JP2020079455A - 生地、及び衣服 - Google Patents
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Abstract
【課題】清涼感が良く、ベタツキ軽減効果があり、衣服の着心地を高めることができる裏地用の生地と、前記生地を裏地として備える洋服を提供する。【解決手段】和紙糸と補強糸が交織された織物または和紙糸と補強糸が交編された経編物により形成され、和紙糸は、和紙がテープ状にスリットされたスリット和紙が加撚された糸、2本以上のスリット和紙が加撚されて組み合わされた糸、及び1本以上のスリット和紙と1本以上の補助糸が組み合わされた複合糸から選ばれた1種以上の糸であり、補助糸は長繊維およびスパン糸から選ばれた1種以上の糸であり、補強糸は長繊維およびスパン糸から選ばれた1種以上の糸であり、織物または経編物におけるスリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下である裏地用の生地である。また、前記生地から成るか又は当該生地を含んで構成された裏地を備える衣服である。【選択図】なし
Description
本発明は、裏地用の生地と、前記生地を裏地として備える衣服に関する。
裏地は、衣服の表地を補強したり、滑りを良くして衣服を着脱しやすくしたり、衣服のシルエットを綺麗に保ったり等の目的で、衣服の裏側に付けられる生地である。裏地を備える衣服(例えば、スーツ等の洋服)を着たときに、裏地は下着や肌に接する。このため、裏地用の生地には、清涼性、柔らかさ、及び滑りやすさが求められる。従来、裏地用の生地として、ポリエステル若しくはポリアミド等の合成繊維製の織物、キュプラ若しくはビスコースレーヨン等の再生繊維製の織物、アセテート等の半合成繊維製の織物、または、合成繊維と再生繊維が組み合わされた織物などが知られている(例えば、特許文献1から特許文献4を参照)。
しかし、合成繊維は、熱が籠りやすく発汗性に劣る。このため、合成繊維と再生繊維が組み合わされた織物を裏地とする衣服を着た場合には、吸汗時に裏地が肌に貼り付いてベタツキを感じやすい等の原因により、清涼感に欠けるという問題がある。あるいは、合成繊維製またはウール製のシャツを着た上に、合成繊維製の生地を裏地とする上着を着た場合には、シャツと裏地とで互いの繊維が擦れ合って静電気が生じやすい。静電気が生じると、裏地を介してシャツと上着が引っ付くから、体を動かしにくくなって不快感が生じ、さらに、上着を脱ぐとき等に放電現象が起こるから一層不快感を増すこととなる。
上記した問題に鑑み、本発明の課題は、清涼感が良く、ベタツキ軽減効果があり、衣服の着心地を高めることができる裏地用の生地と、前記生地を裏地として備える衣服を提供することにある。
上記した課題を解決するために、本発明に係る生地は、裏地用の生地であって、前記生地は、和紙糸と補強糸が交織された織物により形成されるか、又は前記和紙糸と前記補強糸が交編された経編物により形成され、前記和紙糸は、和紙がテープ状にスリットされたスリット和紙が加撚されて成る単糸、2本以上の前記単糸が組み合わされて成る糸、および、1本以上の前記スリット和紙と1本以上の補助糸が組み合わされて成る複合糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、前記補助糸は、前記スリット和紙と組み合わされて前記複合糸を形成させるために用いられる、長繊維、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、前記補強糸は、前記和紙糸と交織または交編させるために用いられる、長繊維、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、前記織物または前記経編物における前記スリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下である生地である。
あるいは、本発明に係る生地は、裏地用の生地であって、前記生地は、和紙糸で織られた織物により形成されるか、又は前記和紙糸で編まれた経編物により形成され、前記和紙糸は、和紙がテープ状にスリットされたスリット和紙を1本以上と補助糸が1本以上とが組み合わされて成る複合糸であるか、または、前記スリット和紙が加撚されて成る単糸、及び2本以上の前記単糸が組み合わされて成る糸からなる群より選ばれた1種以上の糸ならびに前記複合糸であり、前記補助糸は、前記スリット和紙と組み合わされて前記複合糸を形成させるために用いられる、長繊維、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、前記織物または前記経編物における前記スリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下である生地である。
本発明に係る生地における前記複合糸は、1本以上の前記単糸と、1本以上の前記補助糸と、が合撚されて成る合撚糸であり得る。
本発明に係る生地における前記複合糸は、1本の前記スリット和紙の外周または2本以上の当該スリット和紙が束ねられた外周に、前記補助糸が1本以上巻き付けられて成るカバリング糸であり得る。
本発明に係る生地において、前記織物がメッシュ織物であり、前記経編物がメッシュ編物であり得る。
本発明に係る衣服は、裏地を備える衣服であって、前記裏地が、本発明に係る生地から成るか、又は前記生地を含んで構成された衣服である。
本発明に係る生地によれば、和紙糸を用いて織られた織物により形成されるか、又は和紙糸を用いて編まれた経編物により形成されている。この和紙糸の素材である和紙は、身体から発汗した汗を吸い取りやすい。このため、本発明に係る生地を裏地として備える衣服を着たときには、蒸れを感じにくいから、清涼性が良く、ベタツキ軽減効果が得られる。また、和紙に特有な心地よい肌感覚が得られ、薄くて軽い裏地が得られる。和紙を含んで構成された生地は、静電気をほとんど発生させないため、静電気に伴う不快感は生じにくい。したがって、本発明に係る生地によれば、着心地を高めることができる衣服(例えば、スーツ、ジャケット等の洋服)に適した裏地用の生地が提供される。
本発明に係る衣服によれば、本発明に係る生地から成る裏地を備えるか、又は前記生地を含んで成る裏地を備える。このため、同様の理由により、清涼感が良く、ベタツキ軽減効果があり、着心地を高められた衣服を提供することができる。例えば、本発明に係る生地を裏地として備えることにより、清涼性が良くてベタツキ感のないスポーツ用ウィンドブレーカーが提供される。
<本発明に係る生地の第1実施形態>
本発明に係る生地の第1実施形態(以下「本生地1」という。)は、和紙糸と補強糸が交織された織物により形成された生地であるか、または、和紙糸と補強糸が交編された経編物により形成された生地である。本生地1は、所定の形状に縫製されて、衣服の裏地として用いられる。
本発明に係る生地の第1実施形態(以下「本生地1」という。)は、和紙糸と補強糸が交織された織物により形成された生地であるか、または、和紙糸と補強糸が交編された経編物により形成された生地である。本生地1は、所定の形状に縫製されて、衣服の裏地として用いられる。
