JP2020075949A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ブローアウト性能、グリップ性能、グリップ安定性能がバランスよく改善されたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分と、ゴム成分100質量部に対して、窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物を0.5〜5質量部と、平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛とを含み、ゴム成分100質量部に対する前記窒素化合物の含有量をA、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量をBとした時に、下記式(I)を満たすゴム組成物。1.0 ≦ A/B ≦ 5.0 式(I)【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
従来からタイヤには、種々の性能が求められているが、安全性の観点から、グリップ性能が重要視されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−009300号公報
本発明者らが鋭意検討した結果、従来の技術では、耐ブローアウト性能、グリップ性能、グリップ安定性能をバランスよく改善するという点では改善の余地があった。
本発明は、前記課題を解決し、耐ブローアウト性能、グリップ性能、グリップ安定性能がバランスよく改善されたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、ゴム成分100質量部に対して、窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物を0.5〜5質量部と、平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛とを含み、ゴム成分100質量部に対する上記窒素化合物の含有量をA、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量をBとした時に、下記式(I)を満たすゴム組成物に関する。
1.0 ≦ A/B ≦ 5.0 式(I)
上記ゴム組成物は、フェノール系化合物を含むことが好ましい。
上記ゴム組成物は、カーボンブラック及び/又は白色充填剤を含むことが好ましい。
上記ゴム組成物は、オイル及び/又は液状ジエン系重合体を含むことが好ましい。
上記窒素化合物が、ピペリジン誘導体、イミダゾール類、及びカプロラクタム類からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記窒素化合物が、イミダゾール類であることが好ましい。
上記窒素化合物が、1,2−ジメチルイミダゾールであることが好ましい。
上記フェノール系化合物が、アルキルフェノール系樹脂、及びフェノール系老化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを80質量部以上含有することが好ましい。
上記ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物であることが好ましい。
本発明はまた、ゴム組成物を用いたタイヤ部材を有する空気入りタイヤに関する。
上記タイヤ部材がトレッドであることが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分と、ゴム成分100質量部に対して、窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物を0.5〜5質量部と、平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛とを含み、ゴム成分100質量部に対する上記窒素化合物の含有量をA、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量をBとした時に、上記式(I)を満たすゴム組成物であるので、耐ブローアウト性能、グリップ性能、グリップ安定性能をバランスよく改善できる。
上記ゴム組成物は、ゴム成分と、ゴム成分100質量部に対して、窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物を0.5〜5質量部と、平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛とを含み、上記式(I)を満たすものである。これにより、耐ブローアウト性能、グリップ性能(特に、ドライグリップ性能)、グリップ安定性能をバランスよく改善できる。
このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
上記窒素化合物をゴム組成物に配合すると、エネルギーロスが上昇し、グリップ性能が向上する。この効果は、上記窒素化合物をフェノール系化合物と共に配合した場合により好適に得られる。
一方、本発明者らの検討の結果、上記窒素化合物をゴム組成物に配合すると、(1)走行によるゴムの発熱も高めることになり、発熱に伴いブローアウトが発生してしまうおそれが生じ、耐ブローアウト性能が低下してしまうおそれがあること、(2)また、加硫速度が促進され、架橋鎖におけるモノスルフィド架橋鎖の割合(以下、モノ架橋比率ともいう)が低下する傾向にあり、走行中にグリップ性能が低下する傾向、すなわち、グリップ安定性能が低下する傾向があることが判明した。
これに対して、本発明者らが鋭意検討した結果、微粒子酸化亜鉛を配合すると、熱老化後のモノ架橋比率の低下を防ぐことが可能となり、耐ブローアウト性能、グリップ安定性能が高まることが初めて判明した。
一方、上記窒素化合物は、上記の通り、発熱性を高めてグリップ力を高めることができるが、耐ブローアウト性能、グリップ安定性能が低下するおそれがあるため、特定量を配合することに留めた。そして、微粒子酸化亜鉛と、特定量の上記窒素化合物とを組み合わせることにより、熱老化後のモノ架橋比率の低下を防ぐことが可能となり、走行初期からグリップが高く、かつ、走行中にグリップ力が低下しにくく、ブローアウトも発生しにくいゴムを完成させた。
そして、微粒子酸化亜鉛と、特定量の上記窒素化合物とを配合したゴム組成物において、更に、上記式(I)を満たすことにより、耐ブローアウト性能、グリップ性能、グリップ安定性能をより好適にバランスよく改善できると推察される。
上記ゴム組成物は、下記式(I)を満たす。
1.0 ≦ A/B ≦ 5.0 式(I)
なお、式(I)において、Aは、ゴム成分100質量部に対する上記窒素化合物(窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物)の含有量、Bは、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量を意味する。
ここで、Bの酸化亜鉛の含有量は、平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛の含有量のみならず、該微粒子酸化亜鉛以外の酸化亜鉛の含有量も加味した酸化亜鉛の合計含有量を意味する。
下限は、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.3以上、特に好ましくは1.4以上である。上限は、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下、最も好ましくは2.5以下、より最も好ましくは2.0以下、更に最も好ましくは1.8以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
上記ゴム組成物は、ゴム成分を含み、例えば、ジエン系ゴムを使用できる。
ジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、上記以外のゴム成分としては、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ゴム成分としては、良好なグリップ性能が得られるという理由から、SBR、BR、イソプレン系ゴムが好ましく、SBRがより好ましい。
ここで、ゴム成分は、重量平均分子量(Mw)が20万以上が好ましく、より好ましくは35万以上のゴムである。Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは400万以下、より好ましくは300万以下である。
なお、本明細書において、Mw、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ゴム成分は、非変性ジエン系ゴムでもよいし、変性ジエン系ゴムでもよい。
