本出願は、2018年8月27日に日本国に特許出願された特願2018−158793の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
従来の技術では、共振器の構造体を多数並べる必要がある。
本開示は、新たな共振構造体、アンテナ、無線通信モジュール及び無線通信機器を提供することに関する。
本開示によれば、新たな共振構造体、アンテナ、無線通信モジュール及び無線通信機器が提供され得る。
本開示の「共振構造体」は、所定周波数で共振状態になる。共振構造体が共振状態になる周波数は、「共振周波数」という。本開示の「共振構造体」の用途の一例として、アンテナ及びフィルタが挙げられる。本開示の「共振構造体」は、誘電体材料を含む部材、及び、導電性材料を含む部材を有し得る。
本開示において「誘電体材料」は、セラミック材料及び樹脂材料の何れかを組成として含み得る。セラミック材料は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ガラス母材中に結晶成分を析出させた結晶化ガラス、及び、雲母若しくはチタン酸アルミニウム等の微結晶焼結体を含む。樹脂材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、及び、液晶ポリマー等の未硬化物を硬化させたものを含む。
本開示において「導電性材料」は、金属材料、金属材料の合金、金属ペーストの硬化物、及び、導電性高分子の何れかを組成として含み得る。金属材料は、銅、銀、パラジウム、金、白金、アルミニウム、クロム、ニッケル、カドミウム鉛、セレン、マンガン、錫、バナジウム、リチウム、コバルト、及び、チタン等を含む。合金は、複数の金属材料を含む。金属ペースト剤は、金属材料の粉末を有機溶剤、及び、バインダとともに混練したものを含む。バインダは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及び、ポリエーテルイミド樹脂を含む。導電性ポリマーは、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、及び、ポリピロール系ポリマー等を含む。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。図1から図79に示す構成要素において、同じ構成要素には、同じ符号を付す。
本開示の実施形態では、図1等に示す導体部30が広がる第1平面は、図1等に示すXYZ座標系におけるXY平面として示す。本開示の実施形態では、図1及び図2等に示すグラウンド導体40から導体部30に向かう方向をZ軸の正方向として示し、その反対方向をZ軸の負方向として示す。本開示の実施形態において、X軸の正方向とX軸の負方向とを特に区別しない場合、X軸の正方向とX軸の負方向は、まとめて「X方向」と記載する。Y軸の正方向とY軸の負方向とを特に区別しない場合、Y軸の正方向とY軸の負方向は、まとめて「Y方向」と記載する。Z軸の正方向とZ軸の負方向とを特に区別しない場合、Z軸の正方向とZ軸の負方向は、まとめて「Z方向」と記載する。
[共振構造体の一例]
図1は、一実施形態に係る共振構造体10の斜視図である。図1は、共振構造体10をZ軸の正方向から見た斜視図である。図2は、図1に示す共振構造体10をZ軸の負方向から見た斜視図である。図3は、図1に示す共振構造体10の一部を分解した斜視図である。図4は、図1に示すL1−L1線に沿った共振構造体10の断面図である。
共振構造体10は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体10は、図1及び図2に示すように、基体20と、導体部30と、グラウンド導体40とを有する。共振構造体10は、接続導体60−1,60−2,60−3,60−4を有する。以下では、接続導体60−1〜60−4を特に区別しない場合、接続導体60−1〜60−4は、まとめて「接続導体60」と記載する。共振構造体10が有する接続導体60の数は、4つに限定されない。共振構造体10は、第1所定数の接続導体60を有すればよい。第1所定数は、3つ以上である。共振構造体10は、図1に示す第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
基体20は、誘電体材料を含んで構成され得る。基体20の比誘電率は、共振構造体10の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
基体20は、導体部30及びグラウンド導体40を支持する。基体20は、図1及び図2に示すように、四角柱である。ただし、基体20は、導体部30及びグラウンド導体40を支持し得る範囲において任意の形状であってよい。基体20は、図4に示すように、上面21及び下面22を有する。上面21は、基体20に含まれるXY平面に略平行な2つの面のうち、Z軸の正方向側に位置する面である。下面22は、基体20に含まれるXY平面に略平行な2つの面のうち、Z軸の負方向側に位置する面である。
図1に示す導体部30は、導電性材料を含んで構成されてよい。導体部30、グラウンド導体40及び接続導体60は、同じ導電性材料を含んで構成されてよいし、異なる導電性材料を含んで構成されてよい。
図1に示す導体部30は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部30は、XY平面に沿って広がる。導体部30は、X方向に略平行な2辺とY方向に略平行な2辺とを含む略正方形状である。ただし、導体部30は、任意の形状であってよい。導体部30は、基体20の上面21に位置する。共振構造体10は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する所定周波数の電磁波に対して、人工磁気壁特性(Artificial Magnetic Conductor Character)を示し得る。
本開示において「人工磁気壁特性」は、1つの共振周波数における入射波と反射波との位相差が0度となる面の特性を意味する。共振構造体10は、少なくとも1つの共振周波数のうちの少なくとも1つの近傍を動作周波数とし得る。人工磁気壁特性を有する面では、動作周波数バンドにおいて、入射波と反射波の位相差が−90度から+90度までの範囲より小さくなる。
図1に示すように、導体部30は、隙間Sx及び隙間Syを含む。隙間Sxは、Y方向に沿って延びる。隙間Sxは、導体部30のX方向に略平行な辺の中央付近に位置する。隙間Syは、X方向に沿って延びる。隙間Syは、導体部30のY方向に略平行な辺の中央付近に位置する。隙間Sxの幅及び隙間Syの幅は、共振構造体10の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
導体部30は、図1に示すように、第1導体31−1,31−2,31−3,31−4を含む。以下、第1導体31−1〜31−4を特に区別しない場合、第1導体31−1〜31−4は、まとめて「第1導体31」と記載する。導体部30が含む第1導体31の数は、4つに限定されない。導体部30は、上述の第1所定数を超える第2所定数の第1導体31を含めばよい。
図1に示す第1導体31は、平板状の導体であってよい。第1導体31は、同じ形状の、X方向に略平行な2辺とY方向に略平行な2辺とを含む略正方形状である。ただし、第1導体31−1〜31−4の各々は、任意の形状であってよい。第1導体31−1〜31−4の各々は、図1及び図3に示すように、互いに異なる接続導体60−1〜60−4の1つに接続されている。第1導体31は、図1に示すように、正方形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続部31aを含み得る。接続部31aには、接続導体60が接続されている。ただし、第1導体31は、接続部31aを含まなくてよい。複数の第1導体31のうちの、一部が接続部31aを含んでよく、他の一部が接続部31aを含まなくてよい。図1に示す接続部31aは、円形状である。ただし、接続部31aは、円形状に限定されず、任意の形状であってよい。
図1に示すように、第1導体31−1〜31−4の各々は、XY平面に沿って広がる。図1に示す第1導体31−1〜第1導体31−4の各々は、X方向及びY方向に沿った正方格子状に並ぶ。
例えば、第1導体31−1と第1導体31−2は、X方向及びY方向に沿った正方格子のX方向に沿って並ぶ。第1導体31−3と第1導体31−4は、X方向及びY方向に沿った正方格子のX方向に沿って並ぶ。第1導体31−1と第1導体31−4は、X方向及びY方向に沿った正方格子のY方向に沿って並ぶ。第1導体31−2と第1導体31−3は、X方向及びY方向に沿った正方格子のY方向に沿って並ぶ。第1導体31−1と第1導体31−3は、X方向及びY方向に沿った正方格子の第1対角方向に沿って並ぶ。第1対角方向は、X軸の正方向からY軸の正方向に向けて45度傾いた方向である。第1導体31−2と第1導体31−4は、X方向及びY方向に沿った正方格子の第2対角線に沿って並ぶ。第2対角方向は、X軸の正方向からY軸の正方向に向けて135度傾いた方向である。
ただし、第1導体31−1〜31−4が並ぶ格子は、正方格子に限定されない。第1導体31−1〜第1導体31−4は、任意の格子状に並んでよい。第1導体31が並ぶ格子の一例として、斜交格子、長方格子及び六方格子等が挙げられる。
第1導体31は、異なる第1導体31との間に隙間を有することで、当該異なる第1導体31と容量的に接続されるように構成された部位を含む。例えば、第1導体31−1と第1導体31−2は、互いの間に隙間Sxを有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体31−3と第1導体31−4は、互いの間に隙間Sxを有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体31−1と第1導体31−4とは、互いの間に隙間Syを有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体31−2と第1導体31−3は、互いの間に隙間Syを有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体31−1と第1導体31−3は、互いの間に隙間Sx及び隙間Syを有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体31−2と第1導体31−4は、互いの間に隙間Sx及び隙間Syを有することで、容量的に接続されるように構成され得る。第1導体31−1と第1導体31−3は、第1導体31−2及び第1導体31−4を介して、容量的に接続されるように構成され得る。第1導体31−2と第1導体31−4は、第1導体31−1及び第1導体31−3を介して、容量的に接続されるように構成され得る。
図1に示すように、共振構造体10は、隙間Sxに容量素子C1,C2を有してよい。共振構造体10は、隙間Syに容量素子C3,C4を有してよい。容量素子C1〜C4は、チップコンデンサ等であってよい。隙間Sxに位置する容量素子C1は、第1導体31−1と第1導体31−2とを容量的に接続するように構成されている。隙間Sxに位置する容量素子C2は、第1導体31−3と第1導体31−4とを容量的に接続するように構成されている。隙間Syに位置する容量素子C3は、第1導体31−2と第1導体31−3とを容量的に接続するように構成されている。隙間Syに位置する容量素子C4は、第1導体31−1と第1導体31−4とを容量的に接続するように構成されている。容量素子C1,C2の隙間Sxにおける位置及び容量素子C3,C4の隙間Syにおける位置は、共振構造体10の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。容量素子C1〜C4の容量値は、共振構造体10の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。容量素子C1〜C4の容量値を大きくすると、共振構造体10の共振周波数は低くなり得る。容量素子C1〜C4の容量値を小さくすると、共振構造体10の共振周波数は高くなり得る。
図2に示すグラウンド導体40は、導電性材料を含んで構成され得る。グラウンド導体40は、共振構造体10において基準となる電位を提供する。グラウンド導体40は、共振構造体10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されるように構成されていてよい。グラウンド導体40は、平板状の導体であってよい。グラウンド導体40は、図4に示すように、基体20の下面22に位置する。グラウンド導体40のZ軸の負方向側には、共振構造体10を備える機器の多様な部品が位置してよい。一例として、図4に示すように、グラウンド導体40のZ軸の負方向側に、金属板が位置してよい。アンテナとしての共振構造体10は、金属板がグラウンド導体40のZ軸の負方向側に位置しても、所定周波数での放射効率を維持し得る。
グラウンド導体40は、図2及び図3に示すように、XY平面に沿って広がる。グラウンド導体40は、導体部30と離れて位置する。グラウンド導体40と導体部30との間には、図4に示すように、基体20が介在する。グラウンド導体40は、図3に示すように、Z方向において、導体部30と対向する。グラウンド導体40は、導体部30の形状に応じた形状であってよい。図2に示すグラウンド導体40は、略正方形の導体部30に応じた略正方形状である。ただし、グラウンド導体40は、導体部30の形状に応じて、任意の形状であってよい。グラウンド導体40は、正方形の4つの角部の各々に、接続部40aを含む。接続部40aには、接続導体60が接続されている。グラウンド導体40は、複数の接続部40aのうちの一部を含まなくてよい。図2に示す接続部40aは、円形状である。ただし、接続部40aは、円形状に限定されず、任意の形状であってよい。
図1に示す第1給電線51及び第2給電線52は、導電性材料を含んで構成され得る。第1給電線51及び第2給電線52の各々は、スルーホール導体又はビア導体等であり得る。第1給電線51及び第2給電線52は、図4に示すように基体20の中に位置し得る。共振構造体10では、第1給電線51及び第2給電線52を導体部30に直結させる直接給電方式が採用されてよいし、第1給電線51及び第2給電線52を導体部30に磁気結合させる電磁結合給電方式が採用されてよい。
図3に示す第1給電線51は、図1に示す導体部30に含まれる第1導体31−1に電磁気的に接続されるように構成されている。本開示において「電磁気的な接続」は、電気的な接続又は磁気的な接続であってよい。第1給電線51は、図2に示すグラウンド導体40の開口51aから、外部の機器等へ延在し得る。
第1給電線51は、共振構造体10がアンテナとして用いられる場合、第1導体31−1を経由して導体部30に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体10がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第1導体31−1を経由して導体部30からの電力を、外部の機器等に給電するように構成される。
図3に示す第2給電線52は、図1に示す導体部30に含まれる第1導体31−2に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、第1給電線51とは異なる位置で、導体部30に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、図2に示すように、グラウンド導体40の開口52aから、外部の機器等へ延在し得る。
第2給電線52は、共振構造体10がアンテナとして用いられる場合、第1導体31−2を経由して導体部30に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体10がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第1導体31−2を経由して導体部30からの電力を、外部の機器等に給電するように構成される。
図3に示す接続導体60は、導電性材料を含んで構成され得る。接続導体60は、グラウンド導体40から導体部30に向かって延びる。接続導体60は、スルーホール導体であり得る。接続導体60は、ビア導体であってよい。接続導体60−1〜60−4の各々は、第1導体31−1〜31−4の各々とグラウンド導体40とを各々接続する。
<共振状態の例1>
図5は、図1に示す共振構造体10における共振状態の例1を説明する図である。図5に示すA方向及びB方向は、XY平面に含まれる方向である。
図5に示す共振構造体10は、容量素子C1〜C4を有する。容量素子C1〜C4の容量値は、同じである。
A方向は、X軸の正方向からY軸の正方向に向けて45度傾いた方向である。A方向は、X方向及びY方向に沿う正方格子状に並ぶ第1導体31−1〜31−4において、第1導体31−1と第1導体31−3とが並ぶ第1対角方向である。
B方向は、X軸の正方向からY軸の正方向に向けて135度傾いた方向である。B方向は、X方向及びY方向に沿う正方格子状に並ぶ第1導体31−1〜31−4において、第1導体31−2と第1導体31−4とが並ぶ第2対角方向である。
接続導体60−1と接続導体60−2は、第1方向としてのX方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−1と接続導体60−2は、第1導体31が並ぶ(X方向及びY方向に沿う)正方格子のX方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。
接続導体60−3と接続導体60−4は、第1方向としてのX方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−3と接続導体60−4は、第1接続対の接続導体60−1と接続導体60−2とは、異なる第1接続対となる。
接続導体60−1と接続導体60−4は、第2方向としてのY方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。接続導体60−1と接続導体60−4は、第1導体31が並ぶ(X方向及びY方向に沿う)正方格子のY方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。
接続導体60−2と接続導体60−3は、第2方向としてのY方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。接続導体60−2と接続導体60−3は、第2接続対の接続導体60−1と接続導体60−4とは、異なる第2接続対となる。
共振構造体10は、第1経路P1に沿って第1周波数f1で共振するように構成されている。第1経路P1は、見かけ上の電流経路である。見かけ上の電流経路である第1経路P1は、例えば、第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路と、第2接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路とによって、現れる。第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−1,31−2と、第1接続対の接続導体60−1,60−2とを含む。第2接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−1,31−4と、第1接続対の接続導体60−1,60−4とを含む。共振構造体10が第1周波数f1で共振するとき、これらの電流経路においては、例えばXY平面において、接続導体60−1から接続導体60−2に向かって電流が流れ得、接続導体60−1から接続導体60−4に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、第1経路P1に沿って流れる高周波電流によって誘起されているかのように見える。
見かけ上の電流経路である第1経路P1は、例えば、第1接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路と、第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路とによって、現れる。第1接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−2,31−3と、第1接続対の接続導体60−2,60−3とを含む。第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−3,31−4と、第1接続対の接続導体60−3,60−4とを含む。共振構造体10が第1周波数f1で共振するとき、これらの電流経路においては、例えばXY平面において、接続導体60−3から接続導体60−2に向かって電流が流れ得、接続導体60−3から接続導体60−4に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、第1経路P1に沿って流れる高周波電流によって誘起されているかのように見える。
共振構造体10は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数f1の第1経路P1に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示し得る。
共振構造体10は、第2経路P2に沿って第2周波数f2で共振するように構成されている。第2経路P2は、見かけ上の電流経路である。見かけ上の電流経路である第2経路P2は、例えば、第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路と、第2接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路とによって、現れる。第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−1,31−2と、第1接続対の接続導体60−1,60−2とを含む。第2接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−2,31−3と、第2接続対の接続導体60−2,60−3とを含む。共振構造体10が第2周波数f2で共振するとき、これらの電流経路においては、例えばXY平面において、接続導体60−2から接続導体60−1に向かって電流が流れ得、接続導体60−2から接続導体60−3に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、見かけ上の電流経路としての第2経路P2に沿って流れる高周波電流によって誘起されているかのように見える。
見かけ上の電流経路である第2経路P2は、例えば、第1接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路と、第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路とによって、現れる。第1接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−1,31−4と、第1接続対の接続導体60−1,60−4とを含む。第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−3,31−4と、第2接続対の接続導体60−3,60−4とを含む。共振構造体10が第2周波数f2で共振するとき、これらの電流経路において、例えばXY平面において、接続導体60−4から接続導体60−1に向かって電流が流れ得、接続導体60−4から接続導体60−3に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、見かけ上の電流経路としての第2経路P2に沿って流れる高周波電流によって誘起されているかのように見える。
共振構造体10は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数f2の第2経路P2に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示し得る。
共振構造体10は、図5に示すように、XY平面において、略正方形状である導体部30のX方向に略平行な2つの辺の中点を結ぶ直線に対して対称である。共振構造体10は、XY平面において、略正方形状である導体部30のY方向に略平行な2つの辺の中点を結ぶ直線に対して対称である。このような対称的な構成である共振構造体10では、第1経路P1の長さと第2経路P2の長さとが等しくなり得る。第1経路P1の長さと第2経路P2との長さが等しいと、第1周波数f1と第2周波数f2は、等しくなり得る。
共振構造体10は、第1周波数f1以外を除くフィルタとなり得る。フィルタとしての共振構造体10は、第1給電線51及び第2給電線52を有する場合、第1周波数f1の電磁波に応じた電力を、第1経路P1及び第2経路P2を介して、第1給電線51及び第2給電線52を経由して外部の機器等に供給するように構成される。
