金属フレークは、その塗膜表面に浮かび上がって配向しやすく、塗膜表面からの入射光の多くは該金属フレークによって正反射するため、該層内での多重反射は生じにくい。このため、該層よりも内層側にICタグを設置した際、ICタグの厚みによる該層の外層側表面の歪みや段差が認識されることを抑制することは難しい。
また、リーフィングタイプの金属フレークを塗布形成した場合は、該金属フレークの配向性によって、塗膜表面からの溶剤の揮発が抑制され、塗膜中の残留溶剤量が多くなりやすいという点からも好ましくない。
前記金属フレークは、平均長さが1〜10μmであり、好ましくは2〜7μm、より好ましくは3〜5μmである。
微細な金属フレークの取り扱い容易性の観点から、前記平均長さは1μm以上であることが好ましい。また、前記平均長さが10μm以下であれば、該金属フレーク含有層において、低い配向性で、厚み方向に金属フレークが積層されやすく、多重反射による拡散光の割合が増えやすい。
前記金属フレークの平均長さは、該金属フレーク含有層の面方向について光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の金属フレークの長さの平均値として求められる。なお、1個の金属フレークの長さとは、該金属フレークの面方向における最大長さを意味する。
また、金属フレークは、平均厚みが0.01〜0.50μmであることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.30μm、さらに好ましくは0.05〜0.15μmである。
前記平均厚みが0.01μm以上であれば、個々の金属フレークによる十分な隠蔽性が得られ、前記積層体の全光線透過率を低下させやすい。また、前記平均厚みが0.50μm以下であれば、該金属フレーク含有層内の厚み方向で該金属フレークが積層されやすく、各金属フレークの間での多重反射による拡散光の割合を増やすことができ、また、前記積層体の全光線透過率が低下しやすい。
前記金属フレークの平均厚みは、該金属フレーク含有層の厚み方向の断面について光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の金属フレークの厚みの平均値として求められる。なお、1個の金属フレークの厚みとは、該金属フレークの断面像を長さ方向に均等な長さで5つの領域に分割し、各領域の中央部の厚み(t1、t2、t3、t4、t5)を測定し、t1〜t5を平均した値を意味する。
前記金属フレークの平均長さ/平均厚さ(以下、アスペクト比と言う。)は、25〜100であり、好ましくは27〜70、より好ましくは30〜50である。
前記金属フレークのアスペクト比が25以上であれば、該金属フレーク含有層内での配向性が乱れすぎることなく、厚み方向で該金属フレークが積層されやすく、各金属フレークの間での多重反射による拡散光の割合を増やすことができ、また、前記積層体の全光線透過率が低下しやすい。また、前記アスペクト比が100以下であることにより、該金属フレークの配向性の乱れにより隣接する金属フレーク同士が接触して、金属箔や金属蒸着膜のようにICタグの動作性に影響を及ぼす不具合を抑制することができる。
前記金属フレーク含有層中の前記金属フレークの含有量は、20〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜55質量%、さらに好ましくは35〜50質量%である。
前記含有量が20質量%以上であれば、該金属フレーク含有層よりも内層側に設置されたICタグが、外観上、十分に隠蔽される。また、前記含有量が60質量%以下であれば、隣接する金属フレーク同士が接触することにより、ICタグの動作性への影響が十分に抑制され、また、該金属フレーク含有層とこれに隣接する層との間で良好な密着性が得られやすい。
前記金属フレーク含有層には、該金属フレーク含有層とこれに隣接する層との間で良好な密着性等の観点から、バインダー樹脂が含まれていることが好ましい。
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂等が挙げられる。また、環境保全の観点から、例えば、樹木、米ぬか及び種子等の植物を由来とした樹脂の、いわゆるバイオプラスチック等を含むことも好ましい。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記金属フレーク含有層には、必要に応じて、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
前記金属フレーク含有層は、単層であってもよく、また、同一組成又は異なる組成の複数層の金属フレーク含有層が積層されていてもよい。複数層の積層により、厚み方向で積層した金属フレーク量が多くなり、前記多重反射による拡散光の割合を増やすことができる。
前記金属フレーク含有層の合計厚みは、0.5〜5.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.7〜4.0μm、さらに好ましくは1.0〜3.0μmである。
前記厚みが0.5μm以上であれば、該金属フレーク含有層内の厚み方向で該金属フレークが積層されやすく、各金属フレークの間での多重反射による拡散光の割合を増やすことができ、また、前記積層体の全光線透過率を低下させやすい。また、前記厚みが5.0μm以下であることにより、該包装体全体の厚膜化が抑制され、生産効率及び加工適性の点で好ましい。
なお、前記金属フレーク含有層が複数層積層されている場合、各層の界面反射を抑制する観点から、各層におけるバインダー樹脂の屈折率差が0.03以内であることが好ましく、より好ましくは0.01以内である。
前記金属フレーク含有層における拡散の強さは、該金属フレーク含有層の面方向についての全光線反射(SCI:Specular Component Include)の分光スペクトルから算出したL***表色系のL*値(L*SCI)と、拡散光線反射(SCE:Specular Component Exclude)の分光スペクトルから算出したL***表色系のL*値(L*SCE)との比(L*SCE/L*SCI)により示すことができる。
SCIは、積分球を用いて試料面にあらゆる方向から光を入射し、ライトトラップを閉じて測定される、正反射方向の光を含む全反射光であるの。これに対して、SCEは、正反射方向に相当するライトトラップを開放して測定される、ライトトラップから抜ける正反射方向の光を除いた反射光である。
