JP2020071503A - ケアシステム、その管理方法、およびプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】ケアの提供者に、ケアの対象者に関するより詳細な情報に基づいた情報を提供すること。【解決手段】入居者８００は、音声Ｖ（１）として示されるように、「そろそろ、トイレに行きたいなぁ。」とつぶやく。対話端末７００は、音声Ｖ（１）を取得し、管理サーバーへ転送する。管理サーバーは、音声Ｖ（１）を解析することにより、文字列「そろそろ、トイレに行きたいなぁ。」を取得し、さらに、当該文字列からキーワード「トイレ」「行きたい」を抽出する。管理サーバーは、これらのキーワードに基づいて、ケア提供者の携帯端末へ、音声Ｖ（１）が取得された居室へのかけつけを指示する通知を送信する。【選択図】図７

Description

本開示は、ケア対象者へのケアが必要であることを表す情報の通知に関する。

従来、介護施設や病院などの機関は、ケア対象者に関する情報を取得し、必要に応じてケア対象者にケアを供給してきた。たとえば、特開２０１３−２１１６３０号公報（特許文献１）は、居室内の異常の有無を表す情報、応答の有無を表す情報、および、居室への訪問客の情報を、定期的にネットワークを介して提供するインターホン装置を開示している。

特開２０１８−９２４９３号公報（特許文献２）は、対象者に提供されたケアの内容に関する入力データを解析することにより介護計画情報を生成する、介護支援システムを開示している。特開２０１８−４１１３４号公報（特許文献３）は、ケアを受ける人から離れた場所にいる家族などのスケジュールをインプットとして、声掛け内容を自動生成するシステムを開示する。特許第５７２２６５９号公報（特許文献４）は、赤外線センサーを用いた離床通知装置を開示する。当該離床通知装置は、生体モニターの検出出力等に基づいて、対象者の離床を検出する。

特開２０１３−２１１６３０号公報 特開２０１８−９２４９３号公報 特開２０１８−４１１３４号公報 特許第５７２２６５９号公報

しかしながら、従来の技術では、対象者の体温が高くなったなどの客観的な条件が満たされた場合、一律に、ケアが提供されていた。これにより、当該条件を満たされた場合であっても、単なる一時的な不調に過ぎなかったのに、ケアが提供され得た。すなわち、対象者がケアをさほど必要としていない状況でも、過剰にケアが提供される状況が生じ得た。また、上記条件は満たされていないが、ケア対象者が一時的に不安な状態になったタイミングなどで早期にケアを提供しておけば、より重大な自体を招くことを回避し得た状況も生じ得た。このような実情において、対象者に関するより詳細な情報を取得することにより、対象者へのより適切なケアの提供だけでなく、不要なケアの提供を回避して人手不足を補うための技術が求められていた。

本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ケアの提供者に、ケアの対象者に関するより詳細な情報に基づいた情報を提供するための技術を提供するものである。

本開示のある局面に従うと、コンピューターによって実行されるケアシステムの管理方法であって、対象者からの入力を受け付けるステップと、入力に基づいて、対象者へのケアの要否を判断するステップと、対象者へのケアが必要であると判断した場合に、対象者にケアを提供する者に対して、対象者へのケアが必要であることを表す情報を提示するステップとを備える、ケアシステムの管理方法が提供される。

ケアシステムの管理方法は、対象者の居室においてスタッフが不在である場合に、対象者に対して質問を出力するステップをさらに備えていてもよい。入力を受け付けるステップは、入力として質問に対する回答を受け付けることを含んでいてもよい。

質問は、対象者の移動、姿勢、行動、生体情報、および、対象者の居室の環境の中の少なくとも一つに関する質問を含んでいてもよい。

ケアシステムの管理方法は、対象者の居室においてスタッフが不在であるか否かを判断するステップをさらに備えていてもよい。

ケアシステムの管理方法は、質問が出力される条件を、入力の内容に基づいて変更するステップをさらに備えていてもよい。

情報を提示するステップは、必要とされるケアの内容を表す情報を提示することを含んでいてもよい。

情報を提示するステップは、対象者に対してケアを実行しているスタッフに対して情報を提示することを含んでいてもよい。

本開示の他の局面に従うと、コンピューターのプロセッサーに、上記のケアシステムの管理方法を実行させるためのプログラムが提供される。

本開示のさらに他の局面に従うと、対象者からの入力を受け付けるステップと、入力に基づいて、対象者へのケアの要否を判断するステップと、対象者へのケアが必要であると判断した場合に、対象者にケアを提供する者に対して、対象者へのケアが必要であることを表す情報を提示するステップとを実行するように構成された１以上のプロセッサーを備える、ケアシステムが提供される。

本開示によれば、対象者からの入力に基づいて対象者へのケアの要否が判断され、当該判断においてケアが必要であると判断された場合に、対象者へのケアが必要であることを表わす情報が提示される。ケアの要否が、対象者に関する詳細な情報である対象者からの入力に基づいて判断される。これにより、ケアの提供者に、ケアの対象者に関するより詳細な情報に基づいた情報が提供される。

見守りシステムの構成の一例を示す図である。 居室９００におけるセンサーの検出範囲の一例を説明するための図である。 見守りシステムのセンサーボックス１００、管理サーバー２００、および、携帯端末３００のハードウェア構成を示す図である。 クラウドサーバー４００のハードウェア構成を示す図である。 対話端末７００のハードウェア構成を示す図である。 見守りシステムの利用態様の一例を示す図である。 見守りシステムにおける入居者のつぶやきの一例を示す図である。 見守りシステムにおいて出力される質問の具体例を示す図である。 見守りシステム内の各要素の機能ブロック図である。 入居者のつぶやきと携帯端末３００に通知される内容とを関連付ける情報の一例（つぶやきデータベース）を示す図である。 ケア記録と質問の内容とを関連付ける情報の一例（質問データベース）を示す図である。 対話端末７００からの質問の出力に関して管理サーバー２００によって実行される処理の一例のフローチャートである。 対話端末７００からの質問の出力に関して管理サーバー２００によって実行される処理の他の例のフローチャートである。 対話端末７００が入居者からの入力の一例として取得するつぶやきの解析に関して管理サーバー２００によって実行される処理の一例のフローチャートである。

以下に、図面を参照しつつ、見守りシステムの一実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。

［見守りシステムの構成］
図１は、見守りシステムの構成の一例を示す図である。見守り対象の一例として、施設の居室領域ＲＭに設けられた各居室内の入居者が採用される。図１の見守りシステムでは、居室領域ＲＭに、居室９００Ａ，９００Ｂが設けられている。居室９００Ａは、入居者８００Ａに割当てられている。居室９００Ｂは、入居者８００Ｂに割当てられている。図１の例では、見守りシステムに含まれる居室の数は２であるが、当該数はこれに限定されない。

見守りシステムでは、居室９００Ａに設置されたセンサーボックス１００Ａと、居室９００Ｂに設置されたセンサーボックス１００Ｂと、管理センターＳＴに設置された管理サーバー２００と、アクセスポイントＡＰとが、ネットワークＮＴを介して接続される。

見守りシステムでは、スタッフＮＡが携帯する携帯端末３００Ａ、および、スタッフＮＢが携帯する携帯端末３００Ｂは、アクセスポイントＡＰを介してネットワークＮＴに接続される。さらに、センサーボックス１００Ａ，１００Ｂ、管理サーバー２００、および、アクセスポイントＡＰは、ネットワークＮＴを介して、クラウドサーバー４００と通信可能である。

さらに、見守りシステムでは、居室９００Ａ，９００Ｂのそれぞれに設置された対話端末７００Ａ，７００Ｂが、ネットワークＮＴを介して、見守りシステム内の他の装置と接続される。対話端末７００Ａ，７００Ｂのそれぞれは、たとえば、図６において「対話端末７００」として示されるように、くまのぬいぐるみの外観を有するロボットである。ただし、対話端末７００の外観は、いかなるものであってもよく、目や鼻に対応するような構成を持たない筒状の筐体であってもよい。

また、対話端末７００Ａ，７００Ｂは、入居者と対話するキャラクタをディスプレイに表示するものであってもよいし、入居者との対話のための情報（たとえば、質問のメッセージ）をディスプレイに表示するものまたはスピーカーから出力するものであってもよい。

居室９００Ａは、設備として、ベッド９０１Ａ、トイレ９０２Ａ、および、家具９０３Ａを含む。居室９００Ａのドアには、当該ドアの開閉を検出するドアセンサー５１０Ａが設置されている。トイレ９０２Ａのドアには、トイレ９０２Ａの開閉を検出するトイレセンサー５２０Ａが設置されている。ベッド９０１Ａには、入居者８００Ａの排泄情報を取得する臭いセンサー５３０Ａが設置されている。入居者８００Ａは、当該入居者８００Ａのバイタル情報を検出するバイタルセンサー５４０Ａを装着している。検出されるバイタル情報の一例は、入居者の体温である。他の例は、入居者の呼吸である。さらに他の例は、入居者の心拍数である。さらに他の例は、これらの情報の中の２以上の種類の情報である。居室９００Ａでは、入居者８００Ａはケアコール子機５００Ａを操作することができる。

