JP2020075651A - 船舶、船舶の航行方法 - Google Patents

船舶、船舶の航行方法 Download PDF

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Abstract

【課題】船舶における主機の冗長性を高める。【解決手段】船舶1Aは、船体2と、主機3と、出力軸34と、プロペラ42と、プロペラ駆動軸4と、電動機5と、軸連結断続部7と、を備える。主機3は、船体2内に設けられる。出力軸34は、主機3により回転駆動される。プロペラ42は、船体2の外部に設けられる。プロペラ駆動軸4は、プロペラ42を回転させる。電動機5は、プロペラ駆動軸4に設けられ、プロペラ駆動軸4を回転駆動させる。軸連結断続部7は、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを断続する。【選択図】図1

Description

この発明は、船舶、船舶の航行方法に関する。
船舶の推進装置において、主機によりプロペラを回転させて推力を得るものがある。主機は、プロペラ駆動軸を回転させる。プロペラは、プロペラ駆動軸に設けられ、プロペラ駆動軸と一体に回転することで推力を発生する。
客船等をはじめとする大型の船舶においては、主機に不具合が生じた場合に備え、非常用主機を、主機と並列に備えたものがある。
例えば、特許文献1には、並列に備えた主機と非常用主機(非常航走用電動機)とで、1本のプロペラ駆動軸を選択的に回転駆動させる構成が開示されている。この構成では、通常時は、非常用主機をプロペラ駆動軸から切り離し、主機によりプロペラ駆動軸を回転させる。非常時には、主機をプロペラ駆動軸から切り離し、非常用主機によりプロペラ駆動軸を回転させる。このように、主機に不具合が生じた場合に非常用主機でプロペラ駆動軸を回転駆動することで、冗長性が高まる。
特開昭58−76396号公報
しかし、主機と非常用主機との両方を備えず、1台の主機で1本のプロペラ駆動軸を駆動する構成においては、主機に不具合等が生じた場合、プロペラの回転が停止し、航行を継続することができない。そのため、このような1台の主機で1本のプロペラ駆動軸を駆動する構成においても、冗長性を高めることが望まれている。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複雑化することなしに冗長性を高めることができる船舶、船舶の航行方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明の第一態様によれば、船舶は、船体と、主機と、出力軸と、プロペラと、プロペラ駆動軸と、電動機と、軸連結断続部と、を備える。前記主機は、前記船体内に設けられる。前記出力軸は、前記主機により回転駆動される。前記プロペラは、前記船体の外部に設けられる。前記プロペラ駆動軸は、前記プロペラを回転させる。前記電動機は、前記プロペラ駆動軸を回転駆動させる。前記軸連結断続部は、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを断続する。
第一態様では、主機で出力軸を回転駆動する場合、軸連結断続部で出力軸とプロペラ駆動軸とを連結することができる。この状態で、主機で出力軸を回転駆動することで、出力軸の回転がプロペラ駆動軸に伝達され、プロペラが回転する。これにより、船舶を推進できる。さらに、電動機の出力をプロペラ駆動軸に加えることができる。このため、主機の性能を一定にした場合、電動機の出力分だけ船舶の推進性能を向上できる。また、推進性能を一定にした場合、電動機の出力分だけ主機の出力を抑えることができる。
また、電動機でプロペラ駆動軸を回転駆動する場合、軸連結断続部で、出力軸とプロペラ駆動軸とを切り離すことができる。この状態で、電動機でプロペラ駆動軸を回転駆動すると、プロペラが回転する。これにより、船舶を推進できる。つまり、主機が停止しても、電動機でプロペラ駆動軸を回転させて、船舶を航行させることができる。
したがって、1本のプロペラ駆動軸に1台の主機を設けた構成において、冗長性を高めることが可能となる。
この発明の第二態様によれば、第一態様に係る前記軸連結断続部は、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に設けた連結部材を着脱することで、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを断続するようにしてもよい。
第二態様では、出力軸とプロペラ駆動軸との間に連結部材を装着すれば、出力軸とプロペラ駆動軸とが連結される。また、出力軸と前記プロペラ駆動軸との間から連結部材を取り外せば、出力軸とプロペラ駆動軸とが切り離される。したがって、連結部材の着脱によって、出力軸とプロペラ駆動軸との連結を容易に断続することができる。
この発明の第三態様によれば、第一又は第二態様に係る船舶は、前記出力軸の軸方向の力を前記船体に伝達する第一スラスト軸受と、前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を前記船体に伝達する第二スラスト軸受と、前記第二スラスト軸受を介した前記プロペラ駆動軸の軸方向の力の前記船体への伝達を断続する軸力伝達断続部をさらに備えるようにしてもよい。
第三態様では、軸力伝達断続部で、第二スラスト軸受を介したプロペラ駆動軸の軸方向の力の船体への伝達を遮断できる。そのため、プロペラ駆動軸の軸方向の力を、第一スラスト軸受のみを介して船体に伝達することができる。
また、第三態様では、軸連結断続部で出力軸とプロペラ駆動軸との連結を解除した状態で、軸力伝達断続部で、第二スラスト軸受を介したプロペラ駆動軸の軸方向の力を船体に伝達することができる。そのため、プロペラ駆動軸の軸方向の力を、第二スラスト軸受のみを介して船体に伝達することができる。
この発明の第四態様によれば、第三態様に係る船舶は、前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを連結し、前記軸力伝達断続部で前記第二スラスト軸受を介した前記プロペラ駆動軸の軸方向の力の前記船体への伝達を遮断した状態で、前記主機により前記出力軸を回転駆動する第一航行モードと、前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離し、前記軸力伝達断続部で前記第二スラスト軸受を介して前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を前記船体に伝達する状態で、前記電動機により前記プロペラ駆動軸を回転駆動する第二航行モードと、を切り替え可能としてもよい。
このように構成することで、第一航行モードでは、主機で出力軸を回転させると、出力軸の回転がプロペラ駆動軸に伝達され、プロペラが回転する。プロペラの回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸、出力軸から第一スラスト軸受を介して船舶に伝達される。
また、第二航行モードでは、電動機でプロペラ駆動軸を回転させると、プロペラが回転する。プロペラの回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸から第二スラスト軸受を介して船舶に伝達される。したがって、第一航行モードでの航行中に主機が停止しても、第二航行モードに切り替えて電動機でプロペラ駆動軸を回転させることで、船舶の航行を継続することができる。
この発明の第五態様によれば、第三又は第四態様に係る前記第二スラスト軸受は、前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、前記船体側に支持されたパッドと、を備え、前記軸力伝達断続部は、前記ディスクに対し前記パッドを接近及び離間させるようにしてもよい。
このように構成することで、ディスクがパッドに摺接または接近した状態となれば、プロペラ駆動軸の軸方向の力が、ディスク、及びパッドを介して船体側に伝達される。また、ディスクがパッドから離間した状態となれば、第二スラスト軸受を介したプロペラ駆動軸の軸方向の力の船体側への伝達を遮断することができる。
この発明の第六態様によれば、第三又は第四態様に係る第二スラスト軸受けは、前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、前記船体側に支持されたパッドと、を備え、前記軸力伝達断続部で前記連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に装着した状態では、前記ディスクと前記パッドとの間に隙間が形成され、前記軸連結断続部で前記連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間から取り外し、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離したときに、前記プロペラ駆動軸の軸方向の力によって前記プロペラ駆動軸が軸方向に変位して、前記ディスクと前記パッドとが突き当たるようにしてもよい。
このように構成することで、軸連結断続部で連結部材を出力軸とプロペラ駆動軸との間に装着した状態では、主機で出力軸を回転駆動する。このとき、第二スラスト軸受では、ディスクとパッドとの間に隙間が形成されるので、プロペラ駆動軸の軸方向の力は、第一スラスト軸受のみを介して船体に伝達される。
また、軸連結断続部で連結部材を出力軸とプロペラ駆動軸との間から取り外すと、軸連結断続部で出力軸とプロペラ駆動軸との連結が解除される。この状態で、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させることで、プロペラが回転する。プロペラの回転によって得られる推力により、プロペラ駆動軸は、軸方向の力(推力)によって、軸方向(推進方向)に変位する。これにより、ディスクとパッドとが突き当たり、プロペラ駆動軸の軸方向の力を、第二スラスト軸受を介して船体に伝達することができる。そのため、プロペラ駆動軸の軸方向の力を、第二スラスト軸受のみを介して船体に伝達することができる。
この発明の第七態様によれば、第三又は第四態様に係る前記第二スラスト軸受は、前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、前記船体側に支持されたパッドと、を備え、前記ディスクと前記パッドとの少なくとも一方は着脱可能とされていてもよい。
このように構成することで、ディスクとパッドとの少なくとも一方を取り外しすれば、第二スラスト軸受を介したプロペラ駆動軸の軸方向の力が船体側へ伝達されることを遮断できる。また、ディスクとパッドとの両方を装着した状態とすれば、第二スラスト軸受を介してプロペラ駆動軸の軸方向の力を船体側へ伝達させることができる。
この発明の第八態様によれば、第二態様に係る船舶において、前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を常に前記船体に伝達するスラスト軸受をさらに備えるようにしてもよい。
このように構成することで、主機で出力軸を介してプロペラ駆動軸を回転駆動する場合と、電動機でプロペラ駆動軸を回転駆動する場合とで、スラスト軸受によって、プロペラ駆動軸の軸方向の力を常に船体に伝達することができる。