また、L表色系とは、1976年に国際照明委員会(CIE)により規格化された色空間を数値化した表色系であり、JIS Z8781−4:2013において採用されている。
したがって、全光線反射に基づくL値(L*SCI)と拡散光線反射に基づくL*値(L*SCE)との比(L*SCE/L*SCI)は、全反射光に対する拡散反射光の割合を示すパラメータであり、前記金属フレーク含有層における拡散光の強さを表す指標であると言える。
前記金属フレーク含有層の面方向についてのL*SCE/L*SCIは、前記包装体においては、通常、内層側から該金属フレーク含有層を視認できるため、該包装体の内層側の面から、SCI及びSCEを測定することにより求められる。
本明細書におけるL*SCI及びL*SCEは、試料面内の20箇所でのSCI及びSCEの測定値から求められた平均値である。なお、前記SCI及び前記SCEは、前記包装体の外層側に、ISO 5/4の「反射濃度計の光学系」に規定されているブラックバッキングが配置された状態で、該包装材の内層側から測定されることが好ましい。
SCI及びSCEの代表的な測定装置は、JIS Z8722:2009の幾何条件cに準拠した構成である。本明細書におけるSCEの測定条件は、積分球分光光度計の光源:D65、受光器の位置:試料面の法線に対して+8°、受光器の開口角:10°、ライトトラップの位置:試料面の法線に対して−8°、視野角:10°とした。具体的には、ハンディ型の分光測色計(「CM−700d」、コニカミノルタ社製)等を用いて、SCI及びSCEを同時に測定することができる。
一般的な金属顔料は、正反射光の割合を大きくして、高い光輝性、すなわち、強い金属光沢感を付与するように設計されており、L*SCE/L*SCIが小さく、0.85以上とすることは困難である。前記L*SCE/L*SCIが0.85未満であったとしても、前記金属顔料による金属層よりも内層側にICタグが設けられている場合、該金属層よりも外層側において、該ICタグの厚みによる歪みや段差が目立ちやすい。
また、例えば、前記金属層よりも外層側に、白色顔料含有層、また、さらに絵柄層を有する場合、該金属層の外観上、面内にキラキラと輝く点(輝点)が視認されやすい。前記白色顔料含有層や前記絵柄層は必ずしも均一な厚みではなく、局所的な厚みムラ等に起因して、前記金属層が透けている部分が、輝点として視認されるものと推測される。
これに対して、拡散反射の割合が大きく、光輝性が低く、金属光沢感が弱い、前記金属フレーク含有層によれば、該金属フレーク含有層よりも内層側に設置されているICタグの厚みによる該包装体の外層側表面の歪みや段差が目立ちにくくなる。また、上述したように、前記金属フレーク含有層よりも外層側に設けられる白色顔料含有層や絵柄層が、局所的な厚みムラを生じていた場合であっても、前記輝点の視認が抑制される。
このような観点から、前記L*SCE/L*SCIは0.85以上であることが好ましく、より好ましくは0.87以上、さらに好ましくは0.90以上である。前記L*SCE/L*SCIが0.85以上であることは、該包装体の外層側からのICタグの隠蔽性の観点からも有効である。前記L*SCE/L*SCIの上限は、特に限定されないが、一般的に0.95程度である。
なお、前記L*SCIは、本発明の包装材は、該包装体の外層側からのICタグの隠蔽性の観点から、70以上であることが好ましく、より好ましくは80以上である。前記L*SCIの上限は特に限定されないが、一般的に90程度である。
[プラスチックフィルム]
プラスチックフィルムは、該包装体(積層体)の基材としての役割を担うものである。
前記プラスチックフィルムは、例えば、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等の樹脂から選ばれる1種以上から形成することができる。
リサイクル性の観点からは、1種のみから形成されることが好ましい。また、前記プラスチックフィルムは、2種以上の樹脂フィルムを積層した複合フィルムであってもよい。
前記プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。また、インフレーション法、あるいは、溶融押し出しコーティング法で形成されたものであってもよい。
前記プラスチックフィルムとしては、耐熱性等の観点からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が好ましく、具体例としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの1種以上を含む複合フィルムが挙げられる。
前記複合フィルムとしては、例えば、PET/Ny/PET、外層側からPET/Nyの構成からなる共押出し延伸フィルム、また、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの1種以上と、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム及びポリ塩化ビニリデンフィルムの1種以上とを積層したものが挙げられる。
前記プラスチックフィルムは、リサイクル性やコスト等の観点から、2種以上の樹脂のブレンドや、顔料を含む不透明プラスチックフィルムでないことが好ましい。特に、その内層側に絵柄層が形成される場合には、該絵柄層の外観からの視認性を考慮して、透明性が高いものが好ましい。
前記プラスチックフィルムは、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。また、透明性の観点からは、JIS K7136:2000のヘイズが2%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
前記プラスチックフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、該包装体の用途に応じて適宜設定することができるが、通常、5〜50μm程度であることが好ましく、より好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは12〜25μmである。
また、前記プラスチックフィルムは、その上に形成する各層の良好な塗布適性や、前記絵柄層の良好な視認性等の観点から、両表面とも、JIS B0601:1994に準じて測定されるカットオフ値0.8mmでの算術平均粗さRaが0.1μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以下である。
