JP2020073618A - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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哲郎 川上
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大夢 佐藤
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Rieko Wakamatsu
里恵子 若松
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Takashi Sugiyama
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Abstract

【課題】耐熱性をより向上したゴム組成物及びその製造方法。【解決手段】カーボンブラックとゴムと加硫剤とを含有し、前記カーボンブラックは、平均一次粒子径が20〜80nmであり、細孔容積が0.20cm3/g以上であり、窒素吸着比表面積が300〜470m2/g以上であり、DBP吸油量が240〜340cm3/100g以上である多孔質カーボンブラックを含有するゴム組成物及びその製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びその製造方法に関する。
一般にゴムは、様々な添加物と混合され、ゴム組成物として目的の物性を発現している。タイヤ用ゴム組成物は、屋外使用に加えて、タイヤ転動において地面との摩擦熱とタイヤ内部の発熱のため、高温に曝される。自動車等の配管に使用されるゴムホースは、エンジン周辺では高温に曝される。タイヤの製造に用いられるタイヤ加硫用ブラダーゴムは、高温高圧下で伸縮を繰り返す。
このため、ゴム組成物には、耐久性や耐摩耗性といった性能が要求される。特許文献1には、特定のジエン系ゴムと、特定のカーボンブラックと、特定のスチレン化フェノール化合物とを含むタイヤトレッド用ゴム組成物が、提案されている。この発明によれば、耐久性および耐摩耗性の改善が図られている。
特開2016−113482号公報
ゴム組成物の耐久性を示す指標として耐熱性がある。一般に、ゴム組成物を高温下で長時間放置すると、ポリマーや添加剤が劣化し、ゴム組成物の基本物性である破断時伸びが低下する。高温下での放置前後における破断時伸びの低下が小さいほど、耐熱性が高いといえる。
耐熱性に優れていれば、高温環境下での使用においても、ゴム物性の一つであるゴムの柔軟性が維持される。
しかしながら、従来の耐磨耗性カーボンブラック(超耐摩耗性(SAF)、準超耐摩耗性(ISAF)、高耐摩耗性(HAF)など)では、耐熱性を十分に満足できなかった。
そこで、本発明は、耐熱性をより向上したゴム組成物及びその製造方法を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]カーボンブラックとゴムと加硫剤とを含有し、前記カーボンブラックは、平均一次粒子径が20〜80nmであり、細孔容積が0.20cm/g以上であり、窒素吸着比表面積が300〜470m/g以上であり、DBP吸油量が240〜340cm/100g以上である多孔質カーボンブラックを含有するゴム組成物。
[2]前記ゴム100質量部に対して、前記カーボンブラックを2〜60質量部含有する[1]に記載のゴム組成物。
[3]タイヤ加硫用ブラダー用である[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[4][1]に記載のゴム組成物の製造方法であって、前記カーボンブラックと、前記ゴムとを混練して第一混練物を作製する第一混練工程と、前記第一混練物と前記加硫剤とを混錬して第二混練物を作製する第二混練工程と、前記第二混練物を金型に入れ、加熱して加硫する加硫工程とを含むゴム組成物の製造方法。
本発明によれば、耐熱性をより向上したゴム組成物及びその製造方法を提供することができる。
本発明のカーボンブラック(ライオナイトEC200L)の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 カーボンブラック(ISAF)の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックとゴムと加硫剤とを含む。
ゴム組成物は、23℃における100%モジュラスが1.0〜6.5MPaであることが好ましい。100%モジュラスが前記下限値以上であれば、耐熱性の良好なゴム組成物が得られやすく、前記上限値以下であれば、破断時伸びが大きく柔軟なゴム組成物が得られやすい。
