JP2014140883A - トーチ、部品、ロボット、およびアーク処理システム - Google Patents

トーチ、部品、ロボット、およびアーク処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】 アークスタートの成功確率をより向上させることのできるアーク処理システム用トーチを提供すること。
【解決手段】 非消耗電極123が配置されるガス流通空間125aと、ガス流通空間125aに通じるガス噴出開口125bと、が形成されたノズル125、および、ノズル125に配置された電離用導電部14、を備え、被処理部材W1と非消耗電極123との間に電圧が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスG1を電離させ、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1にて電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、トーチ、部品、ロボット、およびアーク処理システムに関する。
従来から、アークを用いて被処理部材に処理を行う方法が知られている(たとえば特許文献1参照)。同文献には、アークを用いる処理としてTIG溶接を行うためのティグ溶接トーチが開示されている。TIG溶接トーチは電極を備えている。TIG溶接の開始時には、電極と被処理部材との間にアークを発生させる。アークの発生は、電極と被処理部材との間に非常に大きな電圧を印加することにより行う。このようにアークを発生させることは、毎回成功するとは限らず、失敗することがある。そのため、アークの発生確率(アークスタートの成功確率)はいまだ満足のいく値には至っていない。
アーク発生用の電圧として高周波電圧を用いた場合、スタート性改善を目的にアーク発生用の高周波高電圧を高くすると、この電圧が自機や他機の制御回路に侵入し誤動作や故障といった不具合の原因になることも多い。
特開2012−86247号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、アークスタートの成功確率をより向上させることのできるアーク処理システム用トーチを提供することをその主たる課題とする。
本発明の第1の側面によると、非消耗電極が配置されるガス流通空間と、前記ガス流通空間に通じるガス噴出開口と、が形成されたノズル、および、前記ノズルに配置された電離用導電部、を備え、被処理部材と前記非消耗電極との間に電圧が印加されたとき、前記電離用導電部と前記非消耗電極との電位差に起因する電界によって、前記ガス流通空間におけるガスを電離させる、アーク処理システム用のトーチが提供される。
好ましくは、被処理部材と前記非消耗電極との間に電圧が印加されたとき、前記電離用導電部と前記非消耗電極との電位差に起因する電界による誘電体バリア放電によって、前記ガス流通空間におけるガスを電離させる。
好ましくは、前記非消耗電極を保持する保持部を更に備え、前記保持部は、前記保持部において最も第1方向側に位置する保持部先端を含み、前記保持部先端は、前記ガス流通空間に臨んでおり、前記電離用導電部は、前記保持部先端よりも前記第1方向側に位置しており、前記第1方向は、前記ノズルの軸線に沿う方向のうち、前記ガス噴出開口が開口する方向である。
好ましくは、前記電離用導電部は全体にわたって、前記保持部先端よりも前記第1方向側に位置している。
好ましくは、前記ノズルは、前記ノズルにおいて最も前記第1方向側に位置するノズル先端を含み、前記電離用導電部は、前記ノズル先端よりも、前記第1方向とは反対の第2方向側に位置している。
好ましくは、前記ノズルは、前記電離用導電部を包囲する絶縁性の部位を有する。
好ましくは、この絶縁性の部位の誘電率は、8〜11である。
好ましくは、前記ガス流通空間に配置された非消耗電極を更に備え、前記ノズルは、前記非消耗電極の前記第1方向側の先端と、前記電離用導電部と、の間に介在する、絶縁性の部位を有する。
好ましくは、この絶縁性の部位の誘電率は、8〜11である。
好ましくは、前記ノズルの軸線に直交する仮想平面による断面において、前記ノズルは、前記軸線の周方向において前記電離用導電部に重なる第1領域と、前記周方向にて前記電離用導電部に重ならない第2領域と、を有する、アーク処理システム用のトーチが提供される。
好ましくは、前記電離用導電部の前記軸線方向における寸法は、0.2〜2.0mmである。
好ましくは、前記電離用導電部は、少なくとも1つの固片部を含み、前記少なくとも1つの固片部の各々の前記周方向における寸法は、0.2〜2.0mmである。
好ましくは、前記電離用導電部は、前記ノズルを挟持する一対の挟持部材を含む。
本発明の第2の側面によると、本発明の第1の側面によって提供されるトーチと、前記電離用導電部に導通する抵抗器と、を備え、前記抵抗器の抵抗値は、100KΩ〜1MΩである、アーク処理システム用の部品が提供される。
本発明の第3の側面によると、本発明の第1の側面によって提供されるトーチと、前記トーチを保持するマニピュレータと、を備える、ロボットが提供される。
本発明の第4の側面によると、本発明の第3の側面によって提供されるロボットと、前記非消耗電極および前記被処理部材の間に電圧を印加する電源回路と、を備える、アーク処理システムが提供される。
本発明の第5の側面によると、アーク処理システム用のトーチを用いるアーク処理方法であって、前記トーチは、非消耗電極が配置されるガス流通空間と、前記ガス流通空間に通じるガス噴出開口と、が形成されたノズル、および、前記ノズルに配置された電離用導電部、を備え、被処理部材と前記非消耗電極との間に電圧を印加し、前記電離用導電部と前記非消耗電極との電位差に起因する電界を生じさせることによって、前記ガス流通空間におけるガスを電離させる工程を備える、アーク処理方法が提供される。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態にかかるアーク処理システムの全体構成を示す図である。 図1に示したアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図2に示したトーチの正面図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。 