[積層体]
前記積層体は、前記プラスチックフィルム及び前記金属フレーク含有層を有するものである。前記積層体は、前記ICタグを含まないものを指す。
前記積層体は、例えば、前記金属フレーク含有層よりも外層側に、白色顔料含有層を有していてもよい。また、前記白色顔料含有層よりも外層側に、絵柄層を有していてもよい。
前記積層体のJIS K7361−1:1997に準拠して測定した全光線透過率が10.0%以下であり、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは7.0%以下である。
前記全光線透過率が10.0%以下であれば、該包装体の外層側からの前記ICタグの十分な隠蔽性が得られ、また、該ICタグの厚みによる該包装体の外層側表面の歪みや段差が目立ちにくくなる。また、被包装物の光劣化を抑制する観点からも好ましい。
前記全光線透過率の下限は、特に限定されないが、該包装体全体の厚膜化の抑制等の観点から、0.5%以上であることが好ましい。
前記全光線透過率は、該積層体の内層側及び外層側のいずれから測定した場合においても、上記数値範囲を満たすことが好ましい。
本明細書における前記積層体の全光線透過率は、該積層体の面内の20箇所での測定値の平均値である。
なお、前記全光線透過率の測定は、前記ICタグが設置される前の前記積層体について行われてもよく、また、前記ICタグが設置された包装体においては、前記積層体の前記ICタグ設置領域外において行われてもよい。
(白色顔料含有層)
前記積層体が白色顔料含有層を有する場合、該白色顔料含有層は、前記金属フレーク含有層よりも外層側に設けられることが好ましい。
前記白色顔料含有層は、例えば、前記包装体の外観上、光輝性を有しないデザインや落ち着いたデザイン等が求められる場合に有効である。前記白色顔料含有層よりも内層側にある前記金属フレーク含有層からの正反射が一層抑制され、該金属フレーク含有層よりも内層側に設置されている前記ICタグの隠蔽性が高くなる。
前記白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、鉛白等が挙げられる。これらの中でも、隠蔽性の観点から、二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンの結晶構造には、アナターゼ型、ルチル型及びブルッカイト型がある。これらの中でも、光触媒活性の低いルチル型又はブルッカイト型が好ましく、汎用性のあるルチル型がより好ましい。
前記白色顔料の平均一次粒子径は、拡散光を増やして隠蔽性を高める観点から、150〜500nmであることが好ましく、より好ましくは250〜450nmである。
本明細書における白色顔料の平均一次粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡により撮影した画像から算出できる。他の各種顔料や無機粒子等の平均一次粒子径についても同様である。
前記白色顔料含有層中の前記白色顔料の含有量は、3〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは7〜20質量%である。
前記含有量が3質量%以上であることにより、該積層体の全光線透過率が上記範囲となりやすく、前記金属フレーク含有層よりも内層側に設置された前記ICタグの外層側からの隠蔽性を高める上で好ましい。また、前記含有量が50質量%以下であることにより、該白色顔料含有層にとこれに隣接する層との間で良好な密着性が得られやすい。
前記白色顔料含有層は、バインダー樹脂を含むことが好ましい。前記バインダー樹脂としては、上述した前記金属フレーク含有層に含まれるバインダー樹脂と同様のものを用いることができる。
前記白色顔料含有層は、平均一次粒子径1〜100nmの無機微粒子を含むことが好ましい。前記無機微粒子により、前記白色顔料が前記白色顔料含有層中で沈降することが抑制され、該白色顔料含有層とその下に隣接する層との間での良好な密着性が得られやすくなる。
前記無機微粒子の平均一次粒子径は、2〜50nmであることがより好ましく、さらに好ましくは5〜30nmである。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。これらの中でも、透明性に優れていることから、シリカが好ましい。また、前記ICタグの動作性の観点から、絶縁性に優れている、シリカ、アルミナが好ましい。
前記白色顔料含有層中の前記無機微粒子の含有量は、上述した前記白色顔料の沈降の抑制等の観点から、前記白色顔料100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。
前記白色顔料含有層には、必要に応じて、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
前記白色顔料含有層は、単層であってもよく、また、同一組成又は異なる組成の複数層の白色顔料含有層が積層されていてもよい。複数層の積層により、前記ICタグの隠蔽性をより高めることができる。
前記白色顔料含有層の厚みは、0.5〜5.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.7〜4.0μm、さらに好ましくは1.0〜3.0μmである。
前記厚みが0.5μm以上であることにより、該積層体の全光線透過率が上記範囲となりやすく、前記金属フレーク含有層よりも内層側に設置されたICタグの外層側からの隠蔽性を高める上で好ましい。また、前記厚みが5.0μm以下であることにより、該包装体全体の厚膜化が抑制され、生産効率及び加工適性の点で好ましい。
前記白色顔料含有層及び前記金属フレーク含有層の合計厚みは、2.0〜6.0μmであることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.0μm、さらに好ましくは3.5〜4.5μmである。
前記合計厚みが2.0μm以上であることにより、該積層体の全光線透過率が上記範囲となりやすく、前記金属フレーク含有層よりも内層側に設置されたICタグの外層側からの隠蔽性を高める上で好ましい。また、前記合計厚みが6.0μm以下であることにより、該包装体全体の厚膜化が抑制され、生産効率及び加工適性の点で好ましい。
