JP2020079638A - 作業機の油圧システム - Google Patents

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Abstract

【課題】シリーズ回路において、複数の制御弁(油圧アクチュエータ)を容易に作動させることができるようにする。【解決手段】作業機の油圧システムは、第1制御弁20Aと、第2制御弁20Bと、第1制御弁と第1油圧アクチュエータ14を接続し且つ第1油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる戻り油路と、第1制御弁に設けられ且つ戻り油路に連通する第1内部油路61aと、第1内部油路に連通し且つ第1制御弁と第2制御弁とを接続する外部油路61bと、作動油を排出する排出油路24a〜24cと、外部油路から分岐し且つ排出油路に接続された分岐油路100と、排出油路に設けられ且つ当該排出油路の圧力を上昇させる圧力上昇部130と、第1制御弁に設けられ且つ第1制御弁が所定の切換位置に切り換えられた場合に外部油路に連通して、当該外部油路に流れた作動油を第1制御弁に返す第2内部油路150と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機の油圧システムに関する。
従来、作業機の油圧システムとして特許文献1が知られている。特許文献1の作業機は、ブームと、バケットと、ブームを作動させるブームシリンダと、バケットを作動させるバケットシリンダと、予備アタッチメントを作動させる予備アクチュエータと、ブームシリンダの伸縮を制御する第1制御弁と、バケットシリンダの伸縮を制御する第2制御弁と、予備アクチュエータを作動させる第3制御弁を備えている。
特開2010−270527号公報
特許文献1の作業機では、第1制御弁のスプールを操作していない場合には、ポンプから吐出した作動油は、第1制御弁の内部を通過して第2制御弁及び第3制御弁に供給することが可能である。一方、第1制御弁のスプールを操作した場合では、ブームシリンダから第1制御弁に戻ってきた作動油(戻り油)を、第2制御弁及び第3制御弁に供給することが可能である。即ち、特許文献1の作業機の油圧回路では、上流側の制御弁(第1制御弁)から戻って来た戻り油を下流側の制御弁(第2制御弁、第3制御弁)に供給するシリーズ回路を採用している。しかしながら、シリーズ回路では、上流側の制御弁の作動時などに、下流側の第2制御弁や第3制御弁等を作動させることが難しくなる場合があった。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、シリーズ回路において、複数の制御弁(油圧アクチュエータ)を容易に作動させることができる作業機の油圧システムを提供することを目的とする。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下の通りである。
本発明の作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、第1油圧アクチュエータと、第2油圧アクチュエータと、所定の切換位置に切り換えられた場合に前記第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、前記第1制御弁の下流側に設けられ、且つ、前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータを接続し且つ前記第1油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる戻り油路と、前記第1制御弁に設けられ且つ前記戻り油路に連通する第1内部油路と、
前記第1内部油路に連通し且つ前記第1制御弁と前記第2制御弁とを接続する外部油路と、前記作動油を排出する排出油路と、前記外部油路から分岐し且つ前記排出油路に接続された分岐油路と、前記排出油路に設けられ且つ当該排出油路の圧力を上昇させる圧力上昇部と、前記第1制御弁に設けられ且つ前記第1制御弁が所定の切換位置に切り換えられた場合に前記外部油路に連通して、当該外部油路に流れた作動油を前記第1制御弁に返す第2内部油路と、を備えている。
前記第1制御弁は、入力ポートと、出力ポートとを有し、且つ、前記戻り油とは異なる作動油を前記第1制御弁を通過させて前記第2制御弁に流す中立位置と、前記所定の切換位置であって前記第1内部油路の前記戻り油を前記外部油路に流し且つ前記第2内部油路の作動油を前記入力ポートに返す側部位置とに切換可能である。
作業機の油圧システムは、ブームを備え、前記第1油圧アクチュエータは、前記ブームを作動させるブームシリンダであり、前記側部位置は、前記ブームを上昇させるべく前記ブームシリンダを作動させる上昇位置と、前記ブームを下降させるべく前記ブームシリンダを作動させる下降位置とを含んでいる。