共振構造体10では、第1経路P1は、第1対角方向に沿う。第2経路P2は、第2対角方向に沿う。第1対角方向はA方向に対応し、第2対角方向はB方向に対応するため、共振構造体10では、第1経路P1と第2経路P2とがXY平面において直交する。第1経路P1と第2経路P2とがXY平面において直交することにより、第1経路P1に沿って放射される第1周波数f1の電磁波の電界と、第2経路P2に沿って放射される第2周波数f2の電磁波の電界とが直交する。第1周波数f1と第2周波数f2とが等しく、且つ第1経路P1を見かけ上流れる交流電流と、第2経路P2を見かけ上流れる交流電流との位相差が90度になるとき、共振構造体10は、第1周波数f1の円偏波を放射し得る。共振構造体10は、第1周波数f1の円偏波を放射するアンテナとなり得る。
アンテナとしての共振構造体10は、次の(1)〜(3)によって第1周波数f1の円偏波を放射するように構成されている。
(1)第1給電線51及び第2給電線52の各々から導体部30へ、第1周波数の交流電力を給電する。
(2)第1給電線51から導体部30へ給電する電力の大きさと、第2給電線52から導体部30へ給電する電力の大きさを同等にする。
(3)第1給電線51から導体部30へ給電する交流電力と、第2給電線52から導体部30へ給電する交流電力の位相差を90度にする。第1給電線51から導体部30への交流電力の位相を、第2給電線52から導体部30への位相に対して、+90度又は−90度に適宜選択することにより、共振構造体10から右旋回又は左旋回の円偏波を適宜選択して放射することができる。
共振構造体10は、第1周波数f1より小さい第1周波数f01でも、第1経路P1に沿って共振するように構成され得る。ただし、第1周波数f01では、第1接続対の接続導体60−1と接続導体60−2との間を流れる電流によって誘起される電磁波と、第2接続対の接続導体60−1と接続導体60−4との間を流れる電流によって誘起される電磁波とが打ち消し合う。これらの接続導体60間を流れる電流によって誘起される各電磁波が互いに打ち消しあるため、共振構造体10は共振するが、共振構造体10からの電磁波の放射強度は低減し得る。共振構造体10は、第2周波数f2より小さい第2周波数f02で、第2経路P2に沿って共振するように構成されている。ただし、第2周波数f02では、共振構造体10は共振するが、共振構造体10からの電磁波の放射強度は低減し得る。
<共振状態の例2>
図6は、図1に示す共振構造体10における共振状態の例2を説明する図である。
図6に示す共振構造体10は、容量素子C1〜C4を有する。容量素子C1〜C4の容量値は、同じであってよいし、互いに異なる値であってよい。
接続導体60−1と接続導体60−4は、第1方向としてのY方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−1と接続導体60−4とは、第1導体31が並ぶ(X方向及びY方向に沿う)正方格子のY方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。
共振構造体10は、第1経路P3に沿って第1周波数f3で共振する。第1経路P3は、第1接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路の一部である。第1接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−1,31−4と、第1接続対の接続導体60−1,60−4とを含む。共振構造体10が第1周波数f3で共振するとき、例えばXY平面において、第1接続対の接続導体60−1から接続導体60−4に向かって電流が流れ得る。この接続導体60−1と接続導体60−4との間を流れる電流は、電磁波を誘起する。つまり、電磁波が、第1経路P3に沿って流れる高周波電流によって誘起される。共振構造体10は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数f3の第1経路P3に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
接続導体60−2と接続導体60−3は、第1方向としてのY方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−2と接続導体60−3とは、第1導体31が並ぶ(X方向及びY方向に沿う)正方格子のY方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。
共振構造体10は、第1経路P4に沿って第1周波数f3で共振する。第1経路P4は、第1接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路の一部である。第1接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−2,31−3と、第1接続対の接続導体60−2,60−3とを含む。共振構造体10が第1周波数f3で共振するとき、例えばXY平面において、第1接続対の接続導体60−3から接続導体60−2に向かって電流が流れ得る。この接続導体60−2と接続導体60−3との間を流れる電流は、電磁波を誘起する。つまり、電磁波が、第1経路P4に沿って流れる高周波電流によって誘起される。共振構造体10は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数f4の第1経路P4に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
接続導体60−1と接続導体60−2は、第2方向としてのX方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。接続導体60−1と接続導体60−2とは、第1導体31が並ぶ(X方向及びY方向に沿う)正方格子のX方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。
共振構造体10は、第2経路P5に沿って第2周波数f4で共振する。第2経路P5は、第2接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路の一部である。第2接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−1,31−2と、第2接続対の接続導体60−1,60−2とを含む。共振構造体10が第1周波数f3で共振するとき、例えばXY平面において、第2接続対の接続導体60−2から接続導体60−1に向かって電流が流れ得る。この接続導体60−2と接続導体60−1との間を流れる電流は、電磁波を誘起する。つまり、電磁波が、第2経路P5に沿って流れる高周波電流によって誘起される。共振構造体10は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数f4の第2経路P5に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
接続導体60−3と接続導体60−4は、第2方向としてのX方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。接続導体60−3と接続導体60−4とは、第1導体31が並ぶ(X方向及びY方向に沿う)正方格子のX方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。
共振構造体10は、第2経路P6に沿って第2周波数f4で共振する。第2経路P6は、第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路の一部である。第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体31−3,31−4と、第2接続対の接続導体60−3,60−4とを含む。共振構造体10が第2周波数f4で共振するとき、例えばXY平面において、第2接続対の接続導体60−4から接続導体60−3に向かって電流が流れ得る。この接続導体60−4と接続導体60−3との間を流れる電流は、電磁波を誘起する。つまり、電磁波が第2経路P6に沿って流れる高周波電流によって誘起される。共振構造体10は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数f4の第2経路P6に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体10は、上述のように、XY平面において、略正方形状である導体部30のX方向に略平行な2つの辺の中点を結ぶ直線に対して対称である。共振構造体10は、上述のようにXY平面において、略正方形状である導体部30のY方向に略平行な2つの辺の中点を結ぶ直線に対して対称である。このような対称的な構成である共振構造体10では、第1経路P3,P4の長さと、第2経路P5,P6の長さが等しくなり得る。第1経路P3,P4の長さと第2経路P5,P6の長さが等しいと、第1周波数f3と第2周波数f4が等しくなり得る。
共振構造体10は、第1周波数f3以外を除くフィルタとなり得る。共振構造体10は、第2給電線52を有する場合、第1周波数f3の電磁波に応じた電力を、第1経路P3,P4を介して、第2給電線52を経由して外部の機器等へ供給するように構成され得る。共振構造体10は、第1周波数f4以外を除くフィルタとなり得る。共振構造体10は、第1給電線51を有する場合、第2周波数f4の電磁波に応じた電力を、第2経路P5,P6を介して、第1給電線51を経由して外部の機器等へ供給するように構成され得る。
共振構造体10では、第1経路P3の電流の向きと、第1経路P4の電流の向きは、反対になり得る。第1経路P3の電流の向きと第1経路P4の電流の向きとが反対になる場合、第1周波数f3では、共振構造体10からの電磁波の放射強度は低減し得る。
共振構造体10では、第2経路P5の電流の向きと第2経路P6の電流の向きは、反対になり得る。第2経路P5の電流の向きと第2経路P6の電流の向きとが反対になる場合、第2周波数f4では、共振構造体10からの電磁波の放射強度は低減し得る。
<シミュレーション結果>
図7は、図1に示す共振構造体10の周波数に対する放射効率を示すグラフである。図7に示すデータは、シミュレーションによって取得した。シミュレーションでは、図5に示す6.6mm×6.6mmのサイズの導体部30を有する共振構造体10を用いた。シミュレーションでは、共振構造体10を、金属板の上に位置させた。シミュレーションでは、共振構造体10のグラウンド導体40を、金属板に対向させた。当該金属板としては、XY平面において100mm×100mmのサイズを有するものを用いた。共振構造体10を、当該金属板の中央付近に位置させた。シミュレーションでは、隙間Sxは、0.2mmとし、隙間Syは、0.2mmとして。図1に示す容量素子C1〜C4の各々の容量値は、10pFとした。
図7に示す実線は、周波数に対する総合放射効率を示す。図7に示す破線は、アンテナ放射効率を示す。総合放射効率は、アンテナとしての共振構造体10に給電される反射損失を含む電力に対して、共振構造体10から全放射方位へ放射された電磁波の電力の比率である。アンテナ放射効率は、アンテナとしての共振構造体10に給電される反射損失を含まない電力に対して、共振構造体10から全放射方位へ放射された電磁波の電力の比率である。
図7に示す総合放射効率がピークを示す周波数で、共振構造体10は、共振状態になる。反射損失が小さいため、総合放射効率がピークを示す周波数は、共振構造体10の共振周波数を示す。当該シミュレーションでは、共振周波数は、0.62GHz、0.75GHz及び1.47GHzとなる。
図7に示すように、周波数が0.62GHz及び1.47GHzであるとき、アンテナ放射効率は低くなる。アンテナ放射効率が低いことは、アンテナ内部での損失が大きく共振構造体10からの電磁波の放射強度が低減することを示す。周波数が0.62GHz及び1.47GHzであるとき、共振構造体10は共振するが、共振構造体10からの電磁波の放射強度が低減する。0.62GHzは、上述の第1周波数f01及び第2周波数f02に対応する。1.47GHzは、上述の第1周波数f3及び第2周波数f4に対応する。
図7に示すように、周波数が0.75GHzのとき、アンテナ放射効率は高くなる。アンテナ放射効率が高いことは、共振構造体10からの電磁波の放射強度が高いことを示す。周波数が0.75GHzであるとき、共振構造体10は、アンテナとして電磁波を放射し得る。0.75GHzは、上述の第1周波数f1及び第2周波数f2に対応する。
[共振構造体の他の例]
図8は、一実施形態に係る共振構造体10Aの平面図である。以下、共振構造体10Aと図1に示す共振構造体10との間の相違点を中心に説明する。
図8に示す共振構造体10Aでは、図1に示す共振構造体10とは異なり、容量素子C1〜C4の少なくとも一部の容量値が、互いに異なる。容量素子C1、容量素子C3、容量素子C4、容量素子C5の順番に容量値が大きくてよい。
一例として、容量素子C1の容量値は、容量値c[pF]とする。容量素子C3の容量値は、容量値cの2倍(2×c[pF])とする。容量素子C4の容量値は、容量値cの4倍(4×c[pF])とする。容量素子C2の容量値は、容量値cの8倍(8×c[pF])とする。
<共振状態の例1>
共振構造体10Aは、第1経路P7に沿って第1周波数f5で共振する。第1経路P7は、図6に示す第1経路P3と同じ又は類似にして、現れる。ただし、容量素子C4の容量値が容量素子C3の容量値より大きいため、第1経路P7は、図6に示す第1経路P3より、X軸の正方向側に現れる。共振構造体10Aは、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数f5のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体10Aは、第2経路P8に沿って第2周波数f6で共振する。第2経路P8は、図6に示す第2経路P6と同じ又は類似にして、現れる。ただし、容量素子C2の容量値が容量素子C1の容量値より大きいため、第2経路P8は、図6に示す第2経路P6より、Y軸の負方向側に現われる。共振構造体10Aは、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数f6のX方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体10Aは、図5を参照して上述したように、対称的な構成である。対称的な構成である共振構造体10Aでは、第1経路P7の長さと第2経路P8の長さとが等しくなり得る。第1経路P7の長さと第2経路P8の長さが等しいと、第1周波数f5と第2周波数f6が等しくなり得る。
共振構造体10Aは、XY平面において、Y方向に沿う第1経路P7と、X方向に沿う第2経路P8とが直交する。共振構造体10Aでは、XY平面において、第1経路P7と第2経路P8とが直交することにより、第1経路P7から放射される第1周波数f5の電磁波の電界と、第2経路P8から放射される第2周波数f6の電磁波の電界とが直交する。
<共振状態の例2>
図9は、図8に示す共振構造体10Aにおける共振状態の例2を説明する図である。
共振構造体10Aは、第1経路P9に沿って第1周波数f7で共振する。第1経路P9は、図5に示す第2経路P2と同じ又は類似にして、現れる。共振構造体10Aは、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数f7のB方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
図9に示す共振構造体10Aでは、B方向に沿って並ぶ容量素子C1,C4において、容量素子C4の容量値の方が容量素子C1の容量値より4倍大きい。図9に示す共振構造体10Aでは、B方向に沿って並ぶ容量素子C2,C3において、容量素子C2の容量値の方が容量素子C3の容量値より4倍大きい。図9に示す共振構造体10Aでは、容量素子C1〜C4の容量値は、接続導体60−2から接続導体60−4に向かうに連れて大きくなる。
[共振構造体の他の例]
図10は、一実施形態に係る共振構造体10Bの平面図である。以下、共振構造体10Aと図1に示す共振構造体10との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体10Bは、容量素子C1〜C4を有する。容量素子C1は、Y方向において、隙間SxのY軸の負方向側の端部から、隙間Sxの長さの1/4程度離れた箇所に位置する。容量素子C2は、Y方向において、隙間SxのY軸の正方向側の端部から、隙間Sxの長さの1/4程度離れた箇所に位置する。容量素子C3は、X方向において、隙間SyのX軸の負方向側の端部から、隙間Syの長さの1/4程度離れた箇所に位置する。容量素子C4は、X方向において、隙間SyのX軸の正方向側の端部から、隙間Syの長さの1/4程度離れた箇所に位置する。
共振構造体10Bでは、容量素子C1〜C4の少なくとも一部の容量値が、互いに異なる。容量素子C1、容量素子C3、容量素子C4、容量素子C5の順番に容量値が大きくてよい。
一例として、容量素子C1の容量値は、容量値c[pF]とする。容量素子C3の容量値は、容量素子C1の容量値cの2倍(2×c[pF])とする。容量素子C4の容量値は、容量素子C1の容量値cの4倍(4×c[pF])とする。容量素子C2の容量値は、容量素子C1の容量値cの8倍(8×c[pF])とする。
<共振状態の例1>
共振構造体10Bは、第1経路P10に沿って第1周波数f8で共振する。第1経路P10は、図5に示す第1経路P1と同じ又は類似にして、現れる。共振構造体10Bは、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数f8のA方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
図10に示す共振構造体10Bでは、A方向に沿って並ぶ容量素子C1,C3において、容量素子C3の容量値の方が容量素子C1の容量値より2倍大きい。図10に示す共振構造体10Bでは、A方向に沿って並ぶ容量素子C2,C4において、容量素子C2の容量値の方が容量素子C4の容量値より2倍大きい。図10に示す共振構造体10Bでは、容量素子C1〜C4の容量値は、接続導体60−1から接続導体60−3に向かうに連れて大きくなる。図10に示す共振構造体10Bでは、接続導体60−1と接続導体60−3との間に、容量素子C1と容量素子C3とがA方向に沿って並んで位置し、容量素子C2と容量素子C4とがA方向に沿って並んで位置する。
[共振構造体の他の例]
図11は、一実施形態に係る共振構造体110の斜視図である。図12は、図11に示す共振構造体110の一部を分解した斜視図である。
共振構造体110は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体110は、図11及び図12に示すように、基体20と、導体部130と、グラウンド導体40と、接続導体60とを有する。共振構造体110は、第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
図11に示す導体部130は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部130は、XY平面に沿って広がる。導体部130は、X方向に略平行な2辺と、Y方向に略平行な2辺とを含む略正方形状である。導体部130は、基体20の上面21に位置する。共振構造体110は、外部から導体部130が位置する基体20の上面21へ入射する所定周波数に対して、人工磁気壁特性を示す。
図11に示すように、導体部130は、隙間Sx1、隙間Sy1及び隙間Sy2を含む。隙間Sx1は、Y方向に沿って延びる。隙間Sx1は、X方向において、接続導体60−2,60−3の側に位置する導体部130の部分と、接続導体60−1,60−4の側に位置する導体部130の部分とを、4.0:2.4に分割する箇所に位置する。隙間Sy1は、X方向に沿って延びる。隙間Sy1は、Y方向において、隙間Sx1によって2.4/(4.0+2.4)に分割された導体部130の部分において、接続導体60−4の側の部分と、接続導体60−1の側の部分とを、2.8:3.6に分割する箇所に位置する。隙間Sy2は、X方向に沿って延びる。隙間Sy2は、Y方向において、隙間Sx1によって4.0/(4.0+2.4)に分割された導体部130の部分において、接続導体60−3の側に位置する部分と、接続導体60−2の側に位置する部分とを、3.6:2.8に分割する箇所に位置する。隙間Sx1の幅、隙間Sy1の幅及び隙間Sy2の幅は、共振構造体110の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。隙間Sx1、隙間Sy1及び隙間Sy2によって導体部130を分割する比率は、共振構造体110の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
導体部130は、図11に示すように、第1導体131−1,131−2,131−3,131−4を含む。以下、第1導体131−1〜131−4を特に区別しない場合、第1導体131−1〜131−4は、まとめて「第1導体131」と記載する。導体部130が含む第1導体131の数は、4つに限定されない。導体部130は、任意の数の第1導体131を含んでよい。
第1導体131は、平板状の導体であってよい。第1導体131−1〜131−4の各々は、異なる面積を有する長方形状であり得る。4つの第1導体131において、第1導体131−4、第1導体131−1、第1導体131−2、第1導体131−3の順に、面積は大きくなる。第1導体131−1〜131−4の各々は、図12に示すように、互い異なる接続導体60−1〜60−4の1つに接続されている。
図11に示すように、第1導体131−1〜131−4は、XY平面に沿って広がる。第1導体131−1と第1導体131−2は、X方向に沿って並ぶ。第1導体131−3と第1導体131−4は、X方向に沿って並ぶ。第1導体131−1と第1導体131−4は、Y方向に沿って並ぶ。第1導体131−2と第1導体131−3は、Y方向に沿って並ぶ。第1導体131−1と第1導体131−3は、X軸の正方向に対して45度傾く方向に沿って並ぶ。第1導体131−2と第1導体131−4は、X軸の正方向に対して135度傾く方向に沿って並ぶ。
第1導体131は、異なる第1導体131との間に隙間を有することで、当該異なる第1導体131と容量的に接続されるように構成された部位を含む。例えば、第1導体131−1と第1導体131−2は、互いの間に隙間Sx1を有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体131−3と第1導体131−4は、互いの間に隙間Sx1を有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体131−1と第1導体131−4とは、互いの間に隙間Sy1を有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体131−2と第1導体131−3は、互いの間に隙間Sy2を有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体131−1と第1導体131−3とは、互いの間に隙間Sx1を有することで、容量的に接続されるように構成され得る。例えば、第1導体131−2と第1導体131−4とは、第1導体131−1との間の隙間Sx1及び隙間Sy1を介して、容量的に接続されるように構成され得る。
第1導体131のその他の構成は、図1に示す第1導体31と同じ又は類似である。
共振構造体110は、図11に示す隙間Sx1に図1に示す容量素子C1,C2を有してよい。共振構造体110は、図11に示す隙間Sy1に図1に示す容量素子C4を有してよい。共振構造体110は、隙間Sy2に、図1に示す容量素子C3を有してよい。
図12に示す第1給電線51は、第1導体131−4に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、共振構造体110がアンテナとして用いられる場合、第1導体131−4を経由して導体部130に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体110がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第1導体131−4を経由して導体部130からの電力を、外部の機器等に給電するように構成される。
図12に示す第2給電線52は、第1導体131−2に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、共振構造体110がアンテナとして用いられる場合、第1導体131−2を経由して導体部130に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体110がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第1導体131−2を経由して導体部130からの電力を、外部の機器等に給電するように構成される。
<共振状態の例>
図13は、図11に示す共振構造体110における共振状態の例を説明する図である。