また、前記白色顔料含有層の厚み(t1)と前記金属フレーク含有層の厚み(t2)の比(t1/t2)は、0.2〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.8である。t1/t2を0.2以上とすることにより、前記金属フレーク含有層による正反射が抑制されやすく、光輝性を有しないデザインや落ち着いたデザインの包装体が得られやすい。また、t1/t2を2.0以下とすることにより、前記金属フレーク含有層よりも内層側に設置されたICタグの外層側からの隠蔽性を高めやすい。
(絵柄層)
前記積層体が絵柄層を有する場合、デザイン性を強調する観点から、前記金属フレーク含有層の外層側に設けられた前記白色顔料含有層の、さらに外層側に該絵柄層が設けられることが好ましい。
前記絵柄層を構成する絵柄は、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン、ベタ印刷等を含む広い概念であり、本発明では、前記金属フレーク含有層及び前記白色顔料含有層とは区別される。すなわち、前記金属フレーク含有層及び前記白色顔料含有層は、文字や図形等の絵柄を表している場合であっても、前記絵柄層には含まれない。
前記絵柄層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。また、前記絵柄層は、全面印刷であっても、部分印刷であってもよい。前記絵柄層は、例えば、プロセスカラーによる単色又は多色印刷により形成することができ、また、それ以外の特色印刷等によって形成することもできる。
前記絵柄層の着色剤としては、汎用の染料及び顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料;カーボンブラック、チタンブラック等の汎用黒色顔料;染料;パール顔料等)を用いることができる。
前記絵柄層は、バインダー樹脂を含むことが好ましい。前記バインダー樹脂としては、上述した前記金属フレーク含有層に含まれるバインダー樹脂と同様のものを用いることができる。
前記絵柄層の厚みは、特に限定されるものではなく、1〜5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1〜3μmである。
なお、前記金属フレーク含有層、前記白色顔料含有層及び前記絵柄層は、例えば、プラスチックフィルムや後述するシーラント層等の上に、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式等の公知の印刷方式で形成することができる。
[ICタグ]
前記積層体に設置されるICタグは、片面に接着剤やシール部を備えたラベルタイプのものが好適に用いられる。前記ICタグは、前記積層体に貼付することにより取り付けられる。
前記ICタグのサイズは、特に限定されるものではなく、該ICタグの使用目的に応じて様々であるが、辺の長さが数mm〜百数十mm程度の矩形状、又は、直径数mm〜百数十mmの円盤状のものが一般的である。厚みは、辺の長さや直径よりも小さく、0.1〜20mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5mm、さらに好ましくは0.3〜2mmである。
前記ICタグは、前記金属フレーク含有層よりも内層側に設置されることにより、該包装体の外層側から視認されにくく、また、該ICタグの厚みによる該包装体の外層側表面の歪みや段差は目立ちにくく、該包装体の外観のデザイン性には影響を及ぼさない。
また、このように、前記ICタグは、外層側から隠蔽された状態であることにより、不正に付け替えられることによる記録情報の改ざん行為が抑制され得る。
[積層構成]
前記ICタグ付き包装体の積層構成としては、例えば、前記プラスチックフィルム、前記金属フレーク含有層、及び前記ICタグを、外層側からこの順に有するもの(タイプ1)が挙げられる。また、前記金属フレーク含有層、前記プラスチックフィルム、及び前記ICタグを、外層側からこの順に有するもの(タイプ2)も挙げられる。また、前記金属フレーク含有層、前記ICタグ、及び前記プラスチックフィルムを、外層側からこの順に有するもの(タイプ3)も挙げられる。
前記タイプ1〜3のそれぞれに対応する積層構成を有する代表的なICタグ付き包装体の態様を、図1〜4に示す。各図においては、上が外層側であり、下が内層側である。ICタグ付き包装体1における積層体は、プラスチックフィルム2、及び金属フレーク含有層3を有していれば、構成層として、その他の層を含んでいてもよい。いずれの場合においても、ICタグ10は、金属フレーク含有層3よりも内層側に設置される。
図1〜4には、白色顔料含有層4及び絵柄層5も有している態様を例示する。
また、例えば、最内層にシーラント層を有していてもよく、プラスチックフィルム2と前記シーラント層との間に光透過性を有する中間基材を有していてもよい。また、最外層にトップコート層を有していてもよく、ガスバリア層等を有していてもよい。これらの各層は、接着剤層を介して接着されていてもよい。
図1に示すICタグ付き包装体1は、外層側から順に、プラスチックフィルム2、絵柄層5、白色顔料含有層4、及び金属フレーク含有層3が積層された積層体、並びにICタグ10を有している。これは、前記タイプ1に相当する態様であり、絵柄層5は、プラスチックフィルム2の内層側の面に対して裏刷りで形成することができる。プラスチックフィルム2が絵柄層5の保護層としての機能を果たすため、トップコート層を有していなくても、絵柄層5の耐久性を高めることができる点で有用である。
被包装物が食品や液状物等である場合、該被包装物とICタグ10との直接接触を避けるため、包装体1の最内層にシーラント層を設けることが好ましい。
図2に示すICタグ付き包装体1は、外層側から順に、絵柄層5、プラスチックフィルム2、白色顔料含有層4、及び金属フレーク含有層3が積層された積層体、並びにICタグ10を有している。これは、前記タイプ1に相当する態様であり、絵柄層5は、プラスチックフィルム2の外層側の面に対して表刷りで形成することができる。このため、絵柄層5をオンデマンドで形成しやすい。絵柄層5の保護の観点からは、絵柄層5よりも外層側にトップコート層を設けることが好ましい。
また、上述したように、被包装物とICタグ10との直接接触の回避の観点から、包装体1の最内層にはシーラント層を設けることが好ましい。
図3に示すICタグ付き包装体1は、外層側から順に、絵柄層5、白色顔料含有層4、金属フレーク含有層3、及びプラスチックフィルム2が積層された積層体、並びにICタグ10を有している。これは、前記タイプ2に相当する態様である。上述した図2に示す包装体1の場合と同様に、絵柄層5は、プラスチックフィルム2の外層側の面に対して表刷りで形成することができ、オンデマンドで形成しやすい。また、同様に、絵柄層5よりも外層側にトップコート層を設けること、また、包装体1の最内層にはシーラント層を設けることが好ましい。