前記第1制御弁が前記下降位置にある場合に前記戻り油を前記第1内部油路及び前記外部油路に通過させ、且つ、前記排出油路の作動油を前記分岐油路を経て前記外部油路及び前記第2内部油路に通過させる。
作業機の油圧システムは、バケットを備え、前記第1油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第1制御弁は、前記バケットを掬い動作させるべく前記バケットシリンダを作動させる掬い位置と、前記バケットをダンプ動作させるべく前記バケットシリンダを作動させるダンプ位置とを含んでいる。
前記第1制御弁が前記掬い位置にある場合に前記戻り油を前記第1内部油路及び前記外部油路に通過させ、且つ、前記排出油路の作動油を、前記分岐油路を経て前記外部油路及び前記第2内部油路に通過させる。
本発明によれば、シリーズ回路において、複数の制御弁(油圧アクチュエータ)を容易に作動させることができる。
第1実施形態における油圧システム(油圧回路)を示す図である。 第2実施形態における油圧システム(油圧回路)を示す図である。 逆止弁及び戻り排出油路の第1変形例を示す図である。 逆止弁及び戻り排出油路の第2変形例を示す図である。 作業機として例示するスキッドステアローダの全体図である。
以下、本発明に係る作業機の油圧システム及びこの油圧システムを備えた作業機の好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
まず、作業機から説明する。
図4は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図4では、作業機の一例として、スキッドステアローダを示している。但し、本発明に係る作業機はスキッドステローダに限定されず、例えば、コンパクトトラックローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
作業機1は、機体(車体)2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5A、5Bとを備えている。
機体2上にはキャビン3が搭載されている。キャビン3内の後部には運転席8が設けられている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図4の左側)を前方、運転者の後側(図4の右側)を後方、運転者の左側(図4の手前側)を左方、運転者の右側(図4の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
キャビン3は、機体2に搭載されている。作業装置4は、作業を行う装置で、機体2に装備されている。走行装置5Aは、機体2を走行させる装置であって、機体2の左側に設けられている。走行装置5Bは、機体2を走行させる装置であって、機体2の右側に設けられている。機体2内の後部には原動機7が設けられている。原動機7は、ディーゼルエンジン(エンジン)である。なお、原動機7は、エンジンに限定されず、電動モータ等であってもよい。
運転席8の左側には、走行レバー9Lが設けられている。運転席8の右側には、走行レバー9Rが設けられている。左側の走行レバー9Lは、左側の走行装置5Aを操作するものであり、右側の走行レバー9Rは、右側の走行装置5Bを操作するものである。
作業装置4は、ブーム10と、バケット11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ17とを有する。ブーム10は、機体2の側方に設けられている。バケット11は、ブーム10の先端(前端)に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10の基部(後部)を支持する。ブームシリンダ14は、ブーム10を上又は下に駆動する。
詳しくは、リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、機体2の側方に設けられている。リフトリンク12の上部は、ブーム10の基部の上部に枢支されている。リフトリンク12の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。制御リンク13は、リフトリンク12の前方に配置されている。制御リンク13の一端は、ブーム10の基部の下部に枢支され、他端が機体2に枢支されている。
ブームシリンダ14は、ブーム10を昇降する油圧シリンダである。ブームシリンダ14の上部は、ブーム10の基部の前部に枢支されている。ブームシリンダ14の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。ブームシリンダ14を伸縮すれば、リフトリンク12及び制御リンク13によってブーム10が上下に揺動する。バケットシリンダ17は、バケット11を揺動する油圧シリンダである。バケットシリンダ17は、バケット11の左部と左のブームとの間を連結すると共に、バケット11の右部と右のブームとの間を連結する。なお、ブーム10の先端(前部)には、バケット11の代わりに、油圧圧砕機,油圧ブレーカ,アングルブルーム,オーガー,パレットフォーク,スイーパー,モア,スノウブロア等の予備アタッチメントが装着可能とされている。
