JP2020076270A - 油圧ショベル - Google Patents

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Abstract

【課題】キャノピの脱着作業を容易化し、キャノピのガタツキを少なくする。【解決手段】旋回中心に対して左右方向の一方側にオフセットして配置された運転席、旋回体に設けた複数のポスト55、及び複数のポストに支持されて運転席の上方を覆うキャノピ50を備えており、キャノピが、ポストに被せられた筒状の複数の支柱51〜53、及び複数の支柱で支持されて運転室の上方に配置されたルーフを備えた油圧ショベルにおいて、キャノピの複数の支柱の下端部にそれぞれ設けたスリット64と、スリットを跨いで両側に位置するように支柱に設けた一対のブラケット71,72と、一対のブラケットを互いに進退させるカム機構73と、カム機構を操作するレバー74とを設け、レバーを操作してカム機構で一対のブラケットを介してスリットを締め込むことで、支柱の内径を収縮させて支柱がポストに固定されるようにする。【選択図】図8

Description

本発明は例えば超小旋回型或いは後方超小旋回型と呼ばれる小型の油圧ショベルに関し、特にキャビン(運転室)の代わりにキャノピを備えた油圧ショベルに係る。
油圧ショベルには超小旋回型或いは後方超小旋回型と呼ばれる小型のものがある。これら小型の油圧ショベルは一般に、狭隘な現場で作業できるように旋回体(作業機を含まず)の最大旋回半径が走行体の車幅程度かそれ以下に抑えられている。この種の油圧ショベルでは運転席の周囲を囲うキャビンを設けるスペースの余裕がなく、運転席の上方をルーフで覆い側方が開放されたキャノピが採用される場合が多い。キャノピのルーフは頭上からの衝撃に耐えるために、旋回体の高強度のフレームに対して複数の支柱(ピラー)で支持される(特許文献1等参照)。
特開2017−2646号公報
小型の油圧ショベルの場合、例えば山間部で作業するためにヘリコプターや索道等で輸送されることがある。その際、輸送する容積を抑えるために旋回体からキャノピを取り外すことがある。一般に油圧ショベルのキャノピの支柱は鋼管で形成されており、旋回体に設けた基礎であるポストに支柱を被せてピンで固定する構造が採用されている。
しかし、山間部においてキャノピは一般に複数の作業者により人手で脱着する必要があるが、支柱の間隔も広いことから旋回体に設けたポストの外径と支柱の内径との差に余裕がないとそもそも支柱の抜き差しが困難となる。そのため、キャノピの支柱とこれを被せるポストとの間の隙間が大き目に確保されており、この隙間によりキャノピのガタツキが生じ得る。
本発明の目的は、キャノピの脱着作業を容易化することができ、かつキャノピのガタツキを少なくすることができる油圧ショベルを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に取り付けた作業機を備え、前記旋回体が、旋回中心に対して左右方向の一方側にオフセットして配置された運転席、前記旋回体に設けた複数のポスト、及び前記複数のポストに支持されて前記運転席の上方を覆うキャノピを備えており、前記キャノピが、前記ポストに被せられた筒状の複数の支柱、及び前記複数の支柱で支持されて前記運転室の上方に配置されたルーフを備えた油圧ショベルにおいて、前記キャノピの複数の支柱の下端部にそれぞれ設けたスリットと、前記スリットを跨いで両側に位置するように前記支柱に設けた一対のブラケットと、前記一対のブラケットを互いに進退させるカム機構と、前記カム機構を操作するレバーとを備え、前記レバーを操作して前記カム機構で前記一対のブラケットを介して前記スリットを締め込むことで、前記支柱の内径を収縮させて前記支柱が前記ポストに固定してあることを特徴とする。
キャノピの支柱をポストに対してカム機構で締め付けて固定する構成としたことにより、カム機構を緩めた状態ではポストに対して支柱の内径に余裕を持たせることができる(大きめに設定できる)。従って旋回体上に間隔を空けてレイアウトされた複数のポストに対して複数の支柱を同時に抜き差しすることも容易である。ポストの外径と支柱の内径との間の隙間に余裕がとれるので、支柱の内径を機械加工する必要もない。支柱とポストとをピンで固定する構造と異なり、精度が要求されるピン穴の加工も不要であり、煩わしいピン穴の位置合わせ作業やピンの抜き差しの作業も不要である。また支柱を締め付けることで締結時にはポストの外径と支柱の内径との間の隙間も殆どなく、隙間によるキャノピのガタツキが小さくなる。カム機構の締緩作業についてもレバー操作で容易に行うことができ、ボルト等で締め付ける構成と異なり工具が不要である。以上の通り、本発明によればキャノピの脱着作業を容易化することができ、かつキャノピのガタツキを少なくすることができる。