図5のVI−VI線に沿う断面図である。 図5に示したトーチの正面図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。 図8のIX−IX線に沿う断面図である。 図8に示したトーチの正面図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。 図11のXII−XII線に沿う断面図である。 図11に示したトーチの正面図である。 本発明の第1実施形態の第4変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。 図14のXV−XV線に沿う断面図である。 図14に示したトーチの正面図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1〜図4を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるアーク処理システムの全体構成を示す図である。
同図に示すアーク処理システムA1は、被処理部材W1に対しアーク処理を行うためのものである。アーク処理システムA1は、たとえば、被処理部材W1に対し、溶接あるいは溶断を行う。被処理部材W1に対する溶接としては、たとえばTIG溶接あるいはプラズマ溶接が挙げられる。本実施形態においては、アーク処理システムA1はTIG溶接を行う。
アーク処理システムA1は、ロボット1と、導電線21と、抵抗器22と、電源3と、被処理部材接続ケーブル41と、電極接続ケーブル42と、ガス供給装置5と、を備える。
本実施形態のロボット1は、被処理部材W1に対してTIG溶接を自動で行うものである。本実施形態の被処理部材W1は板状である。被処理部材W1は、金属であり、このような金属としては、たとえばアルミニウムやマグネシウム合金が挙げられる。ロボット1は、マニピュレータ11と、アーク処理システム用のトーチ12と、電離用導電部14と、を含む。
マニピュレータ11は、たとえば多関節ロボットである。マニピュレータ11が駆動することにより、トーチ12が上下前後左右に自在に移動できる。
図2は、図1に示したアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図2に示したトーチの正面図である。
図2に示すように、トーチ12は、トーチボディ121と、非消耗電極123と、ノズル125と、保持部126と、を含む。
非消耗電極123は棒状の導体である。本実施形態においては、非消耗電極123は、たとえば、タングステンからなる。非消耗電極123は、たとえば、直径2.4〜3.2mm程度の円柱状である。アーク処理システムA1を使用している際、非消耗電極123および被処理部材W1の間に、アークa1が発生している状態となる。
トーチボディ121は筒状を呈する。トーチボディ121には、たとえば、作業者が手で握るハンドル(図示略)が取り付けられている。本実施形態においてトーチボディ121は導電性材料よりなる。
ノズル125はトーチボディ121に固定されている。ノズル125は筒状である。ノズル125は非消耗電極123を囲んでいる。ノズル125の軸線Oxは、図2の上下方向に沿って延びている。図2の左右方向における、ノズル125の寸法は、たとえば、20mm〜30mmである。ノズル125は絶縁性の材料よりなる。ノズル125を構成する絶縁性の材料としては、適当な誘電率を持ったどのような材料でもよいが、たとえば、アルミナ磁器が挙げられる。本実施形態とは異なり、ノズル125が、導電性の部材に絶縁材料がコーティングされたものであってもよい。ノズル125には、ガス流通空間125aとガス噴出開口125bとが形成されている。ガス流通空間125aはノズル125の内側に形成されている。ガス流通空間125aをガスG1が流れる。ガスG1は不活性ガスである。このような不活性ガスとしては、たとえばArあるいはHeが挙げられる。ガス噴出開口125bはガス流通空間125aに通じる。ガス流通空間125aには非消耗電極123が配置されている。ガス噴出開口125bは、図2の下方に開放している。そして、ガス流通空間125a内のガスG1は、ガス噴出開口125bから図2の下方に噴出する。ノズル125の軸線Oxに沿う方向のうち、ガス噴出開口125bが開放している方向を、第1方向X1とする。ガス噴出開口125bから第1方向X1側に、非消耗電極123の一部分が突出している。ガス噴出開口125bは、たとえば円形状である。ガス噴出開口125bの形状は円形状に限定されず、矩形等の他の形状であってもよい。
ノズル125はノズル先端125dを有する。ノズル先端125dはノズル125において最も第1方向X1側に位置している。ノズル先端125dに上述のガス噴出開口125bが形成されている。ノズル125はノズル内周面125fを有する。ノズル内周面125fは、ノズル125の軸線Oxの位置する側(図2においてノズル125の内側)を向いている。ノズル内周面125fは上述のガス流通空間125aを規定している。
保持部126は、非消耗電極123を保持するためのものである。保持部126はトーチボディ121に固定されている。よって、保持部126はノズル125に対しても相対的に固定されている。保持部126には挿通孔126bが形成されている。挿通孔126bには非消耗電極123が挿通されている。保持部126の外側面126cは、ガス流通空間125aに臨んでいる。保持部126は保持部先端126aを有する。保持部先端126aは、保持部126において最も第1方向X1側に位置している。保持部先端126aはガス流通空間125aに臨んでいる。保持部先端126aから、上述の挿通孔126bが第2方向X2に凹んでいる。本実施形態において保持部126は導電性の材料よりなる。