走行装置5A,5Bは、本実施形態では前輪5F及び後輪5Rを有する車輪型の走行装置5A,5Bが採用されている。なお、走行装置5A,5Bとしてクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置5A,5Bを採用してもよい。
次に、スキッドステアローダ1に設けられた作業系油圧回路(作業系油圧システム)について説明する。
作業系油圧システムは、ブーム10、バケット11、予備アタッチメント等を作動させるシステムであって、図1に示すように、複数の制御弁20と、作業系の油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)P1を備えている。また、第1油圧ポンプP1とは異なる第2油圧ポンプP2を備えている。
第1油圧ポンプP1は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。第2油圧ポンプP2は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。なお、第2油圧ポンプP2は、油圧システムにおいて、信号用の作動油、制御用の作動油を吐出する。信号用の作動油及び制御用の作動油のことをパイロット油という。
複数の制御弁20は、作業機1に設けられた様々な油圧アクチュエータを制御する弁である。油圧アクチュエータとは、作動油によって作動する装置で、油圧シリンダ、油圧モータ等である。この実施形態では、複数の制御弁20は、ブーム制御弁20A、バケット制御弁20B、予備制御弁20Cである。
ブーム制御弁20Aは、ブーム10を作動する油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を制御する弁である。ブーム制御弁20Aは、直動スプール形3位置切換弁である。ブーム制御弁20Aは、中立位置20a3、中立位置20a3とは異なる第1位置20a1、中立位置20a3及び第1位置20a1とは異なる第2位置20a2に切り換わる。第1位置20a1及び第2位置20a2は、側部位置である。
ブーム制御弁20Aにおいて、中立位置20a3、第1位置20a1、第2位置20a2の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、ブーム制御弁20Aの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作(パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作)で移動させてもよいし、電気操作(ソレノイドを励磁することによる電気操作)で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。
ブーム制御弁20Aと、第1油圧ポンプP1とは吐出油路27により接続されている。また、ブーム制御弁20Aと、ブームシリンダ14とは、油路21で接続されている。
詳しくは、ブームシリンダ14は、筒体14aと、筒体14aに移動自在に設けられたロッド14bと、ロッド14bに設けられたピストン14cとを備えている。筒体14aの基端部(ロッド14b側とは反対側)には、作動油を給排する第1ポート14dが設けられている。筒体14aの先端(ロッド14b側)には、作動油を給排する第2ポート14eが設けられている。
油路21は、ブーム制御弁20Aの第1ポート31とブームシリンダ14の第1ポート14dとを接続する第1接続油路21aと、ブーム制御弁20Aの第2ポート32とブームシリンダ14の第2ポート14eとを接続する第2接続油路21bとを有している。
したがって、ブーム制御弁20Aを側部位置である第1位置(上昇位置)20a1にすれば、第1接続油路21aからブームシリンダ14の第1ポート14dに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第2ポート14eから第2接続油路21bに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は伸長し、ブーム10は上昇する。ブーム制御弁20Aを側部位置である第2位置(下降位置)20a2にすれば、第2接続油路21bからブームシリンダ14の第2ポート14eに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第1ポート14dから第1接続油路21aに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は収縮し、ブーム10は下降する。