変性ジエン系ゴムとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するジエン系ゴムであればよく、例えば、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴム(末端に上記官能基を有する末端変性ジエン系ゴム)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ジエン系ゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ジエン系ゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ジエン系ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ジエン系ゴム等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上、最も好ましくは25質量%以上、より最も好ましくは30質量%以上、更に最も好ましくは35質量%以上である。また、該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。上記範囲内であると、前記効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。
SBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、100質量%でもよい。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる傾向がある。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性能が向上するという理由から、シス含量が90質量%以上のハイシスBRが好ましい。
また、BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物は、窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物を含有する。
上記窒素化合物としては、ピペリジン誘導体、イミダゾール類、及びカプロラクタム類からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。上記窒素化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、イミダゾール類がより好ましい。
ピペリジン誘導体としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−メタクリレートなどの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びその誘導体などが挙げられる。なかでも、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンまたはその誘導体が好ましく、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの誘導体がより好ましく、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートが更に好ましい。
イミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、N−アセチルイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。なかでも、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールが好ましい。
カプロラクタム類としては、例えば、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
上記窒素化合物としては、例えば、四国化成(株)、三共(株)等の製品を使用できる。
上記窒素化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。上記窒素化合物の含有量は、5質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
上記ゴム組成物は、上記窒素化合物と共に、フェノール系化合物を含有することが好ましい。これにより、前記効果(特に、グリップ性能の改善効果)がより好適に得られる。
フェノール系化合物としては、アルキルフェノール系樹脂、及びフェノール系老化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。上記フェノール系化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、タイヤ使用温度域でのエネルギーロスが高くなるという理由から、フェノール系老化防止剤がより好ましい。
アルキルフェノール系樹脂としては、例えば、アルキルフェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるアルキルフェノールアルデヒド縮合樹脂;アルキルフェノールと、アセチレンなどのアルキンとを反応させて得られるアルキルフェノールアルキン縮合樹脂;これらの樹脂を、カシューオイル、トールオイル、アマニ油、各種動植物油、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミンなどの化合物を用いて変性した変性アルキルフェノール樹脂;等が挙げられる。なかでも、アルキルフェノールアルキン縮合樹脂が好ましく、アルキルフェノールアセチレン縮合樹脂が特に好ましい。
アルキルフェノール系樹脂を構成するアルキルフェノールとしては、クレゾール、キシレノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等が挙げられる。なかでも、t−ブチルフェノール等の分枝状アルキル基を有するフェノールが好ましく、t−ブチルフェノールが特に好ましい。
アルキルフェノール系樹脂の軟化点は、60〜200℃が好ましい。上限は160℃以下がより好ましく、150℃以下が更に好ましく、下限は100℃以上がより好ましく、130℃以上が更に好ましい。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
アルキルフェノール系樹脂としては、例えば、BASF社等の製品を使用できる。
フェノール系老化防止剤としては、例えば、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤などがあげられる。
モノフェノール系老化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、ブチルヒドロキシアニソール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノールなどがあげられる。
ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどがあげられる。
なかでも、前記効果がより好適に得られるという理由から、ビスフェノール系老化防止剤が好ましく、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)がより好ましい。
フェノール系老化防止剤としては、例えば、大内新興化学(株)、住友化学(株)等の製品を使用できる。
フェノール系化合物を含有する場合、フェノール系化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上、特に好ましくは3質量部以上である。フェノール系化合物の含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下、特に好ましくは20質量部以下、最も好ましくは15質量部以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
上記窒素化合物とフェノール系化合物の含有量の質量比(上記窒素化合物の含有量/フェノール系化合物の含有量)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.15以上であり、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.8以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
上記ゴム組成物は、平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛を含有する。