図4に示すICタグ付き包装体1は、外層側から順に、絵柄層5、白色顔料含有層4、金属フレーク含有層3、及びプラスチックフィルム2が積層された積層体を有し、プラスチックフィルム2よりも外層側にICタグ10を有している。これは、前記タイプ3に相当する態様である。上述した図2に示す包装体1の場合と同様に、絵柄層5は、プラスチックフィルム2の外層側の面に対して表刷りで形成することができ、オンデマンドで形成しやすい。また、同様に、絵柄層5よりも外層側にトップコート層を設けることが好ましい。この包装体1においては、ICタグ10は、プラスチックフィルム2によって、被包装物とICタグ10との直接接触を避けることができる。
本発明のICタグ付き包装体の積層構成としては、さらに、下記(1)〜(12)のようなものを例示することができる。なお、下記(1)〜(12)においては、左側の層が外層側であり、「/」は各層の境界を意味する。また、ICタグが設置され得る箇所を「//」で表しており、「//」が複数ある場合は、これらのうちのいずれの箇所でもよい。下記(1)〜(12)のうち、(1)〜(8)は前記タイプ1、(9)〜(12)は前記タイプ2又は3に相当する。
なお、絵柄層の絵柄による外観上のデザイン性の観点から、該絵柄層よりも外層側に設けられる層は、面内の少なくとも一部が光透過性を有していることが好ましい。
(1)プラスチックフィルム/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//中間基材層//シーラント層
(2)プラスチックフィルム/ガスバリア層/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//シーラント層
(3)プラスチックフィルム/ガスバリア層/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//中間基材層//シーラント層
(4)プラスチックフィルム/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//ガスバリア層//中間基材層//シーラント層
(5)トップコート層/絵柄層/プラスチックフィルム/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//中間基材層//シーラント層
(6)トップコート層/絵柄層/プラスチックフィルム/ガスバリア層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//シーラント層
(7)トップコート層/絵柄層/プラスチックフィルム/ガスバリア層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//中間基材層//シーラント層
(8)トップコート層/絵柄層/プラスチックフィルム/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//ガスバリア層//中間基材層//シーラント層
(9)トップコート層/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//プラスチックフィルム//中間基材層//シーラント層
(10)トップコート層/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//プラスチックフィルム//ガスバリア層//シーラント層
(11)トップコート層/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//プラスチックフィルム//ガスバリア層//中間基材層//シーラント層
(12)トップコート層/絵柄層/白色顔料含有層/金属フレーク含有層//プラスチックフィルム//ガスバリア層//中間基材層//シーラント層
(シーラント層)
シーラント層を構成する材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。
前記シーラント層は、単層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
なお、前記シーラント層は、ヒートシールの際の収縮を抑制するために、前記樹脂のうちのいずれかからなる無延伸のフィルムであることが好ましい。
例えば、前記包装体がレトルトパウチである場合、耐熱性の観点から、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂、HDPEが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂を用いる場合は、目的に応じて使い分けることが好ましく、例えば、前記包装体が冷凍食品用等であり、耐寒性が重視される場合は、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好ましい。また、透明性の観点からは、エチレン−プロピレンランダム共重合体が好ましく、耐熱性の観点からは、プロピレン単独重合体が好ましい。
また、前記包装体が蓋付容器の蓋体である場合、前記シーラント層は、イージーピール性を有していることが好ましい。
イージーピール性とは、例えば、蓋付容器の蓋体のシーラント層が容器本体と接合される場合、該蓋付容器の開封時に、該容器本体から該蓋体を剥離しやすいという特性を言う。
イージーピール性を有するシーラント層は、2種以上の樹脂を用いて、一の樹脂(前記容器本体との密着性が良好な樹脂)と他の樹脂(前記容器本体との密着性が良好ではなく、前記一の樹脂と非相溶な樹脂)とを混合することにより形成することができる。このような樹脂は、前記蓋付容器の素材によって異なるため一概には言えないが、例えば、PP製蓋付容器の場合、前記一の樹脂としてのPPと、前記他の樹脂としてのPE、ポリブテン及びポリスチレンから選ばれる1種以上とを混合した樹脂により、イージーピール性を有するシーラント層形成することができる。
この場合、前記シーラント層を多層構成として、該シーラント層のうちの最内層(前記容器本体と接合される側の層)のみがイージーピール性を有するものであってもよい。
