JP2020081725A - 衣類乾燥機 - Google Patents

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仁 南井
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成典 波戸
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Abstract

【課題】異物の混入に対して適切に対応できる衣類乾燥機を実現する。【解決手段】ドラム5から流出する空気中のリントLをリント除去装置20で除去する衣類乾燥機1である。リント除去装置20は、横長なフィルタ部21と、フィルタ部21の内面に付着するリントLを掻き取って押し出すスクリュー23とを備える。スクリューが、軸部230と、その周りに設けられた螺旋状のブレード部231とを有している。軸部230が高剛性の素材で構成され、ブレード部231が弾性を有する低剛性の素材で構成されている。【選択図】図4

Description

開示する技術は、衣類乾燥機に関し、その中でも特に、スクリュー式のリント除去装置を備えた衣類乾燥機に関する。なお、ここでいう衣類乾燥機は乾燥機能付きの洗濯機も含む。
断面が円弧状の横長なフィルタでリント(糸屑)を捕集し、捕集したリントを、スクリューで掻き取って押し出すことによってフィルタから除去する、スクリュー式のリント除去装置(単に、リント除去装置ともいう)が知られている。このようなリント除去装置を乾燥空気の循環経路の途中に備えた衣類乾燥機は、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されている。
特許文献1には、リント除去装置への異物の進入を防止でき、また、リント除去装置から排出されるリントの容積を低減できる衣類乾燥機が開示されている。
特許文献2には、バネ等でスクリューをフィルタに付勢することによって、フィルタに付着したリントを確実に移送できるようにした衣類乾燥機が開示されている。特許文献2にはまた、スクリューの両端部を支持するだけでなく、スクリューを片持ち支持する形態も開示されている。
特許文献3には、スクリューの周縁部を弾性部材で構成することが開示されている。
特開2018−134385号公報 特開2013−123445号公報 特開2016−101373号公報
衣類乾燥機では、循環する空気中に、リントだけでなく、衣類から外れたボタンやピンなどの異物が混入する場合がある。
このような異物がスクリュー式のリント除去装置に入り込んでしまうと、スクリューでリントを押し出す際に、異物を噛み込んで、フィルタを破損したりスクリューが回転不能になったりするおそれがある。
特許文献1のように、リント除去装置への異物の進入それ自体を防止することは有効であるが、それでも異物の進入を完全に防止することはできない。特許文献2の衣類乾燥機では、スクリューの全体が硬い樹脂で形成されているため、異物の噛み込みには対応できない。同様に、特許文献3のように、スクリューの周縁部だけを弾性部材で構成するだけでは、異物の噛み込みに対して適切な対応はできない。
スクリューの全体を柔軟にすれば、異物が混入しても、スクリューが撓むので、フィルタの破損や噛み込みを低減できる。しかし、スクリューとフィルタとの間には、ある程度の「遊び」が必要であるし、量産に伴う寸法のばらつきも存在するため、そうした場合、リントを適切に掻き取って移送できなくなるおそれがある。
更に、掻き取ったリントはコンパクトに集積したいという要望がある。そのため、特許文献3の衣類乾燥機では、スクリューでリントを押し出す際に、リントが圧縮されるようになっている。スクリューの全体が柔軟であると、リントの圧縮が困難になる。
開示する技術の主たる目的は、異物の混入に対して適切に対応でき、安定して運転できる衣類乾燥機を実現することにある。
開示する技術は、衣類を収容したドラムに乾燥した空気を送り込み、前記ドラムから流出する空気中のリントをリント除去装置で除去する衣類乾燥機に関する。
前記リント除去装置は、断面が円弧状の内面を空気の流出路の上流側に向けた横長なフィルタ部と、前記フィルタ部に沿って配置され、回転することによって前記フィルタ部の内面に付着するリントを掻き取って押し出すスクリューと、を備える。
