JP2017096655A - 状態評価システム及び状態評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】航空機等の評価対象物の状態を精度良く評価することができる状態評価システム及び状態評価方法を提供する。
【解決手段】状態評価システム1は、航空機から生じるAE波を検出するAEセンサ10と、AEセンサ10により検出されたAE波の波形データに基づいて、航空機の状態を評価する評価装置11と、を備え、評価装置11は、波形データの特徴を表す複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出制御と、航空機が異常であるとされた場合、抽出した複数のパラメータに対して主成分分析を行って、複数の主成分の主成分得点を算出し、算出した主成分の主成分得点に基づいて、航空機の異常状態を特定する異常特定制御と、を実行する。
【選択図】図7

Description

本発明は、評価対象物の状態を評価する状態評価システム及び状態評価方法に関するものである。
従来、データ収集装置から送信されるデータに基づいて、設備の状態を診断する設備機器の診断装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この診断装置では、統合パラメータ解析を行っており、設備の運転状態における振動波形を採取し、振動波形に基づき振動を特徴づける複数の振動パラメータを算出し、複数の振動パラメータから主成分分析法により主成分を抽出し、主成分に基づき1個の状態評価指数(統合パラメータ値)を算出し、算出した状態評価指数に基づいて設備の良否判定を行っている。
特開2011−27452号公報
ここで、特許文献1の診断装置は、算出した統合パラメータ値が上昇して、否判定となった場合、設備の異常を検知する。設備の異常が検知されると、設備の開放点検が実施される。このように、特許文献1では、診断装置により設備の異常の有無を検知可能となっているものの、異常の特定が行われないことから、開放点検を実施して、異常を特定する。このため、特許文献1では、異常を特定するまでに時間を要してしまう。
また、振動波形として、例えば、アコースティック・エミッション(AE:Acoustic Emission)により発生する弾性波(AE波)を検知する場合がある。アコースティック・エミッションとは、評価対象物の内部に蓄えられた弾性エネルギーが音波として放出される現象である。AE波は、数kHzから数MHzであることから、精度良く検出するためには、サンプリング周期を短く、換言すると、サンプリングレートを高くする必要がある。しかしながら、サンプリングレートを高くしてしまうと、波形データのデータ容量が増大することから、記憶装置の記憶容量を考慮すると、困難である。
そこで、本発明は、評価対象物の状態を精度良く評価することができる状態評価システム及び状態評価方法を提供することを課題とする。
本発明の状態評価システムは、評価対象物から生じる弾性波を検出する弾性波検出センサと、前記弾性波検出センサにより検出された前記弾性波の波形データに基づいて、前記評価対象物の状態を評価する評価装置と、を備え、前記評価装置は、前記波形データの特徴を表す複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出制御と、前記評価対象物が異常であるとされた場合、抽出した複数の前記パラメータに対して主成分分析を行って、複数の主成分の主成分得点を算出し、算出した主成分の主成分得点に基づいて、前記評価対象物の異常状態を特定する異常特定制御と、を実行することを特徴とする。
また、本発明の状態評価方法は、評価装置を用いて、評価対象物の状態を評価する状態評価方法であって、評価対象物から生じる弾性波の波形データを取得する波形データ取得工程と、取得した前記波形データの特徴を表す複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出工程と、前記評価対象物が異常であるとされた場合、抽出した複数の前記パラメータに対して主成分分析を行って、複数の主成分の主成分得点を算出し、算出した主成分の主成分得点に基づいて、前記評価対象物の異常状態を特定する異常特定工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、主成分分析によって得られた主成分の主成分得点に基づいて、評価対象物の異常状態を特定することができるため、評価対象物の状態を精度良く評価することができる。また、評価装置は、波形データの特徴を表す複数のパラメータを用いることから、パラメータを抽出した後、波形データを破棄することが可能となるため、波形データのデータ容量を削減することが可能となる。
