JP2006137185A - 放射線硬化可能な液層中への放射線硬化可能なインキの印刷 - Google Patents

放射線硬化可能な液層中への放射線硬化可能なインキの印刷 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷される画像の解像度が多様なインキ−受容体上で正確に制御される印刷方法を提供することならびに高く且つ均一な光沢を示す画像を与える印刷方法を提供すること。
【解決手段】基質上に放射線硬化可能な画像をインキ−ジェット印刷するための印刷方法を開示する。最初に放射線硬化可能な液層を基質上の少なくとも一部の上に設ける。放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴(10)を放射線硬化可能な液層中に噴射し、次いで放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴を含有する放射線硬化可能な液層を硬化させる。放射線硬化可能な画像の解像度は、硬化された層上に噴射される放射線硬化可能なインキ−ジェットインキのドットサイズに関し、液層の厚さを一定に調節することにより制御される。
【選択図】図1a

Description

技術的分野
本発明は、放射線硬化可能な液層中への放射線硬化可能なインキの印刷、さらに特定的には、高い画質を示す高速インキ−ジェット印刷に関する。
背景の技術
インキ−ジェット印刷では、印刷装置とインキ−受容体の間の物理的接触なしで、インキ流体の小滴がインキ−受容体表面上に直接噴射される。印刷装置は印刷データを電子的に保存し、インキ滴を画像通りにインキ−受容体上に射出するための機構を制御する。インキ−受容体を横切ってプリントヘッドを動かすか又はその逆により印刷を行なうことができる。
インキ流体は、おおまかに:
−水に基づくインキ、乾燥機構は吸収、浸透及び蒸発を含む;
−油に基づくインキ、乾燥は吸収及び浸透を含む;
−溶剤に基づくインキ、乾燥は浸透を含むが、主に蒸発を含む;
−ホットメルト又は相変化インキ、この場合インキは射出温度で液体であるが,室温で固体であり、乾燥は固化により置き換えられる;
−放射線硬化可能なインキ、この場合乾燥は重合により置き換えられる
に分けることができる。
水に基づくインキ、油に基づくインキ及び溶剤に基づくインキは、典型的には、毛管作用を介してインキを吸収する1つもしくはそれより多い多孔質層あるいは膨潤してインキを吸収する1つもしくはそれより多いポリマー層を含有するインキ−受容体上に噴射される。ホットメルト及び放射線硬化可能なインキは通常、実質的に非−吸収性のインキ−受容体上に噴射される。ホットメルトインキは熱的に安定なインキ−受容体に限られるが、放射線硬化可能なインキは多様なインキ−受容体上に噴射され得る。
放射線硬化可能なインキの主な問題は、画質がインキ−受容体の選択とともに変わる傾向があることである。特にインキ−受容体上のインキ滴のひろがりは、選ばれるインキ−受容体の型に高度に依存する。
多様なインキ−受容体を用いて一貫した画質を得るための1つの方法は、インキ−ジェットインキの設定を、各度に選ばれるインキ−受容体に適応させることである。しかしながら、プリンター及びプリントヘッドにおいてインキを変えることは非常に時間がかかり、真に工業的印刷環境のために育ち得る解決ではない。従って一般的な方法は、適した表面層コーティングを用いるかあるいは予備−処理、すなわちプラズマ又はコロナ処理により表面化学を修正することである。
コロナ放電処理及びプラズマ処理は経費、複雑さ及び基質の処理に用いられる装置の保守を増加させる。基質は有意な不純物又は不規則性を含有し得、それは基質の処理を妨げ得る。かくして可能な場合にはプラズマ処理法を避けるのが望ましい。
種々のインキ−受容体上で同じインキ−ジェットインキ設定を用いるための他の可能性は、放射線硬化可能なインキ−ジェットインキを噴射する前に表面層を適用することである。一般に、放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは乾燥表面層上に噴射されるか、あるいはまた、例えば特許文献1におけるように、放射線硬化可能なインキはすべて液層上に噴射される(すなわち液層の中間の硬化なしで)。
特許文献1は:
a)下塗りされた表面部分を有するシート;及び
b)該下塗りされた表面部分の上に配置される少なくとも25重量パーセントの少なくとも1種の放射線硬化可能なモノマーを含んでなるインキ組成物から誘導される放射線硬化されたインキ−ジェット画像
を含んでなる製品を開示しており、ここで製品は屋外使用のために耐久性が良い。
いわゆる「ウェット−オン−ウェット印刷(wet−on−wet printing)」において、放射線硬化可能なインキ滴は、前に付着した未硬化の放射線硬化可能なインキ滴あるいは湿潤インキ層を形成する滴上に付着する。
特許文献2は、第1のインキ滴を基質に適用し、続いて第1のインキ滴の上に、第1のインキ滴の中間の固化なしで第2の滴を適用する段階を含んでなるプログレッシブドット印刷インキ−ジェット法(progressive dot printing ink−jet process)を開示しており、ここで第1及び第2のインキ滴は異なる粘度、表面張力又は硬化速度を有する。
ウェット−オン−ウェットで印刷することにより、第1のインキ滴上の第2のインキ滴のひろがりを十分に制御することができ、あり得る第3及び第4のインキ滴の場合もそうである。しかしながら、基質上の第1のインキ滴のひろがりは依然として決定的であり、基質の表面性に依存する。第1のインキ滴として無色のインキを用いることは、この画質の問題を軽減することができる。ウェット−オン−ウェットインキ−ジェット印刷のための、無色のインキを含む適した放射線硬化可能なインキは、特許文献3により開示されている。
Dusseldorf,Germanyにおける展示会DRUPA 2004において、AellorraTM Digital社は、無色の湿潤層の代わりにUV−硬化可能な白色インキを噴射することにより形成される粘度の高い白色湿潤層を用いるインキ−ジェット印刷法を提示した。第2の放射線硬化可能なインキが白色湿潤層上に噴射され、UV−硬化が行なわれる。
放射線硬化可能なインキ−ジェット印刷に関連する他の問題は、吸収性基質上の溶剤もしくは水に基づくインキと比較して、画像が劣った光沢を示すことである。インキ−受容体上に付着する固体、すなわち放射線硬化可能な化合物及び着色剤の量は画像情報とともに変わり、より高い表面粗さ及び従って低下した光沢を生ずる。
特許文献4は、基質上に湿潤アンダーコート層を形成し;アンダーコート層が湿潤のままである間にアンダーコート層上に湿潤インキ滴のパターンを付着させ、続いてアンダーコート層及び付着したインキ滴を乾燥状態に変化させる段階を含んでなる、基質上におけるインキ−ジェット印刷の方法を開示している。
特許文献4は、アンダーコートの厚さをインキの厚さと逆に変化させ、平らなプリント表面を達成することにより、プリントの質を向上させる。印刷されるべき画像に従って厚さを変化させるのに必要なプリントヘッドの配置及び計算力への制限の他に、非印刷領域、すなわち完全なアンダーコート層の厚さの領域から100%インキで印刷された領域、すなわちアンダーコート層の厚さゼロの領域へのアンダーコート層のひろがりを避けるのも困難であり、それは鮮鋭さの低い画像を生ずる。
基質上のインキ滴のひろがりは、得られ得る解像度を大きく限定する。コーティング又は予備−処理法による表面性の修正は広く用いられてきたが、インキ−媒体相互作用の正確な性質は完全に理解されていない。典型的には、プリントの質を測定可能な表面パラメーター、例えば表面エネルギー及び表面粗さに関連付ける試みが成されてきたが、これらのパラメーターは種々の媒体上におけるインキ滴の行動を完全に捉えていない。
従って、多様なインキ−受容体上で画像の解像度を正確に制御することができ、且つそれにより画像が高い光沢を示す印刷法を得ることが望ましい。
先行技術
これまでに、本発明の特許性に関連する以下の文書が既知である:
2004年4月13日に公開された特許文献1
2003年4月22日に公開され特許文献3
米国特許第6720042号明細書(3M) 国際公開第03074619A号パンフレット(DOTRIX & SERICOL) 米国特許第6550905号明細書(DOTRIX) 国際公開第0030856号パンフレット(XAAR)
発明の目的
本発明の目的は、印刷される画像の解像度が多様なインキ−受容体上で正確に制御される印刷方法を提供することである。
