JP2020071624A - 異常診断装置、異常診断方法、及びプログラム - Google Patents

異常診断装置、異常診断方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】過去に発生した不具合の情報を用いずに、異常診断対象の異常を診断することができる異常診断装置、異常診断方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】異常診断装置1は、異常診断対象の複数の種類の異常をシミュレートした前記異常の種類毎の異常シミュレート結果202と、複数の検出部によって前記異常診断対象を時系列によって観測した複数の時系列観測結果との差分に基づいて、前記異常診断対象に生じる異常の種類を診断する診断部104を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、異常診断装置、異常診断方法、及びプログラムに関する。
従来、対象に生じている異常を診断する手法として、過去に発生した対象の不具合の情報を蓄積し、蓄積した情報の傾向に基づいて、異常を診断する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2010−126130号公報
しかしながら、従来の技術では、対象に係る情報が少なく、不具合の情報が存在しない、或いは不具合の情報が少ない場合に、対象の異常を診断することが困難である場合があった。
また、従来の技術では、異常診断対象に係る情報を取得する機器(例えば、センサ)の数が膨大である場合、異常を診断するに際して膨大な量の情報を蓄積することが求められる場合があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、過去に発生した不具合の情報を用いずに、対象の異常を診断することができる異常診断装置、異常診断方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様は、異常診断対象の複数の種類の異常をシミュレートした異常の種類毎の異常シミュレート結果と、複数の検出部によって異常診断対象を時系列によって観測した複数の時系列観測結果との差分に基づいて、異常診断対象に生じる異常の種類を診断する診断部を備える異常診断装置である。
である。
本発明によれば、過去に発生した不具合の情報を用いずに、対象の異常を診断することができる異常診断対象の異常を診断することができる。
実施形態の異常診断装置1の構成の一例を示す図である。 観測結果情報300の内容の一例を示す図である。 バルブ圧損異常シミュレート結果202aの内容の一例を示す図である。 正常シミュレート情報204の内容の一例を示す図である。 相関関係情報206の内容の一例を示す図である。 通常状態におけるセンサの観測結果の経時変化の一例を示すグラフである。 通常状態における位相平面上の軌道の形状の一例を示す図である。 診断部104によって分類された複素パワーケプストラム距離Dcに基づき分類された結果の一例を示す樹形図である。 診断部104によって、動的時間伸縮法より評価した非類似度に基づき分類された結果の一例を示す樹形図である。 異常診断装置1の処理の一連の流れを示すフローチャートである。 図10におけるステップS106の処理の一連の流れを示すフローチャートである。 図10におけるステップS108の処理の一連の流れを示すフローチャートである。 変形例に係る異常診断装置1aの構成の一例を示す図である。 寄与率の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、図を参照して本発明の実施形態について説明する。
[全体構成]
図1は、実施形態の異常診断装置1の構成の一例を示す図である。異常診断装置1は、異常診断対象の装置やシステムにおいて生じた、又は生じる可能性がある異常を診断する。異常診断装置1は、例えば、制御部100と、記憶部200とを備える。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサが記憶部200に記憶されるプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、取得部102と、診断部104と、軌道導出部106と、第1差分算出部108と、第2差分算出部110と、出力部112との各機能を実現する。また、これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
記憶部200は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)により実現されてもよく、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)により実現されてもよく、ドライブ装置に装着される記憶媒体であってもよい。また、記憶部200の一部又は全部は、NAS(Network Attached Storage)や外部のストレージサーバ等、異常診断装置1のアクセス可能な外部装置であってもよい。記憶部200には、例えば、異常シミュレート情報202と、正常シミュレート情報204と、相関関係情報206と、複素自己回帰モデル情報208とが記憶される。各種情報の詳細については、後述する。
取得部102は、異常診断対象の装置やシステムに配置された複数のセンサ(不図示)の各々が観測対象の状態を所定時間毎に観測した複数の観測結果を示す情報(以下、観測結果情報300)を取得する。観測対象は、例えば、異常診断対象の装置やシステムにおいて、変化が生じる物理量であり、観測対象の状態は、例えば、物理量の値である。この物理量は、例えば、機械的性質、電磁気的性質、熱的性質、音響的性質、化学的性質等のうち、少なくともいずれかを示すものであってもよく、或いはそれらで示される空間情報や時間情報であってもよい。この物理量は、例えば、圧力、流量、弁開度、大気圧、外気温、水温、血圧、脈拍等を含む。異常診断対象の装置やシステムは、例えば、ロケット(例えば、再使用ロケット、ロケットエンジン)、交通システム、発電装置、生命維持装置等である。異常診断対象の装置がロケットである場合、複数のセンサは、ロケットに搭載され、ロケットの制御に係る観測対象(物理量)を観測する。なお、異常診断対象の装置やシステムは、これらに限定されず、観測対象が取得可能な装置であればよい。
取得部102は、例えば、異常診断装置1に接続される複数のセンサから観測結果情報300を取得してもよく、ネットワークを介して情報の送受信が可能に接続されたセンサから観測結果情報300を取得してもよく、動作を完了した異常診断対象の動作履歴(例えば、ログ情報)に含まれるセンサの観測履歴を、観測結果情報300として取得(抽出)してもよい。以降の説明では、取得部102が、再使用ロケットに搭載されるデータロガーに記憶されるログ情報から観測結果情報300を取得する場合について説明する。センサは、「検出部」の一例である。
図2は、観測結果情報300の内容の一例を示す図である。観測結果情報300には、例えば、センサを識別可能な情報(図示するセンサID)と、センサ名と、当該センサが所定時間毎に観測対象を観測した観測結果とが互いに対応付けられた情報が、センサ毎に区別して格納される。図2において、センサIDが「0001」であり、センサ名が「温度センサA」のセンサは、観測対象が異常診断対象の温度であり、観測結果には、センサが観測した温度(例えば、機器温度)が示される。
図1に戻り、診断部104は、取得部102によって取得された複数の観測結果に基づいて、異常診断対象に生じていた、或いは異常診断対象に生じる可能性がある異常の種類を診断する。この異常は、例えば、異常診断対象の装置やシステムの異常(以下、システム異常)である。