モジュラスとは、ゴム弾性を有する物質の試験片に特定の伸びを与えた時の引張り応力をいう。一般に、モジュラスの値が大きいとゴム組成物は硬く、伸びにくくなる。100%モジュラスは、試験片を100%伸長した時の引張り応力である。
ゴム組成物は、23℃における300%モジュラスが8.0MPa以下であることが好ましい。300%モジュラスは、2.0〜8.0MPaがより好ましい。300%モジュラスが前記下限値以上であれば、耐熱性の良好なゴム組成物が得られやすく、前記上限値以下であれば、破断時伸びが大きく柔軟なゴム組成物が得られやすい。
300%モジュラスは、試験片を300%伸長した時の引張り応力である。
<カーボンブラック>
本発明のゴム組成物に含まれるカーボンブラックは、常温常圧で粉末である。ここで、常温とは15〜25℃(第十七改正日本薬局方)をいい、常圧とは、特別に減圧も加圧もしないときの圧力をいう。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、20〜80nmであり、30〜55nmが好ましく、35〜50nmがより好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径が前記下限値以上であれば、破断時伸びが大きく柔軟なゴム組成物が得られやすい。カーボンブラックの平均一次粒子径が前記上限値以下であれば、耐熱性の良好なゴム組成物が得られやすい。尚、カーボンブラックの平均一次粒子径は、公知の方法で求めることができるが、例えば、粉体の透過型電子顕微鏡(TEM)画像から求めることができる。本発明のカーボンブラックは多孔質構造のカーボンブラック(以下、「多孔質カーボンブラック」ともいう。)が好ましく、ゴム練り中に、カーボンブラックの細孔内にゴム組成物を構成する成分が侵入し、物理吸着又は化学吸着する特徴を有する。
多孔質カーボンブラックのミクロ孔容積、メソ孔容積は、公知の方法で求めることができる。多孔質カーボンブラックのミクロ孔容積、メソ孔容積の測定方法は、例えば、窒素吸着法が挙げられ、以下のように測定される。
液体窒素温度下で吸着等温線(吸着ガス:窒素)を測定する。得られた吸着等温線を用いて、DA法解析またはt−プロット法解析によりミクロ孔容積を求める。また、DH法解析またはBJH法解析によりメソ孔容積を求め、その合計値として細孔径50nm以下の範囲の細孔容積を算出する。
多孔質カーボンブラックのミクロ孔(直径2nm以下の細孔)容積、メソ孔(直径2nm超50nm以下の細孔)容積の合計を細孔容積という。多孔質カーボンブラックの細孔容積は、0.20cm/g以上であり、好ましくは0.30〜1.50cm/g、より好ましくは0.40〜0.70cm/gである。
多孔質カーボンブラックの細孔容積が0.20cm/gより小さい場合や、事実上、一次粒子内に細孔のない中実型カーボンブラックの場合、ゴム組成物の耐熱性が低くなる。これは、ゴム組成物を構成する成分のカーボンブラック一次粒子の細孔内への侵入が不十分となるため、あるいは、事実上存在しないためである。また、多孔質カーボンブラックの細孔容積が1.50cm/gよりも大きい場合は、混練時の発熱温度が高くなるため、温度制御が難しくなり、作業性が低下する。
本発明のゴム組成物は、多孔質カーボンブラックの細孔にゴム構成成分が侵入および吸着することによって、従来とは異なるゴム構造を形成する。多孔質カーボンブラックは、熱などで発生したゴム分子の酸化または分解ラジカルを効率よく捕捉することで、ゴムの劣化抑制に効果がある。また、生産性向上(加硫速度の向上)に効果がある。加えて、細孔の存在が、分子量の小さい配合剤、たとえばオイル、加硫剤を担持する機能を有し、高温雰囲気下において徐々に配合剤がゴム構造内を拡散移行する。その結果、オイル拡散による軟化性維持や加硫剤拡散による分子再架橋が起こり、優れた耐熱性を示すと考えられる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、300〜470m/gであり、好ましくは300〜399m/gである。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、前記下限値以上であれば、耐熱性の良好なゴム組成物が得られやすい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、前記上限値以下であれば、破断時伸びが大きく柔軟なゴム組成物が得られやすい。