バケット制御弁20Bは、バケット11を制御する油圧シリンダ(バケットシリンダ)17を制御する弁である。バケット制御弁20Bは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。バケット制御弁20Bは、中立位置20b3、中立位置20b3とは異なる第1位置20b1、中立位置20b3及び第1位置20b1とは異なる第2位置20b2に切り換わる。第1位置20b1とは異なる第2位置20b2は、側部位置である。
バケット制御弁20Bにおいて、中立位置20b3、第1位置20b1及び第2位置20b2の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、バケット制御弁20Bの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作(パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作)で移動させてもよいし、電気操作(ソレノイドを励磁することによる電気操作)で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。
バケット制御弁20Bと、バケットシリンダ17とは、油路22で接続されている。詳しくは、バケットシリンダ17は、筒体17aと、筒体17aに移動自在に設けられたロッド17bと、ロッド17bに設けられたピストン17cとを備えている。筒体17aの基端部(ロッド17b側とは反対側)には、作動油を給排する第1ポート17dが設けられている。筒体17aの先端(ロッド17b側)には、作動油を給排する第2ポート17eが設けられている。
油路22は、バケット制御弁20Bの第1ポート35とバケットシリンダ17の第2ポート17eとを接続する第1接続油路22aと、バケット制御弁20Bの第2ポート36とバケットシリンダ17の第1ポート17dとを接続する第2接続油路22bとを有している。
したがって、バケット制御弁20Bを側部位置である第1位置(掬い位置)20b1にすれば、第1接続油路22aからバケットシリンダ17の第2ポート17eに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第1ポート17dから第2接続油路22bに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は収縮し、バケット11はスクイ動作する。バケット制御弁20Bを、側部位置である第2位置(ダンプ位置)20b2にすれば、第2接続油路22bからバケットシリンダ17の第1ポート17dに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第2ポート17eから第1接続油路22aに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は伸長し、ダンプ動作する。
予備制御弁20Cは、予備アタッチメントに装着された油圧アクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ等)16を制御する弁である。予備制御弁20Cは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。予備制御弁20Cは、中立位置20c3、中立位置20c3とは異なる第1位置20c1、中立位置20c3及び第1位置20c1とは異なる第2位置20c2に切り換わる。予備制御弁20Cにおいて、中立位置20c3、第1位置20c1及び第2位置20c2の切換は、パイロット油の圧力によってスプールを動かすことによって行う。予備制御弁20Cには、給排油路83a、83bを介して接続部材18が接続されている。接続部材18には、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ(予備油圧アクチュエータ)16に接続された油路が接続される。
したがって、予備制御弁20Cを第1位置20c1にすれば、給排油路83aから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ16に作動油を供給することができる。予備制御弁20Cを第2位置20c2にすれば、給排油路83bから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ16に作動油を供給することができる。このように、給排油路83a又は給排油路83bから油圧アクチュエータ16に作動油を供給することにより、当該油圧アクチュエータ16(予備アタッチメント)を作動させることができる。
さて、油圧システムにおいては、シリーズ回路(シリーズ油路)が適用されている。シリーズ回路では、油圧アクチュエータから上流側の制御弁に戻った作動油が、下流側の制御弁に供給可能である。例えば、ブーム制御弁20Aと、バケット制御弁20Bとに着目すると、ブーム制御弁20Aが上流側の制御弁であり、バケット制御弁20Bが下流側の制御弁である。