本明細書では、複数のセンサーボックス１００Ａ，１００Ｂに共通する事項を言及する場合には、センサーボックス１００Ａ，１００Ｂを総称する用語「センサーボックス１００」が利用される。同様に、入居者８００Ａ，８００Ｂ、居室９００Ａ，９００Ｂ、ベッド９０１Ａ，９０１Ｂ、トイレ９０２Ａ，９０２Ｂ、家具９０３Ａ，９０３Ｂ、ケアコール子機５００Ａ，５００Ｂ、ドアセンサー５１０Ａ，５１０Ｂ、トイレセンサー５２０Ａ，５２０Ｂ、臭いセンサー５３０Ａ，５３０Ｂ、バイタルセンサー５４０Ａ，５４０Ｂのそれぞれについても同様に、用語「入居者８００」、「居室９００」、「トイレ９０２」、「家具９０３」、「ケアコール子機５００」、「ドアセンサー５１０」、「トイレセンサー５２０」、「臭いセンサー５３０」、「バイタルセンサー５４０」が利用される。

センサーボックス１００Ａは、居室９００Ａ内の物体の挙動を検出するためのセンサーを内蔵する。センサーの一例は、物体の動作を検出するためのドップラーセンサーである。他の例は、カメラである。さらに他の例は、ケアコール子機５００、ドアセンサー５１０、トイレセンサー５２０、臭いセンサー５３０、または、バイタルセンサー５４０である。センサーボックス１００Ａは、センサーとして、これらのセンサー中の少なくとも一つを含む。

図２は、居室９００におけるセンサーの検出範囲の一例を説明するための図である。図２の例では、センサーボックス１００は、居室９００の天井ＣＬに設置される。

範囲ＡＲは、センサーの検出範囲を概略的に表わす。センサーがドップラーセンサーである場合、当該ドップラーセンサーは、範囲ＡＲ内で生じた挙動を検出する。センサーがカメラである場合、当該カメラは、範囲ＡＲ内の画像を撮影する。

図１に戻って、管理センターＳＴに設置された管理サーバー２００は、ディスプレイ２０６および入力デバイス２０９に接続される。入力デバイス２０９は、たとえばキーボードである。

図１の見守りシステムでは、アクセスポイントＡＰを介してネットワークＮＴに接続する携帯端末の数は２（携帯端末３００Ａ，３００Ｂ）とされているが、当該数はこれに限定されない。本明細書では、携帯端末３００Ａ，３００Ｂに共通する事項を言及する場合には、携帯端末３００Ａ，３００Ｂを総称する用語「携帯端末３００」が利用される。

また、対話端末７００Ａ，７００Ｂを総称する用語「対話端末７００」が利用される。
図１の見守りシステムにおける各要素間の通信は、有線であってもよいし、無線であってもよい。

なお、センサーボックス１００は、カメラ１０５および／またはドップラーセンサー１０６を必ずしも備えていなくてもよい。カメラ１０５および／またはドップラーセンサー１０６は、ドアセンサー５１０等と同様に、センサーボックス１００外に設けられてもよい。制御装置１０１は、センサーボックス１００外に設けられたカメラ１０５および／またはドップラーセンサー１０６の検出出力を、所与のインターフェイスを介して取得してもよい。

バイタルセンサー５４０は、必ずしも入居者に装着されていなくてもよい。一例では、バイタルセンサー５４０は、入居者から離間して設置された赤外線センサー等によって実現され、入居者の温度を検出することによってバイタル情報（体温）を出力する。他の例では、バイタルセンサー５４０は、ドップラーセンサー１０６によって実現される。ドップラーセンサー１０６は、入居者に向けてマイクロ波を照射する。当該マイクロ波は、入居者の心臓の拍動による胸部の僅かな変位によってドップラー効果を起こし、その周波数を変動させる。ドップラーセンサー１０６は、当該周波数の変動に基づいて、入居者の心拍を検出する。さらに他の例では、ドップラーセンサー１０６は、入居者の呼吸を検出する。

一例では、対話端末７００は、居室９００内に設置され、音声で入居者と対話する。より具体的には、対話端末７００は、入居者に提供されたケアに関する質問を音声で出力する。入居者が、当該質問に対して音声で回答すると、対話端末７００は、当該回答の音声を取得する。対話端末７００は、管理サーバー２００からの指示に従って、質問を出力してもよい。対話端末７００は、取得した音声を管理サーバー２００に転送してもよい。

対話端末７００と入居者との対話は、音声によるものに限定されず、視覚的な情報を用いたもの（たとえば、質問文の表示）であってもよいし、振動を用いたもの（たとえば、ケアの感想の入力を促すための振動）であってもよいし、これらの態様の組み合わせであってもよい。より具体的には、回答として入力される情報は、音声に限定されず、ボタンやキーボード等の操作による電子的な情報であってもよいし、カメラまたは各種の人感センサー等の機器によって捉えられる視覚的情報（手話、ジェスチャー等）であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。

［見守りシステムの各要素の構成］
図３は、見守りシステムのセンサーボックス１００、管理サーバー２００、および、携帯端末３００のハードウェア構成を示す図である。図４は、クラウドサーバー４００のハードウェア構成を示す図である。図５は、対話端末７００のハードウェア構成を示す図である。以下、図３〜図５を参照して、見守りシステムにおける各装置の構成の一例を説明する。

（センサーボックス１００）
図３に示されるように、センサーボックス１００は、制御装置１０１と、ＲＯＭ（Read Only Memory）１０２と、ＲＡＭ（Random Access Memory）１０３と、通信インターフェイス１０４と、カメラ１０５と、ドップラーセンサー１０６と、無線通信装置１０７と、記憶装置１２０とを備える。

制御装置１０１は、センサーボックス１００を制御する。制御装置１０１は、たとえば、少なくとも１つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも１つのＣＰＵ（Central Processing Unit）、少なくとも１つのＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、少なくとも１つのＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。

通信インターフェイス１０４には、アンテナ（図示しない）などが接続される。センサーボックス１００は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、管理サーバー２００、携帯端末３００、アクセスポイントＡＰ、クラウドサーバー４００、その他の通信端末などを含む。

カメラ１０５は、一実現例では、近赤外カメラである。近赤外カメラは、近赤外光を投光するＩＲ（Infrared）投光器を含む。近赤外カメラが用いられることにより、夜間でも居室９００の内部を表わす画像が撮影され得る。他の実現例では、カメラ１０５は、可視光のみを受光する監視カメラである。さらに他の実現例では、カメラ１０５として、３Ｄセンサやサーモグラフィーカメラが用いられてもよい。センサーボックス１００およびカメラ１０５は、一体的に構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。

ドップラーセンサー１０６は、たとえばマイクロ波ドップラーセンサーであり、電波を放射及び受信して、居室９００内の物体の挙動（動作）を検出する。これにより、居室９００内の入居者８００の生体情報が検出され得る。一例では、ドップラーセンサー１０６は、２４ＧＨｚ帯のマイクロ波を各居室９００のベッド９０１に向けて放射し、入居者８００で反射した反射波を受信する。反射波は、入居者８００の動作により、ドップラーシフトしている。ドップラーセンサー１０６は、当該反射波から、入居者８００の呼吸状態や心拍数を検出し得る。

無線通信装置１０７は、ケアコール子機５００、ドアセンサー５１０、トイレセンサー５２０、臭いセンサー５３０、および、バイタルセンサー５４０からの信号を受信し、当該信号を制御装置１０１へ送信する。たとえば、ケアコール子機５００は、ケアコールボタン５０１を備え、当該ケアコールボタン５０１を操作されると、当該操作があったことを示す信号を無線通信装置１０７へ送信する。ドアセンサー５１０、トイレセンサー５２０、臭いセンサー５３０、および、バイタルセンサー５４０のそれぞれは、それぞれの検出出力を無線通信装置１０７へ送信する。

記憶装置１２０は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記録媒体である。記憶装置１２０は、制御装置１０１によって実行されるプログラム、および、当該プログラムの実行に利用される各種のデータを格納する。各種のデータは、入居者８００の行動情報を含んでいてもよい。

上記のプログラムおよびデータのうち少なくとも一方は、制御装置１０１がアクセス可能な記憶装置であれば、記憶装置１２０以外の記憶装置（たとえば、制御装置１０１の記憶領域（たとえば、キャッシュメモリーなど）、ＲＯＭ１０２、ＲＡＭ１０３、外部機器（たとえば、管理サーバー２００や携帯端末３００、など）に格納されていてもよい。

（行動情報）
上記の行動情報について、説明する。行動情報は、たとえば入居者８００が所定の行動を実行したことを表わす情報である。一例では、所定の行動は、入居者８００が起きたことを表わす「起床」、入居者８００が寝具から離れたことを表わす「離床」、入居者８００が寝具から落ちたことを表わす「転落」、および、入居者８００が倒れたことを表わす「転倒」の４つの行動を含む。

