JP2020082676A - 画像形成方法および画像形成物 - Google Patents

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智博 内田
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希志臣 田村
Kishiomi Tamura
希志臣 田村
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武雄 大柴
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Abstract

【課題】下地層や保護層などの画像を高い印字率で形成した場合でも、画像形成物の反りを低減できる画像形成方法を提供する。【解決手段】基材上の画像形成領域10に、光重合性化合物を含む活性光線硬化型インクをインクジェット方式により付与して、印字率が画像形成領域の80%以上の画像を形成する画像形成方法であって、画像形成領域10を、n個の分割領域に分割する工程と、インクを付与した後に付与したインクを硬化させる工程を、各分割領域10−1および10−2に対して順に行うことにより、画像を形成する工程と、を有し、インクの付与は、基材上で隣接するインクのドットが、互いに一部で重なり合うように行うとともに、画像形成領域10全体の面積を100%としたとき、各分割領域10−1および10−2の面積は、それぞれ(100/n)*0.8〜(100/n)*1.2%である。【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成方法および画像形成物に関する。
近年、金属光沢色は、高級感、高意匠性、強いアイキャッチ効果などをもたらすことから、例えばラベルやパッケージ、広告印刷物、写真などの記録物において、金属光沢色を呈する画像が形成されることがある。中でも、光輝性が高く、高精細な金属光沢色を呈する画像を、デジタル印刷方式、特にインクジェット印刷方式で形成できることが望まれている。
金属光沢色を呈する画像(金属光沢層)を形成するためのインクは、通常、光輝性顔料を含む水系インクである。そのような水系インクは、樹脂フィルムなどの非吸収性基材または吸収性が著しく低い基材に対しては吸収されにくく、表面が平滑な金属光沢層を形成することができないことがある。そのため、基材上に、下地層(プレコート層)を設けることが検討されている(例えば特許文献1参照)。
また、金属光沢層は、形成直後は金属光沢を有しているが、大気中のオゾンガスなどによって、経時的に金属光沢が失われることがある。そのような金属光沢の経時的低下を抑制するために、金属光沢層の表面に保護層(オーバーコート層)を設けることも検討されている(例えば特許文献2参照)。
このように、基材の種類に依存することなく、安定した金属光沢を有する金属光沢層を形成するために、金属光沢層と基材との間に、平滑な下地層を設けることがある。また、金属光沢の継時的な低下を抑制するために、金属光沢層の表面に保護層を設けることがある。下地層や保護層に用いられるインクは、通常、活性光線硬化型モノマーを含むインク(活性光線硬化型インク)である。
特開2012−035590号公報 特開2012−179864号公報
しかしながら、下地層や保護層に用いられる、活性光線硬化型インクは、活性光線による硬化時に収縮(硬化収縮)しやすい。特に、活性光線硬化型インクで下地層を形成した場合、金属光沢層の乾燥時の熱などにより、下地層の硬化収縮がさらに促進されやすい。それにより、基材と下地層との間に応力が生じやすく、得られる画像形成物に大きな反りが発生しやすい。
そのような画像形成物の反りは、下地層や保護層などの画像を高い印字率で形成する場合に、特に生じやすい。また、画像形成物の反りは、高い印字率の画像を厚膜で形成したり、大面積に形成したりする場合に、さらに顕著に生じやすい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、下地層や保護層などの画像を高い印字率で形成した場合でも、画像形成物の反りを低減できる画像形成方法および画像形成物を提供することを目的とする。
本発明の画像形成方法は、基材上の画像形成領域に、光重合性化合物を含む活性光線硬化型インクをインクジェット方式により付与して、印字率が前記画像形成領域の80%以上の画像を形成する画像形成方法であって、1)前記画像形成領域を、n個の分割領域に分割する工程と、2)前記インクを付与した後に該付与したインクに活性光線を照射して硬化させる工程を各分割領域に対して順に行うことにより前記画像を形成する工程と、を有し、前記インクの付与は、前記基材上で隣接するインクのドットが、互いに一部で重なり合うように行うとともに前記画像形成領域全体の面積を100%としたとき、前記各分割領域の面積は、それぞれ(100/n)*0.8〜(100/n)*1.2%である。
本発明の画像形成物は、本発明の画像形成方法により得られる。
本発明によれば、下地層や保護層などの画像を高い印字率で形成した場合でも、画像形成物の反りを低減できる画像形成方法および画像形成物を提供することができる。
図1Aは、画像の印字率と反り量との関係を示すグラフであり、図1Bは、1ドット当たりの液滴数と反り量との関係を示すグラフである。 図2Aは、基材上の画像形成領域を示す図であり、図2BおよびCは、各分割領域へのインクの付与パターンの一例を示す図であり、図2Dは、図2BおよびCのインクの付与パターンを合わせて得られる最終的な画像を示す図である。 図3Aは、図2Bの拡大図であり、図3Bは、図2Cの拡大図である。 図4AおよびBは、各分割領域へのインクの付与パターンの他の例を示す図であり、図4Cは、図4AおよびBのインクの付与パターンを合わせて得られる最終的な画像を示す図である。 図5AおよびBは、各分割領域へのインクの付与パターンの他の例を示す図であり、図5Cは、図5AおよびBのインクの付与パターンを合わせて得られる最終的な画像を示す図である。 図6AおよびBは、各分割領域へのインクの付与パターンの他の例を示す図であり、図6Cは、図6AおよびBのインクの付与パターンを合わせて得られる最終的な画像を示す図である。 図7AおよびBは、各分割領域へのインクの付与パターンの他の例を示す図であり、図7Cは、図7AおよびBのインクの付与パターンを合わせて得られる最終的な画像を示す図である。 図8は、本発明の画像形成装置の要部を示す模式図である。
前述の通り、高い金属光沢を有する金属光沢層を形成するためには、金属光沢層の表面平滑性を高めることが必要であり、そのためには、基材の表面平滑性を高めることが望まれる。基材の表面平滑性を高めるためには、基材表面の凸凹を十分に埋めて平滑な下地層を形成すること、すなわち、下地層の印字率を高くすることが望まれる。
しかしながら、下地層を活性光線硬化型インクで形成する場合、硬化収縮を生じやすい。本発明者らは、特に下地層の印字率を80%以上と高くすると、画像形成物の反りが顕著に生じることを見出した。
図1Aは、画像の印字率と反り量との関係を示すグラフである。図1Aに示されるように、画像の印字率が80%以上であると、画像形成物の反り量が急激に増加することがわかる。
また、本発明者らは、高い印字率の画像を厚膜に形成したり(1ドット当たりの吐出量を多くしたり)、大面積に形成したりする場合に、画像形成物の反りがさらに顕著になることを見出した。
図1Bは、1ドット当たりの液滴数と反り量との関係を示すグラフである。図1Bに示されるように、1ドット当たりの液滴数が増えるほど、画像形成物の反り量も、比例して増加することがわかる。
このような画像形成物の反りを低減すべく、本発明者らは鋭意検討した結果、画像を1回の印刷工程で形成した場合と、複数回の印刷工程で形成した場合とでは、複数回の印刷工程で画像を形成した場合のほうが、画像形成物の反りを大幅に低減できることを見出した。具体的には、最終的に得られる画像の印字率が同じであっても、1回の印刷工程当たりに形成する画像の印字率が低く、かつ各印刷工程で形成する画像の面積の違いが少ないほど、得られる画像形成物の反りも大幅に少なくなることを見出した。