また、前記異常特定制御では、少なくとも第1主成分の主成分得点に基づいて、多くとも第1主成分から第3主成分の主成分得点に基づいて、前記評価対象物の異常状態を特定することが好ましい。
この構成によれば、評価対象物の異常状態を、視覚的に識別することができ、容易に評価対象物の異常状態を把握することが可能となる。
また、前記パラメータ抽出制御では、複数の前記パラメータとして、平均値、分散、標準偏差、実効値、波形率、波高率、衝撃指数、変動率、歪度、尖度及び最大値のうち、少なくともいずれかを含むことが好ましい。
この構成によれば、異常を特定するために必要なパラメータを、波形データから抽出することができる。
また、前記パラメータ抽出制御では、複数の前記パラメータの抽出後、前記波形データを破棄することが好ましい。
この構成によれば、波形データのデータ容量を削減することができるため、データ容量の増加を抑制することができる。
また、前記波形データは、所定の期間毎に所定のサンプリング期間分だけ検知されたものが用いられることが好ましい。
この構成によれば、サンプリングする波形データのデータ容量の増大をより抑制することができる。具体的に、波形データは、例えば、1分毎に、10ms分だけサンプリングされる。
また、前記評価装置は、抽出した複数の前記パラメータに基づいて、前記評価対象物が異常であるか否かを判定する異常判定制御を、さらに実行することが好ましい。
この構成によれば、抽出した複数のパラメータを利用して、異常判定制御を実行することができる。このため、抽出した複数のパラメータを、異常判定制御と、異常特定制御とに用いることができるため、複数のパラメータを有効に活用することができる。
また、前記異常判定制御では、マハラノビス・タグチ・システムを用いて、複数の前記パラメータに基づいて、単位空間からのマハラノビス距離を算出し、算出した前記マハラノビス距離に基づいて、前記評価対象物が異常であるか否かを判定することが好ましい。
この構成によれば、マハラノビス・タグチ・システムを用いることで、信頼性の高い異常判定を行うことができる。
また、前記異常判定制御では、前記マハラノビス距離の時間変化を監視しており、前記マハラノビス距離が予め設定された異常判定しきい値を上回る第1の条件、及び前記マハラノビス距離が増加傾向である第2の条件の少なくとも一方の条件を満たす場合、前記評価対象物が異常であると判定することが好ましい。
この構成によれば、マハラノビス距離が変化し難い環境である場合には、第1の条件を満たすか否かを判定することで、簡易な制御で、異常の判定を行うことができる。一方で、マハラノビス距離が変化し易い環境である場合には、第2の条件を満たすか否かを判定することで、異常の判定を安定的に行うことができる。
また、前記異常特定制御において特定される前記評価対象物の異常状態としては、前記評価対象物を構成する材料の破壊、及び前記評価対象物を構成する材料の腐食を含むことが好ましい。
この構成によれば、評価対象物の異常状態として、評価対象物を構成する材料の破壊及び腐食を好適に特定することができる。
また、前記評価対象物は、航空機であることが好ましい。
この構成によれば、弾性波の波形データに基づいて、航空機の異常状態を特定することができるため、航空機の状態を精度良く評価することができる。
図1は、本実施形態に係る状態評価システムの概略構成図である。 図2は、AEセンサにより検出されたAE波の波形データの一例を示すグラフである。 図3は、材料の破損時におけるマハラノビス距離の時間変化に関するグラフである。 図4は、材料の腐食時におけるマハラノビス距離の時間変化に関するグラフである。 図5は、異常特定制御において主成分分析により得られる分析結果に関する表である。 図6は、異常の状態を特定するために用いられる異常特定データを直交座標系で表したグラフである。 図7は、本実施形態に係る状態評価方法のフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態]
図1は、本実施形態に係る状態評価システムの概略構成図である。本実施形態に係る状態評価システム1は、評価対象物の状態をリアルタイムに評価するオンラインのシステムであり、評価対象物として、例えば、航空機が適用される。この状態評価システム1は、航空機から発生する弾性波(AE波)を検出し、検出したAE波の波形データに基づいて航空機の異常状態の有無を判定すると共に、航空機が異常状態であると判定された場合、異常の特定を行っている。なお、本実施形態では、航空機に適用して説明するが、評価対象物は、特に航空機に限定されず、AE波が生じる評価対象物であれば、いずれであってもよい。
図1に示すように、状態評価システム1は、AEセンサ(弾性波検出センサ)10と、評価装置11とを備えており、AEセンサ10と評価装置11とは接続されている。