本発明の他の目的は、高く且つ均一な光沢を示す画像を与える(delivering)印刷方法を提供することである。
本発明のこれらの及び他の目的は、下記の記述から明らかになるであろう。
発明の概略
驚くべきことに、放射線硬化可能な液層を有する基質を準備し、且つこの液層の厚さを一定に調節することにより、多様な基質上で高質のインキ−ジェット画像を形成することができることが見出された。
本発明の目的は:
a)基質の少なくとも一部の上に放射線硬化可能な液層を設け;
b)該放射線硬化可能な液層中に第1の放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴を噴射し;
c)該放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴を含有する該放射線硬化可能な液層を硬化させる
段階を含んでなる、基質上に放射線硬化可能な画像をインキ−ジェット印刷するための印刷方法であって、
段階c)の該硬化された層上に第2の放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴を噴射することならびに該放射線硬化可能な画像の解像度を制御するために該放射線硬化可能な液層の厚さを調節することを特徴とする方法により実現される。
本発明のさらなる利点及び態様は、以下の記述から明らかになるであろう。
図面の簡単な記述
図1は、1b及び1cにおいて、本発明の1つの側面に従って印刷される基質14を介する略断面図である。図1の1a部では、放射線硬化可能なインキジェットインキ滴10が基質14上に噴射方向11で噴射され、大きなひろがりを示している。図1の1b部では、放射線硬化可能なインキジェットインキ滴10が放射線硬化可能な液層12中に噴射され、ドットサイズの減少を示している。放射線硬化可能な液層12の厚さは1bから1cに増加し、それは液層12中に置かれる放射線硬化可能なインキ滴13のドットサイズをさらに減少させる。
図2は、液層の厚さと液層中に噴射される放射線硬化可能なインキ滴のドット直径の間の関係を描くグラフである。
定義
本発明の開示において用いられる「化学線」(“actinic radiation”)という用語は、光化学的反応を開始させることができる電磁線を意味する。
本発明の開示において用いられる「紫外線」という用語は、4〜400ナノメーターの波長領域内の電磁線を意味する。
「UV」という用語は本出願の開示において、紫外線の略語として用いられる。
本発明の開示において用いられる「ノリッシュI型開始剤」(“Norrish Type I initiator”)という用語は、励起の後に開裂し、直後に開始ラジカルを与える光−開始剤を意味する。
本発明の開示において用いられる「ノリッシュII型開始剤」という用語は、化学線により活性化されて第2の化合物からの水素引抜き又は電子抽出によりフリーラジカルを形成する光−開始剤を意味し、第2の化合物が実際の開始フリーラジカルになる。
本発明の開示において用いられる「共−開始剤」(“co−initiator”)という用語は、励起状態のノリッシュII型開始剤に水素を転移させ且つ放射線硬化可能な組成物のラジカル重合を開始させることができる分子を意味する。
本発明の開示において用いられる「着色剤」という用語は、染料及び顔料を意味する。
本発明の開示において用いられる「染料」という用語は、それが適用される媒体中で、且つ関連する周囲条件下で、10mg/Lかもしくはそれより高い溶解度を有する着色剤を意味する。
「顔料」という用語は、引用することによりその記載事項が本明細書の内容となるDIN 55943に、関連する周囲条件下で適用媒体中に実質的に不溶性であり、従ってその中で10mg/L未満の溶解度を有する無機もしくは有機、有彩もしくは無彩着色剤として定義されている。
「アルキル」という用語は、アルキル基中の炭素原子の各数に関して可能なすべての変形、すなわち3個の炭素原子の場合:n−プロピル及びイソプロピル;4個の炭素原子の場合:n−ブチル、イソブチル及び第3級−ブチル;5個の炭素原子の場合:n−ペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、2,2−ジメチルプロピル及び2−メチル−ブチルなどを意味する。
本発明の開示において用いられる「アシル基」という用語は、−(C=O)−アリール及び−(C=O)−アルキル基を意味する。
本発明の開示において用いられる「脂肪族基」という用語は、飽和直鎖状、分枝鎖状及び脂環式炭化水素基を意味する。
本発明の開示において用いられる「アリール基」という用語は、大きな共鳴エネルギーにより特徴付けられる環状共役炭素原子の集まり、例えばベンゼン、ナフタレン及びアントラセンを意味する。
「脂環式炭化水素基」という用語は、芳香族基を形成しない環状共役炭素原子の集まり、例えばシクロヘキサンを意味する。
印刷方法
本発明に従う印刷方法は、放射線硬化可能なインキジェット印刷方法である。噴射のための手段は、印刷ヘッドに相対的に動いているインキ−受容体表面に向けて、ノズルを介して制御されたやり方でインキの小滴を射出する1個もしくはそれより多い印刷ヘッドであることができる。射出されたもしくは噴射されたインキはインキ−受容体上で画像を形成する。高い印刷速度において、インキは印刷ヘッドから容易に射出されねばならず、それはインキの物理的性質に、例えば25から110℃まで変り得る噴射温度における低粘度、印刷ヘッドノズルが必要な小さい滴を形成できるような表面エネルギー及び乾燥印刷領域に迅速に転換できる均一な液のような複数の制限を課す。
本発明に従う印刷方法のために好ましいインキ−ジェット印刷ヘッドは、圧電ヘッドである。圧電インキ−ジェット印刷は、圧電セラミック変換器に電圧が適用される場合のその動きに基づく。電圧の適用は印刷ヘッド中の圧電セラミック変換器の形を変化させて空隙を生じ、次いでそれがインキで満たされる。再び電圧が取り除かれると、セラミックはその最初の形に膨張し、プリントヘッドからインキの滴を射出する。
しかしながらインキ−ジェット印刷ヘッドは圧電インキ−ジェット印刷ヘッドに限られない。インキ射出のための他のインキ−ジェット印刷ヘッドを用いることができ、それには連続型ならびに熱的、静電的及び音響的(acoustic)ドロップオンデマンド(drop on demand)型のような種々の型が含まれる。
印刷のために、インキ−ジェット印刷ヘッドは通常、動いているインキ−受容体表面を横切って横方向で前後に走査する。多くの場合、インキ−ジェットプリントヘッドは復路に印刷しない。二−方向印刷は、高面積処理量を得るために好ましい。特に好ましいのは、「1回通過印刷方法(single pass printing process)」における印刷であり、それはインキ−受容体表面の幅全体を覆うページの幅のインキ−ジェット印刷ヘッド(例えばXAARから入手可能なページの幅の印刷ヘッド)あるいは複数食い違い配置インキ−ジェット印刷ヘッド(multiple staggered ink−jet printing head)の使用により行なうことができる。1回通過印刷方法では、インキ−ジェット印刷ヘッドは通常静止しており、インキ−受容体表面がインキ−ジェット印刷ヘッドの下を輸送される。
本発明に従う高面積処理量インキ−ジェット印刷は、50m2/時より高い、好ましくは100m2/時より高い、さらにもっと好ましくは200m2/時より高いそして最も好ましくは300m2/時より高い速度で画像が印刷されねばならないことを意味する。解像度は少なくとも180dpi、好ましくは少なくとも300dpiでなければならない。本発明に従う高面積処理量インキ−ジェット印刷システムにおいて用いられるインキ−受容体は、好ましくは少なくとも240mmの幅を有し、その場合少なくとも35mm/分の印刷速度が必要である。より好ましくは、インキ−受容体の幅は少なくとも300mmであり、そして特に好ましくは、インキ−受容体の幅は少なくとも500mmである。
インキ受容体
本発明に従う印刷方法に適したインキ受容体は、放射線硬化可能な液層が設けられた基質である。好ましい態様において、基質にはその表面の一部、すなわち放射線硬化可能なインキ−ジェットインキを用いて画像形成されることが意図されている領域のみの上に放射線硬化可能な液層が設けられる。画像を形成する放射線硬化可能なインキの少なくとも一部が放射線硬化可能な液層中に噴射される。当該技術分野における熟練者に既知のいずれかの手段、例えばスプレー噴霧、噴射、スクリーン−印刷及びコーティングにより、放射線硬化可能な液層を基質に適用することができる。