共振構造体110は、第1経路P11に沿って第1周波数f9で共振する。第1経路P11は、見かけ上の電流経路である。見かけ上の電流経路である第1経路P11は、例えば、第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路と、第2接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路とによって、現れる。第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体131−1,131−2と、第1接続対の接続導体60−1,60−2とを含む。第2接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体131−1,131−4と、第1接続対の接続導体60−1,60−4とを含む。共振構造体10が第1周波数f9で共振するとき、これらの電流経路においては、例えばXY平面において、接続導体60−1から接続導体60−2に向かって電流が流れ得、接続導体60−1から接続導体60−4に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、第1経路P11に沿って流れる高周波電流によって誘起されているかのように見える。
見かけ上の電流経路である第1経路P11は、例えば、第1接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路と、第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路とによって、現れる。第1接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体131−1,131−2と、第1接続対の接続導体60−2,60−3とを含む。第2接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体40と、第1導体131−3,131−4と、第2接続対の接続導体60−3,60−4とを含む。共振構造体110が第1周波数f9で共振するとき、これらの電流経路において、例えばXY平面において、接続導体60−3から接続導体60−2に向かって電流が流れ得、接続導体60−3から接続導体60−4に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、第1経路P11に沿って流れる高周波電流によって誘起されているかのように見える。
共振構造体110は、外部から導体部30が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数f9の第1経路P11に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体110では、第1経路P11は、XY平面において、第1導体131−3を横切る。第1導体131−3は、他の第1導体131−1,131−2,131−4と比べて、面積が大きい。共振構造体110では、面積が大きい第1導体131−3に集中して、電流が励振される。面積が大きい第1導体131−3に集中して電流が励振されることで、第1周波数f9は、広帯域の周波数バンドに属し得る。
共振構造体110は、第1周波数f9が属する広帯域以外を除くフィルタとなり得る。フィルタとしての共振構造体110は、第1周波数f9が属する広帯域の周波数の電磁波に応じた電力を、第1経路P11を介して、第1給電線51及び第2給電線52を経由して、外部の機器等に供給する。
共振構造体110は、第1周波数f9が属する広帯域の電磁波を放射可能なアンテナとなり得る。アンテナとしての共振構造体110は、第1給電線51及び第2給電線52から導体部130へ電力を供給する。アンテナとしての共振構造体110は、A方向に沿って偏波する電磁波を放射し得る。
<シミュレーション結果>
図14は、図11に示す共振構造体110の周波数に対する放射効率を示すグラフである。図14に示すデータは、シミュレーションによって取得した。シミュレーションでは、図13に示す6.6mm×6.6mmのサイズの導体部130を有する共振構造体110を用いた。シミュレーションでは、共振構造体110を、金属板上に位置させた。シミュレーションでは、共振構造体110のグラウンド導体40を、金属板に対向させた。当該金属板としては、XY平面において100mm×100mmのサイズを有するものを用いた。共振構造体110を、当該金属板の中央付近に位置させた。
図14に示す実線は、周波数に対する総合放射効率を示す。図14に示す破線は、アンテナ放射効率を示す。
図14に示す総合放射効率がピークを示す周波数で、共振構造体110は、共振状態になる。総合放射効率がピークを示す周波数は、共振構造体110の共振周波数を示す。当該シミュレーションでは、共振周波数は、4.65GHzとなる。4.65GHzは、上述の第1周波数f9に対応する。 図14に示すように、総合放射効率は、4.65GHzから、少なくとも20GHzまでの範囲において、ピーク時の値(−10[dB]程度)を維持する。アンテナ放射効率は、4.65GHzから、少なくとも20GHzまでの範囲において、−2.5[dB]程度の高い値を維持する。共振構造体110は、4.65GHzから、少なくとも20GHzまでの広帯域で放射し得る。
[共振構造体の一例]
図15は、一実施形態に係る共振構造体210の斜視図である。図16は、図15に示す共振構造体210の一部を分解した斜視図である。図17は、図15に示すL2−L2線に沿った共振構造体210の断面図である。
共振構造体210は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体210は、図15及び図16に示すように、基体20と、導体部230と、グラウンド導体240と、接続導体60−1,60−2,60−3,60−4とを有する。共振構造体210は、第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
図16に示す導体部230は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部230は、XY平面に沿って広がる。導体部230は、図17に示すように、基体20の上面21に位置する。共振構造体210は、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する所定周波数の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
導体部230は、図16に示すように、第1導体231−1,231−2,231−3,231−4と、少なくとも1つの第2導体32と、第3導体33−1,33−2,33−3,33−4とを含む。
以下、第1導体231−1〜231−4を特に区別しない場合、第1導体231−1〜231−4は、まとめて「第1導体231」と記載する。導体部230が含む第1導体231の数は、4つに限定されない。導体部230は、任意の数の第1導体231を含んでよい。以下、第3導体33−1〜33−4を特に区別しない場合、第3導体33−1〜33−4は、まとめて「第3導体33」と記載する。
図15に示す第2導体32は、平板状の導体であってよい。第2導体32は、接続導体60に接続されていない。第2導体32は、XY平面に沿って広がる。第2導体32は、図15に示すように、X方向に略平行な2辺と、Y方向に略平行な2辺とを含む略正方形状である。ただし、第2導体32は、任意の形状であってよい。第2導体32は、図17に示すように、基体20の上面21に位置する。ただし、第2導体32は、基体20の中に位置してよい。第2導体32は、基体20の中に位置する場合、第1導体231より、Z軸の負方向側に位置してよい。
図15に示す第3導体33は、平板状の導体であってよい。図17に示す第3導体33は、基体20の上面21に、位置する。図15に示す第3導体33−1〜33−4は、XY平面において、第2導体32の外側に位置する。
図15に示す第3導体33は、接続部33aと、2つの枝部33bとを含む。接続部33aには、接続導体60が接続されている。ただし、第3導体33は、接続部33aを含まなくてよい。複数の第3導体33のうち、一部が接続部33aを含んでよく、他の一部が接続部33aを含まなくてよい。枝部33bは、第2導体32の辺に沿って延びる。第3導体33は、枝部33bを含まなくてよい。
異なる第3導体33の各々が含む枝部33bのうち、X方向において隣接する2つの枝部33bの間には、隙間S1が位置する。異なる第3導体33の各々が含む枝部33bのうち、Y方向において隣接する2つの枝部33bの間には、隙間S1が位置する。共振構造体210は、隙間S1に容量素子を有してよい。第3導体33が含む枝部33bと、第2導体32との間には、隙間S2が位置する。共振構造体210は、隙間S2に容量素子を有してよい。
図16に示す第1導体231は、同じ形状の、略正方形状である。第1導体231は、正方形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続部231aを含む。接続部231aには、接続導体60が接続されている。ただし、第1導体231は、接続部231aを含まなくてよい。複数の第1導体231のうちの、一部が接続部231aを含んでよく、他の一部が接続部231aを含まなくてよい。図1に示す接続部231aは、四角形状である。ただし、接続部231aは、四角形状に限定されず、任意の形状であってよい。第1導体231−1〜231−4の各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−4の1つに接続されている。
第1導体231は、図17に示すように、基体20の中に位置する。第1導体231は、例えば第2導体32との距離がd1となる。第1導体231−1〜231−4の各々は、第2導体32を介して容量的に接続されるように構成され得る。図17に示す距離d1は、共振構造体210の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。第1導体231のその他の構成は、図1に示す第1導体31と同じ又は類似である。
図16に示すグラウンド導体240は、正方形の4つの角部の各々に、接続部240aを含む。接続部240aには、接続導体60が接続されている。図16に示す接続部240aは、四角形状である。ただし、接続部240a、四角形に限定されず、任意の形状であってよい。グラウンド導体240は、導体部230の形状に応じて、任意の形状であってよい。図16に示すグラウンド導体240のその他の構成は、図1に示すグラウンド導体40と同じ又は類似である。
図16に示す第1給電線51は、第2導体32の中心部からX方向にずらした位置に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、X方向のみの電磁波を送信し、X方向成分の電磁波のみを受信する。第1給電線51は、共振構造体210がアンテナとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部230に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体210がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部230からの電力を、外部に給電するように構成される。
図16に示す第2給電線52は、第2導体32の中心部からY方向にずらした位置に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、Y方向のみの電磁波を送信し、Y方向成分の電磁波のみを受信する。第2給電線52は、共振構造体210がアンテナとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部230に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体210がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部30からの電力を、外部に給電するように構成される。
図17に示す接続導体60は、グラウンド導体240から導体部230に向かって延びる。接続導体60−1〜60−4の各々は、第1導体231−1〜231−4の各々と、第3導体33−1〜33−4の各々と、グラウンド導体240とを各々接続する。
<共振状態の例1>
図18は、図15に示す共振構造体210における共振状態の例1を説明する図である。
接続導体60−1と接続導体60−4は、1つのセットとみなし得る。接続導体60−2と接続導体60−3は、1つのセットとみなし得る。接続導体60−1,60−4のセットと、接続導体60−2,60−3のセットは、第1方向としてのX方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−1,60−4のセットと接続導体60−2,60−3のセットは、X方向及びY方向に沿う正方格子において、第1導体231−1,231−4のセットと第1導体231−2,231−3のセットとが並ぶX方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。
共振構造体210は、第1経路Q1に沿って第1周波数g1で共振する。第1経路Q1は、第1接続対の接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットを経る電流経路の一部である。当該電流経路は、グラウンド導体240と、第1導体231−1,231−4のセットと、第1導体231−2,231−3のセットと、第1接続対の接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットとを含む。第1経路Q1を含む電流経路を図18に矢印で示す。共振構造体210が第1経路Q1に沿って第1周波数g1で共振するとき、接続導体60−1,60−4のセットと、接続導体60−2,60−3のセットは、一対の電気壁として機能するように構成されている。共振構造体210が第1経路Q1に沿って第1周波数g1で共振するとき、第1経路Q1を含む電流経路を流れる電流から観て、接続導体60−1,60−2のセットと、接続導体60−3,60−4のセットとは、一対の磁気壁として機能するように構成されている。接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットが一対の電気壁として機能し、接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットが一対の磁気壁として機能することで、共振構造体210は、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g1の第1経路Q1に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
接続導体60−1と接続導体60−2は、1つのセットとみなし得る。接続導体60−3と接続導体60−4は、1つのセットとみなし得る。接続導体60−1,60−2のセットと、接続導体60−3,60−4のセットは、第2方向としてのY方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。接続導体60−1,60−2のセットと接続導体60−3,60−4のセットは、X方向及びY方向に沿う正方格子において、第1導体231−1,231−2のセットと第1導体231−3,231−4のセットとが並ぶY方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。
共振構造体210は、第2経路Q2に沿って第2周波数g2で共振する。第2経路Q2は、第2接続対の接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットを経る電流経路の一部である。当該電流経路は、グラウンド導体240と、第1導体231−1,231−2のセットと、第1導体231−3,231−4のセットと、第2接続対の接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットとを含む。共振構造体210が第2経路Q2に沿って第2周波数g2で共振するとき、接続導体60−1,60−2のセットと、接続導体60−3,60−4のセットとは、一対の電気壁として機能するように構成されている。共振構造体210が第1経路Q2に沿って第1周波数g2で共振するとき、第2経路Q2を含む電流経路を流れる電流から観て、接続導体60−2,60−3のセットと、接続導体60−1,60−4のセットとは、一対の磁気壁として機能するように構成されている。接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットが一対の電気壁として機能し、接続導体60−2,60−3のセット及び接続導体60−1,60−4のセットが一対の磁気壁として機能することで、共振構造体210は、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g2の第2経路Q2に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210は、XY平面において、上述のように、略正方形状である導体部230のX方向に略平行な2つの辺の中点を結ぶ直線に対して対称である。共振構造体210は、XY平面において、上述のように、略正方形状である導体部230のY方向に略平行な2つの辺の中点を結ぶ直線に対して対称である。このような対称的な構成である共振構造体210では、第1経路Q1の長さと第2経路Q2の長さが等しくなり得るため、第1周波数g1と第2周波数g2は、等しくなり得る。
共振構造体210は、第1周波数g1(=第2周波数g2)以外を除くフィルタとなり得る。フィルタとしての共振構造体210は、第1給電線51を有する場合、第1周波数g1の電磁波に応じた電力を、第1経路Q1及び第1給電線51を経由して、外部の機器等に供給し得る。フィルタとしての共振構造体210は、第2給電線52を有する場合、第2周波数g2の電磁波に応じた電力を、第2経路Q2及び第2給電線52を経由して、外部の機器等に供給し得る。
共振構造体210では、XY平面において、X方向に沿う第1経路Q1と、Y方向に沿う第2経路Q2とが直交する。共振構造体210では、第1経路Q1と第2経路Q2とがXY平面において直交するため、第1経路Q1から放射される第1周波数g1の電磁波の電界と、第2経路Q2から放射される第2周波数g2の電磁波の電界とが直交する。従って、共振構造体210は、電界が直交する2つの電磁波を放射可能なアンテナとなり得る。
アンテナとしての共振構造体210は、第1周波数g1の電磁波を放射する場合、第1給電線51から導体部30へ電力を給電するように構成される。第1給電線51は、第1方向としてのX方向に沿って第1経路Q1における電流を誘起するように構成される。アンテナとしての共振構造体210は、第2周波数g2の電磁波を放射する場合、第2給電線52から導体部30へ電力を給電するように構成される。第2給電線52は、第2方向としてのY方向に沿って第2経路Q2における電流を誘起するように構成される。
<シミュレーション結果>
図19は、図15に示す共振構造体210の周波数に対する放射効率の例1を示すグラフである。図19に示すデータは、シミュレーションによって取得した。シミュレーションでは、図18に示す6.2mm×6.2mmのサイズの導体部230を有する共振構造体210を用いた。シミュレーションでは、共振構造体210のグラウンド導体40を、金属板に対向させた。当該金属板としては、XY平面において100mm×100mmのサイズを有するものを用いた。共振構造体210を、当該金属板の中央付近に位置させた。なお、シミュレーションでは、図18に示すような容量素子C1〜C4を含まない共振構造体210を用いた。
図19に示す実線は、周波数に対する総合放射効率を示す。図19に示す破線は、アンテナ放射効率を示す。
図19に示す総合放射効率がピークを示す周波数で、共振構造体210は、共振状態になる。当該シミュレーションでは、共振周波数は、1.98GHzとなる。周波数が1.98GHzのとき、アンテナ放射効率は、ピークとなる。周波数が1.98GHzであるとき、共振構造体210は、アンテナとして電磁波を放射し得る。1.98GHzは、上述の第1周波数g1及び第2周波数g2に対応する。
[共振構造体の他の例]
図20は、一実施形態に係る共振構造体210Aの平面図である。以下、共振構造体210Aと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Aは、容量素子C5,C6を有する。容量素子C5,C6は、チップコンデンサ等であってよい。容量素子C5,C6の容量値は、同じである。
容量素子C5は、第2導体32の4つの角部のうちの、第3導体33−4に対向する角部付近に位置する。容量素子C5は、第2導体32のY方向に略平行な辺と、第3導体33−4のY方向に沿う枝部33bとの間に位置する。
容量素子C6は、第2導体32の4つの角部のうちの、第3導体33−1に対向する角部付近に位置する。容量素子C6は、第2導体32のY方向に略平行な辺と、第3導体33−1のY方向に沿う枝部33bとの間に位置する。
<共振状態の例1>
共振構造体210Aは、第1経路Q3に沿って第1周波数g3で共振する。第1経路Q3は、第1接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路の一部である。当該電流経路は、グラウンド導体240と、第1導体231−1,231−4と、第1接続対の接続導体60−1,60−4とを含む。図18に示す第2経路Q2と同じ又は類似にして、共振構造体210Aは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g3のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Aは、第2経路Q4に沿って第2周波数g4で共振する。第2経路Q4は、第2接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路の一部である。当該電流経路は、グラウンド導体240と、第1導体231−2,231−3と、第2接続対の接続導体60−2,60−3とを含む。図18に示す第2経路Q2と同じ又は類似にして、共振構造体210Aは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g4のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Aでは、第1経路Q3の付近に、容量素子C5及び容量素子C6が位置する。第1経路Q3における第1周波数g3の方が、第2経路Q4における第2周波数g4より低くなり得る。共振構造体210Aでは、第1周波数g3と第2周波数g4とが異なる。第1周波数g3と第2周波数g4とが同じ周波数バンドに属するように、容量素子C5,C6の容量値を適宜調整してよい。第1周波数g3と第2周波数g4とが異なる周波数バンドに属するように、容量素子C5,C6の容量値を適宜調整してよい。
<共振状態の例2>
図21は、図20に示す共振構造体における共振状態の例2を説明する図である。
共振構造体210Aは、第1経路Q5に沿って第1周波数g5で共振する。第1経路Q5は、図5に示す第2経路P2と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Aは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g5のB方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Aは、第2経路Q6に沿って第2周波数g6で共振する。第2経路Q6は、図5に示す第1経路P1と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Aは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g6のA方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Aは、略正方形状である導体部230のY方向に略平行な2辺の中点を結ぶ線に対して、対称的である。このような対称的な構成の共振構造体210Aでは、第1経路Q5と第2経路Q6とが対称的な構成になり得る。第1経路Q5と第2経路Q6とが対称的な構成になるため、第1周波数g5と第2周波数g6とが等しくなり得る。
[共振構造体の他の例]
図22は、一実施形態に係る共振構造体210Bの平面図である。以下、共振構造体210Bと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Bは、容量素子C5,C6,C7,C8を有する。容量素子C5〜C7は、チップコンデンサ等であってよい。容量素子C5〜C8の容量値は、同じである。
容量素子C5,C6は、第2導体32のY方向に略平行な2つの辺のうちの、X軸の正方向側の辺の中央付近に位置する。容量素子C5は、第3導体33−4のY方向に沿う枝部33bの端部と、第2導体32との間に位置する。容量素子C6は、第3導体33−1のY方向に沿う枝部33bの端部と、第2導体32との間に位置する。
容量素子C7,C8は、第2導体32のY方向に略平行な2つの辺のうちの、X軸の負方向側の辺の中央付近に位置する。容量素子C7は、第3導体33−3のY方向に沿う枝部33bの端部と、第2導体32との間に位置する。容量素子C8は、第3導体33−2のY方向に沿う枝部33bの端部と、第2導体32との間に位置する。