AEセンサ10は、航空機の構造体から発生するAE波、及び航空機に設けられる装備品から発生するAE波を検出可能に、航空機に取り付けられている。AEセンサ10は、検出したAE波の波形データを評価装置11へ向けて出力する。なお、AE波は、減衰し易く、ノイズの影響を受け易いことから、AEセンサ10は、異常発生頻度、修理・交換頻度の高い部位の中で、取り付けが可能な箇所に絞って複数個配置することが好ましい。この場合、AEセンサ10は、検出対象物の表面に接触させて取り付けられる。
図2は、AEセンサにより検出されたAE波の波形データの一例を示すグラフである。図2に示す波形データは、その縦軸が振幅となっており、その横軸が時間となっている。AEセンサ10は、波形データをサンプリングする場合、所定の期間毎に所定のサンプリング期間分だけ、AE波を検知している。具体的に、AEセンサ10は、例えば、1分毎に、10ms分だけ波形データをサンプリングしている。航空機においてAE波が発生すると、AE波の波形データの振幅は大きくなる。なお、波形データのサンプリング方法としては、上記の場合に限らず、波形データの振幅に大きな変位があった場合、大きな変位があった点を起点として、例えば、前後5ms分(計10ms)だけ波形データをサンプリングしてもよい。
評価装置11は、航空機に搭載され、AEセンサ10から出力されたAE波の波形データを取得している。この評価装置11は、航空機に既に搭載されている制御装置と一体となるように統合させたのものであってもよいし、別体として設けてもよく、特に限定されない。また、評価装置11は、一部の機能(後述するパラメータ抽出制御を実行する機能)を航空機内に、他の機能(後述する異常判定制御及び異常特定制御を実行する機能)を地上システムに搭載してもよい。
評価装置11は、記憶部21と、メモリ部22と、演算部23とを備えている。記憶部21には、後述するパラメータ抽出制御、異常判定制御及び異常特定制御を行うために用いられる各種プログラム及び各種データベースが記憶されている。メモリ部22は、各種制御を実行するための作業領域となっており、記憶部21に記憶されたプログラム及びデータが展開される他、AEセンサ10から取得したAE波の波形データが展開される。演算部23は、記憶部21に記憶されたプログラムをメモリ部22上において展開し実行することで、各種制御を実行している。具体的に、評価装置11は、パラメータ抽出制御と、異常判定制御と、異常特定制御とを実行している。
パラメータ抽出制御では、取得した波形データの特徴を表す複数のパラメータを抽出している。パラメータ抽出制御では、複数のパラメータとしてCI(Condition Indicator)を用いており、例えば、平均値、分散、標準偏差、実効値、波形率、波高率、衝撃指数、変動率、歪度、尖度及び最大値の、11個のパラメータを抽出している。また、パラメータ抽出制御では、抽出した複数のパラメータを記憶部21に記憶させると共に、複数のパラメータを抽出した後の波形データを破棄している。なお、本実施形態では、11個のパラメータを抽出する場合について説明するが、n+1(n>1)個のパラメータであればよく、特に限定されない。
異常判定制御では、抽出した複数のパラメータに基づいて、航空機が異常であるか否かを判定している。この異常判定制御では、マハラノビス・タグチ・システムを用いて、異常の有無を判定しており、例えば、特開2012−159298号公報に記載されたものを適用している。つまり、異常判定制御では、抽出した複数のパラメータに基づいて、単位空間からのマハラノビス距離を算出し、算出したマハラノビス距離に基づいて、航空機が異常であるか否かを判定している。ここで、マハラノビス距離Dは、単位空間の中心からの距離である。なお、単位空間は、正常であるとされる複数のデータ点に基づいて設定されたものが予め用意され、記憶部21に記憶されている。
次に、図3及び図4を参照して、マハラノビス距離Dの時間変化について説明する。図3は、材料の破損時におけるマハラノビス距離の時間変化に関するグラフであり、図4は、材料の腐食時におけるマハラノビス距離の時間変化に関するグラフである。なお、図3では、金属材料により構成される歯車を試験体として用いており、この試験結果に基づく、マハラノビス距離Dの時間変化を示している。また、図4では、金属材料により構成される試験片を用いており、この試験結果に基づく、マハラノビス距離Dの時間変化を示している。
図3は、異常として歯車の破損が生じるまでのマハラノビス距離Dの時間変化を示しており、縦軸が、対数目盛となるマハラノビス距離Dとなっており、横軸が、時間となる片対数グラフとなっている。図3では、時間が経過するにしたがって、マハラノビス距離Dが大きくなるグラフとなっており、マハラノビス距離Dが時間変化し易い環境となっている。ここで、図3において、評価装置11が異常判定制御において異常の有無を判定する場合、一例として、評価装置11は、マハラノビス距離Dの時間変化を監視しており、マハラノビス距離Dが増加傾向となる場合、異常があると判定してもよい。つまり、評価装置11は、所定の単位時間あたりにおけるマハラノビス距離Dの変化がゼロより大きい場合、異常があると判定する一方で、ゼロ以下である場合、異常がないと判定する。