軌道導出部106と、第1差分算出部108と、第2差分算出部110とは、診断部104が異常を診断する際に用いる指標をそれぞれ生成する。軌道導出部106と、第1差分算出部108と、第2差分算出部110との詳細については、後述する。
出力部112は、診断部104によって診断された異常の種類に係る情報を出力する。出力部112は、例えば、異常診断装置1に接続される表示装置(不図示)に異常の種類を示す画像を表示してもよく、ネットワークを介して接続される他の装置に異常の種類を示す情報を出力してもよく、記憶部200に異常の種類を示す情報を記憶させてもよい。
[診断部104の処理]
以下、診断部104の処理の詳細について説明する。まず、診断部104は、取得部102によって取得された観測結果から、ある1つの観測結果を特定する。診断部104は、例えば、異常診断装置1に接続される入力装置(不図示)を介してユーザにより入力された指示に基づいて、診断対象の観測結果を特定してもよく、予め定められた順序に基づいて、観測結果を特定してもよい。診断部104は、特定した観測結果と、異常診断対象の装置やシステムを模した(モデリングした)モデルを用いてシミュレートしたシミュレート結果とに基づいて、特定した異常診断対象に生じていた、或いは異常診断対象に生じる可能性がある異常の種類を診断する。以降の説明において、診断部104が、異常診断対象に生じていた、或いは異常診断対象に生じる可能性がある異常の種類を診断することを、単に、診断部104が、異常診断対象の異常の種類を診断すると記載する場合がある。
本実施形態の異常診断対象は、例えば、電動モータにより駆動される流量制御バルブの場合、電動モータと、電動モータにより発生される動力を変速機に伝達する機構部品と、電動モータにより発生される回転運動を伸縮運動に変換するアクチュエータと、アクチュエータにより駆動されるバルブ弁体を備える装置である。また、診断部104は、異常診断対象に生じ得る、バルブ弁体における「バルブ圧損異常」もしくは「流体トルク異常」と、電動モータの「モータコイル異常」と、アクチュエータの「機構トルク異常」との4つ種類の異常を診断する。なお、異常診断対象に生じ得る異常は、この4つの異常に限られない。
以下、シミュレート結果の詳細について説明する。異常シミュレート情報202は、異常診断対象が異常状態である場合を模したモデルを用いてシミュレートした結果(以下、異常シミュレート結果)を示す情報である。異常シミュレート情報202には、バルブ圧損異常シミュレート結果202aと、流体トルク異常シミュレート結果202bと、モータコイル異常シミュレート結果202cと、機構トルク異常シミュレート結果202dとが含まれる。
バルブ圧損異常シミュレート結果202aは、異常診断対象に「バルブ圧損異常」が生じている状態を模したモデルの異常シミュレート結果である。流体トルク異常シミュレート結果202bは、異常診断対象に「流体トルク異常」が生じている状態を模したモデルの異常シミュレート結果である。モータコイル異常シミュレート結果202cは、異常診断対象に「モータコイル異常」が生じている状態を模したモデルの異常シミュレート結果である。機構トルク異常シミュレート結果202dは、異常診断対象に「機構トルク異常」が生じている状態を模したモデルの異常シミュレート結果である。
各異常シミュレート結果(202a〜202d)は、シミュレートに用いるモデルと、シミュレート結果が異なるものの、同様の内容が含まれため、以下ではバルブ圧損異常シミュレート結果202aを一例に説明する。図3は、バルブ圧損異常シミュレート結果202aの内容の一例を示す図である。バルブ圧損異常シミュレート結果202aは、異常診断対象に配置された複数のセンサによる観測対象のシミュレート結果を、センサ毎に示す情報である。以下、観測結果情報300に観測結果が示されるセンサと、異常シミュレート情報202に異常シミュレート結果が示されるセンサとが一致する場合について説明する。
また、バルブ圧損異常シミュレート結果202aには、「バルブ圧損異常」を模したモデルに、外乱のパターンが互いに異なる複数の入力が与えられた場合の異常シミュレート結果が、外乱のパターン毎に示される。外乱とは、例えば、異常診断対象の動作タイミングや動作状況、或いは異常診断対象間の個体差によって生じる、モデルに与えられる入力の差である。図3においては、「バルブ圧損異常」モデルの入力の外乱のパターンが、外乱パターンNo.1〜外乱パターンNo.8の8つである場合を示している。したがって、バルブ圧損異常シミュレート結果202aには、モデルに各パターンの外乱が生じている入力が与えられた場合の異常シミュレート結果が、外乱パターン毎に示される。
図4は、正常シミュレート情報204の内容の一例を示す図である。正常シミュレート情報204は、異常診断対象が正常状態である場合を模したモデルを用いてシミュレートした結果(以下、正常シミュレート結果)を、センサ毎に示す情報である。また、正常シミュレート情報204には、異常診断対象の正常状態を模したモデルに、外乱を含む入力が与えられた場合の正常シミュレート結果が示される。
診断部104は、観測結果と、シミュレート結果とに基づいて、(1)複素パワーケプストラム等の公知の手法により評価した非類似度距離を用いた手法、及び(2)DTW(Dynamic Time Warping:動的時間伸縮法)等の公知の手法により評価した非類似度距離を用いて、異常診断対象の異常の種類を診断する。以下、各手法の詳細について説明する。
[(1)複素パワーケプストラム等により評価した非類似度距離を用いた手法について]
以下、(1)複素パワーケプストラム等により評価した非類似度距離を用いた手法によって、診断部104が異常の種類を診断する処理の内容について説明する。まず、診断部104は、取得部102によって取得された観測結果情報300から、あるセンサ(以下、第1センサ)により観測された観測対象(以下、第1観測対象)を特定する。そして、診断部104は、相関関係情報206に基づいて、第1センサと相関関係にある観測対象(以下、第2観測対象)を観測するセンサ(以下、第2センサ)の観測結果(以下、第2観測結果)を特定する。第2観測対象には、複数のセンサの中から1つだけを選ぶこともできるし、複数のセンサをまとめて第2観測対象として選ぶこともできる。また第2観測対象には、第1センサと相関関係にないセンサを選ぶこともできる。相関関係にあるセンサを選んだほうが、解析が迅速に行えるので、以下は相関関係にあるセンサを選んだ場合について説明する。
図5は、相関関係情報206の内容の一例を示す図である。相関関係情報206は、例えば、観測結果が互いに相関関係にあるセンサを、センサ毎に示す情報である。図5において、センサIDが「0001」であり、センサ名が「温度センサA」であるセンサと観測結果が相関関係にあるセンサは、センサIDが「0002」〜「0006」であり、センサ名が「温度センサB」〜「温度センサF」のセンサである。あるセンサと観測結果が相関関係にあるセンサは、例えば、あるセンサの観測対象と同種の観測対象を観測するセンサや、あるセンサ(例えば、「電圧センサ」)の観測対象(例えば、「電圧」)の変化に応じて変化する異種の観測対象(例えば、「電流」)を観測するセンサ(例えば、「電流センサ」)である。
なお、第1センサの観測対象と観測対象が同種であったり、観測対象の種類が第1観測対象の変化に応じて変化するものであったりしても、設置場所や設置環境に起因して観測結果が相関関係にないセンサは、相関関係情報206に含まれていなくてもよい。