前記スクリューが、軸受部に回転可能に支持された状態で前記フィルタ部に沿って延びる軸部と、その周りに設けられた螺旋状のブレード部とを有し、前記軸部が高剛性の素材で構成され、前記ブレード部が弾性を有する低剛性の素材で構成されている。
すなわち、この衣類乾燥機によれば、リントを掻き取って押し出すスクリューが、高剛性の軸部と、弾性を有して低剛性なブレード部とを有しているので、軸部それ自体は、曲がったり捩れたりすることはほとんどない。一方、ブレード部は比較的容易に撓み変形する。従って、リントは適切に掻き取って押し出しながら、異物を噛み込んでも、ブレード部が撓み変形するので、噛み込みを解消することができる。フィルタ部の破損やスクリューの回転不能を防止できる。
前記衣類乾燥機はまた、前記スクリューと前記フィルタ部とが、所定の空隙を隔てて対向するように、前記スクリューの外径と前記フィルタ部の内径とが設定されており、前記スクリューを回転させる駆動部が、前記フィルタ部の一方の端部の側に設置されている、としてもよい。
そうすれば、スクリューとフィルタ部との間の摩擦抵抗を低減しながら、安定してリントを掻き取って押し出すことができる。異物の噛み込みも抑制できる。リントが押し出される方向の逆側に駆動部が設置されているので、比較的容易に構成できる。
前記衣類乾燥機はまた、前記軸部が金属で構成されている、としてもよい。
金属であれば、容易に高剛性にできる。重量も大きいので、自重により、フィルタ部等にスクリューを適度な圧力で接触させることができる。
前記衣類乾燥機はまた、前記スクリューによって押し出される前記リントを圧縮するリント圧縮部が、前記フィルタ部の他方の端部に連続するように設けられている、としてもよい。
そうすれば、リントをコンパクトな形状にして排出できる。
前記衣類乾燥機はまた、前記ブレード部が、前記軸部が延びる軸方向に、剛性が異なる部分を有している、としてもよい。
フィルタ部よりもリント圧縮部においてブレード部の剛性を高くすれば、リントを効果的に圧縮できる。
その場合、前記ブレード部の全体が同じ素材で構成されている、としてもよい。
そうすれば、部材コストを低減できる。
その場合、前記ブレード部が、前記軸方向に、厚みが異なる部分を有している、としてもよい。
そうすれば、同じ素材でも、簡単に剛性を異ならせることができる。
前記衣類乾燥機はまた、前記スクリューに外力が作用した場合に、前記軸受部を支点にして前記スクリューが揺動する、としてもよい。
そうすれば、異物を噛み込んでも、スクリューの揺動によって異物の噛み込みを解消できる。
その場合、前記軸受部が、前記フィルタ部の一方の端部の側にのみ設置されていて、前記スクリューが片持ち支持されている、としてもよい。
スクリューを効果的に揺動できるし、フィルタ部等にスクリューを適度な圧力で接触させることができる。
前記衣類乾燥機はまた、前記スクリューに外力が作用した場合に、その外力に応じて前記スクリューが変形する、としてもよい。
そうすれば、異物の噛み込みを抑制できる。
前記衣類乾燥機はまた、前記リント圧縮部が、前記フィルタ部の側から次第に内径が小さくなるテーパ面を有している、としてもよい。
そうすれば、リント除去装置から排出されるリントを効果的に圧縮して、小さくできる。
前記衣類乾燥機はまた、前記リント圧縮部が、前記ブレード部に向かって突出して前記リントの圧縮を補助する圧縮補助部を有している、としてもよい。
そうすれば、よりいっそうリントを効果的に圧縮して、小さくできる。
前記衣類乾燥機はまた、前記スクリューが回転不能になった場合に、前記スクリューを逆向きに回転させる、としてもよい。
そうすれば、異物の噛み込みを解消できるので、スクリューが回転不能になっても、自動的に解消できる。
その場合、前記リント圧縮部が、前記ブレード部に向かって突出して前記リントの圧縮を補助する圧縮補助部を有し、前記スクリューの回転方向が逆転することにより、前記圧縮補助部が、前記ブレード部の側から離れるように構成されている、としてもよい。
そうすれば、リントの圧縮と、異物の噛み込みの解消とを、効果的に両立できる。
開示する技術によれば、異物の混入に対しても適切に対応でき、安定して運転できる衣類乾燥機が実現できる。