図4は、異常として試験片が腐食するまでのマハラノビス距離Dの時間変化を示しており、図3と同様に、縦軸が、対数目盛となるマハラノビス距離Dとなっており、横軸が、時間となる片対数グラフとなっている。図4では、マハラノビス距離Dが、時間の経過にかかわらず、正常な試験片(黒四角:◆)と異常な試験片(白四角:□)とで大きく異なるグラフとなっており、マハラノビス距離Dが時間変化し難い環境となっている。ここで、図4において、評価装置11が異常判定制御において異常の有無を判定する場合、一例として、評価装置11は、マハラノビス距離Dが予め設定された異常判定しきい値を上回る場合、異常があると判定してもよい。つまり、評価装置11は、マハラノビス距離Dが予め設定された異常判定しきい値よりも大きい場合、異常があると判定する一方で、異常判定しきい値以下である場合、異常がないと判定する。
このように、評価装置11は、異常判定制御において、マハラノビス距離が異常判定しきい値を上回ることを第1の条件とし、マハラノビス距離が増加傾向となることを第2の条件とし、第1の条件及び第2の条件の少なくとも一方の条件を満たす場合、航空機が異常であると判定している。よって、例えば、評価装置11は、異常判定制御において、第1の条件と第2の条件との両方を満たす場合に、航空機が異常であると判定してもよい。
異常特定制御では、異常判定制御において航空機が異常であると判定された場合、抽出した複数のパラメータに対して主成分分析を行って、複数の主成分の主成分得点を算出し、算出した主成分の主成分得点に基づいて、航空機の異常状態を特定している。主成分分析では、11個のパラメータを用いることから、主成分分析により得られる主成分は、第1主成分から第11主成分まで得られる。
次に、図5を参照して、主成分分析の結果の一例について説明する。図5は、異常特定制御において主成分分析により得られる分析結果に関する表である。図5は、その縦軸の項目が、11個のパラメータの項目と、固有値の項目と、寄与率の項目と、累積寄与率の項目となっており、その横軸の項目が、第1主成分から第11主成分までの項目となっている。そして、11個のパラメータの項目と、第1〜第11主成分までの項目とが交わる項目が固有ベクトルとなっている。主成分得点は、各固有ベクトルと信号から抽出した各パラメータ値の線形結合によって表わされる。なお、固有値は、各主成分の分散に応じた値となっており、各主成分が保持する情報量を示す値となっている。このため、固有値は、大きいほど失われる情報量が少ないものとなり、小さいほど失われる情報量が多いものとなる。そして、複数の主成分は、固有値が最も大きいものを第1主成分とし、固有値が大きいものから順に、第1主成分から第11主成分まで並べられている。寄与率は、データ全体に対する各成分のデータが占める割合である。このため、寄与率は、大きいほど(1に近づくほど)、占めるデータの割合が大きなものとなり、小さいほど(0に近づくほど)、占めるデータの割合が小さなものとなる。累積寄与率は、各成分の寄与率を合算したものである。
図5に示すとおり、第1主成分及び第2主成分の累積寄与率は、9割を超えているため、本実施形態では、第1主成分の主成分得点と、第2主成分の主成分得点とを用いて、図6に示す異常特定データから、異常の特定を行っている。
図6は、異常の状態を特定するために用いられる異常特定データを直交座標系で表したグラフである。図6は、その横軸が、第1主成分の主成分得点となっており、その縦軸が、第2主成分の主成分得点となっている。図6では、異常特定データの他、正常特定データも直交座標系で表されている。
異常特定データは、歯車が破損している場合の複数のデータ点と、試験片が腐食している場合の複数のデータ点とがあり、これらのデータ点が図6のグラフにプロットされている。ここで、歯車の破損に関する複数のデータ点が集合している領域、換言すれば、歯車の破損に関する複数のデータ点を含む領域が、歯車破損異常領域E1となっている。また、試験片の腐食に関する複数のデータ点が集合している領域、換言すれば、試験片の腐食に関する複数のデータ点を含む領域が、腐食異常領域E2となっている。
正常特定データは、歯車が正常である場合の複数のデータ点と、試験片が正常である場合の複数のデータ点とがあり、これらのデータ点が図6のグラフにプロットされている。ここで、歯車が正常である複数のデータ点(を含む領域)が集合している領域が、歯車正常領域E3となっている。また、試験片が正常である複数のデータ点(を含む領域)が集合している領域が、腐食正常領域E4となっている。