以下、上流側の制御弁を「第1制御弁」、下流側の制御弁を「第2制御弁」という。また、第1制御弁に対応する油圧アクチュエータのことを「第1油圧アクチュエータ」、第2制御弁に対応する油圧アクチュエータのことを「第2油圧アクチュエータ」という。第1油圧アクチュエータから第1制御弁に戻る作動油である戻り油を、第2制御弁に供給する油路のことを、「第1油路」という。
この実施形態では、ブーム制御弁20Aが「第1制御弁」、バケット制御弁20Bが「第2制御弁」である。また、ブームシリンダ14が「第1油圧アクチュエータ」、バケットシリンダ17が「第2油圧アクチュエータ」である。
以下、第1制御弁、第2制御弁について、詳しく説明する。
第1制御弁20Aと第1油圧ポンプP1の吐出部とは、吐出油路27により接続されている。吐出油路27は中途部47aで分岐し、第1制御弁20Aに至っている。吐出油路27の分岐後の油路は、第1制御弁20Aの第1入力ポート46a及び第2入力ポート46bに接続されている。また、吐出油路27は、第1制御弁20Aの第3入力ポート46cに接続されている。したがって、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油は、吐出油路27、第1入力ポート46a、第2入力ポート46b、第3入力ポート46cを通じて、第1制御弁20A内に供給することが可能である。吐出油路27において、中途部47aと第3入力ポート46cとの区間には、作動油を排出可能な排出油路24が接続されている。排出油路24は、吐出油路27の圧力が所定圧以上(設定圧以上)になった場合に作動油を排出可能なリリーフ弁(メインリリーフ弁)25が設けられた第1排出油路24aと、第1排出油路24aに接続され且つ作動油を排出する排出部に至る第2排出油路24bと、第2排出油路24bに接続され第1制御弁20Aの第1排出ポート33a及び第2排出ポート33bに至る第3排出油路24cとを含んでいる。なお、排出部は、作動油タンク、油圧ポンプの吸込部(作動油を吸い込む部分)である。また、排出部は、作動油が排出される部分であればよく、作動油タンク、油圧ポンプの吸込部以外であってもよく限定されない。
第2排出油路24bには、圧力上昇部130が設けられている。圧力上昇部130は、排出油路24の圧力を上昇させる部分である。また、圧力上昇部130は、排出油路24において、第2排出油路24bと並列する第4排出油路に設けられている。圧力上昇部130は、オイルクーラ、リリーフ弁、絞り部(絞り弁)、チョーク弁、逆止弁等である。また、圧力上昇部130は、第2排出油路24bに複数設けてもよく、接続方法は、直列でも並列でもよい。また、最下流側の制御弁から2本の排出油路24が設けられているが、排出油路24の本数は1本でも良いし、排出油路24が1本の場合は、圧力上昇部130が1つでもよい。
第1制御弁20Aと第2制御弁20Bとは、中央油路51により接続されている。中央油路51は、第1制御弁20Aの第3出力ポート41cと、第2制御弁20Bの第3入力ポート42cとを接続している。
第1制御弁20Aと第2制御弁20Bとは、中央油路51とは他に、第1油路61により接続されている。第1油路61は、第1油圧アクチュエータ14から第1制御弁20Aに戻る戻り油を、第1制御弁20Aを通過させて第2制御弁20Bに供給する油路である。
第1油路61は、第1接続油路(第1戻り油路)21aと、第1内部油路61aと、外部油路61bとを有している。第1接続油路21aは、第1制御弁20Aの第1ポート31と、第1油圧アクチュエータ14の第1ポート14dとを接続する油路であって、第1油圧アクチュエータ14の第1ポート14dから排出された戻り油が流れる第1戻り油路である。
第1内部油路61aは、第1制御弁20Aに設けられ且つ第1戻り油路21aに連通する油路である。詳しくは、第1内部油路61aは、第1制御弁20Aを第2位置20a2にした場合に、第1制御弁20Aの第1ポート31と第1制御弁20Aの第1出力ポート41aとを接続する油路である。
外部油路61bは、第1内部油路61aに連通し且つ第2制御弁20Bに接続する油路である。外部油路61bは、第1制御弁20Aの第1出力ポート41aと第2制御弁20Bの第1入力ポート42aとを接続し、且つ、第1制御弁20Aの第2出力ポート41bと第2制御弁20Bの第2入力ポート42bとを接続している。外部油路61bの中途部は、中央油路53cに接続されている。
また、作業系油圧システムは、第1内部油路61aとは別に第2内部油路150が設けられている。第2内部油路150は、第1制御弁20Aが所定の切換位置に切り換えられた場合に外部油路61bに連通する油路である。詳しくは、第2内部油路150は、第1制御弁20Aを第2位置20a2にした場合に、第1制御弁20Aの第3出力ポート41cと第1制御弁20Aの第3入力ポート46cとを接続する油路である。