開示する技術を適用した衣類乾燥機の具体的構造を示す概略断面図である。 図1に対応して衣類乾燥機の空気循環構造を示す模式図である。 要部の具体的な構造を示す概略図である。 リント除去装置の構造を示す概略図である。 リント除去装置の動作を説明するための図である。 異物が入り込んだ時のリント除去装置の動作を説明するための図である。 圧縮補助部の構造を説明するための図である。 図7Aにおける矢印X−X線での概略断面図である。
以下、開示する技術の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
<衣類乾燥機の全体構造>
図1および図2に、開示する技術を適用した衣類乾燥機1を示す。図1は、衣類乾燥機1の具体的な構造を表しており、図2は、衣類乾燥機1の構造を模式的に表している。衣類乾燥機1は、空気循環型である。なお、開示する技術は、空気が循環しない空気非循環型の衣類乾燥機にも適用できる。
衣類乾燥機1は、空気を循環させながら乾燥した空気を生成し、その乾燥した空気を、衣類を収容したドラム5に送り込むことにより、衣類を乾燥する。衣類乾燥機1は、ほぼ直方体状の筐体2を有している。筐体2の前面のやや上部には、衣類を出し入れする投入口3が形成されている。投入口3にはヒンジ(図示せず)を介して扉4が取り付けられている。投入口3は、その扉4によって開閉される。
筐体2の内部には、有底円筒形状を有するドラム5が設置されている。衣類が投入できるように、ドラム5は、その開口部分を投入口3と対向させている。ドラム5は、例えば2個のローラ(図示せず)で回転可能に支持されている。前後方向に延びる回転軸Jを中心にドラム5は回転する。
筐体2における投入口3の下側部位には、ドラム5から流出する空気を受け入れる排気口10が設けられている。排気口10は、通風ダクト11(空気の流出路)に連通している。その通風ダクト11の下流側に、ドラム5から流出する空気に含まれているリント(糸屑)を捕集して除去するリント除去装置20が配設されている(リント除去装置20の詳細は後述)。
筐体2におけるドラム5の下方部位には、熱交換器6が設置されている。熱交換器6は、通風ダクト11におけるリント除去装置20の下流側の部位に配置されている。通風ダクト11を流れる空気は、熱交換器6によって乾燥される。熱交換器6で乾燥された空気は、送風ファン7により、ドラム5の後面に設けられた給気口5aから、ドラム5の内部に送り込まれる。
図2に白抜き矢印で示すように、ドラム5で衣類から水分を吸収した空気は、排気口10を通じて通風ダクト11に流出し、リント除去装置20を経て、熱交換器6で除湿されて乾燥される。そうして、再度、ドラム5に送り込まれる。そうして、空気は循環する。
筐体2の上部には、コントローラ8(制御装置)が設置されている。コントローラ8は、衣類乾燥機1の運転を総合的に制御する。コントローラ8は、CPU、メモリなどのハードウエアと、制御プログラムや各種データなどのソフトウエアとで構成されている。コントローラ8は、詳細は後述するが、リント除去装置20の作動を制御し、スクリュー23が回転不能になった場合に、スクリュー23を逆向きに回転させる処理(ロック解消処理)を実行する。
<リント除去装置20>
図3に、排気口10からリント除去装置20に至る通風ダクト11の部分、およびリント除去装置20の具体的な構造を示す。また、図4に、リント除去装置20の拡大図を示す。
リント除去装置20は、排気口10の下方に配置されている。リント除去装置20の後方には、熱交換器6に向かう下流側の通風ダクト11への開口11aが位置している。リント除去装置20の左側の端部の上方には、リント除去装置20を駆動する駆動部40が設置されている。
リント除去装置20に隣接した位置(衣類乾燥機1を前方から見て右側)には、リント除去装置20で除去されたリントを収容するリントボックス60が設置されている。リントボックス60は、筐体2から脱着可能である。
リント除去装置20は、フィルタ部21、リント圧縮部22、スクリュー23、軸受部24などで構成されている。フィルタ部21は、フィルタ装着枠21aとフィルタ21bとを有している。
フィルタ装着枠21aは、格子状の樹脂製枠からなり、円弧状の断面を有する横長な形状に形成されている(図7A参照)。フィルタ装着枠21aは、その開口側を上方に向け、左右方向に延びて通風ダクト11を横切るように設置されている。