具体的には、保持部126は、コレット127およびコレットボディ128を有する。コレット127およびコレットボディ128は導電性の材料よりなる。コレット127は筒状の部材である。コレット127には挿通孔127aが形成されている。挿通孔127aには非消耗電極123が挿通されている。コレット127の先端127b近傍はテーパ状となっている。コレット127には、先端127bから挿通孔127aに沿って延びる複数(たとえば2本や4本)の縦すり割りが形成されている(図示略)。コレットボディ128は筒状の部材である。コレットボディ128には、挿通孔128aが形成されている。挿通孔128aには非消耗電極123が挿通されている。本実施形態では、コレットボディ128とコレット127との間は、ガスG1の流路となっている。コレットボディ128には少なくとも1つのガス噴出孔128dが形成されている。本実施形態においては、ガス噴出孔128dは、コレットボディ128のボディ先端128bの近傍に形成されている。ガス噴出孔128dからは、コレットボディ128とコレット127との間のガスG1の流路内のガスG1が噴出する。ガス噴出孔128dから噴出したガスG1は、ガス流通空間125aに流れる。
コレットボディ128はトーチボディ121に直接接している。コレット127は押さえつけ部材(図示略、図2における上方に配置されている)によって第1方向X1に押さえつけられる。これにより、コレット127の先端127b近傍のテーパ状の部分が、コレットボディ128の内面に接触して、コレット127における上述の縦すり割りが締め付けられる。これにより、非消耗電極123が所望の位置に固定される。
本実施形態においては、コレットボディ128が、上述の保持部先端126aと外側面126cとを構成している。また、挿通孔127aおよび挿通孔128aが、上述の挿通孔126bを構成している。
図2〜図4に示すように、電離用導電部14はノズル125に配置されている。具体的には、電離用導電部14はノズル125の外側に配置されている。電離用導電部14は、非消耗電極123および被処理部材W1の間におけるアークa1の発生を促進させるために、設けられている。電離用導電部14は導電材料よりなる。
本実施形態においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。すなわち、図2においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも下側に位置している。本実施形態においては更に、電離用導電部14は全体にわたって、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。また、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1(図4参照)は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。上述のようにノズル125は絶縁性の材料よりなる。そのため、図2に示すように、電離用導電部14と、非消耗電極123の第1方向X1側の先端123aとの間に介在する絶縁性の部位125mを、ノズル125が有している。
本実施形態とは異なり、電離用導電部14は保持部先端126aよりも第2方向X2側に位置していてもよい。
本実施形態においては、図3に示すように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1(図2参照)による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1において電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。すなわち、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状ではない。本実施形態では、電離用導電部14がリング状ではないが、本実施形態とは異なり、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状であってもよい。
本実施形態では、電離用導電部14は、少なくとも1つの部分141を有する。本実施形態においては、電離用導電部14の個数は4つである。複数の部分141の各々の軸線Oxの周方向T1における寸法L2(図4参照)は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。本実施形態においては、複数の部分141は、周方向T1に沿って互いに異なる位置に配置されている。
本実施形態とは異なり、部分141の個数は4つには限定されず、2つや3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
図1に示す電源3は、電源回路31およびガス流量制御回路33を含む。
電源回路31は、非消耗電極123および被処理部材W1の間に、電力を供給するためのものである。具体的には、電源回路31は、非消耗電極123および被処理部材W1の間に電圧を印加し、非消耗電極123および被処理部材W1の間に電流を流す。電源回路31は、たとえば3相200V等の商用電源を入力として、インバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行う。
ガス流量制御回路33は、ガスG1の流量を制御するためのものである。ガス流量制御回路33は、ガスG1の流量を指示するためのガス流量制御信号Sgを送る。
ガス供給装置5は、ガスG1をノズル125の内部に供給するためのものである。ガス供給装置5は、ガス流量制御回路33から受けたガス流量制御信号Sgに基づき、ガスG1を供給する。
被処理部材接続ケーブル41は、電源回路31と被処理部材W1とを電気的に接続している。アーク処理システムA1が使用される際、被処理部材接続ケーブル41は接地され、電位が0Vに維持される。電極接続ケーブル42は、電源回路31と非消耗電極123とを電気的に接続している。電源回路31からの電力は、電極接続ケーブル42、トーチボディ121、コレットボディ128、コレット127を、電極接続ケーブル42からこの順番に経由して、非消耗電極123に供給される。
導電線21は、電離用導電部14に電気的に接続している。本実施形態においては、導電線21は、複数の部分141の各々に接続している。本実施形態においては、導電線21には、抵抗器22が介在している。抵抗器22は、電離用導電部14に電気的に接続している。アーク処理システムA1が使用される際、導電線21の一端は接地される。よって、アーク処理システムA1が使用される際、電離用導電部14は抵抗器22を介して接地される。アーク処理システムA1が使用される際、被処理部材接続ケーブル41および被処理部材W1は接地される。そのため、導電線21を接地するには、たとえば、導電線21を被処理部材接続ケーブル41や被処理部材W1に接続するとよい。トーチ12および抵抗器22は、アーク処理システム用の部品を構成している。