本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を表す側面図であり、アタッチメントとしてバケットを装着した状態を表している。 本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を表す側面図であり、アタッチメントとしてブレーカを装着した状態を表している。 縦孔の底部で閉脚して作業する図1に示した油圧ショベルの様子を表す平面図である。 縦孔の底部で開脚して作業する図1に示した油圧ショベルの様子を表す平面図である。 図1に示した油圧ショベルの旋回体のフレーム構造を表した斜視図である。 図1に示した油圧ショベルの旋回体の要部の側面図である。 図1に示した油圧ショベルの旋回体の要部の平面図である。 図1に示した油圧ショベルに備えられたキャノピの第1支柱の取り付け部の斜視図である。 図1に示した油圧ショベルの旋回体におけるキャノピの支柱の基部の位置を表した模式平面図である。 図1に示した油圧ショベルの作業中の様子の一例を表した側面図である。 図1に示した油圧ショベルのキャノピの第2支柱の固定構造を表した斜視図 図1に示した油圧ショベルのキャノピの第2支柱の固定構造を表した後面図 図1に示した油圧ショベルのキャノピの第2支柱の固定構造を表した側面図 図1に示した油圧ショベルのキャノピの第2支柱を下側から見た図 図14に対応する図であってカムで第2支柱のスリットを締め込んだ状態を表した図 本発明の第2実施形態に係る油圧ショベルに備えられたキャノピの第1支柱の取り付け部の斜視図 本発明の第3実施形態に係る油圧ショベルに備えられたキャノピの支柱を下側から見た図 本発明の第4実施形態に係る油圧ショベルに備えられたキャノピの支柱の締め込み機構の構造を表す図 本発明の第4実施形態に係る油圧ショベルに備えられたキャノピの支柱を下側から見た図
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
−油圧ショベル−
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を表す側面図である。なお、図1はアタッチメントとしてバケットを装着した状態を、図2はアタッチメントとしてブレーカを装着した状態を表している。以下の説明において油圧ショベル100の運転席の前方(同図では左)を前方とする。
図1及び図2に例示した油圧ショベル100は例えば深礎工法で深礎杭(不図示)を挿し込む縦孔(深礎杭孔)Hに投入され、縦孔Hの底部で走行体10によって小刻みに位置を変えながら掘削作業をし、縦孔Hを掘り進める作業機械である。ここで例示する油圧ショベル100は特に、履帯式の左右の走行装置12における前側の間隔を開いてV字型に開脚し、これら左右の走行装置12の間の領域を掘削することができる開脚型である。縦孔Hの底部で閉脚して作業する油圧ショベル100の様子を表す平面図を図3に、縦孔Hの底部で開脚して作業する油圧ショベル100の様子を表す平面図を図4に示した。
例えば山岳地の送電線等の鉄塔の建て替えの際に新しい鉄塔の深礎杭(基礎)を地中深く施工するような深礎工法では、深礎杭を挿し込むための小径の縦孔を掘削する。しかし山岳地における縦孔の掘削工事では搬入経路や広い足場が確保できず大掛かりな機械設備が使えないことが多い。そのような場合に、例えばヘリコプターで輸送することができる分解型のショベルや超小型の油圧ショベル等を用いることがある。分解型ショベルを現地で組み立てて地表から一定深さまで縦孔を掘削し、超小型の油圧ショベルをクレーン等で縦孔に投入し縦孔を掘り進めていく工法である。ただ小径(例えば直径2.5m程度)の縦孔の内部では、いかに超小型の油圧ショベルであっても縦孔の底部に接地する自らの走行体が邪魔で実際に掘削できる領域は狭く、小刻みに走行体の位置や向きを変えなければならず効率的に作業を進めることができない。例示した油圧ショベル100は、このような場面で図4のように左右の走行装置12をV字型に開脚し、左右の走行装置12の間まで掘削領域を広げることで狭隘な現場において効率的に掘削作業を行うことができる。また走行装置12をV字型に開脚し、左右の履帯23を逆回転させることで縦孔Hの底部で円弧状に横移動したりすることができる。この油圧ショベル100は、走行体10、旋回体30及び作業機(フロント作業機)40を備えている。
−走行体−
走行体10は油圧ショベル100が自力走行するための履帯式(クローラ式)の走行体であり、トラックフレーム11、左右の走行装置12及びアウトリガー13を備えている。トラックフレーム11は走行体10のフレームをなすもので、センタフレーム(不図示)、左右のリンク(不図示)及び左右のサイドフレーム16からなり、閉脚時に平面視でH型になるように形成されている。センタフレームの後部(図1では右側部分)に上記アウトリガー13が設けられている。掘削作業の邪魔になるためセンタフレームの前部にアウトリガーは設けられておらず、アウトリガー13は後部のみに存在する。アウトリガー13は図示しないシリンダによって上下に揺動し、場面に応じて高さを調節することで作業中における油圧ショベル100の後傾を抑制することができる。
左右の走行装置12は、従動輪21、駆動輪22、履帯(クローラ)23及び走行駆動装置24を備えている。従動輪21はトラックフレーム11の左右のサイドフレーム16の各前端(図1では左端)に、駆動輪22は左右のサイドフレーム16の各後端(図1では右端)にそれぞれ回転自在に支持されている。左右のサイドフレーム16は、それぞれ左右の走行装置12のフレームを兼ねる。履帯23は左右の走行装置12についてそれぞれ従動輪21及び駆動輪22に掛け回されている。左右の走行装置12についてそれぞれ駆動輪22の回転軸に走行駆動装置24の出力軸が連結されている。走行駆動装置24が駆動されると従動輪21と駆動輪22に掛け回された履帯23が循環駆動され、油圧ショベル100の走行動作等が行われる。走行駆動装置24は油圧モータを含む。
ここで、左右のサイドフレーム16は、その後部がセンタフレームに対して上下に延びる軸(不図示)を介して回動可能に連結されており、前部がそれぞれ上記リンクを介してセンタフレームに連結されている。左右のリンクはシリンダ(不図示)で連結されており、シリンダを伸ばすと左右のサイドフレーム16が上記の軸を支点に回動する。これにより左右の走行装置12が前部の間隔を広げて、図3に示した閉脚した状態から図4に示したようにV字型に開脚する。左右の走行装置12の開脚角度は例えば最大約90度(左右の走行装置12についてそれぞれ45度)に制限されている。図4に示したように左右の走行装置12を最大限開脚しても走行装置12がアウトリガー13に干渉しないようになっている(図4)。またアウトリガー13の接地部も最大開脚時の左右の走行装置12の後縁に合わせて直角三角形状に形成されている。
