JP2020075876A - ニトロ基を有する9−シラフルオレン化合物及びその製造方法 - Google Patents

ニトロ基を有する9−シラフルオレン化合物及びその製造方法 Download PDF

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征史 村井
Masahito Murai
征史 村井
高井 和彦
Kazuhiko Takai
和彦 高井
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Abstract

【課題】ニトロ基を有する9−シラフルオレン誘導体及びその製造方法の提供。【解決手段】以下一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物と硝酸鉄(III)、硝酸ビスマス(III)、硝酸銅(II)及び硝酸亜鉛(II)からなる群から選ばれる少なくとも一種の硝酸塩とを反応させることにより前記課題が解決可能であることを見出した。【化1】(上記一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表す。R3は分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ニトロ基を有する9−シラフルオレン化合物及びその製造方法に関する。
9−シラフルオレン誘導体は、架橋ケイ素のσ*軌道がビアリール部のπ*軌道と共役できるため、LUMOが安定化され、高い電子受容能を有することが知られている。そのため、その誘導体はこれまでに発光材料や色素増感太陽電池、電子輸送材料等の構成素子として注目されている(例えば非特許文献1、2)。
特に9−シラフルオレン誘導体の中でもニトロ基を有する化合物は、それ自身が機能性材料として有用なだけではなく、ニトロ基を脱離基とした鈴木−宮浦クロスカップリングやアミノ化反応も報告されていることから(例えば非特許文献3)、様々な誘導体の原料としても期待される。
しかしながら、9−シラフルオレン誘導体は、炭素−ケイ素結合が開裂しやすいためか、官能基化の報告はほとんどされていない。
Akhtaruzzman,M.;Seya,Y.;Asao,N.;Islam,A.;Kwon,E.;El-Shafei,A.;Han,L.;Yamamoto,Y. J.Mater.Chem. 2012,22,10771. Gianfaldoni,F.;De Nisi,F.;Iasilli,G.;Panniello,A.;Fanizza,E.;Striccoli,M.;Ryuse,D.;Shimizu,M.;Biver,T.;Pucci,A. RSC Adv. 2017,7,37302. Yadav,M.R.;Nagaoka,M.;Kashihara,M.;Zhong,R.-L.;Miyazaki,T.;Sakaki,S.;Nakao,Y. J.Am.Chem.Soc. 2017,139,9423.
本発明の目的は、ニトロ基を有する9−シラフルオレン誘導体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物と、硝酸鉄(III)、硝酸ビスマス(III)、硝酸銅(II)及び硝酸亜鉛(II)からなる群から選ばれる少なくとも一種の硝酸塩とを反応させることにより前記課題が解決可能であることを見出した。具体的には以下の発明を含む。
[1]
以下一般式(1):
Figure 2020075876
(上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立して、分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表す。Rは分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表されるシラフルオレン化合物と、硝酸鉄(III)、硝酸ビスマス(III)、硝酸銅(II)及び硝酸亜鉛(II)からなる群から選ばれる少なくとも一種の硝酸塩とを反応させる、以下一般式(2):
Figure 2020075876
(上記一般式(2)中、R、R及びRは上記と同じ置換基を表す。)
及び/又は以下一般式(3):
Figure 2020075876
(上記一般式(3)中、R、R及びRは上記と同じ置換基を表す。)
で表されるニトロ化合物の製造方法。
[2]
硝酸塩が硝酸鉄(III)である、[1]に記載のニトロ化合物の製造方法。
[3]
以下一般式(2):
Figure 2020075876
(上記一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して、分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表す。Rは分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表されるニトロ化合物。
[4]
以下一般式(3):
Figure 2020075876
(上記一般式(3)中、R及びRはそれぞれ独立して、分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表す。Rは分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表されるニトロ化合物。
本発明によれば、上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物と硝酸鉄(III)、硝酸ビスマス(III)、硝酸銅(II)及び硝酸亜鉛(II)からなる群から選ばれる少なくとも一種の硝酸塩とを反応させるという、温和かつ工業的実施が容易な条件で、ニトロ基を有する9−シラフルオレン化合物が製造可能となる。
また、本発明の製造方法によって合成される上記一般式(2)または(3)で表されるニトロ化合物は、新規なニトロ基を有する9−シラフルオレン化合物であり、上述の通り様々な誘導体の原料として利用されることが期待される。