例えば、診断部104は、第1センサが「温度センサA」である場合、相関関係情報206を参照し、第1センサである「温度センサA」と相関関係にある第2センサとして、「温度センサB」〜「温度センサF」を特定する。なお、第1センサである「センサA」と相関関係にあるセンサが複数存在する場合、診断部104は、まず、ある1つのセンサを第2センサとして処理を行い、その後、他のセンサを第2センサとして処理を行ってもよいが、複数のセンサをまとめて処理を行うこともできる。以下、相関するセンサが2つのセンサの場合に、診断部104が、「センサB」を第2センサとして診断を実行する場合について説明する。
軌道導出部106は、診断部104によって特定された第1観測結果と、第2観測結果とに対して、多変量時系列データにおける主成分分析の手法を利用して、主成分分析(以下、PCA;Principal Component Analysis)処理を行う。例えば、軌道導出部106は、第1観測結果を第1要素、第2観測結果を第2要素として示す二次元ベクトルとして時間のインデックスをもつ2変量データの集まりに再構成する。このデータ(この一例では、当該値を取得した時刻毎に、第1観測結果を第1要素、第2観測結果を第2要素にもつ2変量のデータの集まりに変換される)に、PCA処理を実行することによって特徴を抽出する。このとき、k変量PCA処理では、第1主成分から第k主成分までの主成分を抽出することができる。したがって、軌道導出部106は、第1観測結果と第2観測結果に対して2変量PCA処理を行った場合には、第1主成分スコアと第2主成分スコア同時に導出することができる。このように、軌道導出部106は、複数のセンサから得られる観測結果を多変量データに再構成することで、一度のPCA処理で複数のセンサ情報の主成分スコアを一度に導出することができる。
なお、軌道導出部106は、第1観測結果と、第2観測結果を2変量データに再構成してまとめて実行するPCA処理ではなく、第1観測結果と、第2観測結果とに対して、それぞれ滑走窓法を利用してラグ構造を導入することにより単一センサ情報を多変量データに再構成して、PCA処理を行ってもよい。また、軌道導出部106は、滑走窓法を利用して単一センサ情報を多変量データに再構成してPCA処理をした第1観測結果と滑走窓法を利用して単一センサ情報を多変量データに再構成してPCA処理をした第2観測結果を2変量データに再構成してまとめてPCA処理を実行してもよい。
以下、第1観測結果と第2観測結果とには、所定時間毎に同一のタイミングによって取得されたm回(mは、自然数)分の観測結果が、それぞれ含まれるものとする。したがって、上述の第1観測結果と、第2観測結果とに対して、多変量時系列データにおけるPCA処理の手法を利用して、PCA処理を実行した場合には、mセット分の軌道導出部106によって導出された第1主成分スコアと第2主成分スコア、が得られる。また、以降の説明において、軌道導出部106によって導出された「センサA」と「センサB」の第1主成分スコアを、第1主成分スコアxと記載し、「センサA」と「センサB」の第2主成分スコアを、第2主成分スコアyと記載する。
なお、k変量PCA処理では、第1主成分から第k主成分までの主成分を抽出することができるので、軌道導出部106が、以降の分析に用いるのは、第1主成分スコアと第2主成分スコアに限られず、第3主成分スコア、第4主成分スコア、…、第k主成分スコア(kは、自然数)のうち、いずれかを以降の分析に用いるものであってもよい。
なお、軌道導出部106は、公知の技術である滑走窓法などを利用して単変量の時系列情報を部分時系列とよばれる近傍の計測値を要素とするベクトルの集まりに変換してもよい。軌道導出部106は、検出結果を、近傍の計測値を変数としてもつ多変量データとして再構成する。滑走窓法により再構成された検出結果に対して、複数のモード情報取得が可能な主成分分析法を用いて多変量解析を行う場合、軌道導出部106は、主成分分析結果に時間構造(ラグ構造)を取り込むことができるだけでなく、且つ窓幅の数だけ、検出結果から複数のモード情報を取得することができる。滑走窓法の詳細については、後述する。このようにして得られた複数のモード情報には、それぞれ異なる性質の異常(周期性の変化、不定期ノイズの混入、計測値の振動等)が示される。
以降の説明において、軌道導出部106が行う処理であり、単一のセンサの時系列情報を、ラグ構造を利用してベクトル化することによって多変量データに再構成し、複数のモード情報取得が可能な多変量解析法(例えば、主成分分析、カーネル主成分分析法、ファジィ主成分分析法、スパース主成分分析法、確率的主成分分析法、ロバスト主成分分析法など)を利用して行うモード情報の取得処理を、「センサ毎の主成分スコア取得処理」と記載する。これに対し、軌道導出部106が行う処理であり、2つ以上のセンサの時系列情報を時間毎に集めてベクトル化することによって多変量データに再構成し、これを複数の独立した多変量データとして扱うことにより実行される一般的な時間領域での多変量解析法を利用して行うモード情報の取得処理を「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」と記載する。
軌道導出部106は、「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」によって、2つ以上のセンサをまとめて多変量解析を行う場合、「センサ毎の主成分スコア取得処理」とは異なる視点によるモード情報を取得することができる。また、軌道導出部106は、主成分分析を用いた「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」を行う場合、主成分分析を用いた「センサ毎の主成分スコア取得処理」において滑走窓法を用いた場合において窓幅の数だけモード情報が抽出される場合とは異なり、多変量データの再構成に用いたセンサの数だけ複数のモード情報を取得することができる。また、軌道導出部106は、「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」において、一度に複数のセンサの検出結果に基づいてモード情報を取得するため、センサ毎にモード情報を取得する「センサ毎の主成分スコア取得処理」に比べて、異常検出対象が備えるセンサ数が多い場合には、計算を省力化することができる。
軌道導出部106は、例えば、観測結果情報300に示される単一センサの検出結果のモード情報取得処理前の検出結果(以下、0次モード情報と呼ぶ)や、当該センサの検出結果に標準化を行ったデータ(以下、標準化0次モード情報)を、「センサ毎の主成分スコア取得処理」の対象データとする。また、軌道導出部106は、例えば、「0次モード情報」、「標準化0次モード情報」、「センサ毎の主成分スコア取得の結果である1次から高次までのモード情報」、「標準化されたセンサ毎の主成分スコア取得の結果である1次から高次までのモード情報」等を、「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」の対象データとする。
また、軌道導出部106は、前記のように「センサ毎の主成分スコア取得処理」を行ったデータを用いて「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」を行うことにより、「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」で失われるラグ構造の取り込みを可能にすることができる。これは以下のような理由による。滑走窓法を利用して、データを再構成し、多変量解析を行った「センサ毎の主成分スコア取得処理」データには、ラグ構造が取り込まれる。一方、「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」の場合、軌道導出部106は、2つ以上のセンサの時系列情報を時間毎に集めてベクトル化することによって多変量データに再構成するため、データ間の時間相関は失われる。軌道導出部106は、ラグ構造が導入された「センサ毎の主成分スコア取得処理」の結果をセンサの時系列情報として、「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」に用いることでモード情報取得の際に失われる時間相関を回復することが可能になる。