また本実施形態の油圧ショベル100の場合、小径の縦孔Hの底部で動き回る都合上、走行装置12の長手方向の長さ(少なくともサイドフレーム16の長さ)は一般的な油圧ショベルよりも短く、旋回体30の前後方向の長さと同程度かそれよりも短い。特に本実施形態においては、左右の走行装置12が平行な状態では(図3に示したような閉脚時には)平面視で左右の走行装置12の車幅方向の外側の辺がほぼ正方形の対辺となるように走行装置12の間隔や長さが調整されている。これにより短い走行装置12ながら安定性が確保されている。
−旋回体−
図5は旋回体30のフレーム構造を表した斜視図である。ここでは図5を先の各図と共に参照する。旋回体30は、旋回フレーム31、運転席32(図1)、カウンタウェイト33(図1)及び機械室34(図1)等を備えている。旋回フレーム31は旋回体30のベースフレームであり、旋回輪25(図1)を介してトラックフレーム11(センタフレーム)の上部に設けられている。旋回フレーム31には旋回輪25の付近に旋回モータ(不図示)が搭載され、旋回モータの出力軸が旋回輪25に設けた歯車と噛み合うことで、走行体10に対して旋回体30が鉛直な旋回中心C(図1)を軸にして旋回する。旋回モータには電動モータを用いることもできるが、本実施形態では油圧モータが用いてある。
また旋回フレーム31の上部には、図5に示すように、後部カバー31a、シートベース31b、支柱ブラケット31c、仕切り板31d及び作業機ブラケット31eが設けられている。後部カバー31aは旋回体30における機械室34の後部の外壁を形成するプレートであり、旋回フレーム31の半円形状の後縁に合わせて上方から見て後に凸の円弧状に湾曲し、鉛直に起立した姿勢で旋回フレーム31の後部にボルト等で下部が固定されている。シートベース31bは運転席32を支持するフレームであり、左方から見てアルファベットのLを上下反転させたような形状で左右に並んだ2本のバーを含む。シートベース31bは旋回フレーム31の旋回中心Cに対して全体として左側でかつ後側にオフセットした位置に配置されており、一端(下端)が旋回フレーム31に、他端(後端)が後部カバー31aに固定される。
支柱ブラケット31cはキャノピ50(後述)を支持する水平なプレートであって後部カバー31aの内壁に沿って後縁が円弧状に形成されており、後部カバー31a及びシートベース31bで支持されている。また支柱ブラケット31cは上記カウンタウェイト33の上側に位置し、カウンタウェイト33の上方をカバーしている。この支柱ブラケット31cには、図5に示すように、仕切り板31dの延長線上又はその付近に位置するように複数(この例では4つ)のボルト穴(ネジ穴)31yが上下に開口して設けられている。また、支柱ブラケット31cには、運転席32の中心の後側に位置するように複数(この例では2つ)のボルト穴(ネジ穴)31zが上下に開口して設けられている。
作業機ブラケット31eは作業機40の基部を回動可能に支持する部位であり、旋回フレーム31の前部における右側に配置されている。仕切り板31dは旋回フレーム31の前部を左右に仕切って運転スペースと作業機40の動作スペースを隔てるプレートであり、旋回フレーム31の上部で前後に延びた姿勢で起立している。仕切り板31dには、旋回体31の前端付近に位置するように複数(この例では4つ)のボルト穴(ネジ穴)31xが左右に開口して設けられている。また仕切り板31dからは頂部付近に貫通孔の開いた吊り板31fが上方に延在しており、油圧ショベル100をクレーン等で吊る際に吊り具(不図示)の取り付け部の1つとして吊り板31fに設けた貫通孔が利用される。
運転席32はシートベース31bの上部に支持され、旋回体30の旋回中心Cに対して左右方向の一方側(本実施形態では左側)でかつ後側にオフセットした位置に配置されている。また旋回フレーム31の前部(前縁に沿った部位)には運転席32の前側に位置するように操作装置36(図1)が配置されている。操作装置36は、作業機40、走行体10及び旋回体30の動作を指示するレバー装置やペダル類等の複数の操作装置である。特に旋回体30の半径が小さな本実施形態の油圧ショベル100においては、運転席32の前方に配置した操作装置36(例えばレバーの基部)から運転席32の背凭れまでの距離が旋回体30の前後長(最大値)の半分以上(例えば7割以上)になる。カウンタウェイト33は作業機40との重量のバランスをとるための錘であり、旋回フレーム31の後端に設けられている。本実施形態のカウンタウェイト33は機械室34の後部カバー31aと一体となっており、機械室34に収容された各機器の後方を覆っている。
詳しく図示していないが、機械室34には、電動機37(図1)の他、油圧ポンプや冷却ファン、バルブユニット、作動油タンク、燃料タンク、コントローラ38(図1)等が収容されている。電動機37は油圧ポンプを駆動する原動機であり、例えば油圧ショベル100とは別置きの発電機からケーブル(不図示)を介して供給される電力で駆動される。但し、外部電源からの電力供給を受ける構成ではなく、機械室34に電源(発電機、バッテリ等)を搭載する構成としても良い。電動機37によって駆動された油圧ポンプは、作動油タンクの作動油を吸い込んで圧油として吐出する。油圧ポンプから吐出された圧油は、操作装置36の操作に応じて作動するバルブユニットによって制御されて対応する油圧アクチュエータに供給される。コントローラ38は電装品を制御する制御装置である。
