JP2020075514A - ガスバリア性積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、本実施形態に係るガスバリア性積層体10(以下、単に積層体10と呼ぶこともある)は、基材12と、基材12の一面上に積層された保護層14と、を備えている。保護層14は、繊維幅が1000nm以下であり、かつリン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するセルロース繊維を含む。
積層体10は、ガスバリア性を有する積層体である。ここで、ガスバリア性を有するとは、たとえば酸素ガス、水蒸気およびその他各種ガスから選択される一種または二種以上に対するバリア性を有することを指す。本実施形態においては、とくに酸素ガスバリア性と水蒸気バリア性に優れた積層体10を得ることができる。
基材12は、とくに限定されないが、たとえば公知のシート状基材を用いることができる。シート状基材としては、たとえば樹脂基材、ガラス基材、またはセルロース系基材などを用いることができる。樹脂基材は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンなどに例示さえるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどに例示されるポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロースなどに例示されるセルロース系樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンに例示されるポリアミド系樹脂、ポリアルキル(メタ)アクリレートなどに例示されるアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、およびエチレンビニルアルコールから選択される一種または二種以上を含むことができる。
保護層14は、繊維幅が1000nm以下であり、かつリン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するセルロース繊維を含んでいる。これにより、上述したとおり、加熱時の黄変を抑制しつつ、酸素バリア性を向上させることが可能となる。なお、本明細書においては、繊維幅が1000nm以下であるセルロース繊維を、微細繊維状セルロースとも呼ぶ。
ΔYI = YI2−YI1
ここで、YI1は200℃で4時間の真空乾燥前の黄色度、YI2は200℃で4時間の真空乾燥後の黄色度を示す。黄色度は、JIS規格K7373に準拠して測定した値をいう。
次に、保護層14に含まれる微細繊維状セルロースについて詳述する。
微細繊維状セルロースは、たとえば繊維幅が1000nm以下である単繊維状のセルロースである。本実施形態において、保護層14に含まれる微細繊維状セルロースの平均繊維幅は、電子顕微鏡で観察して、たとえば1000nm以下である。上記平均繊維幅は、好ましくは2nm以上1000nm以下、より好ましくは2nm以上100nm以下であり、より好ましくは2nm以上50nm以下であり、さらに好ましくは2nm以上10nm以下であるが、特に限定されない。微細繊維状セルロースの平均繊維幅を2nm以上とすることにより、セルロース分子として水に溶解してしまうことを抑制し、微細繊維状セルロースとしての物性(強度や剛性、寸法安定性)を効果的に発現させることができる。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
微細繊維状セルロースに占めるI型結晶構造の割合は30%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
本実施形態において、微細繊維状セルロースの製造方法は、上述したように、たとえばセルロース原料へリン酸基を導入する工程(以下、リン酸基導入工程とも呼ぶ)と、セルロース原料に対して解繊処理を施す工程(以下、解繊処理工程とも呼ぶ)と、を含む。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩などが挙げられるが、特に限定されない。リン酸のリチウム塩としては、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、またはポリリン酸リチウムなどが挙げられる。リン酸のナトリウム塩としてはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン酸のカリウム塩としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、またはポリリン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい解繊処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられる。
次に、ガスバリア性積層体10の製造方法について詳述する。