<共振状態の例>
共振構造体210Bは、第1経路Q7に沿って第1周波数g7で共振する。第1経路Q7は、図18に示す第1経路Q1と同じ又は類似に、第1接続対の接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットを経る電流経路の一部である。共振構造体210Bは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g7のX方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Bは、第2経路Q8に沿って第2周波数g8で共振する。第2経路Q8は、図18に示す第2経路Q2と同じ又は類似に、第2接続対の接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットを経る電流経路の一部である。共振構造体210Bは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g8のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Bでは、第1経路Q7の付近に、容量素子C5〜C8が位置する。第1経路Q7における第1周波数f9は、第2経路Q8における第2周波数g8より、低くなる。共振構造体210Bでは、第1周波数g7と第2周波数g8が異なる。第1周波数g7と第2周波数g8とが同じ周波数バンドに属するように、容量素子C5〜C8の容量値を適宜調整してよい。第1周波数g7と第2周波数g8とが異なる周波数バンドに属するように、容量素子C5〜C8の容量値を適宜調整してよい。
[共振構造体の他の例]
図23は、一実施形態に係る共振構造体210Cの平面図である。以下、共振構造体210Cと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Cは、容量素子C5,C6を有する。容量素子C5,C6は、チップコンデンサ等であってよい。容量素子C5,C6の容量値は、同じである。
容量素子C5は、第2導体32の4つの角部のうちの、第3導体33−4に対向する角部付近に位置する。容量素子C5は、第2導体32のY方向に略平行な辺と、第3導体33−4のY方向に沿う枝部33bとの間に位置する。
容量素子C6は、第2導体32の4つの角部のうちの、第3導体33−2に対向する角部付近に位置する。容量素子C6は、第2導体32のY方向に略平行な辺と、第3導体33−2のY方向に沿う枝部33bとの間に位置する。
<共振状態の例>
共振構造体210Cは、第1経路Q9に沿って第1周波数g9で共振する。第1経路Q9は、図5に示す第2経路P2と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Cは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g9のB方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Cは、第2経路Q10に沿って第2周波数g10で共振する。第2経路Q10は、図5に示す第1経路P1と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Cは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g10のA方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Cでは、第1経路Q9の付近に、容量素子C5,C6が位置する。第1経路Q9における第1周波数g9は、第2経路Q10における第2周波数g10より、低くなり得る。共振構造体210Cでは、第1周波数g9と第2周波数g10が異なる。第1周波数g9と第2周波数g10とが同じ周波数バンドに属するように、容量素子C5,C6の容量値を適宜調整してよい。第1周波数g9と第2周波数g10とが異なる周波数バンドに属するように、容量素子C5,C6の容量値を適宜調整してよい。
[共振構造体の他の例]
図24は、一実施形態に係る共振構造体210Dの平面図である。以下、共振構造体210Dと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Dは、容量素子C5〜C7を有する。容量素子C5,C6は、図20に示す容量素子C5,C6と同じ又は類似の箇所に位置する。
容量素子C7は、第2導体32の4つの角部のうちの、第3導体33−3に対向する角部付近に位置する。容量素子C7は、第2導体32のY方向に略平行な辺と、第3導体33−3のY方向に沿う枝部33bとの間に位置する。
<共振状態の例1>
共振構造体210Dは、第1経路Q11に沿って第1周波数g11で共振する。第1経路Q11は、図5に示す第1経路P1と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Dは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g9のA方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Dは、第2経路Q12に沿って第2周波数g12で共振する。第2経路Q12は、図5に示す第2経路P2と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Dは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g12のB方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Dでは、第2経路Q12の付近に容量素子C5の1つが位置するのに対して、第1経路Q11の付近には容量素子C6,C7の2つが位置する。第1経路Q11における第1周波数g11は、第2経路Q12における第2周波数g12より低くなる。共振構造体210Dでは、第1周波数g11と第2周波数g12が異なる。第1周波数g11と第2周波数g12とが同じ周波数バンドに属するように、容量素子C5〜C7の容量値を適宜調整してよい。第1周波数g11と第2周波数g12とが異なる周波数バンドに属するように、容量素子C5〜C7の容量値を適宜調整してよい。
<共振状態の例2>
図25は、図24に示す共振構造体210Dにおける共振状態の例2を説明する図である。
共振構造体210Dは、第1経路Q13に沿って第1周波数g13で共振する。第1経路Q13は、第1接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路の一部である。共振構造体210Dは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g13のY方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図26は、一実施形態に係る共振構造体210Eの平面図である。以下、共振構造体210Eと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Eは、容量素子C5〜C8を有する。容量素子C5〜C7は、図25に示す容量素子C5〜C7と同じ又は類似の箇所に位置する。
容量素子C8は、第2導体32の4つの角部のうちの、第3導体33−2に対向する角部付近に位置する。容量素子C8は、第2導体32のY方向に略平行な辺と、第3導体33−2のY方向に沿う枝部33bとの間に位置する。
容量素子C5〜C8の容量値は、互いに異なる。容量素子C8、容量素子C6、容量素子C7、容量素子C5の順番に容量値が大きくてよい。
一例として、容量素子C8の容量値は、容量値c[pF]とする。容量素子C6の容量値は、容量値cの2倍(2×c[pF])とする。容量素子C7の容量値は、容量値cの5倍(5×c[pF])とする。容量素子C5の容量値は、容量値cの10倍(10×c[pF])とする。
<共振状態の例1>
共振構造体210Eは、第1経路Q14に沿って第1周波数g14で共振する。第1経路Q14は、第1接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路の一部である。共振構造体210Eは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g14のX方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Eは、第2経路Q15に沿って第2周波数g15で共振する。第2経路Q15は、第2接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路の一部である。共振構造体210Eは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g15のY方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Eでは、第1経路Q14の付近に容量素子C5,C7が位置し、第2経路Q15の付近に容量素子C5,C6が位置する。第1経路Q14の付近に位置する容量素子C5,C7の容量値の合計値(15×c[pF])は、第2経路Q15の付近に位置する容量素子C5,C6の容量値の合計値(12×c[pF])より、大きい。第1経路Q14における第1周波数g14は、第2経路Q15における第2周波数g15より低くなり得る。共振構造体210Eでは、第1周波数g14と第2周波数g15とが異なる。第1周波数g14と第2周波数g15とが同じ周波数バンドに属するように、容量素子C5〜C8の容量値を適宜調整してよい。第1周波数g14と第2周波数g16とが異なる周波数バンドに属するように、容量素子C5〜C8の容量値を適宜調整してよい。
<共振状態の例2>
図27は、図26に示す共振構造体210Eにおける共振状態の例2を説明する図である。
共振構造体210Eは、第1経路Q16に沿って第1周波数g16で共振する。第1経路Q16は、図5に示す第2経路P2と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Eは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g15のB方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図28は、一実施形態に係る共振構造体210Fの平面図である。以下、共振構造体210Fと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Fは、導体部230Fを有する。導体部230Fは、第2導体32Fを有する。第2導体32Fは、略長方形状である。第2導体32Fは、Y方向において、導体部230Fの中央付近に位置する。第2導体32Fの短辺は、Y方向に沿ってよい。第2導体32Fの長辺は、X方向に沿ってよい。第2導体32Fの短辺の長さと、第2導体32Fの長辺の長さの比は、2:3程度であってよい。第2導体32Fの長辺の長さは、図15に示す第2導体32の一辺の長さと同程度であってよい。
[共振構造体の他の例]
図29は、一実施形態に係る共振構造体210Gの平面図である。以下、共振構造体210Gと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Gは、導体部230Gを有する。導体部230Gは、第1導体231G−1,第1導体231G−2,第1導体231G−3,第1導体231G−4を有する。以下、第1導体231G−1〜第1導体231G−4を特に区別しない場合、第1導体231G−1〜第1導体231G−4は、まとめて「第1導体231G」と記載する。
第1導体231Gは、略長方形状である。第1導体231Gの短辺の長さは、略正方形状である導体部230Gの一辺の長さの1/3程度である。第1導体231Gの長辺の長さは、図15に示す第1導体231の一辺の長さと同程度である。第1導体231Gの長辺は、X方向に沿ってよい。第1導体231Gの短辺は、Y方向に沿ってよい。
[共振構造体の他の例]
図30は、一実施形態に係る共振構造体210Hの平面図である。以下、共振構造体210Gと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。図30には、図16に示す接続部231aの位置を破線で示す。
共振構造体210Hは、接続導体60−1〜60−4に加えて、接続導体60−5を有する。共振構造体210Hは、導体部230Hを有する。導体部230Hは、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4,33c−5を含む。以下、第3導体33c−1〜33c−5を特に区別しない場合、まとめて「第3導体33c」と記載する。
第3導体33cは、図15に示す接続部33aと同じ又は類似の構成であってよい。第3導体33c−1〜33c−5の各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−5の1つに接続されている。第3導体33c−1〜33c−5の各々は、Z方向において、接続導体60−1〜60−5の各々と重なり得る。
接続導体60−5は、Y方向において、接続導体60−1と接続導体60−4との間に位置する。第3導体33c−5のZ軸の負方向側には、図16に示す接続部231aが位置する。第3導体33c−5のZ軸の負方向側に位置する接続部231aは、第1導体231−1及び第1導体231−4と、接続導体60−5とを接続する。第1導体231−1は、接続導体60−1に加えて、接続導体60−5に接続されている。第1導体231−4は、接続導体60−4に加えて、接続導体60−5に接続されている。
<共振状態の例>
共振構造体210Hは、第1経路Q17に沿って第1周波数g17で共振する。第1経路Q17は、図18に示す第1経路Q1と同じ又は類似にして、現れる。共振構造体210Hは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g17のX方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Hは、第2経路Q18に沿って第2周波数g18で共振する。第2経路Q18は、図18に示す第2経路Q2と同じ又は類似にして、現れる。ただし、第2経路Q18は、図18に示す第2経路Q2と異なり、接続導体60−5の存在に起因して、Xの負方向側のみに現れる。共振構造体210Hは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g18のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図31は、一実施形態に係る共振構造体210Jの平面図である。以下、共振構造体210Jと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。図31には、図16に示す接続部231aの位置を破線で示す。
共振構造体210Jは、接続導体60−1〜60−4に加えて、接続導体60−5,60−6を有する。共振構造体210Jは、導体部230Jを有する。導体部230Jは、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4,33c−5,33c−6を含む。第3導体33c−1〜33c−6の各々は、Z方向において、接続導体60−1〜60−6の各々と重なり得る。第3導体33−5及び接続導体60−5の構成は、図30に示す構成と同じ又は類似である。
接続導体60−6は、X方向において、接続導体60−1と接続導体60−2との間に位置する。第3導体33c−6のZ軸の負方向側には、図16に示す接続部231aが位置する。第3導体33c−6のZ軸の負方向側に位置する接続部231aは、第1導体231−1及び第1導体231−2と、接続導体60−6とを接続する。第1導体231−1は、接続導体60−1及び接続導体60−5に加えて、接続導体60−6接続されている。第1導体231−2は、接続導体60−2に加えて、接続導体60−6に接続されている。
<共振状態の例>
共振構造体210Jは、第1経路Q19に沿って第1周波数g19で共振する。第1経路Q19は、図18に示す第1経路Q1と同じ又は類似にして、現れる。ただし、第1経路Q19は、図18に示す第1経路Q1とは異なり、接続導体60−6の存在に起因して、Y軸の負方向側のみに現れる。共振構造体210Jは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射するX方向に沿って偏波する第1周波数g19の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Jは、第2経路Q20に沿って第2周波数g20で共振する。第2経路Q20は、図18に示す第2経路Q2と同じ又は類似にして、現れる。ただし、第2経路Q2は、図18に示す第2経路Q2とは異なり、接続導体60−5の存在に起因してX軸の負方向側のみに現れる。共振構造体210Jは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射するY方向に沿って偏波する第2周波数g20の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Jは、図15に示す共振構造体210と同じ又は類似に、対称的な構成である。このような対称的な構成である共振構造体210Jでは、第1経路Q19の長さと第2経路Q20の長さとが等しくなり得る。第1経路Q19の長さと第2経路Q20の長さとが等しいと、第1周波数g19と第2周波数g20は、等しくなり得る。
[共振構造体の他の例]
図32は、一実施形態に係る共振構造体210Kの平面図である。以下、共振構造体210Kと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。図32には、図16に示す接続部231aの位置を破線で示す。
共振構造体210Kは、接続導体60−1〜60−4に加えて、接続導体60−5,60−6を有する。共振構造体210Kは、導体部230Kを有する。導体部230Kは、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4,33c−5,33c−6を含む。第3導体33c−1〜33c−6の各々は、Z方向において、接続導体60−1〜60−6の各々と重なり得る。第3導体33−5及び接続導体60−5の構成は、図30に示す構成と同じ又は類似である。
接続導体60−6は、Y方向において、接続導体60−2と接続導体60−3との間に位置する。第3導体33c−6のZ軸の負方向側には、図16に示す接続部231aが位置する。第3導体33c−6のZ軸の負方向側に位置する接続部231aは、第1導体231−2及び第1導体231−3と、接続導体60−6とを接続する。第1導体231−2は、接続導体60−2に加えて、接続導体60−6接続されている。第1導体231−3は、接続導体60−3に加えて、接続導体60−6に接続されている。
<共振状態の例1>
共振構造体210Kは、第1経路Q21に沿って第1周波数g21で共振する。第1経路Q21は、図18に示す第1経路P1と同じ又は類似にして、現れる。共振構造体210Kは、外部から導体部230が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g21のX方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。なお、図18に示す第2経路Q2は、接続導体60−5,60−6の存在に起因して現れない。
[共振構造体の他の例]
図33は、一実施形態に係る共振構造体210Lの平面図である。以下、共振構造体210Lと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。図33には、図16に示す接続部231aの位置を破線で示す。
共振構造体210Lは、図15に示す共振構造体210とは異なり、接続導体60−2,60−3を有さない。第1導体231−2は、接続導体60に接続されていない。第1導体231−3は、接続導体60に接続されていない。共振構造体210Lは、導体部230Lを有する。導体部230Lは、図16に示す導体部230とは異なり、図16の接続導体60−2,60−3のZ軸の負方向側に各々位置する接続部231aを含まない。
共振構造体210Lは、第1経路Q22に沿って第1周波数g22で共振する。第1経路Q22は、第1接続対の60−1,60−4を経る電流経路の一部である。共振構造体210Lは、外部から導体部230Lが位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g22のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図34は、一実施形態に係る共振構造体210Mの平面図である。以下、共振構造体210Mと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。図34には、図16に示す接続部231aの位置を破線で示す。
共振構造体210Mは、図15に示す共振構造体210とは異なり、接続導体60−1,60−3を有さない。第1導体231−1は、接続導体60に接続されていない。第1導体231−3は、接続導体60に接続されていない。共振構造体210Mは、導体部230Mを有する。導体部230Mは、図16に示す導体部230とは異なり、図16の接続導体60−1,60−3のZ軸の負方向側に各々位置する接続部231aを含まない。
<共振状態の例>
共振構造体210Mは、第1経路Q23に沿って第1周波数g23で共振する。第1経路Q23は、第1接続対の接続導体60−2,60−4を経る電流経路の一部である。共振構造体210Mは、外部から導体部230Mが位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g23のB方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図35は、一実施形態に係る共振構造体210Nの平面図である。以下、共振構造体210Nと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。図35には、図16に示す接続部231aの位置を破線で示す。
共振構造体210Nは、接続導体60−1〜60−4に加えて、接続導体60−5,60−6,60−7,60−8を有する。共振構造体210Nは、導体部230Nを有する。導体部230Nは、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4,33c−5,33c−6,33c−7,33c−8を含む。第3導体33c−1〜33c−8の各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−8の1つに接続されている。第3導体33c−1〜33c−8の各々は、Z方向において、接続導体60−1〜60−8の各々と重なり得る。
接続導体60−5は、X方向において、接続導体60−1と接続導体60−2との間に位置する。第3導体33c−5のZ軸の負方向側には、図16に示す接続部231aが位置する。第3導体33c−5のZ軸の負方向側に位置する接続部231aは、第1導体231−1と接続導体60−5とを接続する。第1導体231−1は、接続導体60−1に加えて、接続導体60−5に接続されている。
接続導体60−6は、Y方向において、接続導体60−2と接続導体60−3との間に位置する。第3導体33c−6のZ軸の負方向側には、図16に示す接続部231aが位置する。第3導体33c−6のZ軸の負方向側に位置する接続部231aは、第1導体231−2と接続導体60−6とを接続する。第1導体231−2は、接続導体60−2に加えて、接続導体60−6に接続されている。
接続導体60−7は、X方向において、接続導体60−3と接続導体60−4との間に位置する。第3導体33c−7のZ軸の負方向側には、図16に示す接続部231aが位置する。第3導体33c−7のZ軸の負方向側に位置する接続部231aは、第1導体231−3と接続導体60−7とを接続する。第1導体231−3は、接続導体60−3に加えて、接続導体60−7に接続されている。
接続導体60−8は、Y方向において、接続導体60−1と接続導体60−4との間に位置する。第3導体33c−8のZ軸の負方向側には、図16に示す接続部231aが位置する。第3導体33c−8のZ軸の負方向側に位置する接続部231aは、第1導体231−4と接続導体60−8とを接続する。第1導体231−4は、接続導体60−4に加えて、接続導体60−8に接続されている。
<共振状態の例>