上記の通り油圧ショベル100は超小型であり、コントローラ38及び電動機37を運転席32(シートベース31b)の下部に上下に並べて収容する等、機械室34の収容機器のレイアウトを工夫して立体的にすることで旋回体30を極めて小径に構成してある。通常の小型ショベルと比べて走行体10が小型であるにも関わらず、本実施形態では旋回体30(作業機40は含まず)の最大旋回半径が走行体10の車幅程度に抑えられている。また本実施形態では電動機37より上側にコントローラ38を配置してある。特には図示していないが、運転席32は前部を支点として後部が上下に回動する構造になっており、運転席32の後部を持ち上げて傾斜させるとコントローラ38の上側が開放され、コントローラ38にアクセスできるようになっている。
−作業機−
作業機40は作業腕41及びアタッチメントである作業具44を含む多関節型のフロント作業機である。この作業機40は、旋回体30上における旋回体30の中央より右側であって後述するキャノピ50の側方位置に回動基端が位置するように取り付けられている。作業腕41は、ブーム42、アーム43、ブームシリンダ(不図示)、アームシリンダ46及び作業具シリンダ47を備えている。ブーム42は旋回体30の前部(上記作業機ブラケット31e)に回動可能に連結され、アーム43はブーム42の先端に、作業具44はアーム43の先端に、それぞれ回動可能に連結されている。ブーム42、アーム43及び作業具44はいずれも左右に水平に延びる回転軸を支点にして回動する。図1では作業具44としてバケットを、図2では作業具44としてブレーカを装着した例を表しているが、装着されるアタッチメントの種類はこれらに限られない。また、ブームシリンダは旋回体30及びブーム42に、アームシリンダ46はブーム42及びアーム43に、それぞれ両端が連結されている。作業具シリンダ47は、基端がアーム43に連結される一方、先端がリンク48を介してアーム43の先端部及び作業具44に連結されている。ブームシリンダ、アームシリンダ46及び作業具シリンダ47はいずれも油圧アクチュエータであり、油圧ポンプから吐出される圧油で駆動され、伸縮動作により作業機40を駆動する。
−キャノピ−
図6は旋回体30の要部の側面図、図7は平面図、図8は第1支柱の取り付け部の斜視図、図9は旋回体におけるキャノピの支柱の基部の位置を表した模式平面図である。旋回体30の上部にはキャノピ50が設けられており、このキャノピ50によって運転席32の上方が覆われている。キャノピ50は、複数の支柱(本例では第1支柱51、第2支柱52、第3支柱53の3本の支柱)及びルーフ54を備えている。第1支柱51、第2支柱52及び第3支柱53は断面円形で筒状(中空)のパイプ材で形成された柱であり、第1支柱51はルーフ54の右前の角、第2支柱52はルーフ54の右後の角、第3支柱55はルーフ54の左後の角を支持している。
第1支柱51は、仕切り板31dに取り付けたベースプレート61(図8)によって基部(下端部)が支持されている。ベースプレート61は上記ボルト穴31x(図5)を利用して仕切り板31dの運転席32側の面に複数(本例では4本)のボルトB(図8)で固定されている。これにより第1支柱51は、運転席32より前側でかつ左右方向の他方側(本実施形態では右側)の位置P1(図9)から立ち上がり、全体として後傾(上方に向かって後側に傾斜)した姿勢で延在している。なお、ベースプレート61は上向きに突き出した円柱状のポスト55を備えており、ポスト55に第1支柱51の下端部が被さる(第1支柱51にポスト55が挿し込まれる)ことによって第1支柱51がポスト55に装着される。詳しく図示していないがポスト55には段差があり、第1支柱51に挿し込まれる上部は第1支柱51の内径より外径が小さく、下部(図8で見えている部分)は第1支柱51の内径より外径が大きく形成されている。ここで言う第1支柱51の内径とは、後述するスリットが締め込まれていない状態の第1支柱51の内径(図14の内径Dに相当)である。第1支柱51はこのポスト55の段差により支持される。第1支柱51をポスト55に固定する構造については、後述する第2支柱52をポスト55に固定する構造(後述)と同様である。
第2支柱52は、支柱ブラケット31cに取り付けたベースプレート62(図7)によって基部(下端部)が支持されている。ベースプレート62は上記ボルト穴31y(図5)を利用して支柱ブラケット31cの上面にボルト(不図示)等で固定されている。これにより第2支柱52は、運転席32より後側でかつ右側の位置P2(図9)から立ち上がり、全体として前傾(上方に向かって前側に傾斜)した姿勢で延在している。第1支柱51と第2支柱52の間には金網58(図6)が張ってある。なお、ベースプレート62はベースプレート61と同じく上向きに突き出した円柱状のポスト55(図13)を備えている。第2支柱52をポスト55に固定する構造については後述する。
第3支柱53は、支柱ブラケット31cに取り付けたベースプレート63(図7)によって基部(下端部)が支持されている。ベースプレート63は上記ボルト穴31z(図5)を利用して支柱ブラケット31cの上面にボルト(不図示)等で固定されている。支柱ブラケット31cは運転席32と後部カバー31aとの間にカウンタウェイト33の上方をカバーするようにして介在しており、上記の通りボルト穴31zはこの支柱ブラケット31cにおける運転席32の中心の後側に位置している。従って第3支柱53は、運転席32の後側であって旋回体30上における運転席32と後部カバー31aとの間の位置P3(図9)から立ち上がっている。また第3支柱53は、全体として運転席32の前後方向から見て上方に向かって左側へ傾斜し、かつ全体として運転席32の左右方向から見て上方に向かって前側に傾斜して延びている。これにより運転席32の後側に居住空間が広がっている。なお、ベースプレート63もベースプレート61と同じく上向きに突き出した円柱状のポスト55を備えている。第3支柱53をポスト55に固定する構造も、第1支柱51をポスト55に固定する構造(後述)と同じである。