本実施形態に係るガスバリア性積層体10の製造方法は、基材12の一面上に保護層14を形成する工程を含む。保護層14は、たとえば微細繊維状セルロース含有スラリーを基材12上に塗工し、乾燥することにより形成することができる。また、保護層14は、たとえば微細繊維状セルロース含有スラリーを抄紙して得た繊維層や、微細繊維状セルロース含有スラリーを他の基材に塗工、乾燥して得た繊維層を、基材12上に積層することにより形成されていてもよい。なお、保護層14を形成するために用いられる上記微細繊維状セルロース含有スラリーには、微細繊維状セルロースとともに、たとえば無機層状化合物などの他の成分が含まれていてもよい。
また、リン酸基脱離工程における処理温度は、リン酸基の脱離を十分に行うことができる限り特に限定されないが、たとえば140℃以上とすることができ、160℃以上が好ましく、170℃以上がより好ましい。また、上記処理温度は、セルロース原料の分解が抑えられる温度を選択することが好ましく、250℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがとくに好ましい。また、加熱の際には適宜、酸または塩基などの添加剤を加えてもよい。また、リン酸基脱離工程における処理時間は、リン酸基の脱離を十分に行うことができる限り特に限定されないが、たとえば10分以上120分以下とすることができ、15分以上90分以下が好ましく、15分以上60分以下がより好ましい。
[リン酸化]
針葉樹クラフトパルプとして、王子製紙社製のパルプ(固形分93%、坪量208g/m2シート状、離解してJIS P 8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)700ml)を使用した。上記針葉樹クラフトパルプ(絶乾質量)100質量部に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を含浸し、リン酸二水素アンモニウム45質量部、尿素200質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプを得た。得られた薬液含浸パルプを165℃の熱風乾燥機で200秒間乾燥・加熱処理し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入した。このときのリン酸基の導入量は、0.98mmol/gであった。
次いで、リン酸基を導入したセルロースに5000mlのイオン交換水を加え、撹拌洗浄後、脱水した。脱水後のパルプを5000mlのイオン交換水で希釈し、撹拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpHが12以上13以下になるまで少しずつ添加して、パルプ分散液を得た。その後、このパルプ分散液を脱水し、5000mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水洗浄をさらに1回繰り返した。
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加して、固形分濃度が1.0質量%のパルプ分散液とした。このパルプ分散液を、高圧ホモジナイザー(NiroSoavi社製、Panda Plus 2000)を用いて処理し、セルロース分散液を得た。高圧ホモジナイザーを用いた処理においては、操作圧力1200barにてホモジナイジングチャンバーを5回通過させた。さらに、このセルロース分散液を湿式微粒化装置(スギノマシン社製、アルティマイザー)を用いて処理し、微細繊維状セルロース分散液(A)を得た。湿式微粒化装置を用いた処理においては、245MPaの圧力にて処理チャンバーを5回通過させた。微細繊維状セルロース分散液(A)に含まれる微細繊維状セルロースの平均繊維幅は4nmであった。
上記で得た微細繊維状セルロース分散液(A)に、微細繊維状セルロース100重量部に対して40重量部の無機層状化合物(モンモリロナイト)を添加して、塗工液を得た。次いで、膜厚16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製ルミラーP−60)の一面上に、乾燥膜厚が1μmとなるように上記塗工液を塗工して塗工膜を得た。次いで、上記塗工膜を、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させ、樹脂基材の一面上に保護膜を形成した。このようにして、基材と保護層を備えるガスバリア性積層体を製造した。
実施例1と同様にして製造したガスバリア性積層体に対して、以下のリン酸基脱離処理を施した。これにより、実施例2に係るガスバリア性積層体を得た。
ガスバリア性積層体をエチレングリコールに浸漬して180℃で15分間処理した後、当該積層体を30mLのメタノールに浸漬して洗浄を行った。洗浄を3回繰り返した後、100℃、5分の条件で加熱乾燥した。このようにして、リン酸基脱離処理を行った。リン酸基脱離処理後における微細繊維状セルロースのリン酸基含有量は、0.5mmol/g以下であった。
無機層状化合物(モンモリロナイト)を、ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117を濃度10%に溶解)に変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
無機層状化合物(モンモリロナイト)を、ペクチン(和光純薬社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