また、作業系油圧システムは、分岐油路100を備えている。分岐油路100は、第1制御弁20Aのスプールの下流側に設けられた油路であって、外部油路61bから分岐し且つ当該外部油路61bを通過する戻り油が通過したり、排出油路24の作動油が通過する。分岐油路100の一端は外部油路61bに接続され、他端は、第3排出油路24cに接続されている。
分岐油路100には、絞り部101が接続されている。絞り部101は、例えば、分岐油路100の一部を他の部分よりも細くすることにより構成されている。言い換えれば、絞り部101は、分岐油路100において作動油が流れる部分の断面積を他の部分よりも小さくすることにより構成されている。なお、分岐油路100の構成は、前述した例に限定されない。
外部油路61bには、逆止弁102が接続されている。逆止弁102は、第1制御弁20Aから第2制御弁20Bに向かう戻り油が流れるのを許容し且つ第2制御弁20Bから分岐油路100に作動油が流れるのを阻止する弁である。詳しくは、逆止弁102は、外部油路61bにおいて、外部油路61bと分岐油路100とが接続する第1接続部110と、外部油路61bと第2制御弁20Bとが接続する第2接続部(第1入力ポート42a、第2入力ポート42b)との区間に設けられている。
以上によれば、第1制御弁20Aを第2位置(下降位置)20a2にした場合、第1接続油路(第1戻り油路)21a、第1内部油路61a及び外部油路61bが接続される。そのため、図1の矢印A1に示すように、第1油圧アクチュエータ14から第1制御弁20Aに戻った戻り油は、第1戻り油路21a、第1内部油路61aを通過して、外部油路61bに向けて流れる。また、矢印A2に示すように、第1内部油路61aから外部油路61bに流れた作動油は、外部油路61bの逆止弁102及び接続部66(中央油路51と外部油路61bとを接続する接続部)を通過して、第2制御弁20Bに至る。
ここで、第1制御弁20Aから第1油圧アクチュエータ14に供給する作動油が少なくなった状況、即ち、吐出油路27から第1制御弁20Aの第2入力ポート46bに供給される作動油(供給油)が少なくなった状況(作動油不足状況)になったとする。作動油不足状況では、図1の矢印A3、A4に示すように、第1制御弁20Aの下流側から排出油路24に排出された作動油が、第2排出油路24bに流れると共に第3排出油路24cに流れ、分岐油路100から外部油路61bに流れる。
つまり、第2排出油路24bには、圧力上昇部130が設けられていることから、第2排出油路24bを流れる少なくとも一部の作動油が、第3排出油路24c及び分岐油路100を介して外部油路61bに戻ることになる。
また、第1制御弁20Aを第2位置(下降位置)20a2にした場合においては、第2内部油路150によって第1制御弁20Aの第3出力ポート41cと第1制御弁20Aの第3入力ポート46cとが連通していることから、図1の矢印A5に示すように、第3排出油路24c及び分岐油路100を介して外部油路61bに戻った作動油は、接続部66を通過して、第3出力ポート41cから第1制御弁20A内に入り、第2内部油路150を通過して、第3入力ポート46cから吐出油路27に返る。図1の矢印A6に示すように、吐出油路27に返った作動油は、中途部47aを通過して第1制御弁20Aに向かい、第2入力ポート46bから第1制御弁20Aに供給される。第1制御弁20Aに供給された作動油は、第1制御弁20Aの第2ポート32から第2接続油路21bを通過して第1油圧アクチュエータ14に供給される。
以上のように、第2内部油路150、圧力上昇部130及び分岐油路100が設けられていることから、第1油圧アクチュエータ14へ供給される供給油が不足した場合には、排出油路24の作動油を補充することができる。
[第2実施形態]
図2は、第2実施形態における作業機の油圧システム(油圧回路)を示している。第1実施形態と同様である部分は同様の符号を付して説明を省略する。第2実施形態では、説明の便宜上、バケット制御弁20Bを「第1制御弁」とし、予備制御弁20Cを「第2制御弁」とする。また、バケットシリンダ17を「第1油圧アクチュエータ」とし、油圧アクチュエータ16を「第2油圧アクチュエータ」とする。
第1制御弁20Bと第2制御弁20Cとは、中央油路72により接続されている。中央油路72は、第1制御弁20Bの第3出力ポート43cと、第2制御弁20Cの第3入力ポート44cとを接続している。
第1制御弁20Bと第2制御弁20Cとは、中央油路72とは他に、第1油路81により接続されている。第1油路81は、第1油圧アクチュエータ17から第1制御弁20Bに戻る戻り油を、第1制御弁20Bを通過させて第2制御弁20Cに供給する油路である。
第1油路81は、第2接続油路(第1戻り油路)22bと、第1内部油路81aと、外部油路81bとを有している。第2接続油路22bは、第1制御弁20Bの第2ポート36と、第1油圧アクチュエータ17の第1ポート17dとを接続する油路であって、第1ポート17dから排出された戻り油が流れる第1戻り油路である。