すなわち、本発明では、画像を1回の印刷工程で形成するのではなく、複数回の印刷工程に分けて形成する。具体的には、基材上の画像形成領域を、面積がほぼ均等な複数の分割領域に分割する。そして、各分割領域ごとに、インクを付与した後、当該付与したインクを硬化させる工程を順に行うことにより、最終的な画像を形成する。それにより、最終的に得られる画像形成物の反り量を大幅に低減できる。
1.画像形成方法
本発明の画像形成方法は、1)基材上の画像形成領域を、n個(nは2以上の整数)の分割領域に分割する工程と、2)活性光線硬化型インクを付与した後に当該付与したインクに活性光線を照射して硬化させる工程、を各分割領域に対して順に行うことにより画像を形成する工程と、を有する。
1)画像形成領域の分割工程について
基材上の画像形成領域を、n個(nは2以上の整数)の分割領域に分割する。
基材上の画像形成領域の分割数nは、特に制限されず、2以上の整数であればよい。nが大きいほど、1個当たりの分割領域の面積は小さくなるため、得られる画像形成物の反り量を低減しやすい。一方、nが小さいほど、上記インクの付与および硬化工程を行う回数を少なくできるため、製造効率が損なわれにくい。得られる画像形成物の反り量を低減しつつ、製造効率を損なわないようにする観点では、nは、2〜5であることが好ましく、2または3であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
画像形成領域の分割は、得られる画像形成物の反り量を低減しやすくする観点から、複数の分割領域間の面積の違いが大きくならないように行うことが好ましい。各分割領域間の面積の違いが大きいと、面積が大きいほうの分割領域にインクの付与および硬化を行う際の硬化収縮の影響が出やすく、画像形成物の反りが大きくなりやすいからである。
具体的には、画像形成領域全体の面積を100%としたとき、各分割領域の面積は、それぞれ(100/n)*0.8〜(100/n)*1.2%であることが好ましく、(100/n)*0.9〜(100/n)*1.1%であることがより好ましい。すなわち、一の分割領域と他の分割領域の面積比が、1〜1.5であることが好ましく、1〜1.2であることがより好ましい。
分割領域は、複数のドット領域で構成されうる。分割領域は、後述する2)の工程において、当該分割領域に付与されるインクの付与パターンに対応する領域であり;ドット領域は、(当該インクの付与パターンを構成する)ドットに対応する領域である。すなわち、分割領域の面積は、後述の2)の工程において、当該分割領域に付与されるインクの付与パターンの面積と同じである。
また、分割領域における、複数のドット領域が連続(隣接)する領域(連続ドット領域群)の面積は、後述するインクの付与パターンにおける、複数のドットが連続(隣接)する領域(連続ドット群)の面積と同じである。画像形成物の反り量を低減しやすくする観点では、1つの連続ドット領域群の面積は、分割領域の面積に対して5〜80%であることが好ましく、10〜60%であることがより好ましい。
画像形成領域の分割工程は、後述する画像形成装置100の制御部160によって行うことができる。
2)画像形成工程について
上記工程1)で設定した基材上の分割領域に、活性光線硬化型インクを付与した後、該付与したインクを硬化させる工程を、分割領域ごとに順に行うことにより、画像を形成する。以下、画像形成領域を2つの分割領域に分割して画像を形成する例について、図を参照しながら説明する。
図2Aは、基材上の画像形成領域10を示す図であり、図2BおよびCは、各分割領域10−1および10−2へのインクの付与パターン20−1および20−2の一例を示す図であり、図2Dは、図2BおよびCのインクの付与パターン20−1および20−2を合わせて得られる最終的な画像20を示す図である。図3Aは、図2Bの拡大図であり、図3Bは、図2Dの拡大図である。
本実施の形態の画像形成工程は、2−1)基材上の、第1分割領域10−1にインクを付与した後、該付与したインクを硬化させる工程と、2−2)基材上の、第2分割領域10−2にインクを付与した後、当該付与したインクを硬化させる工程と、をこの順に有する。
2−1)の工程について
上記1)の工程で設定した、基材上の第1分割領域10−1に対して、活性光線硬化型インクを付与する(図2AおよびB)。活性光線硬化型インクの詳細は、後述する。
基材は、特に限定されず、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙およびキャスト紙を含む塗工紙ならびに非塗工紙を含む吸収性の媒体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、ならびに金属類およびガラス等の非吸収性の無機記録媒体とすることができる。
インクの付与は、インクジェット法で行うことが好ましい。インクジェット法でインクを付与する際の、インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型などの電気−機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型などの電気−熱変換方式のいずれでもよい。
本実施の形態では、第1分割領域10−1へのインクの付与パターン20−1は、複数のドットが格子状に配置されたパターンである(図2B参照)。
また、表面平滑性の高い画像を形成する観点から、第1分割領域10−1へのインクの付与は、隣接するドット(D1)が、互いに一部が重なり合うように行うことが好ましい(図3A)。すなわち、ドット(D1)の直径は、対応する画素(P)の対角線の長さよりも長いことが好ましい。隣り合うドット(D1)同士が重なり合う部分の長さ(隣り合うドットの中心同士を結ぶ線上における、重なり部分の長さ)は、ドット(D1)の直径の10〜50%程度であることが好ましい。
本実施の形態では、第1分割領域10−1へのインクの付与パターン20−1の面積(第1分割領域10−1の面積)は、得られる画像形成物の反り量を低減する観点から、(100/n)*0.8〜(100/n)*1.2%(nは、分割数)を満たす範囲、すなわち、画像形成領域10全体の面積を100%としたとき、40〜60%、好ましくは45〜55%を満たす範囲に設定されている。
1ドット当たりのインクの吐出量は、画像の膜厚などに応じて設定すればよく、例えば1〜30pl/ドットであることが好ましく、3.5〜15pl/ドットであることがより好ましい。1ドット当たりのインクの吐出量が1p/ドット以上、好ましくは3.5pl/ドット以上、すなわち、画像の膜厚が適度に大きいと、画像の表面平滑性は高くなる。そのため、例えば画像を下地層とした場合、その上に形成される金属光沢層の表面平滑性を高めることができる。一方で、1ドット当たりのインクの吐出量が30pl/ドット、好ましくは15pl/ドットを超えても、画像の表面平滑性は、それ以上はほとんど変わらない。1ドット当たりのインクの吐出量は、吐出させるインク1滴当たりの液滴量×(1ドット当たりに吐出する)液滴数に相当する。
次いで、第1分割領域10−1に付与したインクに活性光線を照射して、硬化させる(図2B参照)。
活性光線は、紫外線LEDからの紫外線であることが好ましい。一般的な紫外線の光源として、メタルハライドランプなどが知られているが、紫外線LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によって硬化膜が溶けることによる硬化膜表面に硬化不良が生じることを抑制できる。インクを適切に硬化させる観点では、紫外線LEDのピーク波長は、385〜400nmであることが好ましい。紫外線LEDを有する光源の例には、Phoseon Technology社製の水冷式の紫外線照射ユニット(ピーク波長:395nm)が含まれる。
活性光線の照射条件は、インクの組成や膜厚などに応じて適宜設定されうる。例えば、紫外線LEDを有する光源を、基材上のインクの表面における最高照度が0.5〜10.0W/cm、好ましくは1〜5W/cmとなるように設置すればよい。
2−2)の工程について
次に、上記1)の工程で設定した、基材上の第2分割領域10−2に対してインクを付与する(図2C参照)。