この発明の第九態様によれば、第八態様に係る船舶において、前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを連結し、前記主機により前記出力軸を回転駆動する主機航行モードと、前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離し、前記電動機により前記プロペラ駆動軸を回転駆動する電動機航行モードと、を切り替え可能としてもよい。
このように構成することで、主機航行モードでは、主機で出力軸を回転させると、出力軸の回転がプロペラ駆動軸に伝達され、プロペラが回転する。プロペラの回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸からスラスト軸受を介して船舶に伝達される。これにより、船舶が推進される。
また、電動機航行モードでは、電動機でプロペラ駆動軸を回転させると、プロペラが回転する。プロペラの回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸からスラスト軸受を介して船舶に伝達される。これにより、船舶が推進される。この状態で、出力軸とプロペラ駆動軸とが切り離されているので、主機が停止しても、電動機でプロペラ駆動軸を回転させることで、船舶を航行させることができる。
この発明の第十態様によれば、第一から第九態様の何れか一つの態様に係る船舶において、前記電動機は、前記プロペラ駆動軸に設けられているようにしてもよい。
このように構成することで、電動機をプロペラ駆動軸に設けることで、電動機でプロペラ駆動軸をダイレクトに駆動することができる。
この発明の第十一態様によれば、第一から第九態様に係る船舶において、前記電動機は、前記プロペラ駆動軸とは別に設けられ、前記電動機の回転駆動力を前記プロペラ駆動軸に伝達する駆動力伝達機構を備えるようにしてもよい。
このように構成することで、プロペラ駆動軸とは別に設けた電動機により、プロペラ駆動軸を回転駆動させることができる。
この発明の第十二態様によれば、第一態様に係る船舶において、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に設けられ、前記出力軸の回転を前記プロペラ駆動軸に伝達する伝達機と、前記出力軸の軸方向の力を前記船体に伝達する主機側スラスト軸受と、前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を前記船体に伝達するプロペラ駆動軸側スラスト軸受と、をさらに備えるようにしてもよい。前記軸連結断続部は、前記出力軸と前記伝達機との間に設けられた伝達機連結部材を着脱することで、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを断続するようにしてもよい。
このように構成することで、主機で出力軸を回転駆動する場合には、出力軸と伝達機との間に伝達機連結部材を装着し、出力軸と伝達機とを連結する。この状態で、主機で出力軸を回転駆動することで、出力軸の回転が伝達機を介してプロペラ駆動軸に伝達され、プロペラが回転する。これにより、船舶が推進される。
また、電動機でプロペラ駆動軸を回転駆動する場合、伝達機連結部材を取り外し、出力軸と伝達機とを切り離す。これにより、出力軸とプロペラ駆動軸とが切り離されることになる。この状態で、電動機でプロペラ駆動軸を回転駆動すると、プロペラが回転する。これにより、船舶が推進される。この状態で、出力軸と、伝達機及びプロペラ駆動軸とが切り離されているので、主機が停止しても、電動機でプロペラ駆動軸を回転させることで、船舶を航行させることができる。
この発明の第十三態様によれば、第十二態様に係る船舶において、前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受は、前記プロペラ駆動軸に設けられた軸受ディスクと、前記船体側に支持され、前記軸受ディスクに対して前記プロペラ駆動軸の軸方向に隙間をあけて設けられた軸受パッドと、を備えるようにしてもよい。前記軸連結断続部で前記伝達機連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に装着した状態では、前記軸受ディスクと前記軸受パッドとの間に隙間が形成されるようにしてもよい。前記軸連結断続部で前記伝達機連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間から取り外し、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離したときに、前記プロペラ駆動軸の軸方向の力によって前記プロペラ駆動軸が軸方向に変位して、前記軸受ディスクと前記軸受パッドとが突き当たるようにしてもよい。
このように構成することで、軸連結断続部で伝達機連結部材を出力軸とプロペラ駆動軸との間に装着した状態では、主機で出力軸を回転駆動する。このとき、プロペラ駆動軸側スラスト軸受では、軸受ディスクと軸受パッドとの間に隙間が形成されるので、プロペラ駆動軸の軸方向の力は、主機側スラスト軸受のみを介して船体に伝達される。
また、軸連結断続部で伝達機連結部材を出力軸とプロペラ駆動軸との間から取り外すと、軸連結断続部で出力軸とプロペラ駆動軸との連結が解除される。この状態で、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させることで、プロペラが回転する。プロペラの回転によって得られる推力により、プロペラ駆動軸は、軸方向の力(推力)によって、軸方向(推進方向)に変位する。これにより、軸受ディスクと軸受パッドとが突き当たり、プロペラ駆動軸の軸方向の力を、プロペラ駆動軸側スラスト軸受を介して船体に伝達することができる。そのため、プロペラ駆動軸の軸方向の力を、プロペラ駆動軸側スラスト軸受のみを介して船体に伝達することができる。
この発明の第十四態様によれば、第十二態様に係る船舶において、前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受は、前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受を介した前記プロペラ駆動軸の軸方向の力の前記船体への伝達を断続する軸力伝達断続部をさらに備えていてもよい。前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受は、前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、前記船体側に支持されたパッドと、を備えていてもよい。前記軸力伝達断続部は、前記ディスクに対し前記パッドを接近及び離間させるようにしてもよい。
このように構成することで、軸受ディスクが軸受パッドに摺接または接近した状態となれば、プロペラ駆動軸の軸方向の力が、軸受ディスク、及び軸受パッドを介して船体側に伝達される。また、軸受ディスクが軸受パッドから離間した状態となれば、プロペラ駆動軸側スラスト軸受を介したプロペラ駆動軸の軸方向の力の船体側への伝達を遮断することができる。
この発明の第十五態様によれば、第十二態様に係る船舶において、前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受は、前記プロペラ駆動軸に設けられた軸受ディスクと、前記船体側に支持された軸受パッドと、を備えていてもよい。前記軸受ディスクと前記軸受パッドとの少なくとも一方は、着脱可能とされていてもよい。
このように構成することで、軸受ディスクと軸受パッドとの少なくとも一方を取り外しすれば、プロペラ駆動軸側スラスト軸受を介したプロペラ駆動軸の軸方向の力が船体側へ伝達されることを遮断できる。また、軸受ディスクと軸受パッドとの両方を装着した状態とすれば、プロペラ駆動軸側軸受を介してプロペラ駆動軸の軸方向の力を船体側へ伝達させることができる。
この発明の第十六態様によれば、第十二から第十五態様に係る船舶において、前記電動機は、前記プロペラ駆動軸とは別に設けられ、前記電動機の回転駆動力を前記プロペラ駆動軸に伝達する駆動力伝達機構を備えるようにしてもよい。
このように構成することで、プロペラ駆動軸とは別に設けた電動機により、駆動力伝達機構を介して、プロペラ駆動軸を回転駆動させることができる。
この発明の第十七態様によれば、第十二から第十五態様に係る船舶において、前記電動機は、前記プロペラ駆動軸とは別に設けられていてもよい。前記伝達機は、前記電動機の回転駆動力を前記プロペラ駆動軸に伝達可能とされていてもよい。
このように構成することで、プロペラ駆動軸とは別に設けた電動機により、伝達機を介して、プロペラ駆動軸を回転駆動させることができる。
この発明の第十八態様によれば、船舶の航行方法は、第一から第十七態様の何れか一つの態様に係る船舶の航行方法であって、前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを連結し、前記主機により前記出力軸を回転駆動する工程と、前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離す工程と、前記電動機により前記プロペラ駆動軸を回転駆動する工程と、を含む。
第十八態様では、主機で出力軸を回転駆動する場合、主機で出力軸を回転駆動することで、出力軸の回転がプロペラ駆動軸に伝達され、プロペラが回転する。これにより、船舶が推進される。
また、主機に不具合等が生じた場合、軸連結断続部で出力軸とプロペラ駆動軸とを切り離す。この状態で、電動機でプロペラ駆動軸を回転駆動すると、プロペラが回転する。これにより、船舶を推進できる。
上記船舶、船舶の航行方法によれば、複雑化することなしに冗長性を高めることができる。
この発明の第一実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。 上記船舶の第一実施形態における第二スラスト軸受の構成を示す断面図である。 上記船舶の第一実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。 この発明の第一から第四実施形態における船舶の航行方法の流れを示すフローチャートである。 この発明の第二実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。 上記船舶の第二実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。 この発明の第三実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。 上記船舶の第三実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。 この発明の第四実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。 上記船舶の第四実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。
以下、この発明の一実施形態における船舶、船舶の航行方法を図面に基づき説明する。
(第一実施形態)
図1は、この実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。