前記シーラント層の厚みは、特に限定されるものではなく、前記包装体の用途及び被包装物の種類や性質等に応じて適宜設定されるが、通常、10〜200μm程度であることが好ましい。例えば、前記包装体がパウチ(特に、レトルトパウチ)である場合、前記シーラント層の厚みは、より好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは30〜100μmである。また、前記包装体が蓋付容器ある場合、前記シーラント層の厚みは、より好ましくは15〜80μm、さらに好ましくは20〜60μmである。
(トップコート層)
トップコート層は、前記絵柄層の表面の傷や汚れの防止及び保護の目的で形成される。また、前記絵柄層の絵柄に光沢感あるいはマット感を付与してデザイン性を高める目的で形成される場合もある。
前記トップコート層は、公知のトップコート剤(オーバーコート剤)により形成することができる。前記トップコート剤としては、例えば、光沢感を付与するOPニス(グロスニス)、艶消しのためのマットOPニス等が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。
前記トップコート層は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等により形成することができ、これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
前記トップコート層の厚みは、0.2〜10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8.0μm、さらに好ましくは0.7〜5.0μmである。
(ガスバリア層)
ガスバリア層は、酸素や水蒸気等の透過の抑制の目的で形成される。前記ガスバリア層は、例えば、前記プラスチックフィルム又は前記中間基材層上に形成される。前記ガスバリア層は、単層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
前記ガスバリア層は、外観における輝点の抑制、絵柄層の視認性、ICタグの動作性等の観点から、無機酸化物の蒸着膜の単層、又は、該蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成した複合層であって、該蒸着膜がプラスチックフィルム又は中間基材層側に配置されていることが好ましい。
前記ガスバリア層の密着性向上の観点から、該ガスバリア層が形成される面は、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等による表面処理を予め施しておくことも好ましい。
〔蒸着膜〕
前記ガスバリア層の一例である蒸着膜としては、輝点の抑制、絵柄層の視認性、ICタグの動作性及びコスト等の観点から、無機酸化物であることが好ましい。前記無機酸化物の由来となる無機物を構成する元素としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)等が挙げられる。
前記蒸着膜は、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等により形成することができる。
前記蒸着膜の膜厚は、形成材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5〜200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5〜150nm、さらに好ましくは10〜100nmである。ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機酸化物の場合は、5〜100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは10〜30nmである。
〔ガスバリア性塗布膜〕
前記ガスバリア層の一例であるガスバリア性塗布膜は、例えば、一般式R1 M(OR2m(式中、R1、R2は炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体とを、ゾルゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾルゲル法により重縮合して得られた塗工液を塗布し、50〜300℃で、0.05〜60分間加熱処理することにより形成することができる。
前記塗布の方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により行うことができる。1回又は複数回の塗布で、塗布膜の乾燥膜厚が0.01〜30μm程度となることが好ましく、より好ましくは0.05〜20μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
前記ガスバリア性塗布膜は、ガスバリア性の向上の観点から、前記蒸着膜の表面に形成されることが好ましい。
(中間基材層)
中間基材層は、前記包装体の強度の向上や加工適性の向上のため、また、他の層を形成するための基材として、必要に応じて設けられる。
前記中間基材層の構成材料としては、例えば、プラスチックフィルム等が挙げられる。前記中間基材層としてのプラスチックフィルムとしては、上述した外層側のプラスチックフィルムと同様のものを用いることができる。
(接着剤層)
前記包装体の各構成層は、各層間の接合強度の向上の観点から、接着剤層を介して積層されていてもよい。前記接着剤層の形成には、公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。
前記ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化型)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
前記接着剤層の厚みは、0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。
[包装体]
本発明のICタグ付き包装体は、プラスチックフィルムを基材とするものであれば、その形態は特に限定されるものではない。例えば、包装袋等の軟包装、プラスチック成形体等が挙げられる。前記包装体は、その最終製品に限らず、中間製品であってもよい。また、これらを形成する前のシート状の積層体の原反ロールであってもよい。
前記軟包装の具体例としては、ピロー、ガセット袋、3方シール袋、4方シール袋、スタンディングパウチ、チャック袋等の袋、蓋体、ラベル等が挙げられる。