フィルタ21bは、網目を有するシート状の部材からなり、フィルタ装着枠21aの内側に取り付けられている。それにより、フィルタ部21は、フィルタ21bが装着されている断面が円弧状のフィルタ装着枠21aの内面を、空気の流れの上流側に向けた状態で、通風ダクト11の途中に配置されている。
従って、ドラム5から流出する空気に含まれているリントは、フィルタ部21の内面に付着する。なお、フィルタ部21はリント除去装置20から取り外し可能である。
リント圧縮部22は、フィルタ部21の右側に連続するように設けられている。具体的には、リント圧縮部22は、フィルタ部21の右端部に一体的に連なっており、そこから右方に延びるように設けられている。リント圧縮部22は、切頭円錐形状を有しており、フィルタ部21の側から右側に離れるに従って次第に内径が小さくなるテーパ面22aを有している。
リント圧縮部22の右端には、リント排出口22bが開口している。リント排出口22bは、リントボックス60に連通している。リント圧縮部22にはまた、圧縮補助部80が設けられているが、これについては後述する。
スクリュー23は、フィルタ部21およびリント圧縮部22の内側に配置されていて、これらフィルタ部21およびリント圧縮部22に沿って左右方向に延びるように配置されている。スクリュー23は、軸部230と、その周りに設けられたブレード部231とを有している。
軸部230は、棒状の部材からなり、フィルタ部21およびリント圧縮部22に沿って延びている。ブレード部231は、軸部230に沿って螺旋状に延びており、軸部230における右側の端部から左側の端部の一部を除いた部分にわたって設けられている。ブレード部231は、基端(軸部230の側の端)から先端に向かうに従って、厚みが次第に小さくなるように形成されている。軸部230は、その左側の端部に、ブレード部231の無い軸支部230aを有している。
このリント除去装置20では、軸部230が高剛性の素材で構成されていて、ブレード部231が弾性を有する低剛性の素材で構成されている。具体的には、軸部230は、スチール等の金属棒で構成されており、ブレード部231は、ゴムや、弾性を有するプラスチックなどで構成されている。
軸受部24は、スクリュー23を回転可能に軸支する機能を有し、このリント除去装置20では、フィルタ部21の左側に、1つだけ設けられている。すなわち、スクリュー23は片持ち支持されている。
軸受部24は、フィルタ装着枠21aの左側の端部と一体化するように構成されている。軸受部24は樹脂製である。軸受部24は、軸支部230aが挿通される軸孔24aを有している。軸支部230aと軸孔24aとの間には、僅かな隙間が存在するように設定されている(すきまばめ)。
金属製の軸部230は、それ自体が比較的重いので、片持ち支持されたスクリュー23には、軸受部24を支点にして右下側に傾かせる、適度な力が作用する。それにより、スクリュー23の下端部は、フィルタ部21およびリント圧縮部22に適度な圧力で接触する。
軸部230の左端部は、軸受部24から左側に突出している。その軸部230の突出部分に、大径の従動ギア25が固定されている。駆動部40には、コントローラ8によって制御されるモータ41が設置されている。そのモータ41のシャフトには、小径の主動ギア42が固定されており、その主動ギア42が従動ギア25と噛み合っている。
それにより、コントローラ8の制御に従ってモータ41が回転駆動されることにより、相対的に小さい回転数で、スクリュー23が軸Aを中心に回転する。モータ41は、正転および逆転が可能に構成されている。
ブレード部231は、軸方向(軸Aが延びる方向)に、剛性が異なる部分を有している。具体的には、フィルタ部21の内側に位置している部分(フィルタ側ブレード部231a)と、リント圧縮部22の内側に位置している部分(出口側ブレード部231b)とでは、剛性が異なり、出口側ブレード部231bの方がフィルタ側ブレード部231aよりも剛性が高く設定されている。