第1内部油路81aは、第1制御弁20Bに設けられ且つ第2戻り油路22bに連通する油路である。詳しくは、第1内部油路81aは、第1制御弁20Bを第1位置20b1にした場合に、第1制御弁20Bの第2ポート36と第1制御弁20Bの第2出力ポート43bとを接続する油路である。
外部油路81bは、第1内部油路81aに連通し且つ第2制御弁20Cに接続する油路である。外部油路81bは、第1制御弁20Bの第1出力ポート43aと第2制御弁20Cの第1入力ポート44aとを接続し、且つ、第1制御弁20Bの第2出力ポート43bと第2制御弁20Cの第2入力ポート44bとを接続している。外部油路81bの中途部は、中央油路73cに接続されている。
第2実施形態においても、外部油路81bを通過する戻り油を排出したり、排出油路24の作動油を外部油路81bに戻すことが可能である。作業系油圧システムは、分岐油路200を備えている。分岐油路200は、第1制御弁20Bのスプールの下流側に設けられた油路であって、外部油路81bから分岐し且つ当該外部油路81bを通過する戻り油を排出部に排出する。具体的には、分岐油路200の一端は外部油路81bに接続され、他端は、第3排出油路24cに接続されている。
分岐油路200には、絞り部201が接続されている。絞り部201は、例えば、分岐油路200の一部を他の部分よりも細くすることにより構成されている。言い換えれば、絞り部201は、分岐油路200において作動油が流れる部分の断面積を他の部分よりも小さくすることにより構成されている。なお、分岐油路200の構成は、前述した例に限定されない。
外部油路81bには、逆止弁202が接続されている。逆止弁202は、第1制御弁20Bから第2制御弁20Cに向かう戻り油が流れるのを許容し且つ第2制御弁20Cから分岐油路200に作動油が流れるのを阻止する弁である。詳しくは、逆止弁202は、外部油路81bにおいて、外部油路81bと分岐油路200とが接続する第1接続部210と、外部油路81bと第2制御弁20Cとが接続する第2接続部(第1入力ポート44a、第2入力ポート44b)との区間に設けられている。
第2制御弁20Cにおいては、第2内部油路250は、第1制御弁20Bが所定の切換位置に切り換えられた場合に外部油路81bに連通する油路である。詳しくは、第2内部油路250は、第1制御弁20Bを第1位置20b1にした場合に、第1制御弁20Bの第3出力ポート43cと第1制御弁20Bの第3入力ポート42cとを接続する油路である。
以上によれば、第1制御弁20Bを第2位置(掬い位置)20b1にした場合、第1接続油路(第1戻り油路)22b、第1内部油路81a及び外部油路81bが接続される。そのため、第1油圧アクチュエータ14から第1制御弁20Bに戻った戻り油は、第1戻り油路22b、第1内部油路81a、外部油路81b及び接続部67(中央油路72と外部油路81bとを接続する接続部)を通過して、第2制御弁20Bに至る。
ここで、第1制御弁20Bにおいて作動油不足状況において、第1制御弁20Bの下流側から排出油路24に排出された作動油が、第3排出油路24cに流れ、分岐油路200から外部油路81bに流れる。
また、第3排出油路24c及び分岐油路100を介して外部油路81bに戻った作動油は、接続部67を通過して、第3出力ポート43cから第1制御弁20B内に入り、第2内部油路250を通過して、第3入力ポート42cから下流側の油路(外部油路)61bに返る。油路(外部油路)61bに返った作動油は、第1制御弁20Bの第1入力ポート44aから第1制御弁20Bに供給される。第1制御弁20Bに供給された作動油は、第1制御弁20Bの第1ポート35から第1接続油路22aを通過して第1油圧アクチュエータ14に供給される。
以上のように、第2内部油路250、圧力上昇部130及び分岐油路200が設けられていることから、第1油圧アクチュエータ14へ供給される供給油が不足した場合には、排出油路24の作動油を補充することができる。
なお、分岐油路100,200及び逆止弁102、202等は、図3A及び図3Bに示すように変更が可能である。
図3Aに示すように、外部油路61bにおいて、第1出力ポート41aに接続された油路と、第2出力ポート41bに接続された油路とが合流する合流部111の上流側に逆止弁102を設けてもよい。この場合、外部油路61bにおいて、第1制御弁20Aの第1出力ポート41aから合流部111に至る区間であって、逆止弁102が設けられている区間に分岐油路100を接続する。このようにすれば、ブーム10を下げた場合(ブーム制御弁20Aを第2位置20a2にした場合)において、排出油路24(第3排出油路24c)の作動油を、分岐油路100を介して外部油路61bに補充することができる。