前記プラスチック成形体の具体例としては、ラミネートチューブ等のチューブ容器、食品トレー等の真空成形品、ボトル等のブロー成形品、射出成形品等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
[ICタグ付き包装体の作製(1)]
(実施例1−1)
プラスチックフィルム(厚み12μmの透明PETフィルム、両表面の算術平均粗さRaが0.05μm以下)の一方の表面に、コロナ放電処理を施した後、厚み10nmのケイ素酸化物の蒸着膜を形成した。さらに、酸素及びアルゴンの混合ガスによるプラズマ処理を施した後、エチルシリケート及びポリビニルアルコールを主成分とする塗工液をグラビアロールコーターで塗布し、乾燥膜厚300nmのガスバリア性塗布膜を形成し、前記蒸着膜及び前記ガスバリア性塗布膜からなるガスバリア層を形成した。
次いで、前記ガスバリア層上に、下記に示す処方の金属フレーク含有層形成用塗布液を塗布して乾燥させる工程を2回繰り返し、合計乾燥膜厚が3.0μm(1.5μm+1.5μm)の金属フレーク含有層(金属フレーク含有量39.5質量%)を形成した。
また、中間基材層(厚み15μmの延伸Nyフィルム)上に、ポリウレタン系接着剤(ポリオールとイソシアネート化合物との硬化型;以下、同様。)を塗布して乾燥させ、厚み3μmの接着剤層を形成した。この中間基材層に形成した接着剤層を、前記金属フレーク含有層の表面に、ドライラミネートにて貼り合わせた。
前記中間基材層の表面にラベルタイプのICタグ(約30mm×約100mm、厚さ約1mm)を貼付した。
次いで、シーラント層(CPP:無延伸ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレンブロック共重合体)の単層フィルム、厚み70μm)上に、ポリウレタン系接着剤を塗布して乾燥させ、厚み3μmの接着剤層を形成した。このシーラント層に形成した接着剤層を、前記中間基材層の前記ICタグを貼付した面に、ドライラミネートにて貼り合わせ、ICタグ付き包装体を得た。
<金属フレーク含有層形成用塗布液>
・金属フレーク及びミネラルスピリットを含む組成物(金属フレーク含有量85質量%) 100質量部
(金属フレーク:ノンリーフィングタイプのアルミニウムフレーク、平均長さ3.2μm、平均厚み0.08μm、アスペクト比40)
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂、融点140℃) 130質量部
・希釈溶剤 適量
前記包装体の積層構成は、外層側から、プラスチックフィルム/ガスバリア層(蒸着膜/ガスバリア性塗布膜)/金属フレーク含有層/接着剤層/中間基材層/ICタグ/接着剤層/シーラント層の順である。
(実施例2−1)
実施例1−1において、金属フレーク含有層形成用塗布液について、金属フレークを下記表1に示すものに変更し、また、塗布して乾燥させる工程を1回のみとして、乾燥膜厚が1.5μmの金属フレーク含有層を形成し、それ以外は実施例1−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
(実施例3−1)
実施例1−1において、金属フレーク含有層形成用塗布液の金属フレークを下記表1に示すものに変更し、それ以外は実施例1−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
(比較例1−1及び2−1)
実施例2−1において、金属フレーク含有層形成用塗布液の金属フレークを下記表1に示すものに変更し、それ以外は実施例2−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
(比較例3−1)
実施例1−1において、ガスバリア層上に、金属フレーク含有層に代えて、真空蒸着法により、厚み100nmの金属蒸着膜(アルミニウム)を形成し、それ以外は実施例1−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
[各種測定評価]
上記実施例及び比較例の各包装体について、以下の各種測定評価を行った。これらの結果を下記表1にまとめて示す。
(全光線透過率)
JIS K7361−1:1997に準拠して、ヘイズメーター(「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて、包装体(ICタグの設置領域外;積層体)の外層側から、全光線透過率を測定した。各包装体(積層体)について20箇所測定を行い、全光線透過率の平均値を算出した。
(L*SCI/L*SCE)
包装体(ICタグの設置領域外;積層体)の外層側にISO 5/4の「反射濃度計の光学系」で規定されるブラックバッキングを配置した状態で、分光測色計(「CM−700d」、コニカミノルタジャパン株式会社製)を用いて、該包装体の内層(シーラント層)側から、L*SCI及びL*SCEを測定した(光源:D65、視野角:10°)。
各包装体(積層体)について20箇所測定を行い、L*SCI及びL*SCEの各平均値を算出した。表1には、L*SCE/L*SCI及びL*SCIを示す。
*SCE/L*SCIの値が大きいほど、拡散光の割合が大きいことを示している。
(外観評価(1))
天井に複数の蛍光灯を備えた室内において、包装体を様々な角度に傾けて外層側から観察した。包装体の内層側にICタグが設けられていることによって、外層表面にICタグの厚みによる段差が視認されるか否かを判定した。
判定基準は、段差が目立たないものを「A」、段差がやや視認されるものを「B」、段差が目立つものを「C」とし、表1には、その判定結果を示す。
(ICタグの動作性)
包装体を、外層側を上面として、木製机上に載置した。そして、その約200cm上方から鉛直下方に向けて、ハンディタイプのRFIDリーダー(「BHT−1281QULWB−CE」、株式会社デンソーウェーブ製;読取出力10.0dBm(最弱))を前記試料片に近づけていき、ICタグの記録情報を読み取り可能な距離を測定することにより、ICタグの動作性を評価した。各包装体について5回測定した。
読み取り可能な距離が小さいほど、ICタグの動作性に優れていると言える。
測定5回とも読み取り可能な最低距離が、100cm以上であった場合を「A」、10cm以上100cm未満であった場合を「B」、10cm未満であった場合を「C」、読み取り不可であった場合を「D」として判定し、表1には、その判定結果を示す。