上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例1で得られた、下記式(2−1)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートである。 上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例1で得られた、下記式(2−1)で表されるニトロ化合物の13C−NMRチャートである。 上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例1で得られた、下記式(3−1)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートである。 上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例1で得られた、下記式(3−1)で表されるニトロ化合物の13C−NMRチャートである 上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例11で得られた、下記式(2−2)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートである。 上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例11で得られた、下記式(2−2)で表されるニトロ化合物の13C−NMRチャートである。 上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例12で得られた、下記式(2−3)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートである。 上記一般式(2)で表されるニトロ化合物の内、実施例12で得られた、下記式(2−3)で表されるニトロ化合物の13C−NMRチャートである。
本発明に用いられる上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物中、置換基R及びRは分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表し、上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物の製造容易性の観点から分岐を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基又はフェニル基が好ましい。置換基Rは分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表し、9−シラフルオレン化合物の製造容易性の観点からメチル基又はエチル基が好ましい。また、置換基Rを含むアルコキシ基(OR)は、上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物の製造容易性の観点から、その置換位置は2位であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物は公知の化合物であり、例えば後述する実施例の項にて記載する方法により製造することができる。
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物と反応させる硝酸塩は、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、硝酸ビスマス(III)(Bi(NO)、硝酸銅(II)(Cu(NO)及び硝酸亜鉛(II)(Zn(NO)からなる群から選ばれる少なくとも一種の硝酸塩(以下、特定の硝酸塩と称することがある)である必要がある。それ以外の硝酸塩を用いても反応は進行しないか殆ど進行しない。これら特定の硝酸塩の中でも、安価に入手可能であり、また反応性が比較的高いことから硝酸鉄(III)が好ましい。なお、特定の硝酸塩は無水物であっても水和物であってもよい。
特定の硝酸塩の使用量は、上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物1モルに対し通常0.2〜10モルであり、上記一般式(2)及び/又は上記一般式(3)で表されるニトロ化合物の収率向上の観点から0.3モル以上とすることが好ましく、また、特定の硝酸塩の過剰使用を抑制し、より経済的に上記一般式(2)及び/又は上記一般式(3)で表されるニトロ化合物を製造する観点からその使用量を3モル以下とすることが好ましい。
本発明を実施する際、有機溶媒存在下に反応を実施してもよい。使用可能な有機溶媒として、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類、芳香族ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類等が例示される。脂肪族炭化水素類として、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の鎖状脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状脂肪族炭化水素類が例示される。芳香族炭化水素類として、トルエン、キシレン、メシチレン等が例示される。脂肪族ハロゲン化炭化水素類として、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジブロモエタン、トリクロロエタン等が例示される。芳香族ハロゲン化炭化水素類として、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が例示される。ニトリル類としてアセトニトリル等が例示される。有機溶媒を使用する際の使用量として例えば、上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物1重量倍に対し1〜100重量倍であり、好ましくは1〜60重量倍である。