微粒子酸化亜鉛の平均一次粒子径は、200nm以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは120nm以下、更に好ましくは100nm以下である。微粒子酸化亜鉛の平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
本明細書において、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、BET法により測定したBET比表面積から真球状粒子モデルへ換算したときの一次粒子径である。
ここで、BET比表面積から真球状粒子モデルへ換算したときの一次粒子径は、以下の関係式により算出することができる。一次粒子を理想的な球と見立てると、粒子1個の表面積(S)、体積(V)、密度(ρ)と比表面積(SSA)との間には、下記式で表される関係が成立する。
SSA=1/(V・ρ)×S
ここで、V及びSは粒子径によって一義的に決定される物理量なので、比表面積と密度により粒子径を求めることができる。密度は、例えば、市販のピクノメーターにより簡便に求めることができる。
微粒子酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上、特に好ましくは1質量部以上である。また、微粒子酸化亜鉛の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは4質量部以下、特に好ましくは3質量部以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
上記ゴム組成物は、上記微粒子酸化亜鉛以外の酸化亜鉛を配合してもよい。上記微粒子酸化亜鉛以外の酸化亜鉛を配合する場合、酸化亜鉛の合計含有量は、微粒子酸化亜鉛を単独で用いる場合と同様の含有量とすればよい。
酸化亜鉛としては、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
上記ゴム組成物は、充填剤(補強性充填剤)として、カーボンブラック及び/又は白色充填剤を含有する。なかでも、前記効果がより良好に得られるという点から、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは120m/g以上、更に好ましくは130m/g以上である。また、上記NSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは170m/g以下、更に好ましくは155m/g以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは50ml/100g以上、より好ましくは100ml/100g以上である。また、該DBPは、好ましくは200ml/100g以下、より好ましくは150ml/100g以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS−K6217−4:2001に準拠して測定できる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックを含有する場合、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量は、好ましくは30質量部以上、より好ましくは60質量部以上、更に好ましくは80質量部以上、特に好ましくは90質量部以上である。該含有量は、好ましくは300質量部以下、より好ましくは250質量部以下、更に好ましくは200質量部以下、特に好ましくは150質量部以下、最も好ましくは120質量部以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
白色充填剤としては、ゴム工業で一般的に使用されているもの、たとえば、シリカ、炭酸カルシウム、セリサイトなどの雲母、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタンなどを使用でき、低燃費性の観点から、シリカが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
白色充填剤のNSAは、好ましくは50m/g以上、より好ましくは150m/g以上である。また、該NSAは好ましくは300m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。
なお、白色充填剤のNSAは、ASTM D3037−81に準拠して測定できる。
白色充填剤を含有する場合、ゴム成分100質量部に対する白色充填剤(シリカ)の含有量は、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
上記ゴム組成物において、充填剤(補強性充填剤)100質量%中のカーボンブラックの含有量は、前記性能バランスの観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
上記ゴム組成物は、白色充填剤を配合する場合、白色充填剤と共にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
シランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは16質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。
上記ゴム組成物は、可塑剤を配合してもよい。可塑剤としては特に限定されないが、オイル、液状ポリマー(液状ジエン系重合体)、液状樹脂などが挙げられる。これら可塑剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
可塑剤のなかでも、オイル、液状ポリマー、及び液状樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、加工性やグリップ性能の観点からオイル及び/又は液状ポリマー(液状ジエン系重合体)がより好ましく、オイルが更に好ましい。
なお、上記可塑剤は、環境の面から、多環式芳香族含有量(PCA)が3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。該多環式芳香族含有量(PCA)は、英国石油学会346/92法に従って測定される。
上記オイルとしては、特に限定されず、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイル、植物油脂、及びこれらの混合物等、従来公知のオイルを使用できる。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好ましい。上記アロマ系プロセスオイルとしては、具体的には、出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAHシリーズ等が挙げられる。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
上記液状ポリマー(液状ジエン系重合体)とは、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×10以上であることが好ましく、3.0×10以上であることがより好ましく、2.0×10以下であることが好ましく、1.5×10以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、液状ジエン系重合体のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。
上記液状樹脂としては、特に制限されないが、例えば、液状の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂、またはこれらの水素添加物などが挙げられる。
液状芳香族ビニル重合体とは、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、スチレンの単独重合体、α−メチルスチレンの単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体などの液状樹脂が挙げられる。
液状クマロンインデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれていてもよいモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどの液状樹脂が挙げられる。
液状インデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、インデンを含む液状樹脂である。
液状テルペン樹脂とは、αピネン、βピネン、カンフェル、ジペテンなどのテルペン化合物を重合して得られる樹脂や、テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料として得られる樹脂であるテルペンフェノールに代表される液状テルペン系樹脂である。