次に、アーク処理システムA1を用いたアークa1の発生方法について説明する。
まず、電源3にアーク処理スタート信号(図示略)が送られた後、ガス流量制御回路33がガスG1の噴出を開始するためのガス流量制御信号Sgをガス供給装置5に送る。これにより、ノズル125へのガスG1の供給が開始する。
次に、電源回路31は、非消耗電極123と被処理部材W1との間に電圧を印加する。このとき非消耗電極123と被処理部材W1との間に印加する電圧(以下この電圧を開始電圧と呼ぶ)の電圧値は、非常に大きく、たとえば10〜20kVである。なお、電圧値とは、電圧の絶対値の時間平均値のことを意味する。そして、上記開始電圧は、高周波であってもよいし、高周波でなくてもよい。開始電圧が高周波である場合の周波数は、たとえば、1〜2MHzである。また、開始電圧は、交流であってもよく、あるいは、直流であってもよい。
電源回路31によって非消耗電極123と被処理部材W1との間に電圧が印加されると、電離用導電部14と非消耗電極123との間にも電位差が生じる。そして、電離用導電部14と非消耗電極123との間の領域に、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界が生じる。そのため、ガス流通空間125a内には、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界が大きくなる領域が生じる。この大きい電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスG1(の一部)が電離する。ガス流通空間125aにてガスG1が電離することによって、イオンが発生する。なお、非消耗電極123と電離用導電部14との間には、絶縁性の部位125mが介在している。絶縁性の部位125mは誘電体であるから、ガス流通空間125aにおけるガスG1が電離すると、電離用導電部14と非消耗電極123との間にて、放電(誘電体バリア放電)が生じる。なお、非消耗電極123と電離用導電部14との間には、絶縁性の部位125m(誘電体)が介在しているため、非消耗電極123と電離用導電部14との間にて火花放電は生じない。
そして、ガス流通空間125aにて発生したイオンは、ガスG1によって、被処理部材W1に位置する側(第1方向X1側)に流される。これにより、非消耗電極123の先端123a近傍が、放電の発生しやすい状態となる。その結果、非消耗電極123と被処理部材W1との間におけるアークa1の発生が促進され、非消耗電極123と被処理部材W1との間にアークa1が発生する。
非消耗電極123と被処理部材W1との間にアークa1が発生した後は、アーク処理システムA1によって所望のアーク処理(本実施形態においては溶接)を行う。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、トーチ12は、ノズル125に配置された電離用導電部14を備える。被処理部材W1と非消耗電極123との間に電圧が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスG1を電離させる。このような構成によると、上述したように非消耗電極123と被処理部材W1との間におけるアークa1の発生が促進される。これにより、より確実に、非消耗電極123と被処理部材W1との間にアークa1を発生させることができる。したがって、アークスタートの成功確率を向上させることができる。
本実施形態においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。このような構成は、非消耗電極123の先端123aにより近い位置において、ガスG1の電離を生じさせるのに適する。非消耗電極123の先端123aにより近い位置において、ガスG1の電離が生じると、非消耗電極123の先端123aに、より多くのイオンを至らせることができる。そうすると、非消耗電極123と被処理部材W1との間に、より確実に、アークa1を発生させることができる。これにより、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本実施形態においては、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。このような構成は、ガス流通空間125a内にてガスG1の電離を生じさせるのに適する。ガス流通空間125a内にてガスG1が電離することにより発生したイオンは、非消耗電極123の先端123aに流れていく。よって、本実施形態によると、非消耗電極123の先端123aまで、イオンをより確実に至らせることができる。そうすると、非消耗電極123と被処理部材W1との間に、より確実に、アークa1を発生させることができる。これにより、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本実施形態においては、電離用導電部14には抵抗器22が導通している。抵抗器22の抵抗値は、100KΩ〜1MΩである。このような構成によると、非消耗電極123と電離用導電部14との間に大きな電流が流れることを防止できる。そのため、アークスタート時に、非消耗電極123と電離用導電部14との間に火花放電が生じることを防止できる。