基質は紙、コート紙、ポリオレフィンがコーティングされた紙、板紙、木材、複合板、プラスチック、コーティングされたプラスチック、キャンバス、編織布、金属、ガラス、植物繊維製品、皮革、磁性材料及びセラミックスより成る群から選ばれることができる。
インキ−受容体のための基質は、好ましくは実質的に非−吸収性である。適した例は樹脂がコーティングされた紙、例えばポリエチレンがコーティングされた紙及びポリプロピレンがコーティングされた紙ならびにポリマー性基質である。
適したポリマー性基質には、例えば酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリエステル類、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN);配向ポリスチレン(OPS);配向ナイロン(ONy):ポリプロピレン(PP)、配向ポリプロピレン(OPP);ポリ塩化ビニル(PVC);ならびに種々のポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ(ビニルアセタール)、ポリエーテル及びポリスルホンアミド、不透明白色ポリエステル及びポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンの押出ブレンドが含まれる。アクリル樹脂、フェノール樹脂、ガラス及び金属も基質として用いることができる。他の適した基質材料は、Modern Approaches to Wettability:Theory and Applications.SCHRADER,Malcolm E.,et al.編,New York:Plunum Press,1992,ISBN 0306439859において見出すことができる。
基質は透明、半透明又は不透明であることができる。例えばCaCO3を含有するPET、TiO2を含有するPET、a−PET及びPET−gのように、基質に充填剤として無機粒子が導入されていることができる。
印刷の前に基質を着色することができ、例えば医学的画像形成に適した青い染料を含有する透明PETをインキ−受容体として用いることができる。
ポリエステルフィルム基質そして特にポリエチレンテレフタレート、特に優れた寸法安定性を有する型は、ある種の用途に好ましい。基質としてそのようなポリエステルを用いる場合、下塗りされない基質と一緒になって下塗り層が実質的に非−吸収性のインキ−受容体を構成するなら、噴射されるインキ層の基質への接着を向上させるために、下塗り層を用いることができる。この目的のために有用な下塗り層は写真の技術分野において周知であり、例えば塩化ビニリデンのポリマー、例えば塩化ビニリデン/アクリロニトリル/アクリル酸ターポリマーあるいは塩化ビニリデン/アクリル酸メチル/イタコン酸ターポリマーが含まれる。
放射線硬化可能な液層の厚さを一定に調節することは、放射線硬化可能な液層中に噴射されるインキ滴のドットサイズ及び従って解像度を制御することを可能にする。
放射線硬化可能な液層の厚さは、液層中の滴のドットサイズが液層の硬化後に噴射されるインキ滴のドットサイズと一致するように調節される。2つのドットサイズは、それらが等しいdpd(ドット当たりの滴)において噴射される場合に、最小のドットサイズに関して直径で10%より大きく異ならない場合に、互いに一致していると考えられる。例えば30μm及び40μmの2つのドットは、(40μm−30μm)/30μmX100%=33%なので、一致していない。他方、38及び40μmの2つのドットは、それらが直径で5%しか異ならないので一致している:(40μm−38μm)/38μmx100%=5%。
硬化手段
本発明に従う印刷方法において、噴射される硬化可能なインキは、未硬化印刷画像を生ずる。印刷画像はそれを放射線に露出することにより、又は電子ビーム硬化により硬化される。放射線硬化の好ましい手段は紫外光である。
インキ滴が液層中に印刷されてから非常に短時間の後に硬化放射線に露出されるように、硬化手段をインキ−ジェットプリンターのプリントヘッドと組み合わせて配置し、それと一緒に移動させることができる。そのような配置で、プリントヘッドに連結され、且つそれと一緒に移動する十分に小さい放射線源を与えることが困難であり得る。従って、ファイバーオプチック束又は内部反射性柔軟性チューブ(internally reflective flexible tube)のような柔軟性の放射線伝導性手段により放射線源に連結された静止固定放射線源、例えば硬化UV線源を用いることができる。
あるいはまた、放射線ヘッド上の鏡を含む鏡の配置により固定源から放射線ヘッドに硬化放射線を供給することができる。
プリントヘッドと一緒に動かないように配置される放射線源は、プリントヘッドにより形成される画像の連続する列がその放射線源の下を段階的もしくは連続的に通過するように、硬化されるべきインキ−受容体表面を横切って横に延び、プリントヘッドの横断路に隣接する長い放射線源であることもできる。
実際の配置において、多色画像の形成のための種々の着色インキを用いる印刷のために、相対的に近接した複数のプリントヘッドを印刷ステーションに設けるのが望ましいかもしれない。その場合、それぞれはそれ自身の専用の放射線源を有することができる。
放射線源として、高もしくは低−圧水銀ランプ、冷陰極管、ブラックライト、紫外LED、紫外レーザー及びフラッシュライトのようないずれの紫外光源を用いることもできる。もちろん好ましい源は、300〜400nmの主波長を有する比較的長波長のUVの寄与を示すものである。特定的にUV−A光源が、それに伴う光散乱が軽減されてより有効な内部硬化を生ずるので、好ましい。
UV線は一般に、以下の通りにUV−A、UV−B及びUV−Cとして分類される:
・UV−A:400nm〜320nm
・UV−B:320nm〜290nm
・UV−C:290nm〜100nm。
さらに、印刷された画像を、異なる波長又は照度の2つの光源を用いて硬化させることができる。例えば第1のUV源を、特に240nm〜200nmの領域内のUV−Cが豊富であるように選ぶことができる。その場合第2のUV源はUV−Aが豊富であることができ、例えばガリウムがドーピングされたランプであることができるか、又はUV−A及びUV−Bの両方において高い異なるランプであることができる。2つのUV源の使用は利点、例えば速い硬化速度を有することが見出された。
異なって着色されたインキは異なってUV線を吸収する、すなわちそれらはそれぞれUV−A、UV−B及びUV−C領域のそれぞれにおいて異なって吸収することが既知である。2つの硬化ランプを有することは、1回の通過ですべての色を完全に硬化させることを保証する。
硬化を助長するために、インキ−ジェットプリンターは多くの場合に1つもしくはそれより多い酸素減耗装置(oxygen depletion units)を含む。酸素減耗装置は、硬化環境中の酸素濃度を低下させるために、窒素又は他の比較的不活性なガス(例えばCO2)のブランケットを、調節可能な位置及び調節可能な不活性ガス濃度で置く。残留酸素レベルを200ppmのように低く保持することができるが、一般にそれは2000ppm〜20000ppmの範囲内である。
1つの態様において、放射線硬化可能な液層及び/又は放射線硬化可能なインキ−ジェットインキはカチオン重合に基づき、それは、この型の重合が酸素妨害に苦しまないからである。
他の態様において、放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは開始剤なしのカチオン性放射線硬化可能なインキ−ジェットインキであり、カチオン性開始剤は放射線硬化可能な液層中に含有される。
放射線硬化可能な液層
本発明に従う印刷方法に適した放射線硬化可能な液層は、少なくとも1種の放射線硬化可能な化合物を含有する。インキジェットプリンターの硬化手段により重合することができるモノマー及び/又はオリゴマーから放射線硬化可能な化合物を選ぶことができる。
放射線硬化可能な液層は開始剤を含有することができる。
放射線硬化可能な液層はさらに着色剤又は白色顔料、例えば酸化チタンを含有することができるが、好ましくは、層は透明の液層である。
放射線硬化可能な液層は、熱又は化学線による重合を制限するために、重合抑制剤を含有することができる。
放射線硬化可能な液層はさらに、インキジェットインキ中の着色剤の安定な分散を得るために、少なくとも1種の樹脂を含有することができる。
放射線硬化可能な液層は、好ましくはさらに少なくとも1種の界面活性剤を含有する。
放射線硬化可能な液層はさらに少なくとも1種の溶媒を含有することができる。
放射線硬化可能な液層はさらに少なくとも1種の殺生物剤を含有することができる。