ルーフ54は、以上の第1支柱51、第2支柱52及び第3支柱53の3本の支柱のみで支持され、運転室32の上方に配置されて運転室32の上方を覆っている(正確には運転席32に座ったオペレータの頭部A(図6)が来る位置の上方を覆うように構成されている)。図7に示したようにルーフ54は上から見て正方形状であり、本実施形態ではルーフ54の一辺の長さは旋回体30の左右の幅(最大値)の半分よりも少し短い程度である。
なお、図7に示したように第3支柱53は屈曲部53aで折れ曲がっている。第3支柱53におけるベースプレート63に連結した基部から屈曲部53aまでの部分を下部53b、屈曲部53aからルーフ54に接続する上端までの部分を上部53cとする。下部53bも上部53cも直線的に延びている。下部53bは鉛直線に対して上方に向かうに連れてやや前側に傾斜しつつ主に左側に傾斜する方向に延びている。上部53cは鉛直線に対して上方に向かうに連れてやや左側に傾斜しつつ主に前側に傾斜する方向に延びている。図7に示したように、上方から見て上部53cの方が下部53bよりも前後に延びる線に対してなす角度(<90度)が小さい。また、後方から見て下部53bの方が上部53cよりも鉛直に対してなす角度(<90度)が大きい(寝ている)。こうして第3支柱53は上方から見て旋回体30の外縁より内側に収まりつつ、第3支柱53は旋回体30の後縁に沿うようにして屈曲している。
運転席32が旋回中心に対して左側にオフセットして配置されていることは説明したが、その上で本実施形態では図9に示したように運転席32を極力後側に配置してある。小型機種なりに運転席32に座るオペレータの居住性を確保するためである。従って、上方から見て運転席32の後部の外縁(左後のコーナー部)と旋回体30の後部の外縁との最小距離D(図9)が短く、本実施形態では第3支柱53の太さ(外径)よりも短い。旋回体30において運転席32よりも左後にスペースは殆どない。図9に示した通り、第3支柱53の基部の位置P3は運転席32の中心Sの後方(中心Sを通って走行装置12と平行に延びる線L上又はその付近)に位置する。第3支柱53はこのような位置P3から立ち上がって上記の通り三次元的に屈曲し、後方から見て運転席32に座ったオペレータの頭部Aと重ならないようになっている。
またキャノピ50の支柱のうち後部に配置された第2支柱52及び第3支柱53は、カウンタウェイト33の上方に位置する支柱ブラケット31c、つまり旋回体30の後端付近から立ち上がる。上記の通りこれら第2支柱52及び第3支柱53は前傾しており、作業中に図10に示したように油圧ショベル100が後傾しても縦孔Hの壁面に当たり難いようになっている。
−支柱固定構造−
図11はキャノピ50の第2支柱52の固定構造を表した斜視図、図12は後面図、図13は側面図、図14は第2支柱52を下側から見た図である。図14においては後述するカム機構73及びレバー74は図示省略されている。これらの図で第2支柱52の固定構造を説明するが、第1支柱51及び第3支柱53の固定構造も同様であり、第2支柱52の固定構造を説明で第1支柱51及び第3支柱53の固定構造第2支柱52の説明も兼ねる。前述した通り、旋回体30の骨格をなすフレームにはキャノピ固定用の複数(本例では3つ)のポスト55がベースプレート62(第1支柱51や第3支柱53を取り付けるポスト55の場合はベースプレート61,63)を介して設けられている。このポスト55に被せる形で第2支柱52が立てられている。第2支柱52の開口した下端部にはスリット64が設けられている。スリット64は第2支柱52の内側と外側の空間が繋がるように壁面を貫いて形成されており、第2支柱52の外周における1カ所に第2支柱52の下端部を含んで第2支柱52の中心軸に沿って設けられている。
第1支柱52(第1支柱51及び第3支柱53も同様)の下部には、第2支柱52をポスト55に固定するための締め込み機構70が設けられている。この締め込み機構70は、一対のブラケット71,72、カム機構73及びレバー74を備えている。
一対のブラケット71,72は互いに同一形状をしたブロックで強固に構成されており、第2支柱52のスリット64を跨いで両側に位置するように第2支柱52に設けられている。本実施形態のブラケット71,72は別部材であり、ブラケット71,72の互いの対向面に円弧曲面の凹部75が形成されており、これら凹部75で第2支柱52の外周面を挟み込んだ状態で第2支柱52の外周面に溶接により強固に接合されている。凹部75はブラケット71,72の長手方向の一方側の端部を含んで形成されている。これにより、本実施形態では、第2支柱52の中心軸方向から見て、一対のブラケット71,72に対して第2支柱52の外周面におけるスリット64と反対側の部分76(図14)が露出している。つまり第2支柱52はスリット64と反対側の部分76がブラケット71,72により覆われておらず、この部分76がブラケット71,72に対してスリット64と反対側に突き出している。他方、一対のブラケット71,72における第2支柱52からスリット64側に突き出した部分には、第2支柱52に直交する方向にそれぞれ馬鹿穴77が同軸上に設けられている。
