JP2020082107A - 溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの導線の端部同士の溶接をより適切に行なう。【解決手段】クランプ電極により2つの導線の端部同士を把持し、その状態でトーチ電極と2つの導線の端部同士との間の放電により2つの導線の端部同士を溶接する溶接方法において、クランプ電極の一端側にクランプ電極の延在方向に沿って互いに間隔をおいて設けられた複数のフィンのうち最も2つの導線の端部同士側のフィンの先端よりもトーチ電極に取り付けられたハイアンカップの先端をクランプ電極に接近させた状態で2つの導線の端部同士を溶接する。【選択図】図1

Description

本発明は、溶接方法に関し、詳しくは、2つの導線の端部同士を溶接する溶接方法に関する。
従来、この種の技術としては、モータのコイル端部同士をクランプ部材を用いて把持し、溶接電極をコイル端部同士から所定距離だけ離れた位置に配置し、その状態で溶接電極とコイル端部同士との間にアークを発生させてコイル端部同士を溶接するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、クランプ部材は、冷却ファンを備える。また、必要に応じて雰囲気ガスを発生させる。
特開2018−33286号公報
上述の技術では、ブロワなどからフィンに送風した空気がコイル端部同士側に流れて溶接玉の形成に悪影響を与えたり、アークによる熱などが直接に(クランプ部材を介した熱伝達ではなく空気を介した熱伝達により)フィン側に流れてクランプ部材の冷却が十分に行なわれなくなったりする可能性がある。
本発明の溶接方法は、2つの導線の端部同士の溶接をより適切に行なうことを主目的とする。
本発明の溶接方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の溶接方法は、
クランプ電極により2つの導線の端部同士を把持し、その状態でトーチ電極と前記2つの導線の端部同士との間の放電により前記2つの導線の端部同士を溶接する溶接方法であって、
前記クランプ電極の一端側に前記クランプ電極の延在方向に沿って互いに間隔をおいて設けられた前記複数のフィンのうち最も前記2つの導線の端部同士側のフィンの先端よりも前記トーチ電極に取り付けられたハイアンカップの先端を前記クランプ電極に接近させた状態で前記2つの導線の端部同士を溶接する、
ことを要旨とする。
この本発明の溶接方法では、クランプ電極により2つの導線の端部同士を把持し、クランプ電極の一端側にクランプ電極の延在方向に沿って互いに間隔をおいて設けられた複数のフィンのうち最も2つの導線の端部同士側のフィン(以下、「所定フィン」という)の先端よりもトーチ電極に取り付けられたハイアンカップの先端をクランプ電極に接近させ、その状態でトーチ電極と2つの導線の端部同士との間の放電により2つの導線の端部同士を溶接する。所定フィンの先端よりもハイアンカップの先端がクランプ電極に接近するから、所定フィンが2つの導線の端部同士側と所定フィン以外のフィン(以下、「残余フィン」という)側とを隔てる壁となる。これにより、ブロワなどからフィンに送風した空気が2つの導線の端部同士側に流れるのを抑制して溶接玉の形成を良好にすることができると共に、放電による熱などが直接に残余フィン側に流れるのを抑制してクランプ電極の冷却を良好にすることができる。この結果、2つの導線の端部同士の溶接をより適切に行なうことができる。
溶接装置20の構成の概略を示す構成図である。 実施例の溶接装置20を用いて2つの導線C1,C2の端部同士を溶接する際の手順の一例を示す工程図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、溶接装置20の構成の概略を示す構成図である。溶接装置20は、2つの導線C1,C2の端部同士を溶接するのに用いられる装置であり、図示するように、クランプ電極22と、ブロワ28と、トーチ電極30と、電源装置40とを備える。なお、2つの導線C1,C2は、素線がエナメル被膜により被覆されて形成されており、2つの導線C1,C2の端部は、被膜が剥がされて素線が露出している。また、2つの導線C1,C2としては、例えば、モータのステータコアに巻回される2つのセグメントコイルを考えることができる。