共振構造体210Nは、第1経路Q24に沿って第1周波数g24で共振する。第1経路Q24は、図5に示す第1経路P1と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Nは、外部から導体部230Nが位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g24のA方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Nは、第2経路Q25に沿って第2周波数g25で共振する。第2経路Q25は、図5に示す第2経路P2と同じ又は類似に、見かけ上の電流経路である。共振構造体210Nは、外部から導体部230Nが位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g25のB方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Nは、図15に示す共振構造体210と同じ又は類似に、対称的な構成である。このような対称的な構成である共振構造体210Nでは、第1経路Q24の長さと、第2経路Q25の長さとが等しくなり得る。第1経路Q24の長さと第2経路Q25の長さが等しいと、第1周波数g24と第2周波数g25は等しくなり得る。
[共振構造体の他の例]
図36は、一実施形態に係る共振構造体210Oの平面図である。以下、共振構造体210Oと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。図36には、図16に示す接続部231aの位置を破線で示す。
共振構造体210Oは、導体部230Oを有する。導体部230Oは、第3導体33c−1,第3導体33c−2,第3導体33c−3,第3導体33c−4を含む。第3導体33c−1〜33c−4の各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−4の1つに接続されている。第3導体33c−1〜33c−4の各々は、Z方向において、接続導体60−1〜60−4の各々と重なり得る。
接続導体60−1は、第1導体231−1のY軸の正方向側の2つの角部のうちのX軸の負方向側の角部近辺に位置する。接続導体60−2は、第1導体231−2のX軸の負方向側の2つの角部のうちのY軸の負方向側の角部近辺に位置する。接続導体60−3は、第1導体231−3のY軸の負方向側の2つの角部のうちのX軸の正方向側の角部近辺に位置する。接続導体60−4は、第1導体231−4のX軸の正方向側の2つの角部のうちのY軸の正方向側の角部近辺に位置する。
<共振状態の例>
共振構造体210Oは、第1経路Q26に沿って第1周波数g26で共振する。共振構造体210Oは、外部から導体部230Oが位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g26のA方向に偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Oは、第2経路Q27に沿って第2周波数g27で共振する。共振構造体210Oは、外部から導体部230Oが位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g25のB方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図37は、一実施形態に係る共振構造体210Pの平面図である。以下、共振構造体210Pと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Pは、導体部230Pを有する。導体部230Pは、第1導体231P−1,第1導体231P−2,第1導体231P−3,第1導体231P−4と、第2導体32と、第3導体33P−1,33P−1,33P−1,33P−4とを含む。以下、第1導体231P−1〜231P−4を特に区別しない場合、第1導体231P−1〜231P−4は、まとめて「第1導体231P」と記載する。以下、第3導体33P−1〜33P−4を特に区別しない場合、第3導体33P−1〜33P−4は、まとめて「第3導体33P」と記載する。
第1導体231Pは、略長方形状である。第1導体231P−1のX方向に略平行な辺の長さと、第1導体231P−2のX方向に略平行な辺の長さの比は、2:1程度である。第1導体231P−2のY方向に略平行な辺の長さと、第1導体231P−3のY方向に略平行な辺の長さの比は、1:6程度である。
第1導体231P−1と第1導体231P−2との間には、隙間Sx3が位置する。隙間Sx3は、Y方向に沿って延びる。第1導体231P−2と第1導体231P−3との間には、隙間Sy3が位置する。隙間Sy3は、X方向に沿って延びる。
第3導体33Pは、図15に示す接続部33aと、2つの枝部33dを含む。枝部33dの長さは、図15に示す枝部33bの長さより短い。枝部33dのその他の構成は、上述の15に示す枝部33bと同じ又は類似である。
<共振状態の例1>
共振構造体210Pは、第1経路Q30に沿って第1周波数g30で共振する。第1経路Q30は、第1接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路の一部である。共振構造体210Pは、外部から導体部230Pが位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g30のX方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Pは、第2経路Q31に沿って第2周波数g31で共振する。第2経路Q31は、第2接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路の一部である。共振構造体210Pは、外部から導体部230Pが位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g31のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Pでは、第1導体231P−1〜231P−4の面積が互いに異なる。第1導体231P−1〜231P−4の面積が互いに異なるため、第1経路Q30における第1周波数g30と、第2経路Q31における第2周波数g31とが異なり得る。共振構造体210Pでは、第1周波数g30と第2周波数g31とが異なる。第1周波数g30と第2周波数g31とが同じ周波数バンドに属するように、隙間Sx3,Sy3の幅及び位置を適宜調整してよい。第1周波数g30と第2周波数g31とが異なるバンドに属するように、隙間Sx3,Sy3の幅及び位置を適宜調整してよい。
<共振状態の例2>
図38は、図37に示す共振構造体210Pにおける共振状態の例2を説明する図である。
共振構造体210Pは、第1経路Q32に沿って第1周波数g32で共振する。第1経路Q32は、第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路の一部である。共振構造体210Pは、外部から導体部230Pが位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数g32のX方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体210Pは、第2経路Q33に沿って第2周波数g33で共振する。第2経路Q33は、第2接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路の一部である。共振構造体210Pは、外部から導体部230Pが位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数g33のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図39は、一実施形態に係る共振構造体210P1の平面図である。以下、共振構造体210P1と図37に示す共振構造体210Pとの間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210P1では、第1給電線51が、XY平面において、第1導体231P−3と重なる。共振構造体210P1では、第2給電線52が、XY平面において、第1導体231P−4と重なる。共振構造体210P1は、図37に示す共振構造体210Pと同じ又は類似にして、共振し得る。
[共振構造体の他の例]
図40は、一実施形態に係る共振構造体210Qの平面図である。以下、共振構造体210Qと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Qは、導体部230Qを有する。導体部230Qは、第1導体231Q−1,231Q−2と、第2導体32Q−1,32Q−2と、第3導体33c−1,第3導体33c−2,第3導体33c−3,第3導体33c−4とを含む。
導体部230は、隙間Sx4及び隙間Sy4を含む。隙間Sx4は、Y方向に沿って延びる。隙間Sx4は、第2導体32Q−1と第2導体32Q−2との間に位置する。隙間Sy4は、X方向に沿って延びる。隙間Sy4は、第1導体231Q−1と第1導体231Q−2との間に位置する。隙間Sx4の幅及び隙間Sy4の幅は、共振構造体210Qの所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
第1導体231Q−1は、略長方形状である。第1導体231Q−1は、導体部230Qにおいて、Y軸の正方向側に位置する。第1導体231Q−1は、接続導体60−2に対向する隅部に、切欠部を含む。第1導体231Q−1は、接続導体60−2に接続されていない。第1導体231Q−1は、接続導体60−1に接続されている。
第1導体231Q−2は、略長方形状である。第1導体231Q−2は、導体部230Qにおいて、Y軸の負方向側に位置する。第1導体231Q−2は、接続導体60−4に対向する隅部に、切欠部を含む。第1導体231Q−2は、接続導体60−4に接続されていない。第1導体231Q−2は、接続導体60−3に接続されている。
第2導体32Q−1は、略長方形状である。第2導体32Q−1は、導体部320Qにおいて、X軸の正方向側に位置する。第2導体32Q−1は、接続導体60−1に対向する隅部に、切欠部を含む。第2導体32Q−1は、接続導体60−1に接続されていない。第2導体32Q−1は、第3導体33c−4を介して接続導体60−4に接続されている。
第2導体32Q−2は、略長方形状である。第2導体32Q−2は、導体部320Qにおいて、X軸の負方向側に位置する。第2導体32Q−2は、接続導体60−3に対向する隅部に、切欠部を含む。第2導体32Q−2は、接続導体60−3に接続されていない。第2導体32Q−2は、第3導体33c−2を介して接続導体60−2に接続されている。
[共振構造体の他の例]
図41は、一実施形態に係る共振構造体210Rの平面図である。以下、共振構造体210Rと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Rは、導体部230Rを有する。導体部230Rは、第1導体231R−1,231R−2,231R−3と、第2導体32Rと、第3導体33c−1,第3導体33c−2,第3導体33c−3,第3導体33c−4とを含む。
第1導体231R−1は、略長方形状である。第1導体231R−1は、接続導体60−4に対向する隅部に、切欠部を含む。第1導体231R−1は、接続導体60−4に接続されていない。第1導体231R−1は、接続導体60−1に接続されている。
第1導体231R−2,231R−3は、略長方形状である。第1導体231R−2は、接続導体60−2に接続されている。第1導体231R−3は、接続導体60−3に接続されている。
第1導体231R−1のX方向に略平行な辺の長さと、第1導体231R−2のX方向に略平行な辺の長さの比は、3:4程度である。第1導体231R−2のY方向に略平行な辺の長さと、第1導体231R−3のY方向に略平行な辺の長さの比は、3:4程度である。
第1導体231R−1と、第1導体231R−2及び第1導体231R−3との間には、隙間Sx5が位置する。隙間Sx5は、Y方向に沿って延びる。第1導体231R−2と第1導体231R−3との間には、隙間Sy5が位置する。隙間Sy5は、X方向に沿って延びる。隙間Sy5は、導体部230RのX軸の負方向側の辺から、隙間Sx5まで延びる。隙間Sx5の幅及び隙間Sy5の幅は、共振構造体210Rの所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
第2導体32Rは、略正方形状である。第2導体32Rは、接続導体60−1〜60−3の各々に対向する隅部に、切欠部を含む。第2導体32Rは、第3導体33c−1〜33c−3に接続されず、接続導体60−1〜60−3に接続されていない。第2導体32Rは、第3導体33c−4を介して接続導体60−4に接続されている。
[共振構造体の他の例]
図42は、一実施形態に係る共振構造体210Sの平面図である。以下、共振構造体210Sと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Sは、導体部230Sを有する。導体部230Sは、第1導体231S−1,231S−2,231S−3と、第2導体32Sと、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4とを含む。
第1導体231S−1〜231S−3の各々は、図41に示す第1導体231R−1〜231R−3の各々と同じである。
第2導体32Sは、略正方形状である。第2導体32Sは、接続導体60−1〜60−4の各々と対向する隅部に、切欠部を含む。第2導体32Sは、第3導体33c−1〜33c−4に接続されず、接続導体60−1〜60−4に接続されていない。
[共振構造体の他の例]
図43は、一実施形態に係る共振構造体210Tの平面図である。以下、共振構造体210Tと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Tは、導体部320Tを有する。導体部320Tは、第1導体231T−1,231T−2と、第2導体32Tと、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4とを含む。
第1導体231T−1,231T−2は、略長方形状である。第1導体231T−1のX方向に略平行な辺の長さと、第1導体23T−2のX方向に略平行な辺の長さの比は、3:4程度である。
第1導体231T−1は、接続導体60−1,60−4に接続されている。第1導体231T−2は、接続導体60−2,60−3に接続されている。
第1導体231T−1と、第1導体231T−2との間には、隙間Sx6が位置する。隙間Sx6は、Y方向に沿って延びる。隙間Sx6の幅及び位置は、共振構造体210Tの所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
第2導体32Tは、図42に示す第2導体32Sと同じである。第2導体32Tは、接続導体60−1〜60−4に接続されていない。
[共振構造体の他の例]
図44は、一実施形態に係る共振構造体210Uの平面図である。以下、共振構造体210Uと図15に示す共振構造体210との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体210Uは、導体部230Uを有する。導体部230Uは、第1導体231U−1,231U−2と、第2導体32Uと、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4とを含む。
第1導体231U−1は、L字形状である。第1導体231U−2は、長方形状である。第1導体231U−1のY軸の負方向側の辺の長さと、第1導体231U−2のY軸の負方向側の辺の長さの比は、3:4程度である。第1導体231U−1のX軸の負方向側の辺の長さと、第1導体231U−2のX軸の負方向側の辺の長さの比は、4:3程度である。
第1導体231U−1と第1導体231U−2との間には、隙間Sx7及び隙間Sx8が位置する。隙間Sx7は、Y方向に沿って延びる。隙間Sx8は、X方向に沿って延びる。隙間Sx7の幅及び位置、及び、隙間Sx8の幅及び位置は、共振構造体210Uの所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
第2導体32Uは、図42に示す第2導体32Sと同じである。第2導体32Uは、接続導体60−1〜60−4に接続されていない。
[共振構造体の一例]
図45は、一実施形態に係る共振構造体310の斜視図である。図46は、図45に示す共振構造体310の一部を分解した斜視図である。
共振構造体310は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体310は、図45及び図46に示すように、基体20と、導体部330と、グラウンド導体340と、接続導体60とを有する。共振構造体310は、第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
図46に示す導体部330は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部330は、XY平面に沿って広がる。導体部330は、第1方向としてのX方向に沿った長さと、第2方向としてのY方向に沿った長さとが異なる。導体部330は、X方向に略平行な辺を長辺とし、Y方向に略平行な辺を短辺とする略長方形状である。導体部330は、図45に示すように、基体20の上面21に位置する。共振構造体310は、外部から導体部330が位置する基体20の上面21へ入射する所定周波数の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
導体部330は、図46に示すように、第1導体331−1,第1導体331−2,第1導体331−3,第1導体331−4と、少なくとも1つの第2導体332と、第3導体333−1,333−2,333−3,333−4とを含む。
以下、第1導体331−1〜331−4を特に区別しない場合、第1導体331−1〜331−4は、まとめて「第1導体331」と記載する。導体部330が含む第1導体331の数は、4つに限定されない。導体部330は、任意の数の第1導体331を含んでよい。以下、第3導体333−1〜333−4を特に区別しない場合、第3導体333−1〜333−4は、まとめて「第3導体333」と記載する。
図46に示す第1導体331は、同じ形状の、略長方形状である。第1導体331は、X方向に平行な辺を長辺とし、Y方向に平行な辺を短辺とする略長方形である。第1導体331は、長方形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続部331aを含む。接続部331aには、接続導体60が接続されている。ただし、第1導体331は、接続部331aを含まなくてよい。複数の第1導体331のうち、一部が接続部331aを含んでよく、他の一部が接続部331aを含まなくてよい。図46に示す接続部331aは、四角形状である。ただし、接続部331aは、四角形状に限定されず、任意の形状であってよい。第1導体331−1〜331−4の各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−4の1つに接続されている。第1導体331−1〜331−4の各々は、第2導体332を介して容量的に接続されるように構成されている。第1導体331のその他の構成は、図15に示す第1導体231及び図1に示す第1導体31と同じ又は類似である。
図46に示す第1導体331は、X方向及びY方向に沿った長方格子状に並ぶ。例えば、第1導体331−1と第1導体331−2は、X方向及びY方向に沿った長方格子のX方向に沿って並ぶ。
例えば、第1導体331−3と第1導体331−4は、X方向及びY方向に沿った長方格子のX方向に沿って並ぶ。第1導体331−1と第1導体331−4は、X方向及びY方向に沿った長方格子のY方向に沿って並ぶ。第1導体331−2と第1導体331−3は、X方向及びY方向に沿った長方格子のY方向に沿って並ぶ。第1導体331−1と第1導体331−3は、X方向及びY方向に沿った長方格子の第3対角方向に沿って並ぶ。第3対角方向は、長方格子の対角線に沿う方向である。第1導体331−2と第1導体331−4は、X方向及びY方向に沿った長方格子の第4対角方向に沿って並ぶ。第4対角方向は、長方格子の第3対角方向に対応する対角線とは異なる対角線に沿う方向である。第3対角方向及び第4対角方向は、長方格子の長辺と短辺の比率に依拠し得る。
図45に示す第2導体332は、接続導体60に接続されていない。第2導体332は、図45に示すように、X方向に平行な辺を長辺とし、Y方向に平行な辺を短辺とする略長方形状である。第2導体332のその他の構成は、図15に示す第2導体32と同じ又は類似である。
図45に示す第3導体333−1〜333−4の各々は、XY平面において、第2導体332の角部の外側に位置する。図45に示す第3導体333は、接続部333aと、枝部333bと、枝部333cを含む。枝部333bは、接続部333aから、長方形状の第2導体332の長辺に沿って延びる。枝部333cは、接続部333aから、長方形状の第2導体332の短辺に沿って延びる。第3導体333のその他の構成は、図15に示す第3導体33と同じ又は類似である。
図46に示すグラウンド導体340は、導体部330の形状に応じた、略長方形状である。グラウンド導体340は、長方形の4つの角部の各々に接続部340aを含む。接続部340aには、接続導体60が接続されている。図46に示す接続部340aは、四角形状である。ただし、接続部340a、四角形に限定されず、任意の形状であってよい。グラウンド導体340のその他の構成は、図15に示すグラウンド導体240及び図1に示すグラウンド導体40と同じ又は類似である。
図46に示す第1給電線51は、第2導体332の中心部からX方向にずらした位置に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、X方向のみの電磁波を送信し、X方向成分の電磁波のみを受信する。第1給電線51は、共振構造体310がアンテナとして用いられる場合、第2導体332を経由して導体部330に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体310がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体332を経由して導体部330からの電力を、外部の機器等に給電するように構成される。
図46に示す第2給電線52は、第2導体332の中心部からY方向にずらした位置に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、Y方向のみの電磁波を送信し、Y方向成分の電磁波のみを受信する。第2給電線52は、共振構造体310がアンテナとして用いられる場合、第2導体332を経由して導体部330に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体310がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体332を経由して導体部330からの電力を、外部の機器等に給電するように構成される。
図46に示す接続導体60は、グラウンド導体340から導体部330に向かって延びる。接続導体60−1〜60−4の各々は、第1導体331−1〜331−4の各々と、第3導体333−1〜333−4の各々と、グラウンド導体340とを各々接続する。
<共振状態の例>
図47は、図45に示す共振構造体310の共振状態の例を説明する図である。
接続導体60−1と接続導体60−4は、1つのセットとなり得る。接続導体60−2と接続導体60−3は、1つのセットとなり得る。接続導体60−1と接続導体60−2は、1つのセットとなり得る。接続導体60−3と接続導体60−4は、1つのセットとなり得る。
接続導体60−1,60−4のセットと、接続導体60−2,60−3のセットは、第1方向としてのX方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−1,60−4のセットと、接続導体60−2,60−3のセットは、第1導体331が並ぶ長方格子のX方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。
共振構造体310は、第1経路R1に沿って第1周波数h1で共振する。第1経路R1は、第1接続対の接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットを経る電流経路の一部である。当該電流経路は、グラウンド導体340と、第1導体331−1,331−4と、第1導体331−2,331−3と、第1接続対の接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットとを含む。共振構造体310が第1経路R1に沿って第1周波数h1で共振するとき、接続導体60−1,60−4のセットと、接続導体60−2,60−3のセットは、一対の電気壁として機能するように構成されている。共振構造体310が第1経路R1に沿って第1周波数h1で共振するとき、第1経路R1を含む電流経路を流れる電流から観て、接続導体60−1,60−2のセットと、接続導体60−3,60−4のセットとは、一対の磁気壁として機能するように構成されている。接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットが一対の電気壁として機能し、接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットが一対の磁気壁として機能することで、共振構造体310は、外部から導体部330が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数h1の第1経路R1に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