乾燥質量100質量部相当の未乾燥の針葉樹晒クラフトパルプと2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)1.6質量部と、臭化ナトリウム10質量部とを水10000質量部に分散させた。次いで、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1.0gのパルプに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が3.5mmolになるように加えて反応を開始した。反応中は1.0Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なし、パルプにカルボキシル基を導入した。このパルプスラリーを脱水し、脱水シートを得た後、5000質量部のイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返し、カルボキシル基変性セルロース繊維を得た。得られたカルボキシル基変性セルロース繊維は、カルボキシル基の導入量が1.01mmol/gであった。これにより得られたカルボキシル基変性セルロース繊維をイオン交換水に分散させて微細繊維状セルロース分散液(B)を作成した。微細繊維状セルロース分散液(A)の代わりに微細繊維状セルロース分散液(B)を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を製造した。
リン酸化の工程と、アルカリ処理及び洗浄の工程を行わない以外は、実施例1と同様の手順で実施した。
実施例1−4および比較例1−2について、作成したガスバリア性積層体について酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OX−TRAN 2/21)を用いて酸素透過度(cm3/m2・day)を30℃−70%RH雰囲気下で測定し、以下の基準で判定した。実施例1から4および比較例1は、比較例2と比較して、優れたガスバリア性が得られた。
◎:酸素透過度が5以上50未満。
○:酸素透過度が50以上100未満。
△:酸素透過度が100以上。
実施例1−4および比較例1−2について、作成したガスバリア性積層体について加熱による黄変度変化(ΔYI)を測定した。ΔYIは、ガスバリア性積層体を200℃、4時間の条件で真空乾燥し、真空乾燥前の黄色度をYI1とし、真空乾燥後の黄色度をYI2として、以下の式から算出した。
ΔYI = YI2−YI1
得られたΔYIを以下の基準で判定した。
◎:ΔYIが0.1以上7未満。
○:ΔYIが7以上50未満。
△:ΔYIが50以上100未満。
×:ΔYIが100以上。
実施例1から4および比較例2は、比較例1と比較して黄変度変化(ΔYI)が小さいことが確認された。
実施例1で得た微細繊維状セルロース分散液(A)に、微細繊維状セルロース100重量部に対して20重量部のポリエチレンオキサイド(住友精化社製、PEO−18)を添加して、塗工液を得た。次いで、膜厚100μmの樹脂基材(ポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学社製、ユーピロン・シートFE−2000))の一面上に、乾燥膜厚が20μmとなるように上記塗工液を塗工して塗工膜を得た。次いで、上記塗工膜を、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させて、樹脂基材の一面上に保護膜を形成した。さらに、同様の方法により上記保護膜の上にさらに保護膜を形成して、樹脂基材の一面上に膜厚20μmの保護膜を2層形成した成形用積層体を得た。
実施例5において、塗工液に微細繊維状セルロース100重量部に対して10重量部のシリカナノ粒子(日産化学工業社製、スノーテックスST−CXS)をさらに添加した。その他の手順は実施例5と同様にし、樹脂膜の両方の面に保護膜が形成された、板状ガスバリア性積層体を得た。
実施例5において、塗工液に微細繊維状セルロース100重量部に対して5重量部の有機架橋剤(日清紡ケミカル社製、カルボジライトV−04)をさらに添加した。その他の手順は実施例5と同様にし、樹脂膜の両方の面に保護膜が形成された、板状ガスバリア性積層体を得た。
実施例5で得た成形用積層体を、プラズマCVD装置(サムコ社製、PD−220ESN)の真空チャンバー内に静置した。真空チャンバー内の温度を100℃に設定し、プラズマ放電を発生させて16分間の成膜を行い、成形用積層体の一面上に膜厚1μmの二酸化ケイ素膜を成膜した。この際、成膜原料としてテトラエトキシシランを6cc/分、酸素ガスを300cc/分、流入させた。次いで、成形用積層体の他方の面上にも同様に二酸化ケイ素膜を成膜し、両方の面に無機層が形成された、板状ガスバリア性積層体を得た。
実施例5で得た成形用積層体の一面上に、アクリル−シリカハイブリッド樹脂(荒川化学工業社製、コンポセランAC601)を乾燥膜厚が10μmとなるよう塗工し、120℃で1時間加熱し、硬化させて有機層を形成した。次いで、成形用積層体の他方の面上にも同様に有機層を形成し、両方の面に有機層が形成された、板状ガスバリア性積層体を得た。
実施例9において、アクリル−シリカハイブリッド樹脂(荒川化学工業社製、コンポセランAC601)100重量部に対し、3重量部の紫外線防御剤(アデカ社製、アデカスタブLA−29)を添加した。その他の手順は実施例9と同様にし、両方の面に有機層が形成された、板状ガスバリア性積層体を得た。