クランプ電極22は、所定方向に延在しており、一端側に、2つの導線C1,C2の端部を両者が隣接するようにクランプ可能なクランプ部23を有すると共に、他端側に、複数のフィン24を有する。複数のフィン24は、クランプ電極22の延在方向に沿って互いに間隔を空けて設けられており、それぞれクランプ電極22の延在方向に略直交する方向に平面状に延在する。複数のフィン24のうち最もクランプ部23側のフィン(以下、「所定フィン」という)24aは、それ以外のフィン(以下、「残余フィン」という)24bに比して、最も大きく形成されている。ブロワ28は、所定フィン24aよりも残余フィン24b側に配置され、フィン24に向けて送風可能となっている。
トーチ電極30は、クランプ部23の上側(具体的には、クランプ部23によりクランプされた2つの導線C1,C2の端部の上側)に配置される。トーチ電極30には、ハイアンカップ32が取り付けられている。
電源装置40の正極端子および負極端子は、それぞれトーチ電極30およびクランプ電極22に接続されている。
図2は、実施例の溶接装置20を用いて2つの導線C1,C2の端部同士を溶接する際の手順の一例を示す工程図である。最初に、クランプ電極22のクランプ部23により、2つの導線C1,C2の端部を両者が隣接するように把持(クランプ)する(工程S100)。続いて、トーチ電極30を、図1に示すように、ハイアンカップ32の先端(下端)が所定フィン24aの先端(上端)よりもクランプ電極22に接近するように配置する(工程S110)。これにより、所定フィン24aは、2つの導線C1,C2の端部同士側(クランプ部23側)と残余フィン24b側とを隔てる壁となる。
そして、ブロワ28からフィン24に冷却風を送風してフィン24を冷却しながら、電源装置40からトーチ電極30およびクランプ電極22に電圧を印加してトーチ電極30と2つの導線C1,C2の端部同士との間でアーク放電を発生させて2つの導線C1,C2の端部同士を溶接して(工程S120)、終了する。なお、工程S120では、トーチ電極30と2つの導線C1,C2の端部同士との間をアルゴンなどの雰囲気ガスで満たすのが好ましい。
上述したように、所定フィン24aが2つの導線C1,C2の端部同士側(クランプ部23側)と残余フィン24b側とを隔てる壁となる。これにより、2つの導線C1,C2の端部同士を溶接する際に、ブロワ28からフィン24に送風した空気が2つの導線C1,C2の端部同士側に流れるのを抑制し、2つの導線C1,C2の端部に跨がる溶接玉の形成をより良好にする(溶接玉の大きさのばらつきを抑制する)ことができる。また、アーク放電による熱などが直接に残余フィン24b側に流れるのを抑制し、クランプ電極22の冷却をより良好にすることができる。これにより、アーク放電による熱などが2つの導線C1,C2の被膜に伝達されるのを抑制し、被膜が発泡するのを抑制することができる。これらの結果、2つの導線C1,C2の端部同士の溶接をより適切に行なうことができる。
以上説明した実施例の溶接方法では、クランプ電極22により2つの導線C1,C2の端部同士を把持し、所定フィン24aの先端よりもハイアンカップ32の先端をクランプ電極22に接近させ、その状態でトーチ電極30と2つの導線C1,C2の端部同士との間の放電により2つの導線C1,C2の端部同士を溶接する。これにより、2つの導線C1,C2の端部同士の溶接をより適切に行なうことができる。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、溶接装置の製造産業などに利用可能である。
20 溶接装置、22 クランプ電極、23 クランプ部、24 フィン、24a 所定フィン、24b 残余フィン、28 ブロワ、30 トーチ電極、32 ハイアンカップ、40 電源装置、C1,C2 導線。

Claims (1)

  1. クランプ電極により2つの導線の端部同士を把持し、その状態でトーチ電極と前記2つの導線の端部同士との間の放電により前記2つの導線の端部同士を溶接する溶接方法であって、
    前記クランプ電極の一端側に前記クランプ電極の延在方向に沿って互いに間隔をおいて設けられた前記複数のフィンのうち最も前記2つの導線の端部同士側のフィンの先端よりも前記トーチ電極に取り付けられたハイアンカップの先端を前記クランプ電極に接近させた状態で前記2つの導線の端部同士を溶接する、
    溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021225094A1 (ja) 2020-05-07 2021-11-11 住友化学株式会社 リチウム二次電池用正極活物質前駆体、リチウム二次電池用正極活物質前駆体の製造方法及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法
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