軌道導出部106は、取得部102によって取得された観測結果情報300に基づいて、センサ毎に実行される「センサ毎の主成分スコア取得処理」、或いは2つ以上のセンサの組合せに対して実行される「センサグループ毎の主成分スコア取得処理」を行い、複数のモード情報により、閾値の設定されていない異常や閾値の設定が困難な異常(周期性の変化や不定期ノイズの混入など)など多様な異常の特徴を抽出する。
軌道導出部106は、第1主成分スコアxを第1軸(例えば、横軸)とし、第2主成分スコアyを第2軸(例えば、縦軸)とした位相平面上に、第1主成分スコアxに含まれる各要素{x、x、…、x}と、第2主成分スコアyに含まれる各要素{y、y、…、y}との中で観測タイミングが合致する要素によって示される座標(図示する、座標(x、y)、…、座標(x、y))を、直線によって結ぶ軌道を導出する。
図6は、通常状態におけるセンサの経時変化の一例を示すグラフである。図6に示される波形W1は、「センサA」の検出結果の経時変化を示す波形であり、波形W2は、「センサB」の検出結果の経時変化を示す波形である。
図7は、通常状態における位相平面上の軌道の形状の一例を示す図である。軌道導出部106は、センサグループ毎の主成分スコア取得処理結果に基づいて導出された第1主成分スコアxを横軸とし、第2主成分スコアyを縦軸とした位相平面において、第1主成分スコアxの要素と第2主成分スコアyの要素によって示される座標(図示する、座標(x,y)、…、座標(x,y))を時系列順に直線によって結ぶ軌道(図示する軌道Orb1)を生成する。
なお、軌道導出部106は、軌道を導出する際の元データを提供する第1センサ「センサA」の第1観測対象と第2センサの「センサB」の第2観測対象が互いに異なる(例えば、温度と圧力など)場合、平均と分散をそろえる処理をそれぞれ行った後、第1主成分スコアx、及び第2主成分スコアyを導出してもよい。この場合、例えば、軌道導出部106は、標準化を行った第1観測対象と第2観測対象に対してPCA処理を行い、第1主成分スコアxと、第2主成分スコアyを導出する。
また、軌道導出部106が、センサグループ毎の主成分スコア取得処理により2変量解析を行う場合に基づいて、第1主成分スコアx、及び第2主成分スコアyを導出する場合について説明したが、これに限られない。軌道導出部106は、通常状態の軌道の形状と、異常状態の軌道の形状とを判定可能であれば、k個のセンサ情報を扱う場合には、他の主成分(例えば、第1主成分、第2主成分、…第k主成分)に基づいて、互いに異なる主成分分析結果(例えば、第3主成分から第3主成分スコア、及び第k主成分から第k主成分スコアなど)を組み合わせて軌道を導出してもよい。また、軌道導出部106は、センサ毎の主成分スコア取得処理の結果を用いて軌道を導出してもよい。
また、軌道導出部106は、異常シミュレート情報202に基づいて、第1センサ(この一例では、「センサA」)の異常シミュレート結果と、第2センサ(この一例では、「センサB」)の異常シミュレート結果とを特定する。ここで、上述したように、異常シミュレート情報202には、異常診断対象に、「バルブ圧損異常」、「流体トルク異常」、「モータコイル異常」、及び「機構トルク異常」が生じている状態を模したモデルに対して、それぞれ外乱パターンNo.1〜外乱パターンNo.8の外乱が生じている入力が与えられた場合の異常シミュレート結果が含まれる。したがって、軌道導出部106は、第1センサと第2センサとの各々の異常シミュレート結果として、4つの異常状態のそれぞれに対して8パターン(つまり、32個)の異常シミュレート結果を特定する。
軌道導出部106は、特定した異常シミュレート結果にそれぞれPCA処理を行い、軌道(以下、軌道Orb2)を導出する。この一例では、軌道導出部106は、32個の異常シミュレート結果に基づいて、32個の軌道Orb2を導出する。軌道導出部106が軌道Orb2を導出する処理は、上述した軌道Orb1を導出する処理と同様であるため、説明を省略する。軌道Orb1は、「第1軌道」の一例であり、軌道Orb2は、「第2軌道」の一例である。
第1差分算出部108は、軌道導出部106によって導出されたすべての軌道の形状を抽出し、抽出した軌道の形状をそれぞれ複素自己回帰モデルに変換する。軌道導出部106は、例えば、位相平面上に示される軌道を所定の大きさ(又は、所定の画素数)の画像に変換し、変換した画像をグレースケールにした場合の各画素の明るさ(画素値)に基づいて、軌道の形状(輪郭線(エッジ))を抽出する。そして、第1差分算出部108は、抽出した軌道の輪郭線を追跡して得られる点列を式(1)とし、その複素表現を式(2)とする場合の、m次の複素自己回帰モデルを導出する。m次の複素自己回帰モデルは、式(3)に示す通り、のように輪郭点をm個前までの輪郭点の線形結合で近似するモデルとして定義される。
第1差分算出部108は、軌道導出部106によって導出された軌道毎に、軌道の形状を複素自己回帰モデルに変換する。第1差分算出部108は、変換したある軌道の複素自己回帰モデルz1と、当該軌道以外の他の軌道の複素自己回帰モデルz2との間の差分(距離)である複素パワーケプストラム距離Dc(z1、z2)を導出する。複素パワーケプストラム距離Dc(z1、z2)は、複素自己回帰モデルz1と、複素自己回帰モデルz2とのスペクトル包絡の対数の平均二乗距離として、式(4)によって示される。
第1差分算出部108は、軌道Orb1、及び複数(この一例では、32個)の軌道Orb2の中で、ある2つの軌道を選択したすべての組合せに係る複素パワーケプストラム距離Dcをそれぞれ導出する。診断部104は、例えば、第1差分算出部108によって導出された複素パワーケプストラム距離Dcを階層型クラスタリングによって分類する。図8は、診断部104によって分類された複素パワーケプストラム距離Dcに基づき分類された結果の一例を示す樹形図である。図8において、複素パワーケプストラム距離Dcは、樹形図の枝の長さによって示される。一般に、複素パワーケプストラム距離Dcの値が大きいほど、2つの複素自己回帰モデル間の違いが大きくなり(つまり、異常の種類が異種)、複素パワーケプストラム距離の値が小さいほど、2つの複素自己回帰モデル間の違いが小さくなる(つまり、異常の種類が同種)という傾向がある。図8は、そのような傾向を表している。図8において、第1センサの観測結果と第2センサの観測結果に基づく複素自己回帰モデルと、「機構トルク異常」が生じているモデルの異常シミュレート結果に基づく複素自己回帰モデルとの複素パワーケプストラム距離Dcが近い。この場合、診断部104は、異常診断対象の異常の種類が「機構トルク異常」であると診断する。
なお、上述では、第1差分算出部108は、軌道の形状を変換した複素自己回帰モデルに基づいて、ユーグリッド距離、尤度比距離、或いは複素パワーメルケプストラム距離を導出する構成であってもよい。ユーグリッド距離、尤度比距離、及び複素パワーメルケプストラム距離は、「非類似度」の一例である。