図1に示すように、この実施形態の船舶1Aは、船体2と、主機3と、第一スラスト軸受35と、プロペラ駆動軸4と、電動機5と、第二スラスト軸受6と、軸連結断続部7と、軸力伝達断続部8と、を主に備える。
船体2は、その船尾2bを形成する船尾船体21を備えている。船尾船体21は、その船底22に、傾斜面23を有している。傾斜面23は、船首尾方向Daにおいて船首(図示無し)側から船尾2b側に向かうにしたがって、漸次上方に傾斜している。
主機3は、船体2内に設けられる。主機3は、ディーゼルエンジン等の内燃機関からなる。本実施形態において、主機3は、例えば、その駆動回転数が60〜300rpmの、低速主機である。
主機3は、エンジンハウジング31と、クランク軸32と、ピストン33と、出力軸34と、を備える。
エンジンハウジング31は、主機3の外殻をなす。エンジンハウジング31は、船体2に固定されている。
クランク軸32は、エンジンハウジング31内に設けられている。クランク軸32は、エンジンハウジング31に、船首尾方向Daに延びる軸周りに回転自在に支持されている。
ピストン33は、クランク軸32にコンロッド36を介して連結されている。ピストン33は、主機3の作動時にシリンダー(図示無し)内で燃料が燃焼されることで、シリンダー(図示無し)内で移動(往復動)する。シリンダー内でのピストン33の動作が、コンロッド36を介してクランク軸32に伝達され、クランク軸32が船首尾方向Daに延びる軸周りに回転する。
ピストン33の往復動方向は、船首尾方向Daに延びるクランク軸32の軸方向と交差している。このため、主機3の作動時、クランク軸32には、ピストン33、及びコンロッド36を介して、船首尾方向Daに直交する方向の力が作用する。
出力軸34は、船首尾方向Daに延びている。出力軸34は、第一スラスト軸受35を介してクランク軸32に連結されている。出力軸34は、その中心軸周りに回転自在に支持されている。出力軸34は、船首尾方向Da後方の端部がエンジンハウジング31の外部に突出している。出力軸34の船首尾方向Da後方の端部には、円盤状のフライホイール37が設けられている。出力軸34は、主機3を作動させてクランク軸32が回転されると、クランク軸32と一体に回転駆動される。
第一スラスト軸受35は、主機3のクランク軸32と出力軸34との間に設けられている。第一スラスト軸受35は、エンジンハウジング31内に設けられている。第一スラスト軸受35は、出力軸34側から伝達される、出力軸34に生じる軸方向(船首尾方向Da)の力(以下、これをスラスト力と称する)を支持する。これにより、第一スラスト軸受35は、出力軸34側から伝達されるスラスト力を、エンジンハウジング31を介して船体2に伝達する。また、第一スラスト軸受35は、出力軸34の軸方向の熱伸びや変形が、船首尾方向Daに直交する方向に動作するピストン33やクランク軸32に及ぶのを抑える。
プロペラ駆動軸4は、船首尾方向Daに延びている。プロペラ駆動軸4は、プロペラ軸41と、電動機軸51と、回転軸61と、を備えている。
プロペラ軸41は、船首尾方向Daに延びている。プロペラ軸41の後端は、船尾船体21内から船首尾方向Daの後方に突出している。プロペラ軸41の後端には、プロペラ42が一体に固定されている。プロペラ42は、船体2の外部に設けられている。プロペラ42は、プロペラ軸41がその中心軸周りに回転駆動されることで所定方向に回転し、船体2を推進する推力を発揮する。
電動機5は、船体2内に設けられている。電動機5は、電動機軸51と、ローター52と、ステーター53と、を備える。
電動機軸51は、電動機ハウジング54に、船首尾方向Daに延びる中心軸回りに回転自在に支持されている。電動機軸51の船首尾方向Da後方の一端は、プロペラ軸41に接続されている。電動機軸51は、プロペラ駆動軸4の一部を構成する。これにより、電動機5は、プロペラ駆動軸4に設けられている。
ローター52は、電動機軸51と一体に設けられている。ステーター53は、ローター52の径方向外側に設けられている。ステーター53は、電動機ハウジング54に固定されている。
このような電動機5は、例えば、船体2内から供給された電力によって回転磁界を発生させる。この回転磁界によりステーター53の内側でローター52が回転する。このローター52の回転により、プロペラ駆動軸4(電動機軸51)が回転駆動される。この場合、電動機5は、非常用の推進電動機として機能する。
また、電動機5は、主機3の出力軸34の回転がプロペラ駆動軸4に伝達されると、ステーター53の径方向内側で、プロペラ駆動軸4と一体にローター52が回転する。すると、電動機5は、ローター52へ伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機(言い換えれば、軸発電機)として機能する。このようにして電動機5で発生した電力は、船体2内に供給される。
また、電動機5は、主機3の出力軸34の回転が伝達されることでプロペラ駆動軸4が回転駆動されるときに、船体2内から供給された電力によって回転磁界を発生させてローター52に回転エネルギーを付与することで、プロペラ駆動軸4の回転をアシストすることもできる。
図2は、上記船舶の第一実施形態における第二スラスト軸受の構成を示す断面図である。
第二スラスト軸受6は、船体2内に設けられている。第二スラスト軸受6は、プロペラ駆動軸4上に設けられている。この実施形態では、第二スラスト軸受6は、例えば、プロペラ駆動軸4上で、電動機5と主機3との間に設けられている。なお、第二スラスト軸受6は、プロペラ駆動軸4上であれば、電動機5よりも船首尾方向Daの船尾側に設けてもよい。
図2に示すように、第二スラスト軸受6は、回転軸61と、ディスク62と、パッド63と、を備えている。
回転軸61は、第二スラスト軸受6の軸受ハウジング64に、船首尾方向Daに延びる中心軸回りに回転自在に支持されている。図1に示すように、軸受ハウジング64は、船体2に固定されている。回転軸61の船首尾方向Da後方の一端は、電動機軸51(図1参照)に接続されている。回転軸61は、プロペラ駆動軸4の一部を構成する。
ディスク62は、回転軸61に設けられている。ディスク62は、円盤状で、回転軸61の外周面から径方向外側に延びている。ディスク62は、回転軸61と一体に回転する。
パッド63は、船首尾方向Daにおけるディスク62の両側に、それぞれ配置されている。さらに、これらパッド63は、それぞれ、プロペラ駆動軸4の中心軸を中心とした周方向に間隔をあけて複数設けられている。各パッド63は、支持部材65により支持されている。支持部材65は、後述する軸力伝達断続部8により、軸受ハウジング64内で、船首尾方向Daに進退可能に設けられている。パッド63は、支持部材65と一体に進退することで、ディスク62に対して接近及び離間可能となっている。
図3は、上記船舶の第一実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。
図3に示すように、複数のパッド63は、ディスク62に対して摺接または当接した状態で、回転軸61と一体に回転するディスク62を、回転軸61の軸方向両側から挟み込むようにして回転自在に支持する。これにより、第二スラスト軸受6は、プロペラ駆動軸4(回転軸61)に作用するスラスト力を支持する。プロペラ駆動軸4に、プロペラ42の回転によって発生した推力がスラスト力として作用した場合、第二スラスト軸受6は、推力を、軸受ハウジング64を介して船体2に伝達する。
図2に示すように、軸力伝達断続部8は、第二スラスト軸受6を介してプロペラ駆動軸4のスラスト力が船体2へ伝達される状態と、プロペラ駆動軸4のスラスト力が船体2へ伝達されない状態とを切り替える。軸力伝達断続部8は、第二スラスト軸受6のディスク62に対しパッド63を接近及び離間させることで、第二スラスト軸受6を介したプロペラ駆動軸4のスラスト力の船体2への伝達を断続する。軸力伝達断続部8は、支持部材65をディスク62に対し、船首尾方向Daに進退させる。軸力伝達断続部8は、例えば油圧駆動部81と、戻しバネ82と、を備える。油圧駆動部81は、軸受ハウジング64と支持部材65との間に形成された油室68に、作動油を供給する油圧シリンダー等からなる。油圧駆動部81は、油室68に作動油を送り込むことで、パッド63を支持する支持部材65を、ディスク62に向けて押し出す。また、戻しバネ82は、支持部材65をディスク62から離間する方向に付勢し、油圧駆動部81による押圧力が戻しバネ82の弾性力を下回った際に、ディスク62に向けて押し出された支持部材65を元の位置に戻す。
このような軸力伝達断続部8は、油圧駆動部81で作動油を油室68に送り込むと、支持部材65がディスク62側に押し出され、パッド63がディスク62に接近する。図3に示すように、パッド63をディスク62に摺接または当接させることで、前述したように、第二スラスト軸受6はプロペラ駆動軸4(回転軸61)に作用するスラスト力を支持し、軸受ハウジング64を介して船体2に伝達する。なお、第二スラスト軸受6でスラスト力を支持するときには、ディスク62から作用するスラスト力によってパッド63がディスク62から離間する方向に移動しないように、支持部材65の位置を、適宜のストッパ機構(図示無し)によって拘束するようにしてもよい。
軸力伝達断続部8は、油圧駆動部81における油室68への作動油の送給を停止すると、戻しバネ82の弾性力によって、パッド63がディスク62から離れる。すると、第二スラスト軸受6においては、船体2へのプロペラ駆動軸4のスラスト力の伝達が遮断される。
図1に示すように、軸連結断続部7は、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを断続する。言い換えれば、軸連結断続部7は、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを連結した状態と、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを分離した状態とを切り替え可能になっている。軸連結断続部7は、連結部材71を備える。連結部材71は、プロペラ駆動軸4(回転軸61)の船首尾方向Da前方の端部に設けられたフランジ78と、出力軸34の船首尾方向Da後方の端部に設けられたフライホイール37との間に配置されている。連結部材71は、円盤状で、船首尾方向Daに直交する面内に位置する。連結部材71は、フランジ78とフライホイール37とに、ボルト(図示無し)等の固定部材によって、着脱可能に設けられている。
このような軸連結断続部7では、連結部材71を、フランジ78とフライホイール37との間に装着すると、出力軸34とプロペラ駆動軸4とが連結される。図3に示すように、軸連結断続部7では、連結部材71を、フランジ78とフライホイール37との間から取り外せば、出力軸34とプロペラ駆動軸4とが切り離される。このように、軸連結断続部7は、連結部材71の着脱によって、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを断続する。
次に、上記船舶1Aの航行方法について説明する。
図4は、この発明の第一から第四実施形態における船舶の航行方法の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、第一実施形態における船舶1Aの航行方法では、主機航行工程S1と、不具合発生判定工程S2と、切替工程S3と、電動機航行工程S4と、を含む。