本実施の形態では、第2分割領域10−2へのインクの付与パターン20−2(図2C参照)は、第1分割領域10−1へのインクの付与パターン20−1(図2B参照)の未吐出部と重なる(覆う)ように構成されている。具体的には、図2Cのインクのドット(図3BのD2)の中心が図2Bのインクの未付与部と重なり、かつ図2Cのインクの未付与部が図2Bのインクのドット(図3AのD1)の中心と重なるように、インクの付与を行う(図3AおよびB参照)。インクの付与方法および吐出条件は、前述の2−1)の工程と同様としうる。
また、表面平滑性の高い画像を形成する観点から、前述と同様に、第2分割領域10−2へのインクの付与も、インクの付与パターン20−2を構成するドット(D2)と、インクの付与パターン20−1を構成するドット(D1)とが、互いに一部が重なり合うように行うことが好ましい(図3B参照)。隣り合うドット(D1とD2)が重なり合う部分の長さも、前述と同様としうる。
第1分割領域10−1に付与するインクと、第2分割領域10−2に付与するインクとは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。中でも、画像として下地層や保護層を形成する観点では、第1分割領域10−1に付与するインクと、第2分割領域10−2に付与するインクとは、互いに同一であることが好ましい。
次いで、第2分割領域10−2に付与したインクを硬化させる(図2C参照)。それにより、第1分割領域10−1に付与したインクの付与パターン20−1と、第2分割領域10−2に付与したインクの付与パターン20−2とを塗り合わせて、最終的な画像20を形成する(図2Dおよび3B参照)。
表面平滑性の高い画像(好ましくは下地層)を形成する観点では、最終的に得られる画像20の印字率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。印字率は、基材上の画像形成領域10の面積に対する、インク付与部(印字部)の面積の比率をいう。
最終的に得られる画像20は、基材と金属光沢層との間に配置される下地層であってもよいし、金属光沢層の上に配置される保護層であってもよい。
画像が下地層である場合、下地層の表面粗さは、高い金属光沢性や鏡面性を得やすくする観点では、例えば0.05μm以下、好ましくは0.04μm以下である。表面粗さは、キーエンス社製レーザ顕微鏡VK−260Xにて光学20倍のレンズを使用して測定することができる。
本発明の画像形成方法は、上記1)および2)の工程の後または前に、3)金属光沢層を形成する工程をさらに有することが好ましい。すなわち、上記1)および2)の工程で得られる画像が下地層である場合は、上記3)の工程は、上記2)の工程の後に行うことが好ましい。一方、上記1)および2)の工程で得られる画像が保護層である場合、上記3)の工程は、上記1)および2)の工程の前に行うことが好ましい。
3)金属光沢層形成工程について
基材上(または画像としての下地層上)に、光輝性顔料を含む光輝性インクを付与する。インクジェットヘッドからの吐出方式は、特に限定されず、画像を形成する際の吐出方式と同様としうる。
その後、光輝性インクの種類に応じて、例えば光輝性インクが水系インクまたは溶剤系インクであるときは乾燥などにより液体成分を除去したり、あるいは光輝性インクが活性光線硬化型インクであるときは、活性光線の照射により光輝性インクを硬化させたりして、金属光沢層を形成する。
乾燥条件および活性光線の照射条件は、光輝性インクの組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、光輝性インクが水系インクである場合、乾燥温度は、例えば40℃以上100℃未満、好ましくは50〜80℃としうる。活性光線の照射条件は、下地層用インクの液滴を硬化させるときの条件と同一としうる。
なお、本実施の形態では、各分割領域へのインクの付与パターンを、図2BおよびCに示されるようなパターンで行う例を示したが、これに限定されない。
図4〜7は、各分割領域へのインクの付与パターンの他の例を示す図である。すなわち、図4Aおよび4B、図5Aおよび5B、図6Aおよび6B、図7Aおよび7Bは、それぞれ各分割領域へのインクの付与パターンの他の例を示す図であり、図4C〜7Cは、各分割領域へのインクの付与パターンを合わせて得られる最終的な画像を示す図である。
すなわち、インクの付与パターンは、複数のドットが、サイズの大きい格子状に配置されたパターンであってもよいし(図4AおよびB参照)、ストライプ状に配置されたパターンであってもよいし(図6AおよびB、図7AおよびB参照)、枠状と島状を組み合わせたパターンであってもよいし(図5AおよびB参照)。
なお、これらのインク付与パターンは、それぞれ、ドットが連続(隣接)する領域(連続ドット群)を複数有している。例えば、図4AおよびBのインク付与パターンは、それぞれ、連続ドット群を4個有している。画像形成物の反り量を低減する観点では、前述の通り、インクの付与パターンを構成する1つの連続ドット群の面積は、小さいほうが好ましく、分割領域へのインク付与パターンの面積に対して5〜80%であることが好ましく、10〜60%であることがより好ましい。
2.各種インクについて
次に、本発明の画像形成方法に用いられる活性光線硬化型インク、および光輝性インクについて説明する。
2−1.活性光線硬化型インク
活性光線硬化型インクは、前述の通り、下地層用インクまたは保護層用インクでありうる。
活性光線硬化型インクは、活性光線の照射によって重合および架橋する光重合性化合物と、任意の光重合開始剤とを含みうる。
光重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。
ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルまたはメタクリロイルを意味する。
単官能の(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸およびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。
多官能の(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびトリプロピレングリコールジアクリレートを含む2官能の(メタ)アクリレート、ならびに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートを含む3官能以上の(メタ)アクリレートが含まれる。
ラジカル重合性化合物は、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドで変性された(メタ)アクリレート(以下、単に「変性(メタ)アクリレート」ともいう。)を含むことが好ましい。変性(メタ)アクリレートは、感光性がより高い。また、変性(メタ)アクリレートは、高温下でも他の成分とより相溶しやすい。
カチオン重合性化合物の例には、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物およびオキセタン化合物が含まれる。
エポキシ化合物の例には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサンおよびビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルなどの脂環式エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドなど)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどを含む脂肪族エポキシ化合物、ならびに、ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、およびノボラック型エポキシ樹脂などを含む芳香族エポキシ化合物などが含まれる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、およびオクタデシルビニルエーテルなどを含むのモノビニルエーテル化合物、ならびにエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびトリメチロールプロパントリビニルエーテルなどを含むジまたはトリビニルエーテル化合物などが含まれる。