本生地1で用いられる和紙糸は、その素材として和紙が用いられた糸である。和紙に適した原料植物として、例えば、こうぞ、みつまた、雁皮、マユミ、クララ、フキ、麻類、又は笹などの植物が挙げられる。麻類として、例えば、亜麻の茎部、苧麻の茎部、黄麻の茎部、洋麻の茎部、大麻の茎部、マニラ麻の葉部、又はサイザル麻の葉部などが挙げられる。なお、一般的に和紙は、比較的に長い植物繊維を有するため薄くても強靭であり、長持ちしやすく、独特の風合いを有するといわれている。このような品質の良い和紙が得られやすい適度な繊維長を有する観点から、和紙の製造に用いられる主な原料植物は、こうぞ、みつまた、雁皮、マニラ麻の葉部、及びサイザル麻の葉部からなる群より選ばれた1種以上の植物であるのが好ましい。例えば、マニラ麻の葉脈に由来するアバカ繊維や、サイザル麻の葉脈に由来するサイザル繊維において、その短繊維長は3mm以上かつ10mm以下程度といわれている。
和紙は、1種以上の原料植物を叩解して得られる繊維を主成分とするスラリー状になった原料組成物を、漉いて作られる紙である。ここでの「主成分」とは、上記したような品質の良い和紙を得る観点から、スラリー状である原料組成物を乾燥させて得られる乾燥組成物において、原料植物が叩解されて得られた繊維の含有量が70重量%以上を占めることを意味する。同様の観点から、前記乾燥組成物において、原料植物が叩解されて得られた繊維の含有量は、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。また、和紙の原料組成物では、乾燥させた場合での含有量が0重量%よりも多くかつ30重量%以下の範囲内で、例示した原料植物(例えば、みつまた等)以外に由来する繊維などを含有しても良い。例えば、和紙の原料組成物には、レーヨン等の再生繊維が含有されても良い。
強靭で長持ちしやすく和紙に独特な風合いを得やすい観点から、本生地1で和紙糸の原料として用いられる和紙は、JIS P 8226−2:2011(ISO 16065−2:2007)で規定された「パルプ−光学的自動分析法による繊維長測定方法−第2部:非偏向法」に準拠した測定方法により、次の式1により算出される長さ加重平均繊維長L1が、好ましくは3.0mm以上のものであり、さらに好ましくは5.0mm以上のものである。
ni 原料組成物において、i番目の長さ範囲にある繊維の本数
li ミリメートルで表示したi番目の長さ範囲の中心値
Σni 原料組成物に含有される繊維の全本数
Σnili 全ての長さ範囲について計算したniliの積の総和
上記した式1により長さ加重平均繊維長L1を算出する際には、和紙に含有される全ての繊維の粗度(単位長さあたりの重量)が同じであると仮定して算出する。なお、西洋紙の原料として用いられる針葉樹パルプでは、一般的にその繊維長は約2mm以下であり、平均で0.7mm程度である。原料植物として針葉樹または広葉樹を用いるのであっても和紙を製造するのは不可能ではないが、この場合に得られる和紙での長さ加重平均繊維長L1が3.0mm以上となるように、比較的に繊維長が長い針葉樹または広葉樹を原料植物として選定して用いるのが好ましい。一方、原料植物としてこうぞ又はみつまたが用いられて得られた和紙では、その繊維長が例えば7mm程度であるといわれている。このため、例えば、こうぞ又はみつまた等の繊維長が長い植物を主な原料植物として、これに針葉樹または広葉樹などの繊維長が長くない植物を副次的な原料植物として少量組み合わせて和紙を製造するのであれば、長さ加重平均繊維長L1が3.0mm以上である和紙を製造可能である。
本生地1では、和紙が長尺細幅(テープ状)にスリットされて得られる和紙切片(以下「スリット和紙」という。)が加撚されて成る単糸、および、この単糸が2本以上組み合わされて成る糸(例えば、双糸、又は三子糸など)からなる群より選ばれた1種以上の糸を、和紙糸として用いる。換言すれば、本生地1で用いられる和紙糸は、加撚されたスリット和紙、又は加撚されたスリット和紙が2本以上組み合わされて成る糸(双糸、三子糸など)である。製造効率が良い観点から、スリット和紙は、帯状の和紙がその長手方向に沿って長尺細幅にスリットされて得られる和紙切片であるのが好ましい。和紙の厚みに応じて、スリットの幅を適宜調節するのが良い。
スリットされる前の和紙の目付は、品質の良いスリット和紙や和紙糸を作りやすい観点から、好ましくは10g/m2以上かつ30g/m2以下であるが、この範囲を超えて目付けが大きい和紙やこの範囲を下回る目付けが小さい和紙からスリット和紙を作るのも不可能ではない。切れにくい和紙糸を得る観点から、スリットの方向は、和紙を構成する繊維の方向に可能な限り沿っているのが好ましい。糸として十分な強度を持たせる観点から、スリット和紙での短手方向の幅は、好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上である。和紙糸を得るための中間原料として扱いやすい観点から、スリット和紙での短手方向の幅は、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。
本生地1でのスリット和紙の含有量は、20重量%以上かつ80重量%以下である。なお、スリット和紙の含有量が20重量%未満である場合での生地は、清涼感に劣り、ベタツキの軽減効果が不足し、裏地として好ましくないものになる。また、スリット和紙の含有量が80重量%よりも多い場合の生地は、和紙に特有なざらつき感が出やすいから、生地の滑りやすさが不足して、裏地として着用されたときに体形に沿いにくくなるだけでなく、耐洗濯性が悪化するおそれもある。本生地1でのスリット和紙の含有量は、清涼感やベタツキ軽減効果を更に得られやすい観点から、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。本生地1でのスリット和紙の含有量は、更に滑らかで耐洗濯性に優れる観点から、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。
製造コストを安価に抑える観点からは、本生地1で、加撚されたスリット和紙そのままである単糸を和紙糸として扱うのが好ましい。裏地に適した風合いを有する生地を得やすい観点、及び和紙に特有なざらつき感を抑える観点から、和紙糸は、太すぎず細すぎないのが良い。同様の観点から、和紙糸の線密度(単位長さ当たりの重量)は、好ましくは1/10(g/m)以下、さらに好ましくは1/30(g/m)以下、さらにより好ましくは1/60(g/m)以下である。同様の観点から、和紙糸の線密度は、好ましくは1/80(g/m)以上、さらに好ましくは1/70(g/m)以上、さらにより好ましくは1/65(g/m)以上である。
上記した線密度をメートル番手(糸の重量1gあたりの長さ(m))で換言すると、和紙糸は、単糸で80番手(1/80)から10番手(1/10)までの範囲内が好ましい。なお、メートル番手の表記での「1/」は、単糸であることを意味する。以下、線密度またはメートル番手の数値をdtex(糸の長さ10,000mあたりの重量(g))に換算して示す場合には、小数第二位以下を四捨五入して切り上げ又は切り捨てした数値を示す。本生地1での和紙糸(単糸)の繊度は、dtexで換算すると、好ましくは125dtex以上かつ1,000dtex以下、さらに好ましくは142.9dtex以上かつ333.3dtex以下、さらにより好ましくは153.8dtex以上かつ166.7dtex以下である。