放射線硬化可能な液層は、例えば金属のインキ−受容体が用いられる場合、約0.1μmの厚さを有することができるが、好ましくは少なくとも1μmの厚さが好ましい。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ
本発明に従う印刷方法に適した放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは、少なくとも2つの成分:(i)放射線硬化可能な化合物及び(ii)着色剤(すなわち顔料又は染料)を含有する。
インキジェットプリンターの硬化手段により重合することができるモノマー及び/又はオリゴマーから放射線硬化可能な化合物を選ぶことができる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは開始剤を含有することができる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは、熱又は化学線による重合を制限するために、重合抑制剤を含有することができる。インキジェットインキの調製中に抑制剤を加えるのが好ましい。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキはさらに、インキジェットインキ中の着色剤の安定な分散を得るために、少なくとも1種の樹脂を含有することができる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは、好ましくはさらに少なくとも1種の界面活性剤を含有する。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは、好ましくはさらに少なくとも1種の溶媒を含有する。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは、好ましくはさらに少なくとも1種の殺生物剤を含有する。
インキジェットプリンターは、一般に複数の放射線硬化可能なインキジェットインキから成る放射線硬化可能なインキ−ジェットインキセットを用いる。
放射線硬化可能な化合物
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層は、インキジェットプリンターの硬化手段により重合するモノマー及び/又はオリゴマーを含有する。モノマー、オリゴマー又はプレポリマーは、種々の程度の官能価を有することができ、一−、二−、三−及びもっと高い官能価のモノマー、オリゴマー及び/又はプレポリマーの組み合わせを含む混合物を用いることができる。これらの成分は硬化可能、典型的には光−硬化可能、例えばUV硬化可能であり、印刷後にインキ−受容体表面に付着して着色剤を結合させるように働かなければならない。同じ官能価の2種もしくはそれより多いモノマーの混合物が好ましく、2種の二−官能基性モノマーの混合物が特に好ましい。
モノマーとオリゴマーの間の比率を変えることにより、放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層の粘度を調節することができる。
通常のラジカル重合、フォト酸(photo acid)又はフォト塩基(photo base)生成物質の使用を含む光−硬化系又は光誘導交互共重合のいずれの方法を用いることもできる。一般にラジカル重合及びカチオン重合が好ましく、開始剤を必要としない光誘導交互共重合を用いることもできる。さらに、これらの系の組み合わせの混成系も有効である。
カチオン重合は、酸素による重合の妨害がないために、有効性において優れているが、それは遅く且つ高価である。カチオン重合を用いる場合、重合の速度を増すためにオキセタン化合物と一緒にエポキシ化合物を用いるのが好ましい。ラジカル重合は好ましい重合法である。
当該技術分野において通常既知のいずれの重合可能な化合物を用いることもできる。放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層中の放射線硬化可能な化合物として用いるのに特に好ましいのは、一官能基性及び/又は多官能基性アクリレートモノマー、オリゴマー又はプレポリマー、例えばイソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソアミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、米国特許第4857630号明細書(DU PONT)に記載されているようなビニルエーテルアクリレート、2−(ビニルオキシ)エチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリルオキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン改質柔軟性アクリレート及びt−ブチルシクロヘキシルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4ブタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,9ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノール A EO(エチレンオキシド)付加物ジアクリレート、ビスフェノール A PO(プロピレンオキシド)付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバレートネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシル化ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート及びポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO改質トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、カプロラクトン改質トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクタム改質ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、N−ビニルアミド、例えばN−ビニルカプロラクタム又はN−ビニルホルムアミド;あるいはアクリルアミド又は置換アクリルアミド、例えばアクリロイルモルホリン;ならびに米国特許第5196502号明細書(KODAK)に記載されているようなアミノ官能基化ポリエーテルアクリレートである。
さらに、上記のアクリレートに対応するメタクリレートをこれらのアクリレートと一緒に用いることができる。メタクリレートの中で、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、4−(ビニルオキシ)ブチルメタクリレート、米国特許第5225522号明細書(KODAK)に記載されているようなビニルエーテルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート及びポリエチレングリコールジメタクリレートが、それらの比較的高い感度及びインキ−受容体表面への高い付着性のために好ましい。
さらに、放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層は重合可能なオリゴマーを含有することもできる。これらの重合可能なオリゴマーの例にはエポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート及び直鎖状アクリルオリゴマーが含まれる。
着色剤
着色剤は染料であることができるが、好ましくは顔料又はそれらの組み合わせである。有機及び/又は無機顔料を用いることができる。
顔料粒子は、インキジェット印刷装置を介する、特に通常10μm〜50μmの範囲の直径を有する射出ノズルにおけるインキの自由な流れを許すのに十分に小さくなければならない。粒度は顔料分散液の安定性にも影響を有する。最大色濃度のためにも小さい粒子を用いるのが望ましい。インキ−ジェットインキ中に分散される顔料の粒子は、10μm未満、好ましくは3μm未満、そして最も好ましくは1μm未満の粒度を有していなければならない。顔料粒子の平均粒度は好ましくは0.05〜0.5μmである。顔料の非常に微細な分散液及びその調製方法は、例えば欧州特許第776952A号明細書(KODAK)、米国特許第5538548号明細書(BROTHER)、米国特許第5543628号明細書(VIDEOJET SYSTEMS)、欧州特許第259130A号明細書(OLIVETTI)、米国特許第5285064号明細書(EXTREL)、欧州特許第429828A号明細書(CANON)及び欧州特許第526198A号明細書(XEROX)に開示されている。