窒素吸着比表面積は、JIS K6217に準拠した方法で測定される。例えば、脱気したカーボンブラックを含む容器を液体窒素に浸漬させ、平衡時におけるカーボンブラック表面に吸着した窒素量を測定し、この値から比表面積(m/g)を算出する。一般に、粒子径が小さいほど、比表面積は大きくなる。また、本発明のカーボンブラックのような一次粒子が多孔質構造の場合、一次粒子内に窒素が吸収されることで、中実型カーボンブラックで見られる比表面積より大きな値を示す。
カーボンブラックのDBP吸油量は、240〜340cm/100gであり、好ましくは270〜340cm/100gであり、より好ましくは270〜295cm/100gである。
尚、カーボンブラックのDBP吸油量の測定は、ASTM D 2414に準拠した条件で行い、特にケッチェンブラックのようなDBP吸油量が大きな試料の場合、サンプル量9g又は15gで測定する。また、サンプル量により結果が異なるため、サンプル量を明記する必要がある。
カーボンブラックのDBP吸油量が、前記下限値以上であれば、耐熱性の良好なゴム組成物が得られやすい。カーボンブラックのDBP吸油量が、前記上限値以下であれば、破断時伸びが大きく柔軟なゴム組成物が得られやすい。
カーボンブラックは、一次粒子が葡萄房状に連なった連鎖体からなる二次粒子で構成される。この葡萄房状連鎖体の空隙部分等にDBP(n−ジブチルフタレート)が吸収される。このため、一般的な中実型カーボンブラックの場合、DBP吸油量はカーボンブラックの連鎖構造の発達度合いに関する指標とされる。しかし、本発明のカーボンブラックのような一次粒子が多孔質構造の場合、一次粒子内にDBPが吸収されることで、中実型カーボンブラックで見られるDBP吸油量より大きな値を示す。
カーボンブラックの配合量は、ゴム100質量部に対して2〜60質量部が好ましく、16〜50質量部がより好ましく、20〜45質量部がさらに好ましく、30〜40質量部が特に好ましい。カーボンブラックの配合量が前記下限値以上であれば、弾性率の低下、熱伝導性の低下を抑えられる。カーボンブラックの配合量が、前記上限値以下であれば、破断時伸びが大きく柔軟なゴム組成物が得られやすい。平均一次粒子径が20〜80nmであり、細孔容積が0.20cm/g以上であり、窒素吸着比表面積が300〜470m/g以上であり、DBP吸油量が240〜340cm/100g以上である多孔質カーボンブラックを、本発明のゴム組成物は含有する。カーボンブラックは、多孔質カーボンブラックと従来の耐摩耗性カーボンブラック(SAF、ISAF、HAFなど)とを併用しても良い。なお、その場合、全カーボンブラックの配合量に対して、多孔質カーボンブラックの配合量が50質量%以上であることが好ましい。
(カーボンブラックの製造方法)
カーボンブラックの製造方法としては、オイルファーネス法が挙げられる。
オイルファーネス法の具体例としては、例えば、原料油を、炉内において分子状酸素及び水蒸気の存在下に部分酸化反応させて、合成ガスを生成させると同時にカーボンブラックを製造する方法等が挙げられる。
<ゴム>
本発明のゴム組成物に含まれるゴムは、特に限定されないが、二重結合を有しているものが好ましい。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(以下、「SBR」ともいう)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム(以下、「IIR」ともいう)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(以下、「EPDM」ともいう)、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム(以下、「CR」ともいう)、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、及びサブ等が挙げられる。
これらのゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのゴムは、ゴム組成物の物性及び用途に応じて適宜選択され、例えば、タイヤ加硫用ブラダーゴムにはIIRを主体とするIIR配合ゴムが、乗用車タイヤのトレッドにはSBR配合ゴムが、車両用ゴムホースにはEPDM配合ゴムが、好適に用いられる。
本明細書において、IIR配合ゴムとは、IIRを主体とし、CRを含有するゴムのことをいう。IIRとCRの配合比率は、80/20以上90/10未満が好ましく、90/10以上95/5未満がより好ましく、95/5以上98/2未満がさらに好ましく、98/2以上100未満であってもよく、CRを配合しなくてもよい。