接続導体60−1,60−2のセットと、接続導体60−3,60−4のセットは、第2方向としてのY方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。接続導体60−1,60−2のセットと、接続導体60−3,60−4のセットは、第1導体331が並ぶ長方格子のY方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。
共振構造体310は、第2経路R2に沿って第2周波数h2で共振する。第2経路R2は、第2接続対の接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットを経る電流経路の一部である。当該電流経路は、グラウンド導体340と、第1導体331−1,331−2と、第1導体331−3,331−4と、第2接続対の接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットとを含む。共振構造体310が第2経路R2に沿って第2周波数h2で共振するとき、接続導体60−1,60−2のセットと、接続導体60−3,60−4のセットとは、一対の電気壁として機能するように構成されている。共振構造体310が第2経路R2に沿って第2周波数h2で共振するとき、第2経路R2を含む電流経路を流れる電流から観て、接続導体60−1,60−4のセットと接続導体60−2,60−3のセットは、一対の磁気壁として機能するように構成されている。接続導体60−1,60−2のセット及び接続導体60−3,60−4のセットが一対の電気壁として機能し、接続導体60−1,60−4のセット及び接続導体60−2,60−3のセットが一対の磁気壁として機能することで、共振構造体310は、外部から導体部330が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数h2の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体310では、略長方形状である導体部330の第1方向としてのX方向に沿った長さと、導体部330の第2方向としてのY方向に沿った長さとが異なる。導体部330のX方向に沿った長さと導体部330のY方向に沿った長さとが異なるため、第1経路R1の長さと第2経路R2の長さとが異なる。第1経路R1の長さと第2経路R2の長さとが異なるため、第1周波数h1と第2周波数h2とが異なる。例えば、図47に示すように、導体部330のX方向に沿った長さの方が導体部330のY方向に沿った長さより長い場合、第1経路R1の長さの方が第2経路R2の長さより長くなるため、第1周波数h1の方が第2周波数h2より低くなる。
共振構造体310では、導体部330の第1方向としてのX方向に沿った長さ及び導体部330の第2方向としてのY方向に沿った長さは、共振構造体310の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。
例えば、第1周波数h1と第2周波数h2が同じ周波数バンドに属するように、導体部330のX方向に沿った長さ及び導体部330のY方向に沿った長さを適宜調整してよい。導体部330のX方向に沿った長さと導体部330のY方向に沿った長さの差が小さいほど、第1周波数h1と第2周波数h2の差は小さくなる。
例えば、第1周波数h1と第2周波数h2とが異なる周波数バンドに属するように、導体部330のX方向に沿った長さ及び導体部330のY方向に沿った長さを適宜調整してよい。導体部330のX方向に沿った長さと導体部330のY方向に沿った長さの差が大きいほど、第1周波数h1と第2周波数h2の差は大きくなる。
共振構造体310は、第1周波数h1及び第2周波数h2以外を除くフィルタとなり得る。共振構造体310は、2つの異なる周波数以外を除くフィルタとなり得る。
フィルタとしての共振構造体310は、第1給電線51を有する場合、第1周波数h1の電磁波に応じた電力を、第1経路R1を介し、第1給電線51を経由して外部の機器等に供給し得る。フィルタとしての共振構造体310は、第2給電線52を有する場合、第2周波数h2の電磁波に応じた電力を、第2経路R2を介し、第2給電線52を経由して外部の機器等に供給し得る。
共振構造体310は、第1周波数h1及び第2周波数h2の電磁波を放射するアンテナとなり得る。共振構造体310は、2周波アンテナとなり得る。2周波アンテナは、異なる2つの周波数の電磁波を放射するアンテナである。
2周波アンテナとしての共振構造体310は、第1周波数h1の電磁波を放射する場合、第1給電線51から導体部330へ電力を給電するように構成される。第1給電線51は、第1方向としてのX方向に沿って第1経路R1における電流を誘起するように構成される。2周波アンテナとしての共振構造体310は、第2周波数h2の電磁波を放射する場合、第2給電線52から導体部330へ電力を給電するように構成される。第2給電線52は、第2方向としてのY方向に沿って第2経路R2における電流を誘起するように構成される。
<シミュレーション結果>
図48は、図45に示す共振構造体310の周波数に対する放射効率の例を示すグラフである。図49は、図45に示す共振構造体310の周波数に対する反射率の例を示すグラフである。図48及び図49に示すデータは、シミュレーションによって取得した。シミュレーションでは、図47に示す4.2mm×6.2mmのサイズの導体部330を有する共振構造体310を用いた。シミュレーションでは、共振構造体310のグラウンド導体340を金属板に対向させた。当該金属板としては、XY平面において100mm×100mmのサイズを有するものを用いた。共振構造体310を、当該金属板の中央付近に位置させた。
図48に示す実線は、周波数に対する総合放射効率を示す。図48に示す破線は、周波数に対するアンテナ放射効率を示す。
図48に示す総合放射効率がピークを示す周波数で、共振構造体310は、共振状態になる。当該シミュレーションでは、共振周波数は、2.32GHz及び2.64GHzとなる。周波数が2.32GHz及び2.64GHzのとき、アンテナ放射効率は、ピークとなる。周波数が2.32GHz及び2.64GHzであるとき、共振構造体310は、アンテナとして電磁波を放射し得る。2.32GHzは、上述の第1周波数h1に対応する。2.64GHzは、上述の第2周波数h2に対応する。
図49に示す実線は、第1反射率を示す。第1反射率は、第1給電線51から導体部330に給電した電力のうち、導体部330から放射されずに、導体部330から第1給電線51へ反射された比率である。図49に示す破線は、第2反射率を示す。第2反射率は、第2給電線52から導体部330に給電した電力のうち、導体部330から放射されずに、導体部330から第2給電線52へ反射された比率である。
図49に示すように、第1反射率は、周波数が2.32GHzとなるとき、極小値となる。第1反射率が2.32GHzで極小値となることは、2.32GHzの電磁波が、第1給電線51からの電力によって放射されることを示す。2.32GHzは、上述の第1周波数h1に対応する。
図49に示すように、第2反射率は、周波数が2.64GHzとなるとき、極小値となる。第2反射率が2.64GHzで極小値となることは、2.64GHzの電磁波が、第2給電線52からの電力によって放射されることを示す。2.64GHzは、上述の第2周波数h2に対応する。
[共振構造体の一例]
図50は、一実施形態に係る共振構造体410の斜視図である。図51は、図50に示す共振構造体410の一部を分解した斜視図である。
共振構造体410は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体410は、図50及び図51に示すように、基体20と、導体部430と、グラウンド導体440と、接続導体60−1,60−2,60−3とを有する。共振構造体410は、第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
図51に示す導体部430は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部430は、XY平面に沿って広がる。導体部430は、図50に示すように、基体20の上面21に位置する。共振構造体410は、外部から導体部430が位置する基体20の上面21へ入射する所定周波数の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
導体部430は、図51に示すように、略正三角形状である。導体部430は、図51に示すように、第1導体431−1,431−2と、少なくとも1つの第2導体432と、第3導体433−1,433−2,433−3とを含む。
以下、第1導体431−1,431−2を特に区別しない場合、第1導体431−1,431−2は、まとめて「第1導体431」と記載する。以下、第3導体433−1〜433−3を特に区別しない場合、第3導体433−1〜433−3は、まとめて「第3導体433」と記載する。
図51に示す第1導体431−1,431−2は、略三角形状である。第1導体431−1は、三角形の3つの角部のうちの1つの角部に、接続導体60−1が接続される接続部431aを含む。第1導体431−1は、接続導体60−1に接続されている。第1導体431−2は、三角形の角部のうちの1つの角部に、接続導体60−2が接続される接続部431aを含む。第1導体431−2は、接続導体60−2に接続されている。図51に示す接続部431aは、円形状である。ただし、接続部431aは、円形状に限定されず、任意の形状であってよい。
図51に示す第1導体431−1のX方向に略平行な底辺の長さと、第1導体431−2のX方向に略平行な底辺の長さの比は、3:2程度である。第1導体431−1と第1導体431−2との間には、隙間Saが位置する。隙間Saは、第1導体431−2のX方向に略平行な底辺と第1導体431−2のX方向に略平行な底辺との間から、接続導体60−3が位置する方向に向けて延びる。隙間Saの幅及び位置は、共振構造体410の所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
第1導体431は、基体20の中に位置する。第1導体431と、第2導体432との間の距離は、図17に示す距離d1程度であってよい。第1導体431−1と第1導体431−2は、第2導体432を介して容量的に接続されるように構成され得る。第1導体431のその他の構成は、図1に示す第1導体31及び図16に示す第1導体231と同じ又は類似である。
図51に示す第2導体432は、X方向に略平行な底辺を含む略正三角形状である。ただし、第2導体432は、共振構造体410の全体形状に応じた、任意の形状であってよい。第2導体432は、図50に示すように、基体20の上面21に位置する。第2導体432は、第3導体433−3を介して接続導体60−3に接続されている。
図50に示す第3導体433は、基体20の上面21に、位置する。第3導体433−1〜433−3の各々には、互いに異なる接続導体60−1〜60−3の1つが接続されている。図50に示す第3導体433は、円形状である。ただし、第3導体433は、任意の形状であってよい。
図50に示す第3導体433−1,433−2は、略正三角形状である第2導体432のX方向に沿う辺の両端部の2つの角部の外側に各々位置する。第3導体433−1,433−2は、第2導体432に接続されていない。
図50に示す第3導体433−3は、略正三角形状である第2導体432の3つの角部のうち、Y軸の負方向側に位置する角部の外側に位置する。第3導体433−3は、第2導体432に接続されている。
図51に示すグラウンド導体440は、略正三角形状である。グラウンド導体440は、三角形の3つの角部の各々に、接続部440aを含む。接続部440aには、接続導体60が接続されている。図51に示す接続部440aは、円形状である。ただし、接続部440a、円形状に限定されず、任意の形状であってよい。グラウンド導体440は、導体部430の形状に応じて、任意の形状であってよい。図51に示すグラウンド導体440のその他の構成は、図16に示すグラウンド導体240と同じ又は類似である。
図51に示す第1給電線51は、第2導体432に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、共振構造体410がアンテナとして用いられる場合、第2導体432を経由して導体部430に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体410がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体432を経由して導体部430からの電力を、外部に給電するように構成される。
図51に示す第2給電線52は、第1給電線51とは異なる位置で、第2導体432に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、共振構造体410がアンテナとして用いられる場合、第2導体432を経由して導体部430に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体410がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体432を経由して導体部430からの電力を、外部に給電するように構成される。
図51に示す接続導体60は、グラウンド導体440から導体部430に向かって延びる。接続導体60−1は、第1導体431−1と、第3導体433−1と、グラウンド導体440とを接続する。接続導体60−2は、第1導体431−2と、第3導体433−2と、グラウンド導体440とを接続する。接続導体60−3は、第3導体433−3と、グラウンド導体440とを接続する。
<共振状態の例1>
図52は、図50に示す共振構造体410における共振状態の例1を説明する図である。C方向及びD方向は、XY平面に含まれる方向である。
C方向は、X軸の正方向からY軸の正方向に向けて60度傾いた方向である。C方向は、略正三角形状である導体部430のX軸の正方向側に位置する一辺に沿う方向である。
D方向は、X軸の正方向からY軸の正方向に向けて120度傾いた方向である。D方向は、正三角形状である導体部430のX軸の負方向側に位置する一辺に沿う方向である。
接続導体60−2と接続導体60−3は、第1方向としてのC方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−1と接続導体60−3は、第2方向としてのD方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。
共振構造体410は、Y方向に略平行な経路に沿って、第1周波数k1で共振する。当該Y方向に略平行な経路は、第1経路T1と第2経路T2とによって現れる。第1経路T1は、第1接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路の一部である。第1経路T1を一部に含む電流経路は、グラウンド導体440と、第1導体431−2と、第2導体432と、第1接続対の接続導体60−2,60−3とを含む。第2経路T2は、第2接続対の接続導体60−1,60−3を経る電流経路の一部である。第2経路T2を一部に含む電流経路は、グラウンド導体440と、第1導体431−1と、第2導体432と、第2接続対の接続導体60−1,60−3とを含む。
共振構造体410が第1周波数k1で共振するとき、第1経路T1において接続導体60−3から接続導体60−2に向かって電流が流れ得、第2経路T2においては接続導体60−2から接続導体60−1に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、Y方向に略平行になる。
共振構造体410は、外部から導体部430が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数k1のY方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
<共振状態の例2>
図53は、図50に示す共振構造体410における共振状態の例2を説明する図である。
接続導体60−2と接続導体60−3は、第1方向としてのC方向に沿って並ぶ、第1接続対となる。接続導体60−1と接続導体60−3は、第2方向としてのD方向に沿って並ぶ、第2接続対となる。接続導体60−1と接続導体60−2は、第3方向としてのX方向に沿って並ぶ、第3接続対となる。
共振構造体410は、X方向に略平行な経路に沿って、第1周波数k1で共振する。当該X方向に略平行な経路は、第1経路T3と、第2経路T4と、第3経路T5とによって現れる。第1経路T3は、図51に示す第1経路T1と同じ又は類似の経路である。第2経路T4は、図51に示す第2経路T2と同じ又は類似の経路である。第3経路T5は、第3接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路の一部である。第3経路T5を一部に含む電流経路は、グラウンド導体440と、第1導体431−1,432−2と、第2導体432とを含む。
共振構造体410が第1周波数k2で共振するとき、第1経路T3において接続導体60−3から接続導体60−2に向かって電流が流れ得る。第2経路T4において接続導体60−3から接続導体60−1に向かって電流が流れ得る。第3経路T5において接続導体60−1から接続導体60−2に向かって電流が流れ得る。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、X方向に略平行になる。
共振構造体410は、外部から導体部430が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数k2のX方向に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の他の例]
図54は、一実施形態に係る共振構造体410Aの平面図である。図55は、図54に示す共振構造体410Aの一部を分解した斜視図である。以下、共振構造体410Aと、図50に示す共振構造体410との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体410Aは、導体部430Aを有する。導体部430Aは、第1導体431A−1,431A−2,431A−3と、第2導体432aと、第3導体433−1,433−2,433−3とを含む。以下、第1導体431A−1,431A−2,431A−3を特に区別しない場合、第1導体431A−1〜431A−3は、まとめて「第1導体431A」と記載する。
図55に示す第1導体431A−1〜431A−3は、略四角形状である。第1導体431A−1は、四角形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続導体60−1が接続される接続部431aを含む。第1導体431A−1は、接続導体60−1に接続されている。第1導体431A−2は、接続導体60−2が接続される接続部431aを含む。第1導体431A−2は、接続導体60−2に接続されている。第1導体431A−3は、接続導体60−3が接続される接続部431aを含む。第1導体431A−3は、接続導体60−3に接続されている。
図54に示す第1導体431A−1のX方向に略平行な辺の長さと第1導体431A−2のX方向に略平行な辺の長さの比は、2:3程度である。第1導体431A−1と第1導体431A−2との間には、隙間Sbが位置する。隙間Sbは、Y方向に略平行である。隙間Sbは、第1導体431A−1のX方向に略平行な辺と第1導体431A−2のX方向に略平行な辺との間から、隙間Sdとの交点まで延在する。
図54に示す第1導体431A−1のD方向に略平行な辺の長さと、図54に示す第1導体431A−3のD方向に略平行な辺の長さの比は、2:3程度である。第1導体431A−1と第1導体431A−3との間には、隙間Scが位置する。隙間Scは、第1導体431A−1のD方向に略平行な辺と第1導体431A−3のD方向に略平行な辺との間から、隙間Sdとの交点まで延在する。
図54に示す第1導体431A−2のC方向に略平行な辺の長さと、第1導体431A−3のC方向に略平行な辺の長さの比は、2;3程度である。第1導体431A−2と第1導体431A−3との間には、隙間Sdが位置する。隙間Sdは、第1導体431A−2のC方向に略平行な辺の長さと第1導体431A−3のC方向に略平行な辺の長さとの間から、第2給電線52を横切り、隙間Sbとの交点まで延びる。
隙間Sb,Sc,Sdの幅及び位置は、共振構造体410Aの所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
図54に示す第2導体432aは、略正三角形状である。第2導体432aは、第3導体433に接続されていない。第2導体432aは、接続導体60に接続されていない。
[共振構造体の他の例]
図56は、一実施形態に係る共振構造体410Bの平面図である。以下、共振構造体410Bと、図50に示す共振構造体410との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体410Bは、導体部430Bを有する。導体部430Bは、第1導体431B−1,431B−2と、第2導体432aと、第3導体433−1,433−2,433−3とを含む。以下、第1導体431B−1,431B−2を特に区別しない場合、第1導体431B−1,431B−1は、まとめて「第1導体431A」と記載する。
第1導体431B−1は、略台形状である。第1導体431B−1は、図55に示す第1導体431A−1と同じ又は類似に、接続導体60−1に接続される接続部431aと、接続導体60−2に接続される接続部431aとを含む。第1導体431B−1は、接続導体60−1,60−2に接続されている。
第1導体431B−2は、略三角形状である。第1導体431B−2は、図55に示す第1導体431A−3と同じ又は類似に、接続導体60−3に接続される接続部431aを含む。第1導体431B−2は、接続導体60−3に接続されている。
第1導体431B−1のC方向に略平行な辺の長さと、第1導体431B−2のC方向に略平行な辺の長さの比は、2:3程度である。第1導体431B−1のD方向に略平行な辺の長さと、第1導体431B−2のD方向に略平行な辺の長さの比は、2:3程度である。第1導体431B−1と第1導体431B−2との間には、隙間Seが位置する。隙間Seは、第1導体431B−1のC方向に略平行な辺と第1導体431B−2のC方向に略平行な辺との間から、第1導体431B−1のD方向に略平行な辺と第1導体431B−2のD方向に略平行な辺との間まで、延びる。隙間Seの幅及び位置は、共振構造体410Bの所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
共振構造体410Bは、図52に示す第1経路T1に沿って第1周波数k1で共振する。共振構造体410Bは、図52に示す第2経路T2に沿って第1周波数k1で共振する。共振構造体410Bは、図50に示す共振構造体410と同じ又は類似に、第1周波数k1以外を除くフィルタとなり得る。共振構造体410Bは、図50に示す共振構造体410と同じ又は類似に、第1周波数k1の電磁波を放射するアンテナとなり得る。
[共振構造体の他の例]
図57は、一実施形態に係る共振構造体410Cの平面図である。以下、共振構造体410Cと、図50に示す共振構造体410との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体410Cは、導体部430Cを有する。導体部430Cは、第1導体431C−1,431C−2と、第2導体432aと、第3導体433−1,433−2,433−3とを含む。以下、第1導体431C−1,431C−2を特に区別しない場合、第1導体431C−1,431C−1は、まとめて「第1導体431C」と記載する。
第1導体431C−1は、略台形状である。第1導体431C−1は、図55に示す第1導体431A−1と同じ又は類似に、接続導体60−1に接続される接続部431aと、接続導体60−2に接続される接続部431aとを含む。第1導体431C−1は、接続導体60−1,60−2に接続されている。
第1導体431C−2は、略三角形状である。第1導体431C−2は、図55に示す第1導体431A−3と同じ又は類似に、接続導体60−3に接続される接続部431aを含む。第1導体431C−2は、接続導体60−3に接続されている。
第1導体431C−1のC方向に略平行な辺の長さと、第1導体431C−2のC方向に略平行な辺の長さの比は、2:3程度である。第1導体431C−1のD方向に略平行な辺の長さと、第1導体431C−2のD方向に略平行な辺の長さの比は、2:3程度である。第1導体431B−1と第1導体431B−2との間には、図56に示す構成と同じ又は類似に、隙間Seが位置する。第1導体431C−1は、隙間Sfを含む。隙間Sfは、X方向に沿う隙間Seの中央付近から、第1給電線51の付近に向けて、延びる。隙間Se,Sfの幅及び位置は、共振構造体410Cの所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