適した顔料には、赤もしくはマゼンタ顔料として:Pigment Red 3,5,19,22,31,38,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257,Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50及び88;青もしくはシアン顔料として:Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36及び60;緑顔料として:Pigment green 7,26,36及び50;黄色顔料として:Pigmet Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,128,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,177,180,185及び193;白色顔料として:Pigment White 6,18及び21が含まれる。
さらに、HERBST,W,et al著,Industrial Organic Pigments,Production,Properties,Applications,第2版,VCH,1997年により開示されているものから顔料を選ぶことができる。
最も好ましい顔料は、Pigment Yellow 1,3,128,109,93,17,14,10,12,13,83,65,75,74,73,138,139,154,151,180,185;Pigment Red 122,22,23,17,210,170,188,185,146,144,176,57:1,184,202,206,207;Pigment Blue 15:3,Pigment Blue 15:2,Pigmnet Blue 15:1,Pigment Blue 15:4,Pigment Blue 15:6,Pigment Blue 16及びPigment Violet 19である。
カーボンブラックは通常黒色インキ中で着色材料として用いられる。適した黒色顔料材料には、Pigment Black 7(例えばMITSUBISHI CHEMICALからのCarbon Black MA8TM)、CABOT Co.からのRegalTM 400R、MogulTM L、ElftexTM 320あるいはDEGUSSAからのCarbon Black FW18,Special Black 250,Special Black 350,Special Black 550,PrintexTM 25,PrintexTM 35,PrintexTM 55,PrintexTM 90,PrintexTM 150Tのようなカーボンブラックが含まれる。適した顔料の追加の例は米国特許第5225522号明細書(KODAK)に開示されている。
顔料は、放射線硬化可能なインキジェットインキの全重量に基づいて0.1〜10重量%の範囲内、好ましくは1〜5重量%の範囲内で存在する。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキに適した染料には、直接染料、酸性染料、塩基性染料及び反応性染料が含まれる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキに適した直接染料には:
・C.I.Direct Yellow 1,4,8,11,12,24,26,27,28,33,39,44,50,58,85,86,100,110,120,132,142及び144
・C.I.Direct Red 1,2,4,9,11,134,17,20,23,24,28,31,33,37,39,44,47,48,51,62,63,75,79,80,81,83,89,90,94,95,99,220,224,227及び343
・C.I.Direct Blue 1,2,6,8,15,22,25,71,76,78,80,86,87,90,98,106,108,120,123,163,165,192,193,194,195,196,199,200,201,202,203,207,236及び237
・C.I.Direct Black 2,3,7,17,19,22,32,38,51,56,62,71,74,75,77,105,108,112,117及び154
が含まれる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキに適した酸性染料には:
・C.I.Acid Yellow 2,3,7,17,19,23,25,20,38,42,49,59,61,72及び99
・C.I.Acid Orange 56及び64
・C.I.Acid Red 1,8,14,18,26,32,37,42,52,57,72,74,80,87,115,119,131,133,134,143,154,186,249,254及び256
・C.I.Acid Violet 11,34及び75
・C.I.Acid Blue 1,7,9,29,87,126,138,171,175,183,234,236及び249
・C.I.Acid Green 9,12,19,27及び41
・C.I.Acid Black 1,2,7,24,26,48,52,58,60,94,107,109,110,119,131及び155
が含まれる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキに適した反応性染料には:
・C.I.Reactive Yellow 1,2,3,14,15,17,37,42,76,95,168及び175
・C.I.Reactive Red 2,6,11,21,22,23,24,33,45,111,112,114,180,218,226,228及び235
・C.I.Reactive Blue 7,14,15,18,19,21,25,38,49,72,77,176,203,220,230及び235
・C.I.Reactive Orange 5,12,13,35及び95
・C.I.Reactive Brown 7,11,33,37及び46
・C.I.Reactive Green 8及び19
・C.I.Reactive Violet 2,4,6,8,21,22及び25
・C.I.Reactive Black 5,8,31及び39
が含まれる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキに適した塩基性染料には:
・C.I.Basic Yellow 11,14,21及び32
・C.I.Basic Red 1,2,9,12及び13
・C.I.Basic Violet 3,7及び14
・C.I.Basic Blue 3,9,24及び25
が含まれる。
染料は、適した範囲のpH値においてのみ理想的な色を表現することができる。従って放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは、好ましくはpH緩衝剤、例えば水酸化カリウム(KOH)をさらに含んでなる。
光−開始剤
典型的には、光−開始剤と呼ばれる触媒は、重合反応を開始させる。光−開始剤は活性化のために、ポリマーを生成するモノマー及びオリゴマーより少ないエネルギーを必要とする。放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層における使用に適した光−開始剤は、ノリッシュI型開始剤、ノリッシュII型開始剤又はフォト−酸生成物質であることができる。
光−開始剤は光を吸収し、フリーラジカル又はカチオンの生成を担う。フリーラジカル又はカチオンは、モノマー、オリゴマー及びポリマーの重合を誘導し、且つ多官能基性モノマー及びオリゴマーとの重合を誘導してそれにより架橋も誘導する高−エネルギー種である。
好ましいノリッシュI型開始剤はベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α,α−ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィド、α−ハロケトン、α−ハロスルホン及びα−ハロフェニルグリオキサレートより成る群から選ばれる。
好ましいノリッシュII型−開始剤はベンゾフェノン、チオキサントン、1,2−ジケトン及びアントラキノンより成る群から選ばれる。好ましい共−開始剤は脂肪族アミン、芳香族アミン及びチオールより成る群から選ばれる。第3級アミン、複素環式チオール及び4−ジアルキルアミノ−安息香酸は、共−開始剤として特に好ましい。