異常特定制御では、主成分分析の分析結果により得られる、第1主成分の主成分得点と第2主成分の主成分得点とに基づくデータ点が、図6に示すグラフの歯車破損異常領域E1または腐食異常領域E2に含まれるか否かを判定することで、異常の特定を行っている。つまり、異常特定制御では、データ点が歯車破損異常領域E1に含まれる場合、異常の状態が歯車の破損であると特定し、データ点が腐食異常領域E2に含まれる場合、異常の状態が腐食であると特定する。なお、異常特定制御では、データ点が歯車破損異常領域E1及び腐食異常領域E2に含まれず、また、歯車正常領域E3及び腐食正常領域E4に含まれない場合、何らかの異常状態であると判定する。
そして、異常特定制御では、主成分分析により得られたデータ点と共に、図6に示すグラフを、評価装置11の表示部に表示する。これにより、航空機の異常状態を、図6に示すグラフから、視覚的に識別することが可能となる。なお、異常特定制御では、第1主成分の主成分得点と第2主成分の主成分得点とに基づいて、航空機の異常状態の特定を行ったが、この構成に限定されない。異常特定制御では、少なくとも第1主成分の主成分得点に基づいて、航空機の異常状態の特定を行ってもよい。また、視覚的に識別可能な3次元の主成分、つまり、多くとも第1主成分から第3主成分の主成分得点に基づいて、航空機の異常状態の特定を行ってもよい。また、特定する異常の状態として、破損及び腐食を適用したが、これに限定されず、いずれの異常の状態を特定してもよい。
次に、図7を参照して、状態評価システム1を用いた航空機の状態を評価する状態評価方法について説明する。図7は、本実施形態に係る状態評価方法のフローチャートである。
先ず、本実施形態の状態評価方法では、AEセンサ10により、航空機から生じるAE波を検出し、検出したAE波の波形データを評価装置11に出力することで、評価装置11は、波形データを取得する(ステップS1:波形データ取得工程)。
評価装置11は、波形データを取得すると、パラメータ抽出制御を実行して、取得した波形データの特徴を表す11個のパラメータを抽出する(ステップS2:パラメータ抽出工程)。そして、評価装置11は、パラメータを抽出した後の波形データを破棄する。
続いて、評価装置11は、複数のパラメータを抽出すると、異常判定制御を実行し、マハラノビス・タグチ・システムを用いて、抽出した11個のパラメータに基づく、航空機の異常の有無を判定する(ステップS3:異常判定工程)。
評価装置11は、異常判定工程S3を行った結果、異常があると判定した場合(ステップS4:Yes)、異常特定制御を実行する。一方で、評価装置11は、異常判定工程S3を行った結果、異常がないと判定した場合(ステップS4:No)、異常特定制御を実行せず、一連の処理を終了する。
評価装置11は、異常特定制御を実行すると、抽出した11個のパラメータに対して主成分分析を行って、第1から第11主成分の主成分得点を算出し、算出した第1主成分及び第2主成分の主成分得点に基づいて、航空機の異常状態を特定する(ステップS5:異常特定工程)。そして、評価装置11は、異常特定工程S5の実行後、一連の処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、主成分分析によって得られた主成分の主成分得点に基づいて、航空機の異常状態を特定することができるため、航空機の状態を精度良くオンラインで評価することができる。
また、本実施形態によれば、少なくとも第1主成分、多くとも第1主成分から第3主成分の主成分得点に基づいて、航空機の異常状態を、視覚的に識別することができるため、容易に航空機の異常状態を把握することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上記した11個のパラメータを用いることで、異常を特定するために必要なパラメータを、波形データから抽出することができる。
また、本実施形態によれば、パラメータ抽出制御において、複数のパラメータの抽出後、波形データを破棄することで、波形データのデータ容量を削減することができるため、記憶部21に記憶可能なデータ容量の増加を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、所定の期間毎に所定のサンプリング期間分だけ、波形データを採取することで、サンプリングする波形データのデータ容量の増大をより抑制することができる。
また、本実施形態によれば、抽出した複数のパラメータを、異常判定制御と異常特定制御とに用いることができるため、複数のパラメータを有効に活用することができる。
また、本実施形態によれば、異常判定制御において、マハラノビス・タグチ・システムを用いることで、信頼性の高い異常判定を行うことができる。