表1に示した結果から分かるように、実施例の包装体は、外観上、内層側にICタグを有していることが認識されにくく、かつ、該ICタグが良好に動作することが確認された。
一方、金属フレークのアスペクト比が25未満である場合(比較例1−1)、また、リーフィングタイプの場合(比較例2−1)は、外観上、内層側のICタグの存在が認識された。また、金属蒸着層により遮光する従来例(比較例3−1)は、外観上、ICタグによる段差が目立ち、また、ICタグの動作性に劣るものであった。
以上から、実施例の包装体は、ICタグが取り付けられていることによって外観のデザイン性が損なわれることがなく、かつ、該ICタグの動作性が保持されていることが認められた。
[ICタグ付き包装体の作製(2)]
(実施例1−2)
実施例1−1において、ガスバリア層上に、金属フレーク含有層を形成する前に、下記処方の白色顔料含有層形成用塗布液を塗布して乾燥させ、乾燥膜厚1.2μmの白色顔料含有層を形成し、それ以外は実施例1−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
<白色顔料含有層形成用塗布液>
・酸化チタン粒子(平均一次粒子径300nm) 10質量部
・無機微粒子(シリカ、平均一次粒子径20nm) 0.5質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂、融点140℃) 100質量部
・希釈溶剤 適量
前記包装体の積層構成は、外層側から、プラスチックフィルム/ガスバリア層(蒸着膜/ガスバリア性塗布膜)/白色顔料含有層/金属フレーク含有層/接着剤層/中間基材層/ICタグ/接着剤層/シーラント層の順である。
(実施例2−2)
実施例2−1において、ガスバリア層上に、金属フレーク含有層を形成する前に、実施例1−2と同じ白色顔料含有層形成用塗布液を塗布して乾燥させる工程を2回繰返し、合計乾燥膜厚が2.5μm(1.0μm+1.5μm)の白色顔料含有層を形成し、それ以外は実施例2−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
(実施例3−2)
実施例3−1において、ガスバリア層上に、金属フレーク含有層を形成する前に、実施例1−2と同じ白色顔料含有層形成用塗布液を塗布して乾燥させ、乾燥膜厚1.2μmの白色顔料含有層を形成し、それ以外は実施例3−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
(比較例1−2)
比較例1−1において、ガスバリア層上に、金属フレーク含有層を形成する前に、実施例1−2と同じ白色顔料含有層形成用塗布液を塗布して乾燥させ、乾燥膜厚1.2μmの白色顔料含有層を形成し、それ以外は比較例1−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
(比較例2−2)
比較例2−1において、ガスバリア層上に、金属フレーク含有層を形成する前に、実施例1−2と同じ白色顔料含有層形成用塗布液を塗布して乾燥させ、乾燥膜厚1.2μmの白色顔料含有層を形成し、それ以外は比較例2−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
(比較例3−2)
比較例3−1において、ガスバリア層上に、金属蒸着膜を形成する前に、実施例1−2と同じ白色顔料含有層形成用塗布液を塗布して乾燥させ、乾燥膜厚1.2μmの白色顔料含有層を形成し、それ以外は比較例3−1と同様にして、ICタグ付き包装体を得た。
[外観評価(2)]
上記実施例及び比較例の各包装体について、天井に複数の蛍光灯を備えた室内において、包装体を様々な角度に傾けて外層側から観察した。
外観上、輝点が視認されなったものを「A」、輝点がやや視認されるものを「B」、輝点が目立つものを「C」として判定し、その結果を上記表1に併せて示した。
表1に示した結果から分かるように、実施例の包装体は、金属フレーク含有層の外層側に白色顔料含有層を有する場合に、輝点の視認性を抑制する効果も得られることが認められた。
1 ICタグ付き包装体
2 プラスチックフィルム
3 金属フレーク含有層
4 白色顔料含有層
5 絵柄層
10 ICタグ

Claims (10)

  1. プラスチックフィルム及び金属フレーク含有層を有する積層体の、前記金属フレーク含有層よりも内層側にICタグが設置されており、
    前記積層体のJIS K7361−1:1997に準拠して測定した全光線透過率が10.0%以下であり、
    前記金属フレークは、ノンリーフィングタイプであり、平均長さが1〜10μmであり、前記平均長さと該金属フレークの平均厚みとの比(平均長さ/平均厚み)が25〜100である、ICタグ付き包装体。
  2. 前記金属フレーク含有層中の前記金属フレークの含有量が20〜60質量%である、請求項1に記載のICタグ付き包装体。
  3. 前記金属フレーク含有層の厚みが0.5〜5.0μmである、請求項1又は2に記載のICタグ付き包装体。
  4. 前記プラスチックフィルム、前記金属フレーク含有層、及び前記ICタグを、外層からこの順に有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のICタグ付き包装体。
  5. 前記金属フレーク含有層、前記プラスチックフィルム、及び前記ICタグを、外層からこの順に有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のICタグ付き包装体。
  6. 前記金属フレーク含有層、前記ICタグ、及び前記プラスチックフィルムを、外層からこの順に有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のICタグ付き包装体。
  7. 前記金属フレーク含有層よりも外層側に、白色顔料含有層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のICタグ付き包装体。
  8. 前記金属フレーク含有層及び前記白色顔料含有層の合計厚みが2.0〜6.0μmである、請求項7に記載のICタグ付き包装体。
  9. 前記白色顔料含有層よりも外層側に、絵柄層を有する、請求項7又は8に記載のICタグ付き包装体。
  10. 最内層がシーラント層である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のICタグ付き包装体。
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