オキセタン化合物の例には、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ノルマルブチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシブチル−3−メチルオキセタン、1,4ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンおよびジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルなどが含まれる。
光重合性化合物の含有量は、例えば、当該インクの全質量に対して1.0〜97質量%とすることができ、30〜90質量%とすることが好ましい。
活性光線硬化型インクは、光重合開始剤をさらに含んでもよい。光重合開始剤は、光重合性化合物の重合を開始できるものであればよい。例えば、活性光線硬化型インクがラジカル重合性化合物を有するときは、光重合開始剤は光ラジカル開始剤とすることができ、活性光線硬化型インクがカチオン重合性化合物を有するときは、光重合開始剤は光カチオン開始剤(光酸発生剤)とすることができる。
光重合開始剤の含有量は、活性光線の照射によって活性光線硬化型インクの硬化が開始される範囲において、任意に設定することができ、例えば、活性光線硬化型インクの全質量に対して、0.1〜20質量%、好ましくは1.0〜12質量%とすることができる。なお、電子線の照射により活性光線硬化型インクを半硬化させるときなど、光重合開始剤がなくても活性光線硬化型インクの硬化が開始されるときは、光重合開始剤は不要である。
活性光線硬化型インクは、必要に応じて、界面活性剤、重合促進剤、重合禁止剤および紫外線吸収剤などをさらに含有してもよい。その他の成分は、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
活性光線硬化型インクは、多価金属イオンおよび多価有機酸などの、光輝性インクが含有する光輝性顔料を析出または凝集させる成分を含んでもよい。これらの成分は、光輝性インク中の光輝性顔料を析出または凝集させて、光輝性インクのドット径をより安定化させることができる。
活性光線硬化型インクをインクジェット法で基材に付与する際に、インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性をより高める観点からは、活性光線硬化型インクの粘度は1cP以上100cP未満であることが好ましく、1〜50cPであることがより好ましく、1〜15cPであることがさらに好ましい。
なお、活性光線硬化型インクを下地層用インクとして用いる場合、保護層用インクは、活性光線硬化型インクであってもよいし、水系インクや溶剤系インクであってもよい。同様に、活性光線硬化型インクを保護層用インクとして用いる場合、下地層用インクは、活性光線硬化型インクであってもよいし、水系インクや溶剤系インクであってもよい。
2−2.光輝性インク
光輝性インクは、光輝性顔料を含有する、インクジェット法で吐出可能なインク組成物であればよい。
例えば、光輝性インクは、水系インクであるときは、水および任意に水溶性有機溶剤を含有することができる。また、光輝性インクは、溶剤系インクであるときは、有機溶剤を含有することができる。
水溶性有機溶剤の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノールおよびt−ブタノールを含むアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、およびペンタンジオールを含むグリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールおよび1,2−ヘプタンジオールを含む多価アルコール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミンおよびテトラメチルプロピレンジアミンを含むアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドを含むアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含む複素環化合物、ジメチルスルホキシドを含むスルホキシド、ならびにエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを含むグリコールエーテルが含まれる。
有機溶剤の例には、上記水溶性有機溶剤および非水溶性有機溶剤が含まれる。非水溶性有機溶剤の例には、ペンタン、ヘキサン、i−ヘキサン、ヘプタン、i−ヘプタン、オクタン、i−オクタン、およびデカンを含む炭素数が5〜15の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、およびシクロオクタンを含む炭素数が5以上15以下の脂環族炭化水素、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセンを含む炭素数が5〜15の環状不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレンを含む炭素数が6〜12の芳香族炭化水素、ヘプタノール、ヘキサノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデシルアルコール、およびラウリルアルコールを含む炭素数が5〜15の1価のアルコール、メチル−i−ブチルケトン、ジ−i−ブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、およびシクロオクタノンを含む炭素数が5〜15の脂環族ケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−i−プロピル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸アミル、酢酸−i−アミル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸アミル、吉草酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸エチル、デカン酸エチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロオクチル、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、およびフタル酸ジブチルを含むエステル化合物、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロペンタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ニトロトルエン、およびニトロキシレンを含むニトロ化合物、アセトニトリル、ベンゾニトリルを含むニトリル類、ならびにγ−ブチロラクトン、およびε−カプロラクトンを含むラクトン類が含まれる。
また、光輝性インクは、活性光線硬化型インクであるときは、活性光線の照射によって重合および架橋する光重合性化合物および任意に光重合開始剤を含有することができる。光輝性インクに含まれうる光重合性化合物および光重合開始剤の種類および含有量は、前述の活性光線硬化型インクに含まれうる光重合性化合物および光重合開始剤の種類および含有量と同様とし得る。
光輝性インクは、さらに、必要に応じて、光輝性顔料を分散させるための分散剤、光輝性顔料を基材に定着させるための定着樹脂、界面活性剤、重合禁止剤および紫外線吸収剤などをさらに含有してもよい。その他の成分は、光輝性インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
光輝性顔料は、アルミニウム顔料およびパール顔料などの、画像に光沢を発現させるために用いられる公知の顔料であればよいが、顔料を整列させて光の反射をより精密に制御する観点からは、金属粒子であることが好ましい。