ゴムの配合量は、ゴム組成物の総質量に対して、55〜75質量%が好ましい。ゴムの配合量が前記下限値以上であれば、初期の破断時伸びが得られやすい。前記上限値以下であれば、M300及び破断時伸びが良好となる。
<加硫剤>
本発明のゴム組成物に含まれる加硫剤は、従来公知のものが用いられ、例えば粉末でも、半固体状のものでも、液体でもよい。
加硫剤としては、特に限定されないが、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄系加硫剤;アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアミド樹脂、トリアジンホルムアミド樹脂、硫化p−t−ブチルフェノール樹脂、アルキルフェノールスルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチルメラミン樹脂などの樹脂加硫剤;2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどの過酸化物系加硫剤;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼンなどのキノン型加硫剤等が挙げられる。これらの加硫剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫剤の配合量は、ゴム100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。加硫剤の配合量が前記下限値以上であれば、加硫速度に問題がなく、生産性に問題がない。前記上限値以下であれば、耐熱性が良好になりやすい。
<任意成分>
本発明のゴム組成物には、上記成分のほか、従来よりゴム用の添加剤として使用されている軟化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、架橋剤、加工助剤、加硫促進剤、離型剤その他慣用配合剤等を適宜配合することができる。
[ゴム組成物の製造方法]
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知のゴム組成物の製造方法に準じて、例えば、カーボンブラックと、ゴムとを混練して第一混練物を作製する第一混練工程と、前記第一混練物と加硫剤とを混錬して第二混練物を作製する第二混練工程と、前記第二混練物を金型に入れ、加熱して加硫する加硫工程とを含む方法が挙げられる。なお、カーボンブラック、ゴム、加硫剤以外の任意成分は、第一混練工程で添加しても、第二混練工程で添加してもよい。
<第一混練工程>
第一混練工程は、カーボンブラックと、ゴムとを混練して第一混練物を作製する工程である。任意成分は、第一混練工程で添加してもよい。第一混練工程では、混練するゴムの種類に応じた任意の温度で、カーボンブラックとゴムとを混練することができる。混練時の温度は、例えば、IIR配合ゴムでは120〜160℃が好ましく、130〜150℃がより好ましい。前記下限値以上で、ゴム補強性が向上する。前記上限値以下で、加硫時に均一な架橋構造が得られ、破断時伸びが良好となる。また、混練時の温度は、例えば、SBR配合ゴムでは120〜170℃が好ましく、140〜160℃がより好ましい。前記下限値以上で、ゴム補強性が向上する。前記上限値以下で、加硫時に均一な架橋構造が得られ、破断時伸びが良好となる。混練時の温度は、例えば、EPDM配合ゴムでは、SBR配合ゴムと同様である。尚、カーボンブラックの分散不良が認められた場合は、再度混練を行っても良い。
第一混練物を作製するときのせん断速度は、50〜600(1/s)が好ましく、100〜400(1/s)がより好ましい。前記下限値以上で、カーボンブラックの分散が良好となる。前記上限値以下で、混練時の発熱を抑えられる。せん断速度は以下の式で求められる。
せん断速度=π/15×(RN/h)
ここで、Rは、ローター半径(mm)、hは、クリアランス(mm)、Nは、回転数(rpm)である。
<第二混練工程>
第二混練工程は、前記第一混練物と、加硫剤とを混練して第二混練物を作製する工程である。任意成分は、第二混練工程で添加してもよい。第二混練工程では、第一混練物のゴムの種類に応じた任意の温度で、第一混練物と加硫剤とを混練することができる。混練時の温度は、例えば、IIR配合ゴムでは、100〜120℃が好ましい。前記下限値以上で、加硫剤の溶解又は分散が良好となる。前記上限値以下で、混練時の架橋を抑制でき、再現性が得られやすい。また、混練時の温度は、例えば、SBR配合ゴムでは90〜110℃が好ましい。前記下限値以上で、加硫剤の溶解又は分散が良好となる。前記上限値以下で、混練時の架橋を抑制でき、再現性が得られやすい。混練時の温度は、例えば、EPDM配合ゴムでは、SBR配合ゴムと同様である。尚、加硫剤又は加硫促進剤の溶解・分散不良が認められた場合は、再度混練を行っても良い。