また、上述で、第1差分算出部108は、軌道の形状の数値化に用いるのは、複素自己回帰モデルに限定されない。第1差分算出部108が、位相面軌道形状を数値化し、非類似度を算出する種々の手法のうち、複素自己回帰モデルは、図形の外形のみを抽出する手法である。このため、第1差分算出部108は、軌道の形状に関してより詳細な判別が必要である場合には、例えば、DTWのような位相面軌道形状の非類似度を時間構造も考慮して算出する方法の他、内部形状抽出することが可能なニューラルネットワークなど公知の方法を用いて、非類似度を算出する。
また、上述では、軌道導出部106、及び第1差分算出部108は、診断部104によって第1センサ、及び第2センサが特定されたことに応じて、第1センサ、及び第2センサのそれぞれ異常シミュレート結果に基づき軌道Orb2を導出し、導出した軌道Orb2に基づいて複素自己回帰モデルに変換する場合について説明したが、これに限られない。例えば、異常診断対象に設けられるセンサの中で、2つを取り出し、第1センサ、及び第2センサとするすべての組合せについて、予め複素自己回帰モデルが導出されている構成であってもよい。例えば、記憶部200には、組合せ毎の複素自己回帰モデルを示す情報である複素自己回帰モデル情報208が予め記憶されていてもよい。この場合、診断部104は、複素自己回帰モデル情報208に基づいて、第1差分算出部108によって導出された軌道Orb1の複素自己回帰モデルに対応する複素自己回帰モデルを特定し、複素パワーケプストラム距離Dcを算出してもよい。以下、記憶部200に複素自己回帰モデル情報208が記憶されている場合について説明する。
これにより、診断部104は、第1差分算出部108によって導出された複素自己回帰モデル間の複素パワーケプストラム距離Dcのうち、観測結果に基づく複素自己回帰モデルと最も複素パワーケプストラム距離Dcが近い(小さい)複素自己回帰モデルに係る異常の種類を、異常診断対象の異常の種類として診断し、過去に発生した不具合の情報を用いずに、異常診断対象の異常を診断することができる。また、診断部104は、モデルの出力として得られる異常シミュレート結果に基づいて、異常診断対象を診断するため、異常診断対象の装置やシステムのバイアスやタイムラグが要因となって生じる、異常診断対象の応答の変動に対して、ロバスト性のある診断を行うことができる。
また、診断部104は、階層型クラスタリング等の分類手法により分類し、分類したクラスタの中で最も複素パワーケプストラム距離Dcが近い(小さい)複素自己回帰モデルに係る異常の種類を、異常診断対象の異常の種類として診断することにより、より簡易な処理によって異常の種類を診断することができる。また、診断部104は、PCA処理を行うことにより、ノイズが低減されたセンサの観測結果(この一例では、第1主成分スコアx、および第2主成分スコアyによって示される軌道)に基づいて診断するため、より精度良く異常の種類を診断することができる。
[(2)DTW等により評価した非類似度距離を用いた手法について]
以下、(2)DTW等により評価した非類似度距離を用いた手法によって、診断部104が異常の種類を診断する処理の内容について説明する。診断部104は、観測結果と異常シミュレート結果とのDTW等により評価した非類似度距離に基づいて、異常の種類を診断する。DTW等により評価した非類似度距離は、ユークリッド距離における問題点である、長さの異なる時系列データの比較を可能とし、最適な点同士の比較を行うことで時間軸方向のずれにも対応した距離尺度である。まず、診断部104は、取得部102によって取得された観測結果情報300から、あるセンサ(以下、第1センサ)により観測された観測対象を特定する。そして、診断部104は、異常シミュレート情報202のうち、特定された第1観測対象に対応する異常シミュレート結果を特定する。第2差分算出部110は、診断部104によって特定された観測結果の経時変化と、異常シミュレート結果の経時変化とに基づいて、DTW等により非類似度距離を算出する。この際、異常状態の特徴をより顕著にするために、異常シミュレート結果及び観測結果に対して、正常シミュレート結果との差分を取ることや、その差分に対して時間微分を行う等の事前処理をDTW等による非類似度距離の算出の前に行うことが好ましい。
上述したように、異常シミュレート情報202には、異常診断対象に、「バルブ圧損異常」、「流体トルク異常」、「モータコイル異常」、及び「機構トルク異常」が生じている状態を模したモデルに対して、それぞれ外乱パターンNo.1〜外乱パターンNo.8の外乱が生じている入力が与えられた場合の異常シミュレート結果が含まれる。したがって、第2差分算出部110は、観測対象に対応する異常シミュレート結果として、32個の異常シミュレート結果を特定する。第2差分算出部110は、特定した異常シミュレート結果の経時変化を示すそれぞれの波形と、特定した観測結果の経時変化を示す波形とに基づいて、ある2つの波形を選択したすべての組合せに係る波形間での非類似度距離をそれぞれ算出する。特定した観測結果の経時変化を示す波形は、「第1波形」の一例であり、特定した異常シミュレート結果の経緯変化を示す波形は、「第2波形」の一例である。
診断部104は、例えば、第1差分算出部108によって算出されたDTW等により評価した非類似度距離を階層型クラスタリング等の分類手法によって分類する。図9は、診断部104によって、動的時間伸縮法より評価した非類似度に基づき分類された結果の一例を示す樹形図である。図9において、非類似度距離は、樹形図の枝の長さによって示される。一般に、非類似度距離の値が大きいほど、2つの波形間の違いが大きくなり(つまり、異常の種類が異種)、非類似度距離の値が小さいほど、2つの波形間の違いが小さくなる(つまり、異常の種類が同種)という傾向がある。図9は、そのような傾向を表している。図9において、第1センサの観測結果の波形と、「機構トルク異常」が生じているモデルの異常シミュレート結果の波形との間のDTW距離が近い(小さい)。この場合、診断部104は、異常診断対象の異常の種類が「機構トルク異常」であると診断する。
これにより、診断部104は、第2差分算出部110によって導出された波形間の非類似度距離のうち、観測結果に基づく波形と最も非類似度距離が近い(小さい)波形に係る異常の種類を、異常診断対象の異常の種類として診断し、過去に発生した不具合の情報を用いずに、異常診断対象の異常を診断することができる。
また、診断部104は、階層型クラスタリング等の分類手法によって差分を分類し、分類したクラスタの中で最も非類似度距離が近い(小さい)波形に係る異常の種類を、異常診断対象の異常の種類として診断することにより、より簡易な処理によって異常の種類を診断することができる。
[処理フロー]
以下、異常診断装置1の動作の内容について説明する。図10は、異常診断装置1の処理の一連の流れを示すフローチャートである。まず、取得部102は、異常診断対象のログ情報から観測結果情報300を取得する(ステップS100)。次に、診断部104は、取得部102によって取得された観測結果情報300の中で、ある観測結果を特定する(ステップS102)。
診断部104は、特定した観測結果が、単変量解析が可能か否かを判定する(ステップS104)。単変量解析は、ある1つの種類(例えば、ある1つのセンサ)に係る観測結果に基づいて、異常診断対象の異常の種類を診断する解析方法である。これに対し、多変量解析は、複数の観測結果に基づいて、異常診断対象の異常の種類を診断する解析方法である。単変量解析が可能な観測結果は、例えば、ある1つの種類の観測結果によって、異常診断対象の動作に係る変化や異常が読み取れる観測結果であり、所定時間内に観測結果に急峻な変化が生じる観測結果である。単変量解析が不可能な観測結果(つまり、多変量解析が必要な観測結果)は、例えば、他の観測結果との相関関係によって、異常診断対象の動作に係る変化や異常が読み取れる観測結果であり、所定時間内の観測結果の変化が小さい(つまり、時定数が大きい)観測結果である。