本実施形態の場合、ブレード部231の全体が同じ素材で構成されていて、出口側ブレード部231bの方が、フィルタ側ブレード部231aよりもブレードの厚みが大きく形成されている。例えば、図4に拡大して示すように、フィルタ側ブレード部231aでは、基端側の厚みW1が約3mmとなり、先端側の厚みW2が約1mmとなっているのに対し、出口側ブレード部231bでは、基端側の厚みW3が約6mmとなり、先端側の厚みW4が約3mmとなっている。
スクリュー23と、フィルタ部21およびリント圧縮部22とが、所定の空隙を隔てて対向するように、スクリュー23の外径と、フィルタ部21およびリント圧縮部22の内径とが設定されている。すなわち、ブレード部231の剛性に合わせて、スクリュー23と、フィルタ21bおよびテーパ面22aの各々との間のクリアランスが設定されている。なお、出口側ブレード部231bは、テーパ面22aに合わせて、右方に向かうに従って、次第に外径が小さくなるように形成されている。
フィルタ21bとスクリュー23との間のクリアランスD1は、テーパ面22aとスクリュー23との間のクリアランスD2と異なっている。具体的には、フィルタ21bとスクリュー23との間のクリアランスD1は、テーパ面22aとスクリュー23との間のクリアランスD2よりも小さく設定されている。例えば、前者は0.5mm以下に設定され、後者は1mm程度に設定されている。
<リント除去装置20の動作>
リント除去装置20は、状況によっては乾燥処理の最中に駆動される場合もあり得るが、主に、乾燥処理が終了した後、つまり乾燥した空気の循環が停止している時に駆動される。
図5を参照しながら、リント除去装置20の動作について説明する。乾燥処理の終了後には、図5の上図に示すように、乾燥した空気に含まれていたリントLがフィルタ21bの表面に付着する。図5の中図に示すように、コントローラ8は、モータ41を駆動して、リントLを押し出す方向にスクリュー23を回転させる。
軸部230は、高剛性の金属棒で構成されているため、軸部230それ自体は、曲がったり捩れたりすることはほとんどない。それに対し、フィルタ側ブレード部231aは、弾性を有し、フィルタ21bに薄く堆積したリントLを掻き取ることができる程度の低剛性に設定されている。また、フィルタ側ブレード部231aとフィルタ21bとの間のクリアランスは、比較的小さく設定されている。片持ち支持されたスクリュー23の自重により、フィルタ側ブレード部231aは、フィルタ21bに適度な圧力で接触している。
従って、スクリュー23は、摩擦抵抗による強い回転負荷を受けることなく、フィルタ21bの内面に付着したリントLを、効果的に掻き取りながら、次第にリント圧縮部22の方へと押し出ていく。
そうして、フィルタ21bに付着したリントLは、リント圧縮部22に集められる。リント圧縮部22は、テーパ面22aを有しているため、リント圧縮部22に集められたリントLは、図5の下図に示すように、リント圧縮部22で圧縮されて小さくされる。
出口側ブレード部231bは、リントLを圧縮できる程度の剛性に設定されている。すなわち、リントLを圧縮する程度では、大きく変形することがないように設定されている。従って、リントLは、出口側ブレード部231bとテーパ面22aとによって小さく圧縮された後、リントボックス60へと押し出される。
このように、コントローラ8は、所定の時間、スクリュー23を回転させることで、乾燥処理が行われる度に、フィルタ21bからリントLを除去する。そうして、フィルタ21bの目詰まりを抑制している。
ところで、循環する空気中には、リントLだけでなく、衣類から外れたボタンやピンなどの異物も混入する場合がある。このような異物がリント除去装置20に入り込んでしまうと、スクリュー23でリントLを押し出す際に、異物を噛み込んで、フィルタ21bを破損したりスクリュー23が回転不能になったりするおそれがある。
それに対し、このリント除去装置20では、そのような不具合が抑制できるように工夫されている。図6を参照しながら、その内容について説明する。
例えば、図6の上図に示すように、リント除去装置20にボタンBが入り込んだと仮定する。回転するブレード部231とフィルタ21bとの間にボタンBを噛み込むと、回転するブレード部231によってボタンBがフィルタ21bに強く擦り付けられてフィルタ21bが破損するおそれがある。また、スクリュー23が回転不能になり、モータ41がロックしてしまうおそれもある。