第二混練物を作製するときのせん断速度は、50〜300(1/s)が好ましい。前記下限値以上で、加硫剤の溶解又は分散が良好となる。前記上限値以下で、混練時の発熱を抑えられる。
第一(第二)混練工程では、公知の混練装置を用いて第一(第二)混練物を作製することができる。混練装置としては、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等が挙げられる。
<加硫工程>
加硫工程は、前記第二混練物を金型に入れ、加熱して加硫する工程である。加硫工程を含むことで、本発明のゴム組成物を得ることができる。加硫工程では、例えば、前記第二混練物を金型に入れ、熱圧プレス機を用いて、任意の温度で任意の時間加熱して、加硫することができる。加硫時の温度は、例えば、IIR配合ゴムでは、180〜200℃が好ましい。前記下限値以上で、生産性が高く、また、均一な架橋構造が得られ、破断時伸びが得られやすい。前記上限値以下で、熱による分解を抑制でき、破断時伸びが得られやすい。また、加硫時の温度は、例えば、SBR配合ゴムでは、160〜180℃が好ましい。前記下限値以上で、均一な架橋構造が得られ、破断時伸びが得られやすい。前記上限値以下で、熱による分解を抑制でき、破断時伸びが得られやすい。加硫時の温度は、例えば、EPDM配合ゴムでは、SBR配合ゴムと同様である。
製造条件が適性かどうかについてはカーボンゲル含有率で判断でき、以下の公知の方法で求めることができる。細かく裁断した未加硫ゴム組成物1.00gをテトラヒドロフラン1kg以上に2日以上浸漬し、ステンレスメッシュ(150メッシュ)で濾過後、濾過残分を減圧乾燥させ、重量測定をする。カーボンゲル含有率は、下記式から算出する。
カーボンゲル含有率(%)=(濾過残分(g)−試験に供した未加硫ゴム組成物質量にテトラヒドロフラン不溶分(カーボンブラックおよび酸化亜鉛など)の仕込み比を乗じた質量(g))/(試験に供した未加硫ゴム組成物質量(g)−試験に供した未加硫ゴム組成物質量にテトラヒドロフラン不溶分(カーボンブラックおよび酸化亜鉛など)の仕込み比を乗じた質量(g))×100
カーボンゲル含有率は、5〜60%が好ましく、10〜50%がより好ましく、30〜40%が更に好ましい。また、カーボンブラックの部数あたりのカーボンゲル含有率としては、0.1〜1.5%が好ましく、0.2〜1.0%がより好ましく、0.6〜0.8%が更に好ましい。カーボンゲル含有率が前記下限値以上で、ゴム補強性が向上しやすい。カーボンゲル含有率が前記上限値以下で、均一な架橋構造が得られ、破断時伸びが得られやすい。また、未加硫ゴム組成物の粘度を低く抑えられ、作業性を向上しやすい。
[ゴム組成物の用途]
本発明のゴム組成物の用途としては、特に限定されず、タイヤ加硫用ブラダー用途;一般タイヤ用途、レース用タイヤ用途等のタイヤ用途;車両用ホース用途等の車両部品用途;各種電気機器用途;及びジョイント用パッキン用途など、様々な用途が挙げられる。
中でも、耐熱性及び柔軟性が求められるタイヤ加硫用ブラダー用途、タイヤ用途、車両用部品用途が好ましく、タイヤ加硫用ブラダー用途が特に好ましい。
本発明のゴム組成物としては、IIR配合ゴムにおいては、ゴム100質量部(IIRゴム97質量部、CRゴム3質量部)に対して、ライオナイトEC200L(窒素吸着比表面積380m/g、DBP吸油量295mL/100g、ミクロ孔容積0.13cm/g、細孔容積0.43cm/g、平均一次粒子径45nm)を30〜40質量部、フェノール樹脂を7質量部含有する組成が、耐熱性に優れるため最も好ましい。
SBR配合ゴムにおいては、ゴム100質量部(SBRゴム100質量部)に対して、ライオナイトEC200Lを30〜40質量部、硫黄を1.5質量部含有する組成が、耐熱性に優れるため最も好ましい。
EPDM配合ゴムにおいては、ゴム100質量部(EPDMゴム100質量部)に対して、ライオナイトEC200Lを30〜40質量部、硫黄を1.5質量部含有する組成が、耐熱性に優れるため最も好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は下記の[使用原料]に示す通りである。
[使用原料]
<ゴム>
IIR:ブチル268(JSR株式会社製)。
CR:スカイプレンB−30(東ソー株式会社製)。