液状ロジン樹脂とは、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、これらのエステル化合物、または、これらの水素添加物に代表される液状ロジン系樹脂である。
可塑剤を含有する場合、可塑剤(好ましくはオイル)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは60質量部以上、更に好ましくは80質量部以上、特に好ましくは100質量部以上、最も好ましくは120質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは300質量部以下、より好ましくは250質量部以下、更に好ましくは200質量部以下、特に好ましくは180質量部以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる。
なお、可塑剤の含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
上記ゴム組成物には、固体樹脂(常温(25℃)で固体状態のポリマー)を配合してもよい。
固体樹脂としては、特に限定されないが、例えば、固体状のスチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状のスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いた固体状ポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。
前記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1−ブテン、1−ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物;等が例示できる。
なかでも、固体状のα−メチルスチレン系樹脂(α−メチルスチレン単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体等)が好ましい。
固体状のクマロンインデン樹脂としては、前述の液状状態のクマロンインデン樹脂と同様の構成単位を有する固体樹脂が挙げられる。
固体状のテルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。
ポリテルペンは、テルペン化合物を重合して得られる樹脂及びそれらの水素添加物である。テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。
固体状のポリテルペンとしては、上述したテルペン化合物を原料とするα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β−ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂等の固体樹脂も挙げられる。
固体状のテルペンフェノールとしては、上記テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した固体樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した固体樹脂が挙げられ、具体的には、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びホルマリンを縮合させた固体樹脂が挙げられる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。
固体状の芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる固体樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した固体樹脂が挙げられる。なお、芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
固体状のp−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂としては、p−t−ブチルフェノールとアセチレンとを縮合反応させて得られる固体樹脂が挙げられる。
固体状のアクリル系樹脂としては特に限定されないが、不純物が少なく、分子量分布がシャープな樹脂が得られるという点から、無溶剤型アクリル系固体樹脂を好適に使用できる。
固体状の無溶剤型アクリル樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42−45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
固体状のアクリル系樹脂は、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないことが好ましい。また、上記アクリル系樹脂は、連続重合により得られる組成分布や分子量分布が比較的狭いものが好ましい。
上述のように、固体状のアクリル系樹脂としては、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないもの、すなわち、純度が高いものが好ましい。固体状のアクリル系樹脂の純度(該樹脂中に含まれる樹脂の割合)は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
固体状のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
また、固体状のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
固体状のアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂であっても良い。
また、固体状のアクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてよい。
可塑剤、固体樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
固体樹脂を含有する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、より良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。上記数値範囲内であると、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、フェノール系老化防止剤以外の老化防止剤を含んでもよい。
フェノール系老化防止剤以外の老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
フェノール系老化防止剤以外の老化防止剤を含有する場合、フェノール系老化防止剤以外の老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
上記ゴム組成物は、ワックスを含むことが好ましい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
上記ゴム組成物は、硫黄を含むことが好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、前記効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤が好ましく、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤を併用することがより好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、川口化学(株)、大内新興化学(株)製等の製品を使用できる。
加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記数値範囲内であると、前記効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、硫黄以外の加硫剤(例えば、有機架橋剤、有機過酸化物);等を例示できる。これら各成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは200質量部以下である。
上記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、架橋剤(加硫剤)及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80〜110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140〜190℃、好ましくは150〜185℃である。