裏地として適度な柔らかさと清涼感を両立させる観点から、和紙糸の撚数T(回/m)をT=Kw×√N(Nは和紙糸のメートル番手)とするときに、本生地1での和紙糸の撚係数Kwは50以上かつ160以下であるのが好ましい。あるいは、本生地の表面で均一性が得られやすい観点から、加撚されたスリット和紙(単糸)偶数本を撚り合わせて得られる糸(双糸など)を和紙糸として用いるのが好ましい。
和紙に特有なざらつき感を抑えつつ耐洗濯性を向上させる観点、及び引っ張り強度を向上させる観点から、本生地1は、和紙糸と補強糸が交織または交編されて構成される。ここでの補強糸は、和紙糸と交織させて織物を形成させるか又は和紙糸と交編されて経編物を形成させるために用いられる、長繊維(フィラメント糸)、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸である。補強糸を構成する繊維として、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、及び天然繊維からなる群より選ばれた1種以上の繊維が挙げられる。合成繊維として、例えば、ナイロン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、又はポリエステル系合成繊維などが挙げられる。ポリエステル系合成繊維として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維などが挙げられる。半合成繊維として、例えば、アセテート繊維などが挙げられる。再生繊維として、例えば、レーヨン等のビスコース繊維が挙げられる。天然繊維として、例えば、絹、綿繊維、又は麻繊維などが挙げられる。
本生地1で用いられる補強糸は、例えば、絹製の長繊維(フィラメント糸)でも良いし、又は天然繊維から選ばれた1種以上の繊維製であるスパン糸でも良い。強度に優れる観点から、本生地1での補強糸は、合成繊維、半合成繊維、及び再生繊維からなる群より選ばれた1種以上の繊維から成る長繊維またはスパン糸であるのが好ましい。あるいは、裏地に適した滑りやすさを得やすい観点から、補強糸は長繊維であるのが好ましい。
裏地に適した風合いを有する生地を得やすい観点から、補強糸は、太すぎず細すぎないのが良い。同様の観点から、補強糸の繊度は、好ましくは30dtex以上である。同様の観点に加えて、本生地1の表面になるべく和紙糸を露出させて和紙による吸排湿能を発揮させやすくする観点から、補強糸の繊度は、好ましくは200dtex以下、さらに好ましくは100dtex以下、さらにより好ましくは50dtex以下である。
和紙に特有なざらつき感を抑えつつ耐洗濯性を向上させる観点、及び本生地1の引っ張り強度を向上させる観点から、本生地1での補強糸の含有量は、20重量%以上かつ80重量%以下である。更に滑らかで耐洗濯性に優れる観点から、本生地1での補強糸の含有量は、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。本生地1にスリット和紙をなるべく多く含有させて吸排湿能を発揮させやすい観点から、本生地1での補強糸の含有量は、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。
本生地1は、和紙糸や補強糸と共に、本発明の目的に反しない程度の少量であれば、例えば、飾り糸などのその他の糸を含んで成るものであっても良い。飾り糸とは、特殊な外観または構造を有する装飾用の糸である。また、本発明の目的に反しない程度の少量であれば、補強糸は、一般的に使用される各種の添加剤などを含有しても良い。ここでの添加剤は、補強糸の生産性を向上させたり補強糸に何らかの特性を付与したりする等の目的で添加されるものであり、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、又は難燃剤などが挙げられる。
本生地1が織物である場合に、この織物の組織は、通常の織機で製造可能な観点から、平織、綾織、朱子織、摸紗織、又はこれらの変化組織が好ましい。本生地1でどのような織物の組織を採用するかは、裏地としての用途領域や要求特性などによって適宜選定すれば良い。スリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下である生地を設計しやすい観点からは、本生地1は、和紙糸と補強糸が交織された織物により形成されたものであり、この織物の単位組織での経糸および緯糸として各々、M(Mは1以上かつ4以下)本の和紙糸と、N(Nは1以上かつ4以下)本の補強糸と、が配されて平織された織物であるのが好ましい。同様の観点から、ここでのMは1であるのがさらに好ましい(図1の(a)から(d)を参照)。あるいは、ここでのMが複数(2以上かつ4以下)である場合には、図2又は図3で例示するように、単位組織での経糸および緯糸として各々、複数本の和紙糸同士が隣り合うように配されるのがさらに好ましい。同様の観点から、ここでのNが複数(2以上かつ4以下)である場合には、図2又は図3で例示するように、単位組織での経糸および緯糸として各々、複数本の補強糸同士が隣り合うように配されるのがさらに好ましい。
同様の観点に加えて、裏地として適した平滑性と吸放湿性を両立させやすい観点から、本生地1は、その補強糸として長繊維が用いられて、図1の(b)から(d)に示すように織物の単位組織での経糸および緯糸として各々、1本の和紙糸と、2本以上かつ4本以下の長繊維(補強糸)と、が配されて平織された織物により形成されたものであるが、さらにより好ましい。
本生地1が経編物である場合に、この経編物の組織は、公知の経編機を用いて製造可能な組織が好ましい。本生地1でどのような経編物の組織を採用するかは、編成性や、裏地としての用途領域、要求特性などによって適宜選定すれば良い。ここでの経編物は、例えば、緯糸挿入トリコットであっても良いし、レース編機を用いて交編された編レースであっても良い。
清涼感に優れる観点から、本生地1は、メッシュ織物で形成された生地であるか、又はメッシュ編物で形成される生地であるのが好ましい。メッシュ織物またはメッシュ編物は、メッシュ状であるために、一般的な衣料用の織物または編物と比べて、糸と糸の間隔が大きくて通気性に優れた織物または編物である。メッシュ編物は、例えば、トリコット編機またはラッシェル編機などにより製造可能である。メッシュ編物の編組織として、例えば、アトラス編、又はコード編などが挙げられる。メッシュ織物またはメッシュ編物により形成された場合の本生地1は、糸と糸の間を空気が通過しやすいため、スリット和紙による吸湿性や放湿性が更に発揮されやすい構造になっている。このため、メッシュ織物またはメッシュ編物により形成された場合の本生地1は、例えば、夏用の清涼感に優れた衣服の裏地として適したものになっている。
清涼感を更に強調しやすい観点から、メッシュ織物またはメッシュ編物により形成された場合の本生地1での開口率は、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上である。ここでの開口率は、生地を平面状に広げたときに、生地の面と垂直に入射させた平行光の上面視透光部分(開口)が生地全体に占める割合である。寸法の安定性を高める観点から、メッシュ織物により形成された場合の本生地1での開口率は、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。あるいは、同様の観点から、メッシュ編物により形成された場合の本生地1での開口率は、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下である。