SBR:JSR1500(JSR株式会社製)。
EPDM:三井EPT4021(三井化学株式会社製)。
<カーボンブラック>
ライオナイトEC200L(窒素吸着比表面積380m/g、DBP吸油量295mL/100g、ミクロ孔容積0.13cm/g、細孔容積0.43cm/g、平均一次粒子径45nm):ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製。
ケッチェンブラックEC300J(窒素吸着比表面積780m/g、DBP吸油量365mL/100g、ミクロ孔容積0.3cm/g、細孔容積0.93cm/g、平均一次粒子径40nm):ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製。
ケッチェンブラックEC600JD(窒素吸着比表面積1260m/g、DBP吸油量495mL/100g、ミクロ孔容積0.45cm/g、細孔容積2.03cm/g、平均一次粒子径34nm):ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製。
ISAF(窒素吸着比表面積115m/g、DBP吸油量113mL/100g、ミクロ孔容積0.00cm/g、細孔容積0.18cm/g、平均一次粒子径22nm):旭#80(旭カーボン株式会社製)。
<加硫剤>
硫黄:金華印微粉硫黄(鶴見化学工業株式会社製)。
フェノール樹脂:タッキロール201(田岡化学株式会社製)。
<任意成分>
ヒマシ油:ヒマシ油LAV(伊藤製油株式会社製)。
酸化亜鉛:酸化亜鉛1種(ハクスイテック株式会社製)。
老化防止剤(アミン系):ノクラック6C(大内新興化学工業株式会社製)。
オゾン劣化防止剤:サンノックN(大内新興化学工業株式会社製)。
ステアリン酸:ステアリン酸(和光純薬工業株式会社製)。
ナフテン系オイル:ダイアナプロセスオイルNS100(出光興産株式会社製)。
加硫促進剤1:サンセラーNS(三新化学工業株式会社製)。
加硫促進剤2:サンセラーDG(三新化学工業株式会社製)。
加硫促進剤3:サンセラーTS(テトラメチルチウラムモノスルフィド)(三新化学工業株式会社製)。
加硫促進剤4:ノクセラーM−P(2−メルカプトベンゾチアゾール)(大内新興化学工業株式会社製)。
(窒素吸着比表面積の測定方法)
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、ASTM D 3037に準拠した条件で測定した。
(DBP吸油量の測定方法)
カーボンブラックのDBP吸油量は、ASTM D 2414に準拠した条件で、サンプル量9gで測定した。
(細孔容積の測定方法)
カーボンブラックのミクロ孔容積はDA法解析により測定した。また、カーボンブラックのメソ孔容積はt−プロット法解析により測定した。ミクロ孔容積とメソ孔容積の合計値として細孔径50nm以下の範囲の細孔容積を算出した。
(平均一次粒子径の測定方法)
カーボンブラックの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて求めた。具体的にはカーボンブラック試料を150kHz、0.4kWの超音波分散機により、10分間クロロホルムに分散させて分散試料を作成し、これをカーボン補強した支持膜に振り掛けて固定した。これを透過型電子顕微鏡で撮影し、5万〜20万倍に拡大した画像からEndterの装置を用いてランダムに1000個以上のカーボンブラックの粒子径を測定し、その平均値を平均一次粒子径とした。
本実施例において、ゴムは、IIR配合ゴム、SBR配合ゴム、EPDM配合ゴムの3種類を用いて各項目を評価した。
以下に、ゴムの種類ごとにゴム組成物の作製方法、評価方法を説明する。
[IIR配合ゴム]
<ゴム組成物作成方法>
株式会社神戸製鋼所製バンバリーミキサー(容量1.63L)を用い、表1の組成に従って原料を混練した。カーボンブラックマスターバッチを130〜140℃、せん断速度600(1/s)で練り、加硫剤を加え、110〜120℃、300(1/s)で第二混練物を作製した。2本ロールを用いてゴムシートを作製した。未処理時(以下、「初期」ともいう)の23℃における、300%モジュラス(以下、「M300」と略記する)が、3.0〜8.0MPaとなるようにカーボンブラック配合量を調整した。
次に、加硫工程として、金型に作製したゴムシートを挟み込み、熱圧プレス機(エヌピーエーシステム株式会社製)を用い190℃で30分間加硫して、シート状のゴム組成物を得た。得られたシート状のゴム組成物の大きさは、10.5cm×10.5cm×0.2cmであった。
<評価方法>
(未処理時の破断時伸び、M300)