一実施の形態では、制御装置１０１が、各居室９００に設置されたカメラ１０５が撮像した画像に基づいて、各居室９００に関連付けられた入居者８００の行動情報を生成する。制御装置１０１は、たとえば、上記画像から入居者８００の頭部を検出し、この検出した入居者８００の頭部における大きさの時間変化に基づいて、入居者８００の「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」を検出する。以下、行動情報の生成の一具体例を、より詳細に説明する。

まず、記憶装置１２０に、居室９００におけるベッド９０１の所在領域、第１閾値Ｔｈ１、第２閾値Ｔｈ２、および、第３閾値Ｔｈ３が格納される。第１閾値Ｔｈ１は、ベッド９０１の所在領域内において、横臥姿勢にあるときと座位姿勢にあるときとの間で入居者の頭部の大きさを識別する。第２閾値Ｔｈ２は、ベッド９０１の所在領域を除く居室９００内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が立位姿勢にあるか否かを識別する。第３閾値Ｔｈ３は、ベッド９０１の所在領域を除く居室ＲＭ内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が横臥姿勢にあるか否かを識別する。

制御装置１０１は、対象画像から、例えば背景差分法やフレーム差分法によって、入居者８００の人物の領域として、動体領域を抽出する。制御装置１０１は、さらに、当該抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって導出された閾値を用いて、入居者８００の頭部領域を抽出する。制御装置１０１は、当該抽出された頭部の位置および大きさから、「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」を検出する。

制御装置１０１は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド９０１の所在領域内にあり、かつ、上記のように抽出された頭部の大きさが第１閾値Ｔｈ１を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合に、行動「起床」が発生したことを決定してもよい。

制御装置１０１は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド９０１の所在領域内からベッド９０１の所在領域外へ移動した場合であって、上記のように抽出された頭部の大きさが第２閾値Ｔｈ２を用いることによって或る大きさから立位姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合に、行動「離床」が発生したことを決定してもよい。

制御装置１０１は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド９０１の所在領域内からベッド９０１の所在領域外へ移動した場合であって、上記のように抽出された頭部の大きさが第３閾値Ｔｈ３を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、行動「転落」が発生したと決定してもよい。

制御装置１０１は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド９０１の所在領域を除く居室９００内に位置し、かつ、抽出された頭部の大きさが第３閾値Ｔｈ３を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合には、行動「転倒」が発生したと決定してもよい。

以上説明されたように、一具体例では、センサーボックス１００の制御装置１０１が、入居者８００の行動情報を生成する。なお、見守りシステムでは、居室９００内の画像を用いて、他の要素が入居者８００の行動情報を生成してもよい。

（管理サーバー２００）
図３に示されるように、管理サーバー２００は、制御装置２０１と、ＲＯＭ２０２と、ＲＡＭ２０３と、通信インターフェイス２０４と、表示インターフェイス２０５と、操作インターフェイス２０７と、記憶装置２２０とを含む。

制御装置２０１は、管理サーバー２００を制御する。制御装置２０１は、たとえば、少なくとも１つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも１つのＣＰＵ、少なくとも１つのＡＳＩＣ、少なくとも１つのＦＰＧＡ、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。

通信インターフェイス２０４には、アンテナ（図示しない）などが接続される。管理サーバー２００は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス１００を含む。

表示インターフェイス２０５は、ディスプレイ２０６と接続され、制御装置２０１などからの指令に従って、ディスプレイ２０６に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。

操作インターフェイス２０７は、たとえば、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）端子であり、入力デバイス２０９に接続される。操作インターフェイス２０７は、入力デバイス２０９からのユーザー操作を示す信号を受ける。入力デバイス２０９、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザーの入力操作を受け付けることが可能なその他の装置である。

記憶装置２２０は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記録媒体である。一実現例では、記憶装置２２０は、制御装置２０１によって実行されるプログラムを格納するが、当該プログラムは、制御装置２０１がアクセス可能な他の記憶装置に格納されていてもよい。

（携帯端末３００）
図３に示されるように、携帯端末３００は、制御装置３０１と、ＲＡＭ３０３と、通信インターフェイス３０４と、ディスプレイ３０５と、入力デバイス３０６と、内部メモリー３２０とを含む。

制御装置３０１は、携帯端末３００を制御する。制御装置３０１は、たとえば、少なくとも１つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも１つのＣＰＵ、少なくとも１つのＡＳＩＣ、少なくとも１つのＦＰＧＡ、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。

通信インターフェイス３０４には、アンテナ（図示しない）などが接続される。携帯端末３００は、当該アンテナおよびアクセスポイントＡＰ（図１）を介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス１００、管理サーバー２００などを含む。

ディスプレイ３０５は、たとえば有機ＥＬ（Electro Luminescence）ディスプレイによって実現される。入力デバイス３０６は、たとえばディスプレイ３０５に重ねられたタッチセンサーによって実現される。当該タッチセンサーは、携帯端末３００に対する各種操作をタッチ操作で受け付け、当該操作の内容を制御装置３０１へ出力する。

内部メモリー３２０は、たとえば、ｅＭＭＣ（Embedded MultiMediaCard）などの記録媒体である。一例として、内部メモリー３２０は、制御装置３０１によって実行されるプログラムを格納するが、当該プログラムは、制御装置３０１がアクセス可能な記憶装置であれば、内部メモリー３２０以外の記憶装置に格納されていてもよい。

（クラウドサーバー４００）
図４に示されるように、クラウドサーバー４００は、制御装置４０１と、ＲＯＭ４０２と、ＲＡＭ４０３と、通信インターフェイス４０４と、記憶装置４２０とを含む。

制御装置４０１は、クラウドサーバー４００を制御する。制御装置４０１は、たとえば、少なくとも１つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも１つのＣＰＵ、少なくとも１つのＡＳＩＣ、少なくとも１つのＦＰＧＡ、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。

通信インターフェイス４０４には、アンテナ（図示しない）などが接続される。クラウドサーバー４００は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス１００、管理サーバー２００を含む。

記憶装置４２０は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記録媒体である。一実現例では、記憶装置４２０は、制御装置４０１によって実行されるプログラムを格納するが、当該プログラムは、制御装置４０１がアクセス可能な他の記憶装置に格納あされていてもよい。

（対話端末７００）
図５に示されるように、対話端末７００は、制御装置７０１と、ＲＡＭ７０３と、通信インターフェイス７０４と、スピーカー７１１と、マイク７１２と、ディスプレイ７１３と、内部メモリー７２０とを含む。

制御装置７０１は、対話端末７００を制御する。制御装置７０１は、たとえば、少なくとも１つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも１つのＣＰＵ、少なくとも１つのＡＳＩＣ、少なくとも１つのＦＰＧＡ、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。

通信インターフェイス７０４には、アンテナ（図示しない）などが接続される。対話端末７００は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス１００、管理サーバー２００を含む。

スピーカー７１１は、制御装置７０１の制御に従って音声を出力し、マイク７１２は、入力された音声を制御装置７０１へ出力する。ディスプレイ７１３は、制御装置７０１の制御に従って情報を表示する。ディスプレイ７１３は、タッチパネルによって構成されていてもよい。この場合、当該タッチパネルは、タッチによる情報の入力を受け付け、入力された情報を制御装置７０１へ出力する。

内部メモリー７２０は、たとえば、ｅＭＭＣなどの記録媒体である。一例として、内部メモリー７２０は、制御装置７０１によって実行されるプログラムを格納するが、当該プログラムは、制御装置７０１がアクセス可能な記憶装置であれば、内部メモリー７２０以外の記憶装置に格納されていてもよい。

（本明細書における「プログラム」という用語の意義）
見守りシステムにおいて、各種の「プログラム」は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供される場合があり得る。各種の「プログラム」は、任意の複数のプログラムが協働することによって実現され得る。一例では、センサーボックス１００の制御装置１０１が第１のプログラムを実行することによって本明細書において説明される機能を実現する際に、当該第１のプログラムは、第２のプログラムの一部のモジュールを利用していてもよい。第１のプログラムは、当該機能の実現のための一部のモジュールを含まない場合であっても、当該機能の実現に主に貢献する場合、当該機能を実現するためのプログラムとしての趣旨から逸脱するものではない。また、本明細書において説明される機能は、その一部または全部が専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、本明細書において説明される機能を提供する装置は、その機能の一部または全部を外部装置から所謂クラウドサービスとして提供される場合もあり得る。

［見守りシステムの利用態様］
図６は、見守りシステムの利用態様の一例を示す図である。図６に示された態様では、見守りシステムを構成する要素間の情報の流れが矢印で示され、各矢印には数字が割り振られている。割り振られた数字は、見守りシステム内の情報の流れの順序の一例を表わす。以下、順序に沿って、見守りシステム内の情報の流れを説明する。