本実施形態においては、図3に示したように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1にて電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。このような構成によると、ガス流通空間125a内にて、電界が大きい領域を形成するのに適する(すなわち電界集中を起こすのに適する)。そのため、ガス流通空間125a内のガスG1の電離を生じさせやすい。よって、非消耗電極123と被処理部材W1との間に、より確実に、アークa1を発生させることができる。これにより、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本実施形態においては、電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、寸法L1は比較的小さいため、ガス流通空間125a内にて、電界が大きい領域を形成するのに適する(すなわち電界集中を起こすのに適する)。そのため、ガス流通空間125a内のガスG1の電離を生じさせやすい。よって、非消耗電極123と被処理部材W1との間に、より確実に、アークa1を発生させることができる。これにより、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本実施形態においては、電離用導電部14は、少なくとも1つの部分141を含む。各部分141の各々の周方向T1における寸法L2は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、寸法L2は比較的小さいため、ガス流通空間125a内にて、電界が大きい領域を形成するのに適する(すなわち電界集中を起こすのに適する)。そのため、ガス流通空間125a内のガスG1の電離を生じさせやすい。よって、非消耗電極123と被処理部材W1との間に、より確実に、アークa1を発生させることができる。これにより、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
<第1実施形態の第1変形例>
図5〜図7を用いて、本発明の第1実施形態の第1変形例について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、図5に示したトーチの正面図である。
本変形例は、電離用導電部14が、複数の部分141を含むのではなく、一対の挟持部材143,144を含む点において、図2〜図4を参照して説明した実施形態と異なる。一対の挟持部材143,144は、把持部147,148と弾性部材149とともに、いわゆるクリップを構成している。以下、具体的に説明する。
本変形例にかかるアーク処理システムは、ロボット1と、導電線21と、抵抗器22と、電源3と、被処理部材接続ケーブル41と、電極接続ケーブル42と、ガス供給装置5と、を備える(本変形例では図示略、図1参照)。ロボット1における電離用導電部14を除き、本変形例にかかるアーク処理システムにおける各構成は、アーク処理システムA1における各構成とそれぞれ同様であるから説明を省略する。
本変形例では、電離用導電部14はノズル125に配置されている。具体的には、電離用導電部14はノズル125の外側に配置されている。電離用導電部14は、非消耗電極123および被処理部材W1の間におけるアークa1の発生を促進させるために、設けられている。電離用導電部14は導電材料よりなる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。すなわち、図5においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも下側に位置している。本変形例においては更に、電離用導電部14は全体にわたって、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。また、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1(図7参照)は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。上述のようにノズル125は絶縁性の材料よりなる。そのため、電離用導電部14と、非消耗電極123の第1方向X1側の先端123aとの間に介在する絶縁性の部位125mを、ノズル125が有している。
本変形例とは異なり、電離用導電部14は保持部先端126aよりも第2方向X2側に位置していてもよい。
本変形例においては、図6に示すように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1(図5参照)による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1において電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。すなわち、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状ではない。
本変形例では、電離用導電部14は、一対の挟持部材143,144を含む挟持部材143は把持部147につながっており、挟持部材144は把持部148につながっている。一対の挟持部材143,144は、たとえばバネ等の弾性部材149の弾性によって、ノズル125を挟持している。
本変形例においても、電離用導電部14には、導電線21が電気的に接続している。
本変形例のアークa1を発生させる方法は、アーク処理システムA1に関して上述したのと同様であるから、説明を省略する。
次に、本変形例の作用効果について説明する。
本変形例においては、トーチ12は、ノズル125に配置された電離用導電部14を備える。被処理部材W1と非消耗電極123との間に電圧が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスG1を電離させる。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14には抵抗器22が導通している。抵抗器22の抵抗値は、100KΩ〜1MΩである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタート時に、非消耗電極123と電離用導電部14との間に火花放電が生じることを防止できる。
本変形例においては、図6に示したように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1にて電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
<第1実施形態の第2変形例>
図8〜図10を用いて、本発明の第1実施形態の第2変形例について説明する。
図8は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。図9は、図8のIX−IX線に沿う断面図である。図10は、図8に示したトーチの正面図である。