本発明を実施する際の反応温度は通常0〜150℃、好ましくは30〜100℃である。
反応終了後、生成した上記一般式(2)及び/又は(3)で表されるニトロ化合物は、常法により取り出し、また、精製することが可能である。具体的に例えば、得られた反応液に水及び水と分離する有機溶媒を添加することで、上記一般式(2)及び/又は(3)で表されるニトロ化合物を有機溶媒層に抽出し、反応で使用した特定の硝酸塩等を含む水層を分離除去した後、有機溶媒層を濃縮することで上記一般式(2)及び/又は(3)で表されるニトロ化合物を取り出すことができる。取り出した上記一般式(2)及び/又は(3)で表されるニトロ化合物は、必要に応じ晶析(再結晶)、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精製法により精製してもよい。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら限定されるものではない。
〔1〕NMR測定
H−NMR及び13C−NMRは、溶媒としてクロロホルム−dを用い、溶媒に含まれる残留クロロホルムのピーク(H−NMR:δ=7.26ppm、13C−NMR:δ=77.0ppm)をケミカルシフトの基準値として、JEOL−JNN−LA400分光計によって記録した。また、以下実施例等に記載した生成率は特に断りのない限り、内部標準として1,1,2,2−テトラクロロエタンを用いたH−NMRの積分値に基づく生成率である。
<製造例1>
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物の内、以下式(1−1)で表される9−シラフルオレン化合物の製造例
Figure 2020075876
ヒートガンで加熱乾燥したシュレンク管内をアルゴン置換し、Pd(OAc) 112mg(0.50mmol)、PPh 393mg(1.3mmol)、KCO 2.76g(20mmol)、1,2−ジメトキシエタン(DME)30mL、水 10mL、2−ブロモフェニルボロン酸 2.01g(10mmol)及び4−ヨードアニソール 2.81g(12mmol)を入れた後、80℃まで昇温し、同温度で24時間攪拌した。
攪拌後、有機層と水層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理した後、有機層を減圧濃縮し濃縮物を得た。
得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン:酢酸エチル=10:1 v/v)で精製することで、2−ブロモ−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 2.32g(8.8mmol、有姿収率88%)を得た。
ヒートガンで加熱乾燥したシュレンク管内をアルゴン置換し、上記操作で得られた2−ブロモ−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 2.10g(8.0mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)15mLを入れ−78℃まで冷却した。冷却後、BuLiの1.6mol/Lヘキサン溶液 7.5mL(12mmol)を加えた後、−78℃で30分攪拌し、クロロジメチルシラン 1.14g(12mmol)を滴下し、滴下後、25℃まで徐々に昇温し、25℃で12時間攪拌した。
攪拌後、飽和NHCl水溶液 10mLを加え反応液をクエンチした後、酢酸エチル30mLを加え、酢酸エチル層に有機物を抽出した。酢酸エチルを用いた抽出操作を更に2回繰り返した後、得られた酢酸エチル層を混合し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理した後、有機層を減圧濃縮し濃縮物を得た。
得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン:酢酸エチル=10:1 v/v)で精製することで、2−(ジメチルシリル)−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 1.60g(6.6mmol、有姿収率83%)を得た。
ヒートガンで加熱乾燥した試験管内をアルゴン置換し、RhCl(PPh 13.9mg(0.015mmol)、p−キシレン 3.0mL、上記操作で得られた2−(ジメチルシリル)−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 362mg(1.5mmol)及び3,3−ジメチル−1−ブテン 0.97mL(7.5mmol)を入れ135℃まで昇温後、同温度で24時間攪拌した。攪拌後、反応液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン)で精製することで、上記式(1−1)で表される9−シラフルオレン化合物 317mg(1.3mmol、有姿収率88%)を得た。得られた上記式(1−1)で表される9−シラフルオレン化合物のH−NMR及び13C−NMRの測定結果は下記の通り。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ0.42(s,6H),3.87(s,3H),6.96(dd,J=2.0,8.0 Hz,1H),7.15(d,J=2.0Hz,1H),7.21(t,J=7.2Hz, 1H),7.40(t,J=1.6,8.0Hz,1H),7.59(d,J=7.2Hz,1H),7.73(t,J=8.0Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
δ−3.2,55.4,115.5,117.8,120.1,121.9,126.3, 130.2,132.7,138.1,140.6,140.9,147.8,159.2