上記ゴム組成物は、例えば、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチ、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層などのタイヤ部材に(タイヤ用ゴム組成物として)用いることができる。なかでも、トレッドに好適に用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド(キャップトレッド))の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
上記空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ、スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等として好適に用いられ、特に競技用タイヤとしてより好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(S−SBR、油展〔ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有〕、スチレン含量:40質量%)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト9 SAF(NSA:142m/g、DBP:115ml/100g)
オイル:H&R社製のアロマ系プロセスオイル(TDAEオイル、Vivatec500)
窒素化合物1:四国化成(株)製の1,2−DMZ(1,2−ジメチルイミダゾール)
窒素化合物2:三共(株)製のサノールLS−765(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(下記式で表される化合物))
Figure 2020075949
窒素化合物3:四国化成(株)製の1B2MZ(1−ベンジル−2−メチルイミダゾール)
フェノール系老化防止剤:大内新興化学(株)製のノクラック NS−30(4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
アルキルフェノール系樹脂:BASF社製のコレシン(p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂(p−t−ブチルフェノールとアセチレンの縮合樹脂)、軟化点145℃、Tg98℃)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学(株)製のサンノックN
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種(平均一次粒子径:400nm)
微粒子酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2(平均一次粒子径:65nm)
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤TOT:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
〔実施例及び比較例〕
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を165℃で、4分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、80℃で、4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。更に、得られた未加硫ゴム組成物を、170℃で20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をキャップトレッドの形状に押出し成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で20分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。
得られた加硫ゴム組成物、試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。なお、表1において、基準比較例を比較例1とした。
<耐ブローアウト性能>
得られた加硫ゴム組成物について、フレクソメーター(レオ・ラボ(株)製)にて、繰り返し圧縮変形を与えて、ゴムを自己発熱させることによってブローアウトするまでの時間を測定した。試験条件は以下のとおりである。結果は、比較例1のゴム組成物のブローアウトタイムを100として指数化した。指数値が大きいほど、ブローアウト時間が向上されており、耐ブローアウト性能が良好であることを示す。97以上の場合に良好であると判断した。
試験条件:繰り返し圧縮歪 20% 周波数 10Hz
<ドライグリップ性能>
試験用タイヤを国産FR車(排気量2000cc)の全輪に装着し、1周3kmのドライアスファルト路面のテストコースにて15周実車走行を行った。その際におけるベストラップ時のコントロールをテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほどドライ路面におけるグリップ性能が良好であることを示す。
<グリップ安定性能>
試験用タイヤを国産FR車(排気量2000cc)の全輪に装着し、1周3kmのドライアスファルト路面のテストコースにて15周実車走行を行った。ベストタイムと、後半の10〜15周目の平均ラップタイムの差をグリップ安定性とした。
比較例1を100として指数表示し、数値が大きいほどグリップ安定性能が良好であることを示す。
Figure 2020075949
表1より、ゴム成分と、ゴム成分100質量部に対して、窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物を0.5〜5質量部と、平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛とを含み、ゴム成分100質量部に対する上記窒素化合物の含有量をA、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量をBとした時に、上記式(I)を満たす実施例は、耐ブローアウト性能、グリップ性能、グリップ安定性能をバランスよく改善できた。
比較例1、2、4、実施例1の対比により、上記窒素化合物と、微粒子酸化亜鉛とを併用することにより、耐ブローアウト性能、グリップ性能を相乗的に改善できることが分かった。

Claims (12)

  1. ゴム成分と、
    ゴム成分100質量部に対して、窒素を含む環状構造を1つ以上有する窒素化合物を0.5〜5質量部と、
    平均一次粒子径200nm以下の微粒子酸化亜鉛とを含み、
    ゴム成分100質量部に対する前記窒素化合物の含有量をA、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量をBとした時に、下記式(I)を満たすゴム組成物。
    1.0 ≦ A/B ≦ 5.0 式(I)
  2. フェノール系化合物を含む請求項1記載のゴム組成物。
  3. カーボンブラック及び/又は白色充填剤を含む請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. オイル及び/又は液状ジエン系重合体を含む請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記窒素化合物が、ピペリジン誘導体、イミダゾール類、及びカプロラクタム類からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記窒素化合物が、イミダゾール類である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記窒素化合物が、1,2−ジメチルイミダゾールである請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記フェノール系化合物が、アルキルフェノール系樹脂、及びフェノール系老化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項2記載のゴム組成物。
  9. ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを80質量部以上含有する請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. トレッド用ゴム組成物である請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ部材を有する空気入りタイヤ。
  12. 前記タイヤ部材がトレッドである請求項11記載の空気入りタイヤ。
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