図3Bに示すように、外部油路81bにおいて、第1出力ポート43aに接続された油路と、第2出力ポート43bに接続された油路とが合流する合流部211の上流側に逆止弁202を設けてもよい。この場合、外部油路81bにおいて、第1制御弁20Bから合流部211に至る区間であって、逆止弁202が設けられている区間に戻り分岐油路200を接続する。このようにすれば、第1油圧アクチュエータ17、即ち、バケット11をスクイ動作させた場合(バケット制御弁20Bを第1位置20b1にした場合)において、排出油路24(第3排出油路24c)の作動油を、分岐油路200を介して外部油路81bに補充することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。第1制御弁及び第2制御弁は上述した実施形態に限定されず、作業機に設けられた制御弁であれば何でもよい。上述した実施形態では、油圧ポンプは定容量ポンプであったが、例えば、斜板の変更によって吐出量が変化する可変容量ポンプであっても、その他の油圧ポンプであってもよい。
1 :作業機
14 :ブームシリンダ
17 :バケットシリンダ
20 :制御弁
20A :ブーム制御弁
20B :バケット制御弁
20C :予備制御弁
24 :排出油路
24a :第1排出油路
24b :第2排出油路
24c :第3排出油路
27 :吐出油路
47 :吐出油路
47a :中途部
61a :第1内部油路
61b :外部油路
66 :接続部
67 :接続部
81a :第1内部油路
81b :外部油路
83a :給排油路
83b :給排油路
100 :分岐油路
101 :絞り部
102 :逆止弁
130 :圧力上昇部
150,250 :第2内部油路
200 :分岐油路
201 :絞り部
202 :逆止弁
P1 :第1油圧ポンプ
P2 :第2油圧ポンプ

Claims (6)

  1. 作動油を吐出する油圧ポンプと、
    第1油圧アクチュエータと、
    第2油圧アクチュエータと、
    所定の切換位置に切り換えられた場合に前記第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、
    前記第1制御弁の下流側に設けられ、且つ、前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、
    前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータを接続し且つ前記第1油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる戻り油路と、
    前記第1制御弁に設けられ且つ前記戻り油路に連通する第1内部油路と、
    前記第1内部油路に連通し且つ前記第1制御弁と前記第2制御弁とを接続する外部油路と、
    前記作動油を排出する排出油路と、
    前記外部油路から分岐し且つ前記排出油路に接続された分岐油路と、
    前記排出油路に設けられ且つ当該排出油路の圧力を上昇させる圧力上昇部と、
    前記第1制御弁に設けられ且つ前記第1制御弁が所定の切換位置に切り換えられた場合に前記外部油路に連通して、当該外部油路に流れた作動油を前記第1制御弁に返す第2内部油路と、
    を備えている作業機の油圧システム。
  2. 前記第1制御弁は、入力ポートと、出力ポートとを有し、且つ、前記戻り油とは異なる作動油を前記第1制御弁を通過させて前記第2制御弁に流す中立位置と、前記所定の切換位置であって前記第1内部油路の前記戻り油を前記外部油路に流し且つ前記第2内部油路の作動油を前記入力ポートに返す側部位置とに切換可能である請求項1に記載の作業機の油圧システム。
  3. ブームを備え、
    前記第1油圧アクチュエータは、前記ブームを作動させるブームシリンダであり、
    前記側部位置は、前記ブームを上昇させるべく前記ブームシリンダを作動させる上昇位置と、前記ブームを下降させるべく前記ブームシリンダを作動させる下降位置とを含んでいる請求項2に記載の油圧システム。
  4. 前記第1制御弁が前記下降位置にある場合に前記戻り油を前記第1内部油路及び前記外部油路に通過させ、且つ、前記排出油路の作動油を前記分岐油路を経て前記外部油路及び前記第2内部油路に通過させる請求項3に記載の作業機の油圧システム。
  5. バケットを備え、
    前記第1油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、
    前記第1制御弁は、前記バケットを掬い動作させるべく前記バケットシリンダを作動させる掬い位置と、前記バケットをダンプ動作させるべく前記バケットシリンダを作動させるダンプ位置とを含んでいる請求項2に記載の油圧システム。
  6. 前記第1制御弁が前記掬い位置にある場合に前記戻り油を前記第1内部油路及び前記外部油路に通過させ、且つ、前記排出油路の作動油を、前記分岐油路を経て前記外部油路及び前記第2内部油路に通過させる請求項5に記載の作業機の油圧システム。
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