JP2020071925A - ニッケル水素電池の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量を向上させることができるニッケル水素電池の制御方法を提供する。【解決手段】正極活物質と導電助材とを含む正極を用いたニッケル水素電池の制御方法であって、40℃〜100℃の温度で上記ニッケル水素電池の充電を行う工程を含み、導電助材はY2O3である、ニッケル水素電池の制御方法である。【選択図】なし

Description

本願はニッケル水素電池の制御方法を開示するものである。
非特許文献1には正極に導電助材としてCoを用いたニッケル水素電池が開示されており、Coを用いることにより電池の電気化学的性能が向上したと記載されている。
M.G.Ortiz et. al, International journal of hydrogen energy, 39, 2014, 8661-8666.
しかしながら、Coは電解液中に溶出し難いという性質を有するため、正極活物質間に十分な量の導電パスが形成できていないと考えられる。十分な量の導電パスが形成されないと、電池の容量が小さくなる。そのため、ニッケル水素電池の正極に用いる導電助材については、まだまだ改善の余地があった。
そこで、本願は容量を向上させることができるニッケル水素電池の制御方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、正極の導電助材にYを用い、通常よりも高い温度で電池を充電することで、電池容量を向上できることを見出した。
よって、本願は上記知見に基づいて、上記課題を解決する1つの手段として、正極活物質と導電助材とを含む正極を用いたニッケル水素電池の制御方法であって、40℃〜100℃の温度で上記ニッケル水素電池の充電を行う工程を含み、導電助材はYである、ニッケル水素電池の制御方法を開示する。
本願が開示するニッケル水素電池の制御方法によれば、電池の容量を向上させることができる。
制御方法10のフローチャートである。 導電助材としてCoを用いた場合における、導電パス形成の推定メカニズムを説明する図である。 導電助材としてYを用い、60℃で充電した場合における、導電パス形成の推定メカニズムを説明する図である。 実施例1の充放電曲線である。 比較例1の充放電曲線である。 比較例2の充放電曲線である。 実施例1のインピーダンス測定の結果である。 比較例1のインピーダンス測定の結果である。 比較例2のインピーダンス測定の結果である。
以下において、本願が開示するニッケル水素電池の制御方法を、一実施形態であるニッケル水素電池の制御方法10(以下において、「制御方法10」ということがある。)を用いて説明する。
なお、数値A及びBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
<制御方法10>
制御方法10はニッケル水素電池の制御方法である。そこで、まず制御方法10で使用することのできるニッケル水素電池について説明する。
(ニッケル水素電池)
制御方法10で用いることのできるニッケル水素電池は、正極、負極、及び正極と負極との間に配置される電解質層を備えており、正極に用いられる導電助材がYであることに特徴を有している。後述するように、Yを導電助材として用いて、40〜100℃の温度で電池を充電することで、電池容量を向上できる。
以下にそれぞれの構成について説明する。
正極は正極活物質と導電助材とが含まれている。
正極活物質としては、ニッケル水素電池に使用される正極活物質であれば特に限定されず、水酸化ニッケル等のニッケル化合物又は該ニッケル化合物の水和物を用いることができる。正極材料における正極活物質の含有量は、特に限定されないが、80.0質量%以上99.8質量%以下であることが好ましい。
導電助材としては、上述のとおりYを用いる。正極材料における導電助材の含有量は、特に限定されないが、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。ただし、導電助材としてY以外の導電助材を用いることを妨げるものではない。
また、正極には正極活物質及び導電助材の他に、公知のバインダーを含むことができる。例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)やCMC(カルボキシメチルセルロース)を挙げることができる。バインダーは単独で用いても良く、複数組み合わせて使用しても良い。正極材料におけるバインダーの含有量は、特に限定されないが、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
負極には、ニッケル水素電池に用いられる公知の負極活物質を含む負極を用いることができる。例えば、負極活物質としてニッケル水素電池に用いられる水素吸蔵合金を挙げることができる。また、負極には導電助材やバインダーが含まれていても良い。
電解質層には、ニッケル水素電池に用いられる公知の電解質(液体電解質等)を含む電解質層を用いることができる。ただし、電解質に液体電解質(電解液)を用いる場合は、正極と負極との間に絶縁性多孔質体であるセパレータを配置し、正極と負極との絶縁性を確保する必要がある。液体電解質としては、例えば水酸カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等の公知のものを挙げることができる。これらの液体電解質は単独で用いても良く、複数用いてもよい。液体電解質の濃度は、特に限定されないが、4mol/kg〜8mol/kgが好ましい。
なお、正極及び負極には集電体が配置されていることが好ましい。集電体にはニッケル等の公知の集電体を用いることができる。
(制御方法10)