<製造例2>
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物の内、以下式(1−2)で表される9−シラフルオレン化合物の製造例
Figure 2020075876
ヒートガンで加熱乾燥したシュレンク管内をアルゴン置換し、2−ブロモ−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 789mg(3.0mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)10mLを入れ−78℃まで冷却した。冷却後、BuLiの1.6mol/Lヘキサン溶液 5.6mL(9.0mmol)を加えた後、−78℃で30分攪拌し、ジクロロジペンチルシラン 1.44g(6.0mmol)を滴下し、滴下後、25℃まで徐々に昇温し、50℃で24時間攪拌した。0℃まで冷却した後、LiAlH 113mg(3.0mmol)を加えた後、25℃で16時間攪拌した。
攪拌後、0℃で水を1.5mL、NaOHの1M溶液を1.5mL、更に水を4.5mL、前記の順に加えた後、セライトで濾過し、ろ液に酢酸エチル20mLを加え、酢酸エチル層に有機物を抽出した。酢酸エチルを用いた抽出操作を更に2回繰り返した後、得られた酢酸エチル層を混合し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理した後、有機層を減圧濃縮し濃縮物を得た。
得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン)で精製することで、2−(ジペンチルシリル)−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 766mg(2.2mmol、有姿収率72%)を得た。
ヒートガンで加熱乾燥した試験管内をアルゴン置換し、RhCl(PPh 4.6mg(0.0050mmol)、p−キシレン 1.0mL、上記操作で得られた2−(ジペンチルシリル)−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 177mg(0.5mmol)及び3,3−ジメチル−1−ブテン 0.32mL(2.5mmol)を入れ135℃まで昇温後、同温度で24時間攪拌した。攪拌後、反応液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン)で精製することで、上記式(1−2)で表される9−シラフルオレン化合物 129mg(0.37mmol、有姿収率73%)を得た。得られた上記式(1−2)で表される9−シラフルオレン化合物のH−NMR及び13C−NMRの測定結果は下記の通り。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ0.81(t,J=7.2Hz,6H),0.89−0.95(m,4H),1.20−1.28(m,8H),1.32−1.40(m,4H),3.86(s,3H),6.95(dd,J=2.8,7.6Hz,1H),7.14(d,J=2.8Hz,1H),7.19(t,J=7.2Hz,1H),7.39(td,J=2.8,7.2Hz,1H),7.57(d,J=7.6Hz,1H),7.72(d,J=8.0Hz,1H),7.74(d,J=8.0Hz,1H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
δ12.2,13.9,22.1,23.5,35.6,55.3,115.1,118.5,120.1,121.8,126.1,130.0,133.2,137.1,139.9,141.2,148.3,159.0
<製造例3>
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物の内、以下式(1−3)で表される9−シラフルオレン化合物の製造例
Figure 2020075876
ヒートガンで加熱乾燥したシュレンク管内をアルゴン置換し、2−ブロモ−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 789mg(3.0mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)10mLを入れ−78℃まで冷却した。冷却後、BuLiの1.6mol/Lヘキサン溶液 2.3mL(3.6mmol)を加えた後、−78℃で30分攪拌し、クロロジフェニルシラン 788mg(3.6mmol)を滴下し、滴下後、25℃まで徐々に昇温し、25℃で12時間攪拌した。
攪拌後、飽和NHCl水溶液 10mLを加え反応液をクエンチした後、酢酸エチル20mLを加え、酢酸エチル層に有機物を抽出した。酢酸エチルを用いた抽出操作を更に2回繰り返した後、得られた酢酸エチル層を混合し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理した後、有機層を減圧濃縮し濃縮物を得た。
得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン:酢酸エチル=50:1 v/v)で精製することで、2−(ジフェニルシリル)−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 901mg(2.5mmol、有姿収率82%)を得た。