（（１Ａ）入力）
居室９００において、入居者８００が何らかの行動を起こすと、対話端末７００は、当該入居者８００の行動に関する入力を取得する。一例では、入居者８００が「眠いなぁ。」「トイレに行きたいなぁ。」などのフレーズをつぶやくと、対話端末７００は、マイクで当該つぶやきの音声を取得する。入居者８００のつぶやきの音声が「入力」の一例である。他の例では、入居者８００が身体を動かした場合、対話端末７００は、当該身体の動きをカメラで撮影することによって取得する。入居者８００の身体の動きが「入力」の一例である。

上記「入力」は、入居者による能動的な行動（つぶやき、ジェスチャー、等）であってもよいし、入居者が対話端末７００に取得されることを意図しない行動（無意識の動作、など）であってもよい。

また、上記「入力」は、対話端末７００からの質問に対する回答であってもよいし、対話端末７００からの質問の出力の有無に拘わらず入居者が実施した行動に関する入力であってもよい。

本明細書では、入居者の行動に関する入力を「入居者からの入力」と称する場合がある。

（（１Ｂ）質問）
見守りシステムでは、対話端末７００は、入居者８００に対して質問を出力してもよい。

入居者８００が当該質問に対して回答を出力すると、対話端末７００は、当該回答を、上記「（１Ａ）入力」の入力として取得する。

（（２）入力内容）
見守りシステムでは、対話端末７００は、入居者８００からの入力を管理サーバー２００へ転送する。対話端末７００は、入居者８００から取得した入力（たとえば、音声および／または画像）そのものを転送してもよい。対話端末７００は、当該入力から抽出された情報を転送してもよい。

抽出の一例は、入力された音声に対する文字認識である。この場合、対話端末７００は、文字認識において取得されたテキスト情報を入力内容として管理サーバー２００へ送信してもよい。

抽出の他の例は、入力された画像に対するパターン認識である。この場合、対話端末７００は、パターン認識において取得された動作のパターン（手話によって表現された単語、等）を入力内容として管理サーバー２００へ送信してもよい。

（（３）入力（回答・つぶやき）の解析）
見守りシステムでは、入居者の入力を対話端末７００から取得すると、管理サーバー２００は、当該入力の内容を解析する。一例では、管理サーバー２００は、対話端末７００から入力された音声を解析する。他の例では、対話端末７００から入力された文字、単語、文章などを解析する。解析の一例は、解析対象が、携帯端末３００への通知が必要とされる条件を満たすか否かの判断である。

（（４）通知）
上記「（３）入力（回答・つぶやき）の解析）」における解析の結果、必要であると判断すると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ所与の通知を送信する。当該通知は、居室９００へのかけつけを求める情報を含んでいてもよい。当該通知は、居室９００において提供することが予測されるケアの内容を含んでいてもよい。管理サーバー２００は、対話端末７００から転送された、入居者からの入力の内容に従って、提供することが予測されるケアの種類を特定し、当該ケアの種類とともに上記通知を送信してもよい。

（（５）かけつけ）
携帯端末３００は、管理サーバー２００からの通知を受信すると、当該通知に対応する情報を出力する。情報の出力は、視覚的な情報（メッセージ等）の表示であってもよいし、アラーム音等の音声の出力であってもよいし、振動であってもよいし、これらの組合せであってもよい。出力される情報は、かけつけを必要とする居室および／または入居者を特定する情報を含んでいてもよい。出力される情報は、必要とされる（ことが予測される）ケアを特定する情報（排泄介助、等）を含んでいてもよい。

携帯端末３００には、ケア管理用のアプリケーション（以下、「ケア作業用アプリ」ともいう）をインストールされていてもよい。携帯端末３００の制御装置３０１は、当該ケア作業用アプリの機能として、上記情報の出力を実現してもよい。

携帯端末３００を携帯するスタッフＮＡは、携帯端末３００による情報の出力によって、かけつけの必要性を認識し、入居者の居室へかけつける。

（（６）ケア作業）
居室へかけつけたスタッフＮＡは、当該居室において、ケアを提供する。

（（７）ケア記録入力）
ケアの提供後、スタッフＮＡは、作業内容を携帯端末３００へ入力する。携帯端末３００は、入力された作業内容をケア記録として管理サーバー２００へ送信する。作業内容の送信は、たとえば、携帯端末３００のケア作業用アプリの機能として実現されてもよい。

ケア記録とは、入居者に関するあらゆる情報を管理するための情報であり、たとえば、電子ファイルの形態で管理される。ケア記録は、たとえば記憶装置２２０に格納される。なお、ケア記録は、ケアシステム内のプロセッサーがアクセス可能な記憶装置であれば、記憶装置２２０以外の記憶装置に格納されていてもよい。

（（８）ケア記録の更新）
携帯端末３００から作業内容を受信すると、管理サーバー２００は、ケアの対象となった入居者のケア記録に、当該作業内容を追加する。

（（９）質問条件の更新）
管理サーバー２００は、入居者からの入力の内容に従って、質問を出力（または出力の指示を送信）するためのケア記録についての条件を更新してもよい。

一例では、見守りシステムにおいて、ケア記録として入力された入居者の体温が、「３５．０℃未満である」または「３７．０℃を超えている」ことを条件として、質問「疲れていない？」が出力されるように、管理サーバー２００が設定されているとする。このような設定の下、入居者の体温が３７．２℃であるというケア記録に応じて出力された質問「疲れていない？」に対して、回答「大丈夫だよ。」が取得された場合、管理サーバー２００は、当該入居者についての質問を出力するための検出出力についての条件を、「入居者の体温が３５．０℃未満であること、または、３７．２℃を超えたこと」へと変更してもよい。すなわち、条件における高い側の閾値が、上記作業内容中の「３７．２℃」に基づいて、３７．０℃から３７．２℃へと変更されてもよい。上記回答の内容に基づくと、当該入居者は、体温が３７．２℃であっても体調不良とは感じない可能性が高い。上記のような条件の変更により、当該入居者に無用な質問が出力される事態が極力回避され得る。

他の例では、入居者は、ある時点で「そろそろトイレに行きたいなぁ。」とつぶやく。当該つぶやきは、対話端末７００を介して管理サーバー２００へ転送される。管理サーバー２００は、当該つぶやきが発生した時刻を、当該つぶやきを入力した（つぶやきを発した）入居者の前回の排泄時刻と対比する。一例では、各入居者の排泄時刻は各入居者のケア記録に登録され、管理サーバー２００は上記入居者のケア記録を参照することにより当該入居者の排泄時刻を取得する。管理サーバー２００において、質問「そろそろトイレに行きたくない？」を出力する条件として、「入居者の排泄時刻から３時間経過後」が設定されている場合を想定する。この条件下で、ある入居者が、排泄時刻２時間後に「そろそろトイレに行きたいなぁ。」とつぶやいた場合、または、排泄時刻２時間後に「そろそろトイレに行きたいなぁ。」とつぶやいたという事象が所与の回数連続した場合、管理サーバー２００は、当該入居者については、上記条件を「入居者の排泄時刻から『２』時間経過後」へと変更しても良い。

（その他）
・質問用の情報
上記「（１Ｂ）質問」について、管理サーバー２００は、対話端末７００に対して、出力される質問の内容を特定する情報（質問用の情報）を出力しても良い。一例では、管理サーバー２００は、ケア記録に登録された情報に基づいて、対話端末７００に対する、質問の出力を指示するタイミングおよび／または出力される質問の内容を決定してもよい。ただし、出力される質問は、対話端末７００によって決定されても良いし、一定であってもよい（たとえば、「調子はどう？」等）。

・検出記録
センサーボックス１００は、当該センサーボックス１００が検出した情報を管理サーバー２００に送信してもよい。送信される情報の一例は、入居者の生体情報である。他の例は、入居者の行動情報（「起床」「離床」「転倒」および／または「転落」）である。管理サーバー２００は、センサーボックス１００から受信した情報を、患者のケア記録に登録してもよい。

・ケア記録ＵＩ変更
管理サーバー２００は、入居者からの入力に従って、携帯端末３００に対して、ケア作業用アプリのＵＩ（ユーザーインターフェース）の表示の変更を指示してもよい。

変更の一例は、入居者から入力された情報の確認を表示することである。
たとえば、管理サーバー２００は、入居者のつぶやき「おなかが痛いなぁ。」を検出した場合、当該つぶやきの音声を解析することによってキーワード「おなか」「痛い」を取得する。管理サーバー２００は、取得したキーワードから、腹部の痛みという症状を取得する。管理サーバー２００には、キーワードと症状とを関連付けるデータベースが格納されていてもよい。管理サーバー２００は、取得された症状の有無を確認するメッセージを、上記つぶやきを入力した入居者についてのケア作業用アプリのＵＩに表示するように、携帯端末３００に指示してもよい。

［つぶやきの具体例］
図７は、見守りシステムにおける入居者のつぶやきの一例を示す図である。

図７の例では、入居者８００は、音声Ｖ（１）として示されるように、「そろそろ、トイレに行きたいなぁ。」とつぶやく。対話端末７００は、マイク７１２を介して音声Ｖ（１）を取得し、音声Ｖ（１）を管理サーバー２００へ転送する。