本変形例は、電離用導電部14が、複数の部分141を含むのではなく、リング状である点において、図2〜図4を参照して説明した実施形態と異なる。以下、具体的に説明する。
本変形例にかかるアーク処理システムは、ロボット1と、導電線21と、抵抗器22と、電源3と、被処理部材接続ケーブル41と、電極接続ケーブル42と、ガス供給装置5と、を備える(本変形例では図示略、図1参照)。ロボット1における電離用導電部14を除き、本変形例にかかるアーク処理システムにおける各構成は、アーク処理システムA1における各構成とそれぞれ同様であるから説明を省略する。
電離用導電部14はノズル125に配置されている。具体的には、電離用導電部14はノズル125の外側に配置されている。電離用導電部14は、非消耗電極123および被処理部材W1の間におけるアークa1の発生を促進させるために、設けられている。電離用導電部14は導電材料よりなる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。すなわち、図8においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも下側に位置している。本変形例においては更に、電離用導電部14は全体にわたって、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。また、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。上述のようにノズル125は絶縁性の材料よりなる。そのため、電離用導電部14と、非消耗電極123の第1方向X1側の先端123aとの間に介在する絶縁性の部位125mを、ノズル125が有している。
本変形例とは異なり、電離用導電部14は保持部先端126aよりも第2方向X2側に位置していてもよい。
本変形例においては、図9に示すように、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状である。
本変形例においても、電離用導電部14には、導電線21が電気的に接続している。
本変形例のアークa1を発生させる方法は、アーク処理システムA1に関して上述したのと同様であるから、説明を省略する。
次に、本変形例の作用効果について説明する。
本変形例においては、トーチ12は、ノズル125に配置された電離用導電部14を備える。被処理部材W1と非消耗電極123との間に電圧が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスG1を電離させる。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14には抵抗器22が導通している。抵抗器22の抵抗値は、100KΩ〜1MΩである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタート時に、非消耗電極123と電離用導電部14との間に火花放電が生じることを防止できる。
本変形例においては、電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
<第1実施形態の第3変形例>
図11〜図13を用いて、本発明の第1実施形態の第3変形例について説明する。
図11は、本発明の第1実施形態の第3変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。図12は、図11のXII−XII線に沿う断面図である。図13は、図11に示したトーチの正面図である。
本変形例は、電離用導電部14がノズル125の外側に配置されているのではなく、ノズル125の内部に配置されている点において、図2〜図4を参照して説明した実施形態と異なる。以下、具体的に説明する。
本変形例にかかるアーク処理システムは、ロボット1と、導電線21と、抵抗器22と、電源3と、被処理部材接続ケーブル41と、電極接続ケーブル42と、ガス供給装置5と、を備える(本変形例では図示略、図1参照)。ロボット1における電離用導電部14を除き、本変形例にかかるアーク処理システムにおける各構成は、アーク処理システムA1における各構成とそれぞれ同様であるから説明を省略する。
電離用導電部14はノズル125に配置されている。具体的には、電離用導電部14は、ノズル125の内部に配置されている。更に具体的には、電離用導電部14は、ノズル125を構成する部材に包囲されている。すなわち、電離用導電部14を包囲する絶縁性の部位125nを、ノズル125が有している。また、電離用導電部14は、ノズル125におけるノズル内周面125fよりも軸線Oxの径方向の外側に位置している。電離用導電部14は、非消耗電極123および被処理部材W1の間におけるアークa1の発生を促進させるために、設けられている。電離用導電部14は導電材料よりなる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。すなわち、図11においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも下側に位置している。本変形例においては更に、電離用導電部14は全体にわたって、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。また、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1(図13参照)は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。上述のようにノズル125は絶縁性の材料よりなる。そのため、電離用導電部14と、非消耗電極123の第1方向X1側の先端123aとの間に介在する絶縁性の部位125nを、ノズル125が有している。
本変形例とは異なり、電離用導電部14は保持部先端126aよりも第2方向X2側に位置していてもよい。
本変形例においては、図12に示すように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1(図11参照)による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1において電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。すなわち、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状ではない。本変形例では、電離用導電部14がリング状ではないが、本変形例とは異なり、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状であってもよい。