カム機構73は一対のブラケット71,72を互いに進退させる(第2支柱52のスリット64を締めたり緩めたりする)アセンブリである。このカム機構73は、カム81、ブロック82、通しボルト83、ナット84を含んでいる。
カム81は、カム機構73を操作するレバー74と一体に構成されており、図13に示すように偏心している。カム81の回転中心軸Oは第2支柱52と直交する方向に延び、第2支柱52が立てられた状態で水平になる。この回転中心軸Oを原点としてブロック71,72の方向に採った距離をdとすると、回転中心軸O周りにレバー74を下向き姿勢に回動操作した際の距離d1が、レバー74を上向き姿勢に回動操作した際の距離d2よりも大きくなっている。
ブロック82はカム81を回転自在に支持する回転軸85を備えている。つまり回転軸85の中心線が上記の回転中心軸Oである。回転軸85はブロック82と一体に形成した構成とすることもできるし、別部材としてブロック82に装着した構成とすることもできる。またブロック82にはボルト穴(ネジ穴)86(図12)が回転中心軸Oに直交する方向に設けられている。本実施形態ではボルト穴86がブロック82を貫通しているが、必ずしも貫通している必要はない。
通しボルト83は、馬鹿穴77を通って一対のブラケット71,72を貫通し、一方側の端部がブロック82にねじ込まれている。本実施形態では全ネジの六角ボルトを通しボルト83に使用しており、通しボルト83はワッシャ89及びナット84,87を装着した状態で首下部分が一対のブラケット71,72の馬鹿穴77にブラケット71側から挿し込まれている。ブラケット72から突き出した通しボルト83の先端(一端)は、当て板88を介してブロック82のボルト穴86にねじ込まれている。ナット84,87及びワッシャ89のグループと当て板88及びブロック82のグループとで、一対のブラケット71,72が挟み込まれた構成である。図11等ではナット84が緩んだ状態を示しているが、使用時には予めレバー74を上向きにした状態でワッシャ89及び当て板88がそれぞれブラケット71,72に接触するようにナット84の位置を調整しておく。そして、機械振動によりナット84が緩まないように、ナット87を更に締め込んでおく。いわゆるダブルナットである。この状態とした上でレバー74を下向きに押し下げる操作をすると、図15に示したようにカム81によりブラケット72がブラケット71に向かって押し付けられ、ブラケット71,72を介してスリット64が締め込まれる。これにより第2支柱52の内径D(図14)が図15に示したように内径D’(<D)に収縮し、第2支柱52の内周面でポスト55の外周面が強く締め付けられ、第2支柱52がポスト55に強固に固定される。以上の支柱固定構造やその操作については、第1支柱51及び第3支柱53についても同様である。
このとき、第2支柱52用のポスト55を支持するベースプレート62は、ポスト55に沿って立ち上がるリブ91(図11)を備えており、支柱ブラケット31cに対して四隅がボルトBで固定されている。この4本のボルトBのうちポスト55に対してカム機構73側に位置する2本のボルトB1,B2のレイアウトにも特徴がある。具体的には、第2支柱52のスリット64を締め込む方向に操作して下向きになったレバー74を、通しボルト83を軸にして鉛直面内で回動(図12)させてボルトB1,B2の間に挿し込めるように、これらボルトB1,B2が配置してある。特に本実施形態ではリブ91とボルトB1との間にレバー74が挿し込めるようになっており、図13に示したようにリブ91とボルトB1との間にガタツキなくレバー74を収容できるようにしてある。
このボルト間にレバー74を収容する構成については本実施形態では3本の支柱のうち第2支柱52にのみ適用されている。しかし、第1支柱51及び第53についても、押し下げたレバー74が2つのボルト間に収容できるようにボルトを適宜レイアウトすることはできる。
−動作−
山岳地で鉄塔の深礎杭孔として縦孔Hを掘削する場合、油圧ショベル100を例えばヘリコプターや索道等で輸送する。その際、輸送する容積を抑えるためにキャノピ50は旋回体30から取り外しておく。山岳地の現場に油圧ショベル100を搬入したら、キャノピ50の第1支柱51、第2支柱52及び第3支柱53を旋回体30の3本のポスト55に被せ、キャノピ50を旋回体30に仮付けする。続いて、各支柱の締め込み機構70のレバー74を上向きにした状態で、必要に応じてナット84,87の位置を調整してレバー74を押し下げる。これによりキャノピ50が旋回体30に強固に固定される。
油圧ショベル100が作業する縦孔Hは、例えば現地で組み立てた分解型油圧ショベルで地表面から一定の深さまで掘削されている。この縦孔Hの内部にクレーン等で油圧ショベル100が投入される。油圧ショベル100を操作する際、オペレータは運転席32に座って操作装置36を適宜操作する。これにより走行体10によって油圧ショベル100を移動させたり、作業機40によって掘削作業をしたり旋回体30を旋回させたりすることができる。掘削作業は、例えば図1に示したように作業具44としてバケットを用いて縦孔Hの底部を掘削したり、必要に応じて図2のように作業具44としてブレーカを用いて縦孔Hの底面の岩盤を破砕したりする。掘削した土砂や礫等はバケットで掬って別途用意した容器に積み込み、クレーン等で容器を吊り上げて縦孔Hの外に運び出す。また図4に示したように開脚して左右の走行装置12の間の領域を掘削する必要がある場合、開脚用のシリンダ(不図示)を伸長させる。
−効果−