管理サーバー２００は、音声Ｖ（１）を解析することにより、文字列「そろそろ、トイレに行きたいなぁ。」を取得する。管理サーバー２００は、さらに、文字列「そろそろ、トイレに行きたいなぁ。」からキーワード「トイレ」「行きたい」を抽出する。管理サーバー２００は、これらのキーワードに基づいて、携帯端末３００へ、上記音声Ｖ（１）が取得された居室へのかけつけを指示する通知を送信する。管理サーバー２００では、かけつけを指示する通知を出力するための条件としての、キーワードまたはキーワードの組合せを登録されたデータベースを格納していてもよい。管理サーバー２００は、当該データベースと取得されたキーワードとに基づいて、携帯端末３００への通知の要否を決定する。

携帯端末３００への通知は、取得されたキーワード（またはキーワードの組合せ）に基づいて特定されたケア作業の内容を含んでいても良い。管理サーバー２００は、キーワードまたはキーワードの組合せと、通知の要否と、ケア作業の内容とを関連付けるデータベースを格納していてもよい。図７の例では、携帯端末３００における通知は、取得されたキーワードの組合せ（「トイレ」「行きたい」）に関連付けられた作業の内容「排泄介助」を含む。

［質問の具体例］
図８は、見守りシステムにおいて出力される質問の具体例を示す図である。

図８の例では、入居者における排泄の要望の有無を問い合わせる質問が出力される。より具体的には、対話端末７００は、入居者に対する質問Ｑ（１）として、音声「そろそろ、トイレに行きたくない？」を出力する。図８の例では、入居者８００は、当該質問Ｑ（１）に対して、「そういわれれば、行きたいなぁ。」と回答している。

対話端末７００は、当該回答を、質問Ｑ（１）に対する回答Ａ（１）として取得する。回答Ａ（１）は、対話端末７００を介して、管理サーバー２００へ送信される。

管理サーバー２００は、さらに、回答から抽出された部分を用いて、スタッフの携帯端末３００に対してかけつけのための通知をするか否かを決定することができる。図８の例では、管理サーバー２００は、回答Ａ（１）を解析することにより、文字列「そういわれれば、行きたいなぁ。」を抽出する。管理サーバー２００は、当該文字列が、トイレに行くことを希望する文字列として予め登録された文字列「行きたいなぁ」を含むことを条件として、携帯端末３００に対して通知を出力する。当該通知は、質問Ｑ（１）に関連付けられた作業内容（排泄介助）を含んでいてもよい。

なお、見守りシステムは、コンピューター（管理サーバー２００）の代わりに、当該見守りシステムの管理者が、通知を出力するか否かを判断してもよい。この場合、管理サーバー２００は、音声Ｖ（１）もしくは当該音声Ｖ（１）の解析結果、または、回答Ａ（１）もしくは当該回答Ａ（１）の解析結果（文字列など）を聴覚的および／または視覚的に出力してもよい。管理者は、当該出力に基づいて、携帯端末３００への通知を行うか否かを決定してもよいし、さらに、当該通知に含ませる情報の種類を決定してもよい。

［見守りシステムのブロック構成］
図９は、見守りシステム内の各要素の機能ブロック図である。以下、見守りシステム内の装置ごとに、機能を説明する。

（センサーボックス１００）
センサーボックス１００は、センサー入力部１９１、画像入力部１９２、および、室内認識部１９３として機能する。

センサー入力部１９１は、入居者の挙動（動作）を検出し、たとえば、ドップラーセンサー１０６、ケアコール子機５００、ドアセンサー５１０、トイレセンサー５２０、および／または、臭いセンサー５３０によって構成される。

画像入力部１９２は、居室内の画像を取得し、たとえばカメラ１０５によって構成される。

室内認識部１９３は、センサー入力部１９１および画像入力部１９２から出力される検出出力に基づいて、入居者の状態を検出する。検出される入居者の状態は、たとえば、カメラ１０５の検出出力に基づく、「起床」、「離床」、「転倒」または「転落」である。室内認識部１９３は、たとえば、所与のプログラムを実行する制御装置１０１によって構成される。

（管理サーバー２００）
管理サーバー２００は、ケア支援サービス管理部２９１、質問・回答管理部２９２、および、タイミング判定部２９３として機能する。

ケア支援サービス管理部２９１は、各入居者のケア記録を管理する。より具体的には、ケア記録に、各入居者の情報（氏名、年齢、等）を格納し、また、携帯端末３００からもしくは入力デバイス２０８から入力された作業履歴等をケア記録に登録する。ケア支援サービス管理部２９１は、たとえば、所与のプログラムを実行する制御装置２０１によって構成される。ケア支援サービス管理部２９１は、さらに、ケア記録を格納する記憶装置２２０によって構成される場合もある。

質問・回答管理部２９２は、入居者からの回答内容に基づいて、携帯端末３００に通知を出力するか否かを判断する。質問・回答管理部２９２は、センサーボックス１００から、入居者についての検出出力を受信し、当該検出出力に基づいて、当該入居者の居室に設置された対話端末７００に質問の出力を指示するか否かを判断してもよい。質問・回答管理部２９２は、たとえば、所与のプログラムを実行する制御装置２０１によって構成される。質問・回答管理部２９２は、さらに、質問の出力要否、出力される質問の内容、通知の要否、および／または、通知とともに送信される情報の内容を決定するための情報（たとえば、検出出力と質問内容とを関連付ける情報）を格納する記憶装置２２０によって構成される場合もある。

タイミング判定部２９３は、居室にスタッフが居るか否かを判断する。当該判断の一例は、携帯端末３００から当該携帯端末３００の位置情報を取得し、当該位置情報が居室内であるか否かを判断することである。他の例は、当該居室内の画像を認識することにより、当該居室にスタッフとして特定される物体が存在するか否かを判断することである。なお、居室内にスタッフが存在するか否かの判断は、他のいかなる手法によっても実現され得る。タイミング判定部２９３は、たとえば、所与のプログラムを実行する制御装置２０１によって構成される。タイミング判定部２９３は、上記判断の結果を、質問・回答管理部２９２へ送信する。

質問・回答管理部２９２は、対話端末７００に質問を出力する指示を、当該対話端末７００が設置された居室にスタッフが居ないことを条件として出力してもよい。これにより、居室にスタッフがいるにも関わらず、当該居室にかけつけるための通知が携帯端末３００に送信されるという事態、すなわち、携帯端末３００に無駄な通知が送信されるという事態が回避され得る。質問・回答管理部２９２は、当該質問に対する回答を解析することにより、携帯端末３００へのかけつけなどのための通知の要否を判断し、通知が必要であると判断すると、携帯端末３００に通知を送信する。

また、質問・回答管理部２９２は、対話端末７００に質問を出力する指示を、当該対話端末７００が設置された居室にスタッフが居ないことを条件として出力してもよい。これにより、居室でのケア作業中のスタッフに対して、当該ケア作業についてのアドバイスとなる情報が提供され得る。一例では、質問・回答管理部２９２は、対話端末７００に、ケア作業中に、当該ケア作業の品質に関する質問の出力を指示する。質問・回答管理部２９２は、対話端末７００を介して、当該質問に対する回答を取得する。質問・回答管理部２９２は、当該回答を解析することにより、ケア作業に対する入居者の感想を取得する。たとえば、質問・回答管理部２９２は、実行中のケア作業が入居者の求める作業であるか否かを問う質問の出力を指示する。回答が、実行中のケア作業が入居者の求める作業ではないこと、および、入居者がどのようなケア作業を求めているかということを含む場合、質問・回答管理部２９２は、これらの２点を特定する情報を含む通知を携帯端末３００へ送信する。これにより、居室内のスタッフは、提供する作業内容を、入居者の求める作業の内容へと変更することができる。

質問・回答管理部２９２は、また、対話端末７００から転送された入居者のつぶやき（またはその解析結果）を取得する。質問・回答管理部２９２は、転送されたつぶやきを解析することにより、携帯端末３００へのかけつけなどのための通知の要否を判断し、通知が必要であると判断すると、携帯端末３００に通知を送信する。

（携帯端末３００）
携帯端末３００は、ケア支援ＵＩ部３９１および位置センサー３９２として機能する。ケア支援ＵＩ部３９１は、管理サーバー２００から受信した通知のための画面を表示し、また、作業内容を入力するための画面を表示する。ケア支援ＵＩ部３９１は、たとえば、ケア作業用アプリを実行する制御装置３０１によって構成される。位置センサー３９２は、携帯端末３００の位置情報を取得する、たとえばＧＰＳ（Global Positioning System）受信器（図３では省略されている）によって構成される。位置センサー３９２は、管理サーバー２００へ、携帯端末３００の位置情報を送信する。

（対話端末７００）
対話端末７００は、質問ＵＩ部７９１および回答ＵＩ部７９２として機能する。質問ＵＩ部７９１は、質問を出力し、たとえば、スピーカー７１１および／またはディスプレイ７１３によって構成される。図８の例では、質問ＵＩ部７９１は、質問・回答管理部２９２からの指示に従って、質問を出力する。