金属粒子は、金属を主成分とする粒子であり、金属光沢を発現することができる粒子であれば特に制限されない。金属粒子を構成する金属の例には、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、アルミニウム、亜鉛、クロム、鉄、コバルト、モリブデン、ジルコニウム、ルテニウム、イリジウム、タンタル、水銀、インジウム、スズ、鉛、およびタングステンなどが含まれる。これらの中で、高い光沢を発現可能であり、かつ、安価であることから、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、スズ、鉛、クロム、亜鉛およびアルミニウムが好ましく、金、銀、銅、スズ、クロム、鉛およびアルミニウムがより好ましく、金および銀がさらに好ましく、銀が特に好ましい。これらの金属は、1種を単独で、または2種類以上を合金または混合物として用いることができる。また、金属の種類または組成が異なる2種類以上の金属粒子を組み合わせて用いてもよい。金属粒子は、これらの金属を主成分とすればよく、不可避的に含まれる他の成分を微量に含んでいてもよいし、分散安定性を高めるためにクエン酸などで表面処理されていてもよい。また、これらの金属は、酸化物を含有してもよい。
金属粒子の平均粒子径は特に限定されないが、金属インク中での分散安定性および保存安定性を高める観点、ならびにグラデーションの視認性を高める観点からは、金属粒子は、平均粒子径がナノサイズである金属ナノ粒子であることが好ましい。金属粒子の平均粒子径は、3〜100nmであることが好ましく、5〜80nmであることがより好ましく、10〜60nmであることがさらに好ましく、15〜55nmであることが特に好ましい。
金属粒子の平均粒子径は、金属粒子分散液をSEMにより観察し、ナノ粒子の体積平均粒子径を求めることで行い、具体的には、以下の手順で実施する。
1)ガラス板上に分散液を塗布した後、真空脱気して溶媒成分を揮発させてサンプルを得る。得られたサンプルの分散液について、走査電子顕微鏡JSM−7401F(日本電子株式会社製)を用いてSEM観察を行い、任意の300個の金属粒子の粒径をそれぞれ測定する。
2)得られた測定データに基づいて、画像処理ソフトImage Jを用いて体積基準の粒度分布を求め、そのD50(メジアン径)を体積換算の平均粒径(体積平均粒径)とする。
光輝性インク中の金属ナノ粒子の含有量は特に限定されないが、光輝性インクの全質量に対して0.5〜15質量%であることが好ましく、0.75〜12.5質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。
分散剤は、光輝性顔料を十分に分散させることができればよい。特に、光輝性顔料が金属ナノ粒子であるときは、分散剤は、高分子分散剤であることが好ましい。
高分子分散剤は、金属ナノ粒子の表面に吸着可能な吸着基および親水性の構造を有する化合物である。吸着基の例には、カルボキシル基およびチオール基などが含まれる。
高分子分散剤を構成する樹脂は、親水性モノマーの単独重合体または共重合体が好ましい。親水性モノマーの共重合体は、親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体であってもよい。
親水性モノマーの例には、カルボキシル基または酸無水物基を含有するモノマー((メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸、ならびに無水マレイン酸など)、ならびにアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど)などが含まれる。なお、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよびメタクリルの双方またはいずれかを意味する。
疎水性モノマーの例には、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンなどのスチレン系モノマー、エチレン、プロピレン、および1−ブテンなどのα−オレフィン系モノマー、ならびに、酢酸ビニルおよび酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが含まれる。
高分子分散剤は、共重合体である場合、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体およびくし型共重合体などとすることができる。中でも、金属ナノ粒子の分散性をより高める観点からは、高分子分散剤は、くし型ブロック共重合体であることが好ましい。
くし型ブロック共重合体とは、主鎖を形成する直鎖状のポリマーと、主鎖を構成するモノマー由来の構成単位に対してグラフト重合した別の種類のポリマーとを含むコポリマーを意味する。くし型ブロック共重合体の好ましい例には、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含み、かつ、側鎖がポリアルキレンオキサイド基(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合基などを含む長鎖ポリアルキレンオキサイド基)を含む、くし型ブロック共重合体が含まれる。くし型ブロックコポリマーは、グラフト重合した側鎖が立体障害を生じるため、金属ナノ粒子同士の凝集をより高度に抑制し得る。それにより、金属ナノ粒子の分散性が高まるので、凝集した金属ナノ粒子による吐出不良をより抑制しやすい。
光輝性インク中の高分子分散剤の含有量は特に限定されないが、光輝性インク中での金属ナノ粒子の分散性および基材への密着性を十分に高める観点からは、金属ナノ粒子の総質量に対して、1〜15質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、3〜8質量%であることがさらに好ましい。
定着樹脂の例には、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、マレイン酸樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびアルキド樹脂が含まれる。
これらのうち、金属ナノ粒子の表面に吸着した高分子分散剤と相互作用して、金属ナノ粒子の基材への密着性を高める観点からは、定着樹脂はアニオン性樹脂のエマルジョンであることが好ましい。
アニオン性樹脂は、高分子分散剤との親和性が高い樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(例えばポリ塩化ビニル重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体)、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体(例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等)、および酢酸ビニル共重合体(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等)などから適宜選択して使用することができる。形成される画像の耐水性をより高める観点からは、アニオン性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体、および酢酸ビニル共重合体などから選択されることが好ましく、ウレタン樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選択されることが好ましい。
アニオン性樹脂のエマルションの平均粒径は、10〜200nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。エマルションの平均粒子径は、動的光散乱法に基づく粒子径分布測定装置を使用して求めた体積平均粒子径とすることができる。
光輝性インク中のエマルションの固形分含有量は、金属ナノ粒子および高分子分散剤を合計した全質量に対して、0.01〜0.1質量%であることが好ましい。固形分含有量が0.01質量%以上だと、形成される画像の耐擦性をより高めることができる。固形分含有量が0.1質量%以下だと、形成される画像の光輝性(反射率)をより高めることができる。上記観点から、光輝性インク中のエマルションの固形分含有量は、0.02〜0.1質量%であることがより好ましく、0.03〜0.1質量%であることがより好ましい。