主機航行工程S1では、船舶1Aを、主機3によりプロペラ駆動軸4を回転させる通常航行モード(第一航行モード)で航行させる。この通常航行モードでは、図1に示すように、軸連結断続部7で、連結部材71により、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを連結する。また、軸力伝達断続部8では、パッド63をディスク62から離間させ、第二スラスト軸受6を介したプロペラ駆動軸4のスラスト力の船体2への伝達を遮断した状態とする。この状態で、主機3により出力軸34を回転駆動する。すると、出力軸34の回転がプロペラ駆動軸4に伝達され、プロペラ42が回転する。プロペラ42の回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸4、出力軸34から第一スラスト軸受35のみを介して船舶1Aに伝達される。これにより、船舶1Aが推進される。
不具合発生判定工程S2では、主機3に不具合等が発生しているか否かを判定する。この判定は、船舶1Aに設けられた主機3の監視モニター等によって自動的に行ってもよいし、主機3のオペレオーターの判断により行ってもよい。
主機3に不具合等が発生していなければ、主機航行工程S1を継続する。
主機3に不具合等が発生していた場合、切替工程S3に移行する。
切替工程S3では、船舶1Aの航行モードを、通常航行モードから非常用航行モード(第二航行モード)に切り替えるため、各部の切替作業を行う。切替工程S3では、図3に示すように、軸連結断続部7で、連結部材71を取り外し、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを切り離す。また、軸力伝達断続部8では、パッド63をディスク62に接近させ、第二スラスト軸受6を介してプロペラ駆動軸4のスラスト力を船体2に伝達できる状態とする。
切替工程S3の完了後、電動機航行工程S4に移行する。電動機航行工程S4では、船舶1Aを、非常用航行モードで航行させる。非常用航行モードでは、電動機5によりプロペラ駆動軸4を回転駆動し、プロペラ42を回転させる。これにより、船舶1Aが推進される。このとき、プロペラ42で発生する推力によるプロペラ駆動軸4のスラスト力は、第二スラスト軸受6のみを介して船体2に伝達される。この状態で、出力軸34とプロペラ駆動軸4とが切り離されているので、主機3が停止しても、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転させることで、船舶1Aが航行される。
したがって、上述した第一実施形態によれば、主機3で出力軸34を回転駆動する場合には、軸連結断続部7で出力軸34とプロペラ駆動軸4とを連結することで、プロペラ42が回転し、船舶1Aが推進される。また、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転駆動する場合、軸連結断続部7で、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを切り離す。この状態で、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転駆動すると、プロペラ42が回転する。これにより、船舶1Aが推進される。
このようにして、出力軸34とプロペラ駆動軸4とを切り離すことで、主機3が停止しても、電動機5で船舶1Aを航行させることができる。このようにして、1本のプロペラ駆動軸4に、1台の主機3を設けた船舶1Aにおいて、構成を複雑化することなしに冗長性を高めることが可能となる。
また、軸連結断続部7では、連結部材71の着脱によって、出力軸34とプロペラ駆動軸4との連結を容易に断続することができる。このように、簡易な構成で出力軸34とプロペラ駆動軸4とを断続することができる。これにより、複雑なクラッチ機構等を用いることなく、低コストで主機3の冗長性を高めることができる。
第一実施形態では、さらに、第二スラスト軸受6を介したプロペラ駆動軸4のスラスト力の船体2への伝達を断続する軸力伝達断続部8をさらに備えるようにした。このような構成によれば、軸力伝達断続部8で、第二スラスト軸受6を介したプロペラ駆動軸4のスラスト力の船体2への伝達を遮断すれば、プロペラ駆動軸4のスラスト力を、第一スラスト軸受35のみを介して船体2に伝達することができる。また、軸力伝達断続部8で、第二スラスト軸受6を介したプロペラ駆動軸4のスラスト力を船体2に伝達するようにすれば、軸連結断続部7で出力軸34とプロペラ駆動軸4とを切り離した状態で、プロペラ駆動軸4のスラスト力を、第二スラスト軸受6のみを介して船体2に伝達することができる。このようにして、軸力伝達断続部8と軸連結断続部7とにより、船体2へのスラスト力の伝達を、第一スラスト軸受35と、第二スラスト軸受6との間で切り替えることができる。
第一実施形態では、さらに、船舶1Aは、主機3で出力軸34を回転させる通常航行モードと、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転させる非常用航行モードとを切り替え可能とした。これにより、通常航行モードで主機3が停止した場合に、非常用航行モードに切り替えることで、船舶1Aの航行を継続させることができる。
第一実施形態では、さらに、軸力伝達断続部8は、第二スラスト軸受6のディスク62に対しパッド63を接近及び離間させるようにした。これにより、第二スラスト軸受6を介したプロペラ駆動軸4のスラスト力の船体2側への伝達を、容易に遮断することができる。
第一実施形態では、さらに、電動機5をプロペラ駆動軸4に設けるようにした。これにより、電動機5でプロペラ駆動軸4をダイレクトに駆動することができ、簡易な構成とすることができる。
上記第一実施形態では、軸力伝達断続部8において、油圧シリンダー等の油圧駆動部81で、パッド63をディスク62に対して接近及び離間させるようにしたが、この構成に限られない。パッド63をディスク62に対して接近及び離間させることができる構成であれば、油圧シリンダー以外の各種のアクアチュエーターや、ボルト等を用いてもよい。
また、第二スラスト軸受6において、パッド63やディスク62を着脱することで、第二スラスト軸受6を介したプロペラ駆動軸4のスラスト力の船体2への伝達を断続するようにしてもよい。
さらに、電動機5をプロペラ駆動軸4に設けずに、後述する第四実施形態の電動機5Dのように、プロペラ駆動軸4とは別に設けるようにしてもよい。この場合、後述する第四実施形態のように、駆動力伝達機構90を介して、電動機5Dの回転駆動力をプロペラ駆動軸4に伝達するようにすればよい。駆動力伝達機構90を設けた場合、第二スラスト軸受6は、駆動力伝達機構90の内部に設けてもよい。
(第二実施形態)
次に、この発明の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と一部の構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図5は、この発明の第二実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。図6は、上記船舶の第二実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。
図5に示すように、この実施形態における船舶1Bは、船体2と、主機3Bと、プロペラ駆動軸4と、電動機5と、スラスト軸受9と、軸連結断続部7と、を主に備える。
主機3Bは、船体2内に設けられる。主機3Bは、エンジンハウジング31と、クランク軸32と、ピストン33と、出力軸34Bと、を備える。
出力軸34Bは、船首尾方向Daに延びている。出力軸34Bは、クランク軸32に連結されている。出力軸34Bは、その中心軸周りに回転自在に支持されている。出力軸34Bは、船首尾方向Da後方の端部がエンジンハウジング31の外部に突出している。出力軸34Bの船首尾方向Da後方の端部には、円盤状のフライホイール37が設けられている。出力軸34Bは、主機3Bを作動させてクランク軸32が回転されると、クランク軸32と一体に回転駆動される。
なお、主機3Bに、上記第一実施形態における主機3のように第一スラスト軸受35が設けられている場合、第一スラスト軸受35を取り外すか、第一スラスト軸受35のパッドやディスクを取り外し、スラスト軸受機能を発揮しない状態とする。または、スラスト軸受9を備えたプロペラ駆動軸4と第一スラスト軸受35を備えた出力軸34Bの間に変速機(伝達機)を設けて、プロペラ駆動軸4のスラスト力が出力軸34Bに伝達しないようにする。
プロペラ駆動軸4は、船首尾方向Daに延びている。プロペラ駆動軸4は、プロペラ軸41と、電動機軸51と、回転軸61Bと、を備えている。
プロペラ軸41の後端には、プロペラ42が一体に固定されている。プロペラ42は、プロペラ軸41がその中心軸周りに回転駆動されることで所定方向に回転し、船体2を推進する推力を発揮する。
電動機5は、船体2内に設けられている。電動機5は、電動機軸51と、ローター52と、ステーター53と、を備える。
スラスト軸受9は、船体2内でプロペラ駆動軸4上に設けられている。この実施形態では、スラスト軸受9は、電動機5と主機3Bとの間に設けられている。なお、スラスト軸受9は、プロペラ駆動軸4上であれば、電動機5よりも船首尾方向Daの船尾側に設けてもよい。
スラスト軸受9は、回転軸61Bと、ディスク62と、パッド63Bと、を備えている。
スラスト軸受9は、プロペラ駆動軸4(回転軸61B)に作用するスラスト力を支持し、軸受ハウジング64を介して船体2に伝達する。この第二実施形態において、パッド63Bは、上記第一実施形態における第二スラスト軸受6のパッド63のように、ディスク62に対して接近及び離間せず、船首尾方向Daにおける位置は固定されている。
軸連結断続部7は、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とを断続する。軸連結断続部7は、連結部材71を備える。連結部材71は、プロペラ駆動軸4(回転軸61B)の船首尾方向Da前方の端部に設けられたフランジ78と、出力軸34Bの船首尾方向Da後方の端部に設けられたフライホイール37との間に配置されている。連結部材71は、フランジ78とフライホイール37とに、ボルト(図示無し)等の固定部材によって、着脱可能に設けられている。
このような軸連結断続部7では、連結部材71をフランジ78とフライホイール37との間に装着すると、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とが連結される。図6に示すように、連結部材71を、フランジ78とフライホイール37との間から取り外せば、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とが切り離される。このように、軸連結断続部7では、連結部材71の着脱によって、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4との連結が断続される。
次に、上記船舶1Bの航行方法について説明する。