回答ＵＩ部７９２は、入居者からの回答を取得し、当該回答を管理サーバー２００へ送信する。回答ＵＩ部７９２は、たとえば、マイク７１２、または、図示しないタッチパネルもしくはカメラによって構成される。

（各装置における機能の配置）
図９に示された各機能の配置は、単なる一例である。図９の例において単一の装置に割り当てられた２以上の機能のそれぞれが、異なる装置において実現されてもよい。たとえば、図９の例では、管理サーバー２００には、ケア記録を管理するケア支援サービス管理部２９１と、ケア記録に基づいた質問の出力を対話端末７００に対して指示する質問・回答管理部２９２とが割当てられているが、これらの機能は互いに別の装置に割当てられてもよい。より具体的には、ケア支援サービス管理部２９１は管理サーバー２００に割り当てられ、質問・回答管理部２９２は対話端末７００に割り当てられても良い。

この場合、ケア支援サービス管理部２９１として機能する管理サーバー２００は、質問・回答管理部２９２として機能する対話端末７００に対して、一定時間ごとに、および／または、新たなケア記録が登録されたときに、対話端末７００が設置されている居室の入居者のケア記録を送信する。質問・回答管理部２９２として機能する対話端末７００は、ケア記録に応じた質問（質問項目）を特定し、質問ＵＩ部７９１として機能する要素へ当該質問の出力を指示する。質問ＵＩ部７９１として機能する対話端末７００は、質問を出力する。このような状況を考慮すると、質問の出力を指示することは、実質的に、質問を出力することを意味する場合があり得る。

ケア支援サービス管理部２９１として機能する管理サーバー２００は、質問スケジュールを生成し、当該質問スケジュールを、質問・回答管理部２９２として機能する対話端末７００に送信してもよい。対話端末７００内では、質問・回答管理部２９２は、質問スケジュールに従ったタイミングで、質問ＵＩ部７９１に質問の出力を指示してもよい。

また、図９の例において複数の装置に割当てられた機能が単一の装置において実現されてもよい。たとえば、図９の例において、センサーボックス１００に割り当てられた機能と対話端末７００に割り当てられた機能とが、すべて対話端末７００において実現される場合があり得る。すなわち、対話端末７００は、携帯端末３００からケア記録の登録を受け付け、かつ、当該ケア記録に基づいた質問を出力するように構成されていてもよい。

［つぶやきデータベース］
図１０は、入居者のつぶやきと携帯端末３００に通知される内容とを関連付ける情報の一例（つぶやきデータベース）を示す図である。つぶやきデータベースは、つぶやきの内容と、メッセージ例と、ケア支援情報とを関連付ける。

つぶやき内容は、入居者のつぶやきの解析の結果として取得される、つぶやきの内容を規定する。メッセージ例は、つぶやきの内容が取得されるメッセージ（たとえば、つぶやきの音声の文字認識によって取得される文字列）である。図１０の例では、メッセージ「おなかがいたい。」が内容「腹部の痛み」に関連付けられている。これは、メッセージ「おなかがいたい。」は、内容「腹部の痛み」が取得されるメッセージの一例であることを意味する。なお、他のメッセージから内容「腹部の痛み」が取得されてもよい。

図１０の例では、メッセージ「トイレに行きたい。」が内容「排泄の希望」に関連付けられている。これは、メッセージ「トイレに行きたい。」は、内容「排泄の希望」が取得されるメッセージの一例であることを意味する。なお、他のメッセージから内容「排泄の希望」が取得されてもよい。

図１０の例では、内容「腹部の痛み」が、ケア支援情報「体調確認」に関連付けられている。これは、管理サーバー２００が、入居者のつぶやきから内容「腹部の痛み」を取得すると、携帯端末３００へ、予測されるケア作業「体調確認」とともに通知を送信することを意味する。

図１０の例では、また、内容「排泄の希望」が、ケア支援情報「排泄介助」に関連付けられている。これは、管理サーバー２００が、入居者のつぶやきから内容「腹部の痛み」を取得すると、携帯端末３００へ、予測されるケア作業「排泄介助」とともに通知を送信することを意味する。

なお、本実施の形態において、音声によるつぶやきは、入居者からの入力の一例である。入居者からの入力は、入居者のジェスチャーであってもよいし、入居者がタッチパネルを操作することによって取得されるテキストであってもよい。たとえば、カメラ１０５によって撮影された映像から、入居者が当該入居者の腹部に手を置いた状態が所与の閾値を超える時間継続するというジェスチャーが検出された場合、管理サーバー２００は、当該ジェスチャーから内容「腹部の痛み」を取得してもよい。また、入居者が、対話端末７００のタッチパネルにテキスト「おなかがいたい。」を入力する操作を行った場合、または、当該タッチパネルにおいて「腹部の痛み」に対応するボタンをタッチする操作を行った場合、対話端末７００は、管理サーバー２００へ、当該操作の内容を送信する。管理サーバー２００は、当該操作に基づいて、入居者が内容「腹部の痛み」に対応する情報を入力したことを特定してもよい。いずれの場合も、管理サーバー２００は、携帯端末３００に対し、図１０の内容「腹部の痛み」と同様のケア支援情報「体調確認」とともに通知を送信する。

［質問データベース］
図１１は、ケア記録と質問の内容とを関連付ける情報の一例（質問データベース）を示す図である。質問データベースは、認識項目または入力情報と、時間・回数条件と、質問項目と、ケア支援情報とを関連付ける。

認識項目は、センサーボックス１００等において認識された、入居者の行動についての項目を規定する。入力情報は、携帯端末３００等から入力された、入居者についてのケア記録を構成する情報（たとえば、作業内容）である。ケア記録を構成する情報は、医師による診察など、携帯端末３００以外の装置から入力された情報を含んでいても良い。時間・回数条件は、入力情報に関連付けられた、質問の出力が指示される条件を規定する。質問項目は、質問として出力される内容を規定する。ケア支援情報は、上記質問に対する回答についての、携帯端末３００への通知が出力される条件を規定する。

たとえば、質問データベースでは、１行目に記載されるように、認識項目または入力情報「入室」、時間・回数条件「即時」、質問項目「疲れてないか？」、および、ケア支援情報「疲れている場合：体調確認」が関連付けられている。これは、ケア記録として、行動情報「入室」（たとえば、カメラ１０５の画像の解析に基づいて、入居者が居室に入ったことを表わす情報）が登録されると、即時的に、質問項目「疲れてないか？」（すなわち、入居者が疲労を感じているか否かを問い合わせる質問）が出力されることを意味する。１行目は、さらに、当該質問に対して、「疲れている」（すなわち、入居者が疲労を感じている）ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、当該通知が行なわれる状況において必要とされる作業内容「体調確認」を含めることができる。

質問データベースでは、６行目に記載されるように、認識項目または入力情報「本棚への移動」、時間・回数条件「１５時になった時点で５回未満」、質問項目「体に異常があるのか？」、および、ケア支援情報「異常がある場合：体調確認」が関連付けられている。これは、ケア記録として、認識項目「本棚への移動」の登録回数が、当日の１５時迄に５回に至らなかったことを条件として、質問項目「体に異常があるのか？」（すなわち、入居者が自身の体調に異常を感じているか否かを問い合わせる質問）が出力されることを意味する。見守りシステムでは、管理サーバー２００は、たとえば、カメラ１０５の画像を解析することにより、入居者が居室内の本棚前の領域として予め定められた領域に位置したことを特定すると、当該入居者のケア記録に認識項目「本棚への移動」を登録する。６行目は、さらに、当該質問に対して、「異常がある」（すなわち、入居者が自身の体調に異常を感じている）ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、当該通知が行なわれる状況において必要とされる作業内容「体調確認」を含めることができる。

質問データベースでは、１１行目に記載されるように、認識項目または入力情報「食事」、時間・回数条件「１５分経過」、質問項目「そろそろ便意は無いか？」、および、ケア支援情報「便意がある場合：排泄介助」が関連付けられている。これは、ケア記録として、作業内容「食器回収」が登録された後、１５分が経過したことを条件として、質問項目「そろそろ便意は無いか？」（すなわち、トイレに行きたいか否かを問い合わせる質問）が出力されることを意味する。１行目は、さらに、当該質問に対して、「便意がある」（すなわち、トイレに行きたい）ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、当該通知が行なわれる状況において必要とされる作業内容「排泄介助」を含めることができる。

質問データベースでは、１２行目に記載されるように、認識項目または入力情報「排泄」、時間・回数条件「１５分経過」、質問項目「そろそろ便意は無いか？」、および、ケア支援情報「便意がある場合：排泄介助」が関連付けられている。これは、ケア記録として、作業内容「排泄介助」が登録された後、１時間が経過したことを条件として、質問項目「そろそろ便意は無いか？」が出力されることを意味する。２行目は、さらに、当該質問に対して、「便意がある」（すなわち、トイレに行きたい）ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、当該通知が行なわれる状況において必要とされる作業内容「排泄介助」を含めることができる。