また、本実施形態によれば、マハラノビス距離が変化し難い環境である場合には、第1の条件を満たすか否かを判定することで、簡易な制御で、異常の判定を行うことができる。また、マハラノビス距離が変化し易い環境である場合には、第2の条件を満たすか否かを判定することで、異常の判定を安定的に行うことができる。
また、本実施形態によれば、航空機の異常状態として、航空機の構造体を構成する材料、または装備品を構成する材料の破壊及び腐食を好適に特定することができる。
1 状態評価システム
10 AEセンサ
11 評価装置
21 記憶部
22 メモリ部
23 演算部

Claims (11)

  1. 評価対象物から生じる弾性波を検出する弾性波検出センサと、
    前記弾性波検出センサにより検出された前記弾性波の波形データに基づいて、前記評価対象物の状態を評価する評価装置と、を備え、
    前記評価装置は、
    前記波形データの特徴を表す複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出制御と、
    前記評価対象物が異常であるとされた場合、抽出した複数の前記パラメータに対して主成分分析を行って、複数の主成分の主成分得点を算出し、算出した主成分の主成分得点に基づいて、前記評価対象物の異常状態を特定する異常特定制御と、を実行することを特徴とする状態評価システム。
  2. 前記異常特定制御では、少なくとも第1主成分の主成分得点に基づいて、多くとも第1主成分から第3主成分の主成分得点に基づいて、前記評価対象物の異常状態を特定することを特徴とする請求項1に記載の状態評価システム。
  3. 前記パラメータ抽出制御では、複数の前記パラメータとして、平均値、分散、標準偏差、実効値、波形率、波高率、衝撃指数、変動率、歪度、尖度及び最大値のうち、少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の状態評価システム。
  4. 前記パラメータ抽出制御では、複数の前記パラメータの抽出後、前記波形データを破棄することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の状態評価システム。
  5. 前記波形データは、所定の期間毎に所定のサンプリング期間分だけ検知されたものが用いられることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の状態評価システム。
  6. 前記評価装置は、
    抽出した複数の前記パラメータに基づいて、前記評価対象物が異常であるか否かを判定する異常判定制御を、さらに実行することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の状態評価システム。
  7. 前記異常判定制御では、マハラノビス・タグチ・システムを用いて、複数の前記パラメータに基づいて、単位空間からのマハラノビス距離を算出し、算出した前記マハラノビス距離に基づいて、前記評価対象物が異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の状態評価システム。
  8. 前記異常判定制御では、前記マハラノビス距離の時間変化を監視しており、前記マハラノビス距離が予め設定された異常判定しきい値を上回る第1の条件、及び前記マハラノビス距離が増加傾向である第2の条件の少なくとも一方の条件を満たす場合、前記評価対象物が異常であると判定することを特徴とする請求項7に記載の状態評価システム。
  9. 前記異常特定制御において特定される前記評価対象物の異常状態としては、前記評価対象物を構成する材料の破壊、及び前記評価対象物を構成する材料の腐食を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の状態評価システム。
  10. 前記評価対象物は、航空機であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の状態評価システム。
  11. 評価装置を用いて、評価対象物の状態を評価する状態評価方法であって、
    評価対象物から生じる弾性波の波形データを取得する波形データ取得工程と、
    取得した前記波形データの特徴を表す複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出工程と、
    前記評価対象物が異常であるとされた場合、抽出した複数の前記パラメータに対して主成分分析を行って、複数の主成分の主成分得点を算出し、算出した主成分の主成分得点に基づいて、前記評価対象物の異常状態を特定する異常特定工程と、を備えることを特徴とする状態評価方法。
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