界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類および脂肪酸塩類を含むアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類を含むノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類および第四級アンモニウム塩類を含むカチオン性界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤、ならびにフッ素系の界面活性剤が含まれる。
界面活性剤の含有量は、光輝性インクの全質量に対して、0.001質量%以上1.0質量%未満であることが好ましい。
インク層の反射率をより高める観点からは、光輝性インクは、実質的に高分子分散剤が吸着した金属ナノ粒子、アニオン性樹脂のエマルションおよび溶媒、ならびに任意に必要量の界面活性剤からなることが好ましい。高分子分散剤が吸着した金属ナノ粒子、アニオン性樹脂のエマルションおよび溶媒の含有量の合計は、光輝性インクの全質量に対して90〜100質量%であることが好ましく、95〜100質量%であることがより好ましい。
インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性をより高める観点からは、光輝性インクの粘度は1cP以上100cP未満であることが好ましく、1〜50cPであることがより好ましく、1〜15cPであることがさらに好ましい。
3.画像形成物
本発明の画像形成方法で得られる画像形成物は、基材と、その上に配置された画像(層)とを有し、好ましくは金属光沢層をさらに有する。
すなわち、本発明の画像形成方法で得られる画像が下地層である場合、本発明の画像形成物は、基材と、下地層(画像)と、金属光沢層とをこの順に有し、必要に応じて金属光沢層上に配置された保護層をさらに有してもよい。
あるいは、本発明の画像形成方法で得られる画像が保護層である場合、本発明の画像形成物は、基材と、金属光沢層と、保護層(画像)とをこの順に有し、必要に応じて、基材と金属光沢層との間に配置された下地層をさらに有してもよい。
下地層の組成や保護層の組成は、前述の下地層用インクや保護層用インクの固形分の組成とそれぞれ同じである。金属光沢層の組成は、前述の光輝性インクの固形分の組成と同じである。
画像が下地層である場合、下地層の膜厚は、その上に形成される金属光沢層の光沢の度合いに応じて設定すればよく、例えば5〜50μmであることが好ましい。画像が保護層である場合、保護層の膜厚は、大気中のオゾンガスなどの透過を抑制し、十分な保護性能が得られる程度に設定すればよく、例えば5〜50μmであることが好ましい。下地層や保護層の膜厚は、上記画像形成方法において、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出する際の、1ドット当たりのインクの吐出量(液滴量や1ドット当たりに付与する液滴数)によって調整することができる。
画像形成物は、金属光沢の発現が求められる用途に好ましく用いることができる。例えば、画像形成物は、記録物に用いることができる。記録物は、単一の文字または文字の集合であってもよく、図形、絵、写真などの画像であってもよい。
4.画像形成装置
次に、本発明の画像形成方法に用いられる装置について説明する。
図8は、本発明の画像形成装置100の要部の概要を示す図である。図8に示されるように、本発明の画像形成装置100は、搬送部110、第1インク付与部120、第1照射部130、第2インク付与部140、第2照射部150および制御部160を有する。なお、図8において、第1インク付与部120、第1照射部130、第2インク付与部140、第2照射部150は、それぞれ基材Pの全幅にわたって配置されている。
搬送部110は、搬送ベルト111と、当該搬送ベルト111を支持する複数のローラー112、113とを有する。複数のローラー112および113の少なくとも一方は駆動ローラーとして構成され、搬送ベルト111は、図8において反時計回りに駆動され、搬送ベルト112に保持された基材Pは、図8に示す右側(搬送方向上流側)から左側(搬送方向下流側)へ搬送される。なお、搬送部110は、ベルトに限らず、ドラムによって構成されてもよい。
第1インク付与部120および第2インク付与部140は、それぞれインクジェットヘッド121または141を有する。そして、インクジェットヘッド121および141は、前述の活性光線硬化型インク(例えば下地層用インク)を、搬送される基材Pの表面に付与する。
なお、インクジェットヘッド121および141から吐出される活性光線硬化型インクは、互いに同一であってもよいし、異なってもよい。本実施の形態では、インクジェットヘッド121および141から吐出される活性光線硬化型インクは、同一である。
第1照射部130および第2照射部150は、活性光線硬化型インクを付与された基材Pに活性光線を照射して、活性光線硬化型インクを硬化させる。具体的には、第1照射部130および第2照射部150は、電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線などの活性光線を照射する光源装置131または151を有し、インクが付与された基材Pに活性光線を照射して、基材Pに付与された活性光線硬化型インクを硬化させる。光源装置131または151は、例えば、UVLED(Ultra Violet Light Emitting Diode)などでありうる。
制御部160は、搬送部110や第1インク付与部120、第2インク付与部140、第1照射部130および第2照射部150の駆動制御を行う。また、制御部160は、分割領域設定部(分割領域へのインク付与パターン設定部)161を有する。分割領域設定部161は、入力部170(パーソナルコンピュータなど)からの入力に基づき、基材P上の画像形成領域を分割し、複数の分割領域(分割領域に対するインクの付与パターン)を設定する。
画像形成領域の分割は、前述の通り、画像形成領域をn個の分割領域に分割し、かつ画像形成領域全体の面積を100%としたとき、各分割領域(インク付与パターン)の面積が、(100/n)*0.8〜(100/n)*1.2%、好ましくは(100/n)*0.9〜(100/n)*1.1%となるように行う。例えば、分割数nが2である場合、各分割領域の面積は、画像形成領域全体の面積100%に対してそれぞれ40〜60%であることが好ましく、45〜55%であることがより好ましい。
制御部160は、例えばCPU(CentralProcessing Unit)などの処理装置を用いてソフトウェアにより実現することができる。
このように構成された画像形成装置100では、制御部160が、入力部170からの入力に基づき、基材P上の画像形成領域を分割し、n個の分割領域(分割領域に対するインクの付与パターン)を設定する。そして、設定した第1分割領域データ(第1分割領域に対する付与パターンデータ)を第1インク付与部120に出力し、第2分割領域データ(第2分割領域に対する付与パターンデータ)を第2インク付与部140に出力する。
次いで、搬送部110のベルト111により搬送される基材Pの表面に、第1インク付与部120が、上記設定した第1分割領域データ(第1分割領域に対する付与パターンデータ)に基づいて、基材P上の第1分割領域に活性光線硬化型インクを付与した後、第1照射部130が該付与したインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる。
その後、第2インク付与部140が、上記設定した第2分割領域データ(第2分割領域に対する付与パターンデータ)に基づいて、基材P上の第2分割領域に活性光線硬化型インクを付与した後、第2照射部150が、該付与したインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる。
これらの操作(インクの付与および硬化工程)を、画像形成領域の分割数に応じて順に繰り返すことにより、最終的な画像を形成する。