質問データベースでは、１３行目に記載されるように、認識項目または入力情報「入浴」と、時間・回数条件「３０分経過」、質問項目「眠くないか？」（すなわち、眠ることを希望しているか否かを問い合わせる質問）が出力されることを意味する。３行目は、さらに、当該質問に対して、「眠い」（すなわち、眠ることを希望している）ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、当該通知が行なわれる状況において必要とされる作業内容「パジャマへの着替え介助」を含めることができる。

質問データベースでは、１４行目に記載されるように、認識項目または入力情報「水分摂取」と、時間・回数条件「２００ｍｌ以上摂取後１５分経過or過去１時間以内に２回以上摂取」、質問項目「そろそろ便意はないか？」、および、ケア支援情報「便意がある場合：排泄介助」が関連付けられている。これは、ケア記録として、作業内容「飲水補助」が登録された場合であって、「１回の飲水補助で入居者が２００ｍｌ以上の水分を摂取したこと」または「２００ｍｌ未満の水分摂取が１時間以内に２回以上発生したこと」を条件として、質問項目「そろそろ便意は無いか？」が出力されることを意味する。４行目は、さらに、当該質問に対して、「便意がある」（すなわち、トイレに行きたい）ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、当該通知が行なわれる状況において必要とされる作業内容「排泄介助」を含めることができる。

質問データベースでは、１５行目に記載されるように、認識項目または入力情報「服薬」と、時間・回数条件「３０分経過」と、質問項目「疲れていないか？」と、ケア支援情報「疲れている場合：看護師呼び出し」とが関連付けられている。これは、ケア記録として、作業内容「服薬管理」が登録されていから３０分が経過したことを条件として、質問項目「疲れていないか？」（すなわち、入居者が疲労を感じているか否かを問い合わせる質問）が出力されることを意味する。５行目は、さらに、当該質問に対して「疲れている」ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、スタッフに対して必要とされる作業内容「看護師呼び出し」（看護師に、入居者を看るための連絡を取ること）を含めることができる。

質問データベースでは、１６行目に記載されるように、認識項目または入力情報「体温が３５度未満または３７度を超えている」と、時間・回数条件「即時」と、質問項目「疲れていないか？」と、ケア支援情報「疲れている場合：看護師呼び出し」とが関連付けられている。これは、ケア記録として、作業内容「体温測定」とともに登録された入居者の体温について、当該体温が「３５．０℃未満であること」または当該体温が「３７．０℃を超えていること」を条件として、質問項目「疲れていないか？」が出力されることを意味する。「即時」とは、上記のようなケア記録が登録された時点で、一定時間の経過を待つことなく、質問出力のための条件が満たされていることを意味する。６行目は、さらに、当該質問に対して「疲れている」ことを示す回答が入力されると、管理サーバー２００は、携帯端末３００へ、居室へのかけつけ指示のための通知を行うことを意味する。管理サーバー２００は、当該通知に、スタッフに対して必要とされる作業内容「看護師呼び出し」を含めることができる。

図１１の例において、質問項目「体に異常があるのか？」（６行目）に対応する質問は、入居者の本棚への移動に関連して出力される。当該質問は、対象者の移動に関する質問の一例である。

質問項目「疲れてないか？」（４行目）に対応する質問は、入居者の姿勢に基づいて特定された行動「離床」に関連して出力される。当該質問は、対象者の姿勢に関する質問の一例である。また、当該質問は、入居者の行動「離床」に関連して出力されることから、対象者の行動に関する質問の一例である。

質問項目「疲れてないか？」（１６行目）に対応する質問は、入居者の体温（生体情報の一例）に基づいて出力される。当該質問は、対象者の生体情報に関する質問の一例である。生体情報の他の例は、呼吸状態および心拍数である。

質問項目「暑くないか？」（１０行目）に対応する質問は、居室の温度（居室の環境の一例）に基づいて出力される。当該質問は、対象者の居室の環境に関連する質問の一例である。

［質問の出力（１）］
図１２は、対話端末７００からの質問の出力に関して管理サーバー２００によって実行される処理の一例のフローチャートである。当該処理は、たとえば、制御装置２０１のＣＰＵが所与のプログラムを実行することによって実現される。

図１２を参照して、ステップＳ１４にて、制御装置２０１は、質問を出力するタイミングが到来しているか否かを判断する。一例では、制御装置２０１は、質問を出力するタイミングが到来しているか否かを、図１１に示された質問データベースの「時間・回数条件」に基づいて判断する。

制御装置２０１は、質問を出力するタイミングが未だ到来していないと判断すると（ステップＳ１４にてＮＯ）、到来したと判断するまで、たとえば一定時間ごとにステップＳ１４の制御を繰り返す。制御装置２０１は、質問を出力するタイミングが到来していると判断すると（ステップＳ１４にてＹＥＳ）、ステップＳ１６へ制御を進める。

ステップＳ１０〜Ｓ１４の制御の中の少なくとも一部は、センサーボックス１００によって実施されてもよい。一例では、センサーボックス１００は、各種のセンサーの検出出力に基づいて、質問データベース内の認識項目として特定される状態が発生すると、管理サーバー２００へ、当該状態が発生した旨の情報を送信する。当該情報を受信すると、管理サーバー２００は、「時間・回数条件」として規定される条件が満たされるまで待機し、当該条件が満たされると、ステップＳ１６へ制御を進める。

ステップＳ１６にて、制御装置２０１は、居室においてスタッフが不在であるか否かを判断する。制御装置２０１は、スタッフが不在であると判断すると（ステップＳ１６にてＹＥＳ）、ステップＳ１８へ制御を進め、そうでなければ（ステップＳ１６にてＮＯ）、ステップＳ１４へ制御を戻す。居室にスタッフが居るか否かの判断の一例は、携帯端末３００から当該携帯端末３００の位置情報を取得し、当該位置情報が居室内であるか否かを判断することである。他の例は、当該居室内の画像を認識することにより、当該居室にスタッフとして特定される物体の存在有無の判断である。なお、当該判断は、他の手法（ケア記録上の作業終了時刻、当該時刻から所与時間経過後、居室の外向けのオプティカルフローの検知、等）によっても実現され得る。なお、ステップＳ１６の制御は、省略されてもよい。すなわち、見守りシステムは、居室内にスタッフが居るか否かに拘わらず、対話端末７００から質問が出力されるように構成されていてもよい。

ステップＳ１８にて、制御装置２０１は、対話端末７００へ、質問の出力を指示する。当該指示は、質問の内容を指定する情報を含んでいてもよい。指定される内容は、たとえば、図１１の質問データベース内の「質問項目」によって規定される。

ステップＳ２０にて、制御装置２０１は、対話端末７００から、ステップＳ１８において出力を指示した質問に対する回答を取得する。回答は、たとえば、質問の出力から一定時間以内に対話端末７００が取得した情報として、当該質問と関連付けられる。

ステップＳ２２にて、制御装置２０１は、回答内容を解析する。
ステップＳ２４にて、制御装置２０１は、回答内容の解析結果に基づいて、携帯端末３００への通知の要否を判断する。制御装置２０１は、通知が必要であると判断すると（ステップＳ２４にてＹＥＳ）、ステップＳ２６へ制御を進め、そうでなければ（ステップＳ２４にてＮＯ）、ステップＳ２８へ制御を進める。

ステップＳ２６にて、制御装置２０１は、携帯端末３００へ通知を出力する。当該通知は、たとえば、居室へのかけつけを要求する内容を含む。当該通知は、当該居室において必要とされる作業内容を特定する情報を含んでいてもよい。

ステップＳ２８にて、制御装置２０１は、出力を指示した質問および取得された回答の内容等を追加するように、ケア記録を更新する。

ステップＳ３０にて、制御装置２０１は、質問条件（質問が出力されるための条件。たとえば、図１１の質問データベース内の「認識項目」および「時間・回数条件」の少なくとも一方）の更新が必要か否かを判断する。制御装置２０１は、質問条件の更新が必要であると判断すると（ステップＳ３０にてＹＥＳ）、ステップＳ３２へ制御を進め、そうでなければ（ステップＳ３０にてＮＯ）、ステップＳ３４へ制御を進める。一例では、制御装置２０１は、上記「（９）質問条件の更新」において説明されたような、検出出力の条件が変更され得る状態が発生している場合に、質問条件の更新が必要であると判断し、そのような状態が発生していない場合に、質問条件の更新が不要であると判断する。

ステップＳ３２にて、制御装置２０１は、回答内容に従って、質問条件を更新する。これにより、質問が出力されるための検出出力についての条件が変更される。

ステップＳ３４にて、制御装置２０１は、ケア記録ＵＩの変更が必要か否かを判断する。制御装置２０１は、ケア記録ＵＩの変更が必要であると判断すると（ステップＳ３４にてＹＥＳ）、ステップＳ３６へ制御を進め、そうでなければ（ステップＳ３４にてＮＯ）、図１２の処理を終了させる。一例では、制御装置２０１は、上記「（その他）・ケア記録ＵＩ変更」において説明されたように、回答内容に応じてケア記録ＵＩが変更され得る状態が発生している場合に、ケア記録ＵＩの変更が必要であると判断し、そのような状態が発生していない場合に、ケア記録ＵＩの変更が不要であると判断する。