それに対し、このスクリュー23のフィルタ側ブレード部231aは、弾性を有する低剛性な素材で構成されているうえに、厚みが小さく設定されているので、フィルタ側ブレード部231aに外力が作用した場合には、フィルタ側ブレード部231aは、その外力に応じて容易に撓み変形する。
従って、図6の中図に示すように、回転するブレード部231とフィルタ21bとの間にボタンBを噛み込んでも、フィルタ側ブレード部231aが容易に撓み変形するので、ボタンBがフィルタ21bを押し付ける力が緩和される。フィルタ21bの破損を抑止できる。
噛み込んだボタンBは、フィルタ側ブレード部231aによって弾かれるので、ブレード部231とフィルタ21bとの間から取り除くことができる。従って、フィルタ21bの破損を抑制でき、ボタンBもリントLとともに移送することができる。
更に、このリント除去装置20では、スクリュー23が、すきまばめされた軸受部24によって片持ち支持されているため、図6の下図に実線および二点鎖線で示すように、スクリュー23に外力が作用した場合に、軸受部24を支点にしてスクリュー23は揺動する。
従って、回転するブレード部231とフィルタ21bとの間にボタンBを噛み込むと、フィルタ側ブレード部231aの変形に加えて、スクリュー23が揺動するので、よりいっそう、フィルタ21bの破損が抑制でき、ボタンBをリントLとともに移動させることができる。
(圧縮補助部80)
上述したように、リント圧縮部22には圧縮補助部80が設けられている。図7Aおよび図7Bに、圧縮補助部80の構造を示す。
本実施形態の圧縮補助部80は、テーパ面22aに沿って延びる圧縮リブ81と、圧縮リブ81を回動可能に支持するリブ支持部82と、圧縮リブ81の回動を規制するリブ規制部83とを有している。
圧縮リブ81は、出口側ブレード部231bに向かって先端部が突出する位置(作用位置、図7Aの拡大図等に実線で示す位置)と、出口側ブレード部231bから先端部が離れる位置(非作用位置、図7Aの拡大図に二点鎖線で示す位置)とに回動可能に構成されている。
リブ規制部83は、スクリュー23が、リントLを押し出す方向に回転(正転、矢印Y1で示す)した場合に、圧縮リブ81が作用位置に位置するように、その回動を規制する。一方、スクリュー23の回転方向が逆転した場合には、圧縮リブ81が回動して非作用位置に位置するように構成されている。
従って、スクリュー23が正転している時には、リント圧縮部22に集められたリントLは、テーパ面22aと出口側ブレード部231bによって圧縮されるが、その際、リントLは、更に圧縮リブ81で堰き止められるため、よりいっそう圧縮され易くなる。また、圧縮リブ81は、テーパ面22aに沿って延びているので、圧縮されたリントLは、圧縮リブ81によってリント排出口22bへと誘導される。
一方、異物がリント圧縮部22に移送されてきた場合、このような圧縮補助部80が設けられていると、圧縮補助部80と出口側ブレード部231bとの間に異物を噛み込んで、モータ41がロックするおそれがある。
それに対し、この衣類乾燥機1では、コントローラ8は、スクリュー23を逆向きに回転させる処理(ロック解消処理)を実行する。具体的には、コントローラ8は、衣類乾燥機1の運転中、モータ41の電流値が所定の閾値を超えるか否かを判断している。そして、モータ41の電流値がその閾値を超えた場合には、モータ41がロックしたと判断し、所定の時間、スクリュー23を逆向きに回転させる。
そうすると、圧縮リブ81は、非作用位置に変位するので、異物の噛み込みが解消される。そうして、コントローラ8は、再度、スクリュー23を正転させる。ロック解消処理は、適宜、繰り返し実行されるので、異物はリントLとともにリントボックス60に排出される。
なお、開示する技術にかかる衣類乾燥機は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
フィルタ側ブレード部231aと出口側ブレード部231bとは、異なる素材で構成してもよい。その場合、これらの厚みは同じであってもよい。
圧縮補助部80は、弾性変形可能な部材で構成してもよい。例えば、圧縮リブ81をゴムで構成してもよい。その場合、圧縮リブ81をテーパ面22aに固定して、リブ支持部82やリブ規制部83を省略してもよい。