以上に説明した本生地によれば、和紙糸を用いて織られた織物により形成されるか又は和紙糸を用いて編まれた経編物により形成されており、この和紙糸の素材である和紙は、身体から発汗した汗を吸い取りやすい。このため、本生地1を裏地として備える衣服を着たときには、蒸れを感じにくいから、清涼性が良く、ベタツキ軽減効果が得られる。また、和紙に特有な心地よい肌感覚が得られ、薄くて軽い裏地が得られる。和紙を含んで構成された本生地1は、静電気をほとんど発生させないため、静電気に伴う不快感は生じにくい。したがって、本生地1によれば、着心地を高めることができる衣服(例えば、スーツ、ジャケット等の洋服)に適した裏地用の生地が提供される。
<本発明に係る生地の第2実施形態>
本発明に係る生地の第2実施形態(以下「本生地2」という。)は、用いられている和紙糸の構成が異なることを除けば、前述した本生地1と概ね同様の構成である。本生地2は、スリット和紙を含んで成る和紙糸と、補強糸と、が交織された織物により形成されるか、または、スリット和紙を含んで成る和紙糸と、補強糸と、が交編された経編物により形成されている。本生地2を形成する織物または経編物でのスリット和紙の含有量は、20重量%以上かつ80重量%以下である。
本発明に係る生地の第2実施形態(以下「本生地2」という。)は、用いられている和紙糸の構成が異なることを除けば、前述した本生地1と概ね同様の構成である。本生地2は、スリット和紙を含んで成る和紙糸と、補強糸と、が交織された織物により形成されるか、または、スリット和紙を含んで成る和紙糸と、補強糸と、が交編された経編物により形成されている。本生地2を形成する織物または経編物でのスリット和紙の含有量は、20重量%以上かつ80重量%以下である。
本生地2での和紙糸は、1本以上のスリット和紙と、1本以上の補助糸と、が組み合わされて成る複合糸である。ここでの補助糸は、スリット和紙と組み合わされて複合糸を形成させるために用いられる、長繊維(フィラメント糸)、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸である。補助糸を構成する繊維として、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、及び天然繊維からなる群より選ばれた1種以上の繊維が挙げられる。本発明の目的に反しない程度の少量であれば、補助糸は、一般的に使用される各種の添加剤などを含有しても良い。添加剤として、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、又は難燃剤などが挙げられる。なお、前述した補強糸は、和紙糸と交織されて織物を形成させるか又は和紙糸と交編されて経編物を形成させるための糸であるのに対して、補助糸は、スリット和紙と組み合わされて複合糸(スリット和紙を含んで成る和紙糸)を形成させるための糸である点で異なる。
本生地2での補助糸は、強度に優れる観点からは、合成繊維、半合成繊維、及び再生繊維からなる群より選ばれた1種以上の繊維から成る長繊維またはスパン糸が好ましく、裏地に適した滑りやすさを得やすい観点からは長繊維が好ましい。補助糸に所定の強力を有させる観点から、補助糸の繊度は、好ましくは10dtex以上、さらに好ましくは15dtex以上である。和紙糸の表面になるべくスリット和紙を露出させて、和紙による吸排湿能を発揮させやすくする観点から、補助糸の繊度は、好ましくは40dtex以下、さらに好ましくは35dtex以下である。
和紙に特有なざらつき感を抑えつつ耐洗濯性を向上させる観点、及び引っ張り強度を向上させる観点から、本生地2での補助糸の含有量は、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上である。和紙糸にスリット和紙をなるべく多く含有させて吸排湿能を発揮させやすい観点から、本生地2での補助糸の含有量は、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
本生地2での和紙糸として、例えば、1本の補助糸の外周または2本以上の補助糸が束ねられた外周に、1本以上のスリット和紙が前記補助糸の長手方向に沿って螺旋状に巻き付けられて成るカバリング糸が挙げられる。この場合のカバリング糸は、スリット和紙から成る和紙糸と比べて、補助糸により強度を高められている。また、この場合のカバリング糸は、その表面にスリット和紙が露出しているから、吸排湿能に優れていため、発汗しやすい条件下で着用する衣服での裏地用の生地として好ましい性状のものになっている。
一方、和紙糸の表面にスリット和紙が露出する程度が抑えられているほど、スリット和紙は摩耗しにくくなる。この観点から、本生地2での和紙糸は、1本のスリット和紙の外周または2本以上のスリット和紙が束ねられた外周に、1本以上の補助糸が前記スリット和紙の長手方向に沿って螺旋状に巻き付けられて成るカバリング糸であるのが好ましい。この場合にカバリング糸を構成するスリット和紙は、加撚された状態でその外周に補助糸を巻き付けられたものでも良いし、双糸などの状態で周囲に補助糸を巻き付けられたものでも良い。
スリット和紙が和紙糸の表面に露出する程度を抑えてスリット和紙を摩耗しにくくする観点に加えて、本生地2の表面が均一で優美な外観になりやすい観点から、本生地2での和紙糸は、1本の加撚されていないスリット和紙の外周に、S巻きされた補助糸の本数とZ巻きされた補助糸の本数が同数になるように、前記スリット和紙の長手方向に沿って偶数本の補助糸がそれぞれ螺旋状に巻き付けられて成るカバリング糸であるのがさらに好ましい。この場合のカバリング糸では、同様の観点から、S巻きされた補助糸での巻き数と、Z巻きされた補助糸での巻き数と、が実質的に同数であるのがさらにより好ましい。
あるいは、和紙糸の強度が高くなり切れにくくなる観点、及び裏地として適した風合いの生地を得やすい観点から、本生地2での和紙糸は、加撚されていないスリット和紙を1本以上と、補助糸を1本以上と、が合撚されて成る合撚糸であっても良い。同様の観点から、本生地2での和紙糸は、加撚されたスリット和紙(単糸)を1本以上と、補助糸を1本以上と、が合撚されて成る合撚糸であるのが好ましい。
和紙糸になるべく多くスリット和紙を含有させて吸排湿能を発揮させやすい観点から、本生地2での和紙糸においてスリット和紙が占める重量比(スリット和紙の重量/和紙糸の重量)は、好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.50以上である。和紙に特有なざらつき感を抑えつつ耐洗濯性を向上させることと、本生地2の引っ張り強度を向上させることを両立させる観点から、前記重量比(スリット和紙の重量/和紙糸の重量)は、好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.80以下である。その他、本生地2について好ましい事項などは、本生地1について前述したのと同様である。