ヒートガンで加熱乾燥した試験管内をアルゴン置換し、RhCl(PPh 4.6mg(0.0050mmol)、p−キシレン 1.0mL、上記操作で得られた2−(ジフェニルシリル)−4’−メトキシ−1,1’ −ビフェニル 183mg(0.50mmol)及び3,3−ジメチル−1−ブテン 0.32mL(2.5mmol)を入れ135℃まで昇温後、同温度で24時間攪拌した。攪拌後、反応液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン:酢酸エチル=50:1 v/v)で精製することで、上記式(1−3)で表される9−シラフルオレン化合物 164mg(0.45mmol、有姿収率90%)を得た。得られた上記式(1−3)で表される9−シラフルオレン化合物のH−NMR及び13C−NMRの測定結果は下記の通り。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ3.85(s,3H),7.17(dd,J=2.0,8.0 Hz,1H),7.23−7.28(m,1H),7.30−7.48(m,8H),7.65−7.69(m,4H),7.75(d,J=7.6Hz,1H),7.81(t,J=7.6Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
δ55.3,116.1,118.9,120.4,122.3,126.7,128.1,130.1,130.8,132.6,133.9,135.1,135.5,137.8,141.5,148.7,159.4
<実施例1>
上記一般式(2)及び(3)で表されるニトロ化合物の内、以下式(2−1)及び(3−1)で表されるニトロ化合物の製造例
Figure 2020075876
Figure 2020075876
攪拌子を入れた20mLねじ蓋付試験管をヒートガンで加熱乾燥した後、該試験管内をアルゴンで置換した。アルゴン置換後、上記式(1−1)で表される9−シラフルオレン化合物 48.0mg(0.20mmol)、硝酸鉄(III)9水和物 40.4mg(0.10mmol)及び1,2−ジクロロエタン2.0mLを加え、60℃で5時間攪拌を行った。
攪拌後、イオン交換水 2mLを加え反応液をクエンチした後、酢酸エチル10mLを加え、酢酸エチル層に有機物を抽出した。酢酸エチルを用いた抽出操作を更に2回繰り返した後、得られた酢酸エチル層を混合し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理した後、有機層を減圧濃縮し濃縮物を得た。攪拌後、H−NMRを用い生成率を確認したところ、上記式(2−1)で表されるニトロ化合物が95%、上記式(3−1)で表されるニトロ化合物が5%生成していた。
得られた濃縮物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン:酢酸エチル=10:1 v/v)で精製することで、上記式(2−1)で表されるニトロ化合物52.5mg(0.18mmol、有姿収率92%)、上記式(3−1)で表されるニトロ化合物1.1mg(0.004mmol、有姿収率2%)を得た。
上記式(2−1)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートを図1に、13C−NMRチャートを図2に、上記式(3−1)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートを図3に、13C−NMRチャートを図4にそれぞれ示す。また、各ニトロ化合物のNMR測定結果を下記する。
上記式(2−1)で表されるニトロ化合物
H−NMR(400MHz,CDCl
δ0.48(s,6H),3.89(s,3H),7.02(dd,J=2.8,8.8 Hz,1H),7.20(d,J=2.8Hz,1H),7.79(d,J=8.8Hz, 1H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),8.26(dd,J=2.0,8.8 Hz,1H),8.42(d,J=2.0Hz,1H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
δ−3.5,55.5,116.2,118.1,120.2,123.8,126.1, 127.8,138.2,139.8,142.8,146.3,154.0,160.6
上記式(3−1)で表されるニトロ化合物
H−NMR(400MHz,CDCl
δ0.47(s,6H),4.03(s,3H),7.30(dd,J=1.2,7.2 Hz,1H),7.32(s,1H),7.46(dt,J=1.2,7.2Hz,1H),7.63(d,J=7.2Hz,1H),7.75(d,J=7.2Hz,1H),8.20(s,1H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
δ−3.4,56.7,117.2,117.4,120.8,127.6,130.8, 132.9,137.8,140.4,141.2,145.7,147.3,152.0
<実施例2〜10、比較例1〜5>
(a)硝酸塩及びその使用量、(b)溶媒の種類並びに(c)反応温度を表1に示す条件に変更する以外は実施例1記載の方法と同様の方法にて反応を行い、H−NMRにて反応後の上記式(2−1)で表されるニトロ化合物及び上記式(3−1)で表されるニトロ化合物の生成率を確認した。結果を表1に示す。
Figure 2020075876
<比較例6>
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物を以下式(4)で表されるシラフルオレン化合物に変更する以外は実施例1と同様に反応を行い、得られた反応液をH−NMRを用い分析したが、反応は全く進行せず、以下式(4)で表されるシラフルオレン化合物の回収を確認した。
Figure 2020075876
<実施例11>
上記一般式(2)及び(3)で表されるニトロ化合物の内、以下式(2−2)及び(3−2)で表されるニトロ化合物の製造例
Figure 2020075876
Figure 2020075876
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物を上記式(1−2)で表されるシラフルオレン化合物とし、該化合物70.4mg(0.20mmol)を用いて実施例1と同様に反応を行い、H−NMRを用い生成率を確認したところ、上記式(2−2)で表されるニトロ化合物が93%、上記式(3−2)で表されるニトロ化合物が3%生成していた。