図4に示すように、この第二実施形態における船舶1Bの航行方法では、主機航行工程S11と、不具合発生判定工程S12と、切替工程S13と、電動機航行工程S14と、を含む。
主機航行工程S11では、船舶1Bを、主機3Bによりプロペラ駆動軸4を回転させる通常航行モード(主機航行モード)で航行させる。この通常航行モードでは、図5に示すように、軸連結断続部7で、連結部材71により、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とを連結する。この状態で、主機3Bにより出力軸34Bを回転駆動する。すると、出力軸34Bの回転がプロペラ駆動軸4に伝達され、プロペラ42が回転する。プロペラ42の回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸4からスラスト軸受9のみを介して船舶1Bに伝達される。これにより、船舶1Bが推進される。
不具合発生判定工程S12では、主機3Bに不具合等が発生しているか否かを判定する。この判定は、船舶1Bに設けられた主機3Bの監視モニター等によって自動的に行ってもよいし、主機3Bのオペレオーターの判断により行ってもよい。
主機3Bに不具合等が発生していなければ、主機航行工程S11を継続する。
主機3Bに不具合等が発生していた場合、切替工程S13に移行する。
切替工程S13では、船舶1Bの航行モードを、通常航行モードから非常用航行モード(電動機航行モード)に切り替えるため、各部の切替作業を行う。切替工程S13では、図6に示すように、軸連結断続部7で連結部材71を取り外し、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とを切り離す。
切替工程S13の完了後、電動機航行工程S14に移行する。電動機航行工程S14では、船舶1Bを、非常用航行モードで航行させる。非常用航行モードでは、電動機5によりプロペラ駆動軸4を回転駆動し、プロペラ42を回転させる。これにより、船舶1Bが推進される。このとき、プロペラ42で発生する推力によるプロペラ駆動軸4のスラスト力は、スラスト軸受9のみを介して船体2に伝達される。この状態で、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とが切り離されているので、主機3Bが停止しても、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転させることで、船舶1Bが航行される。
したがって、上述した第二実施形態によれば、主機3Bで出力軸34Bを回転駆動する場合には、軸連結断続部7で出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とを連結する。この状態で、主機3Bで出力軸34Bを回転駆動することで、プロペラ42が回転し、船舶1Bが推進される。
また、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転駆動する場合、軸連結断続部7で、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とを切り離す。この状態で、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転駆動すると、プロペラ42が回転する。これにより、船舶1Bが推進される。
このようにして、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とを切り離すことで、主機3Bが停止しても、電動機5で船舶1Bを航行させることができる。このようにして、1本のプロペラ駆動軸4に、1台の主機3Bを設けた船舶1Bにおいて、構成を複雑化することなしに冗長性を高めることが可能となる。
また、軸連結断続部7では、連結部材71の着脱によって、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4との連結を容易に断続することができる。このような構成によれば、簡易な構成により、出力軸34Bとプロペラ駆動軸4とを断続することができる。これにより、複雑なクラッチ機構等を用いることなく、低コストで主機3Bの冗長性を高めることができる。
第二実施形態の船舶1Bでは、プロペラ駆動軸4のスラスト力を常に船体2に伝達するスラスト軸受9をさらに備える。このように構成することで、主機3Bで出力軸34Bを介してプロペラ駆動軸4を回転駆動する場合と、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転駆動する場合とで、スラスト軸受9によって、プロペラ駆動軸4のスラスト力を常に船体2に伝達することができる。このような構成では、上記第一実施形態で示したような軸力伝達断続部8が不要であり、スラスト軸受9を簡易な構成とすることができる。
第二実施形態の船舶1Bでは、主機3Bで出力軸34Bを回転させる通常航行モードと、電動機5でプロペラ駆動軸4を回転させる非常用航行モードとを切り替え可能とした。これにより、通常航行モードで主機3Bが停止しても、非常用航行モードに切り替えることで、船舶1Bの航行を継続させることができる。
第二実施形態では、さらに、電動機5をプロペラ駆動軸4に設けるようにした。これにより、電動機5でプロペラ駆動軸4をダイレクトに駆動することができ、簡易な構成とすることができる。
なお、第二実施形態では、第一実施形態と同様に、電動機5をプロペラ駆動軸4に設けずに、後述する第四実施形態の電動機5Dのように、プロペラ駆動軸4とは別に設けるようにしてもよい。この場合、後述する第四実施形態のように、駆動力伝達機構90を介して、電動機5Dの回転駆動力をプロペラ駆動軸4に伝達するようにすればよい。駆動力伝達機構90を設けた場合、スラスト軸受9は、駆動力伝達機構90の内部に設けてもよい。
(第三実施形態)
次に、この発明の第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第二実施形態と変速機10を備える構成のみが異なるので、第一、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図7は、この発明の第三実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。図8は、上記船舶の第三実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。
図7に示すように、この実施形態の船舶1Cは、船体2と、主機3Bと、プロペラ駆動軸4Cと、電動機5Cと、スラスト軸受9Cと、軸連結断続部7Cと、変速機(伝達機)10と、を主に備える。
主機3Bは、船体2内に設けられる。主機3Bは、エンジンハウジング31と、クランク軸32と、ピストン33と、出力軸34Cと、を備える。
出力軸34Cは、船首尾方向Daに延びている。出力軸34Cは、クランク軸32に連結されている。出力軸34Cは、その中心軸周りに回転自在に支持されている。出力軸34Cは、船首尾方向Da後方の端部がエンジンハウジング31の外部に突出している。出力軸34Cの船首尾方向Da後方の端部には、円盤状のフライホイール37が設けられている。出力軸34Cは、主機3Bを作動させてクランク軸32が回転されると、クランク軸32と一体に回転駆動される。
出力軸34Cは、上記第一実施形態と同様、第一スラスト軸受35を介してクランク軸32に連結されている。
プロペラ駆動軸4Cは、船首尾方向Daに延びている。
プロペラ駆動軸4Cの後端には、プロペラ42が一体に固定されている。プロペラ42は、プロペラ駆動軸4Cがその中心軸周りに回転駆動されることで所定方向に回転し、船体2を推進する推力を発揮する。
スラスト軸受9Cは、船体2内でプロペラ駆動軸4Cに設けられている。この第三実施形態のスラスト軸受9Cは、変速機10の中に配置されている。スラスト軸受9Cは、ディスク62と、パッド63Bと、を備えている。スラスト軸受9Cは、プロペラ駆動軸4Cに作用するスラスト力を支持して船体2に伝達する。なお、スラスト軸受9Cは、変速機10の外部(船尾側)に配置してもよい。
変速機(伝達機)10は、出力軸34Cとプロペラ駆動軸4Cとの間に設けられている。変速機10の入力軸11には、出力軸34Cが接続されている。変速機10の出力側には、プロペラ駆動軸4Cが連結されている。
変速機10は、入力軸11に接続された出力軸34Cの回転を、図示しない歯車等を介してプロペラ駆動軸4Cに伝達する。変速機10は、入力軸11から入力される出力軸34Cの回転を、増速又は減速してプロペラ駆動軸4Cに伝達する。
なお、変速機10は、入力軸11から入力される出力軸34Cの回転を、増速又は減速せず、等速のままプロペラ駆動軸4Cに伝達するようにしてもよい。
電動機5Cは、船体2内でプロペラ駆動軸4Cとは別に設けられている。この第三実施形態の電動機5Cは、電動機軸51を介して変速機10に接続されている。
このような電動機5Cは、例えば、船体2内から供給された電力によって回転磁界を発生させる。この回転磁界により電動機軸51が回転する。この電動機軸51の回転は変速機10を介してプロペラ駆動軸4Cに伝達される。この場合、電動機5Cは、非常用の推進電動機として機能する。
電動機5Cは、主機3の出力軸34の回転がプロペラ駆動軸4Cに伝達されると、電動機軸51も回転する。すると、電動機5Cは、電動機軸51へ伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機(言い換えれば、軸発電機)として機能する。このようにして電動機5Cで発生した電力は、船体2内に供給される。
電動機5Cは、主機3の出力軸34の回転が伝達されることでプロペラ駆動軸4Cが回転駆動されるときに、船体2内から供給された電力によって回転磁界を発生させて電動機軸51に回転エネルギーを付与することで、変速機10を介してプロペラ駆動軸4Cの回転をアシストすることもできる。ここで、変速機10は、電動機軸51の回転を減速させてからプロペラ駆動軸4Cへ伝達している。このようにすることで、電動機5Cをより高回転域で運用することができるため、より小型の電動機5Cを用いることができる。
軸連結断続部7Cは、出力軸34Cと変速機10との間に設けられている。軸連結断続部7Cは、変速機10の入力軸11と出力軸34Cとを断続することによって、出力軸34Cとプロペラ駆動軸4Cとを断続する。軸連結断続部7Cは、ダンパーディスク等からなる、変速機連結部材(伝達機連結部材)71Cを備える。変速機連結部材71Cは、変速機10の入力軸11の船首尾方向Da前方の端部に設けられたフランジ78Cと、出力軸34Cの船首尾方向Da後方の端部に設けられたフライホイール37との間に配置されている。変速機連結部材71Cは、フランジ78Cとフライホイール37とに、ボルト(図示無し)等の固定部材によって、着脱可能に設けられている。
このような軸連結断続部7Cでは、変速機連結部材71Cをフランジ78Cとフライホイール37との間に装着すると、変速機10の入力軸11と出力軸34Cとが連結され、出力軸34Cの回転が変速機10を介してプロペラ駆動軸4Cに伝達される。図8に示すように、変速機連結部材71Cを、フランジ78Cとフライホイール37との間から取り外せば、変速機10の入力軸11とプロペラ駆動軸4Cとが切り離される。このように、軸連結断続部7Cでは、変速機連結部材71Cの着脱によって、出力軸34Cとプロペラ駆動軸4Cとが断続される。