<本発明に係る生地の第3実施形態>
本発明に係る生地の第3実施形態(以下「本生地3」という。)は、補強糸が用いられていない点を除けば、前述した本生地2と同様の構成である。本生地3は、和紙糸で織られた織物により形成されるか、又は和紙糸で編まれた経編物により形成される。本生地3で用いられる和紙糸は、前述した本生地2で説明した複合糸である。この複合糸は1本以上のスリット和紙と1本以上の補助糸が組み合わされて成ることにより、本生地3を形成する織物または経編物におけるスリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下である。本生地3での補助糸の含有量は、例えば、20重量%以上かつ80重量%以下である。本生地3は和紙糸の他に、本発明の目的に反しない限りの少量であれば、飾り糸などのその他の糸を含んで成るものでもあっても良い。その他、本生地3について好ましい事項などは、補強糸に関する事項を除いて、本生地1や本生地2について前述したのと同様である。
本発明に係る生地の第3実施形態(以下「本生地3」という。)は、補強糸が用いられていない点を除けば、前述した本生地2と同様の構成である。本生地3は、和紙糸で織られた織物により形成されるか、又は和紙糸で編まれた経編物により形成される。本生地3で用いられる和紙糸は、前述した本生地2で説明した複合糸である。この複合糸は1本以上のスリット和紙と1本以上の補助糸が組み合わされて成ることにより、本生地3を形成する織物または経編物におけるスリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下である。本生地3での補助糸の含有量は、例えば、20重量%以上かつ80重量%以下である。本生地3は和紙糸の他に、本発明の目的に反しない限りの少量であれば、飾り糸などのその他の糸を含んで成るものでもあっても良い。その他、本生地3について好ましい事項などは、補強糸に関する事項を除いて、本生地1や本生地2について前述したのと同様である。
本生地2と比べて本生地3は、補強糸が用いられておらず、スリット和紙を含んで成る和紙糸から実質的に成るため、更に表面が均一になった生地を得られやすい観点から好ましい。同様の理由により、本生地2と比べて本生地3は、スリット和紙による吸排湿能が発揮されやすいため、発汗しやすい条件下で着用する衣服の裏地用として適している観点からも好ましい。
本発明に係る生地は、本発明の目的に反しない限り、スリット和紙から成る和紙糸(単糸、双糸など)と、スリット和紙を含んで成る和紙糸(複合糸)と、の両方を含んで構成された形態であっても良い。つまり、本発明に係る生地で用いられる和紙糸は、1本のスリット和紙が加撚されて成る単糸、この単糸が2本以上組み合わされて成る糸(例えば双糸)、および、1本以上のスリット和紙と1本以上の補助糸が組み合わされて成る複合糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であっても良い。本発明に係る生地は、本発明の目的に反しない限り、スリット和紙から成る和紙糸(単糸、双糸など)と、スリット和紙を含んで成る和紙糸(複合糸)と、補強糸と、が交織された織物により形成されるものか又は交編された経編物により形成されるものであって良い。これらの場合での複合糸として、本発明の目的に反しない限り、前述した本生地2で説明したカバリング糸と合撚糸が併用されても良い。
<衣服>
本発明に係る衣服(以下「本衣服」という。)は、本発明に係る生地から成る裏地を備えるか、又は前記生地を含んで構成された裏地を備える衣服である。本衣服での前記生地は、裏地として適するように所定の形状に縫製された状態で、本衣服の裏側に配される。なお、衣服とは、身にまとう物であり、例えば、洋服、和服、又は民族服などが挙げられる。
本発明に係る衣服(以下「本衣服」という。)は、本発明に係る生地から成る裏地を備えるか、又は前記生地を含んで構成された裏地を備える衣服である。本衣服での前記生地は、裏地として適するように所定の形状に縫製された状態で、本衣服の裏側に配される。なお、衣服とは、身にまとう物であり、例えば、洋服、和服、又は民族服などが挙げられる。
和服や民族服と比べて、洋服は、夏季に日常的に高温多湿の雰囲気下で着用されて、清涼性や着心地の良さが求められる場合が多い。この観点から、本衣服は、好ましくは、本発明に係る生地から成る裏地を備える洋服であるか、又は前記生地を含んで構成された裏地を備える洋服である。洋服は、西洋風の衣服であり、例えば、トップス、ズボン、スカート、ドレス、背広、制服、又はアウターウェアなどが挙げられる。
本衣服によれば、裏地として本発明に係る生地を備えるため、清涼感が良く、ベタツキ軽減効果があり、着心地を高められた衣服を提供することができる。本衣服によれば、例えば、裏地として前記生地を備えることにより、清涼性が良くてベタツキ感のないスポーツ用ウィンドブレーカーが提供される。
後述する袈裟の例で説明するように、本発明に係る生地は、裏地を備えていない衣服の表地として用いられた場合にも、清涼感が良く、ベタツキ軽減効果があり、着心地を高めることができる衣服を提供可能である。この理由から、本衣服は、さらに好ましくは、表地と裏地を備える洋服であって、この表地と裏地の各々が本発明に係る生地から成るか又は前記生地を含んで構成された洋服である。
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正または変形を加えた態様で実施できる。同一の作用または効果が生じる範囲内で、いずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で本発明を実施しても良い。
原料植物としてマニラ麻の葉部が用いられて、常法により製造された、アバカ繊維製の和紙を準備した。以下の実施例1から実施例8では、この和紙を任意の幅でスリットして、得られた切片であるスリット和紙を用いた。
<実施例1>
スリット和紙を加撚(1,050回/m、Z撚り)して、メートル番手で表すと60番手(1/60)である(166.7dtexである)、加撚されたスリット和紙(単糸)(以下「和紙糸(A)」という。)を得た。また、33.3dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(A)」という。)を準備した。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(A)と補強糸(A)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが70g/m2である実施例1に係る生地を得た。次の表1では、この実施例1に係る生地、後述する実施例2から実施例8に係る生地、及び後述する比較例1に係る生地について、スリット和紙の含有量などをまとめて示す。