(1)キャノピ50の支柱(第2支柱52等)をポスト55に対してカム機構73で締め付けて固定する構成としたことで、カム機構73を緩めた状態ではポスト55に対して支柱の内径に余裕を持たせることができる(大きめに設定できる)。従って旋回体30上に離れてレイアウトされた3本のポスト55に対して3本の支柱を同時に抜き差しすることも容易である。ポスト55の外径と支柱の内径との間の隙間に余裕がとれるので、支柱の内径を機械加工する必要もない。支柱とポストとをピンで固定する構造と異なり、精度が要求されるピン穴の加工も不要であり、煩わしいピン穴の位置合わせ作業やピンの抜き差しの作業も不要である。また支柱を締め付けることで締結時にはポスト55の外径と支柱の内径との間の隙間もなく、隙間によるキャノピ50のガタツキが小さくなる。カム機構73の締緩作業についてもレバー操作で容易に行うことができ、ボルト等で締め付ける構成と異なり工具が不要である。山間部等では工具の備えがない場合に長時間の作業中断を強いられ得るため、工具が不要であることは大きなメリットである。このように本実施形態によればキャノピ50の脱着作業を容易化することができ、かつキャノピのガタツキを少なくすることができる。
特に本実施形態の油圧ショベル100は狭い縦孔Hの中で頻繁に位置を変えて作業するため(図4)、縦孔Hの壁面にキャノピ50が頻繁に接触し、キャノピ50の支柱には頻繁に衝撃が加わり得る。支柱とポスト55との間のガタツキが大きいとその部分に必要以上に衝撃力が加わるが、本実施形態では支柱とポスト55との間の隙間が締め込まれるので、キャノピ50が壁面等に接触した際に支柱とポスト55との間に加わる衝撃を緩和できる。
(2)キャノピ50の支柱は3本あり、これらをポスト55に対して同時に抜き差しするためには支柱の内径とポスト55の外径に大きめの隙間(例えば1mm程度)を確保する必要がある。カム機構73によりこの隙間を締め付けるために必要な支柱の周方向の変形量(支柱のスリット64の幅)はそれよりも広く確保する必要がある(隙間1mm程度の場合は7mm程度)。一方で強度確保の観点から支柱に用いるパイプ材には相応の径と肉厚が必要である。従って支柱を周方向に必要量だけ締め付けるには大きな力が必要であり、カム機構73に用いられる通しボルト83には大きな力が掛かる。
仮に通しボルト83の先端がブラケット71で拘束される構成とすると、ブラケット71で拘束された通しボルト83の先端に曲げ応力が集中し得る。それに対し、本実施形態ではブラケット71,72に通しボルト83を通す双方の穴を馬鹿穴77とし、通しボルト83と馬鹿穴77との間に隙間が確保されて通しボルト83がブラケット71,72で拘束されない構成とした。これにより通しボルト83に曲げ応力が集中することを抑制でき、通しボルト83ひいては締め込み機構70の健全性を確保することができる。
但し、上記の本質的効果(1)を得る限りにおいては、ブラケット71,72の穴を両方とも馬鹿穴77にする必要は必ずしもない(図18及び図19を用いて後述する第4実施形態参照)。
(3)本実施形態では第2支柱52の締め込み機構70のレバー74がボルトB1,B2の間に収容できるようにボルトB1,B2がレイアウトしてあり、第2支柱52を締め込んだ状態でレバー74をボルトB1,B2でカバーできるようにしてある。これにより不測に何かがレバー74に触れてもレバー74が跳ね上がってカム機構73が緩んでしまうようなことがない。特に本実施形態ではリブ91とボルトB1の間にレバー74がガタつきなく収容できるので、一層効果的である。
但し、上記効果(1)を得る限りにおいては、このようなボルトのレイアウトには必ずしも限定されない。またレバー74をカバーする構造も本実施形態の態様には限定されない(図16を用いて後述する第2実施形態参照)。
(4)また、締め込み機構70を設けるに当たり、ブラケット71,72で支柱の周囲を完全に覆わず、上記の部分76が露出した構成としてある。これにより支柱の外周部から突き出すブラケット71,72に邪魔されず、仕切り板31dや吊り板31f等に支柱の上記部分76を接近させることができ、油圧ショベル100の旋回体30上の狭隘なスペースにあって支柱のレイアウトの自由度を向上させることができる。
但し、上記効果(1)を得る限りにおいては、このようなブラケット71,72の構成には必ずしも限定されない(図17を用いて後述する第3実施形態参照)。
(第2実施形態)
図16は本発明の第2実施形態に係る油圧ショベルに備えられたキャノピの第1支柱の取り付け部の斜視図である。図16において第1実施形態の要素と同一の又は対応する要素には既出図面と同符号を付して説明を省略する。第1実施形態ではボルトB1,B2でレバー74をカバーしてレバー74の不測の動作を抑制する構成を例示したが、この機能を確保する限りにおいては図16に示したように専用のカバー92を別途設置する構成としても良い。同図のカバー92はL字型に形成されており、レバー74を押し下げ(締め付け)操作した後、ブラケット72にボルト止めすることでレバー74を覆っている。但し、工具が不要である点で第1実施形態の構成が有利である。
(第3実施形態)
図17は本発明の第3実施形態に係る油圧ショベルに備えられたキャノピの支柱を下側から見た図であり、図14に対応する図である。図17において第1実施形態の要素と同一の又は対応する要素には既出図面と同符号を付して説明を省略する。第1実施形態では一対のブラケット71,72を別部材として支柱に取り付けて支柱の部分76(図14)が露出した構成としたのに対し、本実施形態ではブラケット71,72を一体に構成し、ブラケット71,72が支柱の全周(スリット64を除く)を覆っている。この構成の場合、どの方向にも支柱からブラケット71又は72が突き出しているので、周囲に構造物がある場合に構造物にぎりぎりまで支柱を接近させることはできないが、前述した本質的な効果(1)を得る限りにおいては支障ない。また、本実施形態の構成は第2実施形態にも適用できる。