制御方法10は、上記に説明したニッケル水素電池を用いて実施される。制御方法10は図1に示したように、充電工程S1を備える。さらに、図1に示したように、放電工程S2を備えることが好ましい。また、さらに充電、放電を繰り返す工程を備えても良い。
充電工程S1は、40〜100℃の温度でニッケル水素電池の充電を行う工程である。これにより、電池の容量を向上させることができる。以下に、その推定メカニズムを説明する。
まず、正極の導電助材にCoを用いた従来のニッケル水素電池の場合について、図2を用いて説明する。従来のニッケル水素電池を充電すると、図2に示したように、Coは電解液中のOHと反応して、Co(OH) 2−となり電解液中に溶出する。そして、Co(OH) 2−はさらに酸化されてCoOOHとなり、これにより正極活物質間に導電パスが形成される。
しかしながら、図2に示した通り、一般的にCoはニッケル水素電池に用いられる電解液に溶出し難く、そのためCoOOHの生成量が少なくなり易い。そのため、正極活物質間に十分な導電パスが形成されず、反応抵抗が高くなり易く、容量が小さくなり易い。
一方で、正極の導電助材にYを用いたニッケル水素電池を40℃〜100℃の温度で充電すると、Yが電解液と反応して溶出し、図3に示したように正極活物質間に十分な量の導電パス(YOOH)を形成することができる。40℃〜100℃の温度で充電するとYはCoに比べて、電解液に溶出し易いためである。よって、制御方法10によれば、導電パスの形成が促進することができるため、反応抵抗を低減させることができ、容量を向上させることができる。
ここで、充電する際の温度を40℃〜100℃に設定する理由は、40℃未満であるとYと電解液との反応が進行せず、導電パスを形成しないためであり、100℃を超えると、電解液が気化し、液枯れが起こるためである。
充電工程S1において、上記の温度以外の条件は特に限定されず、適宜設定することができる。また、充電工程S1を行うタイミングも、特に限定されず、充電工程S1の前に充電する工程及び放電する工程を設けていても良い。ただし、充電工程S1より前に充電の行う場合は、充電温度は40℃未満に設定する必要がある。
放電工程S2は、充電工程S1で充電されたニッケル水素電池を放電する工程である。放電工程S2における放電条件は特に限定されず、適宜設定して行うことができる。
本開示のニッケル水素電池の制御方法について、実施例及び比較例を用いて詳しく説明する。
[ニッケル水素電池の作製]
<正極の作製>
β−Ni(OH)と、Yと、SBRと、CMCとを質量比で95:3:1:1の配合で混合し、さらに溶媒(NMP)を加えて混合してスラリーとした。そして、得られたスラリーを集電体(ニッケル)に塗布し、乾燥させることで正極Aを作製した。また、正極材料としてβ−Ni(OH)と、Yと、Coと、SBRと、CMCとを質量比で95:2:1:1:1の配合した以外は正極Aと同様の方法で作製し、正極Bを得た。
<負極の作製>
水素吸蔵合金と、SBRと、CMCとを質量比で98:1:1の配合で混合し、さらに溶媒(NMP)を加えて混合してスラリーとした。そして、得られたスラリーを集電体(ニッケル)に塗布し、乾燥させることで負極を作製した。
なお、水素吸蔵合金としては、LaNiを用いた。
<ニッケル水素電池の作製>
上記で作製した正極と負極との間にセパレータ(ポリエチレン・ポリプロピレン製不織布)を挟み、さらに、両面からアクリル板で圧迫して固定した。そして、6mol/kgの水酸化カリウム水溶液を電解液に用いて、実施例1及び比較例1、2のニッケル水素電池をそれぞれ作製した。実施例1及び比較例1、2に用いた正極の種類は表1に記載した。また、参照電極としては酸化水銀電極(Hg/HgO)を用いた。
[充放電制御]
実施例1及び比較例1、2のニッケル水素電池にそれぞれ充放電装置を接続し、以下のように充放電を行った。
まず、実施例1では、60℃の温度で充電し、その後25℃の温度で放電した。そして、25℃の温度で10サイクルの充放電を繰り返した。このときの充放電容量の結果を図4に示した。その後、インピーダンス測定を実施した。その結果を図7に示した。
比較例1、2では25℃の温度で充電し、その後25℃の温度で放電した。そして、25℃の温度で10サイクルの充放電を繰り返した。このときの充放電容量の結果を図5、6に示した。その後、インピーダンス測定を実施した。その結果を図8、9に示した。また、得られた結果を表1にまとめた。
なお、充放電は0.2mA/cmで行い、下限電圧を1.0Vとした。
表1より、正極の導電助材としてYを用い、初回の充電温度を60℃に設定した実施例1では、比較例1、2に比べてインピーダンスが低く、放電容量が高かった。
ここで、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1は60℃で充電を行うことにより、比較例1(充電温度25℃)よりもインピーダンスが低下し、放電容量が向上していることが分かる。これは、60℃で充電を行うことにより、Yが電解質と反応し、十分な量のYOOH(正極活物質間の導電パス)が生成したためと考えられる。
また、比較例1、2を比べると、導電助材にCoを添加することにより、インピーダンスが若干低下することが分かる。これはCoが電解質と反応し、CoOOH(正極活物質間の導電パス)を形成したためと考えられる。

Claims (1)

  1. 正極活物質と導電助材とを含む正極を用いたニッケル水素電池の制御方法であって、
    40℃〜100℃の温度で前記ニッケル水素電池の充電を行う工程を含み、
    前記導電助材はYである、ニッケル水素電池の制御方法。
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