スリット和紙を加撚(1,050回/m、Z撚り)して、メートル番手で表すと60番手(1/60)である(166.7dtexである)、加撚されたスリット和紙(単糸)(以下「和紙糸(A)」という。)を得た。また、33.3dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(A)」という。)を準備した。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(A)と補強糸(A)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが70g/m2である実施例1に係る生地を得た。次の表1では、この実施例1に係る生地、後述する実施例2から実施例8に係る生地、及び後述する比較例1に係る生地について、スリット和紙の含有量などをまとめて示す。
常法により、実施例1に係る生地から成る裏地を備えるジャケットを試作した。このジャケットを着用したところ、従来であれば発汗を感じるような高温多湿の雰囲気下でも、裏地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。また、常法により実施例1に係る生地から実質的に成る袈裟を試作して僧侶に着用してもらったところ、従来であれば長時間のお勤めで発汗を感ずるような条件下でも、袈裟は肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
<実施例2>
スリット和紙を加撚(1,050回/m、Z撚り)して、メートル番手で表すと56番手である(178.6dtexである)、加撚されたスリット和紙(単糸)(以下「和紙糸(B)」という。)を得た。また、55.6dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(B)」という。)を準備した。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(B)と補強糸(B)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが70g/m2である実施例2に係る生地(メッシュ織物)を得た。この生地での織密度は、経346本/10cm、緯323本/10cmであった。この生地(メッシュ織物)による裏地の開口率は16%であった。
スリット和紙を加撚(1,050回/m、Z撚り)して、メートル番手で表すと56番手である(178.6dtexである)、加撚されたスリット和紙(単糸)(以下「和紙糸(B)」という。)を得た。また、55.6dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(B)」という。)を準備した。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(B)と補強糸(B)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが70g/m2である実施例2に係る生地(メッシュ織物)を得た。この生地での織密度は、経346本/10cm、緯323本/10cmであった。この生地(メッシュ織物)による裏地の開口率は16%であった。
常法により、実施例2に係る生地から成る裏地を備えるジャケットを試作した。このジャケットを着用したところ、従来であれば発汗を感じるような高温多湿の雰囲気下でも、生地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。また、常法により実施例2に係る生地から実質的に成る袈裟を試作して僧侶に着用してもらったところ、従来であれば長時間のお勤めで発汗を感ずるような条件下でも、袈裟は肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
<実施例3>
メートル番手で表すと86番手(1/86)である(116.3dtexである)、加撚されていないスリット和紙を準備した。また、22.2dtexであるPET製の長繊維(以下「補助糸(C)」という。)と、前述した補強糸(A)を準備した。準備した1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(C)を巻き付け(700回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(C)を巻き付けて(700回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(C)」という。)を得た。この和紙糸(C)は、メートル番手で表すと60番手(1/60)程度(166.7dtex程度)であった。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(C)と補強糸(A)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが64g/m2である実施例3に係る生地を得た。
メートル番手で表すと86番手(1/86)である(116.3dtexである)、加撚されていないスリット和紙を準備した。また、22.2dtexであるPET製の長繊維(以下「補助糸(C)」という。)と、前述した補強糸(A)を準備した。準備した1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(C)を巻き付け(700回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(C)を巻き付けて(700回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(C)」という。)を得た。この和紙糸(C)は、メートル番手で表すと60番手(1/60)程度(166.7dtex程度)であった。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(C)と補強糸(A)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが64g/m2である実施例3に係る生地を得た。
前述した実施例1や実施例2と同様に、裏地として実施例3に係る生地を備えるスーツ及び普段着を試作してそれぞれ着用したところ、従来であれば発汗を感ずるような高温多湿の雰囲気下でも、裏地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。また、常法により実施例3に係る生地から実質的に成る袈裟を試作して僧侶に着用してもらったところ、従来であれば長時間のお勤めで発汗を感ずるような条件下でも、袈裟は肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
<実施例4>
経糸および緯糸として和紙糸(B)と補強糸(B)をそれぞれ用いて図3に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが79g/m2である実施例4に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるスポーツ用ウィンドブレーカーを試作した。このウィンドブレーカーを着用したところ、従来であれば発汗を感ずるような高温多湿の雰囲気下でも、裏地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