適した光−開始剤は、CRIVELLO,J.V.et al.著,VOLUME III:Photoinitiators for Free Radical Cationic & Anionic Photopolymerization,第2版,BRADLEY,G.編,London,UK:John Wiley and Sons Ltd,1998年,p.287−294に開示されている。
光−開始剤の特定の例には以下の化合物又はそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限られない:ベンゾフェノン及び置換ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン類、例えばイソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン又は5,7−ジヨード−3−ブトキシ−6−フルオロン、ジフェニルヨードニウムフルオリド及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオホスフェート。
適した市販の光−開始剤には、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能なIrgacureTM 184、IrgacureTM 500、IrgacureTM 907、IrgacureTM 369、IrgacureTM 1700、IrgacureTM 651、IrgacureTM 819、IrgacureTM 1000、IrgacureTM 1300、IrgacureTM 1870、DarocurTM 1173、DarocurTM 4265及びDarocurTM ITX、BASF AGから入手可能なLucerin TPO、LAMBERTIから入手可能なEsacureTM KT046、EsacureTM KIP150、EsacureTM KT37及びEsacureTM EDB、SPECTRA GROUP Ltdから入手可能なH−NuTM 470及びH−NuTM 470Xが含まれる。
好ましい開始剤の量は、全インキ重量又は全液層重量の0.3〜50重量%であり、より好ましくは全インキ重量又は全液層重量の1〜25重量%である。
化学線を用いる照射を波長又は強度を変えることにより2段階で実現することができる。そのような場合、2つの型の開始剤を一緒に用いるのが好ましい。
抑制剤
適した重合抑制剤にはフェノール型酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、蛍リン光体型酸化防止剤、(メタ)アクリレートモノマーにおいて通常用いられるヒドロキノンモノメチルエーテルが含まれ、ヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロールも用いることができる。これらの中で、分子中にアクリル酸から誘導される二重結合を有するフェノール化合物は、それが閉鎖された酸素を含有しない環境において加熱されても重合−制限効果を有するために特に好ましい。適した抑制剤は例えばSumitomo Chemical Co.,Ltdにより製造されるSumilizerTM GA−80、SumilizerTM GM及びSumilizerTM GSならびにRahn of Zurich,Switzerlandから入手可能なGenoradTM 16,GenoradTM 18である。
これらの重合抑制剤の過剰の添加はインキの硬化への感度を低下させるので、重合を予防できる量を配合の前に決定するのが好ましい。重合抑制剤の量は一般に全インキ重量又は全液層重量の200〜20,000ppmである。
樹脂
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層はさらに、インキジェットインキ中の顔料の安定な分散液を得るために用いられる顔料安定剤又は分散剤とも呼ばれる樹脂を含有することができる。
分散剤を含んでなる分散液として顔料を放射線硬化可能なインキ−ジェットインキに加えることができる。
適した樹脂:石油型樹脂(例えばスチレン型、アクリル型、ポリエステル、ポリウレタン型、フェノール型、ブチラール型、セルロース型及びロジン);ならびに熱可塑性樹脂(例えば塩化ビニル、酢酸ビニル型)。これらの樹脂の具体的な例にはアクリレートコポリマー、スチレン−アクリレートコポリマー、アセタール化され且つ不完全にけん化されたポリビニルアルコール及び酢酸ビニルコポリマーが含まれる。市販の樹脂はAVECIAから入手可能なSolsperseTM 32000及びSolsperseTM 39000、EFKA CHEMICALS BVから入手可能なEFKATM 4046、BYK CHEMIE GMBHから入手可能なDisperbykTM 168の商品名の下に既知である。
非−ポリマー性ならびにいくつかのポリマー性分散剤の詳細なリストは、MC CUTCHEON.Functional Materials,North American Edition,Glen Rock,N.J.:Manufacturing Confectioner Publishing Co.,1990年,p.110−129に開示されている。
適した顔料安定剤は、独国特許第19636382号明細書(BAYER)、米国特許第5720802号明細書(XEROX)、米国特許第5713993号明細書(DU PONT)、国際出願番号GB95/02501号(PCT/GB95/02501)、米国特許第5085689号明細書(BASF)及び米国特許第2303376号明細書(FUJITSU ISOTEC)にも開示されている。
典型的に、樹脂は顔料の2.5重量%〜200重量%、より好ましくは50重量%〜150重量%で導入される。
界面活性剤
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層は、少なくとも1種の界面活性剤を含有することができる。界面活性剤はアニオン性、カチオン性、非−イオン性又は両性イオン性であることができ、通常それぞれ全インキ重量及び全液層重量に基づいて20重量%未満の合計量で、そして特にそれぞれ全インキ重量及び全液層重量に基づいて10重量%未満の合計量で加えられる。
界面活性剤としてフッ素化もしくはシリコーン化合物を用いることができるが、可能な欠点は、界面活性剤が架橋されない故の、インキジェット食品包装材料からの食品による抽出である。従って表面−活性効果を有する共重合可能なモノマー、例えばシリコーン−改質アクリレート、シリコーン改質メタクリレート、フッ素化アクリレート及びフッ素化メタクリレートを用いるのが好ましい。
溶媒
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層は、溶媒として水及び/又は有機溶媒、例えばアルコール、フッ素化溶媒及び双極性非プロトン性溶媒を含有することができ、溶媒は好ましくはそれぞれ放射線硬化可能なインキジェットインキの全重量及び放射線硬化可能な液層の全重量に基づいて10〜80重量%、特に好ましくは20〜50重量%の濃度で存在する。
しかしながら、放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは、好ましくは蒸発可能な成分を含有しないが、いくつかの場合には、UV硬化の後にインキ−受容体表面上への付着を向上させるために、非常に少量の有機溶媒をそのようなインキ中に導入するのが有利であり得る。この場合、加えられる溶媒は溶媒抵抗性及びVOCの問題を引き起こさない範囲内のいずれの量であることもでき、好ましくはそれぞれ放射線硬化可能なインキ−ジェットインキの全重量に基づいて0.1〜5.0重量%、そして特に好ましくは0.1〜3.0重量%である。
適した有機溶媒にはアルコール、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、カルビトール、セロソルブ、高級脂肪酸エステルが含まれる。適したアルコールにはメタノール、エタノール、プロパノール及び1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ブタノール、t.−ブタノールが含まれる。適した芳香族炭化水素にはトルエン及びキシレンが含まれる。適したケトンにはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,4−ペンタンジオン及びヘキサフルオロアセトンが含まれる。グリコール、グリコールエーテル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドも用いることができる。