本変形例では、電離用導電部14は、少なくとも1つの部分141を有する。本変形例においては、電離用導電部14の個数は4つである。複数の部分141の各々の軸線Oxの周方向T1における寸法L2(図13参照)は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。本変形例においては、複数の部分141は、周方向T1に沿って互いに異なる位置に配置されている。
本変形例とは異なり、部分141の個数は4つには限定されず、2つや3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
本変形例においても、電離用導電部14には、導電線21が電気的に接続している。
本変形例のアークa1を発生させる方法は、アーク処理システムA1に関して上述したのと同様であるから、説明を省略する。
次に、本変形例の作用効果について説明する。
本変形例においては、トーチ12は、ノズル125に配置された電離用導電部14を備える。被処理部材W1と非消耗電極123との間に電圧が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスG1を電離させる。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14には抵抗器22が導通している。抵抗器22の抵抗値は、100KΩ〜1MΩである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタート時に、非消耗電極123と電離用導電部14との間に火花放電が生じることを防止できる。
本変形例においては、図12に示したように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1にて電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、少なくとも1つの部分141を含む。各部分141の各々の周方向T1における寸法L2は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
<第1実施形態の第4変形例>
図14〜図16を用いて、本発明の第1実施形態の第4変形例について説明する。
図14は、本発明の第1実施形態の第4変形例にかかるアーク処理システムにおけるトーチの断面図である。図15は、図14のXV−XV線に沿う断面図である。図16は、図14に示したトーチの正面図である。
本変形例は、電離用導電部14がノズル125の外側に配置されているのではなく、ノズル125の内部に配置されている点において、図2〜図4を参照して説明した実施形態と異なる。以下、具体的に説明する。
本変形例にかかるアーク処理システムは、ロボット1と、導電線21と、抵抗器22と、電源3と、被処理部材接続ケーブル41と、電極接続ケーブル42と、ガス供給装置5と、を備える(本変形例では図示略、図1参照)。ロボット1における電離用導電部14を除き、本変形例にかかるアーク処理システムにおける各構成は、アーク処理システムA1における各構成とそれぞれ同様であるから説明を省略する。
電離用導電部14はノズル125に配置されている。具体的には、電離用導電部14はノズル125の内部に配置されている。電離用導電部14は、非消耗電極123および被処理部材W1の間におけるアークa1の発生を促進させるために、設けられている。電離用導電部14は導電材料よりなる。
電離用導電部14はノズル125に配置されている。具体的には、電離用導電部14は、ノズル125の内部に配置されている。更に具体的には、電離用導電部14は、ノズル125を構成する部材に包囲されている。すなわち、電離用導電部14を包囲する絶縁性の部位125pを、ノズル125が有している。部位125pは、ノズル125における筒状の部分を構成する材料と同一材料よりなっていてもよいし、異なる材料よりなっていてもよい。電離用導電部14は、非消耗電極123および被処理部材W1の間におけるアークa1の発生を促進させるために、設けられている。電離用導電部14は導電材料よりなる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。すなわち、図14においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも下側に位置している。本変形例においては更に、電離用導電部14は全体にわたって、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。また、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1(図16参照)は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。上述のようにノズル125は絶縁性の材料よりなる。そのため、電離用導電部14と、非消耗電極123の第1方向X1側の先端123aとの間に介在する絶縁性の部位125pを、ノズル125が有している。
本変形例とは異なり、電離用導電部14は保持部先端126aよりも第2方向X2側に位置していてもよい。
本変形例においては、図15に示すように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1(図14参照)による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1において電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。すなわち、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状ではない。本変形例では、電離用導電部14がリング状ではないが、本変形例とは異なり、電離用導電部14がノズル125を囲むリング状であってもよい。