経糸および緯糸として和紙糸(B)と補強糸(B)をそれぞれ用いて図3に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが79g/m2である実施例4に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるスポーツ用ウィンドブレーカーを試作した。このウィンドブレーカーを着用したところ、従来であれば発汗を感ずるような高温多湿の雰囲気下でも、裏地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
<実施例5>
前述した和紙糸(C)を準備した。また、166.7dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(E)」という。)を準備した。和紙糸(C)と補強糸(E)の本数比率がこの順で1:2になるように交編して逆ハーフ組織の経編物を作製し、常法により仕上げ加工して実施例5に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるジャケットを試作した。このジャケットを着用したところ、幾らか発汗したように感じたが、生地が肌に貼り付きにくかったため、あまりベタツキを感じられなかった。
前述した和紙糸(C)を準備した。また、166.7dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(E)」という。)を準備した。和紙糸(C)と補強糸(E)の本数比率がこの順で1:2になるように交編して逆ハーフ組織の経編物を作製し、常法により仕上げ加工して実施例5に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるジャケットを試作した。このジャケットを着用したところ、幾らか発汗したように感じたが、生地が肌に貼り付きにくかったため、あまりベタツキを感じられなかった。
<実施例6>
目付が10g/m2である和紙を1.0mm幅でスリットして、加撚されていないスリット和紙を得た。また、前述した補助糸(C)と、22.2dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(F)」という。)を準備した。1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(C)を巻き付け(700回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(C)を巻き付けて(700回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(F)」という。)を得た。この和紙糸(F)は、メートル番手で表すと65番手(1/65)程度(153.8dtex程度)であった。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(F)と補強糸(F)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが72g/m2である実施例6に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるスポーツ用ウィンドブレーカーを試作した。このウィンドブレーカーを着用したところ、従来であれば発汗を感ずるような高温多湿の雰囲気下でも、裏地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
目付が10g/m2である和紙を1.0mm幅でスリットして、加撚されていないスリット和紙を得た。また、前述した補助糸(C)と、22.2dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(F)」という。)を準備した。1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(C)を巻き付け(700回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(C)を巻き付けて(700回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(F)」という。)を得た。この和紙糸(F)は、メートル番手で表すと65番手(1/65)程度(153.8dtex程度)であった。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(F)と補強糸(F)を用いて図2に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが72g/m2である実施例6に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるスポーツ用ウィンドブレーカーを試作した。このウィンドブレーカーを着用したところ、従来であれば発汗を感ずるような高温多湿の雰囲気下でも、裏地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
<実施例7>
目付が10g/m2である和紙を1.2mm幅でスリットして、加撚されていないスリット和紙を得た。また、前述した補助糸(C)と、55.6dtexであるキュプラ(以下「補強糸(G)」という。)を準備した。1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(C)を巻き付け(600回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(C)を巻き付けて(600回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(G)」という。)を得た。この和紙糸(G)は、メートル番手で表すと56番手(1/56)程度(178.6dtex程度)であった。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(G)と補強糸(G)を用いて図1(c)に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが122g/m2である実施例6に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備える背広(折り襟の上着、及びこれと共地のズボン)を試作した。この背広を着用したところ、幾らか発汗したように感じたが、生地が肌に貼り付きにくかったため、あまりベタツキを感じられなかった。
目付が10g/m2である和紙を1.2mm幅でスリットして、加撚されていないスリット和紙を得た。また、前述した補助糸(C)と、55.6dtexであるキュプラ(以下「補強糸(G)」という。)を準備した。1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(C)を巻き付け(600回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(C)を巻き付けて(600回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(G)」という。)を得た。この和紙糸(G)は、メートル番手で表すと56番手(1/56)程度(178.6dtex程度)であった。経糸および緯糸としてそれぞれ和紙糸(G)と補強糸(G)を用いて図1(c)に示す組織図にて製織し、常法により仕上げ加工して、目付けが122g/m2である実施例6に係る生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備える背広(折り襟の上着、及びこれと共地のズボン)を試作した。この背広を着用したところ、幾らか発汗したように感じたが、生地が肌に貼り付きにくかったため、あまりベタツキを感じられなかった。