次に、上記船舶1Cの航行方法について説明する。
図4に示すように、この第三実施形態における船舶1Cの航行方法は、主機航行工程S21と、不具合発生判定工程S22と、切替工程S23と、電動機航行工程S24と、を備える。
主機航行工程S21は、船舶1Cを、主機3Bによりプロペラ駆動軸4Cを回転させる通常航行モード(主機航行モード)で航行させる。通常航行モードでは、図7に示すように、軸連結断続部7Cで、変速機連結部材71Cにより出力軸34Cと入力軸11とを連結する。この状態で、主機3Bにより出力軸34Cを回転駆動する。すると、出力軸34Cの回転が、変速機10を介してプロペラ駆動軸4Cに伝達され、プロペラ42が回転する。プロペラ42の回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸4Cからスラスト軸受9Cのみを介して船舶1Cに伝達される。これにより、船舶1Cが推進される。
不具合発生判定工程S22では、主機3Bに不具合等が発生しているか否かを判定する。この判定は、船舶1Cに設けられた主機3Bの監視モニター等によって自動的に行ってもよいし、主機3Bのオペレオーターの判断により行ってもよい。
主機3Bに不具合等が発生していなければ、主機航行工程S21を継続する。
主機3Bに不具合等が発生していた場合、切替工程S23に移行する。
切替工程S23では、船舶1Cの航行モードを、通常航行モードから非常用航行モード(電動機航行モード)に切り替えるため、各部の切替作業を行う。切替工程S23では、図8に示すように、軸連結断続部7Cで、変速機連結部材71Cを取り外し、出力軸34Cと変速機10の入力軸11とを切り離すことによって、出力軸34Cと入力軸11とを切り離す。
切替工程S23の完了後、電動機航行工程S24に移行する。電動機航行工程S24では、船舶1Cを、非常用航行モードで航行させる。非常用航行モードでは、電動機5Cによりプロペラ駆動軸4Cを回転駆動し、プロペラ42を回転させる。これにより、船舶1Cが推進される。このとき、プロペラ42で発生する推力によるプロペラ駆動軸4Cのスラスト力は、スラスト軸受9Cのみを介して船体2に伝達される。この状態で、出力軸34Cとプロペラ駆動軸4Cとが切り離されているので、主機3Bが停止しても、電動機5Cでプロペラ駆動軸4Cを回転させることで、船舶1Cが航行される。
したがって、上述した第三実施形態によれば、主機3Bで出力軸34Cを回転駆動する場合には、軸連結断続部7Cで出力軸34Cと入力軸11とを連結することができる。この状態で、主機3Bで出力軸34Cを回転駆動することで、プロペラ42が回転し、船舶1Cが推進される。
また、電動機5Cでプロペラ駆動軸4Cを回転駆動する場合、軸連結断続部7Cで、出力軸34Cと入力軸11とを切り離すことができる。この状態で、電動機5Cでプロペラ駆動軸4Cを駆動することでプロペラ42が回転され、船舶1Cを推進できる。
このようにして、出力軸34Cと入力軸11とを切り離すことで、主機3Bが停止しても、電動機5Cで船舶1Cを航行させることができる。その結果、1本のプロペラ駆動軸4Cに1台の主機3Bを設けた構成において、船舶1Cの冗長性を高めることが可能となる。
また、軸連結断続部7Cでは、変速機連結部材71Cの着脱によって、出力軸34Cと入力軸11との連結を容易に断続することができる。そのため、簡易な構成により、出力軸34Cと入力軸11とを断続することができる。これにより、複雑なクラッチ機構等を用いることなく、低コストで冗長性を高めることができる。
第三実施形態の船舶1Cでは、プロペラ駆動軸4Cのスラスト力を常に船体2に伝達するスラスト軸受9Cをさらに備えている。このように構成することで、主機3Bで出力軸34Cを介してプロペラ駆動軸4Cを回転駆動する場合と、電動機5Cでプロペラ駆動軸4Cを回転駆動する場合との両方の場合で、プロペラ駆動軸4Cのスラスト力をスラスト軸受9Cにより常に船体2に伝達することができる。
また、軸連結断続部7Cは、出力軸34Cと変速機10との間に設けられた変速機連結部材71Cを着脱することで、出力軸34Cと入力軸11とを断続する。
このように構成することで、主機3Bが停止しても、電動機5Cでプロペラ駆動軸4Cを回転させることで、船舶1Cを航行させることができる。
第三実施形態の船舶1Cでは、主機3Bで出力軸34Cを回転させる航行モードと、電動機5Cでプロペラ駆動軸4Cを回転させる航行モードとを切り替え可能とした。これにより、主機3Bが停止しても、電動機5Cでプロペラ駆動軸4Cを回転させることで、船舶1Cの航行を継続させることができる。
なお、上記第三実施形態において、電動機5Cをプロペラ駆動軸4Cとは別の軸上に設けるようにした。しかし、電動機5Cは、プロペラ駆動軸4Cを回転させることができるのであれば、第一実施形態のように電動機5Cをプロペラ駆動軸4C上に設けるようにしてもよい。また、電動機5Cは、変速機10よりも船首尾方向Daの前方、例えば変速機10と軸連結断続部7Cとの間の入力軸11等に設けるようにしてもよい。
(第四実施形態)
次に、この発明の第四実施形態について説明する。以下に説明する第四実施形態においては、第一、第二実施形態に対して、電動機5Dを、プロペラ駆動軸4Dとは別に並列に設ける構成が主に異なるので、第一、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図9は、この発明の第四実施形態における船舶の船尾部の概略構成を示す模式図であり、主機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す図である。
図9に示すように、この実施形態の船舶1Dは、船体2と、主機3と、主機側スラスト軸受35Dと、プロペラ駆動軸4Dと、電動機5Dと、軸連結断続部7と、駆動力伝達機構90と、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96と、を主に備える。
主機3は、船体2内に設けられる。主機3は、エンジンハウジング31と、クランク軸32と、ピストン33と、出力軸34Dと、を備える。
出力軸34Dは、船首尾方向Daに延びている。出力軸34Dは、主機側スラスト軸受35Dを介してクランク軸32に連結されている。出力軸34Dは、その中心軸周りに回転自在に支持されている。出力軸34Dは、船首尾方向Da後方の端部がエンジンハウジング31の外部に突出している。出力軸34Dの船首尾方向Da後方の端部には、円盤状のフライホイール37が設けられている。出力軸34Dは、主機3を作動させてクランク軸32が回転されると、クランク軸32と一体に回転駆動される。
主機側スラスト軸受35Dは、主機3のクランク軸32と出力軸34Dとの間に設けられている。主機側スラスト軸受35Dは、エンジンハウジング31内に設けられている。主機側スラスト軸受35Dは、出力軸34D側から伝達される、出力軸34Dに生じる軸方向(船首尾方向Da)のスラスト力を支持する。これにより、主機側スラスト軸受35Dは、出力軸34D側から伝達されるスラスト力を、エンジンハウジング31を介して船体2に伝達する。また、主機側スラスト軸受35Dは、船首尾方向Daにクリアランスを有し、出力軸34Dの軸方向の熱伸びや変形が、船首尾方向Daに直交する方向に動作するピストン33やクランク軸32に及ぶのを抑える。
プロペラ駆動軸4Dは、船首尾方向Daに延びている。プロペラ駆動軸4Dは、プロペラ軸41と、回転軸91と、を備えている。
プロペラ軸41は、船首尾方向Daに延びている。プロペラ42は、プロペラ軸41がその中心軸周りに回転駆動されることで所定方向に回転し、船体2を推進する推力を発揮する。
軸連結断続部7は、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを断続する。言い換えれば、軸連結断続部7は、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを連結した状態と、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを分離した状態とを切り替え可能になっている。軸連結断続部7は、連結部材71を備える。連結部材71は、プロペラ駆動軸4D(回転軸91)の船首尾方向Da前方の端部に設けられたフランジ78と、出力軸34Dの船首尾方向Da後方の端部に設けられたフライホイール37との間に配置されている。連結部材71は、円盤状で、船首尾方向Daに直交する面内に位置する。連結部材71は、フランジ78とフライホイール37とに、ボルト(図示無し)等の固定部材によって、着脱可能に設けられている。
図10は、上記船舶の第四実施形態において、電動機によりプロペラ駆動軸を回転駆動させる状態を示す模式図である。
このような軸連結断続部7では、連結部材71を、フランジ78とフライホイール37との間に装着すると、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとが連結される。図10に示すように、軸連結断続部7では、連結部材71を、フランジ78とフライホイール37との間から取り外せば、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとが切り離される。このように、軸連結断続部7は、連結部材71の着脱によって、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを断続する。
電動機5Dは、船体2内に設けられている。電動機5Dは、プロペラ駆動軸4Dとは別に設けられている。電動機5Dは、電動機軸51Dと、ローター52Dと、ステーター53Dと、を備える。
電動機軸51Dは、プロペラ駆動軸4Dに対し、船首尾方向Daと交差する方向に間隔をあけて並列に設けられている。電動機軸51Dは、船体2に固定された電動機ハウジング54Dに、船首尾方向Daに延びる中心軸回りに回転自在に支持されている。電動機軸51Dの船首尾方向Daの一端は、後述する駆動力伝達機構90に接続されている。
ローター52Dは、電動機軸51Dと一体に設けられている。ステーター53Dは、ローター52Dの径方向外側に設けられている。ステーター53Dは、電動機ハウジング54Dに固定されている。
電動機5Dは、例えば、船体2内から供給された電力によって回転磁界を発生させる。この回転磁界によりステーター53Dの内側でローター52Dが回転する。このローター52Dの回転により、電動機軸51Dが回転駆動される。
駆動力伝達機構90は、電動機5Dの回転駆動力をプロペラ駆動軸4Dに伝達する。駆動力伝達機構90は、回転軸91と、伝達ギヤ92、93と、ハウジング94と、を備える。
回転軸91は、船体2に固定されたハウジング94に、船首尾方向Daに延びる中心軸回りに回転自在に支持されている。回転軸91の船首尾方向Da後方の一端は、プロペラ軸41に接続されている。
伝達ギヤ92は、電動機軸51Dに設けられている。伝達ギヤ93は、回転軸91に設けられ、伝達ギヤ92と噛み合っている。これにより、電動機5Dによって電動機軸51Dが回転駆動されると、その回転が、伝達ギヤ92、93を介して回転軸91に伝達される。なお、伝達ギヤ92、93の歯数を調整することで、電動機軸51Dの回転を、増速、減速して回転軸91に伝達することもできる。伝達ギヤ92、93の歯数を等しくすれば、電動機軸51Dの回転は回転軸91に等速で伝達される。