診断部104は、特定した観測結果が、単変量解析が不可能である場合、「(1)複素パワーケプストラム等により評価した非類似度距離を用いた手法」によって異常診断対象の異常の種類を診断する(ステップS106)。診断部104は、特定した観測結果が、単変量解析が可能な観測結果である場合、「(2)DTW等により評価した非類似度距離を用いた手法」によって異常診断対象の異常の種類を診断する(ステップS108)。ステップS106と、ステップS108の処理の詳細については、後述する。診断部104は、観測結果情報300に含まれるすべての観測結果に基づいて、異常診断対象を診断する処理を行うまでの間、ステップS102〜S108の処理を繰り返す(ステップS110)。出力部112は、診断部104によって診断され診断結果を示す情報を出力する(ステップS112)。診断結果には、例えば、ステップS106、又はステップS108において異常と診断された異常の種類が含まれる。なお、異常診断対象の異常がいずれの異常の種類にも該当しないと診断した場合、診断部104は、異常診断対象には異常がないと診断してもよい。その場合、診断結果は、異常診断対象には異常がないことを示してもよい。
[処理フロー:(1)複素パワーケプストラム等により評価した非類似度距離を用いた手法]
以下、診断部104が、(1)複素パワーケプストラム等により評価した非類似度距離を用いた手法によって異常診断対象の異常の種類を診断する処理の詳細について説明する。図11は、図10におけるステップS106の処理の一連の流れを示すフローチャートである。まず、診断部104は、相関関係情報206に基づいて、ステップS102において特定した第1観測結果と相関関係にある第2観測結果を特定する(ステップS202)。診断部104は、第2観測結果が複数存在する場合も、それぞれの観測結果を要素とする多次元データに再構成することでまとめて解析することができる。必要であれば、ある1つの観測結果を第2観測結果として特定し、他の観測結果については後で処理を行うこともできる。また後述の方法により、第2観測結果として用いるセンサを最適化しておけば、最適な2つのセンサで以降の解析を行うことができるので、3センサ以上の組み合わせで位相面軌道を作成する場合に比べて計算負荷を減らすことができる。軌道導出部106は、診断部104によって特定された2つの観測結果を、それぞれの観測結果を要素とする多次元データに再構成することでまとめてPCA処理を行うことができる(ステップS204)。なお、軌道導出部106は、まとめてPCA処理をする構成に代えて、センサ毎にPCA処理を行ってもよい。以下、軌道導出部106がセンサグループ毎にまとめてPCA処理を行ったものとする。軌道導出部106は、導出した複数の主成分(スコア)に基づいて、位相平面上に軌道を導出する(ステップS206)。この位相平面は、例えば、2変量の場合は第1主成分スコアxを第1軸(例えば、横軸)とし、第2主成分スコアyを第2軸(例えば、縦軸)とした位相平面であり、軌道導出部106は、第1主成分スコアxに含まれる各要素{x、x、…、x}と、第2主成分スコアyに含まれる各要素{y、y、…、y}との中で検出タイミングが合致する要素によって示される座標(図示する、座標(x、y)、…、座標(x、y))を、直線によって結ぶことにより、軌道を導出する。
第1差分算出部108は、軌道導出部106によって導出されたすべての軌道の形状を抽出し、抽出した軌道の形状をそれぞれ複素自己回帰モデルに変換する(ステップS108)。第1差分算出部108は、複素自己回帰モデル情報208に基づいて、第1観測結果と第2観測結果に対応する異常シミュレート結果に係る複数の複素自己回帰モデルを特定する(ステップS210)。第1差分算出部108は、ステップS208において変換された複素自己回帰モデルと、ステップS210において特定された複素自己回帰モデルの中で、ある2つの複素自己回帰モデルを選択し、選択した複素自己回帰モデル間の差分を示す複素パワーケプストラム距離Dcを算出する(ステップS212)。第1差分算出部108は、ある2つの複素自己回帰モデルを選択したすべての組合せ毎の複素パワーケプストラム距離Dcを算出するまでの間、ステップS212を繰り返す(ステップS214)。
診断部104は、ステップS212において算出された複素パワーケプストラム距離Dcを階層型クラスタリングによって分類する(ステップS216)。診断部104は、階層型クラスタリングの結果、観測結果に係る複素自己回帰モデルとの複素パワーケプストラム距離Dcが所定の値より小さい(つまり、異常の種類が同種の)複素自己回帰モデルを判定する(ステップS218)。診断部104は、観測結果に係る複素自己回帰モデルとの複素パワーケプストラム距離Dcが所定の値より小さい複素自己回帰モデルに係る異常の種類を、異常診断対象の異常の種類と診断する(ステップS220)。診断部104は、観測結果に係る複素自己回帰モデルとの複素パワーケプストラム距離Dcが所定の値より小さい複素自己回帰モデルが存在しない場合、異常診断対象に異常がないと診断する(ステップS222)。なお、診断部104は、観測結果に係る複素自己回帰モデルとの複素パワーケプストラム距離Dcが最も小さい複素自己回帰モデルを判定し、当該複素自己回帰モデルに係る異常の種類を、異常診断対象の異常として診断してもよい。
[処理フロー:(2)DTW等により評価した非類似度距離を用いた手法]
以下、診断部104が、(2)DTW等により評価した非類似度距離を用いた手法によって異常診断対象の異常の種類を診断する処理の詳細について説明する。図12は、図10におけるステップS108の処理の一連の流れを示すフローチャートである。まず、診断部104は、異常シミュレート情報202に基づいて、ステップS102において特定した第1観測結果に対応する、異常の種類毎の複数の異常シミュレート結果を特定する(ステップS302)。第2差分算出部110は、特定した第1観測結果と、複数の異常シミュレート結果とのうち2つを選択し、選択した観測結果又は異常シミュレート結果の、それぞれと正常状態シミュレート結果との差分の経時変化を示す波形同士に対してDTW等により評価する非類似度距離を算出する(ステップS304)。第2差分算出部110は、特定した第1観測結果と、複数の異常シミュレート結果とのうち2つを選択するすべての組合せ毎の非類似度距離を算出するまでの間、ステップS304の処理を繰り返す(ステップS306)。
診断部104は、ステップS304において導出された複素パワーケプストラム距離Dcを階層型クラスタリングによって分類する(ステップS308)。診断部104は、階層型クラスタリングの結果、観測結果に係る波形との複素パワーケプストラム距離Dcが所定の値より小さい(つまり、異常の種類が同種の)波形の異常シミュレート結果が存在するか否かを判定する(ステップS310)。診断部104は、観測結果に係る波形とのDTW距離が所定の値より小さい波形の異常シミュレート結果が存在する場合、当該異常シミュレート結果の異常の種類を、異常診断対象の異常の種類と診断する(ステップS312)。診断部104は、観測結果に係る波形とのDTW距離が所定の値より小さい波形の異常シミュレート結果が存在しない場合、異常診断対象に異常がないと診断する(ステップS314)。なお、診断部104は、観測結果に係るDTW距離が最も小さい波形を判定し、当該波形の異常シミュレート結果に係る異常の種類を、異常診断対象の異常として診断してもよい。
[単変量解析と、多変量解析とを行う場合]