成形用積層体の代わりに膜厚140μmのポリカーボネートフィルムを使用した以外は、実施例5と同様にして板状ガスバリア性積層体を得た。
実施例5において、微細繊維状セルロース分散液(A)の代わりに、比較例1で得た微細繊維状セルロース分散液(B)を使用した。その他の手順は実施例5と同様にし、板状ガスバリア性積層体を得た。
実施例5から10、および比較例3、4で作製した板状ガスバリア性積層体について、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OX−TRAN 2/21)を用いて酸素透過度(cm3/m2・day)を30℃−70%RH雰囲気下で測定し、以下の基準で判定した。実施例5から10および比較例4は、比較例3と比較して、優れたガスバリア性が得られた。
◎:酸素透過度が5以上50未満。
○:酸素透過度が50以上100未満。
△:酸素透過度が100以上。
実施例5から10、および比較例3、4で作製した板状ガスバリア性積層体について、加熱による黄変度変化(ΔYI)を測定した。ΔYIは、板状ガスバリア性積層体を130℃、24時間の条件で空気雰囲気下で加熱し、加熱前の黄色度をYI1とし、加熱後の黄色度をYI2として、以下の式から算出した。
ΔYI = YI2−YI1
得られたΔYIを以下の基準で判定した。
◎:ΔYIが0.1以上7未満。
○:ΔYIが7以上50未満。
△:ΔYIが50以上100未満。
×:ΔYIが100以上。
実施例5から10および比較例3は、比較例4と比較して黄変度変化(ΔYI)が小さいことが確認された。さらに、実施例7では有機架橋剤の添加により、特に効果的に黄変度変化(ΔYI)を抑制できることがわかった。
実施例5から10、および比較例3、4で作製した板状ガスバリア性積層体について、曲げ弾性率を、JIS規格K7074:1988に準拠し、テンシロンRTC−1250Aを用いて測定し、以下の基準で判定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で行った。実施例5から10、および比較例4は、比較例3と比較して優れた曲げ弾性率が得られた。
◎:曲げ弾性率が3.5GPa以上。
○:曲げ弾性率が3.0GPa以上3.5GPa未満。
△:曲げ弾性率が2.5GPa以上3.0GPa未満。
×:曲げ弾性率が2.5GPa未満。
実施例5から10、および比較例3、4で作製した板状ガスバリア性積層体について、JIS規格K5600(5−4)に準拠し、鉛筆硬度を測定して耐傷付性の指標とした。耐傷付性を以下の基準で判定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で行った。
◎:鉛筆硬度が2H以上。
○:鉛筆硬度がF以上2H未満。
△:鉛筆硬度がB以上F未満。
×:鉛筆硬度がB未満。
実施例5から10、および比較例4は、比較例3と比較して優れた鉛筆硬度が得られた。さらに、実施例6では無機化合物の添加、実施例8では無機層の形成、実施例9、10では有機層の形成により、特に優れた鉛筆硬度が得られることがわかった。
実施例5から10、および比較例3、4で作製した板状ガスバリア性積層体について、サンシャインカーボン式促進耐候試験機(スガ試験機社製、S300)を用いた耐候促進試験の後の黄変度変化(ΔYI)を測定することで、耐候性を評価した。ΔYIは耐候性試験前の黄色度をYI1とし、耐候性試験後の黄色度をYI2として、以下の式から算出した。
ΔYI = YI2−YI1
耐候性の評価は、以下の基準で判定した。なお、耐候促進試験の条件は、照射時間500時間、ブラックパネル温度63±3℃、水噴霧なし、使用フィルタ−をAタイプとした。
◎:ΔYIが1未満。
○:ΔYIが1以上5未満。
△:ΔYIが5以上10未満。
×:ΔYIが10以上。
実施例5から10、および比較例4は、比較例3と比較して耐候性に優れることが確認された。さらに、実施例10では紫外線防御剤の添加により、特に効果的に耐候性を向上できることがわかった。
12 基材
14 保護層
Claims (8)
- 基材と、前記基材の一面上に積層された保護層と、を備え、
前記保護層は、繊維幅が1000nm以下であり、かつリン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するセルロース繊維を含むガスバリア性積層体。 - 前記セルロース繊維のリン酸基およびリン酸由来の置換基の導入量が0.01mmol/g以上である請求項1に記載のガスバリア性積層体。
- 前記保護層は、水溶性高分子をさらに有する請求項1または2に記載のガスバリア性積層体。
- 前記保護層は、無機化合物をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記保護層は、有機架橋剤をさらに含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
- 有機層をさらに有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記有機層が紫外線防御剤を含有する請求項6に記載のガスバリア性積層体。
- 無機層をさらに有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
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