このようにして、電動機5Dの回転駆動力が駆動力伝達機構90を介して回転軸91に伝達されることで、プロペラ駆動軸4Dが回転駆動される。プロペラ駆動軸4Dの回転により、プロペラ42が回転され、推力が発生する。この場合、電動機5Dは、非常用の推進電動機として機能する。
また、電動機5Dは、主機3の出力軸34Dの回転がプロペラ駆動軸4Dに伝達されると、駆動力伝達機構90を介してプロペラ駆動軸4D(回転軸91)の回転がローター52Dに伝達される。これにより、ステーター53Dの径方向内側で、ローター52Dが回転する。すると、電動機5Dは、ローター52Dへ伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機(言い換えれば、軸発電機)として機能する。このようにして電動機5Dで発生した電力は、船体2内に供給される。
また、電動機5Dは、主機3の出力軸34Dの回転が伝達されることでプロペラ駆動軸4Dが回転駆動されるときに、船体2内から供給された電力によって回転磁界を発生させてローター52Dに回転エネルギーを付与することで、プロペラ駆動軸4Dの回転をアシストすることもできる。
プロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、船体2内に設けられている。プロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、プロペラ駆動軸4D(回転軸91)上に設けられている。プロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、例えば、駆動力伝達機構90のハウジング94内に設けられている。プロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、軸受ディスク97と、軸受パッド98と、を備えている。
軸受ディスク97は、プロペラ駆動軸4D(回転軸91)に設けられている。軸受ディスク97は、円盤状で、回転軸91の外周面から径方向外側に延びている。軸受ディスク97は、回転軸91と一体に回転する。
軸受パッド98は、船首尾方向Daにおける軸受ディスク97の両側に、それぞれ配置されている。さらに、これら軸受パッド98は、それぞれ、プロペラ駆動軸4Dの中心軸を中心とした周方向に間隔をあけて複数設けられている。
軸受パッド98は、軸受ディスク97に対してプロペラ駆動軸4Dの軸方向(船首尾方向Da)に隙間100をあけて設けられている。この隙間100は、プロペラ駆動軸4Dに生じる熱伸びを吸収するため、主機側スラスト軸受35Dに設けられた船首尾方向Daのクリアランスよりも大きな間隙寸法Xを有している。また、この隙間100は、連結部材71の船首尾方向Daにおける厚みよりも小さく設定されている。
図9に示すように、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、軸連結断続部7で連結部材71を出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとの間に装着した状態では、軸受ディスク97と軸受パッド98との間に隙間100が形成される。
図10に示すように、軸連結断続部7で連結部材71を出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとの間から取り外すと、プロペラ42の回転によって得られる推力により、プロペラ駆動軸4Dは軸方向の力(推力)によって、軸方向(推進方向)に沿って船首尾方向Da前方に変位する。すると、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96において、軸受ディスク97と軸受パッド98との隙間100が狭まり、軸受ディスク97が軸受パッド98に突き当たる(摺接した状態を含む)ようになっている。
複数の軸受パッド98は、軸受ディスク97に対して突き当たった状態で、回転軸91と一体に回転する軸受ディスク97を回転自在に支持する。これにより、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、プロペラ駆動軸4D(回転軸91)に作用するスラスト力を支持する。プロペラ駆動軸4Dに、プロペラ42の回転によって発生した推力がスラスト力として作用した場合、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、推力を、ハウジング94を介して船体2に伝達する。
次に、上記船舶1Dの航行方法について説明する。
図4に示すように、第四実施形態における船舶1Dの航行方法では、主機航行工程S31と、不具合発生判定工程S32と、切替工程S33と、電動機航行工程S34と、を含む。
主機航行工程S31では、船舶1Dを、主機3によりプロペラ駆動軸4Dを回転させる通常航行モード(主機航行モード)で航行させる。この通常航行モードでは、図9に示すように、軸連結断続部7で、連結部材71により、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを連結する。この状態で、主機3により出力軸34Dを回転駆動する。すると、出力軸34Dの回転がプロペラ駆動軸4Dに伝達され、プロペラ42が回転する。このとき、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96では、軸受ディスク97と軸受パッド98との間に隙間100が形成されている。プロペラ42の回転によって発生する推力は、プロペラ駆動軸4D、出力軸34Dから主機側スラスト軸受35Dのみを介して船舶1Dに伝達される。これにより、船舶1Dが推進される。
不具合発生判定工程S32では、主機3に不具合等が発生しているか否かを判定する。この判定は、船舶1Dに設けられた主機3の監視モニター等によって自動的に行ってもよいし、主機3のオペレオーターの判断により行ってもよい。
主機3に不具合等が発生していなければ、主機航行工程S31を継続する。
主機3に不具合等が発生していた場合、切替工程S33に移行する。
切替工程S33では、船舶1Dの航行モードを、通常航行モードから非常用航行モード(電動機航行モード)に切り替えるため、各部の切替作業を行う。切替工程S33では、図10に示すように、軸連結断続部7で、連結部材71を取り外し、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを切り離す。
切替工程S33の完了後、電動機航行工程S34に移行する。電動機航行工程S34では、船舶1Dを、非常用航行モードで航行させる。非常用航行モードでは、電動機5Dにより、駆動力伝達機構90を介してプロペラ駆動軸4Dを回転駆動し、プロペラ42を回転させる。これにより、船舶1Dが推進される。このとき、図10に示すように、プロペラ42の回転によって得られる推力により、プロペラ駆動軸4Dが、船首尾方向Da前方に変位する。これにより、軸受ディスク97と軸受パッド98とが突き当たり、プロペラ駆動軸4Dの軸方向の力が、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96を介して船体2に伝達される。このようにして、プロペラ42で発生する推力によるプロペラ駆動軸4Dのスラスト力は、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96のみを介して船体2に伝達される。この状態で、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとが切り離されているので、主機3が停止しても、電動機5Dでプロペラ駆動軸4Dを回転させることで、船舶1Dが航行される。
したがって、上述した第四実施形態によれば、主機3で出力軸34Dを回転駆動する場合には、軸連結断続部7で出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを連結することで、プロペラ42が回転し、船舶1Dが推進される。また、電動機5Dでプロペラ駆動軸4Dを回転駆動する場合、軸連結断続部7で、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを切り離す。この状態で、電動機5Dでプロペラ駆動軸4Dを回転駆動すると、プロペラ42が回転する。これにより、船舶1Dが推進される。
このようにして、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを切り離すことで、主機3が停止しても、電動機5Dで船舶1Dを航行させることができる。このようにして、1本のプロペラ駆動軸4Dに、1台の主機3を設けた船舶1Dにおいて、構成を複雑化することなしに冗長性を高めることが可能となる。
また、第四実施形態では、電動機5Dは、プロペラ駆動軸4Dとは別に設けられ、電動機5Dの回転駆動力をプロペラ駆動軸4Dに伝達する駆動力伝達機構90を備える。
このように構成することで、プロペラ駆動軸4Dとは別に設けた電動機5Dにより、プロペラ駆動軸4Dを回転駆動させることができる。このような構成において、電動機5Dの回転は、駆動力伝達機構90で減速して、電動機5Dをより高速で回転させるようにすれば、電動機5Dの効率を向上できるため、電動機5Dの小型化を図ることができる。
また、主機3で出力軸34Dを回転駆動するときには、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96では、軸受ディスク97と軸受パッド98との間に隙間100が形成されるので、プロペラ駆動軸4Dの軸方向の力は、主機側スラスト軸受35Dのみを介して船体2に伝達される。
また、電動機5Dによりプロペラ駆動軸4Dを回転駆動させるときには、プロペラ42の回転によって得られる推力により、プロペラ駆動軸4Dが船首尾方向Daに変位し、軸受ディスク97と軸受パッド98とが突き当たる。これによって、プロペラ駆動軸4Dの軸方向の力を、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96を介して船体2に伝達することができる。そのため、プロペラ駆動軸4Dの軸方向の力を、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96のみを介して船体2に伝達することができる。
このように、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96では、軸受ディスク97と軸受パッド98との間に隙間100を形成するという簡易な構成により、船体2へのスラスト力の伝達を、主機側スラスト軸受35Dと、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96との間で切り替えることができる。
また、軸連結断続部7では、連結部材71の着脱によって、出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとの連結を容易に断続することができる。このように、簡易な構成で出力軸34Dとプロペラ駆動軸4Dとを断続することができる。これにより、複雑なクラッチ機構等を用いることなく、低コストで主機3の冗長性を高めることができる。