なお、上述では、図10のステップS104において、診断部104が、観測結果が単変量解析可能か否かを判定し、単変量解析が不可能である場合、「(1)複素パワーケプストラム等により評価した非類似度距離を用いた手法」によって異常を診断し、単変量解析が可能である場合「(2)DTW等により評価した非類似度距離を用いた手法」によって異常を診断する場合について説明したが、これに限られない。診断部104は、例えば、ステップS102において特定された観測結果について、「(1)複素パワーケプストラム等により評価した非類似度距離を用いた手法」(つまり、ステップS106)と、「(2)DTW等により評価した非類似度距離を用いた手法」(つまり、ステップS108)との両方の処理によって異常を診断する構成であってもよい。診断部104は、例えば、(1)の手法と(2)の手法との両方によって異常を診断する場合、観測結果が、単変量解析可能か否かが予め把握されていない場合であっても、異常を診断することができる。
<変形例>
以下、本実施形態に係る変形例について説明する。上述した実施形態において、異常診断装置1は、第1観測結果、及び第2観測結果に係るすべての異常シミュレート結果に基づいて、異常診断対象の異常を診断する場合について説明した。変形例では、異常診断装置1aは、主成分負荷量を利用した位相面軌道形成寄与率(以下、単に「位相面軌道形成寄与率」と記載する。)を用いて異常診断対象の異常を診断する場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。この方法は、異常値を示しているセンサが複数ある場合、異常診断に用いるセンサペアを感度の高いペア1組(あるいは、位相面軌道を生成しない単変量解析の場合は感度の高いセンサ1つ)に絞ることで、計算負荷を低減する方法として使うこともできる。
図13は、変形例に係る異常診断装置1aの構成の一例を示す図である。変形例の異常診断装置1aは、異常診断装置1が備える構成に代えて(或いは、加えて)、制御部100aと、記憶部200とを備える。制御部100aは、制御部100が備える構成に代えて(或いは、加えて)、取得部102と、診断部104と、軌道導出部106と、第1差分算出部108と、第2差分算出部110と、出力部112と、寄与率算出部114とを備える。
上述したように、診断部104は、例えば、第1観測結果、及び第2観測結果に対応するすべての異常シミュレート結果を特定し、特定した異常シミュレート結果に基づいて導出された軌道Orb2やDTW等により評価した非類似度距離に基づいて、異常診断対象の診断を行う。ここで、異常シミュレート結果には、異常診断対象の異常を感度良く示していない場合がある。寄与率算出部114は、各異常シミュレート結果について、異常診断対象の診断に係る位相面軌道を形成する各センサの寄与の程度(つまり、位相面軌道形成寄与率)を算出する。変形例の診断部104は、寄与率算出部114によって算出された位相面軌道形成寄与率が高い場合、異常診断対象の異常を感度良く示している結果であると特定し、特定した異常シミュレート結果に基づいて導出された軌道Orb2や非類似度距離に基づいて、異常診断対象の診断を行う。
以下、位相面軌道形成寄与率を用いて、ある異常において、異常を感度良く示している最適な異常シミュレート結果を特定する際の寄与率算出部114の処理の内容について説明する。まず、寄与率算出部114は、ある異常に対するk個のセンサに係る異常シミュレート結果を利用して前述の方法でまとめてPCA処理を行い、第1主成分から第k主成分までを算出する。寄与率算出部114は、例えば、各主成分の累積寄与率を算出し、算出した累積寄与率に基づいて、寄与率の高い主成分(例えば、第1主成分と第2主成分)を選択する。 各主成分の累積寄与率は、各主成分の固有値を各主成分の固有値の総和で割った値(各主成分の寄与率)を足し合わせたものであり、寄与率の値が高いほど、PCA処理による次元削減効果により失われた情報が少ないことを示す。さらに寄与率算出部114は、各主成分の累積寄与率に基づいて選択した主成分(例えば第1主成分と第2主成分)を用いて位相面軌道を形成した場合の位相面軌道形成寄与率を、主成分負荷量を用いて算出する。主成分負荷量は、主成分スコアと各因子(この例の場合の各因子とは、センサ毎の観測値)の相関係数である。位相面軌道形成寄与率が高いセンサほど主成分スコアを用いて導出される位相面軌道の形成に寄与しており、位相面軌道を利用した特徴の抽出に貢献していることを示す。センサがk個であれば、それぞれのセンサごとに第1主成分負荷量、第2主成分負荷量、…、第k主成分負荷量が得られる。例えば、寄与率算出部114は、異常を計測しているセンサが2個である場合には、第1主成分と第2主成分で位相面軌道を生成することができ、第1主成分負荷量の2乗と、第2主成分負荷量の2乗とを足し合わせた値をこの位相面軌道形成に係る各センサの位相面軌道形成寄与率として得ることができる。
図14は、寄与率の一例を示す図である。図14に示される縦軸は、第2主成分負荷量(主成分スコアと各因子の相関係数、大きいほど主成分スコアの形成に寄与している)の値を示し、横軸は、第1主成分負荷量の値を示す。図14には、ある異常が発生した場合に、異常を計測するセンサがセンサA〜Cの3つである場合の異常シミュレート結果に係る各センサの第1主成分負荷量の値と、第2主成分負荷量の値を、それぞれ座標として点(点A〜C)に示したものである。この異常シミューレト結果は、3つのセンサ情報を用いて、センサグループ毎の主成分スコア取得処理を行って位相面軌道を形成したときの異常シミュレーション結果である。図14において、寄与率算出部114によって算出される寄与度は、センサCが最も高く、センサAが最も低い。この3センサの位相面軌道形成寄与率の割合だけから、この異常事例の場合の異常を感度良く示している異常シミュレート結果を一意に定めることができる場合もある。また複数のセンサが異常に関連している場合、この位相面軌道形成寄与率を用いて、注目するセンサの数を限定することで、PCA処理を実行するセンサの数を減らすことができるので、全体の計算負荷を減らすことができる。また異常シミュレート結果を導出するためのシミュレーションモデル構築の際のデータ同化や、パラメータ推定にこの結果を用いることもできる。また診断部104は、例えば、この異常事例では、センサCの挙動に着目することで、異常を感度よく検知することができるため、このセンサを含む組み合わせで前述の解析を行うことで、誤診断を減らし効率よく異常診断を行うことができる。異常シミュレート結果の正確さや適切さを判定する参考にもなる。例えば、位相面軌道形成寄与率の割合だけから、この異常事例の場合の、異常を感度良く示している異常シミュレート結果を一意に定めることができる場合には、異常原因の異なる複数のシミュレート結果のうち、センサ間の位相面軌道形成寄与率の割合が似ている異常シミュレート結果を異常診断対象の診断に用いる異常シミュレート結果として選定して、異常診断対象の診断に利用することで、異常診断の信頼性と診断効率を向上させることができる。以上述べたように、位相面軌道形成寄与率を用いて、異常を感度良く示している異常シミュレート結果を導出するためのセンサの最適化を通じて、異常シミュレート結果の最適化を実現することによって、変形例の異常診断装置1aは、診断部104、軌道導出部106、第1差分算出部108、及び第2差分算出部110の処理に係る負荷を低減し、正確な診断を行うことができるようになる。また、位相面軌道形成寄与率の割合が同程度のセンサ同士は、相関関係や因果関係が強いと推定されるので、相関関係情報206の作成にもこの結果を用いることができる。
[異常診断対象に搭載されるセンサの精査]