得られたシート状のゴム組成物をダンベル3号で打ち抜き、試験片として、引張り試験機(オリエンテックコーポレーション製RTG−1310)を用いて未処理時の破断時伸び(以下、「EB」と略記する)及びM300を測定した。試験条件は、温度23℃、引張り速度500mm/min、チャック間距離50mmとした。数値は、n=4の平均値を示す。
(加熱処理後のEB、M300)
得られたシート状のゴム組成物を190℃熱風乾燥機に入れ、24時間静置後にゴム組成物を取り出し、23℃で24時間静置し、放冷した。放冷後のゴム組成物をダンベル3号で打ち抜き、試験片として、上記の引張り試験機を用いて加熱処理後のEB及びM300を測定した。試験条件は、温度23℃、引張り速度500mm/min、チャック間距離50mmとした。数値は、n=4の平均値を示す。
(加熱処理によるEB低下率)
上記で測定したEBの値から、下記(1)式に従って加熱処理によるEB低下率を算出した。
加熱処理によるEB低下率(%)={(初期のEB)−(加熱処理後のEB)}/(初期のEB)×100・・・(1)
加熱処理によるEB低下率が小さいほど、耐熱性に優れる。
(未処理時の残存ひずみ率)
上記のダンベル3号試験片(標線間距離20mm)を23℃で静的試料ホルダー(早坂理工株式会社製)に300%ひずみを与えた(伸長させた)状態で24時間保持後、試験片を取り外して23℃で24時間静置した。下記(2)式に従って残存ひずみ率を算出した。数値は、n=4の平均値を示す。
残存ひずみ率(%)=(300%ひずみ後の標線間距離[mm]−20[mm])/20[mm]×100・・・(2)
残存ひずみ率は、ゴム組成物にひずみを与えた後の復元力を評価する指標の一つであり、残存ひずみ率が小さいほど、ゴム組成物の復元力が良好である。
(加熱処理後の残存ひずみ率)
得られたシート状のゴム組成物を190℃熱風乾燥機に入れ、24時間静置後にゴム組成物を取り出し、23℃で24時間静置し、放冷した。放冷後のゴム組成物をダンベル3号で打ち抜き、試験片とした。上記未処理時の残存ひずみ率と同様に、上記(2)式に従って残存ひずみ率を算出した。
加熱処理後の残存ひずみ率が小さいほど、加熱劣化させたゴム組成物の復元力が良好であり、耐熱性に優れる。
残存ひずみ率は、ゴム組成物の高い復元力が要求されるタイヤ加硫用ブラダーに主として用いられるIIR配合ゴム組成物についてのみ測定した。
(熱拡散率)
熱拡散率は、得られたシート状のゴム組成物を10mm×10mm×2mmにカットして試料を作製し、試料両面を黒鉛化スプレーで処理した後、キセノンフラッシュアナライザー(NETZSCH株式会社製LFA447)を用いて測定した。
熱拡散率が高いほど熱の伝わる速さが速く、ゴム組成物に接触する物質の温度を、より短時間で上昇させ得る。
タイヤ加硫用ブラダーにおいて、ゴム組成物に接触するタイヤの温度を、より短時間で上昇させることができると、単位時間当たりのタイヤ生産量を増やせる。すなわち、熱拡散率が高いほど、製造されるタイヤの生産性が良好である。
このため、熱拡散率は、タイヤの生産性が要求されるタイヤ加硫用ブラダーに主として用いられるIIR配合ゴム組成物についてのみ測定した。
(比重)
比重は、アルファミラージュ株式会社製電子比重計MD−300Sを用い、水中置換法により算出した。温度23℃、液組成:エタノール/イオン交換水=50/50(wt%)。尚、計算比重は、原料の比重仕込み比率から算出した。
[SBR配合ゴム]
<ゴム組成物作成方法>
株式会社神戸製鋼所製バンバリーミキサー(容量1.63L)を用い、表1の組成に従って原料を混練した。まず、SBR、カーボンブラック、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、ナフテン系オイルをゴム温度150〜160℃を維持しながら混練し、SBRマスターバッチ(第一混練物)を作製した。その後、SBRマスターバッチ、硫黄、加硫促進剤をゴム温度100〜110℃を維持しながら混練して、第二混練物を作製した。作製した第二混練物から、2本ロールを用いてゴムシートを作製した。初期の23℃における300%モジュラスが、3.0〜8.0MPaとなるようにカーボンブラック配合量を調整した。
次に、加硫工程として、作製したゴムシートを金型に挟み込み、上記の熱圧プレス機を用い170℃で20分間加硫して、シート状のゴム組成物を得た。得られたシート状のゴム組成物の大きさは、10.5cm×10.5cm×0.2cmであった。
<評価方法>
IIR配合ゴムと同様に、未処理時及び加熱処理後のEB並びに、未処理時のM300を測定し、加熱処理によるEB低下率を算出した。