第四実施形態では、さらに、船舶1Dは、主機3で出力軸34Dを回転させる通常航行モードと、電動機5Dでプロペラ駆動軸4Dを回転させる非常用航行モードとを切り替え可能とした。これにより、通常航行モードで主機3が停止した場合に、非常用航行モードに切り替えることで、船舶1Dの航行を継続させることができる。
なお、上記第四実施形態では、電動機5Dをプロペラ駆動軸4Dとは別に設けた構成において、プロペラ駆動軸側スラスト軸受96を備えるようにしたが、これに限らない。上記第四実施形態で示したプロペラ駆動軸側スラスト軸受96は、上記第一、第二実施形態の第二スラスト軸受6、スラスト軸受9に代えて備えるようにしてもよい。
(その他の変形例)
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、軸連結断続部7、7Cは、連結部材71、変速機連結部材71Cを着脱するようにしたが、これに限らない。例えば、連結部材71、変速機連結部材71Cを設ける部位は、フランジ78、78Cとフライホイール37との間に限らず、他の部位に設けてもよい。
1A、1B、1C、1D 船舶
2 船体
2b 船尾
3、3B 主機
4、4C、4D プロペラ駆動軸
5、5D 電動機
6 第二スラスト軸受
7、7C 軸連結断続部
8 軸力伝達断続部
9、9C スラスト軸受
10 変速機(伝達機)
10a 入力ギヤ
10b 出力ギヤ
10c 中間ギヤ
10o 出力側
11 入力軸
21 船尾船体
22 船底
23 傾斜面
31 エンジンハウジング
32 クランク軸
33 ピストン
34、34B、34C、34D 出力軸
35 第一スラスト軸受
35D 主機側スラスト軸受
36 コンロッド
37 フライホイール
41 プロペラ軸
42 プロペラ
51、51D 電動機軸
52、52D ローター
53、53D ステーター
54、54D 電動機ハウジング
61、61B、61C 回転軸
62 ディスク
63、63B パッド
64 軸受ハウジング
65 支持部材
68 油室
71 連結部材
71C 変速機連結部材(伝達機連結部材)
78、78C フランジ
81 油圧駆動部
82 戻しバネ
90 駆動力伝達機構
91 回転軸
92、93 伝達ギヤ
94 ハウジング
96 プロペラ駆動軸側スラスト軸受
97 軸受ディスク
98 軸受パッド
100 隙間
Da 船首尾方向
S1、S11、S21、S31 主機航行工程
S2、S12、S22、S32 不具合発生判定工程
S3、S13、S23、S33 切替工程
S4、S14、S24、S34 電動機航行工程

Claims (18)

  1. 船体と、
    前記船体内に設けられた主機と、
    前記主機により回転駆動される出力軸と、
    前記船体の外部に設けられたプロペラと、
    前記プロペラを回転させるプロペラ駆動軸と、
    前記プロペラ駆動軸を回転駆動させる電動機と、
    前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを断続する軸連結断続部と、
    を備える船舶。
  2. 前記軸連結断続部は、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に設けた連結部材を着脱することで、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを断続する
    請求項1に記載の船舶。
  3. 前記出力軸の軸方向の力を前記船体に伝達する第一スラスト軸受と、
    前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を前記船体に伝達する第二スラスト軸受と、
    前記第二スラスト軸受を介した前記プロペラ駆動軸の軸方向の力の前記船体への伝達を断続する軸力伝達断続部をさらに備える
    請求項2に記載の船舶。
  4. 前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを連結し、前記軸力伝達断続部で前記第二スラスト軸受を介した前記プロペラ駆動軸の軸方向の力の前記船体への伝達を遮断した状態で、前記主機により前記出力軸を回転駆動する第一航行モードと、
    前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離し、前記軸力伝達断続部で前記第二スラスト軸受を介して前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を前記船体に伝達する状態で、前記電動機により前記プロペラ駆動軸を回転駆動する第二航行モードと、
    を切り替え可能とした
    請求項3に記載の船舶。
  5. 前記第二スラスト軸受は、
    前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、
    前記船体側に支持されたパッドと、を備え、
    前記軸力伝達断続部は、前記ディスクに対し前記パッドを接近及び離間させる
    請求項3又は4に記載の船舶。
  6. 前記第二スラスト軸受は、
    前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、
    前記船体側に支持されたパッドと、を備え、
    前記軸力伝達断続部で前記連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に装着した状態では、前記ディスクと前記パッドとの間に隙間が形成され、
    前記軸連結断続部で前記連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間から取り外し、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離したときに、前記プロペラ駆動軸の軸方向の力によって前記プロペラ駆動軸が軸方向に変位して、前記ディスクと前記パッドとが突き当たる請求項3又は4に記載の船舶。
  7. 前記第二スラスト軸受は、
    前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、
    前記船体側に支持されたパッドと、を備え、
    前記ディスクと前記パッドとの少なくとも一方は着脱可能とされている請求項3又は4に記載の船舶。
  8. 前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を常に前記船体に伝達するスラスト軸受をさらに備える
    請求項2に記載の船舶。
  9. 前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを連結し、前記主機により前記出力軸を回転駆動する主機航行モードと、
    前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離し、前記電動機により前記プロペラ駆動軸を回転駆動する電動機航行モードと、
    を切り替え可能とした
    請求項8に記載の船舶。
  10. 前記電動機は、前記プロペラ駆動軸に設けられている
    請求項1から9の何れか一項に記載の船舶。
  11. 前記電動機は、前記プロペラ駆動軸とは別に設けられ、
    前記電動機の回転駆動力を前記プロペラ駆動軸に伝達する駆動力伝達機構を備える
    請求項1から9の何れか一項に記載の船舶。
  12. 前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に設けられ、前記出力軸の回転を前記プロペラ駆動軸に伝達する伝達機と、
    前記出力軸の軸方向の力を前記船体に伝達する主機側スラスト軸受と、
    前記プロペラ駆動軸の軸方向の力を前記船体に伝達するプロペラ駆動軸側スラスト軸受と、
    をさらに備え、
    前記軸連結断続部は、前記出力軸と前記伝達機との間に設けられた伝達機連結部材を着脱することで、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを断続する
    請求項1に記載の船舶。
  13. 前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受は、
    前記プロペラ駆動軸に設けられた軸受ディスクと、
    前記船体側に支持され、前記軸受ディスクに対して前記プロペラ駆動軸の軸方向に隙間をあけて設けられた軸受パッドと、を備え、
    前記軸連結断続部で前記伝達機連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間に装着した状態では、前記軸受ディスクと前記軸受パッドとの間に隙間が形成され、
    前記軸連結断続部で前記伝達機連結部材を前記出力軸と前記プロペラ駆動軸との間から取り外し、前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離したときに、前記プロペラ駆動軸の軸方向の力によって前記プロペラ駆動軸が軸方向に変位して、前記軸受ディスクと前記軸受パッドとが突き当たる請求項12に記載の船舶。
  14. 前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受は、
    前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受を介した前記プロペラ駆動軸の軸方向の力の前記船体への伝達を断続する軸力伝達断続部をさらに備え、
    前記プロペラ駆動軸に設けられたディスクと、
    前記船体側に支持されたパッドと、を備え、
    前記軸力伝達断続部は、前記ディスクに対し前記パッドを接近及び離間させる
    請求項12に記載の船舶。
  15. 前記プロペラ駆動軸側スラスト軸受は、
    前記プロペラ駆動軸に設けられた軸受ディスクと、
    前記船体側に支持された軸受パッドと、を備え、
    前記軸受ディスクと前記軸受パッドとの少なくとも一方は着脱可能とされている請求項12に記載の船舶。
  16. 前記電動機は、前記プロペラ駆動軸とは別に設けられ、
    前記電動機の回転駆動力を前記プロペラ駆動軸に伝達する駆動力伝達機構を備える
    請求項12から15の何れか一項に記載の船舶。
  17. 前記電動機は、前記プロペラ駆動軸とは別に設けられ、
    前記伝達機は、前記電動機の回転駆動力を前記プロペラ駆動軸に伝達可能とされている
    請求項12から15の何れか一項に記載の船舶。
  18. 請求項1から17の何れか一項に記載の船舶の航行方法であって、
    前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを連結し、前記主機により前記出力軸を回転駆動する工程と、
    前記軸連結断続部で前記出力軸と前記プロペラ駆動軸とを切り離す工程と、
    前記電動機により前記プロペラ駆動軸を回転駆動する工程と、
    を含む船舶の航行方法。
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