[共振構造体の他の例]
図58は、一実施形態に係る共振構造体410Dの平面図である。以下、共振構造体410Dと、図50に示す共振構造体410との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体410Dは、導体部430Dを有する。導体部430Dは、第1導体431D−1,431D−2と、少なくとも1つの第2導体432aと、第3導体433−1,433−2,433−3とを含む。以下、第1導体431D−1,431D−2を特に区別しない場合、第1導体431D−1,431D−1は、まとめて「第1導体431D」と記載する。
第1導体431D−1は、略四角形状である。第1導体431D−1は、図55に示す第1導体431A−1と同じ又は類似に、接続導体60−1に接続される接続部431aと、接続導体60−2に接続される接続部431aとを含む。第1導体431D−1は、接続導体60−1,60−2に接続されている。
第1導体431D−2は、略三角形状である。第1導体431D−2は、図55に示す第1導体431A−3と同じ又は類似に、接続導体60−3に接続される接続部431aを含む。第1導体431D−2は、接続導体60−3に接続されている。
第1導体431D−1のC方向に略平行な辺の長さと、第1導体431D−2のC方向に略平行な辺の長さの比は、2:7程度である。第1導体431D−1と第1導体431D−2との間には、隙間Sgが位置する。第1導体431D−1のD方向に略平行な辺の長さと、第1導体431D−2のD方向に略平行な辺の長さの比は、2:3程度である。隙間Sgは、第1導体431D−1のD方向に略平行な辺と第1導体431D−2のD方向に略平行な辺との間から、第1導体431D−1のC方向に略平行な辺と第1導体431D−2のC方向に略平行な辺との間まで、延びる。隙間Sgの幅は、導体部430のD方向に略平行な辺から、導体部430のC方向に略平行な辺に向かうに連れて、徐々に広がる。隙間Sgの構成は、共振構造体410Dの所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
[共振構造体の他の例]
図59は、一実施形態に係る共振構造体410Eの平面図である。以下、共振構造体410Eと、図50に示す共振構造体410との間の相違点を中心に説明する。
共振構造体410Eは、導体部430Eを有する。導体部430Eは、第1導体431E−1,431E−2,431E−3と、第2導体432aと、第3導体433−1,433−2,433−3とを含む。以下、第1導体431E−1〜431E−3を特に区別しない場合、第1導体431E−1〜431E−3は、まとめて「第1導体431E」と記載する。
第1導体431E−1は、略台形状である。第1導体431E−1は、上述図55に示す第1導体431A−1と同じ又は類似に、接続導体60−1に接続される接続部431aを含む。第1導体431E−1は、接続導体60−1に接続されている。
第1導体431E−2は、略台形状である。第1導体431E−2は、図55に示す第1導体431A−2と同じ又は類似に、接続導体60−2に接続される接続部431aを含む。第1導体431E−1は、接続導体60−2に接続されている。
第1導体431E−3は、略三角形状である。第1導体431E−3は、図55に示す第1導体431A−3と同じ又は類似に、接続導体60−3に接続される接続部431aを含む。第1導体431E−3は、接続導体60−3に接続されている。
第1導体431E−1のC方向に略平行な辺の長さと、第1導体431E−2のC方向に略平行な辺の長さの比は、3.5:6.5程度である。第1導体431E−1のD方向に略平行な辺の長さと、第1導体431E−2のD方向に略平行な辺の長さの比は、3.5:6.5程度である。第1導体431E−1及び第1導体431E−2と、第1導体431E−3との間には、図56に示す構成と同じ又は類似に、隙間Seが位置する。第1導体431E−1と第1導体431E−2との間には、隙間Shが位置する。隙間Shは、Y方向に沿う。隙間Shは、導体部430EのX方向に略平行な辺を4.5:2程度に分割する箇所に位置する。導体部430EのX方向に略平行な辺に含まれる、第1導体431E−1のX方向に略平行な辺の長さと第1導体431E−2のX方向に略平行な辺の長さの比は、4.5:2程度になる。隙間Shは、導体部430EのX方向に略平行な底辺から、隙間Seまで延びる。
[共振構造体の一例]
図60は、一実施形態に係る共振構造体510の斜視図である。図61は、図60に示す共振構造体510の一部を分解した斜視図である。
共振構造体510は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体510は、図60及び図61に示すように、基体20と、導体部530と、グラウンド導体540と、接続導体60−1,60−2,60−3,60−4とを有する。共振構造体510は、第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
図61に示す導体部530は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部530は、XY平面に沿って広がる。導体部530は、図60に示すように、基体20の上面21に位置する。共振構造体510は、外部から導体部530が位置する基体20の上面21へ入射する所定周波数の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
導体部530は、図61に示すように、略台形状である。略台形状である導体部530は、X方向に略平行な2つの辺を含む。X方向に略平行な2つの辺のうち、Y軸の負方向側に位置する辺は、「上底」ともいう。X方向に略平行な2つの辺のうち、Y軸の正方向側に位置する辺は、「下底」ともいう。導体部530の上底の長さと下低の長さの比は、1:2程度であってよい。略台形状である導体部530は、上底と下底との間に位置する2つの辺を含む。上底と下底との間に位置する2つの辺のうち、X軸の負方向側に位置する辺は、「斜辺」ともいう。
導体部530は、図61に示すように、第1導体531−1,531−2,531−3,531−4と、少なくとも1つの第2導体532と、第3導体533−1,533−2,533−3,533−4とを含む。
以下、第1導体531−1〜531−4を特に区別しない場合、第1導体531−1〜531−4は、まとめて「第1導体531」と記載する。以下、第3導体533−1〜533−3を特に区別しない場合、第3導体533−1〜533−4は、まとめて「第3導体533」と記載する。
図61に示す第1導体531−1〜531−4は、略台形状である。第1導体531−1は、台形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続導体60−1が接続される接続部531aを含む。第1導体531−2は、台形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続導体60−2が接続される接続部531aを含む。第1導体531−3は、台形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続導体60−3が接続される接続部531aを含む。第1導体531−4は、台形の4つの角部のうちの1つの角部に、接続導体60−4が接続される接続部531aを含む。図61に示す接続部531aは、円形状である。ただし、接続部531aは、円形状に限定されず、任意の形状であってよい。第1導体531−1〜531−4は、互いに異なる接続導体60−1〜60−4の1つに接続されている。
第1導体531−1,531−4と、第1導体531−2,531−3との間には、隙間Siが位置する。隙間Siは、略台形状である導体部530の下底から上底に向けて延びる。隙間Siは、略台形状である導体部530のY軸の負方向側の下底を1:1に分割する箇所に位置する。隙間Siは、略台形状である導体部530のY軸の正方向側の上底を1:1に分割する箇所に位置する。隙間Siの幅及び位置は、共振構造体510の所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
第1導体531−1,531−2と、第1導体531−3,531−4との間には、隙間Sjが位置する。隙間Sjは、X方向に略平行に延びる。隙間Sjは、Y方向において、略台形状である導体部320の上底と下低とを1:1に分割する箇所に位置する。隙間Sjの幅及び位置は、共振構造体510の所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
図61に示す第1導体531のその他の構成は、図16に示す第1導体231と同じ又は類似である。
図60に示す第2導体532は、略台形状である。略台形状である第2導体532の上底と下底の比は、1:2程度であってよい。第2導体532は、接続導体60−1〜60−4に接続されていない。図60に示す第2導体532のその他の構成は、図15に示す第2導体32と同じ又は類似である。
第3導体533−1〜533−4の各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−4の1つに接続されている。図60に示す第3導体533は、円形状である。ただし、第3導体533は、任意の形状であってよい。第3導体533のその他の構成は、図15に示す第3導体33と同じ又は類似である。
図61に示すグラウンド導体540は、略台形状である。グラウンド導体540は、台形の4つの角部の各々に、接続部540aを含む。接続部540aには、接続導体60が接続されている。図51に示す接続部540aは、円形状である。ただし、接続部540aは、円形状に限定されず、任意の形状であってよい。グラウンド導体540は、導体部530の形状に応じて、任意の形状であってよい。図61に示すグラウンド導体540のその他の構成は、図16に示すグラウンド導体240と同じ又は類似である。
図61に示す第1給電線51は、第2導体532に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、共振構造体510がアンテナとして用いられる場合、第2導体532を経由して導体部530に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体510がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体532を経由して導体部530からの電力を、外部に給電するように構成される。
図61に示す第2給電線52は、第1給電線51とは異なる位置で、第2導体532に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、共振構造体510がアンテナとして用いられる場合、第2導体532を経由して導体部530に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体510がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体532を経由して導体部530からの電力を、外部に給電するように構成される。
図61に示す接続導体60は、グラウンド導体540から導体部530に向かって延びる。接続導体60−1〜60−4の各々は、第1導体531−1〜531−4の各々と、グラウンド導体640とを各々接続する。
<共振状態の例>
図62は、図60に示す共振構造体510における共振状態の例1を説明する図である。
接続導体60−1と接続導体60−2は、略台形状である導体部530のX方向に略平行な下底に沿って並ぶ、第1接続対となる。
接続導体60−2と接続導体60−3は、略台形状である導体部530のX軸の負方向側の斜辺に沿って並ぶ、第2接続対となる。
接続導体60−3と接続導体60−4は、略台形状である導体部530のX方向に略平行な上底に沿って並ぶ、第3接続対となる。
接続導体60−1と接続導体60−4は、略台形状である導体部530のX軸の正方向向側の辺に沿って並ぶ、第4接続対となる。
共振構造体510は、第1経路U1に沿って、第1周波数u1で共振する。第1経路U1は、第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路の一部である。第1接続対の接続導体60−1,60−2を経る電流経路は、グラウンド導体540と、第1導体531−1,531−2と、第2導体532と、第1接続対の接続導体60−1,60−2とを含む。共振構造体510は、外部から導体部530が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数u1の第1経路U1に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体510は、第2経路U2に沿って、第2周波数u2で共振する。第2経路U2は、第2接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路の一部である。第2接続対の接続導体60−2,60−3を経る電流経路は、グラウンド導体540と、第1導体531−2,531−3と、第2導体532と、第2接続対の接続導体60−2,60−3とを含む。共振構造体510は、外部から導体部530が位置する基体20の上面21へ入射する第2周波数u2の第2経路U2に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体510は、第3経路U3に沿って、第3周波数u3で共振する。第3経路U3は、第3接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路の一部である。第3接続対の接続導体60−3,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体540と、第1導体531−3,531−4と、第2導体532と、第3接続対の接続導体60−3,60−4とを含む。共振構造体510は、外部から導体部530が位置する基体20の上面21へ入射する第3周波数u3の第3経路U3に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体510は、第4経路U4に沿って、第4周波数u4で共振する。第4経路U4は、第4接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路の一部である。第4接続対の接続導体60−1,60−4を経る電流経路は、グラウンド導体540と、第1導体531−1,531−4と、第2導体532と、第4接続対の接続導体60−1,60−4とを含む。共振構造体510は、外部から導体部530が位置する基体20の上面21へ入射する第4周波数u4の第4経路U4に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
共振構造体510では、略台形状である導体部320のY方向の正方向側の辺(下底)の長さと、略台形状である導体部320のX軸の負方向側の辺(斜辺)の長さとが、近い値になり得る。導体部320の下底に沿う第1経路U1の長さと、導体部320のX軸の正方向側の辺に沿う第2経路U2の長さとが、近く値になり得る。
共振構造体510では、第1経路U1、第2経路U2、第3経路U3、第4経路U4の順に、経路の長さが短くなり得る。従って、第1周波数u1、第2周波数u2、第3周波数u3、第4周波数u4の順に、周波数が高くなり得る。
共振構造体510は、第1給電線51から導体部530への給電により、第3経路U3に沿って共振し得る。共振構造体510は、第2給電線52から導体部530への給電により、第4経路U4によって共振し得る。
[共振構造体の他の例]
図63は、一実施形態に係る共振構造体510Aの斜視図である。以下、共振構造体510Aと図61に示す共振構造体510との相違点を中心に説明する。
共振構造体510Aでは、第1給電線51は、XY平面において、第1導体531−2と第1導体531との間に位置する。第2給電線52は、XY平面において、第1導体531−3と第1導体531−1との間に位置する。
[共振構造体の一例]
図64は、一実施形態に係る共振構造体610の斜視図である。図65は、図64に示す共振構造体610の一部を分解した斜視図である。
共振構造体610は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体610は、図64及び図65に示すように、基体20と、導体部630と、グラウンド導体640と、接続導体60−1,60−2,60−3,60−4,60−5,60−6とを有する。共振構造体610は、第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
図65に示す導体部630は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部630は、XY平面に沿って広がる。導体部630は、基体20の上面21に位置する。共振構造体610は、外部から導体部630が位置する基体20の上面21へ入射する所定周波数の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
導体部630は、図65に示すように、略正六角形状である。導体部630は、図65に示すように、第1導体631−2,631−3,631−4,631−5,631−6と、少なくとも1つの第2導体632と、第3導体33c−1,33c−2,33c−3,33c−4,33c−5,33c−6とを含む。以下、第1導体631−1〜631−6を特に区別しない場合、第1導体631−1〜631−6は、まとめて「第1導体631」と記載する。
図65に示す第1導体631は、略二等辺三角形状である。二等辺三角形としての第1導体631の底辺は、正六角形としての導体部630の一辺となる。第1導体631−1〜631−6の各々は、接続部631aを含む。第1導体631−1〜631−6の接続部631aの各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−6の1つと接続されている。図65に示す接続部631aは、四角形状である。ただし、接続部631aは、四角形状に限定されず、任意の形状であってよい。
隣接する第1導体631の間には、隙間Skが位置する。隙間Skの幅及び位置は、共振構造体610の所望の共振周波数に応じて適宜調整されてよい。
図65に示す第1導体631のその他の構成は、図16に示す第1導体231と同じ又は類似である。
図64に示す第2導体632は、略正六角形状である。第2導体632は、接続導体60−1〜60−6に接続されていない。図64に示す第2導体632のその他の構成は、図15に示す第2導体32と同じ又は類似である。
第3導体33c−1〜33c−6の各々は、互いに異なる接続導体60−1〜60−6の1つに接続されている。
図65に示すグラウンド導体640は、略正六角形状である。グラウンド導体640は、6つ辺の各々に、接続部640aを含む。接続部640aには、接続導体60が接続されている。図65に示す接続部640aは、四角形状である。ただし、接続部640a、四角形状に限定されず、任意の形状であってよい。グラウンド導体640は、導体部630の形状に応じて、任意の形状であってよい。図65に示すグラウンド導体640のその他の構成は、図16に示すグラウンド導体240と同じ又は類似である。
図65に示す第1給電線51は、第2導体632に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、共振構造体610がアンテナとして用いられる場合、第2導体632を経由して導体部630に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体610がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体632を経由して導体部630からの電力を、外部に給電するように構成される。
図65に示す第2給電線52は、第1給電線51とは異なる位置で、第2導体632に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、共振構造体610がアンテナとして用いられる場合、第2導体632を経由して導体部630に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体610がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体632を経由して導体部630からの電力を、外部に給電するように構成される。
図61に示す接続導体60は、グラウンド導体640から導体部630に向かって延びる。接続導体60−1〜60−6の各々は、第1導体531−1〜531−6の各々と、グラウンド導体640とを各々接続する。
<共振状態の例>
図66は、図64に示す共振構造体610における共振状態の例を説明する図である。図66に示した第1経路V1、第2経路V2、第3経路V3、第4経路V4、第5経路V5及び第6経路V6は、異なる時期における経路である。
共振構造体610は、第1経路V1に沿って第1周波数v1で共振する。共振構造体610は、第2経路V2に沿って第2周波数v2で共振する。共振構造体610は、第3経路V3に沿って第1周波数v3で共振する。共振構造体610は、第4経路V4に沿って第4周波数v4で共振する。共振構造体610は、第5経路V5に沿って第5周波数v5で共振する。共振構造体610は、第6経路V6に沿って第6周波数v6で共振する。
共振構造体610では、導体部630が略正六角形状である。各第1経路V1〜第6経路V6は、略正六角形状としての導体部630の各辺に沿う。第1経路V1〜第6経路V6の長さは、等しくなり得る。第1経路V1〜第6経路V6の長さが等しいと、第1周波数v1〜第6周波数v6は等しくなり得る。
共振構造体610は、共振しているときの一例において、接続導体60−1から対角に位置する接続導体60−4に向かって、各接続導体を経て電流が流れる。これらの接続導体60の間を流れる電流の各々は、電磁波を誘起する。各電流によって誘起される電磁波は、合成されて放射する。結果、合成された合成電磁波は、見かけ上の電流経路として、対角に位置する2つの接続導体を結ぶ方向に流れる高周波電流によって誘起されているかのように見える。
共振構造体610は、外部から導体部630が位置する基体20の上面21へ入射する第1周波数v1の第1経路V1〜第6経路V6の各々に沿って偏波する電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
[共振構造体の一例]
図67は、一実施形態に係る共振構造体710の斜視図である。図68は、図67に示す共振構造体710の一部を分解した斜視図である。図69は、図67に示す共振構造体710の平面図である。
共振構造体710は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体710は、基体20と、導体部730−1,730−2,730−3,730−4と、接続部733−1,733−2,733−3,733−4と、グラウンド導体740と、接続導体760−1,760−2,760−4,760−4とを有する。共振構造体710は、第1給電線51を有してよい。
以下、導体部730−1〜730−4を特に区別しない場合、導体部730−1〜730−4は、まとめて「導体部730」と記載する。図67に示す共振構造体710が有する導体部730の数は、4つに限定されない。共振構造体710は、任意の数の導体部730を有してよい。
以下、接続部733−1〜733−4を特に区別しない場合、接続部733−1〜733−4は、まとめて「接続部733」と記載する。以下、接続導体760−1〜760−4を特に区別しない場合、接続導体760−1〜760−4は、まとめて「接続導体760」と記載する。
導体部730は、共振器の一部として機能するように構成されている。導体部730は、単位構造体であり得る。導体部730は、同じ形状の、略長方形状である。導体部730は、X方向に平行な辺を長辺とし、Y方向に平行な辺を短辺とする略長方形状である。
図69に示す導体部730は、X方向及びY方向に沿った長方格子状に並ぶ。例えば、導体部730−1と導体部730−2は、X方向及びY方向に沿った長方格子状のX方向に沿って並ぶ。導体部730−3と導体部730−4は、X方向及びY方向に沿った長方格子状のX方向に沿って並ぶ。導体部730−1と導体部730−4は、X方向及びY方向に沿った長方格子状のY方向に沿って並ぶ。導体部730−2と導体部730−3は、X方向及びY方向に沿った長方格子状のY方向に沿って並ぶ。導体部730−1と導体部730−3は、X方向及びY方向に沿った長方格子状の第3対角方向に沿って並ぶ。導体部730−2と導体部730−4は、X方向及びY方向に沿った長方格子状の第4対角方向に沿って並ぶ。
図68に示す導体部730は、図46に示す第2導体332と、第1導体331−1〜331−4とを含む。導体部730−1の第1導体331−1は、接続導体760−1に接続される接続部731aを含む。導体部730−2の第1導体331−2は、接続導体760−2に接続される接続部731aを含む。導体部730−3の第1導体331−3は、接続導体760−3に接続される接続部731aを含む。導体部730−4の第1導体331−4は、接続導体760−4に接続される接続部731aを含む。接続部731aの形状は、図30に示す第3導体33cをY方向に沿って半分に分割した形状である。