なお、本実施の形態では、画像形成装置100が、インク付与部および照射部をそれぞれ2つ有する例を示したが、これに限定されず、インク付与部および照射部はそれぞれ1つであってもよい。その場合、1回目の分割領域へのインクの付与および硬化工程が終了した後、基材Pを初期位置まで戻して(後退させて)、2回目の分割領域へのインクの付与および硬化工程を行ってもよい。あるいは、画像形成領域の分割数に応じて、インク付与部および照射部を、それぞれ3つ以上配置してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.下地層用インク(活性光線硬化型インク)の調製
<下地層用インク1の調製>
以下の組成で混合して下地層用インク1を調整した。
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(A−400、新中村化学社製、光重合性化合物):34質量部
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494、SARTOMER社製、光重合性化合物):23質量部
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、SARTOMER社製、光重合性化合物):31質量部
ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(DAROCUR TPO、BASF社製、光ラジカル重合開始剤):7質量部
p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(KayacureEPA、日本化薬社製、表面硬化剤):2質量部
KF−352(信越化学社製):0.1質量部
2.金属光沢層用インクの調製
2−1.銀ナノ粒子分散液の調製
<銀ナノ粒子分散液の調製>
平板状の撹拌翼と邪魔板を有する1Lのセパラブルフラスコに、8.6gのDISPERBYK−190(ビックケミー社製)、および269gのイオン交換水を投入し、撹拌を行ってDISPERBYK−190を溶解させた。続いて、上記セパラブルフラスコに、269gのイオン交換水に溶解させた55gの硝酸銀を攪拌しながら投入した。さらに、アンモニア水70gを添加して撹拌を行い、その後、上記セパラブルフラスコをウォーターバスに入れ、溶液の温度が80℃に安定するまで加熱撹拌した。その後、144gのジメチルアミノエタノールをセパラブルフラスコに添加し、さらに80℃に保ちながら6時間攪拌を続け、銀ナノ粒子を含む反応液を得た。
得られた反応液をステンレスカップに入れて、さらに2Lのイオン交換水を加えてから、ポンプを稼働して限外濾過を行った。ステンレスカップ内の溶液が減少した後、再びイオン交換水を入れて、ろ液の伝導度が100μS/cm以下になるまで精製を繰り返し行った。その後、ろ液を濃縮して、固形分30質量%の銀ナノ粒子分散液を得た。
なお、限外濾過装置は、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成株式会社製、分画分子量:50000、使用膜本数:400本)、チューブポンプ(Masterflex社製)をタイゴンチューブでつないだものを使用した。
2−2.エマルジョン樹脂粒子分散液の調製
<エマルジョン樹脂粒子分散液の調製>
脱水装置を備えたフラスコ中に酸成分としてテレフタル酸を10質量部、イソフタル酸を190質量部およびアジピン酸を170質量部と、グリコール成分としてエチレングリコールを32質量部およびネオペンチルグリコールを510質量部とを仕込み、反応触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.2質量部添加した後、酸価1.0以下、水分0.05%以下となるまで220℃で縮合反応を行い、ポリエステルグリコール1を得た。
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、上記で得たポリエステルグリコール1を488質量部、トリメチロールプロパンを13質量部、ジメチロールプロピオン酸を88質量部、イソホロンジイソシアネートを252質量部、メチルエチルケトンを670質量部加え、75℃で4時間反応させて、ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、そこにトリエチルアミンを40質量部加えて中和した。その後、1850質量部のイオン交換水を徐々に加え、ホモジナイザーを使用して乳化分散し、1時間攪拌した。これを減圧下、50℃で脱溶剤を行い、さらにイオン交換水を加えて、不揮発分約20%のポリウレタンからなるエマルジョン樹脂粒子分散液を得た。
2−3.金属光沢層用インクの調製
<金属光沢層用インクの調製>
下記成分を混合して、金属光沢層用インクを調製した。
銀ナノ粒子分散液:5質量部
エマルジョン樹脂粒子分散液:0.35質量部
水:59.2質量部
プロピレングリコール(沸点:188℃):10質量部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:248℃):25.4質量部
界面活性剤(BYK−348:ビックケミー製):0.1質量部
3.画像形成および評価
(試験1)
基材として、A4サイズのOKトップコート紙を準備した。これに、上記調製した下地層用インクを、印字率(網点濃度)12%、1ドット当たりの液滴数2drop/dotの条件でベタ状に吐出した後、紫外線照射して硬化させて、下地層を形成した。次いで、下地層上に、金属光沢層用インクを吐出量1drop/dotで吐出した後、赤外線乾燥させて、金属光沢層を形成した。なお、各層の形成条件は、以下の通りとした。
(各層の形成条件)
図8に示されるような画像形成装置を用いて、それぞれの基材に各層を形成した。
第1インク付与部120および第2インク付与部140としては、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いた。インクジェット記録装置は、インクタンク、インク供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、およびピエゾ型のインクジェットヘッドを、インクが流通する上流側から下流側に向けて、この順で有していた。インクジェットヘッドは液滴量7plのものを用い、印字速度0.5m/sec、射出周波数10.5kHzの条件で駆動して、インクの液滴を、1ドットあたり1回〜複数回吐出して着弾させた(表1参照)。また、インクの吐出は、隣接するドットの一部が互いに重なり合うように行った。
着弾後、Phoseon Technology社製水冷ユニット付きのLEDランプ(第1照射部130、第2照射部150)から紫外紫(395nm、8W/cm)を照射し、インクを硬化させた。ランプからインク表面までの距離は20mmとした。
金属光沢層については、インクの液滴が着弾した後、60℃で10分ほど乾燥させて、画像形成物を得た。
(試験2〜8)
下地層の印字率および1ドット当たりの液滴数の少なくとも一方を表1に示されるように変更した以外は試験1と同様にして、画像形成物を得た。
(試験9)
下地層用インクを、図2Bに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drop/dotの条件で吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率55%の下地層を形成した以外は試験1と同様して、画像形成物を得た。
(試験10)
試験9で形成した下地層(図2B)の未吐出部に、下地層用インクを、図2Cに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drops/dotでさらに吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率100%の下地層を形成した以外は試験1と同様して、画像形成物を得た。
(試験11)
下地層用インクを、図4Aに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drop/dotの条件で吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率55%の下地層を形成した以外は試験1と同様にして、画像形成物を得た。
(試験12)