(第4実施形態)
図18は本発明の第4実施形態に係る油圧ショベルに備えられたキャノピの支柱の締め込み機構の構造を表す図である。図19はキャノピの支柱を下側から見た図であり、図14に対応する図である。図18及び図19において第1実施形態の要素と同一の又は対応する要素には既出図面と同符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、通しボルト83がブラケット71で拘束されている点である。つまり、ブラケット71には馬鹿穴77に代えてボルト穴(ネジ穴)93(図19)が設けられている。本実施形態においては通しボルト83として例えば全ネジの寸切ボルトが使用されており、基端がブロック82にねじ込まれ、先端がブラケット71のボルト穴93にねじ込まれている。特に図示していないがブラケット71から突き出した通しボルト83の先端にナットを装着して緩み留めにすることもできる。このような構成でも前述した効果(1)を得ることができる。また、本実施形態の構成は第2実施形態にも第3実施形態にも適用できる。
(変形例)
以上の実施形態では、運転席32が旋回体30における左側にオフセットして配置された構成を例に挙げて説明したが、運転席32は旋回体30における右側に配置されていても良い。また、第2支柱52及び第3支柱53を支柱ブラケット31cで支持した構成を例示したが、カウンタウェイト33の上面に第2支柱52及び第3支柱53の基部を固定し、第2支柱52及び第3支柱53をカウンタウェイト33で支持する構成としても良い。この場合、不要であれば支柱ブラケット31cを省略しても良い。またキャノピ50を3柱構造としたが、支柱を2本又は4本とすることもあり得る。
また左右の走行装置12をV字型に開脚する開脚型の油圧ショベル100に発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明の適用対象はこの種の油圧ショベルに限定されない。左右の走行装置の位置関係が変化しない一般的な走行体を備えた油圧ショベルや、左右の走行装置の間隔が可変な走行装置を備えた油圧ショベルにも本発明は適用可能である。
また油圧ポンプを駆動する原動機として電動機37を搭載した油圧ショベル100に発明を適用する場合を例示して説明した。しかし油圧ショベル100が遠隔操作可能な場合、或いは稼働現場で排気ガスが問題にならないような場合等には、電動機37に代えてエンジン(内燃機関)を原動機として用いても良い。
10…走行体、30…旋回体、32…運転席、40…作業機、50…キャノピ、51…第1支柱(支柱)、52…第2支柱(支柱)、54…ルーフ、55…ポスト、61,62,63…ベースプレート、64…スリット、71,72…ブラケット、73…カム機構、74…レバー、76…支柱の外周面におけるスリットと反対側の部分、77…馬鹿穴、81…カム、82…ブロック、83…通しボルト、84…ナット、85…回転軸、B,B1,B2…ボルト、100…油圧ショベル、C…旋回中心、D,D’…支柱の内径

Claims (4)

  1. 走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に取り付けた作業機を備え、前記旋回体が、旋回中心に対して左右方向の一方側にオフセットして配置された運転席、前記旋回体に設けた複数のポスト、及び前記複数のポストに支持されて前記運転席の上方を覆うキャノピを備えており、前記キャノピが、前記ポストに被せられた筒状の複数の支柱、及び前記複数の支柱で支持されて前記運転室の上方に配置されたルーフを備えた油圧ショベルにおいて、
    前記キャノピの複数の支柱の下端部にそれぞれ設けたスリットと、
    前記スリットを跨いで両側に位置するように前記支柱に設けた一対のブラケットと、
    前記一対のブラケットを互いに進退させるカム機構と、
    前記カム機構を操作するレバーとを備え、
    前記レバーを操作して前記カム機構で前記一対のブラケットを介して前記スリットを締め込むことで、前記支柱の内径を収縮させて前記支柱が前記ポストに固定してあることを特徴とする油圧ショベル。
  2. 請求項1に記載の油圧ショベルにおいて、
    前記一対のブラケットが共に馬鹿穴を備えており、
    前記カム機構が、
    前記レバーと一体に構成されたカムと、
    前記カムを回転自在に支持する回転軸を備えたブロックと、
    前記馬鹿穴を通って前記一対のブラケットを貫通し、一方側の端部が前記ブロックにねじ込まれた通しボルトと、
    前記ブロックとの間に前記一対のブラケットを挟んで前記通しボルトの他方側に取り付けられたナットと
    を含んで構成されていることを特徴とする油圧ショベル。
  3. 請求項1に記載の油圧ショベルにおいて、
    前記旋回体に前記ポストを取り付けるベースプレートと、
    前記旋回体に前記ベースプレートを固定する複数のボルトとを備えており、
    前記スリットを締め込む方向に操作した前記レバーが前記複数のボルトの間に挿し込めるように、前記複数のボルトが配置してあることを特徴とする油圧ショベル。
  4. 請求項1に記載の油圧ショベルにおいて、前記支柱の中心軸方向から見て、前記一対のブラケットに対して前記支柱の外周面における前記スリットと反対側の部分が露出していることを特徴とする油圧ショベル。
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