殺生物剤
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層に適した殺生物剤にはデヒドロ酢酸ナトリウム、2−フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチル及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びそれらの塩が含まれる。放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ及び放射線硬化可能な液層のために好ましい殺生物剤はZENECA COLOURSから入手可能なProxelTM GXLである。
殺生物剤は、好ましくはそれぞれ放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ又は放射線硬化可能な液層の全重量に基づいて0.001〜3重量%、より好ましくは0.01〜1.00重量%の量で加えられる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキの調製
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキにおいて用いるための着色剤の分散液は、着色剤及び樹脂の混合、磨砕及び分散により調製することができる。混合装置には加圧混練機、開放混練機、遊星型ミキサー、溶解機及びDalton Universal Mixerが含まれ得る。適した磨砕及び分散装置はボールミル、パールミル、コロイドミル、高速分散機、ダブルローラー(double rollers)、ビーズミル、ペイントコンディショナー(paint conditioner)及びトリプルローラー(triple rollers)である。超音波エネルギーを用いて分散液を調製することもできる。
磨砕媒体としてガラス、セラミックス、金属及びプラスチックのような多くの異なる型の材料を用いることができる。好ましい態様において磨砕媒体は、好ましくは実質的に球状の形の粒子、例えば本質的にポリマー性樹脂から成るビーズ又はイットリウム安定化ジルコニウムビーズを含んでなることができる。
混合、磨砕及び分散の方法において、各方法は、熱の蓄積を予防するために冷却しながら且つまた可能な限りUV−光が実質的に排除された光条件下で行なわれる。
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキが1種より多い顔料を含有する場合、各顔料のための個別の分散液を用いてカラーインキを調製することができるか、あるいはまたいくつかの顔料を混合し、分散液の調製において共−磨砕することができる。
分散プロセスは連続、バッチ又は半−バッチ様式で行なうことができる。
ミル磨砕物(mill grind)の成分の好ましい量及び比率は、特定の材料及び意図される用途に依存して広く変るであろう。磨砕混合物の内容物はミル磨砕物及び磨砕媒体を含んでなる。
磨砕時間は広く変り得、顔料、選択される機械的手段及び滞留状態(residence condition)、初期及び望まれる最終的粒度などに依存する。本発明において、100nm未満の平均粒度を有する顔料分散液を調製することができる。
磨砕の完了後、磨砕された粒子状生成物(乾燥もしくは液体分散形態における)から通常の分離法を用いて、例えば濾過、メッシュスクリーンを介する篩別などにより磨砕媒体を分離する。多くの場合、例えばビーズミルの場合、篩はミル中に組み込まれる。磨砕された顔料濃厚液は、好ましくは濾過により磨砕媒体から分離される。
一般に濃厚ミル磨砕物の形態でカラーインキを調製するのが望ましく、それを続いてインキ−ジェット印刷システムにおける使用のために適した濃度に希釈する。この方法は、装置からより多量の顔料添加されたインキを調製することを可能にする。放射線硬化可能なインキ−ジェットインキの調製のための顔料分散液は、好ましくはモノマー及び/又はオリゴマーを用いて希釈される。希釈により、インキは特定の用途のために所望の粘度、色、色相、飽和濃度(saturation density)及び印刷領域被覆率に調節される。
[実施例]
ここで本発明を下記の実施例により詳細に記載する。
測定法
1.ドットサイズ
ドットサイズは、KASPER WALTER GmbHから入手可能なVideometシステムを用いて決定され、それは1μmの精度を有する。
2.光沢
光沢は、Dr.Langeから入手可能なREFO 60を用い、60Oの角度で測定された。
3.凝集
「パドリング(puddling)」、すなわちインキ受容体の表面上で大きな滴を形成する隣接インキ−滴の凝集がないように、インキ受容体は容易に湿潤しなければならない。そこで下記の基準に従って評価を行なった。
基準:
1=凝集なし
2=限られた凝集
3=凝集
4=広範囲の凝集
5=完全な凝集
材料
以下の実施例で用いられるすべての材料は、他にことわらなければ、Aldrich Chemical Co.(Belgium)から容易に入手可能であった。実施例で用いられる「水」は脱イオン水であった。以下の材料が用いられた:
顔料
HostapermTM Red E5B02は、CLARIANTから入手可能なマゼンタ顔料(Pigment Violet 19)である。
SunfstTM Blue 249−1284は、SUN CHEMICALから入手可能なシアン顔料(Pigment Blue 15:3)である。
放射線感受性化合物
DPGDATMはUCBから入手可能な二官能基性アクリレートモノマーである。
CraynorTM CN 501は、CRAY VALLEYから入手可能なモノマーである。
SartomerTM SR9003はSARTOMERから入手可能な二官能基性アクリレートモノマーである;
CraynorTM CN 386は、CRAY VALLEYから入手可能なアミン改質アクリレート相乗剤である。
CraynorTM CN 501は、CRAY VALLEYから入手可能なアミン改質ポリエーテルアクリレートオリゴマーである。
IrgacureTM 500は、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能な光−開始剤である。
IrgacureTM 907は、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能な光−開始剤である。
IrgacureTM 1870は、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能な光−開始剤である。
DarocurTM ITXは、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能な光−開始剤である。
界面活性剤及び分散剤
SolsperseTM 32000は、AVECIAから入手可能な樹脂である。
SolsperseTM 5000は、AVECIAから入手可能な樹脂である。
BykTM−333は、BYK CHEMIE GmbHから入手可能な界面活性剤である。
基質
PE−紙は、FRANTSCHACH BELCOAT(Belgium)から入手可能なポリ(エチレン)がコーティングされた下塗りされていないRC−紙である。
PETは、AGFAから入手可能な下塗りされていない175μmの厚さのポリエチレンテレフタレート基質である。
この実施例は、いかにして厚さによりインキ滴のドットサイズを制御するかを示す。
放射線硬化可能な液層の調製
成分を混合し、1時間攪拌してすべての成分が十分に分配されたことを保証することにより、無色の放射線硬化可能な液層組成物Ink−Lを表1に従って調製した。重量%(wt%)は、放射線硬化可能な液層組成物の全重量に基づいた。
Figure 2006137185
AGFAからのUPHプリントヘッドが備えられた特注インキ−ジェットプリンターを用いて放射線硬化可能な液層組成物INK−LをPET上に噴射し、インキ受容体IR−2〜IR−7を製造した。360x360dpiの解像度を用い、表2により示されるdpd(ドット当たりの滴)の数において印刷し、ここで1dpdは3pLの滴体積に等しい。
Figure 2006137185
放射線硬化可能なインキ−ジェットインキの調製
この実施例における放射線硬化可能なインキ−ジェットインキは100%の固体から成り、インキ組成物の調製の間に溶媒又は水を用いない。放射線硬化可能なインキ組成物Ink−M(マゼンタインキ)及びInk−C(シアンインキ)を表3に従って調製した。重量%(wt%)は、全インキ重量に基づいた。