異なる導体部730に含まれる第1導体331であって、互いに隣接する第1導体331は、1つの平板状の導体として、一体化され得る。図68に示すように、例えば、導体部730−1の第1導体331−2と、導体部730−2の第1導体331−1は、1つの平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部730−1の第1導体331−4と、導体部730−4の第1導体331−1は、1つの平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部730−1の第1導体331−3と、導体部730−2の第1導体331−4と、導体部730−3の第1導体331−1と、導体部730−4の第1導体331−2は、1つの平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部730−2の第1導体331−3と、導体部730−3の第1導体331−2は、1つの平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部730−3の第1導体331−4と、導体部730−4の第1導体331−3は、1つの平板状の導体として、一体化される。
図67に示す接続部733は、基部の上面21に位置する。接続部733の形状は、図30に示す第3導体33cを半分に分割した形状である。接続部733−1〜733−4の各々は、互いに異なる接続導体760−1〜760−4の1つに接続されている。
図68に示すグラウンド導体740は、略長方形状である。グラウンド導体740は、長方形の4つの角部の各々に、接続部740aを含む。接続部740aの形状は、図46に示す接続部440aをY方向に沿って半分に分割した形状である。図68に示すグラウンド導体740のその他の構成は、図16に示すグラウンド導体240と同じ又は類似である。
接続導体760の形状は、図3に示す接続導体60をZ方向に沿って半分に分割した形状である。接続導体760−1は、導体部730−1の第1導体331−1と、グラウンド導体740とを接続する。接続導体760−2は、導体部730−2の第1導体331−2と、グラウンド導体740とを接続する。接続導体760−3は、導体部730−3の第1導体331−3と、グラウンド導体740とを接続する。接続導体760−4は、導体部730−4の第1導体331−4と、グラウンド導体740とを接続する。
第1給電線51は、導体部730−1の第2導体332に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、共振構造体710がアンテナとして用いられる場合、導体部730−1の第2導体332を経由して導体部730に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体710がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、導体部730−1の第2導体332を経由して導体部730からの電力を、外部に給電するように構成される。
[共振構造体の一例]
図70は、一実施形態に係る共振構造体810の平面図である。
共振構造体810は、1又は複数の共振周波数で共振する。共振構造体810は、基体20と、導体部230−1,230−2,230−3,230−4,230−5,230−6,230−7,230−8,230−9と、接続導体60−1,60−2,60−3,60−4とを有する。共振構造体810は、図16に示すグラウンド導体240と同じ又は類似のグラウンド導体を有する。ただし、共振構造体810が有するグラウンド導体は、XY平面において導体部230−1〜230−9が占める面積に応じた面積を有する。共振構造体810は、第1給電線51及び第2給電線52の少なくとも何れかを有してよい。
導体部230−1〜230−9は、図16に示す導体部230と同じ又は類似であり得る。導体部230は、単位構造体であり得る。導体部230は、X方向及びY方向に沿う正方格子状に配置される。正方格子状に並ぶ導体部230において、正方格子の角部に位置する導体部230−1〜230−4の各々は、第3導体33−1〜33−4を各々含む。
異なる導体部230に含まれる第1導体231であって、互いに隣接する第1導体231は、平板状の導体として、一体化され得る。一例として、導体部230−1を挙げると接続関係は、次のようになる。導体部230−1の第1導体231−2と、導体部230−5の第1導体231−1は、平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部230−1の第1導体231−3と、導体部230−5の第1導体231−4と、導体部230−9の第1導体231−1と、導体部230−8の第1導体231−2は、平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部230−1の第1導体231−4と、導体部230−8の第1導体231−1は、平板状の導体として、一体化される。
第1給電線51は、正方格子状に並ぶ導体部230において、中央に位置する導体部230−9の第2導体32に電磁気的に接続されるように構成されている。第1給電線51は、共振構造体810がアンテナとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部230に電力を給電するように構成される。第1給電線51は、共振構造体810がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部230からの電力を、外部に給電するように構成される。
第2給電線52は、正方格子状に並ぶ導体部230において、中央に位置する導体部230−2の第2導体32に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、第1給電線51とは異なる位置で、第2導体32に接続されている。第2給電線52は、共振構造体810がアンテナとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部230に電力を給電するように構成される。第2給電線52は、共振構造体810がアンテナ又はフィルタとして用いられる場合、第2導体32を経由して導体部230からの電力を、外部に給電するように構成される。
[共振構造体の他の例]
図71は、一実施形態に係る共振構造体810Aの平面図である。以下、共振構造体810Aと、図70に示す共振構造体810の相違点を中心に説明する。
共振構造体810Aは、12つの接続部33aと、接続導体60−1〜60−12を有する。各接続部33aは、互いに異なる接続導体60−1〜60−12の1つに接続されている。
接続導体60−5,60−6は、X方向において、接続導体60−1と接続導体60−2との間に位置する。接続導体60−5及び接続導体60−6は、接続導体60−1と接続導体60−2との間において、等間隔に並んでよい。接続導体60−5は、導体部230−1の第1導体231−2と、導体部230−5の第1導体231−1とに接続されている。接続導体60−6は、導体部230−2の第1導体231−1と、導体部230−5の第1導体231−2とに接続されている。
接続導体60−7,60−8は、Y方向において、接続導体60−2と接続導体60−3との間に位置する。接続導体60−7及び接続導体60−8は、接続導体60−2と接続導体60−3との間において、等間隔に並んでよい。接続導体60−7は、導体部230−2の第1導体231−3と、導体部230−6の第1導体231−2とに接続されている。接続導体60−8は、導体部230−6の第1導体231−3と、導体部230−3の第1導体231−2とに接続されている。
接続導体60−9,60−10は、X方向において、接続導体60−3と接続導体60−4との間に位置する。接続導体60−9及び接続導体60−10は、接続導体60−3と接続導体60−4との間において、等間隔に並んでよい。接続導体60−9は、導体部230−3の第1導体231−4と、導体部230−7の第1導体231−3とに接続されている。接続導体60−10は、導体部230−4の第1導体231−3と、導体部230−7の第1導体231−4とに接続されている。
接続導体60−11,60−12は、Y方向において、接続導体60−1と接続導体60−4との間に位置する。接続導体60−11及び接続導体60−12は、接続導体60−1と接続導体60−4との間において、等間隔に並んでよい。接続導体60−11は、導体部230−4の第1導体231−1と、導体部230−8の第1導体231−4とに接続されている。接続導体60−12は、導体部230−1の第1導体231−4と、導体部230−8の第1導体231−1とに接続されている。
[共振構造体の他の例]
図72は、一実施形態に係る共振構造体810Bの平面図である。以下、共振構造体810Bと、図70に示す共振構造体810の相違点を中心に説明する。
共振構造体810Bは、導体部230−1,230−2,230−3,230−4と、接続導体60−1,60−2,60−3,60−4とを有する。
導体部230−1は、接続導体60−1に接続される第3導体33P−1を含む。導体部230−2は、接続導体60−2に接続される第3導体33P−2を含む。導体部230−3は、接続導体60−3に接続される第3導体33P−3を含む。導体部230−4は、接続導体60−4に接続される第3導体33P−4を含む。第3導体33P−1〜33P−4は、図37に示すものと同じであり得る。
異なる導体部230に含まれる第1導体231であって、互いに隣接する第1導体231は、平板状の導体として、一体化され得る。例えば、導体部230−1の第1導体231−2と、導体部230−2の第1導体231−1は、平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部230−1の第1導体231−3と、導体部230−2の第1導体231−4と、導体部230−3の第1導体231−1と、導体部230−4の第1導体231−2は、平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部230−1の第1導体231−4と、導体部230−4の第1導体231−1は、平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部230−2の第1導体231−3と、導体部230−3の第1導体231−2は、平板状の導体として、一体化される。例えば、導体部230−3の第1導体231−4と、導体部230−4の第1導体231−3は、平板状の導体として、一体化される。
第1給電線51は、導体部230−2の第2導体32に電磁気的に接続されるように構成されている。第2給電線52は、第1給電線51とは異なる位置で、導体部230−2の第2導体32に電磁気的に接続されるように構成されている。
[共振構造体の他の例]
図73は、一実施形態に係る共振構造体810Cの平面図である。以下、共振構造体810Cと、図72に示す共振構造体810Bの相違点を中心に説明する。
共振構造体810Cは、接続導体60−1〜60−4に加えて、接続導体60−5〜60−7を有する。共振構造体810は、4つの接続部33aを有する。各接続部33aは、互いに異なる接続導体60−5〜60−7の1つに接続されている。
接続導体60−5は、X方向において、接続導体60−1と接続導体60−2との間に位置する。接続導体60−5は、接続導体60−1と接続導体60−2との間において、中央付近に位置してよい。接続導体60−5は、導体部230−1の第1導体231−2と、導体部230−2の第1導体231−1とに接続されている。
接続導体60−6は、Y方向において、接続導体60−2と接続導体60−3との間に位置する。接続導体60−6は、接続導体60−2と接続導体60−3との間において、中央付近に位置してよい。接続導体60−6は、導体部230−2の第1導体231−3と、導体部230−3の第1導体231−2とに接続されている。
接続導体60−7は、X方向において、接続導体60−3と接続導体60−4との間に位置する。接続導体60−7は、接続導体60−3と接続導体60−4との間において、中央付近に位置してよい。接続導体60−7は、導体部230−3の第1導体231−4と、導体部230−4の第1導体231−3とに接続されている。
接続導体60−8は、Y方向において、接続導体60−1と接続導体60−4との間に位置する。接続導体60−8は、接続導体60−1と接続導体60−4との間において、中央付近に位置してよい。接続導体60−8は、導体部230−1の第1導体231−4と、導体部230−4の第1導体231−1とに接続されている。
[無線通信モジュール]
図74は、一実施形態に係る無線通信モジュール1のブロック図である。図75は、図1に示す無線通信モジュール1の概略構成図である。
無線通信モジュール1は、アンテナ11と、RFモジュール12と、グラウンド導体13A及び有機基板13Bを有する回路基板14とを備える。
アンテナ11は、図1に示す共振構造体10を備える。ただし、アンテナ11は、本開示の共振構造体の何れかを備えればよい。アンテナ11が備える共振構造体10は、第1給電線51及び第2給電線52を有する。
アンテナ11は、図75に示すように、回路基板14の上に位置する。アンテナ11の第1給電線51は、図75に示す回路基板14を介して、図74に示すRFモジュール12に接続されている。アンテナ11の第2給電線52は、図75に示す回路基板14を介して、図74に示すRFモジュール12に接続されている。アンテナ11のグラウンド導体40は、回路基板14が有するグラウンド導体13Aに電磁気的に接続されるように構成されている。
アンテナ11が備える共振構造体10は、第1給電線51及び第2給電線の両方を有するものに限られない。アンテナ11が備える共振構造体10は、第1給電線51及び第2給電線の何れか1つを有するものでよい。アンテナ11が1つの給電線を有する場合、これに対応して、回路基板14の構造は適宜変更される。例えば、RFモジュール12の接続端子は、1つであってよい。例えば、回路基板14は、RFモジュール12の接続端子と、アンテナ11の給電線とを接続する電導線が1つであってよい。
グラウンド導体13Aは、導電性材料を含み得る。グラウンド導体13Aは、XY平面に広がり得る。グラウンド導体13Aは、XY平面において、アンテナ11のグラウンド導体40より面積が広い。グラウンド導体13AのY方向に沿った長さは、アンテナ11のグラウンド導体40のY方向に沿った長さより、長い。グラウンド導体13AのX方向に沿った長さは、アンテナ11のグラウンド導体40のX方向に沿った長さより、長い。アンテナ11は、Y方向において、グラウンド導体13Aの中心より端側に位置し得る。アンテナ11の中心は、XY平面においてグラウンド導体13Aの中心と異なり得る。アンテナ11の中心は、図1に示す第1導体31−1〜31−4の中心と異なり得る。第1給電線51が図1に示す第1導体31−1に接続される箇所は、XY平面におけるグラウンド導体13Aの中心と異なり得る。第2給電線52が図1に示す第1導体31−2に接続される箇所は、XY平面におけるグラウンド導体13Aの中心と異なり得る。
アンテナ11では、図1に示す第1接続対となる2つの接続導体60を介して第1電流経路に沿って電流がループする。アンテナ11では、図1に示す第2接続対となる2つの接続導体60を介して第2電流経路に沿って電流がループする。アンテナ11は、グラウンド導体13Aの中心よりY方向において端側に位置することで、グラウンド導体13Aを流れる電流経路が非対象になる。グラウンド導体13Aを流れる電流経路が非対象になることで、アンテナ11及びグラウンド導体13Aを含むアンテナ構造体は、放射波のX方向の偏波成分が大きくなる。放射波のX方向の偏波成分が大きくすることで、放射波は、総合放射効率が向上し得る。
アンテナ11は、回路基板14と一体とし得る。アンテナ11と回路基板14とが一体である場合、アンテナ11のグラウンド導体40は、回路基板14のグラウンド導体13Aと一体であり得る。
RFモジュール12は、アンテナ11に給電する電力を制御するように構成され得る。RFモジュール12は、ベースバンド信号を変調して、アンテナ11に供給するように構成されている。RFモジュール12は、アンテナ11が受信した電気信号を、ベースバンド信号に変調するように構成され得る。
アンテナ11は、回路基板14側の導体による共振周波数の変化が小さい。無線通信モジュール1は、アンテナ11を備えることで、外部環境から受ける影響を低減し得る。
[無線通信機器]
図76は、一実施形態に係る無線通信機器2のブロック図である。図77は、図76に示す無線通信機器2の平面視図である。図78は、図76に示す無線通信機器2の断面図である。
無線通信機器2は、無線通信モジュール1と、センサ15と、バッテリ16と、メモリ17と、コントローラ18と、筐体19とを備える。
センサ15は、例えば、速度センサ、振動センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、回転角センサ、角速度センサ、地磁気センサ、マグネットセンサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、光センサ、照度センサ、UVセンサ、ガスセンサ、ガス濃度センサ、雰囲気センサ、レベルセンサ、匂いセンサ、圧力センサ、空気圧センサ、接点センサ、風力センサ、赤外線センサ、人感センサ、変位量センサ、画像センサ、重量センサ、煙センサ、漏液センサ、バイタルセンサ、バッテリ残量センサ、超音波センサ又はGPS(Global Positioning System)信号の受信装置等を含んでよい。
バッテリ16は、無線通信モジュール1に電力を供給するように構成されている。バッテリ16は、センサ15、メモリ17、及び、コントローラ18の少なくとも1つに電力を供給するように構成され得る。バッテリ16は、1次バッテリ及び二次バッテリの少なくとも一方を含み得る。バッテリ16のマイナス極は、図75に示す回路基板14のグラウンド端子に電気的に接続されるように構成されている。バッテリ16のマイナス極は、アンテナ11のグラウンド導体40に電気的に接続されるように構成されている。
メモリ17は、例えば半導体メモリ等を含み得る。メモリ17は、コントローラ18のワークメモリとして機能するように構成され得る。メモリ17は、コントローラ18に含まれ得る。メモリ17は、無線通信機器2の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム、及び、無線通信機器2における処理に用いられる情報等を記憶する。
コントローラ18は、例えばプロセッサを含み得る。コントローラ18は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。特定用途向けICは、ASIC(Application SpecificIntegrated Circuit)ともいう。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)ともいう。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ18は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及び、SiP(System In a Package)の何れかであってよい。コントローラ18は、メモリ17に、各種情報又は無線通信機器2の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
コントローラ18は、無線通信機器2から送信する送信信号を生成するように構成されている。コントローラ18は、例えば、センサ15から測定データを取得するように構成されていてよい。コントローラ18は、測定データに応じた送信信号を生成するように構成されていてよい。コントローラ18は、無線通信モジュール1のRFモジュール12にベースバンド信号を送信するように構成され得る。
図77に示す筐体19は、無線通信機器2の他のデバイスを保護するように構成されている。筐体19は、第1筐体19A及び第2筐体19Bを含み得る。
図78に示す第1筐体19Aは、XY平面に広がり得る。第1筐体19Aは、他のデバイスを支えるように構成されている。
図78に示す第1筐体19Aは、XY平面に広がり得る。第1筐体19Aは、他のデバイスを支えるように構成されている。第1筐体19Aは、無線通信機器2を支持するように構成され得る。無線通信機器2は、第1筐体19Aの上面19aの上に位置する。第1筐体19Aは、バッテリ16を支持するように構成され得る。バッテリ16は、第1筐体19Aの上面19aの上に位置する。第1筐体19Aの上面19aの上には、無線通信モジュール1とバッテリ16とが、X方向に沿って並んでよい。バッテリ16と、アンテナ11の図1に示す導体部30との間には、アンテナ11の図1に示す接続導体60が位置する。バッテリ16は、アンテナ11の図1に示す導体部30から観て接続導体60の向こう側に位置する。
図78に示す第2筐体19Bは、他のデバイスを覆い得る。第2筐体19Bは、アンテナ11のZ軸の負方向側に位置する下面19bを含む。下面19bは、XY平面に沿って広がる。下面19bは、平坦に限られず、凹凸を含み得る。第2筐体19Bは、導体部材19Cを有し得る。導体部材19Cは、第2筐体19Bの内部、外側及び内側の少なくとも一方に位置する。導体部材19Cは、第2筐体19Bの上面及び側面の少なくとも一方に位置する。
図78に示す導体部材19Cは、アンテナ11と対向する。アンテナ11は、導体部材19Cと結合し、導体部材19Cを二次放射器として電磁波を放射することができることができるように構成されている。アンテナ11と導体部材19Cが対向すると、アンテナ11と導体部材19Cの容量的な結合が大きくなり得る。アンテナ11の電流方向が、導体部材19Cの延在する方向に沿うと、アンテナ11と導体部材19Cとの電磁気的な結合が大きくなり得る。この結合は、相互インダクタンスとなり得る。
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは、分割したりすることが可能である。
例えば、図79に示すように、導体部230Xを有する共振構造体210Xがあり得る。導体部230Xは、略正方形状である。導体部230Xは、第1導体231X−1,231X−2と、第2導体32X−1,32X−2と、第3導体33c−1,33c−2とを含む。
図79に示す第1導体231X−1,231X−2は、接続導体60−1から接続導体60−3に向かう対角線に沿って対向している。第1導体231X−1,231X−2は、合わさると略正方形となる。第1導体231X−1,231X−2の各々は、略三角形である。第1導体231X−1,231X−2の各々は、略正方形状である導体部320Xを、接続導体60−2から接続導体60−4に向かう対角線に沿って二等分した形状である。第1導体231X−1は、接続導体60−1に接続される接続部231aを含む。第1導体231X−2は、接続導体60−3に接続される接続部231aを含む。
図79に示す第2導体32X−1,32X−2は、接続導体60−2から接続導体60−4に向かう対角線に沿って対向している。第2導体32X−1,32X−2は、合わさると略正方形となる。第2導体32X−1,32X−2の各々は、略三角形である。第2導体32X−1,32X−2の各々は、略正方形状である導体部320Xを、接続導体60−1から接続導体60−3に向かう対角線に沿って、対角線に沿って二等分した形状である。第2導体32X−1は、接続導体60−4に接続される接続部33Xを含む。第2導体32X−2は、接続導体60−2に接続される接続部33Xを含む。第2導体32X−1は、第1導体231X−1の一部及び第1導体231X−2の一部とz方向において対向する。第2導体32X−1は、第1導体231X−1の一部及び第1導体231X−2の一部と容量的に結合するように構成されている。第2導体32X−2は、第1導体231X−1の一部及び第1導体231X−2の一部とZ方向において対向する。第2導体32X−2は、第1導体231X−1の一部及び第1導体231X−2の一部と容量的に結合するように構成されている。4つの接続導体60のうちX方向又はY方向に並ぶ2つは、第1導体231Xの何れか及び第2導体32X−1の何れかを介して容量的に結合するように構成されている。
図79に示す第3導体33c−1は、接続導体60−1に接続されている。第3導体33c−2は、接続導体60−3に接続されている。
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
本開示において「第1」、「第2」、「第3」等の記載は、当該構成を区別するための識別子の一例である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1周波数は、第2周波数と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠、及び、大きい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。