[EPDM配合ゴム]
<ゴム組成物作成方法>
株式会社モリヤマ(現日本スピンドル製造株式会社)製加圧ニーダー(3L)を用い、表1の組成に従って原料を混練した。EPDM、カーボンブラック、酸化亜鉛、ステアリン酸を混練時のゴム温度140〜150℃を維持しながら混練し、EPDMマスターバッチ(第一混練物)を作製した。続いて、EPDMマスターバッチ、加硫促進剤、硫黄をゴム温度90〜100℃で維持しながら、混練し、第二混練物を作製した。2本ロールを用いてゴムシートを作製した。初期の23℃における、100%モジュラス(以下、「M100」と略記する)が、1.0〜6.5MPaとなるようにカーボンブラック配合量を調整した。
次に、加硫工程として、SBR配合ゴムと同様に、シート状のゴム組成物を作製した。
<評価方法>
IIR配合ゴム、SBR配合ゴムと同様に、未処理時及び加熱処理後のEB並びに、未処理時のM100を測定し、加熱処理によるEB低下率を算出した。
[実施例1、比較例1〜3、IIR配合ゴム組成物]
表1の組成に従って、各成分をバンバリーミキサーに混練して各例のゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて、上記の評価方法により加熱処理によるEB低下率、残存ひずみ率及び熱拡散率を評価した。結果を表2に示す。
なお、表中の配合量の単位は「質量部」である。ゴム組成物中の原料ゴムの配合量を100質量部とし、純分換算量を示す。
[実施例2、比較例4〜5、SBR配合ゴム組成物]
表1の組成に従って、実施例1と同様にゴム組成物を得て、加熱処理によるEB低下率を評価した。結果を表3に示す。
[実施例3〜4、比較例6、EPDM配合ゴム組成物]
表1の組成に従って、各成分を加圧ニーダーに混練して各例のゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて、上記の評価方法により加熱処理によるEB低下率を評価した。結果を表4に示す。
表2に示すように、本発明を適用した実施例1は、加熱処理によるEB低下率が25.6%と、特に耐熱性に優れることがわかった。
一方、窒素吸着比表面積及びDBP吸油量が本発明の適用外であるカーボンブラックを用いた比較例1〜3は、加熱処理によるEB低下率が33%以上と大きかった。
残存ひずみ率についても、実施例1は、16.0%と良好な値であった。比較例3は、20%以上であった。
熱拡散率は、比較例1の値を100として、相対値により評価した。カーボンブラックの添加量を少なくした実施例1において、熱拡散率は103であり、タイヤの生産性が維持されることが確認できた。
図1、図2は、それぞれ実施例1、比較例3のTEM画像を示す。実施例1は、比較例3と比べて、カーボンブラック配合部数は少ないが、黒色部(カーボンブラック)が多く、カーボンブラック粒子個数が多かった。このことは、粒子1個あたりの比重がISAFと比べて軽いことを示しており、一次粒子内の細孔容積が大きいことを示唆している。
実施例1において、多孔質カーボンブラックであるライオナイトEC200Lの比重は、ゴム構成成分の配合量から計算される比重とほぼ同じであった。このことは、ゴム配合物中に空隙が存在しないことを示しており、カーボンブラックの細孔内にゴム構成成分が完全に侵入していることが示唆された。
表3、4に示すように、本発明を適用した実施例2〜4は、加熱処理によるEB低下率が、10%未満であり、耐熱性に優れることがわかった。
一方、窒素吸着比表面積及びDBP吸油量が本発明の適用外であるカーボンブラックを用いた比較例4〜6は、加熱処理によるEB低下率が10%以上であった。
これらの結果から、本発明のゴム組成物によれば、耐熱性のさらなる向上を図れることがわかった。

Claims (2)

  1. カーボンブラックとゴムと加硫剤とを含有し、
    前記カーボンブラックは、平均一次粒子径が20〜80nmであり、細孔容積が0.20cm/g以上であり、窒素吸着比表面積が300〜470m/g以上であり、DBP吸油量が240〜340cm/100g以上である多孔質カーボンブラックを含有するゴム組成物。
  2. 請求項1に記載のゴム組成物の製造方法であって、
    前記カーボンブラックと、前記ゴムとを混練して第一混練物を作製する第一混練工程と、前記第一混練物と前記加硫剤とを混錬して第二混練物を作製する第二混練工程と、前記第二混練物を金型に入れ、加熱して加硫する加硫工程とを含むゴム組成物の製造方法。
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