Figure 2006137185
最初に顔料、ポリマー性分散剤SolsperseTM 32000及びモノマーDPGDATMを、溶解機を用いて混合し、この混合物を、Eigerビーズミルを用いて処理することにより、カラー顔料の濃厚分散液を調製した。Ink−Cの調製のために、分散剤相乗剤SolsperseTM 5000をSolsperseTM SR32000と組み合わせて用いた。第2のモノマーSartomerTM SR9003、相乗剤CraynorTM CN 386、界面活性剤BykTM−333及び光−開始剤DarocurTM ITXをこの順序で濃厚顔料分散液に、攪拌下で加えた。攪拌を1時間続け、すべての成分が十分に分配されたことを保証した。均一なインキ組成物が得られた。
性質の評価
第2のUPHプリントヘッドを用いる特注インキ−ジェットプリンターを用い、360x360dpiの解像度において、1dpdの放射線硬化可能なインキ−ジェットインキINK−M及びINK−Cをインキ受容体IR−1〜IR−7上に噴射した。Fusion VPS/1600ランプ(D−バルブ)が備えられたFusion DRSE−120コンベアーを用いてインキ受容体を硬化させ、該コンベアーは20m/分の速度でコンベアーベルト上のUVランプの下に試料を輸送した。各硬化された試料に関し、ドットサイズを決定した。
Figure 2006137185
表4から、噴射されたINK−Mのドット直径がインキ受容体IR−1〜IR−6上で液層の厚さの増加とともに徐々に減少することが明らかである。8dpd又はそれより高い(IR−7上の15dpd)厚さにおいて、ドット直径は30μmで一定のままである。結果を図2によりグラフ形態でも示す。
噴射の代わりに、バーコーター(bar coater)及びワイアバー(wired bar)を用い、放射線硬化可能な液層組成物INK−LをPE−紙上に5μmの湿潤厚さでコーティングした。次いで1dpdの放射線硬化可能なインキ−ジェットインキINK−M及びINK−Cを360x360dpiの解像度において、特注インキ−ジェットプリンターを用いて噴射した。印刷された試料を、Fusion VPS/1600ランプ(D−バルブ)が備えられたFusion DRSE−120コンベアーを用いて硬化させ、該コンベアーは20m/分の速度でコンベアーベルト上のUVランプの下に印刷された試料を輸送した。ドットサイズは、両方のインキ−ジェットインキに関して30μmであると決定された。
この実施例では、硬化後に液層上に噴射されるインキ−ジェットインキのドットサイズを評価した。
INK−Lの代わりに放射線硬化可能なインキ−ジェットインキINK−Mを用いた以外は実施例1のインキ受容体IR−7と同じ方法でインキ受容体IR−8を製造した。実施例1のインキ受容体IR−5及びインキ受容体IR−8を、最初にFusion VPS/1600ランプ(D−バルブ)が備えられたFusion DRSE−120コンベアーを用いて硬化させ、該コンベアーは20m/分の速度でコンベアーベルト上のUVランプの下にインキ受容体を輸送した。
硬化されたインキ受容体IR−5及びIR−8上に、1dpdの放射線硬化可能なインキ−ジェットインキINK−M及びINK−Cを360x360dpiの解像度で、特注インキ−ジェットプリンターを用いて噴射した。インキ受容体IR−5及びIR−8の硬化に用いられたと同じ方法により、印刷された試料を硬化させた。視覚による区別が困難なので、放射線硬化可能なインキINK−Mはインキ受容体IR−8上に噴射しなかった。各硬化された試料に関してドットサイズを決定した。
Figure 2006137185
表5は、硬化されたインキ受容体IR−5及びIR−8上に1dpdの放射線硬化可能なインキ−ジェットインキINK−M及びINK−Cを印刷することにより、ドットサイズにおいて42〜46μmが得られることを示す。インキ−ジェット印刷システムの構築において、未硬化液層中に1dpdにおいて噴射される放射線硬化可能なインキは、硬化後に液層上に1dpdで噴射されるインキと大体同じドットサイズを生ずるのが望ましい。表3及び図2から、放射線硬化可能な液層の厚さに関し、この場合の最高の選択は5dpd、すなわちインキ受容体IR−4であることが明らかでなければならない。
この実施例では、凝集及び光沢を評価した。
放射線硬化可能な液層の調製
成分を混合して5分間攪拌することにより、無色の放射線硬化可能な液層組成物Ink−L2を表6に従って調製した。重量%(wt%)は、放射線硬化可能な液層組成物の全重量に基づいた。
Figure 2006137185
性質の評価
AGFAからのUPHヘッドが備えられた特注プリンターを用い、放射線硬化可能な液層組成物INK−L2を8dpd及び360x360dpiにおいて、PETフィルムの表面の半分の上に噴射した。PETフィルムの他の半分の上に、比較試料COMP−1の場合は放射線硬化可能なインキジェットインキINK−MをPETフィルム上に噴射し、本発明の試料INV−1の場合は放射線硬化可能なインキジェットインキINK−Mを液層中に噴射した。両試料のUV−硬化の後(Fusion VPS/1600ランプ(D−バルブ)、凝集を評価し、光沢を測定した。結果を表7に示す。
Figure 2006137185
表7から、比較試料COMP−1と対照的に、本発明の試料INV−1の場合は凝集が起こらないことが明らかである。本発明の試料INV−1の場合、液層中に噴射されたインキ滴の光沢がPET上に直接噴射されたインキ滴(比較試料COPM−1)の光沢よりずっと高いのみでなく、それは印刷されない領域中の液層の光沢と同等でもある。これは印刷された領域及び印刷されない領域における光沢の非常に優れた均一性を生ずる。
本発明の好ましい態様を詳細に記載してきたが、ここで前記の請求項において定義された本発明の範囲から逸脱することなく、その中で多くの修正を成し得ることが当該技術分野における熟練者に明らかであろう。
放射線硬化可能なインキジェットインキ滴10を基質14上に噴射方向11で噴射する場合の基質14を介する略断面図。 本発明の1つの側面に従って印刷される基質14を介する略断面図。 本発明の1つの側面に従って印刷される基質14を介する略断面図。 液層の厚さと液層中に噴射される放射線硬化可能なインキ滴のドット直径の間の関係を描くグラフ図。

Claims (10)

  1. a)基質の少なくとも一部の上に放射線硬化可能な液層を設け;
    b)該放射線硬化可能な液層中に第1の放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴を噴射し;
    c)該放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴を含有する該放射線硬化可能な液層を硬化させる
    段階を含んでなる、基質上に放射線硬化可能な画像をインキ−ジェット印刷するための印刷方法であって、
    段階c)の該硬化された層上に第2の放射線硬化可能なインキ−ジェットインキ滴を噴射することならびに該放射線硬化可能な画像の解像度を制御するために該放射線硬化可能な液層の厚さを調節することを特徴とする方法。
  2. 該第1及び第2の放射線硬化可能なインキ−ジェットインキのドットサイズが、等しいdpd(ドット当たりの滴)において噴射される場合に、最小のドットサイズに関して直径で10%より大きく異ならない請求項1従う印刷方法。
  3. 段階a)において、該放射線硬化可能な液層をインキ−ジェット印刷により該基質の少なくとも一部の上に設ける請求項1又は2に従う印刷方法。
  4. 該放射線硬化可能な液層の厚さが少なくとも1μmである請求項1〜3のいずれかに従う印刷方法。
  5. 時間当たり50m2より速い印刷速度で画像を印刷する請求項1〜4のいずれかに従う印刷方法。
  6. 該放射線硬化可能な液層が透明な液層である請求項1〜5のいずれかに従う印刷方法。
  7. 該放射線硬化可能な液層が白色の液層である請求項1〜5のいずれかに従う印刷方法。
  8. 該放射線硬化可能な液層及び/又は該第1の放射線硬化可能なインキ−ジェットインキがカチオン重合に基づく請求項1〜7のいずれかに従う印刷方法。
  9. 該第1の放射線硬化可能なインキ−ジェットインキがカチオン性開始剤なしのカチオン性放射線硬化可能なインキ−ジェットインキである請求項8のいずれかに従う印刷方法。
  10. カチオン性開始剤が該放射線硬化可能な液層中に存在する請求項8のいずれかに従う印刷方法。

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