ブレード部231の剛性、厚み、素材等は、フィルタ部21とリント圧縮部22とを境に断続的に異なるのではなく、連続的に異なるようにしてもよい。スクリュー23と、フィルタ部21およびリント圧縮部22との間のクリアランスも同様である。
1 衣類乾燥機
2 筐体
5 ドラム
20 リント除去装置
21 フィルタ部
22 リント圧縮部
22a テーパ面
23 スクリュー
24 軸受部
40 駆動部
60 リントボックス
230 軸部
231 ブレード部
231a フィルタ側ブレード部
231b 出口側ブレード部
80 圧縮補助部

Claims (14)

  1. 衣類を収容したドラムに乾燥した空気を送り込み、前記ドラムから流出する空気中のリントをリント除去装置で除去する衣類乾燥機であって、
    前記リント除去装置は、
    断面が円弧状の内面を空気の流出路の上流側に向けた横長なフィルタ部と、
    前記フィルタ部に沿って配置され、回転することによって前記フィルタ部の内面に付着するリントを掻き取って押し出すスクリューと、
    を備え、
    前記スクリューが、軸受部に回転可能に支持された状態で前記フィルタ部に沿って延びる軸部と、その周りに設けられた螺旋状のブレード部とを有し、
    前記軸部が高剛性の素材で構成され、前記ブレード部が弾性を有する低剛性の素材で構成されている、衣類乾燥機。
  2. 請求項1に記載の衣類乾燥機において、
    前記スクリューと前記フィルタ部とが、所定の空隙を隔てて対向するように、前記スクリューの外径と前記フィルタ部の内径とが設定されており、
    前記スクリューを回転させる駆動部が、前記フィルタ部の一方の端部の側に設置されている、衣類乾燥機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の衣類乾燥機において、
    前記軸部が金属で構成されている、衣類乾燥機。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の衣類乾燥機において、
    前記スクリューによって押し出される前記リントを圧縮するリント圧縮部が、前記フィルタ部の他方の端部に連続するように設けられている、衣類乾燥機。
  5. 請求項4に記載の衣類乾燥機において、
    前記ブレード部が、前記軸部が延びる軸方向に、剛性が異なる部分を有している、衣類乾燥機。
  6. 請求項5に記載の衣類乾燥機において、
    前記ブレード部の全体が同じ素材で構成されている、衣類乾燥機。
  7. 請求項6に記載の衣類乾燥機において、
    前記ブレード部が、前記軸方向に、厚みが異なる部分を有している、衣類乾燥機。
  8. 請求項1に記載の衣類乾燥機において、
    前記スクリューに外力が作用した場合に、前記軸受部を支点にして前記スクリューが揺動する、衣類乾燥機。
  9. 請求項8に記載の衣類乾燥機において、
    前記軸受部が、前記フィルタ部の一方の端部の側にのみ設置されていて、前記スクリューが片持ち支持されている、衣類乾燥機。
  10. 請求項1に記載の衣類乾燥機において、
    前記スクリューに外力が作用した場合に、その外力に応じて前記スクリューが変形する衣類乾燥機。
  11. 請求項4に記載の衣類乾燥機において、
    前記リント圧縮部が、前記フィルタ部の側から次第に内径が小さくなるテーパ面を有している、衣類乾燥機。
  12. 請求項4に記載の衣類乾燥機において、
    前記リント圧縮部が、前記ブレード部に向かって突出して前記リントの圧縮を補助する圧縮補助部を有している、衣類乾燥機。
  13. 請求項4に記載の衣類乾燥機において、
    前記スクリューが回転不能になった場合に、前記スクリューを逆向きに回転させる、衣類乾燥機。
  14. 請求項13に記載の衣類乾燥機において、
    前記リント圧縮部が、前記ブレード部に向かって突出して前記リントの圧縮を補助する圧縮補助部を有し、
    前記スクリューの回転方向が逆転することにより、前記圧縮補助部が、前記ブレード部の側から離れるように構成されている、衣類乾燥機。
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