本変形例では、電離用導電部14は、少なくとも1つの部分141を有する。本変形例においては、電離用導電部14の個数は4つである。複数の部分141の各々の軸線Oxの周方向T1における寸法L2(図16参照)は、たとえば、0.2〜2.0mmであり、より好ましくは、0.5〜1.5mmである。本変形例においては、複数の部分141は、周方向T1に沿って互いに異なる位置に配置されている。
本変形例とは異なり、部分141の個数は4つには限定されず、2つや3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
本変形例においても、電離用導電部14には、導電線21が電気的に接続している。
本変形例のアークa1を発生させる方法は、アーク処理システムA1に関して上述したのと同様であるから、説明を省略する。
次に、本変形例の作用効果について説明する。
本変形例においては、トーチ12は、ノズル125に配置された電離用導電部14を備える。被処理部材W1と非消耗電極123との間に電圧が印加されたとき、電離用導電部14と非消耗電極123との電位差に起因する電界によって、ガス流通空間125aにおけるガスG1を電離させる。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、保持部先端126aよりも第1方向X1側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、ノズル先端125dよりも、第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置している。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14には抵抗器22が導通している。抵抗器22の抵抗値は、100KΩ〜1MΩである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタート時に、非消耗電極123と電離用導電部14との間に火花放電が生じることを防止できる。
本変形例においては、図15に示したように、ノズル125の軸線Oxに直交する仮想平面P1による断面において、ノズル125は、軸線Oxの周方向T1において電離用導電部14に重なる第1領域R1と、周方向T1にて電離用導電部14に重ならない第2領域R2と、を有する。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14の軸線Ox方向における寸法L1は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本変形例においては、電離用導電部14は、少なくとも1つの部分141を含む。各部分141の各々の周方向T1における寸法L2は、0.2〜2.0mmである。このような構成によると、第1実施形態にかかるアーク処理システムA1に関して述べたのと同様の理由により、アークスタートの成功確率を更に向上させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。なお、上述の絶縁性の部位125m、125nおよび125pの誘電率は、それぞれ、8〜11であることが好ましい。
1 ロボット
11 マニピュレータ
12 トーチ
121 トーチボディ
123 非消耗電極
123a 先端
125 ノズル
125a ガス流通空間
125b ガス噴出開口
125d ノズル先端
125f ノズル内周面
125m 部位
125n 部位
125p 部位
126 保持部
126a 保持部先端
126b 挿通孔
126c 外側面
127 コレット
127a 挿通孔
127b 先端
128 コレットボディ
128a 挿通孔
128b ボディ先端
128d ガス噴出孔
14 電離用導電部
141 部分
143 挟持部材
144 挟持部材
147 把持部
148 把持部
149 弾性部材
21 導電線
22 抵抗器
3 電源
31 電源回路
33 ガス流量制御回路
41 被処理部材接続ケーブル
42 電極接続ケーブル
5 ガス供給装置
a1 アーク
A1 アーク処理システム
G1 ガス
L1 寸法
L2 寸法
Ox 軸線
P1 仮想平面
R1 第1領域
R2 第2領域
Sg ガス流量制御信号
T1 周方向
W1 被処理部材
X1 第1方向
X2 第2方向

Claims (7)

  1. 非消耗電極が配置されるガス流通空間と、前記ガス流通空間に通じるガス噴出開口と、が形成されたノズル、および、
    前記ノズルに配置された電離用導電部、を備え、
    被処理部材と前記非消耗電極との間に電圧が印加されたとき、前記電離用導電部と前記非消耗電極との電位差に起因する電界によって、前記ガス流通空間におけるガスを電離させ、
    前記ノズルの軸線に直交する仮想平面による断面において、前記ノズルは、前記軸線の周方向において前記電離用導電部に重なる第1領域と、前記周方向にて前記電離用導電部に重ならない第2領域と、を有する、アーク処理システム用のトーチ。
  2. 前記電離用導電部の前記軸線方向における寸法は、0.2〜2.0mmである、請求項1に記載のトーチ。
  3. 前記電離用導電部は、少なくとも1つの固片部を含み、
    前記少なくとも1つの固片部の各々の前記周方向における寸法は、0.2〜2.0mmである、請求項1または請求項2に記載のトーチ。
  4. 前記電離用導電部は、前記ノズルを挟持する一対の挟持部材を含む、請求項1または請求項2に記載のトーチ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のトーチと、
    前記電離用導電部に導通する抵抗器と、を備え、
    前記抵抗器の抵抗値は、100KΩ〜1MΩである、アーク処理システム用の部品。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のトーチと、
    前記トーチを保持するマニピュレータと、を備える、ロボット。
  7. 請求項6に記載のロボットと、
    前記非消耗電極および前記被処理部材の間に電圧を印加する電源回路と、を備える、アーク処理システム。
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