ステップＳ３６にて、制御装置２０１は、回答内容に従って、携帯端末３００に対して、ケア記録ＵＩの変更を指示する。これに応じて、携帯端末３００（ケア作業用アプリ）は、ケア記録ＵＩにおける設定を変更する。その後、制御装置２０１は、図１２の処理を終了させる。

［質問の出力（２）］
図１３は、対話端末７００からの質問の出力に関して管理サーバー２００によって実行される処理の他の例のフローチャートである。

図１２の処理では、スタッフが居室に居ないことを条件として質問が出力されたのに対し、図１３の処理では、スタッフが居室に居ることを条件として質問が出力される。このことは、図１３の処理が、図１２の処理に対して、ステップＳ１６がステップＳ１７へと変更されていることに対応する。

ステップＳ１７にて、制御装置２０１は、スタッフが居室に居るか否かを判断する。制御装置２０１は、スタッフが居室に居ると判断すると（ステップＳ１７にてＹＥＳ）、ステップＳ１８へ制御を進め、そうでなければ（ステップＳ１７にてＮＯ）、ステップＳ１４へ制御を戻す。

図１３の処理においても、図１２の処理と同様に、制御装置２０１は、ステップＳ１８において対話端末７００へ質問の出力を指示する。なお、図１３の処理では、当該指示に基づいて対話端末７００から出力される質問は、図１２の処理のステップＳ１８の指示に基づいて出力される質問とは異なっていてもよい。図１３の例では、たとえば、居室内で提供されているケア作業の品質を問い合わせる質問が出力される。

図１３の処理では、制御装置２０１は、ステップＳ２０にて回答を取得し、ステップＳ２２にて取得された回答を解析する。

ステップＳ２４にて、制御装置２０１は、解析の結果に基づいて、携帯端末３００への通知の要否を判断する。一例では、図１３の処理のステップＳ２４において、制御装置２０１は、回答の解析結果が、入居者が提供されているケア作業に満足していないことを示すことを条件として、通知が必要であると判断してもよい。この場合、ステップＳ２６において、制御装置２０１は、携帯端末３００へ、入居者が提供されているケア作業に満足していることを表わす情報とともに通知を送信してもよい。他の例では、制御装置２０１は、解析結果が、入居者が提供されているケア作業とは異なる種類のケア作業を希望することを示すことを条件として、通知が必要であると判断してもよい。この場合、ステップＳ２６において、制御装置２０１は、携帯端末３００へ、入居者が希望するケア作業の種類を表わす情報とともに通知を送信してもよい。

その後、制御装置２０１は、図１２の処理と同様に、図１３の処理においても、ステップＳ２８〜Ｓ３６の制御を実行して、図１３の処理を終了させる。

［つぶやき解析］
図１４は、対話端末７００が入居者からの入力の一例として取得するつぶやきの解析に関して管理サーバー２００によって実行される処理の一例のフローチャートである。

図１４の処理において、ステップＳ２１にて、制御装置２０１は、入居者のつぶやきを取得したか否かを判断する。一例では、入居者のつぶやきは、対話端末７００を介して、管理サーバー２００へと送信される。制御装置２０１は、入居者のつぶやきを取得したと判断すると（ステップＳ２１にてＹＥＳ）、ステップＳ２３へ制御を進める。そうでなければ（ステップＳ２１にてＮＯ）、制御装置２０１は、ステップＳ２１へ制御を留める。これにより、たとえば一定時間ごとに、ステップＳ２１の制御が実行される。

ステップＳ２３にて、制御装置２０１は、取得したつぶやきを解析する。一例では、つぶやきの解析により、制御装置２０１は、図１０におけるメッセージ例として挙げられた文字列を取得し、図１０において内容として挙げられた内容を取得する。

ステップＳ２４にて、制御装置２０１は、ステップＳ２３にて取得された解析の結果に基づいて、携帯端末３００への通知の要否を判断する。制御装置２０１は、通知が必要であると判断すると（ステップＳ２４にてＹＥＳ）、ステップＳ２６へ制御を進め、そうでなければ（ステップＳ２４にてＮＯ）、ステップＳ２８へ制御を進める。一例では、制御装置２０１は、解析の結果に基づいて取得された内容が図１０に挙げられた内容のいずれかと一致する場合に通知が必要であると判断し、そうでなければ通知が不要であると判断する。

図１４の処理では、制御装置２０１は、図１２の処理と同様に、ステップＳ２６以降の制御を実行する。

以上説明された本実施の形態では、携帯端末３００への通知は、スタッフのかけつけが必要であることを表わす情報の提示の一例である。当該情報の提示は、スタッフが携帯している端末での情報の出力を必要としなくてもよい。管理サーバー２００は、携帯端末３００へ通知を送信する代わりに、スタッフが視認可能な場所（たとえば、ナースステーション）に設置されたモニタに入居者の居室へのかけつけが必要であることを表わす情報（たとえば、「Ａ号室、Ｂさんの居室へのかけつけ！」）を表示してもよい。

本実施の形態では、入居者からの入力（たとえば、つぶやき「おなかがいたい。」）に基づいて、入居者の居室へのかけつけが必要とされる例が説明された。これにより、管理サーバー２００は、センサーボックス１００の検出出力等の客観的な情報によってはかけつけの必要性を認識できなかった局面でも、入居者がかけつけの必要性を認識できる。

今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。

１００，１００Ａ，１００Ｂ センサーボックス、１０１，２０１，３０１，４０１，７０１ 制御装置、１０５ カメラ、１０６ ドップラーセンサー、１０７ 無線通信装置、１２０，２２０，４２０ 記憶装置、１９１ センサー入力部、１９２ 画像入力部、２００ 管理サーバー、２０５ 表示インターフェイス、２０６，３０５，７１３ ディスプレイ、２０７ 操作インターフェイス、２０９，３０６ 入力デバイス、２９１ ケア支援サービス管理部、２９２ 質問・回答管理部、２９３ タイミング判定部、３００，３００Ａ，３００Ｂ 携帯端末、３２０，７２０ 内部メモリー、３９１ ケア支援ＵＩ部、３９２ 位置センサー、４００ クラウドサーバー、５００，５００Ａ，５００Ｂ ケアコール子機、５０１ ケアコールボタン、５１０，５１０Ａ，５１０Ｂ ドアセンサー、５２０，５２０Ａ，５２０Ｂ トイレセンサー、５３０，５３０Ａ，５３０Ｂ センサー、５４０，５４０Ａ，５４０Ｂ バイタルセンサー、７００，７００Ａ，７００Ｂ 対話端末、７１１ スピーカー、７１２ マイク、７９１ 質問ＵＩ部、７９２ 回答ＵＩ部、８００，８００Ａ，８００Ｂ，Ａ，Ｂ 入居者、９００，９００Ａ，９００Ｂ 居室、９０１，９０１Ａ，９０１Ｂ ベッド、９０２，９０２Ａ，９０２Ｂ。

Claims (9)

1. コンピューターによって実行されるケアシステムの管理方法であって、
   対象者からの入力を受け付けるステップと、
   前記入力に基づいて、前記対象者へのケアの要否を判断するステップと、
   前記対象者へのケアが必要であると判断した場合に、前記対象者にケアを提供する者に対して、前記対象者へのケアが必要であることを表す情報を提示するステップとを備える、ケアシステムの管理方法。
2. 前記対象者の居室においてスタッフが不在である場合に、前記対象者に対して質問を出力するステップをさらに備え、
   前記入力を受け付けるステップは、前記入力として前記質問に対する回答を受け付けることを含む、請求項１に記載のケアシステムの管理方法。
3. 前記質問は、前記対象者の移動、姿勢、行動、生体情報、および、前記対象者の居室の環境の中の少なくとも一つに関する質問を含む、請求項２に記載のケアシステムの管理方法。
4. 前記対象者の居室においてスタッフが不在であるか否かを判断するステップをさらに備える、請求項２または請求項３に記載のケアシステムの管理方法。
5. 前記質問が出力される条件を、前記入力の内容に基づいて変更するステップをさらに備える、請求項２〜請求項４のいずれか１項に記載のケアシステムの管理方法。
6. 前記情報を提示するステップは、必要とされるケアの内容を表す情報を提示することを含む、請求項１〜請求項５のいずれか１項に記載のケアシステムの管理方法。
7. 前記情報を提示するステップは、前記対象者に対してケアを実行しているスタッフに対して情報を提示することを含む、請求項１に記載のケアシステムの管理方法。
8. コンピューターのプロセッサーに、請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
9. 対象者からの入力を受け付けるステップと、
   前記入力に基づいて、前記対象者へのケアの要否を判断するステップと、
   前記対象者へのケアが必要であると判断した場合に、前記対象者にケアを提供する者に対して、前記対象者へのケアが必要であることを表す情報を提示するステップとを実行するように構成された１以上のプロセッサーを備える、ケアシステム。

Images