試験11で形成した下地層(図4A)の未吐出部に、下地層用インクを、図4Bに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drops/dotでさらに吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率100%の下地層を形成した以外は試験1と同様して、画像形成物を得た。
(試験13)
下地層用インクを、図5Aに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drop/dotの条件で吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率55%の下地層を形成した以外は試験1と同様して、画像形成物を得た。
(試験14)
試験13で形成した下地層(図5A)の未吐出部に、下地層用インクを、図5Bに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drops/dotでさらに吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率100%の下地層を形成した以外は試験1と同様して、画像形成物を得た。
(試験15)
下地層用インクを、図6Aに示されるようなパターン(搬送方向;MD方向のストライプ状)で、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drop/dotの条件で吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率55%の下地層を形成した以外は試験1と同様して、画像形成物を得た。
(試験16)
試験15で形成した下地層(図6A)の未吐出部に、下地層用インクを、図6Bに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drops/dotでさらに吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率100%の下地層を形成した以外は試験1と同様にして、画像形成物を得た。
(試験17)
下地層用インクを、図7Aに示されるようなパターン(搬送方向と直交する方向;TD方向のストライプ状)で、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drop/dotの条件で吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率55%の下地層を形成した以外は試験1と同様して、画像形成物を得た。
(試験18)
試験17で形成した下地層(図7A)の未吐出部に、下地層用インクを、図7Bに示されるようなパターンで、印字率55%、1ドット当たりの液滴数2drops/dotでさらに吐出した後、紫外線照射して硬化させて、印字率100%の下地層を形成した以外は試験1と同様にして、画像形成物を得た。
(試験19〜21)
下地層の画像形成領域の分割数nを表1に示されるように変更して、印字率100%の下地層を形成した以外は試験10と同様にして、画像形成物を得た。
(試験22)
下地層を形成する際に、隣接するドット同士が重ならないようにインクを吐出させて、印字率100%の下地層を形成した以外は試験10と同様にして、画像形成物を得た。
試験1〜22で得られた画像形成物の金属光沢層の、金属光沢性、鏡面性および反り量を、それぞれ以下の方法で測定した。
(金属光沢性)
20代から50代まで年代別に各2名、計8名の男女を被験者に選定し、金属光沢感が出ているかを、目視評価した。
○:初見でメタリック調に見える
△:よく見ればメタリック調と認識できる
×:メタリック調に見えない(認識できない)
△以上を許容範囲と評価した。
(鏡面性)
20代から50代まで年代別に各2名、計8名の男女を被験者に選定し、鏡面性が出ているかを、目視評価した。
○:初見で鏡面に見える
△:よく見れば鏡面と認識できる
×:鏡面には見えない(認識できない)
○を許容範囲と評価した。
なお、「鏡面性」は、「金属光沢性」よりも高度の表面平滑性が要求される評価項目である。
(反り量)
ハイトゲージにより、画像形成物の反り量を測定した。具体的には、画像形成物の四隅の4点の高さをハイトゲージでそれぞれ測定し、それらの平均値を「反り量」とした。そして、以下の基準で反り量を評価した。
印字率100%の下地層を1回の印刷工程で形成した場合よりも、画像形成物の反り量が少ない場合を、良好と判断した。
また、試験1〜22において、金属光沢層を形成する前の下地層の表面粗さを、以下の方法で測定した。
(表面粗さ)
下地層の表面粗さを、キーエンス社製レーザ顕微鏡VK−260Xにて光学20倍のレンズを使用して測定した。
試験1〜22で得られた画像形成物の評価結果を、表1に示す。
Figure 2020082676
表1に示されるように、画像の印字率が80%を超えると、画像形成物の反り量が著しく高くなることがわかる(試験1〜5の対比)。また、1ドット当たりの液滴数が多いと、それと比例して、画像形成物の反り量も大きくなることがわかる(試験5〜8の対比)。
そして、印字率100%の下地層を2回に分けて形成した試験10、12、14、16、および18〜21の画像形成物の反り量は、いずれも11mm以下であり、印字率100%の下地層を1回で形成した試験6の画像形成物の反り量(35mm)よりも、著しく低減できることがわかる。また、試験10、12、14、16、および18〜21の画像形成物は、良好な金属光沢性および鏡面性も有することがわかる。
特に、分割数nを多くするほど、得られる画像形成物の反り量をより低減できることがわかる(試験10および18〜21の対比)。
また、隣接するドット同士の一部が重なり合うように形成した、試験10、12、14、16、および18〜21の下地層の表面粗さは、隣接するドット同士の一部が重なり合わないように形成した、試験22の下地層の表面粗さよりも低くしうることがわかる。
本発明によれば、下地層や保護層などの画像を高い印字率で形成した場合でも、画像形成物の反りを低減できる画像形成方法および画像形成物を提供することができる。
100 画像形成装置
110 搬送部
111 搬送ベルト
120 第1インク付与部
121、141 インクジェットヘッド
130 第1照射部
131、151 光源装置
140 第2インク付与部
150 第2照射部
160 制御部
161 分割領域設定部
170 入力部

Claims (6)

  1. 基材上の画像形成領域に、光重合性化合物を含む活性光線硬化型インクをインクジェット方式により付与して、印字率が前記画像形成領域の80%以上の画像を形成する画像形成方法であって、
    前記画像形成領域を、n個(nは2以上の整数)の分割領域に分割する工程と、
    前記インクを付与した後に前記付与したインクに活性光線を照射して硬化させる工程を、各分割領域に対して順に行うことにより、前記画像を形成する工程と、
    を有し、
    前記インクの付与は、前記基材上で隣接するインクのドットが、互いに一部で重なり合うように行うとともに、
    前記画像形成領域全体の面積を100%としたとき、前記各分割領域の面積は、それぞれ(100/n)*0.8〜(100/n)*1.2%である、
    画像形成方法。
  2. 前記画像は、下地層であり、
    前記下地層上に、光輝性顔料を含む光輝性インクを付与して、金属光沢層を形成する工程をさらに有する、
    請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記基材は、その表面に配置された金属光沢層をさらに有し、
    前記画像は、前記金属光沢層上に配置された保護層である、
    請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 前記インクのドット当たりの吐出量は、1〜30pl/ドットである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記分割領域に付与する前記インクは、互いに同一である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法により得られる、画像形成物。
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