なお、上述では、寄与率算出部114によって算出された位相面軌道形成寄与率が、診断部104による異常を感度良く示している異常シミュレート結果を導出するための異常シミュレート結果の最適化に用いられる場合について説明したが、本発明の実施例はこれに限られない。寄与率算出部114によって算出された位相面軌道形成寄与率が低いセンサは、異常診断対象の装置やシステムの動作に係る情報を感度良く観測していない場合でも異常の原因に直接関与しているセンサである可能性がある。センサ情報から、対応する異常シミュレーション結果があるか否かを特定する場合には、このようなセンサの位相面軌道形成寄与率も利用することができる。また出力部112が、出力した寄与率算出部114によって算出された位相面軌道形成寄与率を示す情報を出力し、異常診断対象の装置やシステムの設計者に対して、異常診断対象に配置されるセンサの見直しを促してもよい。
[正常シミュレート結果に基づく異常診断対象の診断]
また、上述では、軌道導出部106、第1差分算出部108、及び第2差分算出部110は、異常シミュレート情報202に示される異常シミュレート結果に基づいて、軌道Orb2や非類似度距離を算出する場合について説明したが、これに限られない。軌道導出部106、第1差分算出部108、及び第2差分算出部110は、正常シミュレート情報204に示される正常シミュレート結果に基づいて、軌道Orb2や非類似度距離を算出してもよい。この場合、診断部104は、観測結果に基づく複素自己回帰モデルと、正常シミュレート結果に基づく複素自己回帰モデルとの間の複素パワーケプストラム距離Dcが、所定の値より小さい(つまり、複素パワーケプストラム距離Dcが近い)場合、異常診断対象には異常がないと診断してもよい。また、診断部104は、観測結果の経時変化を示す波形と、正常シミュレート結果の経時変化を示す波形との間のDTW距離が、所定の値より小さい(つまり、DTW距離が近い)場合、異常診断対象には異常がないと診断してもよい。異常を検知するのが目的である場合には、この手法を使うことができる。しかし、ここで異常が検知された場合は、異常の原因を診断するために、上述の異常シミュレート結果との照合が必要になる場合がある。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1、1a…異常診断装置、100、100a…制御部、102…取得部、104…診断部、106…軌道導出部、108…第1差分算出部、110…第2差分算出部、112…出力部、114…寄与率算出部、200…記憶部、202…異常シミュレート情報、204…正常シミュレート情報、206…相関関係情報、208…複素自己回帰モデル情報、300…観測結果情報

Claims (10)

  1. 異常診断対象の複数の種類の異常をシミュレートした前記異常の種類毎の異常シミュレート結果と、複数の検出部によって前記異常診断対象を時系列によって観測した複数の時系列観測結果との差分に基づいて、前記異常診断対象に生じる異常の種類を診断する診断部と、
    を備える異常診断装置。
  2. 前記複数の時系列観測結果について、センサ毎、又はセンサグループ毎に観測時毎の多次元データに再構成し、再構成した多次元データを主成分分析した分析結果のうち、2つの分析結果に基づいて、一方の前記時系列観測結果に係る主成分を第1軸とし、他方の時系列観測結果に係る主成分分析結果を第2軸とし、対応する要素を座標とした位相平面上の第1軌道を、前記2つの分析結果の組合せ毎に導出する軌道導出部を更に備え、
    前記診断部は、複数の前記異常シミュレート結果の中で、前記第1軌道に係る観測結果の組合せと一致する組合せの異常シミュレート結果に基づいて、前記第1軌道に係る第1軸に対応する異常シミュレート結果の主成分を第1軸とし、前記第1軌道に係る観測結果の第2軸に対応する異常シミュレート結果の主成分を第2軸とし、対応する要素を座標とした位相平面上の第2軌道の形状と、前記第1軌道の形状との差分に基づいて、前記異常の種類や原因を診断する、
    請求項1に記載の異常診断装置。
  3. 前記軌道導出部は、前記複数の時系列観測結果の中で、相関関係にある前記時系列観測結果について、前記第1軌道を導出する、
    請求項2に記載の異常診断装置。
  4. 前記軌道導出部は、前記複数の時系列観測結果の中で、相関関係にない前記時系列観測結果について、前記第1軌道を導出する、
    請求項2に記載の異常診断装置。
  5. 前記異常の種類毎の前記第2軌道の形状と、前記第1軌道の形状とを、それぞれ複素自己回帰モデルにより変換し、変換した複素自己回帰モデル間の非類似度距離を算出する第1差分算出部を更に備え、
    前記診断部は、前記第1差分算出部によって算出された前記非類似度距離のうち、前記第1軌道の形状と最も非類似度距離が小さい前記第2軌道の形状を特定し、特定された前記第2軌道に係る前記異常の種類を前記異常診断対象の異常の種類として診断する、
    請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  6. 前記複数の時系列観測結果の中で、異常診断の対象とする観測結果の経時変化を示す第1波形と、前記複数の時系列観測結果の異常シミュレート結果の経時変化を前記異常の種類毎に示す複数の第2波形との非類似度距離を、動的時間伸縮法によってそれぞれ算出する第2差分算出部を更に備え、
    前記診断部は、前記第2差分算出部によって算出された前記非類似度距離のうち、複数の前記第2波形の中で、前記第1波形と最も非類似度距離が小さい前記第2波形を特定し、特定された前記第2波形に係る前記異常の種類を前記異常診断対象の異常の種類として診断する、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の異常診断装置。
  7. 前記診断部は、分類手法によって前記非類似度距離を分類し、分類したクラスタの中で、前記時系列観測結果に係る情報と最も非類似度距離が小さいクラスタの前記異常シミュレート結果に係る前記異常の種類を前記異常診断対象の異常の種類として診断する、
    請求項5又は請求項6のうちいずれか一項に記載の異常診断装置。
  8. 前記時系列観測結果と前記異常シミュレート結果の多変量時系列主成分解析によって得られる主成分負荷量に基づいて、前記時系列観測結果と前記異常シミュレート結果に含まれる各センサ位相面軌道形成に係る寄与率を算出する寄与率算出部を更に備え、
    前記診断部は、前記寄与率算出部によって算出された前記寄与率が、所定の値より高い場合、当該寄与率に係る前記異常シミュレート結果を用いて前記異常の種類を診断し、前記寄与率が所定の値以下の場合、当該寄与率に係る前記異常シミュレート結果を用いて前記異常の種類を診断しない、
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の異常診断装置。
  9. コンピュータが、
    異常診断対象の複数の種類の異常をシミュレートした前記異常の種類毎の異常シミュレート結果と、複数の検出部によって前記異常診断対象を観測した複数の観測結果との差分に基づいて、前記異常診断対象に生じる異常の種類を診断する、
    異常診断方法。
  10. コンピュータに、
    異常診断対象の複数の種類の異常をシミュレートした前記異常の種類毎の異常シミュレート結果と、複数の検出部によって前記異常診断対象を観測した複数の観測結果との差分に基づいて、前記異常診断対象に生じる異常の種類を診断させる、
    プログラム。
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