得られた反応液を実施例1と同様の方法にて後処理することにより、上記式(2−2)で表されるニトロ化合物67.6mg(0.17mmol、有姿収率85%)、上記式(3−2)で表されるニトロ化合物2.3mg(0.006mmol、有姿収率3%)を得た。
分析結果の代表例として、上記式(2−2)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートを図5に、13C−NMRチャートを図6に示す。合わせてH−NMR及び13C−NMRの測定結果を下記する。
上記式(2−2)で表されるニトロ化合物
H−NMR(400MHz,CDCl
δ0.81(t,J=7.2Hz,6H),0.91−1.00(m,4H),1.22−1.26(m,8H),1.32−1.40(m,4H),3.89(s,3H),7.01(dd,J=2.8,8.4Hz,1H),7.18(d,J=2.8Hz,1H),7.80(d,J=8.8Hz,1H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),8.26(dd,J=2.8,8.8Hz,1H),8.39(d,J=2.8Hz,1H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
δ11.9,13.9,22.1,23.4,35.4,55.4,115.8,118.9,120.2,123.7,126.0,128.0,138.8,141.7,146.2,154.6,160.4
<実施例12>
上記一般式(2)及び(3)で表されるニトロ化合物の内、以下式(2−3)及び(3−3)で表されるニトロ化合物の製造例
Figure 2020075876
Figure 2020075876
上記一般式(1)で表される9−シラフルオレン化合物を上記式(1−3)で表されるシラフルオレン化合物とし、該化合物72.8mg(0.20mmol)を用いて実施例1と同様に反応を行い、H−NMRを用い生成率を確認したところ、上記式(2−3)で表されるニトロ化合物が91%、上記式(3−3)で表されるニトロ化合物が4%生成していた。
得られた反応液を実施例1と同様の方法にて後処理することにより、上記式(2−3)で表されるニトロ化合物72.1mg(0.18mmol、有姿収率88%)、上記式(3−3)で表されるニトロ化合物2.5mg(0.006mmol、有姿収率3%)を得た。
分析結果の代表例として、上記式(2−3)で表されるニトロ化合物のH−NMRチャートを図7に、13C−NMRチャートを図8に示す。合わせてH−NMR及び13C−NMRの測定結果を下記する。
上記式(2−3)で表されるニトロ化合物
H−NMR(400MHz,CDCl
δ3.88(s,3H),7.08(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),7.33(d,J=2.4Hz,1H),7.39(t,J=7.2Hz,4H),7.46(t,J=7.2Hz,2H),7.64(d,J=7.2Hz,4H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.89(d,J=8.8Hz,1H),8.31(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),8.53(d,J=2.4Hz,1H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
δ55.5,116.8,119.4,120.7,124.2,126.6,128.4,128.8,130.7,130.8,135.5,137.3,139.1,139.7,146.6,154.9,160.9

Claims (4)

  1. 以下一般式(1):
    Figure 2020075876
    (上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立して、分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表す。Rは分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表される9−シラフルオレン化合物と、硝酸鉄(III)、硝酸ビスマス(III)、硝酸銅(II)及び硝酸亜鉛(II)からなる群から選ばれる少なくとも一種の硝酸塩とを反応させる、以下一般式(2):
    Figure 2020075876
    (上記一般式(2)中、R、R及びRは上記と同じ置換基を表す。)
    及び/又は以下一般式(3):
    Figure 2020075876
    (上記一般式(3)中、R、R及びRは上記と同じ置換基を表す。)
    で表されるニトロ化合物の製造方法。
  2. 硝酸塩が硝酸鉄(III)である、請求項1に記載のニトロ化合物の製造方法。
  3. 以下一般式(2):
    Figure 2020075876
    (上記一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して、分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表す。Rは分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表されるニトロ化合物。
  4. 以下一般式(3):
    Figure 2020075876
    (上記一般式(3)中、R及びRはそれぞれ独立して、分岐を有してもよいアルキル基又はフェニル基を表す。Rは分岐を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表されるニトロ化合物。
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