<実施例8>
目付が10g/m2である和紙を1.5mm幅でスリットして、加撚されていないスリット和紙を得た。また、33.3dtexであるPET製の長繊維(以下「補助糸(H)」という。)と、83.3dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(H)」という。)を準備した。1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(H)を巻き付け(600回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(H)を巻き付けて(600回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(H)」という。)を得た。この和紙糸(H)は、メートル番手で表すと42番手(1/42)程度(238.1dtex程度)であった。レース編機により、この和紙糸(H)を振り糸として補強糸(H)と交編させて、常法により仕上げ加工して、目付けが75g/m2である実施例8に係る生地を得た。この生地は、図4に示すように、メッシュ経編物である。
目付が10g/m2である和紙を1.5mm幅でスリットして、加撚されていないスリット和紙を得た。また、33.3dtexであるPET製の長繊維(以下「補助糸(H)」という。)と、83.3dtexであるPET製の長繊維(以下「補強糸(H)」という。)を準備した。1本のスリット和紙の周囲に、1本の補助糸(H)を巻き付け(600回/m、Z巻き)、更にその周囲にもう1本の補助糸(H)を巻き付けて(600回/m、S巻き)、カバリング糸(以下「和紙糸(H)」という。)を得た。この和紙糸(H)は、メートル番手で表すと42番手(1/42)程度(238.1dtex程度)であった。レース編機により、この和紙糸(H)を振り糸として補強糸(H)と交編させて、常法により仕上げ加工して、目付けが75g/m2である実施例8に係る生地を得た。この生地は、図4に示すように、メッシュ経編物である。
常法により、実施例8に係る生地から成る裏地を備えるジャケットを試作した。また、常法により、実施例8に係る生地から成る裏地を備える背広(折り襟の上着、及びこれと共地のズボン)を試作した。このジャケットを着用した場合や、この背広を着用した場合には、従来であれば発汗を感ずるような高温多湿の雰囲気下でも、裏地が肌に貼り付くことがほとんどなく、ベタツキを感じず、清涼感に富んでいた。
<比較例1>
実施例1での和紙糸(A)に代えて、166.7dtexであるPET製の長繊維を用いた他は、実施例1と同様にして目付けが70g/m2である生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるジャケットを試作した。このジャケットを実施例1と同様に高温多湿の雰囲気下で着用したところ、発汗により生地が肌に貼り付く感じとベタツキを感じたため、清涼感に欠けており、早くジャケットを脱ぎたくなった。
実施例1での和紙糸(A)に代えて、166.7dtexであるPET製の長繊維を用いた他は、実施例1と同様にして目付けが70g/m2である生地を得た。常法により、この生地から成る裏地を備えるジャケットを試作した。このジャケットを実施例1と同様に高温多湿の雰囲気下で着用したところ、発汗により生地が肌に貼り付く感じとベタツキを感じたため、清涼感に欠けており、早くジャケットを脱ぎたくなった。
Claims (6)
- 裏地用の生地であって、
前記生地は、和紙糸と補強糸が交織された織物により形成されるか、又は前記和紙糸と前記補強糸が交編された経編物により形成され、
前記和紙糸は、和紙がテープ状にスリットされたスリット和紙が加撚されて成る単糸、2本以上の前記単糸が組み合わされて成る糸、および、1本以上の前記スリット和紙と1本以上の補助糸が組み合わされて成る複合糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、
前記補助糸は、前記スリット和紙と組み合わされて前記複合糸を形成させるために用いられる、長繊維、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、
前記補強糸は、前記和紙糸と交織または交編させるために用いられる、長繊維、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、
前記織物または前記経編物における前記スリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下であることを特徴とする生地。 - 裏地用の生地であって、
前記生地は、和紙糸で織られた織物により形成されるか、又は前記和紙糸で編まれた経編物により形成され、
前記和紙糸は、和紙がテープ状にスリットされたスリット和紙を1本以上と補助糸が1本以上とが組み合わされて成る複合糸であるか、または、前記スリット和紙が加撚されて成る単糸、及び2本以上の前記単糸が組み合わされて成る糸からなる群より選ばれた1種以上の糸ならびに前記複合糸であり、
前記補助糸は、前記スリット和紙と組み合わされて前記複合糸を形成させるために用いられる、長繊維、及びスパン糸からなる群より選ばれた1種以上の糸であり、
前記織物または前記経編物における前記スリット和紙の含有量が20重量%以上かつ80重量%以下であることを特徴とする生地。 - 前記複合糸は、1本以上の前記単糸と、1本以上の前記補助糸と、が合撚されて成る合撚糸である請求項1又は請求項2に記載された生地。
- 前記複合糸は、1本の前記スリット和紙の外周または2本以上の当該スリット和紙が束ねられた外周に、前記補助糸が1本以上巻き付けられて成るカバリング糸である請求項1又は請求項2に記載された生地。
- 前記織物がメッシュ織物であり、前記経編物がメッシュ編物である請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された生地。
- 裏地を備える衣服であって、
前記裏地が、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載された生地から成るか、又は前記生地を含んで構成されたことを特徴とする衣服。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115045022A (zh) * | 2022-05-16 | 2022-09-13 | 河北新大东纺织有限公司 | 一种纸纤维牛仔面料 |
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2018
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